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HPCI計画推進委員会(第22回) 議事要旨

1.日時

平成27年7月8日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省15F特別会議室

3.出席者

委員

(委員)
土居主査,小柳委員,笠原委員,関口委員,鷹野委員,土井委員,所委員,根元委員,村上委員,矢川委員
(説明者)
(高度情報科学技術研究機構(RIST))平山センター長
(理化学研究所)平尾機構長,佐藤副プロジェクトリーダー(PL)
(東京大学)中村センター長
(国立情報学研究所(NII))合田教授
(計算科学振興財団(FOCUS))安井専務理事

文部科学省

安藤審議官,榎本参事官,工藤計算科学技術推進室長,阿部参事官補佐

4.議事要旨

(注)議事次第を逆順にて進行

(3)その他

HPCI戦略プログラムに係る行政事業レビュー公開プロセスについて,阿部参事官補佐より資料3-1に基づいて説明。

ポスト「京」の基本設計評価のためのワーキンググループの開催予定について,阿部参事官補佐より資料3-2に基づいて説明。

 

(2)最近のスーパーコンピュータの技術動向について

最近のスーパーコンピュータの技術動向について,理化学研究所佐藤副PLより資料2に基づいて説明。質疑応答は以下のとおり。

 

【笠原委員】

・アメリカのプロジェクトはプログラミングのしやすさを考え,全体のシステムとしてのメモリアーキテクチャーの検討が進んでいる。PGASサポートのためのアーキテクチャーサポートや電力削減に関する情報はあるか。

【佐藤副PL】

・PGASのサポートにはネットワークインターフェースの技術になるので,例えばインテルのOmni Pathでも,InfiniBandでも,直接相手のメモリに書き込むようなインターフェースはかなり整備されつつある。メモリ階層の話はXeon Phiでは顕著だが,少量の速いメモリとDDRの大容量のメモリが2つ付くシステムが現れている。ソフトウエア的には非常に問題で,3次キャスとして使うものがあるが,もう少しソフトウエアから積極的に使うものがあり,これはプログラミングのサポートが必要となる。今これらのメモリをどうやって使うかという研究が現れ始めている。

【笠原委員】

・アメリカのプロジェクトでは電力をかなり下げることで誇れるマシンになると聞いたが,その辺の情報はないか。

【佐藤副PL】

・基本的に電力削減については10ナノのテクノロジーを使うのが一番効果がある。電力を下げて,たくさんのプロセッサーを入れるというのが今のインテルのアプローチになる。またソフトウエアから積極的に電力削減を制御しようという研究もあると聞いている。

【所委員】

・優れたアーキテクチャーを作ってもソフトウエアができないジレンマがアメリカでも存在する。汎用以外のハードに対するソフトウエア開発へのアプローチを検討してほしい。

・最近アプリケーションの分野ではお客に渡してその結果でフィードバックを得ようというデブオップス(DevOps)という形の開発手法やアジャイルソフトウェア開発手法がウエブ系アプリに用いられている。徐々にウエブ系ではない通常のアプリにもこれらの開発手法が浸透している。これがスパコンの世界でどれだけ通用するか関心がある。

・誰かがソフトウエアのブレークスルーにチャレンジしないといけないのではないか。検討してほしい。

【佐藤副PL】

・ビッグデータ対応のアーキテクチャー,あるいはそのネットワークから入ってくるストリームの処理について,インテルはFPGAが使えないか検討している。スパコンのアーキテクチャーでは例えば理研はシステム全体として,ファイルシステムからプロセッサーにデータを供給して,ボトルネックがないようにデザインするというアプローチをとり,ソフトウェアシステムアーキテクチャーの方で努力している。一方でハードウェアの要素としてどういうものが必要なのかということについては手探りの状態だ。

【村上委員】

・「京」もポスト「京」にも産業利用というミッションがある。欧米を含めて産業利用に対してのシステムアーキテクチャー,あるいはシステムの運用方法も含めて,何らかの配慮をしているのか。

・研究目的のハードウェアを産業利用に使うだけではなく,純粋に産業利用だけを見たようなシステム等の動向を把握しているか。

【佐藤副PL】

・私見ではアメリカの産業利用はそれほど進んでいなく,それぞれの企業で独自に行うところが多く,DOEならではのミッションが主だという印象だ。一方ヨーロッパは日本よりもかなり進んでいる。ドイツは日本と同じように自動車産業がかなり活発で,例えばベンツと組んでシミュレーションをするなど積極的にスパコンの整備の中に取り入れている。

・企業が必要とするスパコンについては,コモディティのもので,どのようなソフトウエアが書けるかという方向にシフトしている印象がある。

・産業利用というといろいろなケースについてデザインパラメータを振りたい・大きくなくても良いのでたくさんのジョブを実行したいという要請がある。これをしっかりとサポートしていくというのは非常に重要なことだ。

・例えばLS-DYNAなどのスタンダードな産業アプリのほとんどはレガシーコードでスケーラビリティーがないものが多い。企業と国内の研究者と一緒にスケーラビリティーのある産業アプリを開発していくことが非常に重要だ。ヨーロッパでも産業とどう絡むかというミッションが必ずある。

【矢川委員】

・資料3-1の行政事業レビューのレビュアーのコメントとしてコストパフォーマンスの話があった。社会から見るとコストの話が出てくるので今後のために何かの形でまとめてほしい。

【佐藤副PL】

・市場価格は水物なので出せないが調達価格は注意していく必要がある。最近顕著になっているのは,運用経費をなるべく下げるために電力を非常に気にし始めていることだ。例えばアメリカのExascaleの計画では大体目安として20メガワットを基準にすると宣言している。これは運用経費から出た数字だと想像する。

【土居主査】

・矢川委員からの御質問にあるように,コストを社会にどう説明するか,以前から「京」に関することまで全てに渡り問われる。説明に御配慮を頂きたい。

・産業応用はアメリカよりドイツ,フランスがはるかに進んでいる。ドイツのGMD(ドイツ国立情報処理研究所)はフランフォーファー研究機構に吸収合併されたが,フランスのINRIAには,オンキャンパスかオフキャンパスかに必ず研究所があり,国研にもかかわらずベンツのような民間の企業が全部研究所の中へ入ってスパコンのアプリを精力的に開発している。

・産業界が広く使っているアプリをどうやって上手に「京」及びポスト「京」で発展させるか課題がある。ライセンスや誰が移植するかという問題を今後進めていく必要がある。

【佐藤副PL】

・日本でも,例えば流体分野のようになるべく産業界とアカデミアが一緒になって新しいアプリを使うというのが重要なミッションになるのではないか。

・ケイパビリティーではなく,キャパシティーをいろいろなケースについて実行するという運用方法も,産業界と一緒に開発すべき重要なミッションだと認識している。

【平尾機構長】

・近年日本は「京」が出てきたことでかなり良いアプリが各分野に出てきている。「京」のフルノードを使い,かつ高い効率を示す日本独自のアプリが各分野に出ている。日本の開発力のポテンシャルも随分上がってきている。是非,産業界も一緒にアプリ開発をやっていただきたい。成功例も幾つか出てきているので,これから進んでいくと期待している。

【土居主査】

・メンテナンス及びアップグレード・バージョンアップを含めて,体制作りを上手にしておかなければならない。研究者がいつまでもアプリの面倒を見なければならない状況では成功しないと危惧する。よく御検討いただきたい。


 

(1)「HPCIの運営」の中間評価について

「HPCIの運営」の中間評価について,阿部参事官補佐より資料1-1に基づいて説明。質疑応答は以下のとおり。

 

【所委員】

・成果指標の中に著書というのは入らないか。論文よりもまとまったサイズの学術著書や一般著書が国民の皆さんに御理解を頂くという面からも重要だ。一方でメディアの記事はメディアが主体で取材をするからメディアの視点になる。我々の視点で,もう少しマクロに発表していくというやり方の1つに著書というのがある。今回は間に合わないかもしれないが,是非そういう視点も評価に入れることが重要だ。

【平尾機構長】

・十分取り入れたい。

 

ヒアリングについて理化学研究所平尾機構長より資料1-5に基づいて説明。質疑応答は以下の通り。

 

【矢川委員】

・独創性・優位性に関して,国内外の関連する分野における他の研究開発の現状との比較を教えてほしい。

・運営の困難は何があったか。

【平尾機構長】

・HPCIと同様の目的を持った欧州のPRACEあるいはアメリカの組織INCITE,XSEDEと比較すると産業利用に関して日本のHPCIは非常に進んでいる。様々な資源提供機関の課題選定やユーザIDなども我が国独自のすぐれたシステムを入れているところがHPCIの優位性だ。

・困難は,当初は5つの機関の寄り合いでアプローチの仕方がなかなか一致しないことだった。それも3年目の今では,粘り強く議論を重ね,少しずつ統一し,5つの機関が連携しつつある。

【鷹野委員】

・ワンストップサービスの相談窓口で従来の相談と違う点,相談受付体制の良くなった点を具体的に教えてほしい。

・経時変化で,質問の質の違いが出てきているか。

【平山センター長】

・ワンストップサービスでは全ての相談を一旦受け付ける。RISTで答えられるものはRISTで,答えられないものは資源提供機関に回答してもらうことで,利用者の問題をたらい回しにしない運営を行った。

・利用者からの質問内容は,当初は使い方の質問が多かったが,時間とともにプログラミング等に関わる相談へと変わっていった。

【平尾機構長】

・窓口を一本化することによって質問を皆で共有できるようになった。ユーザの対応が一括してできるので,ワンストップサービスの効果は非常に大きい。

【鷹野委員】

・情報が蓄積されて,同じような質問には統一的に答えられる等,情報共有をされている状況か。

【平山センター長】

・そうです。ユーザ管理支援システムというものが東大と理研で開発され,その中に情報共有システム(CMS)がある。そこにデータ等,相談の内容等も全部載っており,1つのデータベースとなって他機関がそれを参照できる。

【小柳委員】

・日本のHPCIは他のアメリカやヨーロッパの例と異なり,コンソーシアムがあるところが特徴だ。HPCIの運営から見てコンソーシアムはどう位置付けられているのか。

【平尾機構長】

・いろいろなワーキンググループを設けて現状の改善の在り方,あるいは体制の問題,それから将来に向かってどうあるべきか議論を重ねた。いつもHPCIコンソーシアムと一緒に連携してやってきた。我々のワーキンググループが報告書を出すと,それは必ずコンソーシアムに届き,コンソーシアムはより広いユーザの方々と議論を再度重ね,最終的に1つの提言書として文部科学省に届く。双方的にうまく機能している。

【笠原委員】

・利用者の利便性を高めるために非常に努力されているというのが非常によく伝わってきてすばらしい。利用者の利便性を高めるための努力をされている中で4件の特許を出されていることは特徴的だ。これはどの機関のどのような内容の特許か。

【平山センター長】

・別途回答する。

【土井委員】

・登録されているソフト,アプリ,またデータベースも公開されているが,具体的にどのくらいダウンロードなど利活用されているか。

・運用の経費が平成25年度が23億円だったのが少しずつ下がってきて,平成27年度では13億円ぐらいになっているが,どれぐらいまでコストを削減しても安定的に運用できる見込みなのか。

【平山センター長】

・昨年の12月から半年ほどの間のアクセス件数は804件だ。この期間は募集等をしていないのでこれから随時募集を考えている方のアクセスがこの程度であったといえる。今後9月以降,募集を開始すると件数は更に増えるものと考えている。

【平尾機構長】

・当初は運用に入ってもインフラの整備に経費がかかった。それが整えばある定常状態になってくる。どの程度の規模が良いのかは返答が難しい。

【関口委員】

・申請者と,それから利用者(資料1-5,8ページ,参考資料集25ページ)の総数が減少しているように見える。平成25年度については「京」の課題当たり要求資源に上限を設けたことで理由が明らかだが,平成26年度が若干減少しているのはなぜか。

・平成27年度は最終的にはどのぐらいに申請者,利用者数ともに達するかという見通しがあればお聞きしたい。

【平山センター長】

・全体の提供できる資源量はほぼ頭打ちのため、飛躍的に申請者数が増える状況にはならない。一方,各利用者の計算規模が年々大きくなり,割当て資源量を増加させると,課題数を減少させざるを得ない。その結果採択人数が減少したと推測される。

・平成27年度は26年度とほぼ同数レベルの申請者,利用者数になると予想する。

【関口委員】

・資源が限られているから申し込む側がセーブしているのか,あるいは誘導しているのか。

【平尾機構長】

・まずはFOCUSスパコン,あるいはHPCIの資源を使っていただいて,そして使えることが分かったら「京」を使うように誘導しているつもりだ。

【所委員】

・着実に成果を上げられて大変すばらしい。

・「京」とHPCIが別々の運営と比べて機関が統合した違いを例えば有効利用率のような数字で表現できるか。

・最後のページの日米欧の現状比較は大変すばらしい。他の機関もワンストップサービスなど共同利用体制が図られている中で,HPCIは全く遜色がない運営がなされているのか。あるいはHPCIは更に特徴があるのか。

【平尾機構長】

・シングルサインオンは恐らく我が国のHPCIしかない。1回登録してIDをもらうと全部使えるということは,非常に利用者の利便性を上げている。

・スカラマシン・ベクトルマシン・加速機構を含んだマシンの様々な情報を統一してユーザの方に伝えるのは大変な作業だが,HPCIでは良い方向に進んでいる。

【土居主査】

・全体に渡り,自己点検結果報告書をきっちりと評価をしてもらうようにお願いする。この報告書は事実が淡々と書いてあるため例えば表をどうやって読んだらいいか,読み方が分からない。コストパフォーマンスや,あるいはこの事業がなかったら国は困るのかという観点から書いてほしい。

【平尾機構長】

・検討したい。

【土居主査】

・今後の事後評価へ向けて,HPCI事業の存在が有益であったのか,またポスト「京」に対しても有益だと期待できるのかどうか,記述してほしい。

【平尾機構長】

・承知した。

【矢川委員】

・本当はユーザの声を聞きたいが,それがどこにも出てこない。ユーザはいろいろなことをたくさん言ってきたと思うがそれがこの自己点検結果報告書からは見えてこない。

【村上委員】

・「京」に採択された人がどの程度の満足度でもって実際「京」を使っているのか。「京」の平均要求資源800万ノード時間に採択された116件で掛け合わせると,9億ノード時間になる。これは「京」の提供資源量3.4億ノード時間の約3倍超過している。ユーザがストレスなく使えたか気になる。

【平山センター長】

・初年度平成24年度は要求資源量に制限を設けないで応募したところ1課題で1,900万ノード時間を要求したような課題も選定された。平成26年度からは1課題当たりの要求資源量に上限を設けた結果,課題あたりの平均資源量は下がっている。

【村上委員】

・了解した。そこが分かる表があると良い。

【土居主査】

・参考資料4の第2項に「コストに見合った成果が出ているか」とあるがこれはこのHPCIの運営と極めて深い関係がある。コストパフォーマンスを含め世の中へ向けて,あるいは議員諸公へ向けてきちんと説明ができるものを作ってほしい。

【平尾機構長】

・承知した。

【小柳委員】

・HPCIは11基盤センターとの連携が非常に重要な意義である。大学等の情報基盤センターの視点からこのHPCIができたことをどう見ているか,中村センター長に当該センターとしての視点で伺いたい。

【中村センター長】

・非常に多様なマシンに一括したワンストップ申請窓口を用意しているのは世界で初めての試みであり,HPCIのオリジナリティーと言える。

・「京」を運用している理研と第2階層を担っている基盤センター群では役割が異なるが,ユーザからはHPCIを1つのスパコンと見て質問してくる所に運営の難しさがある。基盤センター群は、裾野の拡大、ユーザの開拓にも大きな役割を果たすべきと考えるが,RISTが行うワンストップサービスは質問返答の最初のディレクションをするので基盤センター群が担うべきユーザの開拓に大きな役割を担っている。裾野の拡大という観点から重要となる産業利用促進に関しても,各基盤センター独自に産業界と共同研究を行うことで,HPCIの産業利用への展開を促している。

・このように、基盤センター群としてはこのHPCIという枠組みがあることが非常に役立っている。ただ数値に表せていないところは御指摘のとおりでお時間を頂き修正したい。

【土居主査】

・我々委員は事業の内容を承知しているが,外へ向けて文部科学省が説明できるような形の書類を作ってほしい。自分達で評価をしたらどうなるか合理的に説明すれば良い。

【榎本参事官】

・HPCI戦略プログラムの行政事業レビュー公開プロセスでは文部科学省が対応し,現状維持2,一部見直し4という結果を頂いた。これは他の事業の評価,そしてこれまでの過去の評価と比べて最も高い評価だった。

・この事業の説明に当たり,文部科学省は既存の資料を全面的に作り変え,更地で議論できるものにした。参考資料3の中で気を付けた点は,成果がしっかり説明できること,推進体制が設けられており,そこには推進委員会もあること,評価の仕組みを設け中間評価を行い,それを受けて改善もしたことだ。

・この行政事業レビューにおいては事業における自主的・自律的な評価の仕組み・ガバナンスがあることも含めて説明をした。ポイントとしては専門的なことをどう分かりやすく説明するか,専門的な分野であってもそこに自律的・自主的な質保証のマネジメント・ガバナンスがあるかという2点に注意した。

【平山センター長】

・冒頭,所委員から成果として著作物を見るべきだという御指摘に関して,本日の資料1-5の17ページに成果発表データベースという表の中の書籍の項目に15冊の登録がある。

 

土居主査より閉会宣言。


お問合せ先

研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室

電話番号:03-6734-4275
メールアドレス:hpci-con@mext.go.jp

(研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室)

-- 登録:平成28年01月 --