資料1 薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂に関するアンケート結果まとめ

薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂に関するアンケート結果まとめ

以下に示す記述は、薬学系大学74学部からの回答を抜粋したものであり、学部を代表する意見だけでなく個人としての意見も存在している。

全体を通して

コアカリの内容が過密である。  64学部
コアカリの内容が重複している。 34学部

1)方針について

全体の方針

 基本的な資質に基づいて改訂することに賛成       33学部    (反対表明    0学部)
  実務実習モデルコアカリと一本化することに賛成    28学部    (反対表明    0学部)

 6年制教育のコアカリに特化すべき
 10年後の薬剤師像を想定した改訂とすべき
 十分時間をかけて慎重に改訂すべき
 大幅な変更は教育現場に混乱を産むので避けるべき
 専門委員会での決定事項は速やかに公開すべき
 新コアカリの完成時期を示すべき

検討メンバー

 検討するメンバーは若手教員を中心に人選すべき
 国立大学の基礎薬学出身者ではなく幅広い人選をすべき
 非専門教員を含むグループで検討すべき
 薬学会のみでなく日薬や日病薬のメンバーも加えて検討すべき
 委員会のメンバーは教科担当教員会議を活用すべき
 学生からの意見も取り入れるべき

大項目

 導入教育の中に薬学準備教育が含まれているか否か明確でない
 導入教育は薬学と社会の方が分かりやすい
 基本事項と導入教育の違いが分かりにくい
 基本事項と導入教育は統合することも検討すべき
 医療教育と衛生薬学教育を別にした方がわかりやすい

基本的な資質

 資質の並べ方を体系的に行うべきである
 国際化に対応するための資質を加えるべき
 内容についての議論が不足している。
 教員や指導的薬剤師候補の養成に関わる資質を明示すべき
 資質をすべて網羅しようとしているので無理が生じている
 全ての6年生にとって必要かつ習得可能な内容とすべき
 薬剤師として、医療従事者として、科学者として、等大項目を設け、その下に小項目を記載することで階層構造を作ると良い

2)コアカリの問題点、改訂すべき点

コアカリの量と質

 コアカリの内容が過密である
 コアカリの難易度が高すぎるものが存在する
 分野によって細かさ分量に差がある。全体のバランスが悪い
 各項目の達成度が不明確であり、どこまで深く教えるか戸惑う
 実務実習で薬局と病院に別れているため重複が多い
 実務実習に関するコアカリが多すぎる

コアカリの内容

 関連している事項のSBOsが分散していて教えにくい
 旧4年制で履修した項目に臨床薬学を加えただけである。関連付けがない
 C13(1)に薬理と薬剤の両方が入っている
 薬剤学分野がC13とC14に散在していて教えにくい
 コアカリの項目名称が「……学」でないのでかえって分かりづらい

コアカリにおける薬学臨床教育

 疾病・病態に関するコアカリが不足している
 薬学臨床教育の内容が乏しい
 臨床現場で直面する問題を自ら解決する能力を習得するためのコアカリが無い
 10年後の薬剤師業務に必須なものがコアカリに反映されていない
 バイタルサイン確認手技、高齢化問題などがコアカリに反映されていない

3)コアカリ改訂方法

改訂方針

 専門分野の意見のみで改訂するのではなく、全体を俯瞰しながら削減する方向で調整する体制を作る
 創薬研究と薬剤師養成が入り混じっている項目を「薬剤師に求められる資質」という観点から整理する
 薬剤師養成に重要な項目を必須として、高度な臨床薬剤師に求められる項目、薬学研究者養成の項目は選択制にする
 それぞれのコアカリ項目に重要度をつける
 全ての分野で統一されたルールを定めて削減する
 コアカリに盛り込まないものの指針をあらかじめ検討すべき
 現行のコアカリと改訂されたものの対比が容易で変更箇所が明確なものとする
 SBOsを設定することを取りやめて、GIOの項目の設定にとどめる
 ヒューマニズム教育は概略を基本事項に入れて、詳細は薬学臨床教育で行う
 コアカリを疾患ごとにまとめ直す
 個々のSBOに系統的なコード番号を振り当て検索しやすくする
 法規や制度に関する項目は規則などが変化しても対応できるように工夫すべき

改訂分量

 コアカリの分量を半分程度にする
 一律何割カットという削減をするべき
 基礎的なものを減らさずに全体的を70%程度に減らす
 △ を付されたアドバンスな内容の項目は削除する

4)コアカリ改訂全般に関する意見

 あまり頻回の変更は避けるべきであり、頻回の変更を必要としない程度のコアカリにすべき
 コアカリの改訂は急いで不十分なものを作るのではなく、十分議論して多くの意見が反映されたものにして欲しい
 今後も一定期間毎にコアカリの見直しと改訂を行うべき
 改訂の際、専門委員会が各団体からの意見を集約すると思うが、専門委員会に権限を与えるべき
 コアカリの評価を外部評価委員も含めて実施すべき
 改訂にあわせて教科書も作成すべき
 現行のコアカリ作成時にもアンケートを実施したが、何も反映されなかったので、今回もそうなるのではないかと思っている。「全国の大学の先生の意見を聞いた」という実績作りだけに終わらないようにして欲しい。

基本的な資質についての個別意見

資質の順番は
「薬剤師としての心構え」
「薬物療法における実践的能力」
「患者・生活者本位の視点」
「地域の保健・医療における実践的能力」
「コミュニケーション能力」
「チーム医療への参画」
「基礎的な科学力」
「研究能力」
「自己研鑽、専門性の涵養」
「教育能力」
の順にすべき

実践的能力、科学力、教育能力、自己研鑽専門性の涵養  の順番が良い

薬剤師としての心構え
 豊かな人間性   の部分は削除すべき
 文頭に「医療人として」を加えるべき

患者・生活者本位の視点

 「 」内を加える。
 これらの人々の「薬物治療および医療全般において」安全と利益を最優先する。

基礎的な科学力

 具体的な内容入れるべき
 生体および環境    環境は不必要
 技能・態度   のところは   能力とすべき

研究能力

 薬学・医療の進歩  を  薬学の進歩  とすべき
 薬の適正使用の推進・新薬の創製・開発及びレギュラトリーサイエンスを中心として、薬学・医療の進歩…   研究を遂行する基本的技能・意欲と…

薬物療法における実践的能力

 薬物療法を総合的に評価し、安全で有効な医薬品の使用を推進するために、医薬品の供給、調剤、服薬指導、処方設計の提案等の薬学的管理を実践する能力を有する。
 医薬品の供給、調剤、服薬指導、処方設計の提案、薬効および副作用モニタリング等の薬学的管理を実践する能力を有する。

 

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高等教育局医学教育課