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HPCI計画推進委員会(第20回) 議事要旨

1.日時

平成26年12月25日(木曜日)16時30分~18時30分

2.場所

文部科学省 3階 3F2特別会議室

3.出席者

委員

(委員)
土居主査,小柳委員,笠原委員,関口委員,鷹野委員,土井委員,所委員,根元委員,村上委員,矢川委員
(説明者)
理化学研究所 平尾機構長,庄司部門長
高度情報科学技術研究機構 平山センター長,塩原室長

文部科学省

安藤審議官,鈴木参事官,川口計算科学技術推進室長,阿部参事官補佐

4.議事要旨

(1)「京」調整高度化枠の利用について

 平尾機構長より資料1に基づいて説明。質疑応答は以下のとおり。

【土居主査】
・「京」調整高度化枠の資源のうち,保守等に充てられた資源は何に利用されているのか。
【平尾機構長】
・例えば,計算機に不具合が起こったときにキャンセルされてしまったジョブに充てられていた資源を返しているが,その資源に充てている。
・また,CPUのユニットが12なので,並列数を12の倍数と設定すると効率が良いのだが,それ以外を設定した場合,CPUが余ってしまうので,その余った分をユーザに返すための資源にも充てている。ただし,徹底して,並列数を12の倍数と設定するように働きかけており,この部分は今年度からは返還しないこととしている。
【土居主査】
・国際連携について教えてほしい。
【平尾機構長】
・システムソフトウェアの開発については,文部科学省がアメリカのエネルギー省(DOE)と協定を結んでおり,日米科学技術協力のもとで連携することを考えている。
・また,ヨーロッパ,アメリカの6機関とともに,エクストリームスケールに向けた協力の動きがある。これが進むと,いろいろな意味での国際連携が進んでいくと考えている。
【土井委員】
・計算科学研究機構(AICS)研究チーム間での連携について,これはどういう仕掛けによって生み出されたのか。
【平尾機構長】
・AICSは,計算機科学と計算科学との融合をミッションとしているが,それを実現しているのは,いろいろな分野の人たちが自由に話をするAICS Cafeや,月に1回行っている研究進捗ミーティングとなっている。これらがきっかけとなり,いろいろな分野で連携が進んでいるというのが実情だ。
【土居主査】
・利用状況について,保守等に充てられた資源は今後減るのか。
【平尾機構長】
・例えば,不具合があって,システムダウンが起こったときに資源を返すことになっているので,減るとは限らない。ただし,指導によって,CPUが余るといった無駄はなくなるだろうと考えている。
【土居主査】
・どの程度の無駄がなくなることを想定しているのか。
【平尾機構長】
・全体の3~4%程度と考えている。
【土居主査】
・研究部門の利用等についての要望は増えているのか。
【平尾機構長】
・年ごとに増えており,今後も増えるものと考えている。1.5%の機構長枠を設けているが,この枠にも応募が殺到している状況だ。また,国際連携として,覚書を結んだ機関の利用も増えている。
【土居主査】
・「京」調整高度化枠は15%程度ではきつくなりつつあるのか。
【平尾機構長】
・はい,15%程度を使い切ってしまっているのが現状だ。

(2)「京」の運用について

 川口計算科学技術推進室長より資料2-1に基づいて説明。次いで,平山センター長より資料2-2に基づいて説明。意見交換は以下のとおり。

【笠原委員】
・アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)事業者に利用していただくことは重要だと思うが,どの程度の企業が興味を持ち,どのようなアプリケーション(アプリ)が提供できるかについての見通しはあるのか。
【塩原室長】
・既に幾つかの企業にヒアリングし,3社が応募するだろうという感触を得ている。また,「京」で動作するアプリを提供するベンダーが10社程度あり,興味を持ち,応募する可能性がある。
【村上委員】
・ASP事業者として何社募集する予定なのか。
【塩原室長】
・まずは3~4社程度を募集することを考えている。
【村上委員】
・ASP事業実証利用の利用料金が個別利用と同額ということだが,ASP事業者がその顧客から頂く利用料金については,その事業者が設定することになるのか。
【塩原室長】
・事業者が設定し,利用企業と個別に利用契約を結ぶことになる。
【庄司部門長】
・産業利用課題の選定のところで,裾野拡大のために採択率を80%に設定するとあるが,課題数が増えると,待ち時間が延びてしまうことを危惧する。このため,裾野拡大は重要だが,採択率ではなく,課題数の絶対値で設定した方がよいと考える。
【平山センター長】
・採択率を設定することについては,課題審査委員会の下の産業利用ワーキンググループで決めている。
【土居主査】
・産業利用課題の資源量について,4 %程度割当てを増やすと,平均の資源充当率が39%から64%に改善とあるが,この数値は何をあらわしているのか。
【平山センター長】
・数値が小さいということは,特に下位で採択された企業について不足していることを表している。現在の選定方式では,上位で採択された課題に関しては,ほぼ要求どおりの資源を割り当て,下位になるに従って要求資源量が減らされている。それを平均すると,要求資源量の40%弱程度の資源が配分されており,最下位の方は要求資源の8%程度しか割り当てられていないこととなる。
【平尾機構長】
・現在も多くの企業が申し込まれている一方,更に裾野を広げなければいけないということにも留意しながら運用をしているが,「京」では,それに見合った計算を実行していただきたいと考えている。
・「京」以外のHPCIシステムにも産業利用枠があるが,余り利用されていない。それらのシステムの利用を促せば,裾野も広がり,産業利用も活発になると考えられるので,その仕組みを工夫した方がよいと考えている。
【土居主査】
・それに対してHPCIコンソーシアムが果たす役割はあるのか。
【平尾機構長】
・役割はあり,HPCIコンソーシアムの中の産業利用に関するサブワーキンググループで議論されている。
【矢川委員】
・「京」以外のHPCIシステムのスパコンの利用が進まないことの根底には,汎用のアプリのライセンスの問題があるのではないかと考えている。
【平尾機構長】
・従来の独立系ソフトウェアベンダ(ISV)のアプリは大規模並列で実行できないという事情があるので,そのことも踏まえ,産業界でも利用できるアプリを開発しなければならないと考えている。
【土居主査】
・昨年「今後のHPCI計画推進のあり方に関する検討ワーキンググループ産業利用アプリケーション検討サブワーキンググループ」において検討していただいたが,その実現方法は余りない。そのことを踏まえ,今後しっかりと議論しなければならないと考えている。
【平尾機構長】
・産業利用のためのHPCIはどうあるべきかを議論しているので,いずれかの段階で議論させていただければと考えている。
【土居主査】
・大型プロジェクト等課題の優先利用案について,プロジェクトの計画の中に,「京」を利用することを記述する必要があることを,あらかじめ通知しておくべきと考える。
【平山センター長】
・広くアナウンスをしたいと考えている。
【土井委員】
・「京」専用に開発されたアプリを「京」以外のHPCIシステムで利用する場合,アプリを変更しなければならないが,企業の規模によっては対応できない場合があることについてどのように考えるのか。
・また,「京」以外のHPCIシステムについては産業界へのサポートが十分かという課題もあると思うが,そのあたりはどうか。
【平尾機構長】
・AICSで開発しているアプリ等は,「京」を意識して開発しているが,汎用性もあるようにしている。
・それから,産業界へのサポートについては,今のところ十分ではないので,戦略分野と議論をしているところだ。
【土居主査】
・他に御意見がなければ,資料2-1で示された「京」の利用に関する変更については,本委員会として承認したい。今後も関係者間で十分調整をしながら進めていただきたい。

(3)フラッグシップ2020プロジェクトについて

 川口計算科学技術推進室長より資料3に基づいて説明。質疑応答は以下のとおり。

【土居主査】
・総合科学技術・イノベーション会議からの主な指摘事項が書かれているが,これに対して回答をする必要があるのか。
【川口計算科学技術推進室長】
・今後,評価のフォローアップや,プロジェクトの中間評価が行われるので,例えば,そういった節目では回答していく必要があると考えている。
【土居主査】
・重点課題実施機関を決定する際,審査委員からどういったコメント等があったのか。
【川口計算科学技術推進室長】
・審査委員会では,計算科学の専門家だけではなく,実験や観測の方や,産業界の方を交えて議論いただいた。実験,観測等との連携や,産業界との連携について考えていくべきではないかとの指摘があったので,実施計画を作るときには,その指摘を反映していきたいと考えている。

(4)その他

 庄司部門長より資料4-1に基づいて説明。質疑応答は以下のとおり。

【土井委員】
・稼働率が95%程度ということだが,利用者に利用してもらう資源配分率を85%から88%に上げるということは,その95%の中の割合を上げるということでよいのか。
【庄司部門長】
・そのとおりだ。その割合は,ジョブの充填率が80%程度なので,それとの兼ね合いを見て決めている。
【根元委員】
・利用者の前倒し利用の弊害とはどのようなことか。
【庄司部門長】
・当初の配分量は上期と下期のそれぞれに対して決まっており,上期の資源を使い切った利用者は,自動的に下期の資源を前倒しで利用できるようにしている。そうすると,その利用者が下期に使う予定であった資源が使われなくなる弊害に加えて,上期には当初予定されていた利用と前倒し利用とが競合するという弊害がある。
【川口計算科学技術推進室長】
・補足すると,下期に割り当てられた資源の前倒し利用はできるが,上期に割り当てられた資源の繰越しはできないので,競合によって上期に割り当てられた資源が利用できなかった場合,下期にはその資源を利用することができなくなってしまうという弊害もある。
【小柳委員】
・計算資源は利用しないと消えてしまうので,そのあたりをどのように調整するか苦労がある。「京」以外のHPCIシステムでは特に,割り当てられた資源が利用されない例があり,どのように利用を促していくかについては,重要な課題だと考える。
・質問だが,下期資源の前倒し利用と上期に当初予定されていた利用との間に,優先度に差を設けていないのか。
【庄司部門長】
・優先度に差は設けていない。不可能ではないが,運用がかなり煩雑になってしまう。
【土居主査】
・ジョブの利用状況に関して,スケジューラの変更はいつ行ったのか。
【庄司部門長】
・25年度下期の途中に,実行前に行うファイルのディスクへの転送を開始するタイミングを早めることで,ジョブが間断なく実行されるように変更した。
・なお,ジョブ数が上期末に上がって,下期の初めに下がっているが,これはジョブをキャンセルしているわけではなく,期が変わると割当量が変わるので,ユーザが出し渋りをするという心理的な効果のためである。
【土居主査】
・稼働率を示した図の,予定にない保守時間の内訳の中で多く実施されている,ローカルファイルシステムの保守はどのようなことを行っているのか。
【庄司部門長】
・このうちの半分程度は,ディスク装置のハードウェア由来の障害に対する保守であるが,このディスク装置の全出荷量の70%程度が「京」で利用されていることもあり,他では出ない障害がここでは出るというケースが多いというのが実態である。残りはソフトウェア由来の障害に対する保守であるが,徐々にバグ出しを行い,改善されつつあると思っている。

 平山センター長より資料4-2に基づいて説明。質疑応答は以下のとおり。

【土居主査】
・「京」以外のHPCIシステムの産業利用が少ないことへの対策について,課題審査時に規模等を勘案した上で「京」以外のHPCIシステムの利用を促すよう指導をしていないのか。
【小柳委員】
・特に指導はしていないが,そういったことを考えても良いと感じている。
・また,情報基盤センターの将来計画を見ると,「京」が国内でトップの計算機でなくなるときが近々来るので,そのとき,「京」の位置付けが大分変わってくると思われる。そうなると,「京」以外の多様なHPCIシステムをどのように利用するかということを,現在とは別の観点から考えるようになるのではないかと考えている。
【関口委員】
・「京」に集中している理由だが,「京」で実施したいという意向からなのか,それとも「京」以外のHPCIシステムでも利用できるということが余り認知されていないからなのか。
【平山センター長】
・「京」を利用するということで社内的な承認が得やすいという事情があり,「京」で実施したいという希望が多いのが現状だ。
【笠原委員】
・「京」以外のHPCIシステムに「京」と違った特徴を持たせ,産業利用しやすい環境を作らないと利用者は増えないと思われる。「京」以外のHPCIシステムには,多くのISVのアプリを実行できるといった特徴付けがあるのか。
【平山センター長】
・そのような特徴はあり,その情報は,HPCIポータルのサイトで公開している。そこでは各情報基盤センターのシステムで実行可能なISVのアプリの情報だけでなく,利用したいISVのアプリを選択すると,どのシステムで実行できるのかといった情報が見られるような仕組みとなっている。
【鷹野委員】
・ヘルプデスクと各システム構成機関の支援体制と連携について,遠隔で支援を実施しなければならないといったこともあると思う。これに対して,どのように対処することを考えているのか。
【平山センター長】
・各情報基盤センターにも支援を担当している方がいるので,そこと密な情報交換を始めるようにしている。また,遠隔に出かけなければならない場合でも,対応していくつもりだ。
【村上委員】
・産業利用に関しては,構造的な課題があるように思われる。計算科学振興財団(FOCUS)でも産業利用がされ,またASP事業者もあるので,産業界が,「京」又は「京」以外のHPCIシステムをどのようにとらえているのかを分析する必要がある。このため,利用する企業の規模,利用するプログラムや,要求されている計算機資源といった産業利用に関する情報を提供いただきたい。
【塩原室長】
・承知した。
・FOCUSのシステムを利用した後「京」にステップアップした企業は多いが,「京」への希望が多い原因の一つとして,「京」では,自社のシステムに比べて大規模な並列計算ができるということがあると考えている。

 平山センター長より資料4-3に基づいて説明。質疑応答は以下のとおり。

【平尾機構長】
・成果発表データベースに関して,登録数が実際よりも少ないように思われる。例えば,学術論文数はAICSの研究員がこの2年間で発表した論文数だけで同程度の数がある。
【平山センター長】
・現在,成果登録についてはウェブ上でできる仕組み作っており,論文が出た段階で,利用者が登録することになっている。
【根元委員】
・「京」以外のHPCIシステムのところでは特に,登録を待っているだけでは正確な数を把握できないのではないか。
【土居主査】
・何らかの方法をもう一度御検討いただいた方がよいと思う。
【平山センター長】
・承知した。
・利用研究課題については,研究課題終了後3年以内に,レフェリー付きのジャーナル等に論文を出すという義務が課せられており,成果の認定を課題審査委員会で行っているので,終了した課題については,まず成果を登録いただいている。

 川口計算科学技術推進室長より資料4-4-1,資料4-4-2,資料4-4-3に基づいて説明。

 土居主査より閉会宣言。

お問合せ先

研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室

電話番号:03-6734-4275
メールアドレス:hpci-con@mext.go.jp

(研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室)

-- 登録:平成27年02月 --