資料2 検討課題への対応について(素案)

検討課題への対応について(素案) 

 

 

以下に置いて,現在一部先行導入している所得連動返還型無利子奨学金制度を【現行】とし,平成29年4月進学者から適用するより柔軟な所得連動返還型奨学金制度を【新制度】とする。


<特に優先して検討すべき課題>
 平成29年4月新規貸与開始に向けて速やかに決定すべき事項

〇対象範囲
1.学校種(高等専門学校,大学,短期大学,専修学校専門課程,大学院) 
 現行  大学等(高等専門学校,大学,短期大学,専修学校専門課程)
 新制度 大学等に加えて,大学院を含めるか検討

  現行制度において大学院を対象外とした経緯・理由
   1.大学院には業績優秀者返還免除制度があること
   2.大学学部等の高等教育機関への進学を促進するため
   3.家計基準が,
  ・大学等は家計支持者(父母等)の収入・所得,
  ・大学院は院生本人の収入・所得, 
と異なるため
  4.大学学部で奨学金を利用していた学生が,大学院で奨学金を利用するときに所得連動返還型無利子奨学金制度の対象になると,
  ・大学学部の奨学金返還は返還猶予が10年まで,
  ・大学院の奨学金返還は年収300万円を超えるまで返還猶予が何度でも可能,
となり,返還猶予を利用できる期間が異なってしまうため

2.奨学金の種類(無利子奨学金,有利子奨学金)
      現行  無利子奨学金のみ
      新制度 無利子奨学金に先行導入(有利子奨学金については,無利子奨学金における所得連動返還型の運用状況を見つつ,将来的に導入を検討)

3.貸与開始年度(遡及適用の可否)
      現行  平成24年度より(遡及適用なし)
      新制度 平成29年度新規貸与者から適用する(ただし,経過措置については検討中)

〇返還方法
4.返還方式(所得に応じた返還方式,一定額の返還方式等)
      現行  年収300万円を超えてから,所得に関わらず一定額を返還
      新制度 以下の二つのタイプの選択式とする
             新所得連動型:所得に応じて返還月額が変動
            定額返還型:所得に関わらず一定額を返還(現行制度の拡張版)

5.返還月額の下限
   現行  学校種と貸与総額に応じて異なるが,大学(学部4年間,毎月3万円貸与,貸与総額144万円)の場合は,返還月額9,230円(13年で返還完了)
   新制度 新所得連動型:諸外国の例も参考にしつつ,社会保険料等の控除後の所得(所得税の課税対象所得の算出方法を準用)の9%を年間の返還額として試算(別添資料を参照)
 定額返還型:新所得連動型の返還月額の下限と整合性を持たせつつ設定

6.返還率(新所得連動型のみ)
   現行  設定なし(返還月額は,貸与総額に応じ設定。年収に関わらず一定)
   新制度 案1 9% 
 <返還率の案を9%と仮置き> 
  諸外国の例も参考にしつつ,新制度の導入により返還負担の軽減を図るため,現行の最低返還月額9,230円を踏まえ試算(別添資料を参照) 
(参考)年収300万円の場合の返還月額 
 返還率10%の返還月額 約9,500円 
  返還率09%の返還月額 約8,500円 
案2 9%からスタートし,所得の上昇に応じ返還率も上昇(変動)
 (例)年収400万円までは 9%
 年収500万円までは10%
 年収600万円までは11% 等

〇所得の算出方法
7.所得の算出方法(年収又は課税対象所得,課税対象所得の算出方法等)
 現行  設定なし
新制度 新所得連動型:課税対象所得(所得税の課税対象所得の算出方法を準用)
 <計算式> 
課税対象所得 = 給与等収入 - 所得控除※ 
 ※ 所得控除:給与所得・基礎・社会保険料・扶養・介護等を控除 
  定額返還型:設定なし

8.個人主義又は家族主義(世帯年収の把握を含む) 
      現行  個人主義
      新制度 個人主義若しくは家族主義

〇保証制度
9.人的保証,機関保証の見直し 
      現行  人的保証と機関保証の選択制 (H26実績 人的保証(54%)機関保証(46%))
      新制度 人的保証と機関保証の選択制のままで良いか

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