X線自由電子レーザー利用推進戦略会議(第1回) 議事要旨

1.日時

平成23年3月28日(月曜日)13時~14時45分

2.場所

文部科学省16階 特別会議室

3.議題

  1. 主査及び副主査について
  2. 会議の議事運営等について
  3. XFELの現状及び今後の取組について
  4. X線自由電子レーザー利用推進方針について
  5. 今後の検討事項等について
  6. その他

4.議事要旨

議題1 主査及び副主査について

  •  主査については、文部科学省から下村委員を指名し、了承された。副主査については、下村委員より、坂田委員を指名し、了承された。

議題2 会議の議事運営について

  •  議事運営について、案の通り決定した。

議題3 XFELの現状及び今後の取組について

  •  石川委員より、資料3に基づきXFELの整備状況について説明があった。

(質疑等)

  •  先行している米国の研究状況を見ても、XFELでカバーできるサイエンスの分野は極めて広い。研究対象分野は山のようにあるので、わざわざ米国と同じ対象を研究する必要はない。

議題4 X線自由電子レーザー利用推進方針について

  •  事務局より、資料4に基づき利用推進方針の概要等について説明があった。

(質疑等)

  •  窓口が分かれていると煩雑であるため、XFELの登録機関はSPring-8と分けないで欲しい。
  •  シーディング方式は米国施設より先行して開発すべきだと思う。
  •  利用装置が今後続々と整備されると思われるので、新規ビームラインについても速やかに整備すべき。
  •  現在のビームラインで成果が出れば、速やかに整備したい。

議題5 今後の検討事項等について

  •  事務局より、資料5-1、資料5-2及び資料5-3について説明があり、以下の議論があった。

(XFEL利用の重点分野の検討について)

  •  欧米では、研究の重点分野を定める際に、例えば、ナノテクノロジー・イニシアチブといった研究分野ごとの大きな方針を定め、その中で各研究施設の方針を位置づけることが多い。
  •  重点分野については、本施設計画時の目的や従来の議論を踏まえて設定していくものではないか。
  •  これまでの利用推進研究課題と現在募集中の調整運転提案課題が重点分野の議論のベースになる。
  •  今後、XFELで研究を進めるにあたって、現行装置だけで全ての課題を網羅できるか。新たな方法も検討する必要があるのではないか。
  •  XFELでカバーできる分野は広すぎて、網羅はできない。どういう分野を一番重点化すべきなのかを議論すべき。まずは今ある装置で成果を出し、次に備えるのが妥当ではないか。
  •  環境・エネルギー分野を重点枠に入れないことはあり得ない。例えば葉緑体の機能解明などは社会に与えるプラスの効果が非常に大きい。
  •  重点分野を決める際には、どの装置で、何ができるか、までよく詰めるべきではないか。
  •  重点分野を決めるのも重要だが、研究者の自由な発想にも期待したい。

(戦略利用枠の進め方について)

  •  様々な利用研究者の知恵と、施設者の知恵とを融合させてグループを組むことが重要。
  •  国、理研、登録機関の三者がよく相談し、一緒に進めていくべき。
  •  最初の2~3年の間に皆で利用装置を作り上げ、その過程でXFELの利用に習熟するのが非常に重要。
  •  放射光に慣れている企業にとっても、 XFELは敷居が高い。まずは企業も入っていけるような利用研究グループを作るべき。そこで成果が挙がれば、産業界は自ら投資して利用するだろう。
  •  成果非公開利用は、最初の2年くらいは考えにくいのではないか。
  •  海外ユーザーを初めから呼び込み装置製作に協力させる形態もあって良いのではないか。
  •  ライフサイエンス分野の研究者や現在の放射光ユーザーで、XFELに関与している人は非常に少ない。これらの人材をXFELにつなげることが重要。オールジャパンでやっても人材が足りないくらい。
  •  ナショナルプロジェクトであるため、国が委託費等を使って戦略的にXFELの利用研究を推進することがあっても良い。

(海外ユーザーによる一般利用について)

  •  ナショナルプロジェクトであるため、国内外ユーザーで待遇を分けるという議論もありえる。
  •  先行している米国施設では6割が国外からの課題であると聞いている。
  •  一般的な課題選定を実施した場合、米国施設の選定に外れた海外研究者が日本に押しかけて来ることは起こりうるが、試料を持ってきてすぐ実験できるということはないので、当面は日本の研究者とチームを組んで実験するということになるのではないか。

(一般利用枠のあり方について)

  •  一般利用枠は、ユーザーの自由な提案がベースとなるため、重点分野など大きな方針が決まれば、後は登録機関に選定を任せればよい。
  •  企業の中にはいろいろな分析試料が蓄積されているが、XFELをどう使っていいか分からないため、それを理解していく時間が必要。XFELでなければできないものは何なのか明確にしてほしい。
  •   XFELの利用方法を確立することは重要だが、単なる解析の方法を確立するだけでなく、一般社会に対して還元できるような具体的な成果をアピールしていくこともが必要。

※第2回は4月19日(火曜日)13時30分より、第3回は5月24日(火曜日)午前に開催する。(事務局)

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(研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室)