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公的研究費の適正な管理に関する有識者会議(第1回) 議事要旨

1.日時

平成21年5月21日(木曜日)10時~11時30分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 会議の運営等について
  2. 研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)に基づく体制整備等の実施状況について(分析結果報告)
  3. 今後のガイドラインの運用について
  4. その他

4.議事要旨

出席者:(委員)石井主査、佐藤主査代理、大久保委員、佐野委員
     (配分機関)伊藤科学技術振興機構イノベーション推進本部研究支援部長、渡邊日本学術振興会研究事業部長
      (事務局)大塚競争的資金調整室長

○開会。主査に石井委員、主査代理に佐藤委員が選任された。
○大塚競争的資金調整室長より、議題(1)について説明の後、「会議の運営等について」が了承された。
○大塚競争的資金調整室長より、議題(2)について説明があった。
○その後、以下の通り自由討議が行われた。

・繰越明許という制度があり、実際に使われていることを、ある私学の一線級の研究者が知らないということがあった。制度に関して、何が可能で何が難しいか、研究者の立場から見て難しい問題はどう改善したらいいのかという議論がほとんどの大学において欠如している感じを受ける。
・不正を防ぐ方法として、少しでも使い勝手の悪さを解消していく、これは文部科学省も研究機関もやる必要があり、現場の先生もそれについての問題を指摘する必要がある。
・文部科学省と資金配分機関の代表的なところで、制度の改善に関する問題もあわせて引き続き検討し、大学等に対して問題提起していく必要がある。

・内閣府が主催でやっている会議がある。文部科学省としても積極的に取り組みつつ、積極的にアウトプットしていきたい。

・この分析結果は膨大な1,600もある回答を処理しているから、こういう格好になるのはやむを得ないかなという気はするが、率直に言って、悩んでいる大学の現場にはあまり役に立たないなという気がする。
・大学に不正経理をやらせないために、大きな2つの段階があって、1つはルールをつくるということ、もう1つは、そのルールを教員に浸透させるということ。
・ある大学では、「私は預け金をやったことがありません」、「私は旅費の不正使用をやったことがありません」旨の誓約書を教員全員からとっている。また、繰越明許制度などのルールの浸透や、二日に渡る全教員対象の研修を行っている。このような事例を集めて事例集をつくれば浸透していく。

・組織をつくっていくのに、2つのステップがある。1つ目のステップは、体制整備を中心にPDCAを構築していくこと。重要なのは2つ目のステップで、教職員に対する浸透策を中心としたPDCAを回すこと。本検討会も、今後は、第2フェーズに行くべきではないか。制度や仕組みをつくることが目的ではなく、それを機能させるために、現場に浸透させることが、大学・研究機関には特に必要。
・ガイドラインを実行していくために、具体的に何をしたらいいのか。先進的な取り組みの大学の例を提示することも重要だと思う。しかし、懸念として、自発的にものを考え、思考回路が活性化されている大学は、先進的な事例をもとに自分の大学に当てはめていくのでよいだろうが、思考回路が極めて停止状態に陥っている大学は、形式的なことばかりをただ真似しようとするだけになってしまい、取り組みが形骸化し、余計おかしくなってしまうことを危惧している。

・今後のガイドラインの運用についてお尋ねしたい。現地調査をしながら今後どのような情報を得ていく必要があるか。また、どのようにガイドラインを浸透させていくのか。

・どういう教育研修をしているか体系的なプログラムを出してもらうとよいのではないか。

・学内における研修のやり方というものをきっちり把握する必要があるのではないか。

・非常に厳しくやっている例では、まず資金のルール等を扱う講習に出席させその受講証明がないと、競争的資金の応募をさせないというところがある。

・浸透させるべきルールに無理がなかったか、必須事項等の項目が果たして現実をすべて踏まえているかどうかということも検証する必要がある。必須事項であっても、その適用の仕方、浸透の仕方には、やはり規模のメリットがあったり、デメリットがあったりする。
・これらを再検証し、フィードバックするための一つの材料としては、この分析結果は大変いいものだと思う。

・小さいところでも必須事項に対応できている例を示すべき。また、物品検収を非常にうまくやっている大学のグッドプラクティスを知らせるといったことも必要。
・研究者が、過去の清算をしようと自身の以前行った預け金等を正直に申告すると、不正使用として罰則を食らってしまう。自ら手を挙げるインセンティブがない。こういったものを本当になくしていくための方策を考えていく必要があるのではないか。
・科研費で不正があると、2年から5年の申請停止処分を行うが、処分の判断は規程に則って機械的に行われる。ミスの程度、悪意の程度といった事情は特に斟酌されない。事情に応じた運用を行う必要があるのではないか。

・罰則の構成要件がはっきりしない状況の中で、厳罰化していくというのが社会風潮となっている。しかし、例えば運転免許制度のように、何をやったらどういう罰が出てくるのかということを全部細分化して、細かい表をつくればいいのではないか。本当に悪質なものを峻別して強化すればいいだけだ。

・罰則一律適用というのはやむを得ない部分があるかとは思うが、構成要素から考えることはできるのではないか。会計士の場合には、社会的影響の他に、善意か悪意か、知らないことの正当性、専門的な知識の欠如の問題などが考慮される。ここの場で言えば、研究者として最低限知っていなければならないガイドラインの内容を知っていたかどうか、知らないことに合理性があったのかという点があてはまる。

・今の話はこの会議のタスクになるか分からないが、議論は必要。刑法にも自首による刑の減免はある。

・研究費の不正に関しては、より厳しくという世の中の風潮もあり、事情によっては処分を軽くするという対応に変えるためには、こうした委員会などで方向性を出すことが必要である。

・不正防止で一番重要なことは、不正をしないで済む環境を各研究機関が研究者のために整えるということ。現在の制度の枠組みを前提とすると、不正をしないで済む環境をつくる一番有効な策は、1つは研究費が出るまでの期間、大学等がその研究者に金を無条件で立てかえる立て替え払いがある。それからもう1つは、繰越明許を簡単にすること。ある大学では、科研費においては繰越が認められなかった場合、大学がその分を補填するということを明示している。

・立て替え払いと繰越明許を、それぞれの大学がどういう仕組みを持って運用し研究者に浸透しているかを現地調査で調べてほしい。あるいは研究者が実際どう使っているか。それで大体それぞれの大学の取組の水準がわかると考えている。

・合算使用が可能だということもあんまり知られていない。研究費をいかに使い勝手がいいものにするかということが、不正防止策としては一番意味のあることだろうと思う。

・ 科研費では、ほとんどの種目で4月1日に内定を出した。実際に研究機関にお金が行くのは6月ぐらいになるので、その間は立て替え払いをやっていただければいいのだが、すべての大学でできているわけではない。かなり余裕がないとできないという声を、結構大きな大学からも聞いている。

○次回の日程については調整の上、連絡する旨発言があり、閉会となった。 

以上

お問合せ先

科学技術・学術政策局調査調整課

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