平成24年8月27日(月曜日)15時30分~17時30分
旧文部省庁舎6階「第2講堂」
高祖敏明座長、浅井経子委員、家泰弘委員、江川雅子委員、大林元太郎委員、樫谷隆夫委員、田中啓委員、星野敏男委員、松永是委員、宮嶋泰子委員、美山良夫委員
高井文部科学副大臣、森口事務次官、山中文部科学審議官、藤木文部科学審議官、田中総括審議官、德久政策評価審議官、佐野大臣官房政策課長、髙谷大臣官房政策課評価室長、杉野大臣官房政策課評価室長補佐、清水大臣官房国際課長補佐、打田大臣官房文教施設企画部施設企画課専門官心得、郷家生涯学習政策局政策課長補佐、南野初等中等教育局初等中等教育企画課長補佐、丸山高等教育局高等教育企画課長補佐、岩渕科学技術・学術政策局政策課長補佐、稲田研究振興局振興企画課長補佐、山田研究開発局開発企画課長補佐、村尾スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課長補佐、髙田文化庁長官官房政策課長補佐
【高祖座長】
皆様、こんにちは。予定の時刻となりましたので、これより文部科学省第37回の政策評価に関する有識者会議を開会いたします。
本日の会議では、お手元の議事次第にございますように、主な議題といたしまして、文部科学省実績評価書(平成23年度実績)(案)及び文部科学省事業評価書(平成25年度新規・拡充事業等)(案)についてを予定しております。
なお、本日の会議は、公表前の概算要求・要望に関わる事項についても御審議いただきますので、非公開で開催するということになります。その点、どうぞよろしくお願いいたします。
議事に入ります前に事務局に人事異動があったとのことでございますので、事務局より御報告をお願いいたします。
【髙谷評価室長】
前回の7月の有識者会議から事務局に人事異動がございましたので、御紹介を申し上げます。
大臣官房政策課長の、佐野でございます。
【佐野政策課長】
よろしくお願いいたします。
【高祖座長】
どうぞよろしくお願いいたします。
本日、名札がございますように、高井文部科学副大臣がお見えになり、御挨拶をいただけることとなっていますが、到着が少々遅れているとのことですので、お見えになられたら御挨拶をいただくということにさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速ですけれども、事務局から本日配付されております資料の確認をお願いいたします。
【髙谷評価室長】
それでは、お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。
本日の配付資料は三種類ございます。資料1が平成23年度実施施策に係る実績評価書について、紙ファイルに綴じております資料2が、文部科学省実績評価書及び文部科学省事業評価書それぞれの案でございます。資料3が、政策評価に関する有識者会議の今後の開催予定という一枚紙でございます。以上でございます。
続きまして、参考資料が四種類ございます。参考資料1が、前回、第36回の会議の議事要旨、参考資料2が政策評価に関する有識者会議委員一覧、参考資料3が子ども・子育て関連三法(概要)、参考資料4が消費者教育の推進に関する法律(概要)でございます。
また、メインテーブルにお座りいただいている方々への机上資料が幾つかございます。資料2の抜粋として文部科学省事業評価書でございます。それから、日本再生戦略、文部科学省行政事業レビュー公開プロセス、政策評価(目標・指標シート)、文部科学省実績評価書(平成22年度実績)、文部科学省事業評価書(平成24年度新規・拡充事業等)、最後に政策評価に関する法令等一覧でございます。以上を机上資料として配付させていただいております。
【高祖座長】
ありがとうございました。かなり大部ではございますが、それぞれお手元にございますか。もし不足がございましたら、どうぞお手を挙げてください。よろしいですか。
それでは、議事に入りたいと思います。
本日の議題の文部科学省実績評価書(平成23年度実績)(案)、文部科学省事業評価書(平成25年度新規・拡充事業等)(案)について、資料1と2に沿って事務局より説明していただき、それに基づいて皆様に御議論いただきたいと思っております。
それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。
【髙谷評価室長】
それでは、資料1、2に基づきまして御説明をさせていただきます。最初に資料2の構成につきまして御説明させていただきます。
資料2の実績評価書案は前回、7月の有識者会議で御審議いただきました資料の改訂版でございます。この実績評価書案は政策目標ごとに緑の色紙で仕切りをつけております。政策目標1を例にしますと、政策目標1の緑の色紙の次には、政策目標1、生涯学習社会の実現全体の政策評価書がございまして、その次には施策目標1-1から順に評価書が並んでおりまして、ページの下には施策目標1-1(1)というかたちでページ番号を振っております。これらの実績評価書において、黒字で書かれておりますところは、前回、7月の有識者会議で御議論いただきました資料と基本的に同じでございます。
反映方針には、25年度には直接言及していないものの、前回の有識者会議で御指摘いただいた事項は、例えば、その次のページ、施策目標1-1(5)の一番上にございます枠、有識者会議での指摘事項というところに反映方針と同様に赤字で追記しております。
またもう一枚おめくりいただきますと中長期的な達成目標と指標となっており、具体的な施策目標、達成目標、主な成果指標、達成手段を示したものでございまして、赤字で前年度から修正や追記を入れさせていただいております。この資料も7月の有識者会議の資料から新しく付け加えさせているものでございます。
このような構成で実績評価書が、政策目標の1から14まで並んでおります。
また、黄色い色紙で仕切られた部分がございます。こちらは、平成25年度に向けた事業や租税特別措置の事前評価書でございます。例えば、政策目標2のところには、子ども・子育て関連三法に伴う税制上の所要の措置に係る租税特別措置についての事前評価書、また、政策目標7、8、9、10には科学技術関係の事業評価書や租税特別措置等に係る政策の事前評価書がついております。ここは新しく御議論いただきたい部分でございます。なお、評価書の詳細につきましては、この後施策目標ごとに御説明させていただくこととしておりますので、そこで御説明をさせていただきます。
【高祖座長】
ちょうど今、高井文部科学副大臣がお見えになりました。早速でございますけれども御挨拶をいただけるということで楽しみに待っておりましたので、御挨拶を賜ればと思います。よろしくお願いいたします。
【高井文部科学副大臣】
改めて、第37回政策評価に関する有識者会議ということで、本当にそれぞれに大変御多用の中、また残暑厳しい中、このようにお時間を頂戴して、心より感謝を申し上げたいと思います。
これまで文部科学省の政策評価に対して多角的な視点から御尽力をいただいておりますことに、また深く敬意と感謝を申し上げたいと思います。
先日、7月31日に閣議決定をされました日本再生戦略では、人材育成戦略や科学技術イノベーション、情報通信戦略など、文部科学省に関連するものが盛り込まれておりまして、我々といたしましても、25年度の概算要求に向けて、必要な取組に全力を現在尽くしておるところでございます。
本日の会議で、23年度の施策に関する実績の評価等の案と25年度予算、租税特別措置の税制改正等に向けた事業評価の案について御議論いただくということでございますが、我々が中から見ている観点ではやはり限界がありますので、日本国全体、また世界の情勢に並び併せても、いろいろな観点から御議論をいただいて、是非それをしっかり受けとめて、より良いものに25年度予算を作っていきたいと思っておりますので、これからも御指導賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。
【高祖座長】
どうもありがとうございました。
それでは、事務局の説明を続けていただけますでしょうか。お願いいたします。
【髙谷評価室長】
それでは、御説明を続けさせていただきます。資料2の構成は先ほど御説明申し上げた通りでございます。その抜粋が資料1となっておりまして、ごく簡単に御説明をさせていただければと思います。
資料1をお手元に御覧いただければと思います。こちらも同じかたちで記載させていただいております。黒字の部分が7月に御審議いただいたものと同じで、赤字の部分が今回の追記したところでございますので、赤い部分を中心に御説明をさせていただきます。
平成23年度実施施策に係る実績評価書について、施策例を順に御説明いたします。
まず、施策目標1-2、生涯を通じた学習機会の拡大の達成目標3の専修学校教育の質の向上についてでございます。この達成目標に関しての具体的な施策への反映方針は、2ページ目に赤字で記載ございますが、学習機会の充実を図るために必要な支援というのを行うべく、そこに記載のあるさまざまな施策を総合的に推進していくということでございます。
続きまして、施策目標2-8教育機会の確保のための支援づくりの達成目標2、高等学校等就学支援金制度についてでございますが、これは3ページにございますとおり、低所得世帯においては、授業料以外の教育費が負担となっているなどの状況がございますことから、所得連動返済制度の導入について、都道府県に対して引き続き働きかけを行うとともに、都道府県や学校等における事務負担軽減策について検討を行っていくということでございます。
4ページの学生に対する奨学金事業でございます。奨学金に関しましては、5ページに評価結果を踏まえた反映方針といたしまして、平成24年度から新設をいたしました所得連動返済型の無利子奨学金制度を着実に実施するなど、奨学金事業の充実を図ってまいるということでございます。
6ページでございます。施策目標7-2イノベーション創出に向けた産業連携の推進及び地域科学技術の振興の達成目標1、科学技術イノベーションを創出するためのシステム構築についてでございますが、評価結果を踏まえた反映方針といたしましては、地域が主体的にイノベーションを創出する取組の推進とともに、大学等が自ら産業界と連携し、新たな研究開発ニーズを発掘・創出する取組を推進する。また、経済産業省と連携して、適切な評価指標に基づいて、2013年度の活用開始をめどに検討を進めるということでございます。
また、この施策目標につきましては、有識者会議での指摘事項の欄に委員よりいただきました指摘事項も記載させていただいております。大学と企業の共同研究につきましては、その成果が社会において有効活用されることが重要であり、大学はただ特許の出願数を増やそうとすることにならないよう留意すべきという御指摘を記載しております。
8ページのナノテクノロジー・材料分野でございます。反映方針につきましては9ページに記載しておりますが、元素戦略プロジェクトの研究拠点型、ナノテクノロジープラットフォーム事業、東日本大震災からの復興に関しての東北発素材技術先導プロジェクト、ナノテクノロジーを活用した環境技術開発、このような施策を引き続き推進をしてまいりたいというところでございます。
また、9ページの下からは海洋分野でございます。海洋鉱物資源を探査するために必要な技術の開発ということで、施策の反映方針は10ページに技術的課題の克服を図るとともに実海域での試験を実施していくということとしています。
11ページにまいりまして施策目標12-2生涯スポーツ社会の実現でございます。達成目標1の地域スポーツ環境を向上させるとともに、ライフステージに応じた安全なスポーツ活動を推進するための環境を整備するについてでございます。こちらの評価結果を踏まえた反映方針は12ページの中段にございますが、行政事業レビュー公開プロセスの結果を踏まえて、総合型地域スポーツクラブ育成推進事業については廃止して、総合型クラブへのより効率的・効果的な支援のあり方を検討する。また、ライフステージに応じたスポーツ活動の推進のためには、若年層や高齢者を対象とした支援策を講じていく。また、大震災に伴う運動不足を解消するために、被災地での地域スポーツの促進を講じる。地域において健常者と障害者が共にスポーツを楽しむことのできる環境を構築する、このような取組を図っていくということとしております。
施策目標13-3日本文化の発信及び国際文化交流の推進の達成目標1、海外公演・ワークショップ、海外の芸術家・芸術団体と我が国の芸術家・芸術団体とが共同制作公演・意見交換などによるネットワーク構築等を行うということにより、文化交流を推進するについてでございます。こちらの反映方針につきましては、13ページにございます。文化交流使の指名につきましては、指名作業の早期化・効率化を図り、指名数について目標値と同水準まで向上するよう努めていく。また、ネットワーク形成や過去の派遣者への意見聴取等を踏まえて日本文化の普及がより効果的に図られるよう努めるとしております。
また、この施策目標につきましては有識者会議での指摘として、文化という分野では、定量評価より定性評価の方が大事であるので、エピソード評価を実施しているということは評価のやり方として前進である。海外交流使については、何が生まれたのかというアウトカムが見えない。このためには戦略と制度設計が必要で、アーツカウンシルもきちんと機能するような形で実施してほしいという御指摘をいただいてございます。
14ページでございます。ここからは、23年度に目標値に達していないもの、あるいは目標に照らして達成状況に遅れが見られるものの例でございます。施策目標1-2の生涯を通じた学習機会の拡大のうちの達成目標1の放送大学の活用についてでございます。この達成目標には原因の分析ですとか、学生の授業に対する満足度を高めていくような取組を検討していくという課題がございまして、反映方針といたしましては、教育内容の充実を図ることや、アンケート調査による授業評価を継続して実施して、カリキュラム編成や授業科目の制作に活用・反映していくとともに、学習環境の整備を推進ということとしています。
また、有識者会議での指摘事項といたしましては、放送大学について、どこをどう頑張れば良いよいのかきちんと要因分析を行うということは大変良い。効果的な分析を行ってほしいという御指摘をいただいております。
次に施策目標2-3青少年の健全育成の達成目標1の青少年の体験活動についてでございます。反映方針といたしましては、自然体験活動指導者については、2万人養成とともに、指導者の質の向上の施策を検討していくこと。また、社会の体験活動に対する理解について、より効果的な普及啓発の方法を検討するということなどがございます。
また、有識者会議での指摘事項といたしましては、達成目標に多様な体験活動を経験できる体制を整備とされていることに対応して、自然体験以外のデータの取得を検討すべきである。また、より多面的に自然体験活動の効果について分析を行うべきという御指摘をいただいてございます。
16ページは、達成目標2の青少年が携帯電話をめぐる有害環境から守られるについてでございます。評価結果を踏まえた施策への反映方針といたしましては、フィルタリング利用や家庭のルール作りの普及啓発を進めるとともに、保護者のみならず青少年に対する普及啓発活動も引き続き並行して取り組むということとしております。
17ページは、達成目標4の子どもが自主的に読書活動を行えるようになるについてでございます。これは、市町村における子どもの読書活動推進事業の策定を促すとともに、子どもの読書活動の状況について関係機関と協力して分析を行うということでございます。
また、御指摘いただいている事項といたしましては、要因分析を行うことは大変良く、効果的な分析を行ってほしいということでございます。
18ページでございます。施策目標2-8の達成目標4の外国人の児童生徒に対する教育支援体制の整備でございます。こちらの施策への反映方針といたしましては、受入れ促進に関する事業を引き続き実施し、各地域における取組の成果の普及や課題の交流に努めることを進めていくということとしております。
19ページは、施策目標4-2の大学の教育研究基盤の整備でございます。20ページに施策への反映方針がございますが、老朽改善整備については今後一層推進する必要がある。そのためにも必要な予算を確保して、計画的・重点的な施設整備を行う。さらに、施設整備に関する成果・効果に関する事例集を作成・配布するというところでございます。
20ページの下半分からは、施策目標6-1の私立学校の振興についてでございます。達成目標1の私立学校の振興につきましては、具体的な施策への反映は21ページの上段にございます。私立学校の振興を図るための支援策について検討を行い、引き続き事業を実施する。
また、ここでいただいております指摘事項といたしましては、個別の大学で、非常に成果を挙げている事例などを取り上げて要因を分析したり紹介したりしてはどうかということでございます。
施策目標7-3科学技術システム改革の先導に関してでございます。達成目標2の現状の課題や将来の行政ニーズを的確に捉えるための調査・研究を行うとともに、評価システムの改革を進めるということに関しては22ページの上段に施策への反映方針がございます。これまでと同様の取組を行うとともに、これまでの知見を整理し、課題等について分析を行う。また、より実効的な研究開発評価のあり方について検討を行うとともに、情報収集や意見交換を進める。また、科学技術政策研究所での取組も推進をしていくということとしております。
また、達成目標4、研究開発活動促進に資する税制措置でございます。施策への反映方針といたしましては、経済産業省と共同で平成25年度税制改正要望を行う予定とさせていただいております。
施策目標9-1の学術研究の振興の達成目標3の特色ある分野における共同利用・共同研究拠点の整備についてでございます。こちらの反映方針といたしましては、研究ポテンシャルの高い私立大学等の共同利用・共同研究拠点の整備を引き続き推進していくこととしております。
また、施策目標10-5原子力分野の研究・開発・利用の達成目標2の量子ビームテクノロジーの利活用についてでございます。反映方針は24ページ中段でございますが、震災による研究の遅れを取り戻すとともに、さらなる共用の促進に努めてまいるとしております。
また、13-3の日本文化の発信、国際交流の推進、これは13ページに同じ反映方針と指摘事項がございますので、ここでは割愛させていただきます。
留学生につきまして、施策目標14-1の達成目標1の留学生の受入れ・派遣について26ページに記載がございます。反映方針といたしましては、行政事業レビュー、公開プロセスの結果を踏まえ、留学生短期受入れと日本人学生の海外派遣を一体とした交流事業の運用に当たっては、目的を明確にし、選定方法及びフォローアップの厳格化をすることとしております。
また、有識者会議では、留学生を増やしていくためには、制度設計やビジョンが必要というようなお言葉をいただいてございます。
27ページは、達成目標2の高校生の交流活動でございます。これも評価結果を踏まえた施策への反映方針と指摘事項については、この前の項目と一緒でございますので、割愛させていただきます。
30ページからは、東日本大震災への対応についてでございます。こちらは順番に、施策目標2-8が幼児児童生徒の教育機会について、施策目標4-1が大学等の教育研究について、6-1が私立学校の振興についてでございます。これはいずれも引続き重点的に支援を行っていくこととしております。また、施策目標5-1についても、奨学金の貸与等を図っていくという反映方針としております。
33ページの中ほどにございます原子力に関して、放射線モニタリングについての達成目標4と5の事業におきましては、平成25年度から環境省の原子力規制庁に移管されることとなっており、今回の評価を踏まえまして、概算要求、機構定員要求等は環境省においてなされるということになっております。
35ページ、ライフサイエンス分野でございます。被災地の医療復興、次世代医療実現に関しましては、文部科学省としては、推進本部を設置して進捗を管理して、着実かつ速やかに実行していくということとしております。
また、36ページの一番下の行からの原子力関係、具体的には除染や廃炉に関しましては、こちらも関係機関と連携しながら必要な取組を着実に実施するということでございます。
有識者会議で御指摘いただいたところといたしましては、福島の事故に対応して新しく達成目標を追加したことは良い。この問題は長い時間を要するものであり、是非息長く頑張ってほしいという御指摘をいただいております。
施策目標10-7の海洋分野の研究開発の推進、達成目標4海洋生態系の変化メカニズムを解明し地元の新たな産業の創成につながる技術シーズ開発につきましては、反映方針が38ページの上段にございます。海洋生態系の再生というのは10年から20年という長い時間をかけて進行していくものであり、長期的に調査をしていくということとしております。
最後に原子力損害賠償でございます。これにつきましては39ページでございますが、反映方針の少し前の課題の下から3行目に、被害者から仮払いの請求が見込みを下回ったという事実がございまして、今後、国による仮払金の支払いを検討する際は、本賠償の状況、被害者のニーズに十分留意する必要があるという課題がございますため、反映方針といたしましては、仮払いの支払いを検討する際には、ニーズに十分注意をしてまいりたいという方針でございます。
以上が実績評価でございます。
25年度の事業評価については黄色い色紙の後にございますが、メインのテーブルの方々には資料2より抜粋という、文部科学省事業評価書というのがございます。これに付箋をつけてございますが、事業評価を抽出したものがこちらでございます。このうち、おめくりいただきますと、新規の項目といたしましては、研究大学強化促進費がございます。これは施策目標9-1関連でございますけれども、こちらは高い水準で研究力の進展が期待できる大学に対しまして、学長のリーダーシップによる研究力強化策を支援することにより、世界に顔の見える研究大学を増強することを目的とする施策でございます。
また、施策の2番から8番、再生医療実現拠点ネットワークプログラムから地域防災能力育成支援研究事業、これらの事業につきましては、科学技術・学術審議会の計画評価分科会におきまして評価をいただいておりまして、私どものこちらの評価につきましては、科学技術・学術審議会の評価を受けるという形になってございますので、この場では御参考ということを基本といたしまして、評価をいただきますのは1番の研究大学強化促進費についてお願いできればと思います。
また、税制改正につきましては二点ございます。子ども・子育て関連三法に伴う税制上の所要の措置ということでございます。これは同じ資料の①のインデックスがついているところを御覧いただければと思います。子ども・子育て関連三法が可決・成立しましたので、幼保連携型認定こども園に対する幼稚園・保育所と同等の税制措置を図るということがこの要望の中身でございます。また、二つ目の○には試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除、これは例年、同じように研究を行った場合の特別控除がなされております。こちら法律上の二件の要望につきましても御議論賜わればと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
【高祖座長】
ありがとうございました。資料が大部にわたっておりますけれども、比較的短い時間で説明をまとめていただきまして、ありがとうございました。
それでは議論に進みたいと思います。なるべく全員に御発言していただきたいと思っておりますので、御発言は簡潔にお願いいたします。事務局の説明や担当からの回答も簡潔にお願いしたいと思います。
なお、発言につきましては、いつものとおり名札を立てていただきまして、それを私が見ながら御指名申し上げるということで進めていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それから、評価書につきましては、全部で政策目標が1から14と、いろいろな分野にわたっております。そこで、四つの部分に分けて御議論いただきたいと考えております。一番最初が政策目標の1から3でございまして、生涯学習と初等中等教育関係のもの、二つ目が高等教育に関係いたします政策目標の4から6まで、三つ目が政策目標の7から11の科学技術関係のもの、四つ目が政策目標の12から14、スポーツ、文化、国際関係、この四つに区切って議論をさせていただきたいと思います。それぞれにつきまして、残った時間が90分ほどでございますので、一つについて20分程度の時間を取るということで進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
では、そのように進めさせていただきます。
ただし、実績評価書や事業評価書全般に関する御意見につきましては、どうぞ適宜、いつでも御発言をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず最初に、生涯学習と初等中等教育関係の政策目標1から3について、委員の皆様の御意見を頂戴したいと思いますので、どうぞ名札を立ててくださいますよう、お願いいたします。樫谷委員、浅井委員と順番にお願いします。まず樫谷委員からどうぞ。
【樫谷委員】
まず資料1の1ページですが、専修学校における社会人受入れ数が着実に増えているということで、これは非常に評価ができるのですが、この中身について、受け入れているといっても、通年で受け入れているのか、三日間だけやっている話なのか、これはどのような内容になっていて、データの裏付けというのはどうなっているのか教えていただけたらと思います。
【高祖座長】
それでは浅井委員どうぞ。
【浅井委員】
まず全体的なことを申し上げたいと思います。評価のプロセスは非常に良くなってきたと思っております。今回検討しなければならない反映方針のところですけれども、結局ここが最後にアウトプットとして出ていくところになっていくと思いますが、まだ抽象的な面もあって、ここを具体的なものにするために課題をきちんと具体的に捉えるということが必要で、課題と反映方針を連動させて捉える必要があるのではないかと思います。課題を具体的に明確化できれば、この反映方針が必然的にはっきりしてくるのではないかと思いました。非常に良い形になってきたと感心しております。まずそれを申し上げまして、具体的なことを申し上げます。
資料2の施策目標1-1(4)のところですが、調査等についてのデータの扱いについてですけれども、これまで申し上げたことを取り上げていただいておりますので大変ありがたいと思っております。25年度に反映してほしいということではございませんが、さらに申し上げますと、少子高齢化の中では、子供の数が少なくなればどうしても社会保障の方に国民の関心は向いていきますので、教育が軽視される傾向があります。しかし、将来の日本を作るということで、教育は土台となります。教育が次の時代の社会を作っているのかということを、データで証明できないところが痛いところですから、今後はそのあたりをデータで証明することが必要になってくるのではないかと思いますので、前回申し上げたことのほかにさらに、例えば追跡調査をやっていただいたりして、もうちょっときちんと教育の効果というものを調べるような手法の開発というものも是非進めていただければと思います。これは、将来の課題ということで結構です。
それから次に、施策目標1-2(10)から(11)のところでございます。まず、放送大学についての反映方針ですけれども、中身はこれでよろしいですけれども、さらに、もしも御検討いただければということで申し上げますと、学生さんの授業評価の満足度を高めたいということですが、それには、社会人の学生ですので、私どもの経験から申し上げますと、社会人というのは学習意欲が非常に高くて、かつ自分の意見を持っていますので、双方向性をきちんと確保しませんと、おそらく満足は十分に得られないのではないかと思います。そういうことを具体的に検討されるとよろしいのではないかと思います。
それから達成目標2の反映方針についてですが、大学との協力ということは大変良いことだと思っております。ただし、どちらかと言いますと、このネットワークフォーラムは、これまで高齢者の社会参加の機会でもありましたので、高齢者の参加が阻害されないようにしていただく必要があるのではないか。それを十分気をつけていただきたいと思います。
それから次は、少し飛びまして、施策目標2-3の青少年の健全育成の読書関係のところです。反映方針のところを見ていただければと思いますけれども、この内容で問題はございませんが、将来的に検討していただきたいこととしまして、例えば電子図書の問題をどうするのかということが当然出てくるのだろうと思います。今のところ、本を何冊読んだのかということの増減でもって評価していますけれども、電子図書をどうするのかということと、それから二点目は、高校生などはネットを使っていろいろ資料を比べたり、論文を読んだりとか、そういう機会が増えてくると思うのですけれども、それをどのように評価に入れていくのかということを御検討いただければと思います。
以上でございます。
【高祖座長】
ありがとうございました。星野委員、どうぞ続けてお願いします。先に発言していただき、その後で担当から回答をお願いします。
【星野委員】
私も施策目標2-3青少年の健全育成に関わる部分ですが、資料1で目標値に達成していないということで反映方針が出ていまして、私も意見を述べさせていただいたのですが、しっかり意見として反映されているのと、資料も非常に見やすくなったなということなので、これは要望ですが、この夏も東北に行って感じましたのは、青少年の体験活動が減っているということで、できるだけこれを増やす方策をお願いしたいと私は要望を出しました。地域によっては、もしかすると体験の度合いに子どもたちの、地域ごとの格差が生じているのではないかなという点が気がかりでありまして、日本全体では少し体験活動が減っているということなので、また努力目標として達成目標値が上げられていますが、もしかすると、地域に応じて格差が生じていて、これはいけないなと思いますので、データを分析する場合に、地域ごと、あるいはブロックごとにデータ分析できるのであれば、格差が生じないような方策もできると思いますので、子供たちが安心して外で遊べるような、そういった観点からも格差の生じないような対策が必要かなと思いますので、データの裏付けを取るときにもしその点配慮できるようであればお願いしたいと思います
【高祖座長】
ありがとうございました。大林委員もどうぞ続けてお願いします。
【大林委員】
私は門外漢ではありますけれども、大津在住でありまして、したがって、お気づきのように、大津のいじめの問題、これは看過できないということで、一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。
トラブルが起こるたびに最初に学校が言うことは、いじめと認識していなかったということで、極論を申し上げますけれども、隠蔽に走っていると感じます。いろいろな政策がなされていてアプローチしているのだけれども、そうなってしまうというところを考えていただきたいと思います。私どもは事業者ですから、安全成績というのを非常に大事にしていまして、その安全成績をゼロにしましょうという目標を立てるのですが、そうすると必ず、年々、実態と違って安全成績が良くなるのです。そういうふうに報告するのです。それは、組織と人間の性なのです。だから、そういう究極の目標値だけを立ててはいけないのです。そういう事故を芽である段階でいかに発見して、それを大きな事故に至る前に早く解決策を探るということが一番大事なのです。いじめの問題は、もちろん日本だけの問題ではなくて、国際的にもいろいろ比較されておられるだろうし、いろいろな検討をされているとは思いますけれども、是非、そういうことが隠されず表に出てきて、答えが出せるというベクトルが出るような施策にしていただきたいと思います。
それからもう一つは、これはないとは思いますけれども、学校にあってはならないことはゼロだというふうに思っているのは、ちょっとおかしいと思います。要するに、大人の世界でも一年間に三万人の方が自殺をされるというストレスがある社会なのですから、人が集まれば何らかの事象が生じるのは当たり前のことなのです。学校という世界の中でいろいろな事象が起こるというのは、当たり前だということを前提に、それをどう安全な世界に引っ張っていくかという、方法論を固めていただくのが大事なのではないかと思います。
三点目ですが、いじめという言葉だけで問題を片付けてはいけないと思います。評価書にはちゃんと、いじめ及び暴力行為と書いてありますので、書き分けておられると思いますけれども、暴力行為、万引きなどいろいろな犯罪の教唆とか、金品を巻き上げるとかは、大人の世界では犯罪です。例えば小学生の場合では、無視するとか、そのレベルの問題と犯罪レベルの問題とは明確に区別すべきです。子どもたちに、これはいけないことだよという教育をしっかりしないと、解決しないのではないかと思います。いろいろな課題点は、もういろいろに専門の方々が御議論なされておられますので付け加えはいたしませんので、以上、よろしくお願いいたします。
【高祖座長】
ありがとうございました。それでは、発言があった順番に、それぞれの担当から説明をいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
【生涯学習政策局】
生涯学習政策局でございます。まず樫谷委員から、専修学校の社会人の受入れ数が伸びているということでございますけれども、正確にここに明記をしたいと思います。
【高祖座長】
発言中、ごめんなさい。副大臣、お忙しいところ御出席賜り、ありがとうございました。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
発言中、すみません。どうぞ続けてください。お願いします。
【生涯学習政策局】
把握している限りでは厚労省の委託訓練等による伸び率も入っておりますので、厚労省の委託訓練では三箇月等々の訓練もありますので、そういう意味では、必ずしも通年というわけではないと思いますけれども、その辺が分かるような形で明記をさせていただければと思っております。
浅井委員から御指摘ございましたけれども、教育政策は、施策と調査の連動性というのがとても重要でございます。その点につきましても、今後、施策と調査というものが、整合性が取れるような、体制の整備も含めまして、我々検討していきたいと思っておりますし、さらには、追跡調査ということもそれで可能になるように前向きに考えていければと考えております。
放送大学の件で、双方向性に関する御指摘とネットワークフォーラムの高齢者の配慮というような御指摘がございましたけれども、どちらも大事な御指摘でございますので、今後の施策の展開の中でしっかりと検討していきたいと思っております。
以上でございます。
【高祖座長】
ありがとうございました。続いて、初等中等教育局でしょうか。よろしくお願いします。
【初等中等教育局】
初等中等教育局でございます。いじめに関しまして、大林委員の御指摘につきましてですけれども、まさに御指摘のとおりだと思っております。文部科学省としましては、いじめは決して許せないことではありますけれども、どの学校でも、どの子どもたちにも起こり得るものであるということを十分に認識することが重要であるというふうに考えておりまして、さらに学校で子どもの兆候を見逃さずに、学校現場の教員等が未然に防ぐという意識のもと、しっかりアンテナを張って対処していくとしています。さらに、定期的なアンケートによって顕在化させて、それに対してしっかり対処していくということであって、いじめの数が少ないということが良いということではなくて、いじめに対してどれだけ解消したかといったことをある程度達成目標にしていくというような考え方で進めさせていただいているところでございます。
【高祖座長】
先ほどの星野委員から御指摘のありました体験活動の地域における格差の問題等はいかがですか。
【スポーツ・青少年局】
スポーツ・青少年局でございます。御指摘のありました体験活動についてでございますけれども、置かれている環境が都市部であるか、あるいはそうでないか、それから自治体がそれを非常に重視しているか、そうでないかというところで、確かに取組というのに差が出てくるということはあるというふうに思っております。御指摘のような格差が生じないようにというような観点も含めて、今後対策等を検討していきたいと考えております。
併せまして浅井委員から御指摘のありました読書活動に関しまして、電子書籍の取扱等をどうするかということでございますけれども、少なくとも今のデータに明示的にはそれが含まれておりませんので、これだけ情報公開が進展をして、占める比重というのが我々の生活の中でも大きくなっておりますので、その取扱については、今議論中でございますけれども、施策の評価やデータにおける取扱について検討していきたいと考えております。
以上でございます。
【高祖座長】
ありがとうございます。では、田中委員、どうぞ。
【田中委員】
私からは、データについて二点ほどコメントを申し上げたいと思います。データについては、非常に収集について実務的な困難があるのは存じていますが、あえて純粋な評価の立場から申し上げたいと思います。
資料1の最初のページ、たまたま目立つのでこれを例として取り上げますが、下にグラフが二つありますけれども、例えば24年度目標値が出ていますが、これは受け入れ数ですので、実績値あるいは実績の速報値は出せないでしょうか。あるいは同じ資料の後の方を見ていただいても結構ですし、資料2でも結構なのですが、23年度のデータがあるものはまだ良い方なのですが、23年度のデータが調査中というものがたくさんあります。今まで見過ごしていたわけですけれども、本当にそれで良いのだろうかという問題提起です。この評価を予算策定に反映するとすれば、この時点でデータがないと意味がないわけです。ですから、難しいのは分かっているわけですけれども、可能な範囲で、特に重要なデータについては、少なくとも23年度のデータを何らかの形で使えるようにしておき、場合によっては、24年度のものでも、入学者数とか、年度当初で実績値がつかめるものについては、速報レベルでもつかんで使うという方が、多分、国民にとってベターではないのかと申し上げたいと思います。それが一点目です。
次に、やはりデータに関連してなんですが、資料2の、先ほども出ていましたが、施策目標1-2の放送大学に関わる施策の評価ですけれども、この施策につきましては、入学者数を除くと、授業の理解度であるとか満足度というアンケート調査に頼った成果指標が主になっていて、言い換えると、こういったアンケート調査の結果を基にして施策の達成状況が判断されるということで、データが重要なわけです。ここで例えば理解度を見ていただくと、23年度の実績が79%ということで、前年度より1%下がっており、次のページで課題という欄に赤字で学生に対するアンケート調査による分析を行うといったことが書いてあります。これは統計について少しでも知見がある人であれば明らかだと思うのですが、22年度の80%と23年度の79%が有意な差があるかどうかというのは、これは調べればある程度分かるわけですね。ですから、私はおそらくほとんど問題がないレベルだろうと思っているわけです。ですから、業績測定を使っているわけですから、そこをしっかりやっていただきたいわけです。これはたまたま資料の前の方にあるものをピックアップしていったので、これが悪いということではなくて、全般的にそういう傾向があるのではないかということで、問題提起をさせていただきたいと思います。
【高祖座長】
ありがとうございました。データに関連して、一つだけ付け加えさせてください。今の放送大学に関係するところで、アンケートの表が学部と大学院とで分けてありますよね。ところが、前提となっている最初の入学者数が学部と大学院生の数が合計した数になっています。アンケートを分けて示すのなら、人数も区分して、どれだけの人数がそこにいるのかということが分からないと、正確なデータにならないのではないかという気がします。ですので、そのデータの作り方も検討していただきたいと思います。もうその点はつかんでいらっしゃると思うのですけれども、そのことについて今のデータに関連して、生涯学習政策局から回答がございましたら、どうぞ手短かにお願いいたします。
【生涯学習政策局】
御指摘についてはおっしゃる通りと思いますので、御指摘を踏まえて、官房政策課ともよく相談して訂正したいと思います。
【高祖座長】
ありがとうございました。
それでは、ちょうど20分過ぎたところでございますので、二つ目のブロック、高等教育の分野に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。どうぞ、委員の皆様のから御意見を頂戴したいと思います。江川委員、お願いします。
【江川委員】
ありがとうございます。まず施策目標4-1、大学等における教育研究の質の向上というものなのですけれども、たまたま私が国際化関連の幾つかの事業に大学で関わったことを踏まえて、三点申し上げたいと思います。
一つは、達成目標3に、国際化にかかわるグローバル30事業、それから今年度の事業でグローバル人材事業のことが少し触れられています。例えばグローバル30のときに、予算が学生寮に使えないこと、つまり学生の受入れをしたい、増やしたいというときに、やっぱり学生寮を整備しないと留学生が来てくれないという実情があるのに、そのために予算が使えない。あるいはグローバル人材事業では送出しをするということなのに、奨学金に予算が使えないことなど、実際の達成目標といろいろな施策の細かい要件というのがかみ合っていないことが幾つかあったように思いました。私も大学に来てまだ日が浅いので全体のことを申し上げにくいのですけれども、たまたま私が関わったものに関して見ていると、しっかり目標を達成させようというあまりに、いろいろな条件が細かく決められすぎていて、各大学が創造性を発揮して、本当に本質的な改善をするという、そういったことになかなかつながりにくいのではないかという、懸念を少し持っております。政策評価はこれだけの蓄積ができていて、ある程度定量的にやっていかなければいけないということもあるので、バランスを取るのは非常に難しいと思います。ただ、以前、金融の仕事をしていたときに、英国政府が民営化株式売却の評価をするプロセスに関わったことがあって、その際には、細かい具体的なことよりも、評価できる立場の第三者に定性的、総合的な評価をしっかりさせていました。結果的には、定量的なものを細かくチェックするよりも良い評価ができていたなと思いましたので、そのような方向性も、場合によっては、教育に関しては考えても良いのではないかと思いました。
それから二点目は、そういった細かい条件を決めているということの裏返しなのですけれども、例えば海外に留学する者の比率をちゃんと出しなさいというときに、母数が日本人学生の中における比率を出してくださいというかたちになっています。今大学の仕組みの中では、大学に来ている学生の中には留学生もいて、日本人でない人もいるのですから、正規の学生の中で比率というのを取っています。日本人と外国人とを分けるというのが、現状本当に良いのかとも思いますし、それから、以前の政策で、例えば英語で講義のできる教員を雇うというときに、たまたまその人が日本国籍であると対象にならないなど、そういう議論がありました。その辺の指標に関しても、少し国際感覚を入れた指標の取り方ということも考えても良いのではないかと思います。
それからもう一つ、三点目は奨学金に関してのものなのですけれども、5-1の奨学金に関するもので、先ほどいただいた資料1の中で、奨学金、特に貸与のものが順調に伸びています。それが教育機会の提供に貢献しているということなのですけれども、時々ニュースで報道されるのですが、返済の負担が非常に大きくて、結局大学へ行くのをあきらめてしまったとか、あるいは破産というか、返済ができなくなってしまって、結局クレジットカードも使えなくなってしまったとか、そういった話も聞いたりしているので、本当にこの貸与の、しかも、有利子がこんなに増えていくのが良いのかと思います。海外の大学を見てみますと、渡し切りの普通の奨学金というのもかなりあるので、この政策、これも根本的な話で恐縮なのですが、政策そのものの適切性も考えるべきではないかと、この資料を見て思いました。
以上です。
【高祖座長】
ありがとうございました。樫谷委員、松永委員と続きます。
【樫谷委員】
私も奨学金に関連するところで、先ほどの御意見もそうですし、震災のところで、この資料1の32ページで、反映方針ということで、引き続き、家計が急変した学生等が経済的理由により修学を断念することがないよう貸与基準を満たす希望者への奨学金の貸与を実施すると書いてあって、これは別に普通のことをやっているという話ですよね。これを見ただけでは特別に震災だからということではないような気がするのですが、こういう人の、家計が急変したということについてこのレベルの奨学金の貸与を基準どおり実施するという対応で、課題はないのでしょうか。何か課題があれば教えていただきたいと思います。
【高祖座長】
ありがとうございます。松永委員、どうぞ。
【松永委員】
前回、定量的に評価するということや、グラフ等を用いて分かりやすく表現していただくということで、非常に良くなったと思います。今回、その後の評価結果を踏まえた施策への反映方針や、前回の委員会で出た指摘等をまとめていただきました。それを概要版として資料1にまとめていただきました。最初にこの資料1にまとめていただいたというのは、全体の非常に大きな資料2の中で代表的なところを選ばれたと思いますが、結果的には非常に分かりやすく表現できるものを選ばれているようですから、非常に忙しくてこれだけを見る人もいるかもしれませんので、代表する政策や重要な政策など最も重要なものを選んでもらいたいと思います。
それから、おしなべて評価結果を踏まえた反映方針というのが、全般的に当たりさわりなく書いてありまして、難しいのかもしれませんが、それぞれの担当の部署でもう少ししっかりと書いてほしいと思います。データを出して重要なものを選んで、そして反映方針をきちっと書くということをもっとこれから改善していってもらいたいと思います。そういう目で我々も全体の資料を見させてもらっておりますのでよろしくお願いします。
最後に、ここまで四つの分野のうち初等教育と高等教育分野の議論をしてきましたが、どうも教育のところは書きにくいのか、資料1でも初等教育、高等教育、奨学金のこと、そして次がもう産学連携のことになっているので、書きにくいのかもしれないのですけれども、要望としては、教育のことを、もう少しこれから改善してもらいたいなと思います。
【高祖座長】
ありがとうございます。それでは、高等教育局、関連するところをお願いいたします。
【高等教育局】
高等教育局でございます。江川委員のから御指摘のありましたグローバル30及び留学生を代表例とする指標の取り方ということでございましたけれども、グローバル30ほか、補助金に関しましては、かなり厳しい制約が国の予算制約上、かかっているのは事実でございまして、原則、その目的外の施設等の建築に使えないという状況はございます。ただし、今後予算を作っていく上で、ある施策を一つの柱としまして、いろいろな形の予算を組み合わせて、例えばランニングコストにかけられる補助金と施設を建てられるような補助金をパッケージにして、一つの施策としてできないかということも、高等教育局を中心に考えているところもありますので、25年度予算でどこまでできるかは別ですけれども、今後はそういう形で、より施策を進めるために他局とも連携して、一体で進められないかということを考えているということを御紹介させていただきたいと思います。
なお、データの取り方に関しましては、おそらく予算要求のベースとなるような観点から取っているところがありますので、国内の学生の留学生に対する状況を把握したいということで予算に関連してデータを取る場合、国内学生に対する比率がどうかということを把握したというのがどうしても前面に出ますので、全体的な国際化についての状況というよりは、これらを中心に取っているところが若干否めないということはありますが、改善の余地があるかどうかにつきましては、担当課に伝えておきたいと思います。
奨学金につきましては、樫谷先生からも併せて御指摘がございました。必ずしも有利子補助金が今のような状況で良いという認識はございませんけれども、一方で、昨年の予算編成過程で貸与型等の要求等をさせていただいたところではありますけれども、政府の方針としましては、所得連動型の奨学金ということで、今の24年度予算は組み立てられているというところでございます。今後、基本的には所得連動型の奨学金をベースとしつつも、マイナンバー制が導入されるなどの動きもありますので、これと絡めまして、今一律に300万以下の場合には猶予するということなのですけれども、この一律制をもう少しきめ細かくできないかということがありまして、これは今後、所得が把握できる段階が可能な限り厳密になっていけば、よりきめ細かく、一定程度返してもらう割合はあるけれども、その段階を作るということもできるのではないかと考えております。しかし、ある一定水準以下の者については、当然、期限を猶予しているという形にはなりますけれども、実質的には回収できないということになりますので、その辺をうまく活かす形でできないかということを考えています。
なお、給付型につきましては、当然、所得連動型の奨学金がある程度浸透していった際に、改めてどのような課題があるのか、ないのかということを確認した上で、諸外国を中心として行われているような給付型が良いのか、悪いのかということを改めて考えていくというのが今予算の状況でございます。
最後に、施策の反映方針につきましては、御指摘のとおりで、これでも実はいろいろと工夫して書かせていただいたところがあるのですけれども、また持ち帰りまして、具体に書ける部分があるか、ないかということに関しましては検討させていただきたいと思います。ただし、具体的な事例としてどれを挙げるかにつきましては、政策課の判断もありますので、協議してまいりたいと思います。
以上でございます。
【高祖座長】
ありがとうございます。先ほど江川委員から御指摘があったところは、実は私も非常に重要なことをおっしゃっていると思います。これは、国の方針としては日本人学生を支援するというスタンスでいるのだろうと思うのですが、東大にしろ、いろいろな大学は、国籍を問わず、そこに学びにきている人たちは、みんな同じ学生としてグローバル人材に育てていくのだというスタンスのはずなのです。そういう大学の姿勢を後押しすることが今の日本のグローバル化の課題であって、日本人のグローバル化を考えれば良いというレベルから、もう一段か二段か上がった施策がいるのではないかという指摘が入っていたと思います。私もそれについてはすごく共鳴いたしますし、そういう方向に日本の大学がいかなければ、グローバル化という競争にはたちうちできないだろうと思いますので、その点をいろいろなところで御検討いただけないでしょうか。
それからもう一つ、今回、こちらのデータも見ますと大学と短期大学と専門学校、専修学校を一緒にした統計を取られているようですが、現在私は中教審に関係していますけれども、中教審の中でも、短期大学をテーマにした議論はいつも後回しになるというか、横に置かれています。こういうデータを取るときに、学校種を分けたところのデータを取りながら、どこにどういう問題が集約して現れているかという点を見ていくような、そうした評価もやはり必要なのではないかと思います。そのようなデータのまとめ方やデータの分析についての工夫をしていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
それでは、科学技術のブロックにいってよろしいでしょうか。
では、三つ目の科学技術の分野に進みたいと思います。まずは家委員、それから樫谷委員ですね。それでは、家委員どうぞ。
【家委員】
三つほどお話させていただきたいと思います。
まず、施策目標9-1の達成目標3のところに人・社系の研究推進ということがありまして、これは大変重要なことで、特に私学における共同利用拠点の充実を図るという目標が掲げられておりますけれども、資料2の対応する目標のところを見ますと、私の見間違えでなければ、平成23年度から平成24年度にかけて予算はむしろ減らされているという感じになっているわけです。拠点を増やすのは良いけれども、拠点の数が増えて予算が増えない、あるいは減るとなると、拠点になる側としてはとても活動できないということになります。少なくとも国立大学の共同研究拠点に関しては、運営費交付金の特別経費の中に全国共同利用・共同実施分というものがありますけれども、この私学の共同利用拠点についての予算的なサポートというのは、今どうなっているかということをお聞きしたいと思います。それが一点目です。
それからもう一つは、政策目標9の黄色紙の後ろの今後の強化策の話ですけれども、これ自体は大変結構なことで、大いに頑張っていただきたいと思いますけれども、この背景にあることの記述に少し引っかかるところがあります。この資料2のところに、科研費のあり方についての審議のまとめという記載があり、そこが引用されていまして、この審議に私も関わってきたわけなのですけれども、そこで我々が強調したことは研究を健全に進めていくためにはデュアル・サポートが大事であって、まず基盤的な経費がちゃんと担保されていて、その上に競争的資金があるということを強調したつもりでおります。そのことを認識していただいていると思いますけれども、現実に起こっていることは、運営費交付金が年々、着実に減らされているということがあります。ここの記述の中に、大学が本来持つ力をというふうに書かれているのですけれども、大学が本来持つ研究力を削いでいる原因というのが本当はどこにあるかということは、少し長期的に検証が必要なのではないかと思います。そこを見直さないでいて、ただ大学強化促進費という、ある種のお金をつけて、これで工夫しなさいといっても、なかなかそれは学長ないしマネジメントの裁量の範囲を超えているのではないかという気がしないでもないということであります。
それからもう一点は、政策目標10のナノテクノロジーの研究開発のところなのですけれども、ページで言いますと施策目標10-4の(8)から(9)にかけてですが、資料の作りが気になっているのですけれども、この赤字のところが、参考指標について目標を削除となっていて、全て削除されたということについて、24年度新規事業が多いからということだと想像したのですけれども、それにしても目標を全部削除で良いのかどうかというのが気になりました。
以上です。
【高祖座長】
ありがとうございます。樫谷委員、どうぞ。
【樫谷委員】
一点目は、7-2の産業連携の話です。これは科学技術の話でもあるし、大学の話でもあると思うのですが、私も、地方再生というのか、地方の企業なり地方公共団体と連携しながら地方の再生等について取り組んでいるのですけれども、大学があまりあてにならないと言われているのですね。つまり大学に相談に行っても、なかなか相談に乗ってもらえない。たまたま自分の興味がある研究、確かに大学の先生というのは、自分の興味のあることを研究することになっているので、その興味と地域の産業とミスマッチが起こったときに相談に乗ってくれない、非常に冷たいというわけですね。それは科学技術、これは大学だけじゃないというかもしれませんが、その辺は見ますと、資料2にも、地域のことについては、23年度より取組開始したため実績なしと書いてあるのですが、全体の件数は1万5,000とか、目標が1万7,000になっているのですが、地域的な問題としたら地域の会社だとか、その規模等が、どういう感じになっているのか、その辺についてももう少し詳しいデータがあった方が、地域の問題、地域科学技術の振興とも書いてありますから、大会社、あるいは地域の中堅会社といったものについても、もう少し詳しいデータがあると良いのかなというふうに思ったのが、まず一点目です。
それから政策目標10の特に資料1の36ページにある原子力分野の研究・開発・利用の促進について、これとは直接は関係ないのですが、除染や廃炉の問題が書いてありますので、放射線の影響というのは、一体、どういうレベルの場合にどういう影響が出るかというようなことについての研究というのは、誰がどうしているのか、さっぱり分からないのです。除染も、どこまで除染すれば良いのかということも当然分からないと思いますので、除染や廃炉の課題解決に向けて書いてあるのですが、放射線の影響が分からない限り、除染というものについての解決が本当にできるのかどうなのか、それがどうなっているのか、もし分かれば教えていただきたいと思います。
以上の二点です。
【高祖座長】
ありがとうございます。それでは、松永委員、江川委員までいって担当に回答をいただきましょう。
【松永委員】
資料1について、前回に引き続きイノベーションの創出のことですが、ずっと右肩上がりで共同研究も産学連携本部の数も伸びてきているけれども、実際には現在曲がり角を迎えていると思います。従って、共同研究の件数だけではなくて、例えば共同研究の契約金額の総額で統計を取ると、多分その兆候が出てきているのではないかと思いますので、それを評価した上で少し施策に反映した方が良いのではないでしょうか。また、ここに出ているのは、どちらかと言えば地域でのイノベーションについてだと思います。地域でのイノベーションは絶対に必要だと思いますが、日本全体の産業力を考えたときには、経済と連動して実際に伸びているかどうかということをもっと評価していかないと、ダイナミックな施策になっていかないのではないかと思っておりますので、この前に引き続いての指摘なのですが御検討くださればと思います。
それから、ここにあるように、特許は出願するだけでは仕方がないかもしれませんが、一方で論文数については、先週ぐらいに文部科学省の科学技術政策研究所で1997年から2001年及び2007年から2011年までの日本の論文数を非常に丁寧にまとめられたことが、今日、毎日新聞に出ていましたので申し上げると、このようなものはあまり一般紙には掲載されず、科学新聞だけで報道されている状況だと思いますが、かなり膨大なデータでしかもそのデータが基づいているところは、いわゆるウェブ・オブ・サイエンスなど、かなりしっかりしたデータベースをもとにしたもので、かなり良いデータがあると思いますので、特許だけではなくて、実際の論文としてどうなのかということをもっとこれからの評価に、特に科学技術の力を示すためには使えるのではないかなと思いますので、論文に偏重するのは良くないのかもしれませんが、そのような論文のデータというのは非常に大きな指標だと思いますし、世界共通の尺度であり、ある程度評価に使えると思いますので、当然、まだ論文の出ていない分野や、特許で評価しければならない分野など、いろいろあると思いますけれどもそういうことを考えてほしいと思います。また、大学の研究力強化促進費についての事業評価については、もっといろんなデータに基づいた形で評価する必要があると思います。今日、多分初めて出たので、まだ情報が十分に出ていないと思いますので、いろいろな科学的な情報をもっと十分に出していただいて、また来年度以降の実績評価等で議論する機会があれば、こういったものは日本の科学技術の根幹を支えるものであり、こういう基となるものがあってこそ、先ほどの産学連携などの応用があるのであって、産学連携だけで進んでも仕方がないと思いますので、施策の評価も含めてしっかりと取り組んでほしいと思います。
【高祖座長】
ありがとうございます。江川委員、どうぞ。
【江川委員】
一点だけ、政策目標の9に関してです。先ほどの家委員の御指摘とも少し重複するのですけれども、研究力を強化するためのいろいろな政策が過去に打たれてきましたが、それが全部5年ごとの細切れになっているということを私は最近、本当に理解して、それがさまざまな問題を生んでいると思います。例えば大学では、パーマネントの職員がどんどん減って特任の人が増えて、そういう方がプロジェクトごとに学内のいろんなところにいるので、全体としては非効率になっているし、優秀な人も5年たつとすぐ辞めていくので組織としての蓄積もできない。それから、例えばそういった予算を使っていろんなプログラム、例えばサマースクールやインターンシップなどをいろいろやっているのですけれども、そういうものも5年たつとやめて、続けようと思ってもまた違う名前で作らなければいけないとなっていて、そうすると、いわゆるブランド戦略ということでいうと、知名度を徐々に上げていくというようなこともできません。ですから、海外の大学との競争もしていけない。こういうのを見ていると、日本全体としてこういったことを一生懸命やっても、全体としてとても無駄も多いし、逆に大学の力が削がれているのではないかという危機感を持っています。こういったことに関して、政策評価の範囲を超える問題だと思うのですけれども、どういったお考えをお持ちなのかというのをお伺いできればと思います。
【高祖座長】
ありがとうございました。それでは、担当部局から、まずは科学技術・学術政策局でしょうか、お願いいたします。
【科学技術・学術政策局】
樫谷委員と松永委員から、地域関係が錯綜している、産学連携について御意見をいただきまして、ありがとうございました。地域の関係、確かにデータがこの段階ではないですけれども、実際に施策の中ではそういうことを考えてやっておりますので、この指標などを見直すときによく体系立てて検討していきたいと思っています。
また、地域に限らない産学連携全体の取組ですが、件数で見ると右肩上がりだけれども、曲がり角じゃないかという御指摘については、地域の方とも関係するのですが、大学の側の意識から始まるのではなくて、社会、地域の側のニーズを踏まえた産学連携のプロジェクトを起こすための仕組みというのが必要だろうということで、来年度の予算要求の中で事業を検討する際にも、社会の側からシナリオを提示してもらって、その課題に対して産学の連携研究をしているというような形のものを重視して検討していきたいなというふうに思っております。その際に、科学技術政策研究所の例を松永先生がおっしゃられましたけれども、政策のための科学ということで、エビデンスベースでこういう課題の選定というのをしていこうということを盛んにやろうとしておりますので、なかなか難しいところもございますけれども、今申し上げたような社会課題の設定、シナリオの抽出をする際に、そういう最新の研究の知見を活かしていけたら良いと思ってございます。
【高祖座長】
次に研究振興局お願いします。
【研究振興局】
研究振興局から御説明させていただきます。家委員から御指摘のありました私学における特色ある拠点の整備等に関してでございますが、予算等に制限がある中で、これをいかに振興していくかということは重要な課題であると認識をしております。もちろん予算の制限等がありますので、直ちにこの額を増やすということはなかなか難しいところではあるものの、一方において、実際の補助のあり方、例えば期間を見直すであるとか、一個一個の額を見直す等々含めまして、現在残っております特色ある拠点を適切にサポートしていく、こういうような改善を図っていきたいというふうに思っております。
それから、政策目標の中でナノテクノロジーに関しまして、指標を落としてしまったことに関して御指摘ございましたが、実は、参考指標に関しましては、基本的に目標を削除するという統一的な指示がございまして、これに基づくものです。ただし、これはただ単に落とせば良いというふうに思っているわけではございませんので、例えば最新の資料等があるものについては事前修正等を踏まえているところでございまして、引き続き、参考指標とはいえ、我々の施策をやることによってどのような改善が図られたのかということについて、適切にフォローしていける体制を維持しようと考えてございます。
それから、松永委員から御指摘のございました大学の研究力促進に関して、適切な指標に基づいて選ぶべきであるという御指摘でございますが、これは正におっしゃるとおりだと思っております。具体的に申しますと、例えば被引用トップ10%論文のシェアがどのぐらいであるかとか、これは質の良い論文をどのぐらい作っているかであります。あるいは国際共同論文比率、あるいはピアレビューをやりまして、レベルの高いところから選んでおります科研費がどれだけ獲得されているかとか、選ぶ際には、客観的かつエビデンスのあるものを適切に組み合わせることによって、支援対象候補となるリサーチユニバーシティを選び出すという体制を構築することを考えているところでございます。
【高祖座長】
続いて、研究開発局、お願いします。
【研究開発局】
研究開発局でございます。樫谷委員からの御指摘について、原子力の関係で、放射線の人体等への影響ということだと理解しておりますが、どういうレベルで、研究開発がどうやって行われているのかという御指摘、さらに除染につきましても、どこまで除染をするのかという御指摘がございました。
まず放射線の人体への影響ということでございますが、これは既に一部研究が行われておりまして、放射線には確定的影響と確率的影響という二種類があるということでございます。確定的影響の場合は、ある一定量以上の放射線を受けると人体に何らかの影響が出てくるということでして、確率的影響の場合は、人体に何らかの影響があるかもしれないし、ないかもしれないということです。そういうところまで分かっておりますが、さらに具体的なところ、特に確率的影響のいわゆる低線量の被曝の部分につきましては、引き続き研究が行われているところでございます。
研究の体制でございますけれども、もちろん、今回の福島原発の事故を受けまして、さまざまなところでいろいろ研究が行われているわけでございますが、特に中心で行われておりますのが、当省の所管法人である放射線医学総合研究所や、今回事故が起こりました福島県内の福島県立医科大学や、あと、長崎大学でも放射線の被曝に関する研究が行われておりまして、こういったところを中心に研究が行われております。
それから、どこまで除染をするのかという御指摘でございますが、こちらにつきましては、環境省が中心になって除染を実施しており、除染の考え方も示されています。年間で1ミリシーベルトを目指そうということで、特に警戒区域ですとか、帰宅困難区域といったようなところは国が中心に、それ以外の自主避難区域等につきましては、自治体が中心となって除染活動を行っていこうということになっております。ただ、この除染というのは非常に難しい問題でございまして、ある一箇所を除染いたしましても、周りの線量が高いとまた元に戻ってしまうというような事情もありますので、そういうところに、これも当省所管の法人でありますが、日本原子力研究開発機構の知見が活かされていけば良いと思っております。
以上です。
【高祖座長】
ありがとうございました。事務局からどうぞ。
【髙谷評価室長】
今、ナノテクの部分での目標値の話がございました。目標値につきましては、ここでは従来、特許の件数だとかを目標値にしておりまして、果たしてそれが良いのかどうかというのは、私どもの評価室の方でも、これまでの先生方の御意見からございましたものですから、担当部局の方には削除という指示をしたところでございます。これに限らず、全般的にどのような目標値が良いのかというのは、引き続き事務局の方でも考えていきたいと思いますし、先生方からもいろいろ御意見賜れば参考にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【高祖座長】
ありがとうございます。家委員、どうぞ。
【家委員】
今の説明で分かりました。それから、再度、政策目標9についての質問ですが、大学等が本来持つ研究力について、こういういろいろな新しい工夫でもって新しく予算獲得をしていただくことは大変ありがたいとは思っておりますけれども、基本的に、こういうものをやれば、やはり大学間の競争になって、そうすると有力な研究者が本来研究に注いでいるべき労力や時間を予算獲得の競争に相当使うことになるわけですね。そういうことも踏まえた全体として、本当に果たしてプラスなのか、マイナスなのかという、これはなかなか評価が難しいとは思いますけれども、もちろん国の大切な税金ですから、大切に使わなくてはならないのですけれども、どういうふうに使うのが一番良いのか、このように皆に競争させてやるのが良いのかどうかということを、私は常々疑問に思っています。
それからもう一つだけ申し上げます。先ほど原子力関係のことが出てきましたけれども、施策目標8-1について先ほどお話を伺いましたが、モニタリングの件は環境省で一括してやられると、それはよく理解できましたけれども、文科省というか、学術の側がやるべきことの一つは、そうやって貯められた膨大なデータをきちんと後世が使える形でアーカイブ化していくことではないかと思います。関連学会や学術会議で、それが非常に大事であるということを議論しているのですけれども、当初はとにかく研究者が手弁当でやるにしても、これは非常に長期戦になりますので、長期的にしっかりアーカイブ化して、それを海外にちゃんと信頼のできるデータとして出すことが我が国の責任だと思います。そういう体制をしっかり作るということを、どこかで少し検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【高祖座長】
ありがとうございました。森口事務次官、どうぞ。
【森口事務次官】
江川先生の質問に答えがなかったように思います。ここ10年ぐらい、競争資金というものが非常に重視をされまして、さっきもお話がありましたように、国のお金ですので、競争して勝ち残ったところに出すべきであるという議論があって、競争資金である以上は期限を切らなければならないものですから、3年とか5年とかで切られてしまっていて、そういう弊害が確かにあって、最近の文科省の中でも、そこはある程度、そういう部分と、逆の弊害も出るかもしれませんけれども、国あるいは文科省として決めたものに指定して出していくと、そういう部分とのバランスを取っていく必要があるのだろうなという議論にはなっております。5年の弊害もあるので、例えばWPIなどは10年、15年と長く出しておりますし、システム改革的なものであれば、ある程度期限を切りますけれども、その先は大学でしっかりやってもらいたいという部分もあって、例えば農工大なんかでやっていますテニュア・トラックなどはある程度、最初は国が出しますけれども、その後は大学の中でしっかりやってもらいたいということもあります。いずれにしましても、そういう御指摘の点、非常に我々も問題意識は持っていますので、かといって、全く無競争というわけにはいかないと思いますけれども、競争でやるのが良いものと、ある程度国が、国も独断で決めるわけではないですけれども、ある程度専門家から聞いた意見を踏まえて、ここにやってもらいたいとか、こういうものをやってもらいたいという形で指名するものでバランスを取ってやっていく必要があるというようには思っているところであります。
【高祖座長】
ありがとうございます。家委員からも、江川委員からも、大学の研究力を削いでいる原因がどこかにあるのではないか。その一つが、今、江川委員から御指摘のあった5年ごとの有期雇用であって、すぐにここで議論というわけにはいかないかと思いますけれども、先ほど事務次官から御発言ございましたような方向で御検討をさらに続けていただければうれしく思います。ありがとうございます。
他に委員の皆様ございますか。宮嶋委員、どうぞ。
【宮嶋委員】
ありがとうございます。先ほど放射線の人体への影響はどこで調べているのでしょうかということで御回答がありましたが、その回答のあった福島県立医科大学や、長崎大学は、両方とも山下俊一さんが中心になって研究されている大学だと思います。山下さんについては、もうよく語られているということではありますけれども、笑っていれば放射能の影響はないとおっしゃった方ですので、やはり物事というのは、そういう研究、考え方もあるかもしれないけれども、違う考え方をしている学説を唱える方というものの研究というのもしっかりサポートしていくことや、取り入れていかなければいけないと思います。結局、一つだけを信頼していたために、原発安全神話というものがあって、私たちが今、大変な被害を被っているわけですから、こういったものは一つの学説だけではなくて、常にカウンターオピニオンというか、そういったところの意見もしっかりと聞いていくことが大切ではないかと思います。
以上です。
【高祖座長】
ありがとうございます。先ほどの家委員の二つ目の御意見も、データをアーカイブ化したらどうかということがございましたが、研究開発局でよろしいでしょうか。放射能に関係するところは。
【研究開発局】
研究開発局でございます。いろいろな御指摘ありがとうございます。確かに放射線の影響に関するデータは、今回、これだけたくさん取れているわけですので、今後に活用という方法は是非考えていきたいと思います。あと、山下先生に関する御指摘もいただきましたが、先ほど申し上げましたように、放射線の人体への影響を研究しているところは、他にも放射線医学総合研究所ですとか、放射線影響協会ですとか、いろいろございますので、委員の御指摘ももちろん踏まえて、この業界、特に、まだいろいろな意見が対立しているところでございますので、両方の意見を踏まえた政策反映ということを心がけていきたいというふうに思っております。
以上です。
【高祖座長】
ありがとうございます。データのアーカイブ化、これについてはよろしいでしょうか。これもなかなか重要な指摘だと思います。前回もいろいろなデータを国際的に使えるような、また長期的に使えるようなデータを作っていってほしいという指摘が浅井委員からあったと思いますけれども、それに関わるものですよね。これは特定の局だけではなくて、文科省全体に関わる、あるいは国全体に関わることかもしれませんので、事務局の方もこのあたり、少しおさえていただいて、良い展開ができますようにお願いいたします。
他にございますか。よろしければ、その次の文化、スポーツ、国際交流の分野にまいりたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、その四つ目の分野にまいります。まず美山委員、宮嶋委員、樫谷委員、その順番でまいります。どうぞお願いいたします。
【美山委員】
では、資料2に即して伺いたいと思います。施策目標13-3の(6)、先般のこの会議での指摘が的確に反映されているとともに、ここの評価結果を踏まえた施策への反映方針は、踏まえただけでなくて一歩踏み込んだ書き方になっておりまして、その後、いろいろと中での議論があってそれが反映されているものだと拝察いたします。
第一点目です。座長からも前回指摘ありました文化交流使に関しての1行目の文言ですが、数年先の派遣候補者も含めた選定作業を行うなど指名作業の早期化、効率化を図るという、今までにはなかった文言が加わって、より効率的に、また過去の経験が将来に活きるような仕組みを考えたと思って、大変すばらしいことだと思っておりますので、是非実施していただきたいと思います。
二点目と三点目はちょっと厳しい指摘となるかもしれませんが、文化芸術の海外発信拠点形成事業でございますけれども、そこには被災地の復興に資するために被災地のアーティスト・イン・レジデンスに対する補助を充実させるということが書いてありますけれども、この文言は少し注意する必要があろうかと思います。これは、アーティスト・イン・レジデンスに来ているアーティストは、地域振興であるとか、被災地の何とかのために来ているわけではなくて、自らのアースティックな発展や進展や獲得等といったことが第一義的にあるわけであって、そのことと地域の思いというのが、今、日本でアーティスト・イン・レジデンス事業は非常に増えつつありますけれども、各地でいろいろな問題や軋轢を生んでいる状況があります。双方にとって、つまりアーティストにとっても、地域にとってもウィンウィンの関係ができるようなやり方というのは、相当そこのリーダーの理解とか、あるいは説明の仕方において注意が必要でありまして、そのことを十分に注意した形で支援ができるようなことをしませんと、逆にマイナスの発信がされてしまうおそれがあるので、過去の知見に基づきまして、アーティスト・イン・レジデンスの事業がうまくいくように細やかな配慮が必要かと思いますので、この文言は若干地域とアーティストとのウィンウィンの関係が保たれるようにといったような書き方の方が正しく理解されやすいのではないかと思います。
次の点は、現代日本翻訳普及事業で、私は前回これを現代日本文学と勝手に読みかえて発言してしまったのですけれども、確かにこれは文学とは書いていないので、その点は少し、私の前回の早とちりだったかと思いますけれども、ここには25年度から廃止だというふうに書いてあります。これをそのままそこだけ聞きますと、そういうことはもう金輪際やらないというような強いメッセージと受け取られる可能性がありますけれども、若干ここは説明の仕方として、反映方針には言葉を補ったほうが評価としてもよろしいのではないかと思います。さらに、例えばフランス語圏フランコフォンとかアングロアメリカン、それから北京語圏でも、結構たくさんの数の日本の文学なり、その他のものが翻訳されておりますが、逆にこれはあるのに、これはないのというアンバランスというのが、やはりあって、特に古典等にあるわけです。例えば北京語圏の本屋さんに行くと、何でこんなに西村京太郎がいっぱい翻訳されているのだとびっくりすることがある。しかし、なぜこっちがないのということもある。そういう現実を目の当たりにしていますので、そうした海外における日本の紹介のされ方の偏りというものに対したことを、偏りを少し抑えた上で、さらにそこに何をつけ加えれば良いか、それは誰がやるのか、また作品を国が選ぶ、あるいは国が指名した機関が選ぶというのではなくて、アームズ・レングスの法則と言いますか、少し離れたところで客観的に選ぶには何が必要なのか、民間に任せて、その民間を支援するとか、そうした生産的な施策につながるような配慮というものも文言の中にあった方が誤解を生まないのではないかと考えます。25年度からはやらないというのは、そうなのかもしれませんが、それとともにこういう考えもあるというようなことを含めておかれた方が、より誤解がないのではないかと考えます。
以上でございます。
【高祖座長】
ありがとうございました。宮嶋委員、どうぞ。
【宮嶋委員】
ありがとうございます。六つあります。
まず一つは、資料2の政策目標12、スポーツの振興のまずベースの部分なのですけれども、24年度以降の政策への反映方針ということで、一番下の部分になりますが、生涯スポーツ社会の実現のところで、総合型地域スポーツクラブ育成推進事業を廃止し、総合型クラブへのより効率的・効果的な支援のあり方を検討するということなのですけれども、これはどんなことをプランしていらっしゃるのでしょうか。もし既に何か、漠たるものでも構いませんので、ございましたら教えていただきたいと思っています。
二つ目です。同じ総合型地域スポーツクラブについてのことなのですけれども、実は現在、日本全国にある市区町村のうちの75%に総合型地域スポーツクラブはもうできていると言われています。これはすべての市区町村に作ることが当初目的であったのですが、市町村合併がありまして、市区町村の数がぐっと減っておりますので、75%といっても全然達成していないというか、当初の目標に比べたら半分以下なのではないかという気がします。この溝を埋めるために何かお考えになっていることがあるのかどうかを伺いたい。クラブの数は全国で3,241であって、この数そのものもまだまだ足りていない数ではないかと私は思っていますが、実は現場で話を聞くと、地方行政のサポートが全然得られない、理解が得られないという話がありまして、経済的にも、地方行政は皆さん逼迫していますから、金銭面のサポートも難しいということもありますが、それ以上に理解をされていないと。総合型地域スポーツクラブがどのようなものか分かっていないという段階の地方行政のお役人の方がまだまだいらっしゃるということなので、是非、目標の中に、行政でどれだけのサポート施策を打ったかというものが作れないかなと思っています。これが二つ目です。
次、三つ目ですが、施策目標12-1の6ページのモニタリングのところになるのですが、中長期的な目標と成果指標というところで、ちょうど表が書いてある下から二つ目に、中学校・高等学校スポーツ活動振興事業ということで、全国中学校体育大会及び全国高等学校総合体育大会を支援するということなのですけれども、支援するに当たり、単に予算をつけて支援するということだけではなくて、実は今、全国中学校体育大会の中には女子のサッカーが含まれておりません。これだけなでしこフィーバーが起こっているにも関わらず、こういったものが種目に入っていないというのもいかがなものかと思いますので、こういう組織的なアドバイスというものも国から何か積極的にやっていただくことはできないのかと思っています。
次に四つ目ですけれども、お隣のページ、幼児期の運動促進に関する普及啓発事業というのがあるのですけれども、これは幼稚園教諭や保護者などを対象とした実践研究協議会を開催すると書いてあるのですが、こういうものも良いのですけれども、既にこの年齢ですと、厚生労働省の3歳児検診などがありますので、そういうものと上手に連携を取って、いつも省庁の縦割りじゃなくて横の連携を取って、お母さんが子どもを連れてくる機会に、運動することの大切さを伝えることを一緒にしたら良いのではないかというご提案です。
次に五つ目ですけれども、施策目標12-2の7ページには地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクトという、拠点クラブに小学校体育活動コーディネーターという形でトップアスリートが行って、大変好評を得ているものについて書かれています。この事業は教える側も充足感を持ってきますし、子どもたちにも好評なのですけれども、どうも一時的な施策のような気がしています。今回もたくさんのメダリストがロンドンオリンピックの後に誕生しましたけれども、彼らが今後どうするのかというようなセカンドキャリアも考えたときに、もちろん地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクトをやりつつ、オリンピックに出た選手達等にもう一度勉強する機会を、体のこと、指導法、コーチングなどを学ぶ機会を設けるようなシステムを作れないのでしょうか。優先的にトップアスリートの人がもう一回学校に戻って勉強するようなことができないかと思っています。トップアスリートというのは、基本的に天才的な能力を持つ人がほとんどですから、体がまだ思うように動かない子どもたちのことが分からないわけですね。ですから、何でできないのかといきなり言われても困るわけで、そのあたりのことをしっかり学問的に勉強し、コーチングも、こういうときはこういうふうに言うのだよというようなことを教えていくと、彼らのセカンドキャリアにもつながると思うので、そのようなサポートができないかなと思っています。
最後の六つ目です。我が国の国際教育力向上なのですけれども、今回、ロンドンオリンピックの目標は、メダル獲得数5位ということでした。毎日のようにメダルがあって、大変めでたいという形ではあったのですが、最終的には世界11位というランキングでした。決しておめでたい結果ではなかったのですが、これはいろんな問題があると思います。文科省もたくさんお金を出して、マルチサポートハウスとか、私も拝見してきましたけれども、たくさんやっているのですが、どうも研究分析が多いなと感じました。実際の選手に直接役立っているのかどうか、将来役立つのだと言われればそうなのですけれども。ここに主な成果指標という形で、トップアスリートへの高度な支援活動に携わるスタッフの延べ人数と書いてあるのですけれども、これは多分、研究する人も含まれていると思うのですが、研究分析も大切なのですが、今日本に一番足りないのはPT(理学療法士)等の、直接彼らのケアをする人の数が圧倒的に足りないのかなと思います。選手のリクエストは、そういう人たちが必要ということではないでしょうか。やっぱり自分たちが普段から見てもらって、かつそういう人達が現場にいてくれるということが本当は望ましいというような話も聞きますので、単に延べ人数というよりも、もう少し内容を考えてほしいなと思っています。こんな話をするのも、私が室伏さんの取材で、アリゾナにあるアスリートパフォーマンスというところに行って、PT(理学療法士)がスポーツにどう関わるかというのを間近にしてきました。その結果、中国は去年の暮れから今年のオリンピックまで、2億円でそのアリゾナのアスリートパフォーマンスと契約をして、10人近くのPTをどっと中国に呼んで、各種目に配置したという話を聞いていますけれども、今一番、競技スポーツの中で、何が求められているのかを世界的に視野を広げて見ていただく必要があるのかなという気がしました。
以上です。
【高祖座長】
ありがとうございます。樫谷委員、どうぞ。樫谷委員が終わりましたら、スポーツ・青少年局から御回答をお願いいたします。
【樫谷委員】
私は文化についてですが、施策目標13-3の日本文化の発信及び国際文化交流の推進に関連するということだと思いますが、人間国宝という仕組みが日本にはあって、人間国宝が140名位いらっしゃると思いますが、この中には芸能関係の方と工芸関係の方が半分ずつだと聞いておりますが、日本文化の発信とか国際文化交流から見ると、どうも工芸関係には冷たいのではないかという感じがしております。工芸関係というのは地場産業等を背負っているわけですね。私の聞くところによると、人間国宝の方ですら、経済的には極めて厳しい状況だと聞いております。だからお金の話ということではないのですけれども、こういう人間国宝の中の工芸というのは、本当にすばらしい技術を持っている。これは日本の伝統文化ですよね。そういうようなものを世界に発信することによって、日本の現在の、例えばトヨタやパナソニックなどには、裏付けとして工芸という伝統文化があって、このようなすばらしい企業があるのだということだと思いますので、こういう工芸関係についても、もう少し国際文化交流も含めて発信してあげていかなければならないのではと思っております。また、この人間国宝は、予算の範囲の定員管理のようになっておりまして、果たしてそれで良いのかどうなのか。つまり、誰かが亡くならないと次に入れないというような状況というのは異常だと思います。予算の関係があるということなのでなかなか難しいかも分かりませんが、そういうことで本当に良いのかどうなのかということも、できれば御検討いただけたらと思います。
以上でございます。
【高祖座長】
ありがとうございました。それでは、まずスポーツ関係からまいりましょうか。スポーツ・青少年局、どうぞ。
【スポーツ・青少年局】
スポーツ・青少年局でございます。まず一点目と二点目で、総合型スポーツクラブの育成事業についてのお尋ねであったかと思います。今後についてということですけれども、行政事業レビューでの指摘というのは、総合型クラブというものの重要性は認めつつも、その事業のあり方としてどうかということで指摘をされたものでございますので、どういう方法で総合型スポーツクラブを育成していくかというのを、まさにまだ概算要求前でございますので、現在どういうやり方でやっていくかというのを検討しているところでございます。したがって、二点目の、地方行政での理解が得られないケースがあるということですけれども、総合型クラブを育成していくための支援施策を考える中で、そういった点についても考えていきたいというふうに考えております。
それから、中学校の体育大会、あるいは高校の体育大会への支援と、幼児期の運動に対する支援についてでございますけれども、御提案を踏まえまして、またそこは持ち帰らせていただいて検討させていただきたいと思います。
それから、施策目標12-2の7ページの好循環プロジェクトについての御指摘でございますけれども、御指摘の中では、オリンピックに出たような選手のセカンドキャリアの支援について御指摘がございました。これについては、施策目標12-3の2ページ、モニタリングの方に入っておりますけれども、達成手段欄の上から二つ目に、競技者・指導者等のスポーツキャリア形成支援事業というのがございます。この中で、御指摘のような方が大学院に進学をするのを支援するような、アスリートのキャリア形成を支援していくというような事業がスタートしておりますので、正にこれからというところなのですけれども、そういった事業は作っておりますが、御指摘いただいたことも含めまして、さらにスポーツキャリアの形成支援という観点で、どういうことができるかというのを引き続き検討していきたいというふうに考えております。
それから、国際競技力向上の関係で、12-3(1)のところですけれども、トップアスリートへの高度な支援活動に携わるスタッフの延べ人数ということで、これは主にマルチサポートを念頭に置いていますので、基本的には、医師やトレーナー、栄養士の方ですとか、スポーツ科学に基づきコンディショニングなどをサポートする医科学スタッフなど、実際にサポートをする人というのが中心にはなるのだと思いますが、それ以外の方も当然含まれてくるとは思いますので、指標としてこういったものを出させていただいておりますけれども、指標の立て方についてはまた検討させていただきたいと思います。
以上でございます。
【高祖座長】
あと2分ほどで時間がきてしまうのですが、10分近く延ばさせていただいてよろしいでしょうか。これから文化についての大事な説明がございますので御協力をお願いいたします。それでは、文化庁、お願いいたします。
【文化庁】
文化庁でございます。まず、美山先生から御指摘いただいた、まず一点目の文化芸術の海外発信拠点形成事業のアーティスト・イン・レジデンスのことについての御指摘でございます。これにつきましては、美山先生おっしゃられたとおり、少しアーティストのことに関する記述が若干弱く、本来であれば、アーティストの活動とそういった地域の思いの両方をうまくくみ上げてやっていくということでございますので、この点につきましては、少し担当課と相談して表現ぶりを考えていきたいと思っております。
もう一つ、現代日本翻訳普及事業の点でございます。これにつきまして、行政事業レビューで、結果として、今後この翻訳活動については、直接国が行わないということにはなっておりますが、それについて今後どういうふうにして国が関わっていくのかということについて、ここの後段の記述で、優秀な翻訳者の養成や育成ということを少し書いてございますが、先ほど美山先生がおっしゃられたような翻訳の偏りといったことについてもどう考えていくのかということについて、こちらでも改めて検討してまいりたいと思っております。
樫谷委員から御指摘ありました人間国宝の件でございます。これにつきましては、先ほどおっしゃられていたとおり、人間国宝、今、芸能で55人、いわゆる工芸技術で55人、全体110人ということでございます。いわゆる支援活動というか、補助ということでございますが、これについては、今、年間200万円ほど、弟子の養成という形での補助は行っております。ただ、文化交流だとかそういったことについて、より積極的に、あるいは伝統工芸の振興ということについて、どれだけ積極的にやっているかということになりますと、今、文化交流の活動が、工芸というのはかなり専門的なものになっておりますので、例えば和太鼓だとか、俳句だとか、お茶だとか、お花、といった観点の交流が少し多くなっている中で、工芸をどうやって発信していくのかということについて検討したいと思います。ただ、工芸の部分については、経済産業省で伝統産業の育成という観点でやっている部分もございまして、我々としては、いわゆる技だとか、そういったものが確実に継承されるとともに、結局、日本の車等の製品には、実は我々の伝統工芸、技術の日本のアーティストの特徴である、他の国に比べたときに、人によってそんなに差がなく、一定のきちんとしたレベルのものがきちんと常にできてきて、それが連綿ときちんと何百年と続いてきているということが今の日本の製品にもきちんと反映されているといったことがきちんと理解されるように文化の発信ということも我々としては一生懸命やっていきたいと思っております。
以上でございます。
【高祖座長】
ありがとうございます。美山委員、追加で何かございましたらどうぞ。
【美山委員】
ただいまの御説明で一点確認しておきたいことがありますが、施策目標13-3(6)のところにある現代日本翻訳普及事業というのは、行政評価レベルの中では現代日本文学翻訳普及事業と言っているものと同じことですね。
【文化庁】
はい。
【美山委員】
こちらは全部文学が抜けていますので、修正していただきたいということと、それから、この現代日本文学翻訳普及事業は、行政事業レビューの方にも書いてありますように、文字・活字文化振興法が平成17年にできていて、その9条でこういうことをやりなさいということが一方では書いてあるわけなので、それとの整合性が取れるような書き方に留意していただきたいと思います。
【高祖座長】
貴重な御意見、ありがとうございました。それでは、まだまだ委員の皆様、御意見がおありになろうかと思いますが、予定の時間が過ぎておりますので、これまでにさせていただきます。
本日発言できなかった事柄、また、後でお気づきになった点がございましたら、書面でも口頭でも結構でございますので、事務局に、予算との関係もございますのでできましたら8月30日までに御提示いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
特に今日は25年度の新規拡充事業、研究大学強化促進費と税制改正については特に御発言がありませんでした。内容的に関連するものはありましたが、委員の皆様、よろしいでしょうか。税制改正についても子ども・子育て関連3法、これもある意味で当然と言えば当然の運びでしょうから、是非それは進めていっていただきたいと思います。
それでは、今後のスケジュールについて事務局から手短かにお願いいたします。
【髙谷評価課長】
それでは、お手元の資料3で、1枚紙がございます。次回でございますが、少し日程が離れますが、平成25年3月中旬ごろに政策評価の結果施策への反映状況、文部科学省政策評価基本計画(案)・実施計画(案)について御審議をいただくということが予定されてございますが、下の枠囲みにございます、これ以外にも規制に関する評価をはじめ、委員の先生方の助言をいただく必要がある事項が生じた場合には別途御連絡をさせていただいて、開催させていただくことがありますので、よろしくお願いいたします。
【高祖座長】
今のことにつきまして、何か委員の皆様からございますか。よろしいでしょうか。
それでは、ありがとうございました。予定された時間を超過してしまいまして、どうもすみませんでした。
これをもちまして、本日の議事を終了いたします。今後とも文部科学省の政策評価の質を向上させるために、私どもの有識者会議といたしましても積極的に助言を行ってまいりたいと思いますので、引き続き委員の皆様におかれましては、どうぞ御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
以上をもって閉会といたします。ありがとうございました。
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