ここからサイトの主なメニューです

政策評価に関する有識者会議(第28回) 議事要旨

1.日時

平成22年7月13日(火曜日)13時~15時10分

2.場所

文部科学省東館3階「3F1特別会議室」

3.出席者

委員

浅井経子委員、家泰弘委員、江川雅子委員、高祖敏明委員、小杉礼子委員、鈴木郷史委員、田中啓委員、寺崎千秋委員、中西友子委員、星野敏男委員、丸山文裕委員、宮部義幸委員、美山良夫委員、渡辺三枝子委員

文部科学省

森口文部科学審議官、山中官房長、土屋総括審議官、辰野政策評価審議官、坪井大臣官房政策課長、渡邉大臣官房政策課評価室長、福澤大臣官房政策課評価室長補佐、大臣官房国際課、文教施設部、生涯学習政策局、初等中等教育局、高等教育局、科学技術・学術政策局、研究振興局、研究開発局、スポーツ・青少年局、文化庁

4.議事要旨

1.事務局より、「政策評価に関する有識者会議の公開について(案)」について説明を行った。議論の結果、(案)のとおり決定し、他省庁における会議の公開の状況などを踏まえつつ、次回から対応することとした。

2.事務局より、「文部科学省実績評価書-平成21年度実績-(案)」について説明を行った。

3.意見交換

委員の主な意見は以下のとおり。

(「文部科学省実績評価書-平成21年度実績-(案)」について)

○年々、評価書の完成度が高まっている。かつての有識者会議は評価や指標に対する批判の意見が多かったが、最近は「この評価指標はよい」という声も聞かれるようになってきた。

○政策目標・施策目標の総括的な評価を文章化したことは前進である。ただ、文章化すると自己都合的な主観に陥りがちなので注意は必要。

○全ての数値化は難しいながらも、数値化と定量化が図られてきていると思う。しかし、さらにPDCAサイクルを機能させ、評価結果を施策へ反映させられる領域があると思う。

○判断基準において「大きく展開された」、「着実に展開された」、「十分には展開されなかった」等の定性的な表現に留まる部分が見られる。可能な限り定量化に努めていただきたい。

○より良いアウトカム指標がないか検証すべきである。予算投入の有無による効果の比較、わかりやすい事例を出す等、方法はあるのではないか。

○評価のプロセスと、次年度以降への政策立案との関係はどのようになっているか。施策や事業の優先順位を明確にし、安定的な方向性を示すことが大切ではないか。

○各種の評価システムが錯綜する中で、重複して実施しても個々の評価の質が下がるだけである。重複を避け、整理していくことが重要。

○教育、科学技術、スポーツ、文化といった文部科学省の所掌分野には、どうしても評価になじまない領域があることを、もっと認識すべき。文部科学省のように所掌が多岐に亘り、かつ、中長期的視点に立脚してはじめて成果が表れる分野の多い組織では、総合評価はもっとも重要な手段と考える。

○評価がBやCとなっている事項は、その要因分析が必要。さらに、今後の見通し(例えば周知の徹底、事業の実施方法や対象の見直し、事業の廃止など)も記載してほしい。

○評価時点の取り巻く環境や状況を踏まえ、判断基準に見直しを加えることが大切。経年により数値が頭打ちとなっているものは、指標を換える等の対応をとってはどうか。

○毎年度「概ね達成」との判断が行われ、達成年度が到来した事業は、目標が達成されたとして事業を終了するのか、必要な事業として存続させるのか。

○生涯学習分野は、財源が厳しい地方自治体において事業に単費の予算を充てることは極めて少ない。生涯学習の重要性を訴え、国が率先して旗を振り、予算事業の途を残してほしいと希望する自治体関係者は多い。特に、全国的なデータ収集は国の役割であり、細かいデータを収集分析しさらに充実させることが重要である。

○事業仕分けの判定にあるように、公的な活動を民間部門に委ねることは、限りある財源の下では大切なことだが、国は丸投げするだけではなく、民間部門が公的事業を行うことが出来るよう、側面から支援することも重要な役目である。

○自然体験活動が行われる気運が高まりつつある。一方で現場の教師は多忙であり、自然体験活動推進のためには、自然体験活動指導者の養成など、地域人材の活用が不可欠である。

○初等中等教育分野は、毎年記載が改善されてきており、評価も妥当。学校現場を見てみると学力向上に重心が置かれている感があり、施策の推進にあたっては、心や体の育成も含めた全体としてのバランスがとれるようにしなくてはならない。

○問題行動に対する施策の成果は確実に上がってきている。しかし、新たな課題も発生している状況であり、それらにも対応できるようにすべきである。

○児童生徒へのキャリア教育について。現実を見据えた達成目標や判断基準を設定しており、非常によい。昨年、「子ども・若者育成支援法」が成立したが、今後キャリア教育を推進していくにあたり、文部科学省はどのように対応していくつもりか。

○認定子ども園の設置数は当初の目標ほど進捗していない。制度・予算上の問題として進捗しづらい面があるのであれば、現行制度に固執せず、別な枠組みを検討してもよいのでは。

○22年度が事業初年度となる高校の実質無償化の目的と効果についても、きちんと事後に評価を行うべきである。

○各大学が行うファカルティ・ディベロップメントの目的、方向性、実効性、結果を調べてはどうか。

○大学の設置認可制度の弾力化を経て、大学数が増加し、多様な大学が新設されているが、その質がどうなっているのかが次なる論点になっている。

○国際化の視点に鑑み、ダブル・ディグリーの在り方そのものについて再考する必要があるのではないか。現在、指標には「英語による授業」しか採用されていないが、他の言語についても評価対象として検討してみてはどうか。

○「大学図書館の蔵書数」を評価指標としている項目について。本の電子化が進み、蔵書数だけでは教育研究条件の充実を測ることが難しくなっている。「大学の図書館」と「蔵書数」について評価を考え直す必要があると思うが、どうか。

○「私立学校の学生納付金額」、「私立学校の生徒納付金額」を指標に私立学校についての施策の評価を行っているが、国公私における生徒一人あたりの学校への納付金額がどのように推移し、どのような状態にあるのかを、施策の判断の指標として捉えることも重要と考える。

○ライフサイエンス研究における倫理的な課題について。ES細胞とiPS細胞に関する取組状況が述べられているのみで、他に取り扱うべきものは存在しないのか。他に適切な指標があれば追記いただきたい。

○原子力・放射線利用に対する安全規制等に関する情報公開について。判断基準としてホームページへのアクセス数が示されているが、何らかのトラブルが起きればアクセス数が劇的に増えるのはごく自然なことであって、アクセス数をそのまま指標とするのは問題があるのではないか。

○新興・融合領域の研究開発においては、より文系領域との融合を図ってほしい。自然科学のみでは捉えきれない、環境問題への取組や心理学の観点からの脳科学分野の研究を進めるためにも、文系領域との融合研究が重要。

○科学技術を中心に、文部科学行政全般では継続性が何より大切。すぐに結果や成果が見えない基礎研究分野は予算減となりやすく、世間の注目を浴びやすいプロジェクト研究に予算がつきやすいという傾向は問題である。プロジェクトを列挙して研究を推し進める形を全て否定するつもりはないが、基盤整備や基礎的な研究などの重要性に配慮し、バランスをとってほしい。

○我が国の芸術団体における自主公演回数が年々上がっているのは、良いことであるが、単純な総数比較による評価ではなく、初演回数や地方で開催される公演回数なども基準点として考慮した方が、「芸術文化創造活動を活性させる」という施策目標に適う指標となるのではないか。

○子どもたちの芸術体験について、公演回数・実施回数を指標に評価しているが、今後は体験の質が重要になってくる。一つの考え方として、ティーチング・アーティストに関する事柄を指標の中に取り込んではどうか。

○今後の評価軸として、観光と文化をリンクさせる評価指標の開発がなされるとよい。ICOMOS(国際記念物遺跡会議)の1999年の資料において、世界遺産と観光との協調関係について言及されており、指標の設定において参考になると思う。また、美術館・博物館も観光の要素として非常に重要。

○新進芸術家海外研修制度における派遣者数を指標としているが、21年度は派遣者数が大きく落ち込んでいる。こうした異常値とも言える年度の数値を含んで5年間の平均データを単純計算することは、合理性を欠いている。経済状況の悪化により応募数が変化した、といった環境の変化に応じた指標を取り入れるべきである。一方で、厳しい財政事情から容易には予算増が見込めないことから、本事業の意義、目標、範囲、コストなどを改めて考えるなど、時代や状況に適った主体的な方策が必要。

○国際交流の推進は「概ね順調」との評価であるが、最近では、学生が海外に目を向けなくなり内向きになりつつあるとも言われている。数値やデータを追うことも大切だが、我が国に現在漂う風潮を、目標の達成状況という視点よりも高い次元で見ておくべきではないか。

○近年、海外大学で学んだり研究したりする日本人の数が顕著に少なくなり、滞在中の人も中国やインド等からの学生と比較すると熱意に欠けるなどの声が聞かれる。しかし、熱意のある個人には若い時に機会を与えることが大切で、欧米だけでなく、中国、インド、南米やアフリカその他の国に留学生を送ることも今後の日本の戦略として重要。

 

お問合せ先

大臣官房政策課評価室