平成24年8月27日(月曜日)15時30分~17時30分
旧文部省庁舎6階「第2講堂」
高祖敏明座長、浅井経子委員、家泰弘委員、江川雅子委員、大林元太郎委員、樫谷隆夫委員、田中啓委員、星野敏男委員、松永是委員、宮嶋泰子委員、美山良夫委員
高井文部科学副大臣、森口事務次官、山中文部科学審議官、藤木文部科学審議官、田中総括審議官、德久政策評価審議官、佐野大臣官房政策課長、髙谷大臣官房政策課評価室長、杉野大臣官房政策課評価室長補佐、清水大臣官房国際課長補佐、打田大臣官房文教施設企画部施設企画課専門官心得、郷家生涯学習政策局政策課長補佐、南野初等中等教育局初等中等教育企画課長補佐、丸山高等教育局高等教育企画課長補佐、岩渕科学技術・学術政策局政策課長補佐、稲田研究振興局振興企画課長補佐、山田研究開発局開発企画課長補佐、村尾スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課長補佐、髙田文化庁長官官房政策課長補佐
○ 全体的に評価のプロセスは非常に良くなってきていると思う。ただ、今回の検討事項である評価結果を踏まえた施策への反映方針にはまだ抽象的な部分もあると感じる。課題を具体的に明確化することでよりはっきりした反映方針が導き出せる。
○ 調査項目のデータの扱いについて、少子高齢化で子どもの数が少なくなってくると社会保障に重点が置かれ、教育関連の予算は削減されがち。教育が次の時代の社会を作っていることをデータで証明することが必要。また、より詳細なデータを取ることに加えて追跡調査をするなど教育の効果をきちんと調べるような取組をしていただきたい。
○ 放送大学について、受講者の満足を高めたいのであれば、社会人の学習意欲は高く、自分の意見を持っていることを踏まえ、双方向性の確保について具体的に検討されると良いと思う。
○ 生涯学習ネットワークフォーラムについて、評価結果を踏まえた施策への反映方針に大学と協力するとあり、大変良いことだと思う。また、このフォーラムは高齢者の社会参加の場でもあるので、それを阻害しないような仕組みにしていただきたい。
○ 読書活動の評価については電子図書の扱いが課題ではないか。
○ 青少年の体験活動が減っているので、増加させるような施策をお願いしたい。また、子どもたちの体験活動について地域ごとの格差が生じないよう、地域ごとのデータを取って分析していってほしい。
○ 大津市のいじめ問題については看過できない。このようなトラブルが起こるといじめと認識していなかったということが多い。いじめの発生件数をゼロにするという目標を立てると、実態とは異なる報告をしてしまう。大きな事故に至る前の小さな問題を見落とさず、解決策を探ることが大事。いじめ問題が隠されずに表に出てきて検討できるようにすることをお願いしたい。
○ 「いじめ」という言葉だけでひとくくりにせず、暴力・教唆など本来は犯罪であるものについては、きちんといけないことだと教育しなければならないのではないか。
○ 実務的に困難かもしれないが、23年度のデータが調整中のままであるものなどは速報値でも構わないので出すべき。昨年度のデータを次年度の概算要求に反映するのであれば、概算要求前の今、データがないと意味がないはず。
○ 放送大学に関する施策については、理解度や満足度などのアンケート調査で学部と大学院を分けているのであれば、入学者も学部と大学院の区分をすべきではないか。
○ グローバル人材に関する事業については、留学生に必要な学生寮や奨学金にはこの事業による予算は使えないなど、達成目標として目指しているものと手段である予算事業の要件がかみ合っていないものがある。目標を達成させようとするあまりに、予算事業の要件が細かく決められ過ぎていて、大学の裁量の余地がなく、各大学が創造性を発揮して本当に本質的改善をしていくということにつながりにくいのではないか。
○ 政策評価はある程度定量的にやらないといけないとは思うが、過去には、英国において国営事業の民営化のための株式売却の際に第三者に定性的・総合的な評価をさせている例があり、それが結果的に定量的に評価するよりも良い評価ができたと思っているので、定性的・総合的に評価することも必要ではないか。
○ 海外に留学する学生の比率を日本人学生で母数を出そうとしているが、外国人留学生もいる中で日本人と外国人を分けることが本当に良いのか。もっと国際感覚のある指標を検討した方が良いのではないか。
○ 奨学金の施策について、貸与奨学金は教育機会の均等に資するとされているが、よくニュースになっているように、返済の負担が重く結局進学をあきらめたり、卒業後返済できなかったりする例があると聞いているので、有利子の奨学金が増えていくのが本当に良いのか疑問を感じる。海外では渡し切りの奨学金も多い。
○ 評価結果を踏まえた反映方針については、当たり障りない書きぶりであると感じる。書きにくい部分もあると思うが、それぞれの担当部署でデータを出して、重要なものを選んでそして評価結果を踏まえた施策への反映方針をもっときちんと書いてほしい。
○ グローバル人材の施策については、国の方針としては日本人を支援するということであると思うが、大学は国籍を問わずすべての学生をグローバル人材として育てるというスタンスであるので、日本人のグローバル化というだけでなく、もう一歩踏み込んだ施策が必要。
○ 四年制大学や短期大学など学校種を一緒にしてデータを取っているが、データを取る際に分けて取ることで、どこにどういう問題が集約しているかより詳しく分かるのではないか。
○ 人文・社会系の研究推進について、私学の共同利用・共同研究拠点を増やすとなっているが、予算は平成23年度から平成24年度にかけてむしろ減らされていて、拠点が増えているにも関わらず、予算が減らされるのでは拠点になる方はとても活動ができないと思う。国立大学には運営費交付金の特別経費の中に全国共同利用・共同実施分というものがあるが、私学の共同利用拠点の予算上の措置はどうなっているのか。
○ 研究大学強化促進費について「大学の研究力を強化する」という記述があるが、大学が本来持っている研究力を削いでいる原因について長期的に検証が必要ではないか。それをしないで、研究大学強化促進費というお金をつけて工夫しろといっても、学長・マネジメントの裁量の範囲を超えているのではないか。
○ 産学連携については、ミスマッチがあって地方の再生に大学が役に立たないことがよくあると聞いている。大学の興味と地方のニーズとのミスマッチの分析に関しては、共同研究の件数だけでなく相手方の企業規模などの詳しいデータがあった方が良いのではないか。
○ 「除染や廃炉に必要な研究開発の取組」とあるが、放射線の影響はどのような影響がどういうレベルで出るかが分からないので、除染もどこまですれば良いのか分からない。
○ 地域のイノベーションの創出については、共同研究や産学連携本部の数が右肩上がりという傾向を示しているが、曲がり角を迎えていると思う。共同研究の契約金額の総額など、ダイナミックな施策を打っていくためには、経済と連動して伸びているかを見ていかなければならないのではないか。
○ 科学技術政策研究所から論文数についてウェブオブサイエンスなどしっかりしたデータベースを元にして丁寧にまとめたデータが出されているが、あまり報道されていない。今後、政策評価や科学技術の力などを示すのには使えるものだと思う。また、論文のデータというのは非常に大きな指標で世界共通の尺度がとなっている指標であると思う。大学の研究強化促進費について、これ自体はもう少し色々な科学的なデータが今後出てくると思うので、それに基づいた議論を実績評価などでしていってもらいたい。
○ 研究力の強化のために過去にいろいろな施策が打たれてきたと思うが、5年ごとに細切れとなっていて、大学ではパーマネントの職員が減りプロジェクトごとの特任の職員が増え、結果として非効率となるような弊害が出ていると思う。また、そのため組織として蓄積もできていないと感じる。さらに、色々なプログラムをやっているが5年たつとやめて違う名前にする必要があり、ブランド戦略として知名度を徐々に上げていくということもできない。海外の大学との競争にも伍していけない。日本全体として、いろいろな施策を一生懸命やっても全体として無駄も多いし、逆に大学の力が削がれているのではという危機感を持っている。
○ 研究力強化促進費について、色々な予算獲得をしていただくのはいいのだが、大学間の予算の獲得競争に本来研究に使うべき労力を予算獲得の競争に力を注ぐということにならないか。税金であるので大切に使うべきであるが、どう使えば一番いいのか、このように競争させることが本当に全体として有益なのか検討する必要がある。
○ モニタリングは環境省で一括して行うということだが、文科省が学術的にやるべきことの一つは、今回の事故において蓄積された膨大なデータを後世が使える形でアーカイブ化していくことだと思う。関連学会や学術会員で非常に重要なことだと議論されているが、放射線への対応は非常に長期戦になるので、長期的にアーカイブ化してそれを海外にも信頼のおけるデータとして出すことが我が国の責任であり、体制整備についてしっかり検討していただきたい。
○ 放射線の人体への影響についてはさまざまな学説があるので、一つだけを信頼するのでなく、カウンターオピニオンも含めたさまざまな意見も聞くことが必要だと思う。
○ 文化交流使に関しては、指名の早期化・効率化を行うとのこと。過去の経験を将来に活かす内容が追加され、すばらしいことだと思うので是非実施してほしい。
○ 文化芸術の事業については被災地の復興に資するために、アーティストインレジデンスを行うとあるが、アーティストは地域振興のために来ているのではなく、自らの芸術活動のために来ているので、各地で軋轢を生んでいる状況であり、双方がウィン-ウィンの関係を構築できるような配慮が必要。
○ 現代日本文学翻訳・普及事業について、25年度で廃止とされているが、そう言い切ってしまうと、今後全くやらないと受け取られる。翻訳する作品の偏りの抑制や新たに加えるべき作品など、今後対策を検討すべきことはある。
○ 現在日本全国で75%の市区町村に総合型クラブは出来ているとのことだが、市区町村の合併があったことを踏まえると、当初目標から見て実際には半分程度しか出来ていないと思う。また、総合型クラブの設立については、地方行政の理解やサポートが得らないという話を聞くので、指標の中に地方行政でどれだけサポートが行われたかという項目は入れられないか。
○ 中学校・高等学校スポーツ活動振興事業について、中学校体育大会にはなでしこジャパンなどで非常に注目されている女子サッカーが含まれていない。予算措置だけでなく、組織的なアドバイスなどが国からできないか。
○ 幼児期の運動促進については、幼稚園や保護者を対象に行うとあるが、厚生労働省の3歳児検診などと連携して、運動することの重要性を学ぶ機会を設けることはできないか。
○ ロンドンオリンピックのメダル獲得数について、目標が世界6位であったのに最終的には世界11位であり、満足できる結果ではなかったと思う。マルチサポートハウスなど様々な施策が行われているが、多くが研究分析をやっていて、現場では医学療法士などスポーツ選手と直接かかわる人の数が足りないと聞く。現在、競技スポーツの世界で何が求められているのかなど視野を広げて検討してほしい。
○ 人間国宝は110名で芸能、工芸の分野それぞれに半分ずついるとのこと。日本文化の発信を見ると工芸の分野に冷たいと思う。地場産業を背負っているのに、人間国宝ですら経済的に厳しいと聞くので、工芸は日本のすばらしい技術、伝統文化であると思うので、国際文化交流を含め強く発信してほしい。
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