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インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議(第2回) 議事録

1.日時

平成28年10月18日(火曜日)15時~17時30分

2.場所

文部科学省東館15階 15F特別会議室

3.議題

  1. インターンシップの取組に関する事例発表について
  2. その他

4.出席者

委員

(座長)荻上紘一委員
(委員)岡崎仁美,加藤敏明,高橋弘行,崔耿美,藤巻正志,堀有喜衣,松高政, 門間由記子の各委員 

文部科学省

浅野文部科学省専門教育課長,福島文部科学省専門教育課企画官,山路文部科学省専門教育課課長補佐

厚生労働省
秋山職業安定局派遣・有期労働対策部企画課若年者雇用対策室室長補佐

経済産業省
関経済産業政策局産業人材政策室室長補佐

中小企業庁
小林経営支援部経営支援課課長補佐

5.議事録

【福島専門教育企画官】  それでは,定刻となりましたので,インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議を開催いたします。
まず,委員の皆様方におかれましては,本日,御多忙中にも関わらず御参加いただき,誠にありがとうございます。
本日は,五十嵐委員,深澤委員につきましては御欠席,小林信委員,小林治彦委員につきましては代理の方の御出席となっております。
それでは,議事進行は座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【荻上座長】  お忙しいところをお集まりいただきまして,ありがとうございます。
議事に入ります前に,本日の会議の時間の設定でございますが,あらかじめ17時までと御案内を差し上げていたところでございますが,きょう6件の事例発表をお願いするということにいたしましたので,質疑応答の時間等を十分にとりたいと考えまして,30分延長して,17時半までとさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
前回まで御欠席で,今回より御出席いただいている委員の方がいらっしゃいますので,事務局の方からまず御紹介をお願いいたします。
【福島専門教育企画官】  事務局の方から紹介させていただきます。京都産業大学経営学部准教授の松高政様でございます。
【松高委員】  松高でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【荻上座長】  ありがとうございます。
それでは,まず事務局から配付資料の確認等をお願いいたします。
【福島専門教育企画官】  配付資料でございますが,議事次第にあるとおりでございます。資料1が松高委員の御発表資料,資料2が崔委員の御発表資料,資料3が藤巻委員の御発表資料,資料4が東日本旅客鉄道様の御発表資料,資料5が銀座アスター食品様の御発表資料,資料6がシバセ工業様の御発表資料となっております。最後に資料7が今後の予定についての資料でございます。
机上には参考資料集を配付させていただいております。
以上でございます。
【荻上座長】  ありがとうございました。
カメラの撮影等はここまでとさせていただきます。
それでは,早速,議事に入りたいと思いますが,きょう用意されている議事は,インターンシップの取組に関する事例発表についてということでございます。今,事務局の方からもありましたけれども,6名の方から事例発表をしていただくことをお願いしてあります。
まず最初に,3人の委員の方から御発表をお願いしたいと思います。
まず,松高委員から大学における取組,崔委員からは地域における取組,藤巻委員から経済同友会としての取組を,それぞれ御発表いただきたいと思います。このお三方に御発表いただいた後,それに関して質疑応答の時間を若干とりたいと思っております。
その後,今度は企業における取組として,経団連から御推薦頂いている東日本旅客鉄道様,日本商工会議所から御推薦頂いている銀座アスター食品様,全国中小企業団体中央会から御推薦頂いているシバセ工業様の順番でお願いしたいと思います。
まず前半に,委員の方3名から御発表を頂き,後半に,企業関係の方3名から御発表を頂くことにしたいと思います。
それぞれ発表は,大体15分程度ということでお願いいたします。
それでは,まず松高委員から,大学のインターンシップの取組事例について御発表をお願いいたします。
【松高委員】  それでは,改めまして,京都産業大学の松高と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日初めての参加で,いきなりのプレゼンテーションですが,どうぞよろしくお願いいたします。
まず,簡単に自己紹介させていただきますと,私は京都産業大学に移り,教員になりまして,10年たちましたが,それまでは民間企業におりました。外から大学を見ていて,やはり,大学教育はこれでいいのだろうかという強い問題意識を持って,大学に来たのですが,これまで10年やってきて,やっぱりまだまだだなということを改めて実感しております。
京都産業大学は,キャリア教育やインターンシップは比較的進んでいると言われている大学ですけれども,これまで10年間,大学の中ではキャリア教育,インターンシップに中心的に携わってきた1人であるかと思っております。そういう中で,いろいろ感じたことを少しお話させていただきたいと思います。
まず,この委員会ですが,これまでも同様の委員会はあったと思います。経済産業省でも,平成24年, 25年,インターンシップに関する委員会がありまして,私もそちらで委員をやっておりました。率直に申し上げると,それで何か変わっただろうかという印象をすごく持っております。
この委員会も,来年の今,何が変わるんだろうか,報告書を出して終わりでは,やはり余りにも寂しいですので,いろいろな提言ですとか,報告書が出ると思うんですけれども,それをどういうふうにして実現していくのかという,そこの視野も含めてやっていかないと,恐らく同じことの繰り返しになるような気がしております。
結論めいたことを申し上げると,実践するしかないかと思うんです。いかにやっている人たちを増やして,具体的な事例を増やして,ネットワークを広げていくことを,どれだけ増やせるんだろうか。その経産省の委員会でも,インターンシップの類型化もやりました。それぞれの類型のメリット,デメリットも,さんざん議論いたしました。
専門人材についても,要件を定義して,どうしたら育成できるのかということも,御覧いただければと思うんですけれども,かなり細かなマニュアルを作ったと思っております。ただ,残念ながら,それが活用されていない。
決してこれは経産省を非難しているということではなくて,経産省からは非常に支援を頂いているので,逆に感謝しているぐらいなんですが,なかなか進まないことが現状だと思うんです。どうしたらそれは解決していくのか。そこを突破できるものを見付けていかないと,結局何も変わっていかないだろうということを,この10年間,いろいろ関わってきて,思っているところでございます。
では,時間に限りがありますので,京都産業大学の取組の事例をお話させていただきます。
本学は,1965年に創立いたしまして,昨年50周年を迎えました。全部で8学部,1学年3,000名,1万2,000名規模の総合大学です。
創立者は荒木俊馬といいますが,その第1回目の入学式でどういう話をしたかというと,本学は産学協働を実践する総合大学ということで,京都産業大学と名付けた,現実の産業界と密接な連携を保ちつつということを言っております。
第1回目の入学式は昭和40年です。御承知のとおり,この時代に産学と協働するという表現を使うことは,非常に勇気がいったことだと思います。その中で,本学としては,産学協働を設立当時から訴えております。
50周年を迎えまして,改めて,本学では産業をむすびわざと捉えております。むすびわざとは,あるものとあるものを結んで,新しく生み出す。大学の像とすると,むすんで生み出す,学生像がむすぶ人ということを,50周年を迎えて,原点に回帰して,もう一度,”むすび”ます宣言ということで,新たに進んでおります。
本学のキャリア教育も,建学の精神,むすんで新しいものを生み出す。そこを実現するために,キャリア教育も実践しております。やはり私学ですから,建学の精神の実現を目指さないのであれば,私学である必要がありませんので,そこは,やはり建学の精神をいかに実現できるか,そのコンセプトでキャリア教育を進めています。
では,具体的にどういうことかというと,大学での学びと社会を結ぶ,協働する,産学協働教育が,キャリア形成支援の本学としてのコンセプト,下敷きになっております。
そこを推進するために,世界産学連携教育協会というものがございまして,2年に1回,世界大会をやっておりますが,昨年,本学で開催いたしまして,非常に多数,海外からも実践者,研究者を招いて,産学協働の世界大会を開いて,推進しているところです。
本学で,具体的にどういう科目をやっているのか, 代表的な科目を3つ御紹介します。インターンシップ,企業人と学生のハイブリッド,むすびわざコーオププログラムの3つです。
まずはインターンシップですが,本学ではインターンシップ1から6といろいろあります。3年生の夏休みに2週間ほどインターンシップに行くという非常にイメージしやすい科目は,インターンシップ3という科目です。これが,今年度226名,111社に行きました。単位は4単位です。
こちらが,過去の変化ですけれども,大体200名前後,コンスタントに毎年送り出しています。
実際,学生がこのインターンシップに応募してくるのは倍の数になります。今年度でいいますと,226名に対して416名の学生が応募してきました。この学生はエントリーシートを書いて,全員面接をして,選考して,大体50%の学生をインターンシップに行かせています。半分の学生は不合格になります。
受け入れ企業が111社。これはもう見ていただいているとおりです。
このインターンシップの科目を,私も取りまとめをしておりまして,昨年から違う教員に任せたんですが,私は10年間ずっと担当して感じていることを少しお話しします。
昨年,日本インターンシップ学会から槇本記念賞の最も秀逸な事例として選んでいただきました。非常に感謝しておりますが,私はまだまだこのインターンシップは,本当に普通だろうと思っています。
まず,優れている点とすると,インターンシップを開始して15年以上たっていますので,ある程度のシステムができています。教員だけではなくて,センターとの教職協働の体制,企業との信頼関係もできています。
事前事後学習も,事前14コマ,事後5コマ,1クラス20名程度で,専任教員が7名,非常勤が3名の計10名という体制でやっているということは,かなり細かく,丁寧に,事前事後学習も含めてやっていると思うんですが,まだまだ改善しなくてはいけません。
学生は,やはりインターンシップに行ったことで,満足してしまっている。もう少し事前学習の時間も充実させたい。事後学習も,もっと内容を深めなくてはいけません。
10名の教員がやっているから,正直,授業内容のばらつきがあります。経験のある教員,初めて担当される先生,温度差があります。そこを標準化してしまうと,どうしても高いレベルで合わせられないので,誰でもできるようなところに合わせざるを得ない。そうすると,事前事後学習がなかなか深いところに行けない。経験のある教員で,その力をもっと結集して,何か違うやり方ができないかというところを模索しております。
次に,学部の専門教育との連携です。学生はインターンシップから戻ってきて,いろいろなことを学んできているわけですが,それを各学部の教育とどう連携させることができるんだろうか。
就職活動への接続も課題です。秋から就職活動が始まってくるんですが,それにどのようにつなげていくのかということが,まだまだできていません。
受講学生の拡大ですが,先ほど400名ぐらいの学生が応募してきたと申しましたが、多く見積もっても,関心がある学生は500名ぐらいだと思うんです。本学は,1学年3,000人です。500人でも割合としてはまだまだ低い。
夏に2か月の休みがあって,何もしないでぼんやり過ごしているんだったら,インターンシップに行くぐらい,何が駄目なのかと言うと,学生は忙しいから,興味や関心がないからなどといろいろな言い訳をしますけれども,要は面倒くさいんです。エントリーシートを書いて,面接を受けて,事前事後学習があって,面倒くさいというマインドです。
このようなマインドから,どのようにしたら学生が動き出すのかということです。これは就職活動に向けるということではなくて,ぼんやり無駄に過ごすなということです。ぼんやり過ごすのではなくて,もう少し何かあるでしょう。そこをどうしたらできるのかということです。
受入れ企業側のプログラムの向上も図らなくはいけません。企業の方と会話をよくします。うちの学生はどうでしょうか,内容はどうでしょうか。そうすると,企業の方は,京都産業大学さんの学生は本当に元気で,マナーもできている。褒めていただくんですが,具体的に事前学習ではもう少しどういうことをしたら,どういう改善があるでしょうかと聞くと,ほとんど何もおっしゃっていただけない。つまり,言葉が悪いですけれども,問題意識が低いと思うんです。
企業とすると,どういうふうなプログラムであれば,企業にとってもメリットがあり,学生が伸びるんだろうか。大学にどんどん注文を出してほしい。もっともっと一緒に考えていきたい。
インターンシップの意義の浸透は,学内でも,インターンシップなんてという意見が,まだまだあります。そこをどうしていくのかということです。
2つ目に,企業人と学生のハイブリッドという授業です。これは,インターンシップではないんですけれども,インターンシップ的な発想に基づいて始めた授業です。どういう授業かというと,若手の社員の方に10社から10名来ていただきます。学生は全部で30人です。学生3人に対して社員1人でチームを作ります。次の写真を見ていただけると分かりやすいんですが,社員にリーダーにもらって,学生3人を部下として,1チームを作ります。そこで,社員が日常の業務で抱えている課題を持ってきて,学生と一緒に解決するということです。
どうしてこういうことをしているのかというと,長期のインターンシップ的なことをしたかった。ただ,学生を4か月,外に出すということはなかなか難しいので,大学にいながら,何か長期のインターンシップと同じような経験ができないだろうかという問題意識から取り組んでいるものです。
インターンシップにしても,PBLにしても,大学が企業にお願いするばかりだと思うんです。受け入れてください,課題をくださいということではなくて,大学が企業に何か貢献できないだろうか,プラスになることができないだろうかという意識を持っています。
若年の雇用の問題を考えても,入社3年目,4年目の中堅の30歳になるくらいまでは,大学と企業が個別に育成するのではなくて,一緒に育成した方が,連続性もあっていいのではないかということをいろいろ考えて,このプログラムを思い付いたということです。
社員は,20代半ばから30歳近い社員が多いですけれども,ほとんどの参加者は中堅・中小企業で,部下もいなければ後輩もいない,自分が一番下っ端だったりするわけです。まだ若いので,責任を持ってプロジェクト的な仕事もしたことがない。
ただ,そういう社員もいずれ,そういう立場になりますので,そうなったときのために,その経験として,自分が上司になり,学生が部下となり取り組むということです。
PBLプログラムではよくありがちな,商品開発といった新入社員や若手の社員がやらない業務をやることがあると思います。若手の社員が商品開発を責任を持ってやるということは,普通は会社ではないわけです。だから,この授業ではそういうことではなくて,例えば,物流の会社であれば,返品率をいかに少なくするかとか,非常に現実的な課題を持ってきてもらいます。それを学生たちと取り組んでもらうわけです。
まず,学生たちは,その会社が一体どういう会社で,課題がどういう内容で,ここがなかなか理解できないわけですけれども,取り組んだ成果を中間発表でその会社の上司に発表すると,かなりぼろぼろに言われます。それは,自社の業務に対しての社内会議でのプレゼンに近いので,上司からすると本当にテーブルをひっくり返すような感じのフィードバックがよくあります。
学生からすると,やっぱり仕事はこういうものなんだと実感します。社員にしても学生よりも自分が怒られているわけですから,リーダーという責任ある立場というのは,こういうことだということが身にしみて分かる。そういう経験です。
最終報告会を全員の前で行い,外部の方なども見に来ます。私はこの写真が非常に好きなんですけれども,学生がいて,若手の社員がいて,その上司の人たちがいる。若手社員が苦労している場面を,上司の人たちは見ているわけです。学生たちもそういう場面を見る。我々も見る。 やっぱりこういうプログラムが大事だということで,今年で6年目ですが,6年間参加してくださる企業もあります。毎年2人受け入れてくれないかという企業もあります。企業からも非常に評価を頂いている。企業にとってはプラスになるのではないかと思っております。
次に,むすびわざコーオププログラムですが,恐らく日本の国内に他に例を見ない長期の有給のインターンシップです。
お手元の資料を見ていただくと,これが取組の概要ですが,2年次から3年間一貫の教育プログラムで,3年の春学期に14週,長期のインターンシップに行かせます。このプログラムができるまでに,4年かかりました。学内からの抵抗も非常にありました。長期インターンシップは,学部の専門科目として16単位です。それを経済,法学,経営の3学部で認めています。専門教育に位置付けた長期,有給のプログラムが大きな特徴です。
このプログラムの教育的な効果を話すと切りがないんですが,実施する上で,非常に大変だったことが,次のページの上のところです。企業開拓です。長期を受け入れてくれる企業からすると,まずその意味が分からない。そこを揺るがぬ信念を持ち,粘り強く開拓を続ける。 こちらが何をやりたいのか,何でこういうことが大事なのか,企業にとってどういうメリットがあるのかということを,本当にさんざん企業と話をしました。今でも話をしております。企業にも,できるだけ授業を見に来ていただいています。そういうところのハードルは非常に高いです。一緒に学生を育てる願いを持っていただくことが大事です。
次は,実務的なことですが,社会保険の問題です。私は,委員会でこういうところを議論して,整備していただきたいんです。当初は月曜日から金曜日のフルタイムで,9時から5時で行かせる予定でした。学部にもそういう形で伝えて,この単位を付与しましたが,いざ行かせようとすると,社会保険の関係で無理だということが分かったんです。
つまり,企業側,社労士も交えていろいろ議論をしたところ, 1日又は1週間の労働時間が,おおむね従業員の4分の3以上の雇用をすると,社会保険等に入らなければいけない。つまり,親の保険から1回抜いて,会社に入れて,インターンシップが終わったらまた親に戻すというような,会社にとっても本人にとっても,非常に手間がかかる。会社も勘弁してくれ,親も勘弁してくれということで,できないということが,分かりました。労働局や厚労省にも行って,そこをどうにかならないかと相談したのですが,現行法ではどうにもなりませんということで,結局アルバイトなんです。最低賃金のところだけ担保するという形です。
有給のインターンシップは,一体どういうイメージをしているんでしょうか。活動支援金という支払方法もあるようですが,非常にグレーな部分があるかと思うんです。フルタイムで有給で行かせようとしても,結局行けないわけです。
そうすると,学生もほかにアルバイトがありますので,ここで多くを稼ぐことはできない。では,時間給を低くすると,最低賃金の問題にひっかかるという問題が発生する。結局,どうしたかというと,週3日にして,あとのところは,ボランティアのような,お茶を濁すような形にならざるを得なかったということです。長期,有給インターンシップを推奨するのであれば,文科省,経産省,厚労省で,このような点をきちんと整備していただきたい。
帰ってきた学生を見ると,ものすごく多くの経験を得ましたし,企業の受け入れる価値が上がりました。実際に学生受け入れてみて,やりたいという企業も増えてきています。ですから,やはり長期のインターンシップは,可能性はありますが,なかなか課題も多いというところです。
冒頭申し上げましたとおり,この委員会でもテーマになると思うんですが,専門人材について説明します。経産省の委員会も,専門人材についてはかなり細かく議論をして,輪郭をトレースできたと思います。能力要件を非常に細かく,レベル1,レベル2,レベル3を作って,どういう能力が必要なのかということを議論したわけですが,その委員会でも結局,専門人材は誰を対象にするのか,その対象の人たちを育成するといった場合,誰がどういうふうに育成するのでしょうか。育成できたとしても,その人の活動の場はあるのでしょうかということです。
今,よく行われていることは,専門人材として,外部のNPOですとか,キャリアコンサルタントの方を育成できたとしても,大学に入ってくる場合,現実的には有期の雇用になるわけです。大学からすると,有期の雇用の人に専門性を身に付けるために投資をするという発想はないと思います。
では,内部の人に専門性を身に付けてもらうかというと,ジョブ・ローテーションで担当が変わっていくわけです。ある国立大学のトップの方がおっしゃったのですが,職員は専門性を身に付けてもらっては困ると,面と向かって言われたんです。
ジョブ・ローテーションで,いろいろなことをするので,ある部分だけ特化するということは,逆に困るんだということを言われました。つまり,結局,専門人材といっても,いざ現実に取り組もうとすると空回ってしまう。やはり,こういうところをどうにかしていかないと,ただ言っているだけになってしまいます。
文句ばかり言っていても仕方ないので,我々は,自分たちでやろうということで,専門人材の研修会を来週行います。すでに試行的に実施をしました。どういうことをするかというと,対象は大学内部の教職員です。
職員は5年も10年も同じ部署にいるわけではないので,そういう方々にとって何が価値があるのかというと,インターンシップのような外とのつながりが非常に近い業務を担当することによって,大学教育をもう一度そこから見直してもらう。そういうことが,恐らく次の仕事にも生かされてくる。御本人のキャリアにもつながってくるかと思うんです。
当然,担当されている期間に,インターンシップを効果的にするためのノウハウは必要ですが,それだけではなくて,そこをきっかけにして,どういうふうにして自分の大学の教育を改革していくのかということに視点を当てて,検証を行います。
もう一つ,これも経産省の委員会であったのですが,今,地方創生と言われていますけれども,やはり地方創生のキーになるものは,インターンシップ協議会などの各地域にある協議会です。そういう協議会の全国的なネットワーク化を行って,課題を共有して,地域で予算,人材が循環するような仕組みを作らないと,地方創生にもつながらないでしょうし,地域のインターンシップは進まないということは,さんざん議論して,報告書も出したのですが,これも進まない。
本当に経産省に感謝いたしますけれども,昨年,地域連携組織によるインターンシップの推進に向けてという調査をしていただきました。私も中心的に協力いたしましたけれども,日本の中にどういう協議会があるかよく分からなかったわけです。まず,そこを浮き彫りにして,どういうタイプの連携組織があって,それぞれのメリット,デメリットを浮き彫りにしました。
地方創生のキーワードは,学生を地域に戻す,地元の学生は定着させることだと思うんですが,結局,議論していると,隣に出ていった学生を自分のところに戻す。自分のところにいる学生は抱え込んで出さないようにする。つまり,若者の引っ張り合いなわけです。それに何の意味があるのでしょうか。それをしたところで,地方創生にそれがどうつながるんだろうか。
きょうも午前中,ある県に行ってお話をしてきたのですが,地方創生といった場合,創生された社会とはどういう社会をイメージされているのでしょうか。どういう社会を作りたくて,人材育成をしようとしているのでしょうか。地方創生のインターンシップをして,若者が戻ってきて,どういう社会を実現したいためにやろうとされているんですかという議論になると,ほとんど議論にならない。内閣府の地方創生の交付金で自治体に予算がおりてくる。だから,余り積極的ではなく,数値目標も設定されているから,やりましょうかみたいなことになってしまう。
これも決して自治体を批判しているわけではないんですが,やはり,どこかがサポートをしていかないと,御本人たちは非常に前向きに善意でやろうとしているんですが,全部,自分たちでやることはきついと思います。そういうところを,どこかがサポートしていかないと,先に進みません。
それから1つだけ御紹介させていただきますが,先ほどのインターンシップのハイブリッドに近いもので,今,我々がやろうとしているものは,株式会社クレディセゾンと実践女子大学で,企業が大学の場を活用した社員研修を行います。
社員が,大学の授業のゲスト講師としてキャリア講話で自分はこういう仕事をしていますというケースはよくあります。そうではなくて,もっと深いところ,自分の仕事の価値をしっかり深掘りして,深掘りするだけでなく,誰かに話すという研修を,クレディセゾンの人事担当の取締役の方がやりたいという話を聞いて,では,その話を学生にぶつけてみたらいいかですかと提案しました。ぜひやりましょうということで,社員研修の一環として,研修の成果を学生にぶつける。学生はそういう話を聞くわけですから,猛烈にプラスになるわけです。クレディセゾンのような,産学協働,人材育成に問題意識が高い企業があることにとても励まされました。
このように新しい産学での事例を増やすと,企業も,大学と組むメリットを感じるので,私はこういう事例をいかに作っていけるのかが大事だと思います。
最後に,これから求められることは,繰り返しになりますが,とにかく具体的なものを創り出すということです。何かやると批判されます。私もこの10年間,批判され続けました。そんなことをやって,価値があるのか意味があるのかというようなことを言われますが,やはり批判される側にい続けないといけない。批判することは簡単で,評論家的にこうではないか,ああではないかではなくて,やはり実践者を増やして,事例をいかに増やしていくのか。そこがキーだと思います。
キーワードは,さらすと口を出す。私は,今の大学で,キャリアの科目をいつでもオープンにして,誰がいつ見に来てもいいようにしませんかというと,反対されます。大学がやっていることをさらす,企業のことをさらすことが大事だと思います。
大学は特にさらすということを嫌がるものです。大学がやっていることを企業に見ていただいて,これでどうでしょうか,何が駄目でしょうかということを言って,口を出してもらう。その代わり,大学も企業の取組に対して,もっとこうしたらいいんじゃないか,ああしたらいいんじゃないかという,お互いに口を出すということです。インターンシップは,学生を成長させるだけではなくて,やはり企業や地域も変えていくレベル,段階に来ないと駄目だと思います。
次はリクルートワークスの豊田さんが使われている言葉をそのまま引用しているわけですが,社会協働で人材を育成して,活用していくシステムが必要です。
次に、インターンシップやPBLを見ていると,外に出ていくだけで,学生も,教員も,無条件にいい経験をしているのではないかという錯覚をするのではないかと思うんです。
学生に間違った自己認識や自己肯定感を与えてしまう。やはり,インターンシップにしても,PBLにしても,あくまでもきっかけで,やはり自分たちはもっと勉強しなければいけない,もっとまだまだだなというところに持っていかないと,就職活動のときに,PBLで自分はこういう商品開発をして,すごいだろうと主張しても全く評価されません。やはり,そこは,我々指導する側が十分に気を付けなければいけないところだと思っております。
すみません,最後,時間がなくなったので,以降は割愛させていただきます。以上です。どうもありがとうございました。                    (拍手)
【荻上座長】  興味深い話でつい聞き入ってしまいました。
それでは,次に,地域でのインターンシップの取組事例について,崔委員からお願いいたします。
【崔委員】  こんにちは。九州インターンシップ推進協議会の崔耿美と申します。本日は,皆様の前で発表することは,大変恐縮ではございますが,当協議会の仕組み,取組を見ていただいて,御助言,アドバイスを頂ければと思います。
九州インターンシップ推進協議会は,産学官でインターンシップの推進を行う地域コンソーシアムでございます。産としては,県内の企業,団体およそ300社,官としては,県と市,政令指定都市と国,九州経済産業局と福岡労働局などが入っています。学としては,主に福岡ですが,九州にある30大学が入っています。
当協議会の特徴としては,国の補助金や企業の補助金に大きく頼らずに,地域の方々に幅広く,協力・支援を頂いているところが特徴でございます。
大学から,年会費という名目で10万円ずつを頂いて,そこから学生の派遣1人当たり1万円,いわゆるベネフィシャリーの方々に支援を頂く形が主な特徴です。企業には,支援金という形で,強制ではないですが,1口1万円以上の協賛金を頂いている形になっております。
その次は加盟大学ですが,九州大学の総長が,歴代的にずっと協議会の会長をしていただいています。
受入れ企業は,登録している会社としては540社で,そのうち主に年間300社に受け入れていただいています。
企業の特徴としては,行政,大手企業,九州では特別多い中小企業,NPO法人など,多岐にわたっていろいろな種類の企業,団体があります。
当協議会の経緯を見ていただきますと,約20年前に3省から,「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」が公表されて,大学側から経済団体である弊団体の方に相談がありまして,そこから地域,社会の皆様で,議論をして,平成11年度に九州地域インターンシップ推進協議会を開催しました。
そこから,次の年である平成12年度に,福岡県インターンシップ推進協議会を設立して,そこから10年間,福岡県を中心として,インターンシップ事業を行ってきました。
その後,平成23年度に入りまして,九州地域全体的にインターンシップを推進しましょうということで,名称を九州インターンシップ推進協議会に変更しました。
平成27年に入りまして,文科省の御支援によって,テーマB事業で,中長期インターンシップに,福岡県立大学を中心として取り組むことができました。その事業が終わった後も,今年度からは補助金はないのですが,そのまま専門人材,コーディネーターを協議会の中に入れて,今も中長期インターンシップに取り組んでおります。
今年8月に法人格を取得しまして,一般社団法人となりました。それは,いろいろな理由があるんですけれども,これからいろいろな事業を行うために,補助金を取る形とする必要があり法人格を取りました。
参加者と受入れ企業の推移を見ていただきますと,平成27年度までは,順調に右上がりの推移を見せています。年間1,000名以上の学生がインターンシップに参加していて,春季で246名,夏季で876名,受入れ企業が,春季で100社ぐらいで,夏季で200社ぐらいであります。
ただ,平成28年度は, 900名ぐらいに減少するかと思います。理由はいろいろあるんですけれども,1dayインターンシップや大きな大学の独自のインターンシップが増えているので,今の中堅大学向けのインターンシップが,九州でもかなり皆様になじんでいらっしゃるということで,九州インターンシップ推進協議会としても,やはりいろいろなことを危機として,認識しているところでございます。
実施スケジュールとしては,主に春季と夏季の休暇期間中に行います。
特徴としては,事前研修会と事後研修会をきちんと行うこと,教育の一環という考え方です。
また別の特徴としては,事前研修会と事後研修会を5回ぐらい開催しています。当協議会には学生スタッフ制度を10年ぐらいやっており,毎年,大学構成と人数は変わりますが,10大学15名が自分たちが感じているインターンシップのよさを世の中に広めたいというミッションを持って,事前研修会,事後研修会を主体的にやっているところです。当協議会の中では,中長期インターンシップの一環という考え方で,学生スタッフたちを育成,教育しているところです。
現在,取り組んでいるインターンシップが4種類ぐらいあります。まず、通常型インターンシップで,短期仕事理解・体験型の約2週間のインターンシップがあります。5日間ぐらいの体験となる企業もいらっしゃるんですが,2週間が基本ということで受入れ企業にお願いをしています。
導入として,企業の業務内容をきちんと説明していただいて,就業体験を実施して,クロージングとして振り返り,企業へのプレゼンをしてくださいと,企業にも大学にもお願いしています。
大体,福岡を中心として,九州地域内の佐賀,長崎,熊本,大分で受入れがあって,全体の9割を占めています。これはよさでもありますがリスク要因でもあります。
今年から中期実践型インターンシップを行っておりまして,今のところ,年間10社ぐらいで,10名ぐらいの学生が参加しています。テーマBで採用したコーディネーターにそのまま残っていただいて,専門人材として取り組んでいるところです。中長期インターンシップは,これからもずっと頑張ってやりたいと思っています。
収入源は,企業から1か月10万円を頂いて,学生に最低3万円から5万円,最低限の支援を頂くような形の仕組みを組んでおります。
今年初めて取り組んだちくごインターンシップというものがありまして,福岡県の方から要望がありまして,筑後をテーマとしたインターンシップを行いました。
この地域の26の企業と団体で,100名の受け入れ体制を整備した結果,84名の学生がインターンシップを行いました。通常型インターンシップが70名ぐらい,中長期実践型が3名ぐらい,地域密着型として,こちらで宿泊しながらこの地域になじんでいく形で10名ぐらいのパターンでやりました。
地方創生と言われている中で,1つの切り口として,ちくごインターンシップを今年初めて行いました。
最後に,PBL型として,3年前から,経産省から中小企業経営者協会が受託してやっているキャリアスクーププロジェクトというものがありまして,先ほど松高委員も言われましたが,地場に学生を留めるというつもりではないんですけれども,地場の中小企業の魅力を学生が余りにも分かってないので,そのことに問題意識を感じて,地場の優良企業の社長にお願いをして,大学が違う学生5~6人で1チームを構成して,そこに20代後半の若いメンターを入れて,3か月間,企業1社に対する取材を行います。
社長に厳しい言葉を頂いたり,学生の作文レベルではなくて,西日本新聞社の記者にお願いをしていて,カメラの撮り方や記事を専門的に書けるようなレベルまで厳しく指導を行っている,PBL型のインターンシップになります。
今年は40名弱ぐらいの学生に参加していただいて,ちょうど先週,キャリアスクープアワードとして,いろいろな賞の授賞式を行いました。
広域対応についてですが,九州は7県で構成されていて,福岡県がキャピタル・シティーのような感じの地域です。福岡を中心として,7県で構成されており,これは九州知事会で決まったものですが,受入れ先をお互い共有して,学生に幅広く参加してもらいましょうという趣旨でやっています。
九州域外で,例えば関東や大阪の学生が,九州でインターンシップをしたいというときには,こちらでマッチングが終わっている企業,学校を紹介しています。今年の夏は,14大学からお問い合わせをいただいています。まだ広域に関しましては力は入れていない状況です。
今後の展開としては,学生の量を拡大しないと,当協議会の継続性を保てないことがありますので,1,300万人の人口の九州で,1,000人という学生はそこまで大きな数字ではないと思いますので,2週間の通常型インターンシップを,まだ波及されていない地域に,波及していきたいと思っています。
実践型インターンシップと国際インターンシップ,受け入れ型,派遣型に分かれるのですが,最初のスライドにあったように,当協議会は産学官連携のコンソーシアムなので,産学官の皆様の要望に合わせられるように,いろいろなメニューを作っていかないといけないということを,すごく感じております。
いろいろなメニューを作って,皆さんが1万円出しても,3万円出しても,満足していただくようなインターンシップをやっていかないと,大学の独自のインターンシップなどに流れていく危機意識を感じております。
今年から大変力を入れていることは,九州全域への広域展開で、九州7県を全部回りました。回って分かったことは,松高委員がおっしゃられましたように,地方の県の方々は九州全域でこれを行ったときに,キャピタル・シティーである福岡市の方に,学生が全部流れていく。それは嫌だとおっしゃったので,逆に,皆さんで仲よくなるために,福岡県にいる学生を地方に戻すことを考えております。
今考えていることは,当協議会加盟の30の大学等が主に福岡県にあるので,その大学の学生を,地方にインターンシップで派遣して, 福岡県の大学生と地方の大学生を半々ずつ入れて,インターンシップを同じ地域でやってもらって,この地域の魅力を発信していただいて,全域に展開していきたいと思っているところです。
いろいろな課題がある中で,危機こそが次なる展開の機会だと思っておりますので,今年,来年に向かって,いろいろな多様なメニューを整えていくように取り組むつもりでございます。
以上です。                               (拍手)
【荻上座長】  どうもありがとうございました。
それでは,引き続き,藤巻委員より,経済同友会のインターンシップの取組事例について,御発表をお願いいたします。
【藤巻委員】  経済同友会の藤巻と申します。
お手元に,私どもの経済同友会版インターンシップについてという資料がございますので,それに沿って,お話をさせていただきます。
めくっていただきまして,初めに,問題意識というところがございます。この会合に御参加の方々は,大変意識の高い方々と認識しておりますが,一般にこれまで大学側からは,なぜ経済界が教育に口を突っ込むのかということをよく聞かれました。
今,そういう質問はかなり少なくなっていますが,その答えは単純明快で,企業や行政は教育の成果の最終的な受け手という立場です。したがって,人材の質が極めて重要な組織にとってみれば,その人材が大学までの間にいかに育って,役に立つ資質,能力を身に付けてきてくれるかということは,重大な関心事であります。したがって,経済同友会は伝統的に数十年にわたって,教育についての提言あるいは活動をしてきた経緯がございます。
今ごらんいただいている2ページの表ですが,この会議はインターンシップがテーマですから,単刀直入に申し上げますと,実はインターンシップについても,これまで非常にいろいろな課題を感じていたわけです。2014年度に経済同友会では教育改革委員会という委員会がありまして,そこで提言を出しました。この提言の中の1つの部分がインターンシップについてということで,そのエッセンスが,左から右に矢印がついている囲み部分に表記したものです。
インターンシップにはいろいろな課題があります。左側の囲みです。それに対して,我々が考える望ましい枠組みが右側の囲みです。そこに書いてあるように,幾つかの重要な要素があるわけでございます。
特に重要なことを申し上げると,まず,大学が,教員が,あるいは職員が,本気で学生を育てようという意識を持っていただく。そのためのツールとして,インターンシップを使っていただくという認識でございます。
経済同友会の考えるインターンシップは,キャリア教育に極めて重点を置いております。したがって,学部の1,2年生といった低学年のうちに早くその気付きを得て,大学に戻った後,4年の卒業までの間にしっかり自分を磨いて,先ほど申し上げた資質,能力のすぐれた人材として,世に出ていただきたい。
そのために,企業が何かお手伝いできることがあるのではないかということで,今年からこの提言に沿って,実際に経済同友会がみずから主催して,インターンシップを実践いたしました。
おかげさまで,メディアにもかなり関心を持っていただいて,各紙等にも掲載されたので,ごらんになった方もいらっしゃるかもしれません。実は夏から秋にかけて行ったインターンシップが,おかげさまで,大変好評でございました。私どもは,各企業がお客様で会員として入っていらっしゃいます。その企業の経営トップが,私どもの個人メンバーとして活躍されていますが,ご好評をいただいたのは,ひとえに,私どものインターンシップの趣旨を良くご理解いただき、共鳴して下さった会員企業の皆様のレベルの高さ,意識の高さに尽きると思います。何社かのプログラムを拝見しましたら,大変すばらしいプログラムであり,こんな充実したインターンシップは見たことがないぐらいです。
ちなみに, 6ページのスライドには,実際に学生を派遣した大学と,受け入れた企業の名称がございます。ごらんいただくとお分かりのとおり,就職で人気トップの企業ばかりです。いわゆる超一流グローバル企業です。ここの企業の方々が,経営トップの思いを一にして,人事部の方々の大変な御尽力で,すばらしいプログラムになりました。
そして,各大学から,非常にやる気のある意識の高い学生を出していただきたいということをお願いして,選抜していただきました。このマッチングも極めてうまくいって,大変な成果を上げたと,各実施校の教員からは伺っております。来週,来年度に向けての反省会があるのですが,大学からは更にこの取組を広げてほしいということで,今,お申し込みを頂いています。
企業の受け皿の枠がありますから,やはり,内容が伴った,私どもが理想とするインターンシップをやるということで,今,参加企業の募集をし,大学からも応募をいただいています。ほぼ大体出そろっているということでございます。
ちなみに,今年度は70名ぐらいの学生に御参加いただいたのですけれども,来年度は目標として100名を予定しております。そのぐらいの勢いで,各大学の方に御関心を持っていただいたということでございます。
戻っていただきまして,3ページは,皆さん御案内のインターンシップの現状ということです。私どもは,大体2年に1回,アンケートをとっているのですが,実際のインターンシップがどのように行われているか等,教育に関わることのアンケートをとっており,その結果でございます。これは2014年度ということであります。
4ページに行きますと,私どものインターンシップの狙いが何かということが書いてあります。それは,ひとえに学生の資質,能力の向上に対する期待です。
その下の4つの点を打った囲みがあって,幾つか書いてありますけれども,大体,皆さんも御案内のようなことを目指して,インターンシップを実施しております。
5ページでございます。基本的な枠組みということで,先ほど申し上げた望ましい枠組みの形を変えて,ここにお示しをしているのですが,あくまで学部の1年生,2年生にこだわるということで,教養課程の学生が中心になります。
大学での単位化はマストでお願いしています。なぜかというと,単位化するということは,授業として認めるということに,ほかならないわけです。そうであれば,当然,教員の関わりは,マストになるわけです。
学生が企業でインターンシップに参加するときのプログラムについては,企業と教員がコラボレーションして,しっかりとしたものを作っていただきたい。そして,授業科目としてオーソライズして単位を与えるということは必然の流れであろうということが,私どもの考えであります。したがって,これをご理解いただけない大学については,お断りしております。
事情を聞くと,教授会がとか,同情する面も多々あります。やはり,インターンシップ御担当の教員は,意識の高い方が結構多くて,大変な忸怩たる思いをなさっているのかなと思うのですが,とはいえ,学生のことを考えると,やはり,しっかりと取り組む必要があります。私どもも企業のトップですから,学長とお会いして,学長に御理解を頂いた大学に限ってやっておりますが,そのぐらいトップダウンでいかないと,うまく機能しないためです。
先ほどのお話にもございましたけど,組織というのは,企業はもちろんですけれども,大学もいろいろなことがあるようでして,それは,いずれもトップダウンでやることに尽きるということです。これが1つ,私どもの成功のポイントだったと思っております。また,資料に戻りますけれども,そういうことで,大学での単位化は必須と考えています。
そして,期間は原則1か月以上。これは,1dayなどということで,インターンシップはいろいろなことが言われておりますが,私どもは,1dayインターンシップはインターンシップとは認めていなくて,名前はインターンシップを使っているようでございますけど,残念ながら,説明会とか,そういった域を脱することはなかなか難しいのではないかと思っております。したがって,1か月をめどに,少し長く,じっくり腰を据えたプログラムを作って学生と向き合って,企業としても,学生に来ていただいている間は,できる限り精いっぱい,学生を育てるという意識をもって,実践していただいているわけでございます。
経済的な面で学生には実質負担のない形でやっております。地方から上京する学生も多かったのですが,交通費,宿泊費,場合によっては食費も含めて,企業に面倒を見ていただいたという大変有り難いことでございました。
次の6ページです。ここには,先ほど申し上げた実際の企業の名称が書いてあります。
大学の選考については,私どもがマッチングして決めさせていただきましたけれども,学長の強い意志ということはマストですから,そこは絶対条件としてあった上で,あとは地域が偏在しないように,北は北海道から,南は九州までということを考えました。
学校のいわゆる学力レベルといいましょうか,あるいは,国公立か私立かということも,ほとんど満遍なく考えて採用しました。
7ページですが,これはどういう形でインターンシップを進めたのかということが,スケジュール,時間軸に沿って書いてあります。
2015年7月から9月に,先ほどから申し上げている学長,理事長あるいはキャリアセンター長と個別に面談をいたしました。それで,強い意志を確認させていただきましたが,やはり,学長のゴーサインが出たところは,力強く学内でも推進できたと伺っております。
10月から11月にかけてですけれども,今度は,実際受け入れる企業ですが,私どもの会員企業の人事から精鋭を出していただいて,その方々に集まっていただき,経済同友会のインターンシップの趣旨を含めて,どういうプログラムをお願いしたいのかということを御理解いただきました。
そこで,いろいろなやりとりがありましたけれども,基本的には私どもの思いを御理解いただいて,かなり理想的なインターンシップができたのではないかと思っております。
そういうプロセスを経て,12月にマッチングを完成して,実際のスタートにつなげたということでございます。
現実に始まったのが,早いところで今年の5月ぐらいからでしょうか。今,ほぼ終了したということで,冒頭申し上げたように,おかげさまで,学生に大変喜んでいただいた,あるいは,キャリア教育を一生懸命やっていらっしゃる先生方に喜んでいただいた。これが,本当に経済同友会として,やってよかったということで,まさに来年も頑張ろうという思いにつながってきているところでございます。
最後に,8ページで,今後の展開ということですが,何回か申し上げているように,さらにこの枠組みを広げていきたいと思っております。
率直に申し上げますと,企業には負担である,特に東京に本社を置く大企業,グローバル企業であれば,今,一定の採用のルールがございますので,それに従っているところが,ほとんどでございます。
ということは,当然,学部の1,2年生ですから,それは直ちに就職には繋がりません。しかしながら,経済同友会の思いに共感していただいた一流企業が,我が社に入らなくても,優れた人材が,この業界のどこかに入ってくれれば,これは日本にとって,社会・経済にとって,大変すばらしいということをご理解いただいて,取り組んでいただいたということであります。
したがって,私から申し上げたいことは,大学,学生には本気で来ていただきたいわけで,生半可な気持ちでは実現しません。これは,企業がそれだけ個社の利益を超えて,大所高所に立って,中長期の視点で,この国を考え,共感してやっていただいているからであり,しかも,学生に経済的な負担のない,すばらしいインターンシップだと思っております。そういうところを,大学関係者,もちろん参加の学生にもよく御理解いただいて,御参加を頂きたいということです。
最後に,先ほどから皆さんのお話にいろいろと出ている,事前の学習,事後の復習は,どちらも極めて重要です。事前の予習をやる段階から,既にマッチングが決まった企業の方に来ていただいて,勉強会を実施した大学もあります。これも大学の本気度のあらわれです。是非,企業の方には事前に来ていただいて,学生をその気にさせてから送り込みたい。大変すばらしい大学の高い意識だと思います。
そして,私が強調したいことは,何より事後です。これはなぜかというと,事前の段階の学生は,まだ幼いです。これから実社会を経験するわけで,まだ実感としてよく分からない。ところが,先ほど申し上げたプログラムで,1か月も鍛えれば,学生自身がもともとやる気がありますから,この1か月で,大変飛躍的に成長します。そして様々な気づきを持って,大学に戻ったときの学生は,予習段階の学生とは全く違います。いろいろなことに貪欲で,自分を高めていこうという意欲にあふれています。
したがって,戻った学生をどれだけきちんと資質・能力を高める形で,卒業まで導いていただけるかどうかは,教員に懸かっているということを,最後に申し上げて,私の話を終わります。ありがとうございました。                   (拍手)
【荻上座長】  どうもありがとうございました。
これまで,大学,地域,企業,それぞれのお立場から事例発表をしていただきましたが,一旦,ここまでで区切りにしたいと思います。
このお三方の御発表に御意見,御質問等,御自由にお願いいたします。
【加藤委員】  よろしいでしょうか。
【荻上座長】  どうぞ。
【加藤委員】  加藤の方から質問させていただきます。
松高先生に質問させていただきたいのですが,初めておいでになったのに,なかなか御意見を聞けなかったんです。やはり,京都産業大学らしい取組を聞かせていただきました。ありがとうございました。
我が国の先駆的なコーオプ教育の取組をされている京都産業大学においても,資料を拝見する限り,インターンシップ科目の受講生が,学年3,000人ですから,1割ぐらいでしょうか。いろいろ集めて,2割ぐらいいくかどうかというところだと思います。
その後の御発表された藤巻さんの経済同友会の取組を見ても,改めて感じることは,いわゆるよい大学,よいというのは,企業側が,是非我が社に入社してほしいと思うような対象大学です。片や,大学から見ると,学生たちが是非入りたいと思うような,いわゆる有名なブランド企業,この両者においては,恐らくもう世界水準に近いぐらいのところまで来ているように思います。
参加率については,まだかなと思いますけれども,学生たちの意識も高いし,あとは同友会のように,取組が少しずつ,じわじわと広がっていけば,いわゆるトップの大学とトップ層の学生,いわゆるブランド企業の間は,インターンシップはもう十分に国際水準を視野に入れたような感じがあります。
しかし,残念ながら,中堅の大学,さらには中小企業,言うなれば,学生がそれほど強い意志を持って,何が何でも行きたいと必ずしも思わない企業群と,企業が何が何でも欲しいとは必ずしも思わない大学との間の数字は,確たる統計が実はないんですが,いろいろなところをかき集めてくると,ここにはまだ,海外と日本には各段の差があるということがあちこち指摘されて久しいです。それは松高先生も十分御存じで,WACEなどで十分体験済みだと思います。
私がとても不思議なことは,中堅の大学と中堅の企業の間で,欧米各国のところで,強い負担感の話が出てこないことがとても不思議で,日本の場合には,とてもじゃないけれども,1週間,2週間以上,インターンシップが本格化したら,受け入れることは大変である,負担が大変であるということが必ず出てくる。もうセットの話になっているわけです。
松高先生に是非お伺いしたいことは,我が国のこれからの大きな課題を突破するには,何が決め手なのか,今後の委員会の方向性を決める上でも,是非,初参加の先生にコメントを頂きたいと思うんですが,よろしくお願いします。
【松高委員】  非常に難しい課題を頂きまして,本当に困っています。やはり,御承知のとおり,学生は地元の中堅・中小には興味はないんですが,現実問題,日本全国を見ても,学生の8割は中堅・中小大学ですし,その8割はサービス業に就職していくわけですので,その現実があるにも関わらず,インターンシップになってしまうと,うちの学生もまず銘柄企業に行きたがるという,そこの力学はなかなか崩せないことがあります。そこをどうしたらいいのか。逆に,私も本当に教えていただきたいぐらいなんです。
やはり今,大方のインターンシップなどですと,うちもそうですけど,3年生になってからやり出すわけです。そうすると,やはり,学生からすると,就職を見越してというところの意識の延長線上にインターンシップがあるので,当然,就職のところは,まず銘柄のところに行きたがるということと同じ力学で学生が動き出す。そこを3年生から,いきなり中堅・中小企業に目を向けましょうということは,それはやはり難しい話だと思うんです。
なので,やはり1年生に入ってきた段階から,中堅・中小企業で,まず働くということはどういうことなのかなどを知る必要があるのではないでしょうか。そこは,全くうちの大学でもできてないわけです。
では,そこをどうやってできるのかというと,学部の授業で,中小企業論みたいなものはありますけれども,それはまた違う話ですし,キャリア科目のところでそういうことを言うと, 1年生の場合ですと,初年次教育的なところはやはりやらざるを得ない。そうすると,働くとか,中堅・中小企業というのは,もっと先のテーマになってくる。そこをどういうふうな折り合いを付けていくのか。
それと,やはり,プログラムができたとしても,では,誰がそれをやるのかという話もあると思うんです。
外部講師,企業経験のある方,もちろん,いろいろなお話をされていいと思うんですが,それは,やはり大学が外部に投げている限り,なかなか解決しない。そこをどういうふうにして,大学の教育のカリキュラムの中に落とし込んでいくのか,難しいところだと思うんです。
それと,私は中堅・中小企業を見ていて,やはり,正直,企業側の努力も足りないと思うんです。学生に,もっと魅力的なものを発信していかないと,学生が興味を持たない。
うちの会社は人材育成を大事にしているという会社は多いと思うんですが,具体的にどういう人材育成,誰をどういうふうな育成で,特色があるのかと聞くと,なかなか答えられない。3年後,5年後のキャリアビジョンも,なかなか提示できないみたいなことがあります。
そこを非難するわけではなくて,大学とインターンシップという接点でやることによって,お互いが改善できていくという仕組みはきっとあるんだろう。お互いの文句の言い合いではなくて,お互いが抱えているところを,一緒に何かできる仕組みは,きっとあるんだろうと思うんですが,具体的なアイデアは今はちょっと思い付かないです。
【荻上座長】  どうもありがとうございました。
ほかに何かございますか。
多分,いろいろ御質問,御意見がおありかと思いますが,また,後でまとめて御議論いただく時間があるかと思いますので,ひとまず,今度は企業の皆さんからの事例発表をお願いしたいと思います。
まず,最初は,経団連から御推薦を頂きました,東日本旅客鉄道の小林宏基様からお願いいたします。
【小林(宏)様】  それでは,ただいま御紹介いただきました東日本旅客鉄道株式会社鉄道事業本部の設備部というところに所属しております小林と申します。本日は,このような機会を頂きまして,誠にありがとうございました。時間が限られておりますけれども,弊社の中でもこれからお話しします地上設備のメンテナンス,特にその中でも,工学系でいう土木というような中身について,どのような形で仕事をしているのかということをより理解していただきたいために,インターンシップをやっているということが本音なんですけれども,そういう部分を御紹介できればと思います。
資料の方,大変申し訳ございませんが,なるべく生の話をさせていただきたいと思いましたので,パワーポイントの方でお話しさせていただきたいと思います。
弊社の事業展開については,日頃,御利用いただいている方も多いかと思いますが,恐らく鉄道という観点でいうと,エリアだけ御確認いただければ,おおよそお分かりになっていただけるのかなと思いますので,この辺りはちょっと省略させていただきます。
弊社は4つの事業を持っております。まず,鉄道事業は全体の約3分の2の収益を持っておりますが,こちらを軸にしながら,生活サービス事業,駅を中心した商売展開をしております。
IT・Suicaということで,こちらもSuicaを市中も含めて,展開しております。
最近では,海外も含めまして,鉄道車両の製造事業にも関わっています。
この4つの柱なんですが,きょうは特に鉄道事業の中の保線と保守土木ということで,いきなり中に入り込んでいきますので,イメージが付きにくく分かりにくいもしれません。
その前に,鉄道事業というものを,若干御説明させていただきます。
鉄道をネットワーク化して,お客さまに御利用していただくことによって,移動していただくという形になりますけれども,特に弊社の場合ですと,東京圏を軸にした部分と,あとは都市間輸送ということであります。
最近の話題としては,一昨年,上野東京ラインということで,その前に湘南新宿ラインということで,南北を通ずるスルーの鉄道を構築しました。今後は東西軸ということで,中央線と総武線との連携,あとは,メガループと呼んでおりますけれども,山手線よりもさらに外円の武蔵野線,京葉線,南武線,横浜線などを,より利便性を高めていきたいと考えています。
もっと言うと,今,構想の段階ですけど,羽田空港からのアクセスも,この中に取り込んでいきたいといような話をしております。
都市間輸送でいうと,新幹線がメインになってまいりますので,この部分において言いますと,今,北陸新幹線は金沢まで延伸しております。
北海道新幹線が新函館北斗開業ということで,新幹線のネットワークも大分充実してまいりますので,ここを軸に,移動だけではなくて,お客さまに快適,かつ,インバウンドも含めて,観光への発掘ということも進めていきたいと思っております。
そういうことで,観光立国・インバウンドということでいうと,鉄道の車両も充実していきたいということです。
実は,JR九州の方が,より先陣を切っておられるんですけれども,弊社としても,このような豪華な列車を仕立てて,大阪,関西方面だけではなくて,東北方面に向けていきたいといったようなことですとか,「のってたのしい列車」も造っていきたいというようなことに取り組んでおるところであります。
今のような話というのは,実は,私の担当しているような部署ではありませんで,私は何をやっているかといいますと,それを支える地べたの設備のお守りをしていると言ってしまえば,一言で済んでしまうわけです。
特に,今,取り組んでいる中身としては,災害に強い,地震ですとか,例えば津波みたいなところです。こういうようなことに対する構造物の強化・安全や,先般、ホームからお客さまが転落してお亡くなりになるという痛ましい事故が続いておりますけれども,なるべくそういう事故をなくしていきたいということで,まだ山手線を中心としておりますけれども,ホームドアの展開ということにも取り組んでいます。これが,我々がやっている設備部門の仕事となります。
今回,インターンシップとして,対象としているのは保線と保守土木ということになります。これも,なかなかなじみの薄い部分になるんですけれども,保線というのは線路です。線路というのは,レールがありまして,枕木で支えて,締結装置で結んでいるんですけれども,この線路の保守管理を保線と呼んでおります。
あとは,土木構造物です。トンネルであったり,橋梁です。土工設備については,鉄道はそれほど急な勾配を走行することが難しいです。道路は勾配をパーセントでいいますけれども,鉄道の場合はパーミルと呼んでいまして,1,000分の1の勾配を単位としております。
当然,日本の地形は平らなところが,ほとんどないものですから,そこを縫っていく場合には,山があればトンネルを掘って,川があれば橋梁で結んで,こういうふうな丘があればそれを切り開いて,あるいは,谷があればそこに土を盛ってという形で,土工設備もいっぱい造っております。
これらの設備を守ればいいではないかという話になるんですけれども,これはイメージとしては,お医者さんのイメージをお考えになっていただいて,自分の体をどうやって直していくのかというところになるんですが,その部分が日頃の検査・点検が大事になってくるわけです。その中で異常を発見して,計画的に処置をしていくということになります。
ただ,悪いところを交換すればいいだろうというところもあるんですけれども,特にこの土木構造物の場合は,もう100年以上使っている構造物もありまして,逆に,これを交換することは,非常に大変であります。動いている鉄道を止めてやるといっても,この新しい構造物を仮に造ったとしても,ものすごい年月をかけてしまいます。それに多額の費用がかかる。そもそも場所として構築できないといったようなところがありますので,なるべく現存の形のものを維持しながら,鉄道を動かしていく。これが1つの特徴となっております。
弊社のインターンシップですが,大きく3つございます。保線・土木だけではなくて,まず,ビジネス・マネジメントコースと,テクニカルマネジメントコース,これは,技術部門です。電気関係もあります。グローバルということで,国内外の外国籍の学生にも,公募で応募していただいて,若干名ですけれどもお受けさせていただいているというところでございます。私の土木のところは,この中(テクニカル・マネジメントコース)に入ってまいります。
今年度のスケジュールということになりますが,それぞれ5日,7日,10日という形で,5日以上10日ぐらいの間で実施しています。
保線・土木の場合ですと,10日間やらせていただきました。公募をかけまして,選考をして,受け入れ準備をして,実際9月に行っております。私が実際,応募書類を拝見させていただいて,選考の面接もさせていただきました。
後程ちょっと出てまいりますけれども,やる気のある学生に多く機会を差し上げたいというところで,本来であれば,全員の方に体験していただきたかったんですけれども,こちらとしても,でき得る最大限の能力を発揮しても,全員をお受けすることはかないませんでした。これが現状であります。
弊社のインターンシップの目的ということですが,鉄道というと,身近な認識をお持ちであるというところで,特にメンテナンスの部分は,非常にイメージが湧きにくい仕事になるかと思っております。特に列車は,昼間から夜に走行しておりますので,深夜,走っていない時間帯で作業をするということがほとんどであります。そのような中で,どういうことをやっているかということは,多分,皆目見当が付かないということが実情なのかと思いますので,ふだん目にすることができない,こういうような業務を理解していただくということを,最大の目的として進めております。
インターンシップになりますけれども,高専,4年制の大学,大学院,あとは博士課程も含めまして参加を頂戴しております。
実際,保線・土木の分野で,総数がないんですけれども,大体約45名ぐらいの学生に応募いただきまして,この後選考して,お受けさせていただくのは,約25名程度になっております。
地域でいいますと,弊社の場合は関東を中心に東北,上信越のエリアをカバーしておるんですけれども,案外,関西地区や九州地区からも応募を頂戴しておりまして,このような方にも,可能な限り応募を頂いております。
実際,応募が決まって,本人に御同意を頂いた場合には,当然遠隔地であれば通うことができませんので,宿泊する場所,弊社でいうと,社宅,寮,ホテルといったようなところは,弊社負担で準備させていただいております。
交通費に係る部分も,負担をさせていただいておりまして,食事代につきましても,お支払いをさせていただいている形です。なるべく,学生が気軽に応募していただけるようなことに努めてまいっております。
こちらの方は,先ほどの土木部分の実績になります。土木工学ですとか,今,土木という言葉ではなくて,社会基盤工学と呼んでいる学校も多くございますので,昔でいう土木工学というところを中心に受け入れています。
ただ,土木だけではなくて,実際,本当に熱意を持って,知りたいんだという学生であれば,例えば,建築学科からも今回入って頂いていますので,そこは,余り学科にこだわるという話ではありません。
ここは,実際の風景を,写真で幾つか御紹介させていただきます。弊社は12の支社がございます。12の支社がある中で,保線と保守土木それぞれについて一つ一つの課がございまして,そこに1名ずつ学生に入っていただくようなイメージですので24名となります。これが,先ほどの25名というような中身になります。
学生に対して,1人アドバイザーを付けさせていただいています。決まりましたら,アドバイザーの方から,学生の方に電話連絡を差し上げまして,その中で,学生が何をしたいのかということをヒアリングさせていただいております。
これは,いきなり何を見たいんだといっても分かりにくいので,最初は,こちらから情報を提供しながらになるケースが多くあります。いずれにしても,学生が,どちらかというと,事前にこういうことをやりたいということを,我々の方にぶつけていただいて,可能な限りそれがかなうようなカリキュラムを作成して,受け入れをさせていただくということをしております。
実際に入っていただきますと,最初にいきなり外に出ると,なかなかイメージも付かないので,まずは座学をさせていただきます。この中でも座学をすることによって,当然,知識が入ってまいりますので,新たにこういうことも見たいということであれば,その場でプログラムを追加するケースもあります。
現場で,これは,制服ですとか,安全チョッキ,ヘルメットも貸与させていただきます。正直,この中で,社員と学生の区分が付かないぐらいの状態にはなっているんですけれども,このような形で一緒に入って,1対1で,現実のものを見ていただくということであります。
こちらは,写真ではなかなか分かりにくいんですけれども,レールというのは,金属でできておりまして,その中にどうしても傷ができるケースがあります。それを超音波で非破壊検査をするときに,それは超音波を当てることによって,波形が出てまいりまして,その波形の違いで,傷があるかないかということを測ってまいります。
これを,我々社員も,時間を見付けては,鍛錬しているというところですけれども,実際,学生にもそれをやっていただいて,どれぐらい難しいことなのかということを体験していただいているということです。
これは橋です。本来だったら,水が出てきてもおかしくない時期なんですけれども,ない時期ですので,中に入ってもらって実際に構造物がどう健全であるかということを見ていただいているところであります。
夜間で,列車が走っていないところで,点検,検査をしますので,分岐器,ポイントとよく呼んでおりますけれども,それがどういうふうに機能しているのか,転換をして異常がないことを確認します。その検査に同行していただきます。
これは新幹線になりますけれども,新幹線というのは,運転時間帯と作業時間帯を分けておりますので,作業時間帯で実際の作業が終わった後,列車の運行をさせる前に,必ず支障物がないかどうかを確認してまいります。これを走らせる確認車がございますが,そこで異常がないことを一緒に確認してもらう。こういう体験もしてございます。
これらを体験して,先輩社員と意見交換をしながら,簡単な課題ではありますが,発表をまとめていただく。こういう形で,2週間をやっていただいているというところであります。
学生からの声ということになりますけれども,どちらかというと,メンテナンスは単調な繰り返し作業で,余りいいイメージがないという学生が多いですが,決してそういうことはなくて,日々,やはり,突発でいろいろなことが入ってきたりしますので,臨機応変な対応も必要になってまいります。
自然を相手にしておりますので,当然,自然界の中で,どう日常を過ごしていくのかというところを見ていくと,マイナスイメージが払拭されたという御意見を頂戴しているケースが多くございます。
また,保線の場合ですと,学校でなかなか習う学問ではございませんので,技術的な知見から,メンテナンスの実業務をしているということを,基礎という形で学んでいただきますと,やはり学問として,あるいは,今後,会社に入って,技術者としての必要性,重要性が高いというところを御理解いただけるのかと思います。
鉄道ですので,時間的な制約ですとか,場所的な制約の中で,作業を行うケースがあります。当然,制約が何もないところに比べて,工事をやっていく際には,難易度が上がってまいります。こういう部分も見ていただくと,やはり,必要性だけではなくて,難易度の高い仕事をやっているんだということも分かっていただけるということになります。
どうしても,鉄道は地域に密接な関わりを持っていますので,調整業務が多いということは,なかなか難しいところではあるんですけど,逆に,こういうことを見ていただくと,地域との関係は深いんだというところを見ていただけると思います。
いずれにしても,防災も含めて,鉄道を運行していくということに対する意識を強く持ってやっているという自負を持っていますので,そこの部分を感じ取っていただけると学生の方からもよかったという話を聞きます。
企業側ということで,社員のモチベーションの向上と書かせていただきましたけれども,要は,これらのことというのは,我々,当たり前のように仕事をするケースが多いわけなんですが,学生の方からやっぱりこういうことはすごいなと言ってもらえますと,やはり仕事に対して,より熱が入ってきます。マンネリ化したような意識のギアが上がって,モチベーションが上がるということは,よく言っておりました。
今後の課題と方策ということになりますが,なるべく学事日程にも最大限配慮させていただいております。長期休暇ということで,夏季が時間を一番とっていただけるということで,夏に設定しておりますが,一部,土木工学の発表会のようなものがありまして,正直,そことの重なりもあって,学生の方から,本当にこれで大丈夫ですか,参加できますかというお問い合わせを頂くんですが,例えば,数日ぐらいであれば,そこはプログラムの調整をして,対応できるようにということで,こちらの方も,なるべく柔軟な対応をとっているということが状況であります。
今後は,より多くの方に御参加いただきたいと思っています。とはいえども,1回に受入れられるキャパシティーというのは限られていることと,夏だけでは参加がかなわない学生も多くいらっしゃいますので,そういう場合に,複数回できればと思うんですけれども,我々も通常業務をやりながらということになりますので,そこは,いろいろと手を変え,品を変え,なるべく回数を増やしていきたいと考えているところであります。
雑駁ではありましたが,以上で御紹介とさせていただきます。どうもありがとうございました。                               (拍手)
【荻上座長】  どうもありがとうございました。
それでは,続きまして,日本商工会議所より御推薦を頂きました銀座アスター食品の小林淳様,よろしくお願いいたします。
【小林(淳)様】  皆様,お世話になっています。銀座アスター食品の小林と申します。どうぞよろしくお願いします。
きょうは大変光栄に感じておりまして,私がこういうところで話をしていいのかと思っておりますが,お声を掛けていただきましたので,発表させていただきます。当社のインターンシップの取組についてということで,お話しさせていただきます。
まだまだ皆さんに知れ渡っているという会社ではないので,少しだけ会社紹介をさせていただきますが,中国料理のレストランの経営等で中国料理の加工販売ということでやっております。
創業しましたのが,昭和元年で90年前になります。
現状,従業員数が1,837名で,正社員が580名,契約社員,アルバイト,パートの方が1,250名ほどおり,正社員のうち男女比はそこに書いてあるとおりです。
調理,サービス,デリカ,匠工房,本部と書いてありますけれども,調理の社員が比較的パーセンテージが高いんです。なぜかといいますと,レストラン一つ一つで,手作りにこだわってやっている会社ですので,こういうような構成になっております。
平均年齢,勤続年数は,ご覧いただいているとおりなんですけれども,正社員が35歳,勤続年数でいうと,正社員が15.3年ということで,私どもとしては,比較的定着していただいていると感じております。
事業所については,品川区の西五反田にございまして,レストランが41店舗,デリカショップが15店,匠工房が2か所ということで,私ども,拡大ということが非常に困難な仕組みなんですけれども,やはり,手作りをする以上,調理の社員を育てながらやっていかざるを得ないということで,学校と同じように,新入社員で入った場合には1年生,2年目を2年生と呼んだりして,7年間,教育プログラムを組みながら,調理の社員を指導している会社でございます。
売上高については116億円で,昨年度の数字になっております。
続いて,店舗紹介をさせていただくと,路線図を載せさせていただいたんですが,山手線,中央線,京浜東北線,大きなターミナルの駅には,お店を構えさせていただいていることと,東京,神奈川,埼玉,千葉,愛知,大阪ということで,全部で41店舗,いろいろ百貨店などに入らせていただいていますが,ここは1つ信頼関係だと思っていますので,私どもが,いい料理,いいサービスを提供できない限りは,お声を掛けていただけないのかなということで,そこは自信を持っておりますが,自信を過信しないように,毎日,毎日,いい料理と,いいサービスと,いいムードの中で,食事をしていただきたいと思っております。
続きますが,創業精神と企業理念だけ御紹介させていただきます。
1926年,創業者の矢谷彦七がどんな思いで創業したかといいますと,おいしいものを食べていただいて,お客様がびっくりする顔を見てみたいというところからスタートしている会社です。
企業理念につきましては,Chinese Cooking Information Value Service Systemと頭文字をとって,CCIVSSと我々は呼んでいるんですが,中国料理,中国食文化そのものの価値あるものを,お客様に伝えていきたいと思っています。
ここで,ちょっと誤解を招くんですけれども,我々,調理の社員も含めて,ほぼ日本人で形成されている会社です。中国の食文化の奥深いところをお客様にどうやって伝えていくのかが,企業理念としてあります。
ようやく本題に入るんですけれども,インターンシップのフローについて,先ほどのJRさんに比べると,ざっくり過ぎて申し訳ないんですけれども,当社は大学から受入れ依頼を受けて,覚書を締結して,大学による参加者の選抜を受けて,その方と事前の打ち合わせをして,実施という形をとっております。
一部大学については,大学の説明会にお邪魔して,あとは学生とやっていただくという大学が,2大学ぐらいあります。
今,受け入れ大学として書かせていただきました18大学,お名前を載せていいものか,ちょっと迷ったので,今回は省略させていただいています。
受入れにつながらずと書いてありますが,実際には,大体同じ大学で2から4名という形をとっている場合がありますので,大体5から10ぐらいの大学から,毎年,夏場,受入れをしています。
(3)の実施時期ですが,2クールございまして,8月2日から20日,8月16日から9月3日,ともに11日間実施しております。期間中で,初日と2日目に関しては必ず固定,最終日も固定ということで,3日目から10日目までについては,協議の上、学生と相談しながら決めていくという形をとっています。
春季に関しては,2月24日から3月12日ということで,今年は実施させていただきました。
続いて,実施内容ですが,1日目はこういう形で,資料をお持ちの方は,手元を見ていただいた方がより分かりやすいと思いますが,まずスケジュールの説明を行います。担当者の紹介と書いてありますけれども,やはり,インターンシップをやる意味です。我々がやる意味は,やはり学生に何か受け止めてほしい,糧にしてほしい,何かきっかけにしてほしいということをテーマにして,私は考えています。そういった部分をお伝えしながら,企業理念ですとか,会社のルールだとか,そういったものをお伝えしています。
この中で言うと,仕事の仕方一例,手帳の活用方法と書いてありますけれども,実際に,私がどういうふうに仕事を進めていたり,手帳をどういうふうに使っているなどということを紹介しながら,こういう一例がありますということをお話ししています。
その後,実際に店舗に行きまして,軽くランチセットを食べて,実際に3日目から仕事をしていただくものですから,頭髪の指導から始まって,トレーの持ち方,例えばサービスです。スプーンの状態とフォークの状態のものを2つ合わせて,サーバーと呼んでいるんですけど,それを使って,実際に氷をつかむ練習から始めて,立礼,サービスのマナー用語ですとか,そういったものをお伝えしながら,実際に実践してやっていただくということが1日目でございます。
一番最後にディスカッションと書いてあるんですが,少ないながらも,当社の大学生の内定者を呼びまして,就職活動はどうだったとか,こういうことを聞かれた,例えば,交通費がいっぱいかかったとみんな言っていましたけれども,そういうようなお話を聞いてもらったり,質疑応答してもらったりして,やっているということが1日目です。
2日目に関しては,不動前に工場,匠工房がありまして,そちらを見学していただいて,その後,就職活動のアドバイスをここに入れているんですが,「就職活動の…」ということは,やはり学生からすると非常にうまみなのかなと思って,私どもとしては入れています。
その後,銀座1丁目にある本店に行きまして,お召し上がりいただいた方がいれば,光栄ですけれども,アスター麺,焼麺といったものを食べていただいて,その後,実際のメニューの説明,例えば,鉄観音茶,ロンジン茶だとか,そういうお茶の説明,紹興酒だとか,名物商品の説明などをして,あとは店長の1日の流れだとか,私ども総務の仕事などを伝えながら,最後,銀座に3店舗ありますので,そういった店舗を見て解散します。
3日目以降は,実際に店舗を見ていただいて,店舗に私どもが引率をして,実際に働き出すということが3日目です。それを10日目まで実施するという形をとっております。
最終日は,11日目,反省会と称しまして,参加学生によるディスカッションです。大体9名から13名ぐらいで,1クールをやっていますので,2班に分かれてディスカッションをしていただきます。
ディスカッションの内容は,銀座アスターの契約社員が定着するためにはどうしたらいいというようなディスカッションをしていただいて,それで皆さんで話し合っていただくというディスカッションをしていただいています。
最後に,模擬面接を実施するんですが,実際にエントリーシートを書いていただいて,私どもが添削をします。添削をして,皆さんにフィードバックをして,この書き方だとちょっともったいないというようなお話をさせていただいて,皆さんの手元に戻すということをしております。
(5)は受け入れ実績です。平成25年の夏から入れさせていただきましたが,平成25年が13名,平成26年が15名,平成27年が21名,今年が22名ということで,徐々に増えてきたというところです。その中には,当社の大卒の選考に参加していただいた方も増えてきたと考えています。
(6)SEEと書いてありますが,学生の皆さんに,アンケートを最後に書いていただいて,担当者小林はどうだったのか,不満だったかなど,これは無記名で書かせていますので,大体満足で丸を付けていただけています。学生の温かい気持ちを頂いていますけど,こういうふうな形で付けさせて,実際に私たちもどうだったのかということを振り返っているというところです。
(7)なんですけれども,参加学生や受入れ店舗の声ということで,学生から1から5と,店舗から1から4と,これは抜粋の形ですが,原文のまま載せさせていただきました。
賄いは毎日違うメニューがいいとか,更衣室が狭かったなどの意見があります。人によって指示が違うというのは一番困ってしまいますね。ただ,学生の5が,きょう一番伝えなくてはいけないことで,想像以上に魅力の詰まった会社だということで,これはうれしかったです。
店舗からいうと,やはり,各店舗で必ずやらせてほしい仕事を提示してほしいと,統一感を持たせてほしいということは,アンケートの中にありました。
(8)で,反省点なんですが,やはり人数が増えていくと,1クールで2名,同じ店舗に配置せざるを得ないということがありました。こうすると店舗の負担も増えてしまうので,この辺が課題かなと思います。
やはり,店舗によって,協力姿勢の差があるということで,ここは実感をしたので,来年度への課題を残したというところです。
最後になりますが,ここで書かせていただきましたが,インターンシップをやる理由はいろいろあると思います。その中で,青田買いというんでしょうか,早期に採用ということは,気持ちとしては私は持っていません。
ただ,二十数年前,私が学生だった頃はこんなに勉強していたのかなというと,全然していなかったので,彼らが今やるべきことがいっぱいある中で,学生たちに我々企業の人間が何を示していけるのかということは,一番重要だと思っています。
私としては,実際に選考に臨んでもらうこともうれしいんですけど,将来的に,銀座アスターでインターンシップをやってよかったよ,あんな人,こんな人いたねと言いながら,アスター麺や焼麺を食べていただくことが,私としては1つの目標なのかというところです。
取りとめもなく,話してしまいましたが,以上が,銀座アスターのインターンシップの取組の状況でございます。どうもありがとうございました。        (拍手)
【荻上座長】  どうもありがとうございました。
それでは,最後に,全国中小企業団体中央会より御推薦を頂きましたシバセ工業の磯田拓也様からお願いいたします。
【磯田様】  パワーポイントでのプレゼンのような資料を準備していませんので,お手元にある資料に従って,御説明をさせていただきたいと思います。
私は岡山から来ました,中小企業のシバセ工業の代表取締役です。創業は大正15年です。かなり古いですけれども,元々そうめんの会社であったのが,2代目がストローを取扱いまして,今現在,私は3代目として,ストローを飲料だけでなくて,工業や医療といった分野に,薄肉パイプというパーツとして使ってもらったりしております。また,モーター用の自動検査装置の開発をしております。私は,前職で15年ほどモーターの会社にいて,それから,シバセ工業の親戚になりますので,跡を継いでほしいということで,地元にUターンで帰りまして,事業を引き継いだといった形でやらせていただいております。
年商は3億円ほどで,従業員としては32名ほどの会社になります。
私どものインターンシップの概要です。職場体験という形での取組の目的なのですけれども,中学生の職場体験は,以前からずっと続けておりまして,特に地元の人材,中学生も大人になって,会社に入ることになりますので,人材育成という点で取り組んでいます。
大学生のインターンシップに関しては,去年から始めたのですが,これも新卒採用をしたいのだけれども,私どものような中小企業を,名前も聞いたこともなければ,何をやっているかも分からないような会社だと,応募さえも来ないということで,学生に中小企業はこういうことをやっているということを知ってもらいたいということで,やっております。
社員教育ということで,やはり人に教えるということは自分が成長するのだという観点で,インターンシップに取り組んでおります。
私どものインターンシップの期間は,中学生が大体3日間ぐらいなのですが,大学生ですと,5日間から約2週間ぐらいです。
通常の社員と同じ仕事をやっており,報酬はありませんが,交通費,昼食は支給しております。
特に昼食については,会社のお弁当を支給して,社員と一緒に食べてもらっています。そのときにいろいろ話をしていくと,この子はいろいろコミュニケーションがとれるであったり,学生にとってはこの会社はどうなのかということがよく分かると思いますので,そういった意味でも,昼食を一緒にとるようにしております。
実際の具体例ですけれども,今回の趣旨とは違うかもしれない中学生も入れており,ほぼ同じような形でやっております。
資料に学校名まで入っておりますけれども,実は,里庄中学校というのは私の母校です。私もこの中学校を出ておりますので,地元に帰って,何かお手伝いをさせてほしいという中で,この職場体験ということでさせていただいております。
その中で必ず入っているトイレ掃除は,実は非常に力を入れてやっております。中学生から大学生を含めて,トイレ掃除も必ず毎日やっております。
次のページに,今度は大学生,これは去年の話になるのですけれども,岡山理科大学の方から5人です。やっている内容としてはトイレ掃除をまずやります。実際のストローを作っている製造現場に入って,製造の体験もします。3Dプリンターや3D‐CADの体験もしてもらいます。これは,中学生の方にも体験してもらっています。
そういったものの,実際3日や5日では何にもできないけれども,社会に出たらこういうことをやるのだという体験をしてもらっております。
去年は岡山理科大学や福山大学から来ていただきました。福山大学については,インターンシップフォーラムという会に参加したときに,ちょうど同じグループに座られた方が福山大学の先生でして,その方と懇意になって,是非という形でやらせていただいた経緯があります。
あとは,いろいろな学校の方から来られるのですけれども,例えば,岡山情報ビジネス学院,岡山県立大学,岡山大学など,いろいろな学科であったりしていますけれども,ほぼ同じようなスケジュールでやっております。毎日,トイレ掃除をやってから,現場に入るということをやらせていただいております。
大体そのようなことをやっておるのですけれども,6ページ目に私どものインターンシップ,何でそういうことをやるのだというようなことを,少し書いております。トイレ掃除は,私どもの会社として,やはり大切な部分になりますので,毎日30分間,工場内の掃除の中でトイレも掃除をしておりまして,特に私はトイレ掃除の責任者になっておりますので,私の方から,毎回,初日にはトイレ掃除の仕方を教えております。掃除の仕方を教えるだけでも30分はかかります。
実際にやりながら,便器の中に手を突っ込んで,掃除するのですけれども,そのときに,特に工学部の方であったりすると,小便器の方のラビリンス構造であったり,臭いは物質であるから,それが付いてそのまま歩いたらいけないと,そういう話をしていくと,結構理解していただけます。ただ単にトイレをきれいにするということでなくて,理論的にどこを掃除しないといけないかとか,何のために掃除をしないといけないかということを理解してもらえるように話をしていくと,学生も最初はうえっという感じで言っていたものが,最後,4日目,5日目になると,非常にきれいにしていくことで,気持ちがいいと言ってもらえるようになってきます。
特に大企業の優良企業は,どこへ行っても,トイレが非常にきれいですから,やはりトイレは一番きれいにしなければいけないということを,学生にも知ってほしいということでやっております。会社のことを忘れても,トイレだけは死ぬまで使うものですから,是非トイレ掃除を覚えて帰ってもらったらと考えております。
製造現場の方には,2日ほど実際に入ってもらいます。中学生も大学生も2日間ほど入るのですけれども,実際にはストローの製造現場,特に機械で作りますので,機械でできたものをとっていくといった作業になります。
ただ,人の目で見てやるものですし,不良品が出てしまうと,大変なことになってしまいます。しかも立ち作業ということで,特に女性がやりますけれども,なれないと立ち作業はなかなかきつかったりするのですが,特に中学生には,仕事は本当に大変なのだということを知ってもらいたいですし,実際,大学生の方は,そういった現場に入るということも,会社に入ってから,なかなかないと思いますので,そういったことをしている人がいるのだということを知ってもらった上で,勉学に励んでもらったらいいのではないかと思っております。
機械を使ってやりますので,どうしても自分のペースでやるわけにいきませんから,そうすると,やはり器用であったり,不器用であったり,そういったことが分かってきますので,この子はどうかといったことも分かってくるわけです。
そういったことも見たりしながら,先ほど言いましたように,昼食の際も,実際,社員と一緒に食事を食べてもらいながら,コミュニケーションができる子かどうかといったことも見せていただいたりしております。学生の方も,当然,会社の細かいところもよく分かると思いますので,理解してもらえるのではないかと思います。
実際,3Dプリンターや3D‐CADも,中学生でも半日もあれば覚えて,作れるようになりますので,そういったことも取り組んでおります。実際,中学生は現場に入って3日もずっときついだけの仕事をしていると,仕事は嫌だなとなってしまいますけれども,最後の日に結構楽しいことをやらせてやると,非常に喜んで帰ってもらえますので,仕事に対するイメージも,非常に変わるのではないかと思います。
LabVIEWというプログラムをやったりするのですけれども,こういったプログラムも試してもらったり,特に経営学部の学生には,会社の決算書を見せたりしながら,実際,中小企業の経営はこうなのだという話をいろいろさせてもらったりしています。営業の体験をしたり,企画開発など,学部や学生の要望に合わせて,プログラムを組んでいくということをやっております。
効果として,去年インターンシップで初めて来られた学生が,我が社を気に入ってくれて,応募はして内定も出したのですけれども,最終的には,残念ながらよそに行ってしまいました。
インターンシップではないのですけれども,中国地域ニュービジネス協議会というところが,企業の魅力発信グランプリというイベントがあり,各企業の魅力を取材する取組で、くじでしたが学生に企業に来てもらいました。来てくれた学生は,全く当社のことも知らなかったのに,非常にいいということで気に入ってくれて,来年には入社してくれることになりました。やはり,そういった突然の出会いによることもあるのではないかと思います。
私どもは,インターンシップに関しては,キャンパスウエブというインターンシップの仲介をやっているところからのものが多いのです。岡山県は,これに参加している大学や学部が非常に多いのですけど,ほかの都道府県にはありません。実は私の子供もほかの県の大学に行っているのですけど,インターンシップに是非行ってと言っても,お父さん,どこで申し込んだらいいのと聞かれて,困ってしまったのです。
最後に,いろいろ要望や提案というふうに書かせていただいたのですけれども,どうしてもインターンシップ先の企業を学生側の希望で選ぶと,有名企業や大企業に行きたいということが当然だと思います。
ですから,大学や団体が,できれば無作為とか,何らか作為的にでも,学生を中小企業の方へ強制的に派遣させるような取組があったらいいなと思います。
当然,学生の方は,知る機会もなかった中小企業に接することで,もしかしたら,中小企業に興味を持つかもしれないですし,学生に興味を持ってもらえるような企業作りをすることによって,中小企業の競争力の強化にもなるのではないかとも思います。
中小企業にそういった学生が入社すれば,当然,中小企業の技術力が高まってくるでしょうし,大企業が使っているような部品は,ほとんどが中小企業で作っているわけです。中小企業が強くなるということは,当然,大企業の競争力も高まるということになると思います。
大企業の方が,中小企業でインターンシップをした経験を,採用に考慮することにすれば,学生も中小企業でインターンシップをしようかと思うようになるかもしれないですし,中小企業に行って,非常に厳しいといったことを知ってから,大企業に就職すれば,こんなはずではなかったという早期退職も減るかもしれません。
中小企業の技術力を知ってから,大企業に就職すれば,あそこはそういったすごい技術を持っていたみたいなことが生かせるかもしれません。
先ほどトイレ掃除の話もさせていただきましたけど,大企業に入ると,トイレ掃除をする機会もないと思うのですけれども,トイレ掃除は,下を向いて掃除する謙虚な姿勢が必要ということで,そういったことも,大企業の新人教育になるのではないかということです。
キャンパスウエブのような費用面を含めて,どうしても中小企業としては,余り費用を掛けたくないわけで,普通の民間企業で何十万円もかけて,インターンシップの募集をするというわけにもいかないですから,是非そういった取組を作っていただけたらと思います。
以上で発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。      (拍手)
【荻上座長】  ありがとうございました。
企業の方から,3件の事例の発表をしていただきました。
それでは,残りの時間を質疑応答に当てたいと思います。前半に発表していただいた方への御質問,御意見等も含めていただいて結構でございます。どうぞ御自由に,御発言お願いいたします。
どうぞ。
【堀委員】  申し訳ありませんが,退席しなくてはいけませんので,先に質問をさせていただきたいと思います。
崔さんと藤巻さんにお伺いしたいんですけれども,先ほどの松高先生のお話によりますと,地域のインターンシップ推進協議会についての全容がよく分かっていないというお話がありましたが,崔さんのお考えで,今後,地域間のインターンシップ推進協議会の連携が進むかどうかについての御意見をお伺いできないかと思っております。
今回,非常に貴重なJR東日本様,銀座アスター様,シバセ工業様の事例をお伺いしたんですけれども,藤巻さんには,経済同友会版インターンシップにおきまして,インターンシップの学生に対する効果というものを,どのように測っていらっしゃるか,是非お伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。
【荻上座長】  では,順番にお願いいたします。
【崔委員】  今のところ,九州では,広域でのインターンシップという形で,九州知事会で決まった形で,長崎県のインターンシップ推進協議会が取りまとめをして緩やかにやっているんです。各県の協議会もいろいろな経緯で作られています。県に属していたり,うちのように100%経済団体がやっていたりもするんですけど,今のところはそこまで緊密な連携はとっていません。
うちの枠は,加盟している大学に,受入れ企業の情報を全部オープンにしてから,それは,私どもが終わってから,交流の枠だけを共有する形をとっている感じです。
ただ,九州7県の中でも,別の県の取組をそこまで詳しく調べていなかったので,3か月前からうちの職員たちと回っているんです。これからその連携を強めていく方向で持っていくつもりであります。
以上です。
【松高委員】  まず一言だけ。地域の連携組織が今後進むかの前に,地域の連携組織が継続して存続するということが,まず大前提なんです。経産省の調査でもあったんですけど,やはり,できては潰れということで,安定的に継続するということがまず大前提だと思います。
【荻上座長】  では,藤巻委員。
【藤巻委員】  よろしいですか。
ありがとうございます。非常に重要な御質問です。先ほど申し上げたように,1年目なので,やはり,効果を含めて,その感触を得ながら,学生が大学に戻ってから,教員がどのように育てるかということが極めて大きいので,そこのところのチェックを,私どもとして,どういうふうに大学にお願いするかを含めて,今,いろいろとレビューの仕方も考えているところです。また,恐らく何年かしたら,全て定着して,報告できるのではないかと思います。そのような考えで今はやっております。
【荻上座長】  よろしいでしょうか。
【堀委員】  ありがとうございました。
【荻上座長】  それでは,ほかの委員の方,いかがでしょうか。
【岡崎委員】  よろしいですか。
【荻上座長】  どうぞ。
【岡崎委員】  就職みらい研究所,岡崎と申します。本日,御発表くださった皆様,本当にどうもありがとうございました。
前半の,委員のお三方に伺います。インターンシップの質的向上につきまして,皆様それぞれ,御提言をなさっておられ,大変勉強になりました。
一方で,この会議におきましては,量的拡大も重要なテーマだと認識しております。第1回目の際に,特定の単位取得を目的としないインターンシップは,学生の2.6%しか行っていないという共有もありましたが,ここから量的に拡大するためには,何が鍵なのか,それぞれのお立場の中から,是非御助言を頂けたらと思います。
【荻上座長】  どなたからでも結構です。
【松高委員】  量的に拡大する場合,どのレベルの量でということもあると思うんですけれども,やはり,ある程度,量を増やすのであれば,大企業が多く受け入れるということが,まず大前提になってくると思うんです。やはり,中堅・中小企業ですと,どうしても人数が少なくなってきますので,そこを拡大していくということは,非常に困難です。数的なところは,やはり,大企業がどれだけ受入れの数を増やしていくのかということだと思います。
どの学生を,どのレベルで増やしていくのかということを,一律に行かせるということは,なかなか難しいと思いますので,その辺をどうするのかということが,前提になってくるかと思います。
【荻上座長】  お願いいたします。
【崔委員】  弊団体の場合は,量的に拡大することによって,学生の負担,大学の負担が発生します。1人当たり1万円という費用が発生します。昔のように,インターンシップがなじんでいない時代では,それでもマッチングやインターンシップの紹介ということを,協議会でやっていただけるということで,皆さんこちらに任せてもらえたところを,大学独自でされているところが増えているので,なかなか難しい点があるんですけれども,先ほど申し上げましたように,まだやれてない大学もいらっしゃると思います。
大きな大学でなくても,たくさんの規模的に小さい大学,地方に行けば行くほど,そちらの大学,教職員でできていないところを発掘して,量的拡大を図っていこうということを考えています。
自治体の方々の場合,すごく分かりやすかったことは,県の所轄の市町村と連携することによって,そちらが持っていらっしゃる企業のネットワークが,そのまま入ってきていることを,今回経験させていただいたので,その辺を具体的に取り組んでいきたいと思っています。
【荻上座長】  藤巻委員,お願いします。
【藤巻委員】  確かに,おっしゃるように,参加学生の割合が低いということは課題とは思いますが,私どもに関していえば,いたずらに数を増やすつもりはありません。まず,質を追求するということに尽きると思っています。
ただ,なるべく学生に経験してもらいたいわけであり,インターンシップは,キャリア教育であるとともに就業体験でもあるので,そういうところは,地道に取り組んでいく必要があると思います。余りハードルを上げて内容を高めると,なかなか受け入れ先も難しくなります。この会議でも議題になるのかもしれませんし,インターンシップの定義にも関係するのですが,やはり,就業体験の機会はたくさんあった方がいいのではないかと思います。
【荻上座長】  ありがとうございました。
【松高委員】  数を増やすのであれば,去年でしたか,国会にはかからなかったですけど,キャリア教育推進法の原案を見ますと,インターンシップの推進についての記載があったと思うので,法整備を行うことでも一気に拡大すると思います。
【荻上座長】  ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
【門間委員】  御発表ありがとうございました。
松高先生と藤巻委員に御質問です。私は石川県人材育成機構の門間です。石川県で私どもが取り組んでおりますインターンシップの中で,まず,一,二年生から企業を知らないと,特に中小企業に参加してもらえないのではないかということで,一,二年生向けのインターンシップの受入れを,今年度から企業にお願いしておりました。
石川県の企業は,多くが中小企業でございますので,やはり,中小企業の中ではそこまで手を掛けられないというか,一,二年生の受入れには抵抗がございまして,実際,申し込みがあって,マッチングの選考の際にも,企業の方から,できれば3年生がという御相談を受けたりもしておりました。
そうした中で,先ほど藤巻委員のお話にもあったように,企業の方がもう少し広い視点で捉えられるようにという御意見もあったと思いますが,そうしたところの企業の方への説得の方法です。私どももやっているんですが,なかなか大所高所で捉えるということが,中小企業の方にとって難しいという点が1つございます。なので,その説得の方法として,より効果的なものがあるかということについてお伺いできればと思います。
また,松高先生にお伺いしたいことは,石川県では中小企業の魅力が十分発信できていないのではないかということで,先ほどのハイブリッドの授業のようなことを,県内の大学コンソーシアムとも連携しまして,各大学と中小企業との勉強会ですとか,事前講習の勉強会も,企業を交えて一緒にやっております。
ただ,実は大学で単位化されておりませんので,企業の集まりは非常によいのですが,学生の参加率が非常に悪い。そうした中で,やはり,余りレベルの高い大学というわけではございませんので,どういうふうに学生のモチベーションを高めるのかということ,特に低学年の学生の動員を図っているんですが,なかなかそこは難しい。ですので,低学年の学生に対しても,どのように打ち込んでいったらより効果が出るのかということをお伺いできればと思います。よろしくお願いします。
【荻上座長】  では,松高委員から。
【松高委員】  低学年の学生への打ち込みは,我々も本当に苦労しているところで,何を言うと学生に響くのかということは,我々も手を変え品を変えやっているんですが,なかなか響かないです。お答えには全然なっていないと思うんですが,地道に言い続けるしかないのではないかと思うんです。
やはり,先輩学生の声が学生には一番効きます。そのためには、ある程度年数が固まってくると,循環して一定数集まると思うんですが,そこまで持ちこたえて,頑張り続けて,こちらがへこたれずにやるということしかないような気がします。
【門間委員】  ありがとうございます。
【荻上座長】  藤巻委員,お願いします。
【藤巻委員】  おっしゃることは,私もよく伺いますけれども,先ほど申し上げたように,私どものような大企業を中心にしたものと,地方の中小企業の事情は違うのではないかということがあります。
UターンもIターンもそうですけど,なるべく地元に学生を定着させたいというニーズが,地域や企業にもあるのでしょうけれど,学生の目が東京に向くとか,東京の大学に行ったら帰ってこない。やはり,多感な時期に東京でいろいろな未知の体験をすると,魅力的なのでしょうね。
中小企業のいろいろなお悩みなども伺いますが,企業体力も違いますし,そういう意味では,採用につながるものであれば受け入れるという話を聞いたりもします。
【門間委員】  ありがとうございます。
【荻上座長】  ほかにはいかがでしょうか。
藤巻委員のお話の中にも出てきましたが,大学の単位化といいますか,キャリア教育の一環としてインターンシップを教育の中にきちんと位置付けるということが,なかなか進んでいないという現状はあると思います。これは,私も非常に痛感いたしますが,そのことも,量的な拡大を妨げている1つの要因と言えるでしょうか。
【藤巻委員】  先生方も御案内のとおり,学生の参加率は,余りにも低過ぎるのではないでしょうか。
【荻上座長】  低いですね。
【藤巻委員】  何かしてというよりは,やはり,みんなでやるしかないのではないかというレベルだと思います。つまり,中堅大学など,いろいろな学校,学生も含めていろいろ考えていかないと,数字は増えないような気がします。
ですから,申し上げたように,就業体験でもいいから,とにかく企業の門をたたこうとか,あるいは,教員が企業といろいろと頑張って交渉していただいて,つてをたくさん開拓してやっていくということを,各大学全部が一遍にやらないと,数字は目に見えて良化しないような気がします。
【荻上座長】  先ほどお話の中にもありましたが,京都産業大学のように,インターンシップを何種類も,きちんと教育課程の中に位置付けているという大学もある一方で,いまだに単位化などが全く進んでないような大学もあると思います。私は,その辺りが非常に大きな問題ではないかと,ずっと思っているところでございます。
その辺り,加藤委員,何かありますでしょうか。
【加藤委員】  その点については,正にこの会議で,今後,検討を重ねていかなければならない重要な論点だと思っています。
【荻上座長】  そうですね。方策が難しいですね。
【加藤委員】  きょうは,せっかく委員の方以外に,3社からおいでいただき,本当にありがとうございます。お1人ずつ聞きたいぐらいだったんですけれども,時間が限られているので,私は,シバセ工業株式会社の磯田社長に,是非ともお伺いしたいんですが,私はインターンシップを担当するときに,たくさんの企業を回りました。そのときに,なかなか社長に行き当たらない。大きな企業が多いんですけど,インターンシップというと,大体,人事部の方に回されまして,人事部ですと,どうしても採用ということを,半面,置きながらという話になります。
採用を抜きにして,インターンシップについて直に話ができるのは,やはり社長なんですね。社長とお会いできるのは,やはり中小企業なんです。とはいいながら,中小企業の社長は,経営が非常に厳しい企業が多いです。どこもそうだと思います。正直言って,インターンシップどころではない。先ほど申し上げましたけど,非常に負担もある話なので,採用に直結するならともかく,そんな簡単に乗れるような話ではないということで,おおむね断られたり,冷ややかな反応が多かったです。
懐かしいのは,ドイツ人の合弁企業の社長が,正に磯田社長と同じように,我が社には直接採れなくても,言うなれば,地域貢献であるとか,社会貢献であるとか,社会の一員として,中学生と大学生を両方とも継続して受け入れておられて,こういう社長がどうして増えないかということを,ずっと思い悩んでいたんです。
委員ではないので,もうきょう限りかもしれませんので,是非教えていただきたい。あるいは,感じるところがあったら,言っていただきたいんですが,磯田社長のような方を増やすには,こういった委員会,あるいは,大学,企業,経済団体において,何をすればいいんですしょうか。どのような支援の仕方がありますでしょうか。教えていただきたいんです。
【荻上座長】  よろしくお願いします。
【磯田様】  ちょっと困ってしまいますけれども,どうしたらいいかということは,本当に分からないのです。
ただ,私は,先ほど申し上げたように,実はUターンで地元に帰りまして,それまでは,日本のあちこちに行ったりしていたのですけれども,やはり,地元に帰ってきたときに,地元で何かしたいということも,一つありました。私の子供も外に行ってしまって,帰ってくるかどうか分からないわけです。
それでも,やはり帰ってきてほしいし,何年たってからでも,とにかく帰ってもらえればいいわけなのです。そのときに,帰れる場所がないと,働ける場所がないと,どうにもならないのです。
以前に,私どもで採用した人で,40代でエンジニアの人がいました。東京の方の研究所にいて,非常に優秀だったのですが,岡山に帰ってきて,仕事がなくて,パン屋でアルバイトをしていました。そういう人が,1度来たことがあったのですが,残念ながら辞めてしまったのです。やはり,どうしても働く場がないということが,一番の問題です。
私は以前に開発をしていたものですから,開発のできる人を育てるようにしたいということで,今やっております。そうすると,開発が地方でできれば,開発したものをまた生産すればいい。
そうすると,他人が作ったものではないわけですから,自分たちで開発したものであれば,自分たちでできますから,そういう人材を育てていきたい。そういった中で,インターンシップ,学生がもっと勉強して,我々を知ってもらって,1度は外に行ったけど,もしかしたら,帰ってきてもらえるかもしれない。
中学生にしても,将来,地元に戻ってきてもらいたい。今,地元に,ほかにもたくさんいい企業があるのですが,やはり知らないのです。特に中学生や高校生ぐらいだと,全然知らないですから,どうしてもコマーシャルをしている企業であったり,有名な大企業であったり,そういったところにしか目が向かないわけですから,地元にもいい企業がたくさんあることを知ってもらいたいです。
そういったところを知ってもらえるようにしたいということで,以前には,自分も学校へ行って,何か手伝わせてほしいと言って,ロボコンのお手伝いをさせてもらったりもしていたのですけれども,そういうことで何らかの形で関わっていきたいと思っています。
ただ,やはり,中小企業ですので,どうしても人が少ないですから,たくさんインターンシップで来られても,指導が行き届かないわけですから,できない場合もありますが,そういうふうに知ってもらえる場があればよいと思っています。
去年は12人ぐらいインターンシップに来ました。先ほどの岡山理科大学で,授業で90分ほどお話をさせていただける機会がありました。そうすると,その場で,こういう会社があるのだということを知ってもらえます。インターンシップは,その後だったものですから,非常にたくさんの方に知ってもらえて,やはり,それで来てもらえたということがありました。ですから,そういった知ってもらえる機会をたくさん作っていただければ,うれしいと思います。
もちろん,宣伝にお金をかければいいのですけど,中小企業の場合,そうはなかなかいかないですから,そういったところで,学生,大学に対する企業説明会や,そういったことができるような場をどんどん作っていただければ,まず第1段階として,知ってもらえます。インターンシップの募集をしているのであれば,それを見て,来ていただけるようになると思います。そういう場がなければ,インターンシップの募集を出していても,多分来ないと思いますから,やはり,そういった場を是非作っていただけたらと思います。
中小企業でも,多分,やればできると思います。ですから,ただ単に,みんな,腰が引けているだけだと思いますので,どんどんやってもらえるようにやれば,1度やれば,多分,できるようになると思います。
ただ,最初の1回目がなかなか踏み出せないものだから,なかなか参加しないと思います。私もどうなるか分からないけれども,とりあえずやったら,意外といけましたから,恐らく,今後もどんどんやっていきたいと思っています。1度やると,やはりやり方も分かってきますから,今度は効率よくできるようになってきますので,そうすると,どんどんできるようになってきます。最初の一歩を踏み出せばと思いますから,是非,踏み出すように,誘ってあげてもらったらと思います。
ありがとうございました。
【荻上座長】  どうもありがとうございました。
予定した時間になりましたので,きょうはこの辺りにしたいと思います。
6人の皆様,それぞれのお立場から,事例発表をしていただき,大変ありがとうございました。大変有意義なお話をお聞かせいただきました。
しかし,我々の課題であるインターンシップの拡大,特に量的な拡大ということを,議論していかなければいけないわけですが,どういう方策があるのか大変難しいということが,ますますはっきりしてきたかと思います。きょう頂いた事例発表並びに意見交換を基にして,この先の議論を進めていきたいと思います。事務局の方は,きょう頂いた御意見等を生かして進めていくように,この先のプログラムを組んでいただければと思います。
それでは,今後の予定等について,事務局の方からお願いいたします。
【福島専門教育企画官】  資料の7にあるとおり,今後の予定ということで,第3回といたしましては,12月22日の予定と書かせていただいております。
調査の進捗状況により,若干の変更があり得るということで,御承知おきいただければと思いますけれども,調査の結果の報告,今,座長からお話がありました,これまでの意見等を踏まえた議論という形で,少し整理をさせていただければと考えております。
以上でございます。
【荻上座長】  それでは,きょうはこれで閉会にしてよろしいでしょうか。
どうも長い時間ありがとうございました。
御発表いただいた方々に,改めてお礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

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-- 登録:平成29年02月 --