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理工系人材育成に関する産学官円卓会議(第9回) 議事録

1.日時

平成28年7月11日(月曜日)9時30分~10時30分

2.場所

経済産業省本館17階西7 第1特別会議室

3.議題

  1. 理工系人材育成に関する産学官行動計画(案)について

4.出席者

委員

内山田委員、野路委員、横倉委員、須藤委員、大西委員、藤嶋委員、谷口委員、神谷委員

文部科学省

常盤高等教育局長、松尾大臣官房審議官、浅野専門教育課長、福島専門教育課企画官

経済産業省
末松産業技術環境局長、飯村大学連携推進室長、渡邉産業技術政策課長

5.議事録

【福島専門教育課企画官】  それでは,定刻になりましたので,第9回の理工系人材育成に関する産学官円卓会議を開催させていただきます。座長の大西先生が電車の都合で10分ぐらい遅れそうだということでございますので,せん越でございますが,事務局の方で少し当初進行させていただきたいと思います。
 委員の皆様方におかれましては,本日御多忙にも関わりませず,本会議に御出席いただきまして,まことにありがとうございます。文部科学省の専門教育課の福島でございます。よろしくお願いいたします。
 本日は,秋山委員,上野委員が御欠席でございます。また,横倉委員が急きょ御欠席ということでございます。
 それでは,まず会議の開催に先立ちまして,事務局に人事異動がございましたので,御挨拶をさせていただければと思います。


【末松産業技術環境局長】  皆さん,おはようございます。先月17日付けで産業技術環境局長に着任した末松でございます。御案内の方もいらっしゃるかもしれませんが,前職は農林水産省の農村振興局長でございます。これから広く政府ではいろいろな施策を省庁の壁を取っ払って進めていこうということで,こういう人事異動は大変いいことだと思うのですが,本人にとってはなかなかつらいところがあるというのが実感でございます。
 昨年5月より回を重ねてきましたこの会議も,いよいよ行動計画の取りまとめの段階になってきております。産業界の将来の発展のために貢献する理工系人材を育成確保するということで,具体的なアクションについて,本日の御議論も踏まえて,行動計画として整理させていただきたいと考えてございます。そして,取りまとめていただいたものを我が省としても着実に推進していきたいと思っております。
 本日も忌たんのない御意見を賜りますようよろしくお願い申し上げます。


【渡邉産業技術政策課長】  17日付けで,前任の髙科の後任で参りました,政策課長の渡邉でございます。よろしくお願いいたします。


【飯村大学連携推進室長】  同じく6月17日付けで前任の宮本の後任として参りました飯村と申します。よろしくお願いいたします。委員の皆様には,本日電話帳のような厚い資料を置かせていただいております。これは会議の中でお示ししました定量的なデータに基づく議論ということで,それをまとめたものでございます。御活用いただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。


【浅野専門教育課長】  6月21日付けで文部科学省の専門教育課長に北山の後任で参りました浅野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。


【福島専門教育課企画官】  異動の御挨拶は以上でございます。
 それでは,事務局から配付資料について確認をさせていただきます。iPadに入っておりますけれども,資料のゼロ,これが議事次第及び委員名簿,それから1が行動計画の案,2が,後ほど御説明しますけれども,人材需給ワーキンググループの設置についてという要綱でございます。それから資料の3,これが第8回の議事録,前回の議事録ということでございます。以上でございます。
 カメラの撮影等はここまでとさせていただければと存じます。よろしくお願いいたします。
 それでは,議題に入らせていただきます。本日は,行動計画の案について御議論いただければと思います。まず,資料の1を御覧いただければと思います。資料の1に基づきまして,説明をさせていただきます。
 まず,資料1の1ページを御覧いただきますと,「はじめに」というところがございます。ここは最初の2段落目の最後の方ですけれども,前回,純粋科学,基礎研究が大事だというような御指摘を頂いておりまして,まずその旨を追記しているということ,それから前回の会議で一番議論が出ましたのが,この行動計画の実効性をどのように担保していくのかというような御指摘を頂いております。それを踏まえまして,この1ページの最後のパラグラフでございますけれども,一つは「今後,本行動計画の実効性を高めるため」というところでございますけれども,関係者の周知,あるいは社会への広報ということを徹底をしていくこと,それから,続いてでございますけれども,この計画の進捗状況のフォローアップをしていく。そして,フォローアップをした上で,必要に応じて改訂をしていくということで,実効性の確保に向けた取組について,まずこの1ページで記載をさせていただいているところでございます。
 続きまして,2ページを御覧いただきたいと思います。ここは産業界のニーズ,それから高等教育のマッチング方策等についての部分でございます。資料に基づいて説明をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。資料1の2ページでございます。この資料1の2ページの下の,まずアクションプランの部分を御覧いただきたいと思います。ここの<短期的対応>というところでございますけれども,この会議でも産業界のニーズ,それから高等教育のニーズ,マッチングというところが問題になってございますけれども,産業界のニーズに関する実態調査を継続的に実施して,産業界のニーズの実態について,これは定点的に観測をするということでございます。具体的にはということで,この円卓会議の下に人材需給ワーキンググループを設置するということでございます。
 ちょっと資料を行き来しますけれども,資料の2でございます。資料の2を御覧いただきますと,本日付けで両省の名前の文書の案が付いております。「理工系人材育成に関する産学官円卓会議 人材需給ワーキンググループ(仮称)の設置について」というところでございます。これを御覧いただきますと,まず趣旨でございますけれども,このワーキンググループでは,政府が実施をする産業界のニーズの実態に関する調査,この結果の分析,それから産業界の将来的なニーズに関する議論を行うということと併せまして,この分析に基づきまして理工系人材の質的,量的な充実に向けた対応策を検討するということでございます。
 検討事項としましては,今申し上げたものが(1),(2)ということでございます。このワーキンググループの議論の結果につきましては,この円卓会議に報告をさせていただきたいと考えております。
 それから,実施方法というところです。3ポツでございますけれども,委員につきましては,これはまだ調整中でございますけれども,理工系人材育成に関する知識あるいはこういう人材需給に関する知識等を有する有識者で構成をするということを考えております。
 4ポツ以下は,このワーキンググループの進め方ということでございます。
 本日お認めいただければ,この形で進めていきたいということでございます。
 そうしましたら,資料の1にお戻りいただければと思います。資料の1の3ページを御覧いただければと思います。ここは先ほどのマッチングの部分の教育機関のところでございます。ここにつきましては,大学関係者による協議体,これを関係団体等の協力によって設立をして,この行動計画に掲げられた,教育機関に求められる役割,対応策につきまして,具体的な検討をするということ,それから進捗状況を確認,検証して翌年度の取組に反映させると。こういう形で教育機関についても実効性を確保していきたいということでございます。
 続きまして,資料の4ページを御覧いただければと思います。前回のこの会議で,いわゆる絶滅危惧分野というようなものを御指摘いただいておりましたけれども,そういう学科につきまして,奨学金等についても言及をするべきだという御指摘を頂いておりましたので,この一番上の黒丸のところでございますけれども,そういった学科等に進学する学生への奨学金の給付,あるいはその分野を修了して入社した学生の奨学金の返済支援といったような記載を追加させていただいております。
 それから,次のページ,5ページでございます。ここにつきましては,産業界が求める理工系人材のスキルの見える化というところで,アクションプランを見ていただきますと,産業界のところで理工系人材に求めるスキルを具体的に提示をすると。そういったことを受けて,一番下の丸ですけれども,教育機関は,育成すべき人材の共有をしてディプロマ・ポリシー等3ポリシーと言っておりますけれども,そういったポリシーを定めて,体系的な学習を進められるようにカリキュラムの明確化を計っていくということが書いてございます。
 それから,7ページを御覧いただければと思います。ここは,産業界のニーズを踏まえたカリキュラムの提供というところでございますけれども,この7ページの一番下,「政府」を見ていただきますと,理工系学部の専門教育の基礎となる数理・情報教育の標準カリキュラムの整備に取り組むと。これは産業競争力会議で政府の方から発表させていただいたものに基づきまして,記述を追加しているところでございます。
 続きまして,9ページ以降,産業界における博士人材の活躍の促進方策でございますけれども,10ページを御覧いただければと思います。アクションプラン<短期的対応>というところの「政府」というところで,大学と企業の人材交流,流動性と出ておりますけれども,一つ目の黒丸で,クロスアポイントメント制度の活用のさらなる促進,それから企業の中の優秀な人材に博士号を取らせるための取組というものを政府の方で検討していくということを記述をしております。
 それから,次の11ページでございます。ここは「教育機関」のところでございますけれども,黒丸の三つ目のところで,企業から大学への投資を今後10年間に3倍に増やすという記述につきまして,前回大学改革に取り組むという流れの追加をすべきだという御指摘を頂いておりましたので,本格的な産学共同研究の実施に向けて,大学における産学連携活動の位置付けの向上,あるいは取組体制の強化ということ,この記述の追加をしております。
 それから,続きまして産業界の部分でございますけれども,一つ目の黒丸でございますが,クロスアポイントメント制度を活用して,大学・公的研究機関からの研究者受入れ,それから企業から大学・公的研究機関への研究者派遣を実施すると。これにつきましては,前回特に若い教員に企業へのインターンシップを推進すべきだという御意見を頂いておりますので,追加をしているところでございます。
 それから,四つ目の黒丸でございますけれども,前回博士の就職状況について情報を正確に理解をして発信すべきだという御意見を頂いておりますので,多くの企業が優秀な博士人材に門戸を開いている実態を社会に発信をするという記述を追加しているところでございます。
 続きまして,少し飛びますけれども,14ページを御覧いただければと思います。ここは新規分野の開拓における博士人材の活躍促進という部分でございますけれども,ここにつきまして,前回大学の教員につきまして起業家マインド,そういったものを身に付けさせるということが必要だという御意見を頂いておりましたので,三つ目の黒丸ですけれども,「また」とありますが,教員の事業化メソッド,あるいは起業家マインドの醸成を含めた産学連携に必要な能力の向上の取組という記述をここには追加をしております。
 続きまして,15ページでございます。ここは研究開発プロジェクトを通じた人材の育成というところで,前回プロジェクトマネジメントの能力を身に付けさせることが重要だというような御意見を頂いておりましたので,15ページ,一番上でございますが,大型研究プロジェクト等におきまして,プロジェクトマネジメントに関する能力を備えた人材育成の視点を入れるという記述をここに追加をしているところでございます。
 続きまして,16ページを御覧いただきたいと思います。ここがいわゆる初等中等教育に関する理工系人材,裾野の拡大の部分でございますけれども,ここの中で前回出ましたのは,理科の教員の重要性,あるいは小中高の教員に理数系の素養を身に付けさせるといったような御指摘を頂いておりますので,例えば,ここに当初書いていることですけれども,理科の素養を備えた教員を増やすというようなことを一つ目に追加をするとともに,次の17ページを御覧いただければと思いますけれども,小中高の授業の中で,科学技術の魅力を発信する取組ということで,「教育機関」のところでございますけれども,一つ目の黒丸につきまして,科学技術の魅力を発信する取組を拡大する。あわせて,二つ目ですけれども,産業界と連携をして,理系科目で学ぶ内容が実社会で役立っている現場を体験する機会の提供も視野に入れるというのを追加をしております。
 それから,「政府」の部分でございますけれども,一つ目の黒丸でございますけれども,現在,出前授業等たくさん実施されているわけですけれども,こういったものを個々に取り組むのではなくて,体系的に取り組むということで,地方公共団体の教育センター,あるいは教員養成系大学等を中心に連携する仕組みを取り入れてはどうかということの記述を追加しております。
 それから,次の18ページでございます。ここにつきましては,現在学習指導要領の改訂の議論を進めておりますけれども,三つ目の黒丸でございますが,高等学校で現在スーパーサイエンスハイスクールというところで課題探求といった取組をやっておりますけれども,そういった成果を踏まえて理数探求,こういった科目を作るというものの検討を進めるという記述の追加をしているところでございます。
 前回からの変更点を中心に説明をさせていただきまして,以上でございます。よろしくお願いいたします。


【大西座長】  済みません,遅参しまして。
 それでは,事務局から今説明があったのが行動計画(案)でありますので,これについて御意見を頂戴したいと思います。少し自由に意見交換をさせていただければと思います。今日は最終回ということになりますので,具体的に御指摘を頂くと,修正等を行いやすくなると思います。よろしくお願いいたします。
 どうぞ。谷口委員。


【谷口委員】  基本的に,書いてある内容は非常によくまとめられて,よくできていて大変結構だと思います。
 最初にも言われましたけれども,やっぱりこれを実行に移していくということは非常に大事でありますので,その実行に移すためのモニターというかモニタリングしていくシステムを明確にすることが大切です。一応入れていただいていますが,やはり何か月かに1回とか半年に1回とかに進捗状況を評価する必要があります。数値的なものもちゃんと出して,本当に進んでいるというところをチェックできるというか,進んでいるということをきちんと評価できるような体制が必要です。数値も出して評価していきますよというようなことが分かると,もう少し分かりやすいかなと思います。その辺を含めてこの行動計画をきちんとフォローしていきますよということが明確になればよりよいかなと思います。以上です。


【大西座長】  少し伺いたいと思います。
 ほかにありましたら。
 どうぞ,お願いいます。


【須藤委員】  私も基本的にはこの内容でよろしいかと思いますけれども,一部ダブってしまいますが,最初のマッチングのところですけれども,情報系のところがやはり不足していると思います。産業競争力会議等でいろいろと検討もされていますし必要性はもう言われているんですけれども,情報系というのは2つあって,1つはツールとしてしっかりと勉強してきてほしいというのと,それから,学問としてどこまで整理するかと2通りあると思います。この2つをいかにうまくバランスよく大学の方でやっていくかというのは非常に難しいと思います。この辺を是非うまくやっていただきたい。産業界からすると,ツールとして習得してきてもらっているだけでもものすごく役に立つということですので,よろしくお願いします。
 それから,同じくマッチングで,カリキュラムにつきましては,いろいろなワーキンググループ等これから作っていただいて,産業界からの要望,それから大学の方の実態というものを突き合わせることになると思います。これはしっかり産業界からも提示をしていきまして,うまく大学あるいは政府と一致できるようにしたいと思っております。
 また,大きな2番目の,博士人材のところですが,これはもう今回書いていただきましたけれど,大学改革と一体です。もう一つ,産学連携の改革というのが文部科学省,経済産業省の方で動いていますけれども,これもやはり一体化してくると思います。この中にも入っていますけれども,大きな共同研究を「組織」対「組織」でやると,この中に博士あるいはポスドクの人をいかにうまく入れていって,費用負担もやりながらできるかと。この辺がキーだと思いますので,よろしくお願いします。
 ただ,1点,産業界で議論していてまだ少し違うかなと思うのが,処遇のところなんです。海外等ではドクターコース,博士を持ってくると,普通の人よりも多少処遇がいいと。多少と言いますかかなり処遇がいいというのもあるんですけれども,それが本当に今民間企業で日本の中でできるかどうかという。もちろん年齢がいっていますので,その分は最初から処遇を上げていますが,ドクターを持ってきたからといって特別扱いしてできるかどうかと。これは日本の制度の中でまだまだ難しいところがあると思います。いろいろな人と議論すると,やはり平等じゃないかと。マスターでも学部でもドクターでも,年齢分は加算するとしても,そこから先は実力勝負だという意見もまだまだ日本の産業界にはかなりありますので,米国と同じようにできるかどうかというのは,多分この後また議論が進むと思います。その辺で是非議論を進めていきたいと思っております。以上です。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
 ほかにはどうですか。


【藤嶋委員】  いいですか。


【大西座長】  どうぞ。


【藤嶋委員】  先ほどの起業家マインドを醸成するためにアントレプレナー教育が重要ということで追加していただいていますが,私も最近、公務でシリコンバレーやMITを訪問しまして,日本ではアントレプレナー教育が遅れていることを実感しました。こうして提言として盛り込むことは非常にいいと思うのですが、実際、具体的にどう実行し、そして活性化させるためにどうすべきか、いろいろな面から皆で考えていきたいなと思っています。これまではTLOが中心となり、特許をメインに活動していたように思いますが、近年はURAを組織的に整備する大学が全国的に増えてきて,研究を活性化するために様々な取り組みをしているところです。URAが大学の研究者の研究内容をよく理解し、この知識をもとに企業の方との連携の橋渡しを行うというスタイルが確立されてきており、非常によく回っていると感じるので、これを更に活発にしていきたい、そしてこうした取り組みを通して、アントレプレナーの育成にもつなげることができればよいと思っています。


【大西座長】  どうもありがとうございます。
 ここまでのところで,谷口委員から1点,須藤委員から3点,今,藤嶋委員から1点ありましたけれども,事務局の方で何かコメントがあったら。いきなり聞かれても?
 まず,進捗状況についてチェックできる仕組みですね,定性的なものも含まれると思いますけれども,定量的なものがあればそれを明示しておくというのも有効だと。それから,須藤委員からは,情報系について非常に重要だけれども,このツールと学術といいますか,その両面が情報にあると。ツールだけでも産業界としては有り難いということですが,これをどういうふうにして促進していくかと。それから,カリキュラムの検討について。これは書かれていると思いますが,産業界とも連携したカリキュラムの検討なり協議,それから博士人材については,年数は現在ちゃんと見ているんですかね。2年しか見ていないとかいうところも,修士と同じだというのも聞きますけれども。


【須藤委員】  いや,多分それは少ないと思います。


【大西座長】  5年は?


【須藤委員】  会社によって違うと思います。


【大西座長】  あ,そうですね。


【須藤委員】  私の聞いている限りは,その年数は加味しているところが多いです。


【大西座長】  プラスアルファはないのが普通。


【須藤委員】  そこから先は,基本的には平等という言い方をするというところですけれども。


【大西座長】  というのが現実だということですね。これは少し調査も要るかと思いますけれども,それについて具体的にどうしていくかと。それから,アントレプレナー教育について,ここに書かれていますけれども,更にこれは非常に重要ではないかということであります。
 事務局の方で大体受け入れられる感じですかね。
 どうぞ。


【松尾大臣官房審議官】  今言われた御指摘,確かにもっともだと思います。それで,実行システムについては少し数値目標というか,多分どんな数値目標かを含めて少し検討させていただければと思います。あとは,情報のマッチングについても,まさにおっしゃるとおりでありまして,本当に基礎のベースと,それからどう応用していくかというのは,私どもも注意深く考えていきたいと思っていますし,あとは,博士人材,その活用の年数についてもまた企業側ともよく御相談をして,本当にどういう人材を輩出して受け入れてくれるかということを含めて検討していきたいと思っていますし,あと藤嶋先生から言われたアントレプレナーの件については,今いろいろなURAにつきましても,あと例えば文科省の中でもEDGEプログラムということでアントレプレナー教育についていろいろやらせていただいておりますので,これについては大学の中でもどういう形でやっていくかというのは,大学改革を含めて検討させていただければと思っていますので,これについては施策に留意をさせていただければと思っておりますので,よろしくお願いいたします。


【大西座長】  ありがとうございます。
 それでは,続いて御意見を頂きたいと思います。
 野路委員,お願いします。


【野路委員】  産学連携の拡大についてですが,大企業と共同研究を行う大学の数は,大型のテーマが増えることで相当数増加すると思います。こちらについては,テーマ数や金額,参画した大学数をフォローし,増加が見られない場合には、その理由をしっかり調べてフィードバックをかけていただければと思います。
 問題は,中小・ベンチャー企業です。農業・林業も同じですけれども,彼らには資金がほとんどありません。人材もいないというのが日本の実態でしょう。そういうところに対しては,国の予算を投入するなどのサポートがないと,なかなか育たないだろうと思います。先週アメリカに行って状況を見てきたのですが,この点については大変に手厚い。つまり,中小企業とかベンチャー企業に対して,アイデア段階でも資金を出しています。対して日本では,例えば経済産業省の予算を使うためには,技術やもくろみの正当性を示すきちっとした申請書が必要になります。しかしようやく日本でも,今年度の初めに農水省から使い勝手のよい提案が出されました。これについては非常にすばらしいなと見ております。
 このように,予算だけ付ければよいということではなく,どこに・どのステージで・どの程度の予算を付けるのか,ということまで考えないと効果はないわけで,この面では日本はまだまだこれからです。もっと手厚いサポートをすることを考えないと,良い結果は得られないと私は考えています。アメリカのSBIR制度を例にとると,中小企業・ベンチャー企業に年間2,000億円投資していますが,ステージは3段階に分かれています。まずアイデアだけの段階で,1,000万円とか2,000万円の予算が付きます。その資金で1年間頑張って,その結果をもとに事業シナリオを作ります。それが次の第2段階の審査に通れば,今度は5,000万円とか1億円の予算が付くわけです。更にすばらしいのが第3段階で,作った製品とシステムを必ず政府が調達するわけです。
 日本の中小企業のものづくり開発資金というのは,試作を行うためのものであると言われています。私はデータを直接見ていないのですが,経済産業省の方によると,あちこちでたくさんの試作に使われているそうです。つまり、試作はしたけれども,誰かが買って検証をしないから事業化まで進まないわけですね。ですから,調達して検証するところまで面倒を見るという,この第3段階をしっかりと行うことが必要です。ここではアメリカのSBIR制度を引き合いに出しましたが,日本に合う日本的な方法で良いので,ステージに応じた手厚い支援ができるように制度設計を行って,特に若い人たちに使い勝手のよい資金が回るようにしていただきたい。
 実は,去年4月の研究開発税制の改正によって,研究開発費の控除率を12%から30%にまで,引き上げていただいたのですけれども,その効果についてはまだデータが出ていません。今年の10月頃に出る予定とのことなので,増えているかどうか結果が楽しみではあるのですが,NEDOや産総研などいろいろなところで話を聞いてみると,若い人からの申請はほとんどない,というのが実態のようです。若い人を手厚くサポートしないとイノベーションは進まないでしょう。「あ,このアイデアはいいね。よし,500万円投資するので、1年間頑張ってください。」といって資金を提供し,数人で1年間いろいろな検討をしてもらえば,若い人たちの自由な考え方でいろいろな良いアイデアが出て,それが価値の高い企画書,更に新たな製品やシステムへと結び付いていくということではないのかな、と思います。資金の質や投入の方法のところまで,是非フォローしていただきたいと思います。以上です。


【大西座長】  どうぞ。


【神谷委員】  資料の方で,3ページのところに初めて協議体という言葉が括弧書きで出てくるんですが,その後,7ページ以降のところに協議体という言葉と大学等との対話の場,あるいは産業界との対話の場という形で,いろいろな対話の場というのが設定されているんですが,その辺,全体の協議会との兼ね合いが分かりにくいなと思いまして。協議会というのが一番上にあって,その下に産業界との対話の場とか大学との対話の場があるのかということで,この辺はワーキンググループの方で対応していただけるのかどうかということで,ちょっと資料からでは分かりにくいと思います。


【大西座長】  今,具体的に資料についての質問,文言ですが,協議体ですね。3ページの一番上に。これは大学関係者によるというふうになっていますね。


【福島専門教育課企画官】  この3ページは基本的には大学関係者の場の協議体というのをイメージしておりまして,それ以外のところは大学と産業界との協議の場というのを想定しておりますが,おっしゃるとおり,なかなかどこで何をやるかというのが分かりにくい点もあるかと思いますので,そこはちょっと事務局の方で文言を整理して,どの協議体で何をやるかというのをはっきり分かるように整理をさせていただきたいと思います。


【大西座長】  はい。その前に野路委員からの御指摘ですが。日本版SBIというのは大分前から言われていますけれども,このあたりについてはどうでしょうか。経産省の方で何かコメントがありましたら。


【末松産業技術環境局長】  よろしいですか。ベンチャーの育成については,御案内のとおり幾つか制度を要求しており,今もあります。また来年の予算要求に向けてもいろいろ検討しております。ただ,総額をどれだけどのように配分できるかということはなかなかこれから苦労があると思います。ただ,今,野路委員がおっしゃった,使いやすさとか応援するマインドで物事を運用していくということは,まだまだ改善できると思います。NEDOとかそういうところの窓口が、相談が来るのを待たずに出ていく対応もあると思います。特に,私も農水省の出身なので,研究マインドに富んでいる企業とか分野とかの人たちは新しいところに飛び込んでいくのですが,自分からはなかなかいけない分野の方々がいると思いますので,これから研究分野が広がっていくのは,AIとかのほかに,中小企業とか農林漁業の関係で新しいものができてくる余地があるというのが見えてきたのが最近だと思います。我々のサポート体制も,そういうところをちゃんとこちらから話をして,また制度の仕組みとか申請のやり方でもサポートするように努力していきたいと思います。


【大西座長】  今の御指摘の中には,実態がどこまで手厚くといいますか,中小企業,ベンチャー側に沿った制度になっているかという御指摘もあったと思うんですけれども,このあたりはどう……。


【末松産業技術環境局長】  アメリカのSBIRの仕組みとうちの仕組みの違いが詳細に分かってないところもありますので,そこはちゃんと参考にして進めていきたいと思います。


【大西座長】  もちろん,それぞれ国の事情が違うので,制度もおのずから違うと思いますけれども,御指摘のあったように,中小ベンチャーの置かれている実態に合った制度ということで,少し点検もしていただければと思います。


【末松産業技術環境局長】  野路委員がおっしゃったお話,我々もいつもそこに課題があると言っているところなので,その認識は十分あるのんですが,今の予算の制度が十分に合っているかどうかはきちんと点検をしなくちゃいけないということだと思いますので,やっていきたいと思います。


【大西座長】  ほかに,委員の方から御指摘は。大体発言していただいたか……。
 今日,決められた時刻までやる必要は必ずしもないということでありますので,だから遅れてきたわけじゃないんですけれども。特に御指摘がなければ,おおむねこの内容で,今までの議論を反映して今日何回目かになりますので,この原案を見てですね。おおむね内容についてはいいのではないかということで,今御指摘のあったような点を足していただくという,あるいは少し修正をしていただくということで,次のステップに行くことが非常に大事だということでもありますので,必要な修正を,今御指摘のあった点について施すということで取りまとめるという方向でよろしいでしょうか。
 特にないということでありますので,取りまとめに当たっては内山田座長と私の方にお任せいただくということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは,そういうふうに進めさせていただきます。
 それでは,何か大分予定よりも早い……。いいですかね,これ。ここで……。


【谷口委員】  1つ意見を述べていいですか。


【大西座長】  何か感想があったら述べていただく時間があるので。


【谷口委員】  感想です。余り早く終わるのもどうかと思いますので……。


【大西座長】  じゃあ,それぞれ感想述べていただくことにしましょう。


【谷口委員】  日本の社会,やはりチャレンジするというのを,教育の場からも大事にしてほしいというか,1回失敗をしてもちゃんとまた,七転び八起きじゃないけれども,またチャレンジできるという風土というかそういう雰囲気を少し醸成していかないといけないのではないかと思います。新しいことをやって一回失敗したらもうそれで終わりではなくて,さっきのベンチャーもそうですよね,何度も何度もチャレンジできることが大切ではないかと思います。アメリカなんかだとベンチャーをやって失敗した数が勲章だというようなところがありますよね。日本は必ずしもそうでないところが,ちょっと風土的にあるので,そういう風土は教育現場からみんな変えていかないと,これからの社会に対しては対応できないというようなことがあります。
 ベンチャーを支援するというお話が野路委員の方からありましたけれども,本気でチャレンジして取り組む人を育てておかないと,幾ら支援をしてもうまくいかないと思います。やはりチャレンジして何かやるんだと,そういうチャレンジ精神のある人を育てるということがやっぱり大事なことだということも併せて理解をしておかないと。やはり,企業と教育機関などが,うまく,この会議でやったように,タイアップして一緒にやっていくということが,本当に前に進めていくというのが,非常に大事かなと思います。その辺の思い,気持ちというのがこういう行動計画で伝わるととてもいいなと思います。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
 それでは,せっかくですので,各出席の委員から一言ずつ,特に強調したい点なり感想を述べていただければと思います。
 須藤委員からでいいですか。


【須藤委員】  感想ということですので。この会議の中でも私が一度資料を提出したことがありますが,産業界の中では一度就職してもらってから相当なお金と時間をかけて再教育しているのが現状です。社会人になって必要な基礎のところからもう一回大学の教育,あるいはその先の応用のところと,そういうのをずっと2年,3年,産業の分野あるいは企業によって若干違うんですけれども,私がやっています産業競争力懇談会(COCN)の中でいろいろなアンケートを採ったのですが,どの会社もそれなりに再教育をしているという現状があります。企業が教育しなくなるということはないと思いますが,かなり時間的に無駄なところがあります。是非この行動計画を実行していただいて,産業界でやる教育がもっと一歩先の教育に向けられるようになったらいいなと思っています。よろしくお願いいたします。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
 谷口委員はいいですか。


【谷口委員】  先ほどの話のアディショナルでちょっと。
 感想というか,先ほど,須藤委員が言われたことですけれども,学歴という問題について。実力というか,ドクター(博士号)を取ってそれなりに力がある人,いろいろな企画をする力とか,そういうのがある人はやはり高く評価をしてほしい。学位だからということじゃなくて,学位があるということはそれだけ力があるということで力を評価をしてほしい。一方で,例えば今,私,高専機構の理事長をやらせていただいていますけれども,高専の人はある意味では学位がなかったりしますから,評価がちょっと低くなったりする場合もある。だけれども実力はあるというふうに評価されている面もある。そういうところはやはりちゃんと実力を評価してほしい。学位があるからとか年齢が若いからとかいうんじゃなくて,中身で評価をしてほしい。あるいは,いろいろな場面で,少なくともチャンスを与えていただければと思います。ある種の学歴とかということも大事なことですけれども,それだけじゃなくて,実力ということもちゃんと考慮に入れて,しっかりとした人を,力のある方を我が国は大事にしていくという形になっていくといいかなと思います。
 先ほどの藤嶋先生が言われたドクターを持った人を大事にしてほしいということも同じことですけれども,ドクターを持っているからということだけじゃなくて,その人が力があるということでもって評価をしてほしい。一方では,そういう学位を仮に持ってなくても,力のある人はそれなりに評価をして,あるいはドクターをもっとどんどん取っていただくように仕向けてほしい。その辺をバランスよくやっていただくと大変いいかなと思います。よろしくお願いします。


【大西座長】  結局実力主義にかなり近いというか。


【谷口委員】  それがいいと思います。


【大西座長】  肩書と実力がマッチして入れば一番いいということなんでしょうね。


【谷口委員】  マッチするように教育界はちゃんと人材育成をやらないといけないということが一方であると思います。


【大西座長】  ありがとうございました。
 野路委員,お願いします。


【野路委員】  この会議で産官学が協働していろいろなアイデアを出し,行動計画策定にまで至ったのは非常によかったと思います。また,しっかりとしたアクションプランを立て,それを半年とか1年に1回フォローアップしてPDCAを回していくということについても,非常にすばらしいまとめができたと思います。
 ただ,私は若い人が活躍できる環境づくりという各論にこだわりがあります。先ほどの谷口委員の御意見にもありましたが,日本ではなぜ失敗を許し何度もチャレンジするという風土を醸成できないか,という点について意見を述べさせてください。いろいろな側面はあると思うのですけれども,シリコンバレーにしてもイスラエルにしても――先週もシリコンバレーに行って帰ってきたばかりのほやほや状態なのですが,3回失敗して一人前といわれているわけです。どうしてこのようなことが可能になるかというと,失敗しても生活のリスクがないからです。金融機関が担保を取るとか何とか,個人にかかるリスクが、ほとんど何もありません。ですから,失敗を許容しチャレンジを促す風土や文化を作り上げるためには,こういった要因が必要なのだろうと思うのです。Startupsについても――これも先日聞いてきたばかりなのですが,startups500というベンチャーキャピタル会社がありまして,そこの話では,投資した案件の1%成功するかしないかとのことでした。ということは,出資をする側は,投資時点でほとんど回収を諦めているということですよね。つまり,このような形にして,投資先に負担が行かないよう,しっかり見てあげる必要があるということです。
 一方,経済産業省にしても農林水産省にしても,研究開発費投入に対して「目標必達」を求めていないでしょうか。アメリカのSBIR制度では5%も成功していません。高々2~3%の成功率です。「若い人たちが最初から成功するわけがない」という前提で行っているわけです。失敗することが良いということではありませんが,失敗して初めて一人前だという認識が起業家精神醸成には必要でしょう。ですから「これは絶対うまくいくから」などという理由だけで予算を通すと,既存の技術を中心とした,わずかなイノベーションすらないようなテーマになり,大きなイノベーションにはつながらなくなってしまうと思います。国の研究開発予算の配分先は,既存の技術をちょっと応用する程度のテーマが大部分を占めている,というのが現状ではないでしょうか。全部とは言いませんが。
 どれぐらいリスクを取って予算を配分しているかということが大切で,失敗した人たちが元気になるような仕組みにしないと前には進みません。前に進ませるためのキーファクターは,失敗を前提とした投資の仕組みではないかと私は思っていますが,いずれにしても,その要因を皆で分析するということをしないと,制度は作っても魂入らずで,結局はなかなか進まないだろうというのが私の感想です。今回の議論や行動計画の中身はもちろんすばらしいですが,ここにあることを実現するためのフォローアップこそ最も重要である,と私は考えます。また,運営方法とかオペレーションをどうやって行うのかという点についても,なぜなぜを3回ぐらい繰り返しながら進めないと,次々とチャレンジが起きる文化につながる真の要因は見いだせないと思います。そういう認識を,皆でしっかり共有することが大事だと考えます。以上です。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
 内山田委員は最後にお願いするとして,藤嶋委員,お願いします。


【藤嶋委員】  企業の皆様には、特に若手人材の博士課程の修了者をなるべく多く採用してほしいと思っていますが,分野によって博士課程修了者の進路状況は様々です。例えば、バイオ系は人材が余っている状況ですし、一方、機械系は人材不足という状況になっており、こうした分野間格差が生まれないよう、企業が採用する段階で何らかのうまい仕組みができればいいなと、常に私は考えています。
 それからもう一つ,理系の女性人材のことも書いてありますけれども,女子学生に理系に進学してもらうためには,薬剤師の人気が高いように、卒業後に何かしらの資格をきちんととれるような仕組みができれば、進学者が増えるのではないかと思います。やはり、一生活用できる資格があるというのは魅力になると思います。
 それから,初等教育の段階から,理科離れをいかに防ぐかということについては、理科の素養のある小学校・中学校の先生を増やすことが一番大事になります。最近、私が中学校・高校に行って出前授業を実施して一番驚くことは,かつてに比べて科学者の伝記を読んでいる生徒が少ないことです。例えばキュリー夫人の伝記を読んでいるかを女子生徒に聞いてもそれほど多くないですし、エジソンの伝記を読んでいるかを男子生徒に聞いてもそれほど多くはないのです。子供の頃に伝記を通じて優れた科学者の生涯にふれることは、理科に関心を持つことにもつながります。また,幼稚園や小学校の子供たちにイソップ物語を読んだことがあるか聞いてみても,それほど多くが読んでいるわけではないのです。このような大事な本を親と一緒に読むようにして,その楽しさを小さいときから覚えてもらうことが必要だと常に思っています。読書はある程度は強制的に読ませる面はあると思いますので、読書を楽しむ雰囲気や環境を小さい頃から作っていくことが一番大事なのではないかと思っています。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
 神谷委員,お願いします。


【神谷委員】  先ほど来から失敗の経験というお話が出ておりますが,学校というところは,失敗を安全に体験させる場所だと思っているんですね。ですので,生徒たち,子供たちには当然失敗経験が必要だということで話をしているんですが,実は教員側に失敗体験が少ないというのはつくづく感じます。特に,授業なんかを考えてみますと,今日1日の授業,1時間の授業は子供たちにとっては本当に今日1日だけだ。だけれども,教員にとってはまたやり直しができるというところで,余りそういうところでの失敗体験というのはよくないんですけれども,そういう教員の失敗体験が必要ではないかなということを感じております。
 それから,前回もお願いをしたんですが,理工系人材の育成ということで,先生方に理科の素養を深めるということは大事だと思います。現状の先生方にそういう対応をしていただくと同時に,是非これから新しい先生になる大学生の諸君,そういった方々にもそういう経験をさせていただいて,現場での活躍を願いたいと思います。以上です。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
 一通り,御意見を頂きました。これら,全部ある程度最終的なレポートの中で触れて,行動計画の中で触れていることであると思いますけれども,具体的にそれを実行していって,さっきの野路委員がPDCAを回していくと言われましたけれども,そういうことが極めて大事ではないかと思います。それについては,これから円卓会議が進捗をフォローしてくという仕組みができるということでありますので,引き続き産と学が連携して,具体的な人材需給のワーキンググループの活動なんかもこれから進めていくわけですけれども,その上に立って進捗を見ていくということにしていく必要があるかと思います。
 それでは,委員側のまとめとして,内山田座長から御発言いただきます。


【内山田委員】  ありがとうございます。
 まず,委員の皆さんには大変お忙しい中,この円卓会議に御参加いただいて熱心に御議論いただいたことにお礼申し上げたいと思います。今回は,アカデミアから産業界,文科省,経産省,一堂に会しまして理工系人材の育成について話をしたというのは大変意義が大きいのではないかなと思います。特に,先ほど行動計画の中にも出てきていますが,産業界のニーズと高等教育における履修のギャップを解消しなくてはならない点であるとか,マッチングの現状,それから産学連携を通じた人材育成,それから初等教育への働きかけなど,こういう課題について認識を共有できて,行動計画という形にまとめたというのは画期的なことではないかなと思います。
 個人的には,これらの課題解決については,産学官連携の実プロジェクトを通じて進めるということこそが非常に効果があるのではないか。大型の産学官連携のプロジェクトがどんどん進んでいけば,こういう問題はおのずと解消されていく部分もあるのではないか。逆に言いますと,我が国では,この産学官連携というのがこれまで意味ある形で十分行われてなかった。そのことがやっぱり今回議論したような課題を生んだり,それを顕在化させずに潜った状態にしていたんではないかなと思います。
 本日,決定されました行動計画については,それぞれが持ち帰って具体的なアクションをするということになるわけですけれども,先ほどから皆さんおっしゃっていますように,フォローアップをやってPDCAを回すと同時に,今日の行動計画もかなり根源的な提言が入っていますので,各自が持ち帰って進めるだけではできなくて,力を合わせてやらないとできないという部分もあると思いますので,そのためにもフォローアップの仕組みは必要です。できればそのタイミングも,国としては省庁の予算を主導していくために毎年総合戦略を立てられるわけですが,そういうものに反映できる,あるいは各省庁の概算要求のタイミングに反映できるようなところを選んで,そういうPDCAを回した方がいいのではないかなと思います。以上です。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
 それでは,両省庁を代表して,常盤局長と末松局長から一言ずつ御挨拶いただきます。


【常盤高等教育局長】  ありがとうございます。この円卓会議でマッチングの問題,それから博士人材の問題,それから裾野の拡大の問題,こういう3点を中心に非常に貴重な御提言を頂いたことに対して,まずもって感謝を申し上げたいと思います。
 その中で,今日最終回の中でもいろいろ御意見いただきましたけれども,まず第一に,やはりき今日も議論になりましたが,例えば高専の修了,あるいは博士課程の修了,そういう教育の中で一定の成果というものをどうやって社会の中でしっかりと認めていただくのかということが一つの大きな課題だと思っています。その中で,理解をしていただくことと,それから特に博士についていえば,より実質化して,社会で企業の中で実際に活用していただけるような,そういう力が付加されているのだという実質化の問題と両方あろうかと思いますけれども,いずれにしても,従来型の年齢主義というんでしょうか,そういうものをやはり打破して,実力主義で,しかもその実力をしっかりと学校が付けているということを実現できるように,是非お力添えを産業界の方からも頂ければと思っているのが1点でございます。
 第2点は,やっぱり失敗とかチャレンジとかその問題も指摘をされましたが,どうも世の中はどんどんむしろ逆の方向に進んでいるんじゃないかと思うことが多々ありまして,これも仕方のないことなのかもしれませんが,予算の使い道などでもどうしてもKPIをより具体的・明確に定めて,そのKPIと手段との関連性をよりしっかりと結び付けなければいけないなどということを,我々も大学の方には申し上げているんですけれども,ただ,一方で,大学はさっきお話がありましたように,学校というのはある種失敗をすることが許容される場でもあるはずなので,そういう意味から考えると,そこの自由度と,それからKPIなどに基づくPDCAサイクルをしっかりと回すというところのバランスをやはり我々どこが適正なのかということについては,更にちょっと考えていかなければいけないところがあるのかなと思いました。
 それから,3点目は大きな話になりますけれども,これも須藤委員からお話しいただきましたが,今までの日本のパターンは初等中等教育は非常にすぐれた成果と実績を上げてきている。そこで大量の中堅人材というんでしょうか,そういう人たちを養成して,あとは企業の方で採用して企業内教育の中でそれぞれの企業のカラーに合った教育をしていただいて,そしてある種高度経済成長時代にはそれが一つの成功のシナリオだったんだと思いますけれども,やはり今従来型の知識を習得して活用するだけじゃなくて,やはり新しい知識を生み出すイノベーションということが必要になっているわけですので,そうなるとどうしてもやはり大学,大学院がその場になるべきだと思いますし,それが日本の大学の場合どうしてもアカデミックな部分に偏り過ぎていたということがあるわけで,そこのところを是非産業界のお力を頂いて,大学でやはり産業界も,昔のように大学だけが知的なセクターを独占しているわけでは決してなくて,産業界にもすばらしい知的な蓄積があるわけなので,大学と産業界がやっぱり連携して共同して人材育成をするという形に明らかに切り替えていくということが必要だと考えていますので,今回非常に具体的なところで御提言を頂いたので,日本が生産年齢人口が減少していく中で,やっぱり引き続きある種生き残っていくためには知的なセクターの資源は全て結集して活用するということだと思いますので,是非大学,大学院が場として生きるように,産業界のお力を是非頂きたいと思っています。以上です。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
 それでは,末松局長,お願いします。


【末松産業技術環境局長】  基本的には今常盤局長の話したとおりだと思っていまして,我々経済産業省としても同じような立場と思っております。
 その上で,今回取りまとめる行動計画,実行していくことが大切だと思いまして,それは産業界,教育界,政府,それぞれが連携していくことが大切だと思います。まず,私たちとしては,この行動計画の存在を広く認識していただくということで,知ってもらうということがすごく大切だと思いますので,今日理工系人材に関するデータとか我々いろいろ取りそろえて調査してきたつもりですので,そういうデータと合わせて積極的に周知活動をしたいと思っております。
 また,マッチングを継続的に行うことがこれからすごく大切だと思いますので,いろいろなことを進めるとともに,そのフォローアップというのもきちんとやっていくことが大事だと思います。何にしても,今日皆様の御議論を聞きながらすごく思ったことは,このように皆さんで話し合うということが物事を動かすためには非常に重要であり,すごく大きいことだと思うのですが,ただ実際に動かし出さなければいけないと思っています。
 それから今日の失敗の話について,政府として本当に考えていかなければいけないことがあると思います。これは,実は本当に頭が痛い話で,最近我々予算についてどう言われているかというと,せっかく国の税金でやるのだから,できるかできないか分からないことにお金を付けてはいけないと言われて,いや,これは必ずできますと言うと,必ずできることは国がやる必要がないと言われるわけです。いろいろな会議を聞いていただくと,大体そういうことをずっと言われてきた。ここはぐっと今までの考え方を変えて,リスクをとるのが国だということをきちんと我々も言いたいと思いますし,国がリスクをとるということは,逆に言うと国のやった政策で失敗例がいっぱい出ることについて若干寛容なことを言っていただくということもこれから必要なのではないかなと思っております。
 いずれにしても,そういう失敗の積み重ねとか人材の育成によって新しい経済が回っていくのだと思います。時間と根気が要る政策だと思いますので,是非引き続きよろしくお願いしたいと思います。以上です。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
 およそ1年間,議論をしてきまして,取りまとめができて大変良かったと思います。今日,特に,今も末松局長からお話がありましたけれども,チャレンジングなテーマに挑んで,したがって失敗を恐れずというか,全部が失敗したんじゃいけないと思うんですが,打率が低いということも承知でやると。
 そういう話をすると,DARPAというアメリカの制度で,日本はそれでImPACTとかSIP,特にImPACTという制度を今作っているわけですけれども,その数年前にそういう議論を内山田さんらと議論したことを思い出します。それは御承知のようにスプートニク・ショックという,冷戦時代の東西対立の中でそういう制度が危機感の中から生まれたということです。日本は事情が違って,軍事的な対抗というのが鮮明にあるわけではないので,民生的なアプローチでチャレンジングなことを設定して,それに挑む人たちというのは100%成功するはずがないということを前提とした制度の組立てみたいなものも必要なのかなと。確かにImPACTを議論しているときに,これは打率が低いはずなんですけれども,余り打率が低いとやっぱり制度そのものがつぶされちゃうんじゃないかなということで,それなりの打率じゃないといけないというような話をしたことも,今の末松局長の話を伺って思い出しましたけれども。全部がそれじゃいけないんでしょうから,このテーマについてはこうなんだということを設定できるような,そういう議論の積み重ねなり,方向付けというのも必要なのかなと思います。
 いずれにしても,そういう人たちが出てこないと,展望がなかなか開けない。そういうある意味でマチュアな社会に日本は差し掛かっていますので,是非そうした指摘も,これに加えて少しぴりりと効かせながら最終的な取りまとめができればいいのかなと思います。
 1年間にわたって,委員の皆さん,本当にありがとうございました。それでは,一応これで議論は取りまとめ,終わりということにさせていただきます。
 どうもありがとうございました。


―― 了 ――


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-- 登録:平成29年06月 --