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HPCI計画推進委員会(第31回) 議事要旨

1.日時

平成29年3月3日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省旧庁舎6階第二講堂

3.出席者

委員

西尾主査,伊藤(公)委員,伊藤(宏)委員,梅谷委員,大石委員,小柳委員,喜連川委員,小林委員,土井委員,中川委員,中村委員,藤井委員,安浦委員

文部科学省

関研究振興局長,榎本参事官,工藤計算科学技術推進室長,澤田参事官補佐

オブザーバー

(理化学研究所計算科学研究機構(AICS))
平尾機構長,宇川副機構長,岡谷企画調整室長,庄司運用技術部門長
(高度情報科学技術研究機構(RIST))
関理事長,平山センター長

4.議事要旨

関研究振興局長より挨拶
第4期各委員より自己紹介

(1)    HPCI計画推進委員会について

資料1に基づき事務局より説明
第4条のとおり,本日の委員会は公開
第2条の第3項のとおり,主査代理に藤井委員を指名し,承諾された。
 

(2)    「京」を中核としたHPCIの概要について
資料2に基づき,事務局より説明
質疑応答は以下の通り。
【安浦委員】  ちょっと不勉強で教えていただきたいんですが,今の資料の12ページのところで,理研とRISTと2つ組織があるんですけれども,それとHPCI,これはユーザーコミュニティのコンソーシアムでそれが存在するのは分かるんですけれども,なぜ理研とRISTというふうに分かれているのかというのがよく理解できなかったので,教えていただきたい。
【工藤計算科学技術推進室長】  特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の,多分,内容の構造のお話だと思うんですけれども,この法律に基づいて設置されている大型施設は3つございます。1つは,同じ理化学研究所がお持ちになっている播磨のSPring-8,もう1つは,日本原子力研究開発機構と高エネルギー機構が持っているJ-PARC,そして,この「京」が対象になっています。
 それぞれに共通して設けられている制度として,利用者を選ぶというのは,先生方も皆さん御案内だと思うんですけれども,そもそも研究施設を所有しているということは,それを誰に使わせるかというのは,当然その所有者の言ってみれば自由だと思うんですね。ところが,この法律の1つの考え方の中に,やっぱり設置者が自分に一番近いとか,設置者のある種の共同研究相手方ばかりに利用者が偏るというのを,それでは大型施設,世界に冠たるといいましょうか,日本一の施設がいろいろな方に利用していただくに当たっては少し都合が悪いんじゃないかという考え方を持ちまして,実際の利用の方,選ぶという行為については所有者の制限をしています。
 その代わりに,中立的な機関が利用者を選定するとともに,また,こういった特徴ある施設でございますので,いきなり企業の方とか他の研究者の方に使えといってもなかなか難しかろうということで,それを促進する業務として,先ほど御紹介しましたけれども,講習会あるいは利用相談であり,こういったものをやるというのを,これもまたもともと所有者にそれを課すのも非常に困難ということもありまして,登録機関の方にやっていただくと。実際国が本来やるべき仕事を国の肩代わりでやっていただいているのが登録機関です。
 仕組みとしては,運用者はあくまでも自分の施設を万全に使えるように提供することを義務付けられているとともに,他方,利用者選定につきましては,国の代替として利用者を選ぶとともに,ほかの方にも広く使ってもらえる,いろいろな方を呼び込んでいただくことをやっていただくと,こんなふうになっております。
【西尾主査】  先生,宜しいでしょうか。
【安浦委員】  はい。
【西尾主査】  どうも御説明ありがとうございました。
 ほかに何か御質問。どうぞ,伊藤先生。
【伊藤(公)委員】  38ページのスライドの一番右下のところに興味を覚えました。私もともと科学技術的な成果がこれによってどういうものが出るかということで興味あると申し上げました。そのような観点で見ると,ポスト「京」は80%のすばらしい成果が出るということで,これはもう日本の圧勝が目に見えている予測であります。それに対して,米国というのは24%と。今後の米国も何かいろいろと開発していくとは思うんですが,これによると日本が圧勝する。さらに,欧州は全く駄目だのような結果になっているんですけれども,もう少しこの内容を紹介していただけますか。また,これに関してどのような課題が今後選ばれて,どのような運用をされるかということも含めてこのような大胆な予測がされているかということを教えていただけますか。
【岡谷企画調整室長】  理化学研究所の岡谷でございます。これ,我々がIDCというアメリカのシンクタンクに調査していただいたわけなんですが,これは非常に中立でして,DOEの研究所や,あるいは欧州も同じように受託を受けて調査をしているところです。彼らがこれ,調査するときに,選定委員会がございまして,実際にどういうふうな評価があるかというのを,彼らが客観的に,かなりの専門家を抱えて評価をしております。
 この後ろの方にも書いてございますが,ポスト「京」がこんなに高い成果を出し得る,そして,アメリカやヨーロッパがいまだそこまで達していない1つの原因として彼らが分析したのは,やはりアメリカの場合ですと,大型コンピュータを利用するのに1年や2年の短い期間で利用させるということが多いという話がございました。これは長期的なコミットメントがないというのを彼らは問題視していまして,その辺は日本側はもう少し国家の重要な問題を特定して,それに向けたアプリケーションを優先して開発しているというところに成果を先んじて開発しているというふうに彼らは分析しました。アメリカにはそういうふうなプログラムがない,あるいはそれに等しいようなものは余りないというような感じの評価を頂いております。
【西尾主査】  先生,納得していただけましたか。
【伊藤(公)委員】  スタートとしては。
【西尾主査】   喜連川先生,どうぞ。
【喜連川委員】  どうも岡谷さん,ありがとうございました。私も同じページで,今日の資料の中で多分一番面白いページがこのページじゃないかと思います。我々もIDCは非常によく使いますので結構リーズナブルなことをおっしゃっておられるんじゃないかと思うんですけれども,僕はやっぱり1の方が若干違和感があるなと思っています。スパコンではないIT一般観からいいますと,ITを使ってコスト削減をするというのは,もうその時代は終わっていまして,今はITを使って価値創出をするという,その流れが大きくうねっているというのは,ほぼどなたも共有されることじゃないかと思うんです。
 先ほど一番後ろのページの方で,58ページかな,課題選定基準というところのプライオリティを見ますと,決して何か余りコスト削減というようなけちくさい話ではなくて,もうちょっと次のフロントみたいなところを意識しておやりになっておられるようなことのように見受けられるんですが,IDCの結果を見るとそうではないというふうになっているのは,これは何でなのかなというのがちょっとよく分からなかったんですけれども。
【岡谷企画調整室長】  これもIDC側から言われたのは,大きく,ここに書いてございますが,防災と医療,特に防災の分野についてどれだけの人命が救われるかとか,そういう計算を結構日本は非常に熱心にやっていると。これを彼らはコスト評価として非常に高く評価しております。医療につきましては,医療費が削減されるということを大きな効果としてカウントしているというふうに私どもは聞いております。
【喜連川委員】  日本は今,再興戦略なんかでもやっていますのは,医療は次の日本の糧として考えるのであって,アメリカの方が医療のエクスペンディチャーはOECD水準から倍ぐらい上がっていて,向こうの方がセービングをやらなければいけない感じですよね。そう思いますと,今の解釈というのはちょっと不可思議な気がするんですけれども,そうでもございませんか。
【岡谷企画調整室長】  彼らの言い方をしますと,医療といった場合に,薬品をどうするかではなくて,全体としてのトータルの意味での医療システムというか,医療コスト体系,これが削減されると,こういう考え方を持っています。アメリカの場合は,御存じのとおり,ヘルスケアに対してはそういうはっきりしたシステムが余りないといいますか,おっしゃるとおり,エクスペンディチャーが非常に高い,市場に非常に依存しているところが多いのはあるんですけれども,彼らが主張しているのは,日本の全体のトータルの意味での医療制度に掛かってくるバーデンといいますか,そういうものが削減されるというような見方をしているという表現をしておりました。
【喜連川委員】  これはこの辺で終えたいと思いますけれども,平尾先生も1月当初に来られた笠原先生がやられましたDOEのミーティングなんかがありまして,バイデンのおかげでNIHのリソースをDOEがすごくたくさん拠出するというのがプレシジョン・メディスンからの大きな流れになっている中で,この数字が出ると日本は何か余り元気が出ないような気もするので,こういうところの選択も微妙に御調整された方が次はいいのかもしれないなという気がしました。以上です。
【西尾主査】  よろしいですか。
 では,中川委員,どうぞ。
【中川委員】  ちょっと卑近な話題になって申し訳ないんですけれども,22ページの応募課題の参加者数というところのグラフについてお聞きしたいと思います。これを見ますと,おおむね1,000人程度でちょっと上がったり下がったりはしているんですけれども,私が聞きたいのは新規参加者という人たちの推移です。先ほどの御説明では,「京」の新規参加者が減って,「京」以外のHPCIの新規参加者が増えているのは誘導によるというふうな御説明がございましたけれども,これ,実際その2つを足してみても,例えば26年度は97に231を足すと328で,その次の年が211,その次の年は207,その次の年は足すと168なんです。だから,減っているんです。つまり,誘導したという効果は,それは「京」視点であって,本来この会議としては「京」を含むHPCI全体を議論すべきであって,そういったときに,これ,確実に新規参入の人は減っているというふうに見るべきなのではないでしょうか。つまり,それは非常に課題なのではないでしょうか。
【西尾主査】  では,工藤室長,説明をお願いします。
【工藤計算科学技術推進室長】  詳細の前に全体的なことだけ説明しますと,29年度,HPCIの方はいまだに年1回の募集なのでこの数字で固まっているんですが,29年度については,まだA期という形で7割分しか募集を掛けていないので,まだもう少し,もう1回ありますというのが1つ全体としてある。ただ,中川先生おっしゃるとおりに,両方合わせれば少しやっぱり鈍化しているなというのは我々としても認識ございますし,先ほどの「京」の中間検証についても,やはりユーザーの固定化の兆しは見られるというような表現をして御評価いただいております。もし内容について詳細ございましたら,少しRISTさんの方から補足していただくことができますけれども。
【西尾主査】  どうぞ。
【平山センター長】  RISTの平山でございます。新規参加者の定義でございますが,この棒グラフは,タイトルに書いてございますとおり,課題応募時における参加者のデータとなっております。応募は,こういう定期的な応募以外に,トライアルユースとか産業利用の有償利用の課題と,そういったものも随時募集をしております。ですから,そういった数字がここには出てはおりません。
 それと,全体的に新規参加者が相対として減っていっているということはそのとおりだと思っております。ただ,しかしながら,応募課題が新規の応募課題と継続的な応募課題というふうに分けてみますと,直近ですと,6割の課題が新規の課題ということになっております。ですから,個人の新規参加者という意味では確かに減っておるわけですが,課題という面からいうと,分野は確実に広がっているということは言えるかと思います。
 また,採択率という面から見ましても,大体50%を割る程度の厳しい状況になっておりますので,なかなか経験のない方が応募するというのが確かに難しい状況にはなっているのが事実でございます。以上でございます。
【西尾主査】  中川さん,いかがですか。
【中川委員】  御説明ありがとうございます。先ほど随時募集というのはこのグラフには含まれていないということでしたけれども,こういった,4月だとか10月だとか定期のものと,随時というものの割合は大体どれぐらいなんですか。
【平山センター長】  参加者という意味でしょうか。
【中川委員】  はい。
【平山センター長】  済みません,参加者に関してのデータは今持ち合わせていませんが,課題数という意味では,大体年間30課題から40課題程度が随時募集としてプラスアルファで採択されております。
【中川委員】  ありがとうございます。結構な量があるということですね。
【平山センター長】  はい。
【中川委員】  ありがとうございます。
【西尾主査】  はい,どうぞ。
【小林委員】  今の議論に関連しまして,ここに出てないデータと致しましては,多分,HPCIコミュニティ全体という意味では,基盤センターのところで大分新規ユーザーという,課題応募型ではないんですが,お金を払って自発的に萌芽的な研究をやるという裾野は広がっているというふうに思っております。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 中村先生。
【中村委員】  私も最初の挨拶でユーザーを広げたいと言ったものですから。今,小林先生がおっしゃったとおりで,スパコン使う人がHPCIにいきなり申し込むかというとそうではなくて,基盤センター等でスパコンを使うという利用をまずしてくるということで,我々基盤センター群で拠点活動もやっていまして,そっちの方では新規ユーザーが広がっているというところがあります。その後こっちへ来るかどうかというのはまたHPCI自体の予算の制約等もあるということはありますので,この数字だけ見て,全体のコミュニティとしては新規ユーザーが増えてないということではないということだけは申し述べたいと,そんなふうには努力しているということです。
【西尾主査】  どうも貴重なコメントありがとうございました。
 梅谷さん,どうぞ。
【梅谷委員】  これに関連して確認なんですけれども,新規ユーザーを増やすというところにどれぐらいの価値というか,それをどれぐらい気にしなければいけないのかというのを確認したいんです。基本的には,新規,継続にかかわらず成果が大きいものが採択されているはずで,全体として件数はやっぱりどんどん増やしていきたいという,件数が増えれば成果も増えるだろうということで,総件数は気にした方がいいと思いますけれども,そこに対して新規参入かどうかというのは余り意識しなくていいんじゃないかというふうに思ったんですけれども,いかがでしょうか。
【西尾主査】  どうぞ。
【工藤計算科学技術推進室長】  そこについて予見みたいなものがあるわけではないんですけれども,これは多分にHPCのユーザーの傾向といいましょうか,次回以降AICSさん,それから,RISTさんそれぞれからまたデータはいろいろ示していただきながら御議論した方がよろしいかなと思いますが,ほかのサイエンスに対してどういう影響を与えていくかということを考えたときに,我々が重点課題,先ほど医療とか防災とかこういう分野を指定して採ってきたというのもございますけれども,やはりその中では非常に大きな勢力になってきているなというのを感じるんですが,じゃ,そのほかの分野とかそういったものにどういうふうに広がっているかというのが若干見えなくなっている。
 そういう意味で,やみくもに数を追うということであれば,何もそういうことを考えずに増やしていけば,深掘りしていけばいいんだという考え方もとれるんですけれども,私どもの考え方としては,やはりこういった形で大きなお金を使って整備したスーパーコンピュータがより広い分野で使われていく,そして,それがサイエンスを良くし,ひいては産業につながってイノベーションにつながるというものをモデルとして書いている以上は,やはりいろいろな分野と新しいコラボレーションを行いながら行っていくような部分が広がっていくのがよろしいんじゃないかなというふうには思ってはおります。
【梅谷委員】  僕らもスパコンを増強するというところでは,どうやって成果を出してどうやって会社から金を出してもらうかみたいなところで悩ましいところがあるんですけれども,1つの指標として,シミュレーションの適用範囲が広がるということで車両開発が楽になるというふうに代用評価をして,それを使っていくというところがやっぱりあるものですから,工藤さんおっしゃったとおり,シミュレーションの適用範囲を広げていくというところを指標にして成果を見るというのは,その意味では僕らはなじみがあって,割と分かりやすくていいなというふうに感じました。ありがとうございました。
【西尾主査】  どうぞ,安浦先生。
【安浦委員】  今のことに関してですが,私,大学のCIO(Chief Information Officer)をずっと,もう9年もやっておりますが,大学の中でのHPCIに対する投資の考え方,あるいは国全体の,総合科学技術・イノベーション会議で評価専門委員会もさせていただいていて,ポスト「京」の話もやらせていただいたわけですが,そういう中での議論で,情報関係が例えばサイバーセキュリティだとかネットワークのフローだとか全てがムーアの法則的な伸びをしている中で,HPCIだけが何か,いろいろなこういう統計表を見せられると,非常に安定的な世界に見えてしまうんですね。そして,外の世界の人から見ると,これは全部,計算科学,データ科学と一緒の枠にしか見えない。
 そういう中で,こっちは伸びていてこっちは大変だと言っているのに,HPCIの方も重要ですよとずっと主張し続けられるかという問題が,これは相対的な問題としてあって,そこのところ,実績としては当然,経済原理が働いて,出しても50%しか採られないから応募しないというようなそういう話もあるんでしょうけれども,ですけど,潜在的な利用がやっぱりちゃんと増えているということを言わないと,国家戦略としては予算投資・投入がそこになされなくなっていくという可能性があるので,そこのロジック作りというのは非常に大事じゃないかと思います。
【西尾主査】  本当に貴重な御示唆,御意見どうもありがとうございました。新規のユーザーの持つ意味をどう捉えるかということなのですけれども,今,安浦先生おっしゃいましたように,やはり潜在的な利用者が増えているのだということが今後HPCIを国家戦略として考えるときには非常に大事な視点だと思っております。そういう意味で,いただきました御意見を今後の議論に生かしてまいりたいと思います。ありがとうございました。
 ダイキン工業の伊藤さん,どうですか。
【伊藤(宏)委員】  私どもも,先ほど自己紹介のときに使うに至っていないと申し上げましたが,例えば工業会とかそういうレベルでよりPRをしていけば,なるほど,隣の分野ではこんなに使われているということがございましょうから,そういったところでユーザーを広げていくというのは1つの手じゃないかなと考えております。
【西尾主査】  伊藤さんとしては,今後も潜在的なユーザーが増えるというお考えでよろしいでしょうか。
【伊藤(宏)委員】  はい,そのように捉えております。
【西尾主査】  分かりました。
 大石先生,是非一言お願いいたします。
【大石委員】  少しサイエンティフィックな視点に入ってしまうんですけれども,基本的にはHPCI,これは非常に大きなコンピュータを使って最先端のサイエンスをするんだけど,普通のコンピュータとどこが違うのかというところがやっぱり大きくて,アーキテクチャがやはりかなり特有になっているわけですね。計算機科学のフロンティアを築くという意味では,計算機そのものあるいはソフトの標準化とか,あるいはスタンダードとしてどこへ持っていくかということが成果の1つとしてやはり見えてくるというのが大きな関心事です。
 特殊なアーキテクチャだけやると,それが広くほかの計算機にも影響を及ぼすかというとそういうことでもないというのは,歴史的に特殊なすばらしいものを作ろうと思ったときにそれが全部余り広がらないというようなこともあるんですが,我々の研究でいうと,余り特殊なことをやらなくても,すごく精度が上がったり,高速ができるというのがあります。
 そこは実は世界のほかの国は余り考えてないというところがあるので,是非日本としては,先ほど安浦先生が言われたのですけれども,ほんのちょっとアーキテクチャを気にするところとか,あるいはソフトウェアの信頼性も,もうほとんど全部最後の桁まで正しい結果が出るよというのが,もうあと一皮,ちょっとやればできるんですけれども,その認識というのがどうも開発のところとか,あるいはユーザーのところに入ってきてないので,そういうところを啓蒙(けいもう)すると,実は物すごく高信頼で高速な計算が余り変わったことをやらないでできますよと。
 基本的にはマトリックス・ベクトル積みたいなところだけ信頼性をどう上げるかというのが基本で,それにはハードウェアの基本的な演算のところを押さえればいいというようなところがあってもうかなり分かっているんですけれども,それは余り入っていない。ただ,IEEE754みたいなスタンダードには入っている部分があるんですが,まだそれもちょっと不完全で,そういう世界的なレベルでの標準化に貢献して,この研究が何年たってもある意味抽象的なスタンダードとして世界に残っていくというような,そういう視点をやはりちょっと1枚加えていただけるとすごくわくわくするというか,世界に貢献できるなという気がします。
 できればそういうような視点を加えていって,啓蒙(けいもう)活動もそういうようなところに重点を置いて,余り変わらないんだけど,すごい性能が出ますよと,そういうソフトを開発していったり,アーキテクチャ的にはちょっと一味加えていますよみたいなところをやって更に標準化するというようなことをやっていただけたらと思っております。
【西尾主査】  小柳先生,今の御意見も含めてコメントをいただけますか。
【小柳委員】  その前の話で,新規ユーザーを増やすことの意義ということについて一言。私は,これは公表されていることですが,前の年度まで課題審査委員長をやっていましてこういうことの実務を担当していました。そのときの印象でいいますと,申請書の書き方とか,中でのいろいろな経験とか,そういうのは既存のユーザーはどうしても有利になるので,黙っているとどうしても固定化してくるという傾向があります。そういう意味からいっても,やはり新規ユーザーをなるべくエンカレッジするような方策というのは重要じゃないかと思っております。
【西尾主査】  安浦先生,大石先生の御意見に対して何かコメントいかがですか。
【安浦委員】  世界標準というのは非常に大事だと思いますし,例えばGEさんなんかは,航空機のエンジンを出荷している。実物があると,それのシミュレーションモデルが1機ずつあって,それで,飛んでいる状況に合わせたシミュレーションを自分の手元でやっていて,早くメンテナンスしないといけないものは早くメンテナンスをするというような,そういうことを実際やられているという,そういうお話を聞くわけです。
 それぐらいのサイバーフィジカルシステムというような発想で産業界も運営を,新しいサービス,かなり精度の高い,ワンクオリティー高いサービスというものを展開するという考え方に立たれれば,もっと全ての業種でシミュレーション的な発想,計算科学的な発想が必然として入ってくるんだと思うんです。もちろん航空エンジンというのは命がかかっていますからお金を幾らかけてもいい分野だからできるのかもしれませんけれども,それでも,物はユーザーに渡しているけれども,実は自分の手元にも全部情報が上がってくるということができる時代になっているので,そういう意味ではインダストリー4.0なんかでもそういう発想が入っているわけですから,そこのところが割と,ソサエティー5.0と言ってしまったが故に余りにも世の中の一般論になってしまって,日本の場合,産業界にインパクトが行ってないんじゃないかという気がいたします。ちょっと抽象論になりましたけれども。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 喜連川先生,どうぞ。それから,伊藤先生,どうぞ。
【喜連川委員】  私も人のコミュニティを増やすというのは,安浦先生も御指摘のように,根源的に私も重要だと思います。安浦先生,今,GEのことをおっしゃったわけですけれども,デジタルツインと呼ばれているその世界の中で,GEのエンジンのオープンクラウドソースをしたときに,一等賞にやったのはインドネシアだというのは非常に有名な話で,いまだにGEはそれを随分誇りにしています。そういうふうにやっぱりとんでもないところからとんでもない発想が出る時代ですので,ユーザーが固定化するよりは,やっぱりエクスパンドしていくことが望ましい方向じゃないかなと。
 大石先生の御意見は,これ,今後のポスト「京」の話だから,今議論するのかどうかよく分からない。
【西尾主査】  どうぞ。
【伊藤(公)委員】  資料の59,60ページの成果発表件数及び査読付き論文について質問があります。先ほど「京」は非常に優位性が世界的に高く,更にポスト「京」になると大変な成果が期待されるということですが,この査読付き論文数だけ見て,「京」とその他のHPCI合わせて,この6年間でインパクトファクター1以上の学術論文数161編というのは,あれだけのHPCIの数及びユーザー数がいる割にはすごく低く見えます。これは何か統計の取り方の間違いがあるか何かでないと思いますがいかがでしょうか?また,HPCI及び「京」で6年間で発表された論文で,一番被引用数が多いものが98回というのは低く感じる。もう少し高いのがあっておかしくないんじゃないかと思うので,この点についていかがでしょうか。
【西尾主査】  どうぞ。
【平山センター長】  いわゆる実験系の論文等に比べますと,こういうシミュレーション主体の論文というのは,被引用回数というのがやはりこの程度だということでございます。これはトムソン・ロイター等に基づいてちゃんと調べております。
【伊藤(公)委員】  これ,例えば謝辞に出ているものだけを抽出しているのか,それとも,実際にHPCIや京を使ったものは全て入れているとか,何かこれだけを見ると,科学技術的な成果はあると思うんですけれども,科学的成果が圧勝しているというサポートに逆にならないというふうに私は感じているんですが,いかがでしょうか。
【西尾主査】  何か不備があるとかということはないですか。
【平山センター長】  担当の者がおりますので,回答させます。
【西尾主査】  よろしくお願いいたします。
【木村計画推進室長】  RISTの木村と申します。論文数につきましては,これはほぼ網羅しているというふうに考えております。今おっしゃった,謝辞に課題番号が入っている論文のみではなくて,これはユーザーからの申告によりますけれども,その課題の成果論文であるというものを登録していただいてデータベースになっておりまして,そこから抽出した件数になっております。
【西尾主査】  藤井先生,どうぞ。
【藤井委員】  このデータがどれだけ正確かというのはRISTさんにお任せするとして,この5年間でやっと戦略プログラムが終わったところですので,評価としてはもうちょっと長期的に見ていただく方がいいかなと。そういう意味では,5年後に例えばこれがどうであったかとか3年後にどうであったかとかそういう数字で,それでも駄目であれば,おっしゃるとおりのことになっているんだろうなと思います。
【平山センター長】  「京」を除くHPCIの論文数でございますが,これは資源を提供しておられるところが持っているスパコン全体を使っての論文数も指しておるものではございません。HPCIとして提供を頂いた資源量,すなわち,各基盤センターたちの持っておられる資源量の大体5分の1,2割程度の資源を使ったときの論文の数ということになりますので,よろしくお願いいたします。
【西尾主査】  伊藤先生,もう少しロングレンジで見た方がいいかもしれませんね。
【伊藤(公)委員】  もちろんです。
【西尾主査】  どうぞ。
【小柳委員】  これ,先ほどお話にあったように自己申告ということで収集しています。HPCIの場合には,1件の論文は義務ですので必ず申告するんですが,その後出た論文がちゃんとこのデータベースに入るかどうかは自己申告によります。この辺何か方法的には多少改良の余地がある。そうじゃないと,長期的に見ても増えなかったりすることがあるので,それは何かいろいろ方法を考えなければいけないんじゃないかと思っております。
【西尾主査】  この件も非常に大事なことですので,今後の対応を是非ともお願いいたします。HPCIとしての持つ意義を強く対外的に言っていくということは非常に重要ですので,今,小柳先生おっしゃったことについては,今後対応のほどよろしくお願いいたします。

 (3)    HPCI計画推進委員会の今後の進め方について
資料3に基づき,事務局より説明
質疑応答は以下の通り。

【西尾主査】   委員会の回数は年にどれぐらいありますか。進め方を考える情報として。
【工藤計算科学技術推進室長】  我々の想定としては,年4回ほど,基本的には年度なんですけれども,今年度はもう既にあと1か月しかございませんので,それをまたいで大体4回ほどを想定してございます。
【西尾主査】  年度においてそのぐらいの委員会開催の回数を想定した場合に,今期が2年間であることを想定して,「京」の状況を考えた上で御説明いただいた内容を議論していくということでよろしいでしょうか。
 どうぞ。
【安浦委員】  基本的にはここに挙げられている話でいいと思うんですけれども,もう1つ重要なのは,メタサイエンスとコンピュテーショナルサイエンスの融合といいますか,大きく,異なるプリンシプルだという言い方で済むのかどうか,もっと融合した新しい考え方が出てくる可能性がこの3年5年であるという認識も必要じゃないかと思うんですね。そういうことを考えたときに,一方でAIなんかは,産業界もプッシュして,すごい勢いで,今,予算的には付いている面もあるわけで,そういうものとの関係性を議論しておかないと,ポスト「京」ができたときに,ちょっと方向性がずれていたよということにもなりかねない。その辺はやはりここで議論しないとなかなか,情報科学委員会とかほかにもあるのかもしれませんけれども,ここでもそういう議論はしておく必要があるんじゃないかと思います。
【西尾主査】  非常に重要な御指摘かと思います。私も全く同じことを考えております。ポスト「京」が出来上がったときに,それを科学の,あるいはコンピューティングの新たなパラダイムの上で有効利用をどうしていくかということが非常に大きな課題となってきますので,今の安浦先生の御提案に対しまして,何か御意見はありませんか,賛成であるとか,どうぞ。
【喜連川委員】  最初に発言する勇気がなかったので,安浦先生におっしゃっていただけて有り難いんですけれども,正に本当にそういう時代に入ってきていまして,ある意味でコンピュテーショナルサイエンスと,ある意味でデータドリブンなサイエンスのデフィニションはもはや大分前に終わっているんですね。だからどうこうという時代はもうほぼ終息していまして,逆に言うと,これからを見据えるという意味でいうと,そこの融合領域を日本がどう取っていくかということが多分一番重要なことになります。
 昨今ビル・ダリーが何回も日本に来ているというのは,やっぱりスパコンのマーケットが大きくパワーシフトしておりまして,旧来系のシミュレーションではない領域の方が圧倒的なマーケットシェアを持ってくるような時代になることはもうほとんどの方が理解されていますし,米国のスパコンのライブラリというのは,原則ほとんど今,大手のITベンダーが開発しているようないわゆるデータサイエンス系のライブラリの高層化,この部分は今までのシミュレーションと大分違うわけですけれども,そういうところにシフトをどんどんして,しかも半導体の産業界がもはやロードマップを描けなくなっているというようなときに,一体どういう方向観でスパコンを位置付けるかというのは,日本のみならず,全てワールドワイドとってみたときに大きな課題になっている中で,一定程度この委員会の中でもそういう議論をした方がやっぱりバランスが取れた判断ができるのではないのかなという気が個人的にはする次第です。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 土井委員,手を挙げておられましたね。
【土井委員】  安浦委員,喜連川委員のお話に同意して発言を更にさせていただきたいんですが,今のお話の中でデータというお話がありましたけれども,結構,「京」ではやはりデータを持ってくるのにすごく時間がかかってしまって,貴重な時間がそこで失われているという御指摘もありますので,そういうところを具体的にどうしていくのかというところまで踏み込んで議論できればとは思います。
 また一方,その前,今までのお話の中で安浦委員からも御指摘がありましたけれども,リアルタイムのデータを取り込んでいくという,サイバーフィジカルサイエンスということではそれは非常に重要で,実際にいろいろな計測の方法も精度化されていまして逆に大容量になってきていますので,そういうところ,リアルタイムのデータと過去のデータをいかにうまく合わせてシミュレーションして,リアルタイムに予測しつつ,かつ制御できるという世界にポスト「京」がどこまで絡んでいけるかというのは非常に大きな課題であると思っております。そこを是非ここの場で議論できればと考えております。
【西尾主査】  どうも喜連川先生,また土井委員,貴重な御意見ありがとうございました。
 どうぞ,大石先生。
【大石委員】  全く同感なんですけれども,スーパーコンピュータも含めて,今まで我々は,例えば今やっている重点領域もそうですけれども,非線形偏微分方程式とかそういう方程式が与えられて,それを解こうと思うんだけど,何兆回とかもう数えられない数の演算をしてしまうから,中がどうなっているかが分からない。プログラムのシーケンスには書いてあるけれども実行過程は全く見えないというところに加えて,今度データサイエンスということで,データからモデリングするところもまた分からなくなったと。
 要するに,分からなくなることが非常にあって,今まで計算過程はもうブラックボックスとして,検証するなら別のシステムで検証しましょう,結果だけ見て検証しましょうという話から,今度はサイエンスを作る,データから方程式を作ったり,モデリングするところまでサイエンスをしないといけない。そこまでがスパコンというか,HPCIの担当する分野になってきた。つまり,世の中が,現象からモデリングして計算するというところまで含めたトータルのシステムについて議論するというのがやはり重要なフェーズに移ったと思って,そういう意味で全く今までの議論に同感です。
【西尾主査】  小柳委員,それから,中村委員,どうでしょうか,御意見。是非お聞きしたいのですが。
【小柳委員】  今の話,大変重要なポイントで,私も統計数理研究所のアドバイザリーをやっていまして,いわゆるデータ主義者たちと協力しつつ戦っているようなところです。データ科学は新興勢力なので,とかく既存,アンシャンレジームを追及して攻撃するという傾向があります。「データさえあればモデルは要らない」とか何とか言うので,一生懸命こちらもかっかして反論しています。そういうことはあるんですが,私は先ほど最初に西尾主査が言われたように,データの4つのパラダイムの融合あるいは相互連携といったものをもう少し具体的にイメージしていきたいなと思っております。これはこれから重要なポイントだと思っております。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 中村先生,いかがですか。
【中村委員】  指名ですので。「京」とかポスト「京」だとマシンも大体決まっていますので,それにそういう応用をどう考えるかというのは当然重要だと思いますが,HPCI全体で考えますと,基盤センター群も持っているマシンもHPCIの一角になっているときに,当然各センター,少なくとも我々のセンターはそういうことを考えながら,次のマシンを用意していくべきかどうかも含めて考えておりますので,そういう意味では,ここで御議論いただいて,我々もいい知恵を頂いてセンターの整備に役立てたいと思っていますので,是非お願いしたいと思います。
【西尾主査】  そうですか。どうもありがとうございました。
 藤井先生,いかがですか。
【藤井委員】  最初に裾野拡大というか,分野の広げ方という話があったんですが,これ,宇宙科学でもずっと同じことを議論していて,力のあるところだけでいうと,X線天文学が圧倒的に常に勝ってしまうんですね。そこで,じゃ,どうやって分野の弱いところを立てていくかというときに,分野の強い人たちがそっちになだれ込んでくれてサポートすると育っていくので,何かそういう仕組みがこの中でできてくると新しい分野が広がっていくんじゃないかなというふうにちょっと思うことがあります。
 それから,データサイエンスとの融合は,大石先生が言われた,正にエージェントモデルはそういうためのツールであるというふうにも思いますし,GPのようなものもありますし,そういうものも育ってくればいいなと思っています。ここの場でどれだけ議論できるかということもあるので,まずはこの用意された論点というところを中心に進めていただいて,その中で広がっていけばいいなと思っております。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 小林先生,いかがですか。
【小林委員】  私も皆さんと同意見ですが,「京」もそうですし,ポスト「京」もそうなんですが,それをやるということが議論されてきたときと大分状況が変わっているということで,やはりこれに,新しいアーキテクチャに対応したアプリケーションと出ておりますけれども,改めてポスト「京」も含めて,どのような計算モデルなりアルゴリズムなり求められるのか,そういったところで新しい方向性がここで議論できればと思っております。
【西尾主査】  産業界の方から是非御意見いただければと思います。
【梅谷委員】  藤井先生がおっしゃったように,広げる仕組みというのは,今のHPCIのところはやっぱり弱いと思います。我々使っていて,こう改善したらもっと良くなるのにという改善する提案先もどこに提案していいのかよく分からないというところもあって,そもそもそこを進めていこう,そこを作っていこうという仕組みがまずない気がしています。見えないだけかもしれないんですけれども,そこを何か作れないかな,作っていただけないかなというふうに考えています。
 あと,データ分析とかのシミュレーションの範囲を広げていった場合に,実効効率を考えれば,ポスト「京」の議論だけでは済まなくて,やっぱり第二階層も含めたHPCI全体の作り方の議論にきっとなるだろうと。この会でそこまで広げていただければ,非常に有り難いと思います。
【西尾主査】  非常に建設的な御意見ありがとうございました。
【伊藤(宏)委員】  例えば私どももデジタルツインみたいな大掛かりなことはできていない,精緻なモデルができていないが故にそういうことができていないんですが,遠隔診断みたいなものをやっていまして,これは無量無数のデータが時々刻々入ってくるわけです。恐らく私どもの会社で有効利用しているのは数%なんですね。そこからどういうものを,もっと細かい兆候を得るかというようなことが1つの課題でありますし,どう分析するか。それから,例えば精緻なモデルができたとして,また大量の計算結果のデータが,解析結果のデータが出てくる。それをいかに例えば自己組織化のようにして,おいしいところを推理していく,うまいところを推理していくような例えば制御を考えるとかこういったことに,要は,サービスを考えると,相当にエリアは広がるんじゃないかというふうに考えております。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 中川委員。
【中川委員】  データサイエンスとの融合というのはもう避けて通れない話題であって,運営の前に,ターゲットとして何を考えるかという定義,それがまず必要であると。いきなり運営に行くのは,私もかなりギャップ感があったんですね。やはりユーザーが固定されている。あと,エクスポネンシャルにITの影響が拡大している中で今のままの成長でいいのかというのはやはり疑問に思っておりましたので,そこを議論するというのは非常に必要,重要なことだと考えます。
 そのときに多分,HPCIというとどうしてもスパコンとかコンピューティングリソースに目が行きがちなんですけれども,我々も先ほどセンサーがどんどん上がってくる,データがどんどん上がってくると。確かにすぐペタになってしまうんです。数ペタバイトのデータはすぐ,例えば風車にセンサーを付けただけでたまってしまうんですね。それを分析するか。煮たり焼いたりするんですけれども,それをわざわざ,例えばポスト「京」ができてそこへ持っていくかといったら,それはないだろうと思うわけです。
 つまり,何を言いたいかというと,ここでは通常の分析,どちらかというとスケールアウト的な計算リソースが必要になるものと,それをモデルに再構築してシミュレーションで検証する,いわゆるそれは従来HPC的なもの,これを組み合わせることが非常に必要である。そのときに重要になるのは,我々もそうなんですけれども,パブリッククラウドとこういったサイエンティフィックなリソースを組み合わせて,全体として課題を解いてソリューションに持っていく。実際にユーザーに御提供するときにも,サービスというのは,必ずポスト「京」を使うみたいなアプリケーションはあり得ないですので,そういった広がりも議論できればなというふうに考えます。以上です。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 皆さんから頂いた御意見では,皆さん方がほぼ同じ方向,あるいはその必要性を感じていただいております。そこで,是非事務局の方でその方向性を先に御説明いただいた2つに更に加えていただいて,今後議論することができればと思います。
【西尾主査】  最後にどうぞ。
【大石委員】  さっきこの1個前の議題で言ったことの続きになってしまうんですが,ある意味,デファクトになるソフトウェアあるいは基本ソフトウェアというようなものに目を向けるかというのも,議論するかどうかは別として,1つだけ方向性としてお話をさせていただきたいと思います。
 ソフトウェア自身については,一々全部ユーザーが開発するのではなくて,使えるものを使うというのがソフトウェアサイエンスの基本中の基本なので,そういう意味でいうと,デファクトスタンダードの争い,あるいはその中で要素を成す基本的なソフトウェアをどう作るかという戦略が大きくなって,この辺の観点やはりどう捉えるかというのは少し議論してもいいかもしれないということで,コメントだけさせていただきます。
【西尾主査】  分かりました。
 どうぞ。
【工藤計算科学技術推進室長】  ただいま多様な貴重な意見を頂きました。我々考えたときに,この資料はHowを述べさせていただいているんですね。いかにというところを書かせていただいて。先ほど中川先生の方から,それだけだとというのは当然あるかと思います。そのときに,先生方の方からWhatの方を御提示いただいていて,そのものについては多分方向性に皆さん間違いはないかというふうに私は理解しております。そういう意味だと,Howを議論するときに,Whatをもってその視点で御議論いただければと御提案させていただきたいんですけれども,そのような形でいかがでしょうか。
【西尾主査】  よろしいですね,これは。それは御提案のとおりでよいと思います。
【工藤計算科学技術推進室長】  分かりました。そういう意味ではちょっと直させていただきますけれども,そういう形でまずどういうビジョンを持って,その中でこういうこと,具体の話をさせていただくという形にさせていただければと思います。ありがとうございます。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。議論としては,お時間もございますので,ここで閉じさせていただきます。
 日本における近年のスーパーコンピュータの研究開発に関しては,地球シミュレータがまず完成して世界トップクラスになりました。その地球シミュレータの後,国家基幹技術と言いながらも,スーパーコンピュータの継続的な研究開発は一旦止まってしまいました。間をおいて,「京」プロジェクトを立ち上げるということで,これはゼロレベルからの立ち上げになってしまい,非常にエネルギーを要することになりました。一方で,「京」の後のポスト「京」というところはつながっていきました。
 さらに,ポスト「京」の後をどう考えていくのかというのは更に先の話になりますけれども,国家基幹技術としてスーパーコンピュータの研究開発事業を継続的に推進していくということになりますと,私自身は,文部科学省の1つの局の1つの室にこの大きな事業を任せてしまっていることの妥当性についても議論しなければならないように思います。そのようなことを考えるにつけても,この委員会が,将来のHPCIをどういう考え方,どういうフィロソフィーのもとで研究開発していくのかということも含めて,今後,皆さんと共に議論を進めることができればと思っております。本日はどうもありがとうございました。
 
西尾主査より閉会発言

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-- 登録:平成29年04月 --