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理工系人材育成に関する産学官円卓会議(第3回) 議事録

1.日時

平成27年9月25日(金曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

中央合同庁舎4号館 共用1214会議室(東京都千代田区霞が関3-1-1)

3.議題

  1. これまでの議論の論点整理及び今後の進め方
  2. 博士人材の活躍の促進方策、博士人材育成の充実についての有識者ヒアリング

4.出席者

委員

大西委員、内山田委員、野路委員、横倉委員、須藤委員、秋山委員、上野委員、藤島委員、小畑委員、神谷委員

文部科学省

常磐高等教育局長、北山専門教育課長、関専門教育課企画官
経済産業省
井上産業技術環境局長、宮本大学連携推進室長、星野大臣官房審議官、髙科産業技術政策課長

5.議事録

【北山専門教育課長】  それでは,定刻となりましたので,第3回理工系人材育成に関する産学官円卓会議を開催いたします。委員の皆様方におかれましては,御多忙にもかかわらず,本会議に御参画いただき,誠にありがとうございます。文部科学省専門教育課長の北山と申します。よろしくお願いいたします。
本日の議事進行は大西座長にお願いいたしますので,どうぞよろしくお願いいたします。


【大西座長】  それでは,進行したいと思います。
まず,事務局から配付資料について確認をしていただきます。お願いします。


【関専門教育課企画官】  失礼いたします。
まず,資料の1は経産省の資料,お手元にございますでしょうか。資料2からは,今日のプレゼンの御発表順に,資料2は秋山委員,資料3が大西座長,資料 4が小畑委員,資料5が藤嶋委員,資料6が横倉委員の資料でございます。そして,資料7,野路委員に前回御発表いただきました際に追加としましてベストプラクティス調査を添付するということでございますので,資料7としてお付けしております。そして,資料8が前回の議事録でございます。過不足等ございましたら事務局までお申し付けくださいませ。


【大西座長】  それでは,カメラ撮影はないですね。カメラ撮影はここまでということになっています。
では,議事に入ります。まず,経済産業省事務局から,産業界のイノベーションニーズと学びニーズの関係,理系女性に係る分析データ等についてということで説明をしていただきます。宮本室長,お願いします。


【宮本大学連携推進室長】  ただいま御紹介いいただきました資料1に基づきまして簡単に紹介させていただければと思います。
めくっていただきまして1ページ目でございますが,これは以前の会議でも紹介させていただいているものでございます。我々,今年の1月から2月にかけて,産業界で働いている技術者約1万人にアンケート調査をした結果でございまして,機械系とかIT系を中心に産業界の学びニーズが高く出ているというものでございました。これにつきまして,いろいろな方々と議論させていただきました。教育は大学の一つの大きなミッションではありますけれども,もう一つ異なるミッションとして研究があるわけでございまして,その関係がどうなっているのかという話もございました。その辺り,我々のデータを含めまして少し解析いたしました。2ページ目以降,A3の折り込みになっていまして,2枚ほどございます。この2枚を使って簡単に紹介させていただければと思います。
先ほどのグラフは,専門分野ごとに横軸30ぐらいの分野で描いた簡単なグラフだったわけですが,実はこれは,200ぐらいの専門分野に分けてアンケートを採ったものを,中分類集計したものが先ほどのグラフでございます。赤い線と青い線と,それから緑の点線がございますが,それらを簡単に説明させていただきます。赤い線が,産業界が業務を遂行する上で,習得するニーズが高い専門知識です。したがって,簡単に申しますと,学びニーズが赤い折れ線グラフで描かれています。それから,青い折れ線は産業界の技術者,特に研究職,開発職に所属している約1,400人の方に聞いたところ,イノベーション等による新たな事業の成長,発展をする上で,こういった分野の研究が進むことが望ましいと掲げた分野です。したがって,産業界としてこういった分野の研究が進むということが,自分たちの事業のイノベーションに効くだろうと,研究職,開発職に関わる方が回答されたものが青い折れ線でございます。
緑の折れ線は,これは世の中に存在する研究者が,大体どういった分野にどの程度存在するかについて,科研費のデータベースのデータを使いながら示したものでございます。
これを見ていただきますと,2ページ目の左ですと,機械の関係の専門分野から始まり,少し右に行くと,電気系の分野に行くわけですが,この電気系若しくは機械系の専門分野については,赤い線も青い線も共に高く出ているということで,学びニーズも,それからイノベーションニーズも高いという特徴が見えるかと思います。一方で,研究者の分布としては若干低いということです。
それから,右に移っていきますと材料系の分野が並んでいます。この材料系の特徴を見ますと,赤い折れ線の学びニーズは比較的小さく,一方でイノベーションニーズが高い傾向が見られます。幾つかの分野は高いのですが,低い分野もあるという状況です。
それから,例えば次のページを見ていただきますと,左にITの分野が並んでいます。特に赤い折れ線が高くなっている辺りが,どちらかというとITの基礎的な分野に関わる部分だと我々は認識していますが,その分野に関しては,教育ニーズが圧倒的に高く出ています。イノベーションニーズにしても一定程度出ています。一方で,その分野の研究者は非常に少なく,通信・工学は少しあるのですが,それ以外は少ないという状況です。
それから,少し右に行きますと,折れ線自体低くなってしまうのですが,ITの先進分野,人工知能でありますとか,ヒューマンインターフェースとか,画像処理,音声処理のような分野では,学びニーズは非常に低いのですが,イノベーションニーズは一定程度あり,人工知能の分野では研究者は一定程度いるというような状況が見えてきています。
それから,右の半分のバイオ系の分野につきましては,総じて学びのニーズに関しては非常に低いのですが,イノベーションニーズに関しては,一部の分野で高く出ています。例えば分子生物学のところでピークが出ていたり,がんの関係の分野で出ていたり,薬物動態,代謝の関係,バイオマテリアルで少しイノベーションのニーズが出ています。一方で研究者というのはこの辺りには非常にたくさんおられると,そういう状況が見えております。産業界及び大学等に教育及び研究について期待する内容が異なる,その辺の環境が少し見えるわけでございます。今回は,人材育成機能について議論するという場でございますが,大学の教育と研究の機能を区分して議論していく必要があるだろうと思います。
それから,次のページをめくっていただきますと,4ページでございます。これもまた異なるデータでございますが,産業界で働いておられる技術者の方々を職種ごとに,どの程度,大学のときに学んだ専門性を生かした仕事に今,就いているのかということについて分析したものです。全業種の集計で約1万人のデータ全部を集計するとどうなるかというのがこのグラフでありまして,特に一番左端に基礎・応用研究,先行開発職種,それから,次に設計・開発職種が来まして,それから右に行くと,システムエンジニア,保守・メンテナンス,製造・施工と来るわけでございます。こういった職種の順番で大学等のときの学んだ専門分野というものを強く関連付けて働いておられる割合が高いのが左側。右側に行くと,大学のときに学んだ専門と余り関係がない形で働いておられる方が多いということで,職種ごとに順番にしたものです。その順番を赤線で示していますが,それぞれの方が感じておられる現在の仕事のやりがいや給与レベルについて,同時にデータをとっていましたので,それを単純に集計しました。非常に乱暴な言い方をしますと,研究・開発職については専門性が高く求められていて,そういった分野においては仕事のやりがいを高く感じておられる方が多いと。また,給与もどちらかというと高いという傾向がありまして,一方,専門性が低い職種になると給与も低く,やりがいも比較的低くなるようです。
一方,これを業種ごとに分割するとどうなるかというのを,次の5ページに書いてみました。機械系,電気系,材料系,化学系,建設系,情報系の業種に分けて,それぞれの業種は,どの業種も基礎・応用研究,先行開発に関する研究職の方に関しては専門性が高いのは全業種共通でございまして,どの業種でも専門性が余り求められない職種として,製造・施工,保守・メンテナンスが多くなるという傾向がございます。そういった中で,仕事のやりがいの関係と,給与の水準の関係がどうなっているかを見ますと,おおむね専門性が高い職種に関してはやりがいも高い傾向があるかと思われます。これは赤い線と青い線を見比べていただくと,おおむね連動するような形にどの業種もなっているように見えます。
一方で,仕事のやりがい,つまり青い線と,それから年収の水準,つまり緑の線の関係を見ますと,年収が高いとやりがいが高いかという観点では,いまひとつ連動性が悪いということです。年収が高いとやりがいがあるように思えたりもするのですけれども,必ずしもそうではなくて,むしろ専門性をどういうふうに生かして仕事ができているかということの方が,仕事のやりがいと高い関連性があるように見えます。従いまして,専門性を生かした就業を促進するということが企業にとっても高い意義があるのではないかと思われます。
それから,6ページを見ていきます。理系の女性の割合をどのように拡大するかというところです。理系で女性が少ないという議論もありましたので,統計データを整理したものでございます。理系の男性と女性に分けて人数を見たものですが,高校3年生のときには,男性の場合は,文系が十人いると,7.5人ぐらい理系を目指される方がおられます。一方で,女性の場合は,高校3年生のときに,文系十人の方がおられると,理系を志望される方が約2.9人,つまり三人ぐらいと。その比率をそのまま引きずって大学生の理系,文系の比率と連動しているということです。更に女性の場合は,学士のときは,それでも文系10に対して女性が3ぐらいいるのですが,これが修士になりますと,女性の理系の方のうち,保健,多分看護におられる方が多いからだと思いますが,その方々が修士に進まれないということがあり,修士の理系の女性の数というのは男性と比べて圧倒的に少なくなる構造も見えてまいりました。
それから最後に7ページです。我々の1万人の産業人のアンケートの中でも,理系の男性が7,000人ぐらい,理系の女性が1,000人ぐらいおられたわけでございますが,それぞれの男性,女性がどういった専門分野にどういった割合で偏って分布しているかということについて,男性を青の棒線,女性を赤の棒線で示したものです。見ていただきますと,女性が特に男性よりも多い割合で分布している分野は,例えば化学,それから建築,生活・家政,デザイン,あとバイオ分野であります。理系の女性がもっと活躍していただくためには,理系の女性の進学割合を高めるということも必要でございますが,一方で,産業ニーズ,教育ニーズがそれほど高くない生活・家政,デザインとかバイオの分野の理系女性に,ほかの分野でも活躍していただけるような何か対策を施すことにより,もっと活躍していただけるようにすることも必要ではないかと考えたわけでございます。本日は,その辺りのデータの紹介をさせていただきました。
私からは以上です。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
ディスカッションは最後にまとめて行いたいと思いますけれども,今の御発表に,今すぐちょっと確認したいということがあったらお願いします。
よろしいでしょうか。それでは,質疑といいますか,ディスカッションについては後ほどまとめてということにさせていただきます。
次は前回に引き続いて委員の皆さんからプレゼンテーションを行っていただくということであります。今回は秋山委員,それから私,小畑委員,藤嶋委員,横倉委員の五人の委員の方から,それぞれ10分ずつという割当てになっていますので,お願いいたします。質疑は,先ほど申し上げましたように,全員のプレゼンテーションが終わってからまとめて行うということで進めてまいります。
それでは,最初に秋山委員からお願いいたします。資料2ですね。


【秋山委員】  秋山でございます。よろしくお願いいたします。お手元,資料は簡単なメモのみ御用意させていただいておりますので,あとはお話をさせていただきたいと思います。
今般,理工系人材育成戦略というものが策定されて,その中で四つの期待される役割と期待される活躍ということが明確になっております。1)新しい価値の創造及び技術革新(イノベーション),2)起業,新規事業化,3)産業基盤を支える技術の維持発展,4)第三次産業を含む多様な業界での力量発揮ということになっております。私,今日のプレゼンテーションをどういうテーマでお話ししようかということを考えましたときに,実は私自身は理工系人材ということではないのですけれども,私自身がまさに起業を通じて新しい価値の創造,それから技術革新をやってきた者としての,実際に体験した中での問題意識というものをお話させていただきたいと思っております。
前回も少し御紹介させていただきましたけれども,私,20年前に企業の研究所や大学の研究室にいらっしゃる数多くの科学者,技術者の方の仕事の中から,本当に世の中の一般の皆さんの手に,製品やサービスという形で価値あるものとして届けられるものが余りにも少ないのではないか,これだけの多くの技術がある方が熱心に研究をされているものの中から,本当に社会に価値として実現されるものがちょっと少な過ぎるのではないかという問題意識を持ちまして,そうであれば,何か少しのことでも自分でそれを世の中に送り出すということにチャレンジしてみたいという問題意識から起業いたしました。
今やっておりますのは,画像処理,マシンビジョンを使って,特に電子部品系の自動検査装置を世界中に累積で8,000台以上,50か国以上にお納めして,今日本当にこの瞬間もいろいろな世界中の工場で稼働しているということをやっております。全くのゼロから,一人のエンジニアと一人のマネジメントたった二人で始めた会社が,ここまで来る最初のきっかけを頂いた最初のお客様はソニーさんでした。ソニーのウォークマンの基幹工場が当社の最初のお客様だったのですけれども,それこそ,どこの馬の骨か分からないような,出たばかりの新規創業の会社の,しかも工場の生産設備をその当時のソニーさんが買ってくださった。これはなぜか。それはお客様がお困りになっている。ソニーのウォークマンというのはその当時,世界最小・最軽量のものづくりをされていたのですね。もちろん製品を設計したということも非常にすばらしいことなのですけれども,それを世界中のお客様に良質な品物として送り出すという,量産の技術の現場では大変な御苦労といいますか,イノベーションといいますか,課題を抱えて,それを何とか乗り越えようとされていた。そのうちの一つが,それほどに電子部品が微細化,高密度実装になったものを,これでの目視検査に替わる自動検査によってどうやって品質を確保するかと。それに対する答えになるような製造設備が,それまでの既存の大手企業が提供しているものの中になかったということで,当社の設備のプロトタイプを御導入いただいて,その後,本格展開をしていただけることになったというのがきっかけです。
そういうことから始まった,立ち上がった当社のビジネスですけれども,理工系人材ということに関しましては,世界中にお客様の現場を持っております関係で,国内のみならず海外にもたくさんの理工系人材を採用して活用しております。国内だけでも本社人材としても中国,韓国,フランス,香港人もおりますし,海外におきましては中国,台湾,韓国,ドイツ,チェコ,アメリカ,メキシコ,ブラジル,シンガポール,タイ,インドネシア,マレーシア,12か国で現在,理工系のエンジニアを採用しているという状況です。
そういう意味で,今日私がこの実体験から得られた現実的な課題ということで少しお話をさせていただきたいと思います。これまでの皆様の御発表の中で,特に経済産業省,文部科学省を中心として様々な取組が進められているということで,これは本当にすばらしいと率直に思っております。また,これらの着実な成果を期待する一方で,やはり現場に近い者としては,自分が今,感じている危機感と物事が進んでいくスピード感にやはりまだまだギャップがあるなということを感じているということを率直に申し上げたいと思います。
当社での理工系人材の獲得の背景といいますか課題におきましては,事業がどんどんグローバル化をしていく。例えば,ウォークマンの最初の工場は埼玉だったのですけれども,それが1990年代後半でしたので,いよいよ量産になったというときに,いや,おたくの装置いいからまた買いたいのだけれども生産は日本ではないんだよと。次はマレーシアの工場なんだよと言われまして,自分たちが好むと好まざるとにかかわらず海外に出ていかざるを得なかった。そこでやはり現地で活躍するエンジニアも必要になりますし,そういう仕事,そういう商品を開発する日本のエンジニアも必要になったと。ところが,皆さんも御存じだと思いますけれども,国内では理工系人材の労働市場における流動性が非常に低いのです。ですので,当社のようなベンチャー企業,あるいは中小企業での中途採用というのは本当に難しいです。それもありますし,あとは,実際のビジネスの現場が海外ということになりますと,英語での業務に耐えうる理工系人材を求めようとすると,これも非常に母集団が小さいという,こういう課題も抱えております。
一方で,海外で採用した技術者というのは,実は母国語が英語でない国であっても,大学を出たての若手のエンジニアでも英語で最初からビジネスができたりするのです。話を聞いてみると,やはり大学の専門科目の講義などでも一部英語で行われているというような大学も海外にはたくさんあって,そういうところから,今,英語での情報,あるいは中国語も含めてですけど,そういう情報で世界中から情報を集めることができる。あるいは,英語や中国語で世界中に情報が発信できるという意味で,世界市場を狙った価値創造ということを考えるときには,やはりそういう優位性が海外の理工系人材に認められるというのが私が経験しているところです。
そういう意味では,産業界からのという観点で申し上げれば,実は理工系人材は国内のみならず海外からも獲得するという選択肢があるというのは,これが現実でございまして,一方で日本は人口減少などによって母集団がこれから小さくなっていく中では,理工系人材の育成ということについての,どのような人材を育成していくかという目標設定にやはりこういう世界基準というものを強く意識する必要があると思っています。
そういった中で1点申し上げたいのは,博士課程における実用研究の意義ということについてでございます。理工系人材に関して,私自身の仕事の体験の中から,日本と海外のギャップを実感することがたくさんあるのですけれども,その中の一つは,日本で博士号を持つ人材の企業内での活躍がまだまだ少ないと。第 1回のこの会議で文科省さんから御紹介いただいた資料の中には,企業のトップマネジメント,管理職層における人材の最終学歴がどうなっているかという中で,やはりアメリカと比べて日本は明らかに,マスターだけでなく,ドクターを持っている人の比率が非常に低いということが出ております。現場の感覚では,特に企業における,例えば研究開発のロードマップに関して意思決定をする,あるいは新規事業だとかそういうことに対する投資を,あるいは技術革新に関わる部署で重要な意思決定を担うというところでのポジションの活躍が非常に少ないと感じております。実はこのことは先ほど御説明のありました若い人たち,女性も含めてですけれども,将来の自分のキャリアをイメージするときに,やはり実際にそういう博士号を持っていると企業でこんなポジションでこんなように活躍しているのだというイメージを持つことが難しいということも影響しているのではないかと思います。
実際,事業を本当にやっていますと,年々,技術革新のスピードというのは,本当にスピードが年々速くなってくるというのが本当に肌身にしみて感じているところです。5年前の技術というのはすぐに陳腐化してしまいますし,そのためには更に新しいアイデアを発明するか,あるいはこれまでにない組合せで新しいイノベーションを,違う分野の技術を組み合わせることによって当たらしいイノベーションを興して価値を創造する,こういったことが競争の一つの核心部分になってきます。
そういう中で,実際に私自身が一緒に仕事をしている博士号を持つ人材の強みといいますのは,まず新しい技術が出てきた,あるいは必要になったときに,そういうものを習得して,解釈して,更にそこに独自性を付け加えて実証するという能力については本当に優れたものがあると感じております。ところが,同じ博士号を持つ人材で,海外の人材と日本の人材,私の限られた経験ではありますけれども,どうもその優れた能力の発揮分野を自身の専門分野に限定してしまう傾向が日本の人には強いのではないかと感じております。これは実際に採用面接なんかをしていても,いろいろな質問をする中でそういうことは強く感じられますし,採用する側からすれば,この分野でしか私はやれませんよというニュアンスでお話をされる方と,私はこういう専門がありますけれどもこういうことをずっとやってきましたので,それはある意味応用が利くと,活躍できると思いますよと言ってくださる人材であれば,やはりどうしても後者の人材を採用したいと思うというのが,これが実態でございます。
この点に関して,何かできること,あるいはしていただきたいことということで申し上げたいのは,やはり博士課程における実用研究を増やしていただきたいなと思っています。新しい技術を習得して解釈して,そこに独自性を付加して,それを更に実証するという,一貫したプロセスがあって初めて,いろいろなものが実際の社会の役に立つ価値として実現されるということになっておりますし,それを一貫して習得できるということは,専門性そのものが独自性の発揮というところにダイレクトにつながってくると私自身は思っております。
実用研究にこれからもう少し力を入れていただくということは,企業にとっては博士号人材を付加価値の高い人材として積極的に採用するということになりますし,優秀な学生が博士課程に進学するということのモチベーションにもなると思います。また,企業で活躍する研究者や技術者が,また大学に戻って研究としてそれを体系化して博士号を取得するということもより容易になりますし,そういう人材が増えてくれば,産学連携プロジェクトの増加にもつながるといったようなことが期待されるのではないかと私は信じております。イノベーション創出につながる理工系人材の充実に向けては,大学研究者における実用研究に対する評価ですとか,予算の面でも是非御検討を頂きたいと思います。
以上でございます。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
2番目は私の番ということになります。「産学官連携を通じた理工系人材の育成について」というタイトルの資料3を御覧いただきたいと思います。1ページめくって,下のところに真ん中にページ番号がありますが,1番。全体の構成は少し状況を共有するために,理工系人材の育成に関連するデータの整理をしてみました。それを踏まえて2番目に申し上げたいのは,まず理工系人材の育成課程,特に大学課程に入ってくる裾野を広げるということで,小中学校,高校へどんな働き掛けが行われているのかということについて,その効果を含めた点です。それから3番目が,大学課程で,特に産学の連携ということがここでも議論になっていますけれども,その試みの例で,私どもの大学と北大の例を挙げてみたいと思います。それから,最後に,新しい博士課程の制度で,Industrialドクターというのを作ろうというのを電通大を中心としたコンソーシアムが提案して試行されていますので,その産業指向の博士について御紹介したいと思います。
1ページ繰っていただきまして,下のページで2ページですが,データ分析で今から申し上げることは,20年ぐらいの大学に関連した大学生の志望者あるいは理工系の入学者,更に女性,留学生の比率といった基礎データですが,総じて理工系を志望したり,入ってくる学生は,最近数年間,横ばい的だと。その中で博士課程の学生だけが少し減っているという状況であります。
3ページから4ページが志望者であります。理工系への志望者の割合というのが,学部の方が上のグラフの折れ線グラフになっていまして,20%ぐらいまで上がったところでちょっと横ばいだ。それから,修士については,その下で,青の上の方が工学部で,下の方が,ちょっと見えにくいですが理学部系です。修士課程については理工系が相当なシェアを占めていると。4ページ目が博士課程であります。これも志望者で,志望者数全体の中で14%と8%を工学部と理学部が占めている。やや工学部は低下傾向にあるということであります。この辺りが理科離れの頂点に位置する問題かと思います。
5ページ目が入学者であります。入学者は定員に左右されるということですが,学部については上,青いグラフが工学部ですが,ややなだらかに減ってきている。理学部は横ばい,修士については比較的高い値ですが,横ばい。工学部ですね。理学部についても横ばいであります。
それから,次のページ,6ページが博士で,これが少し左から20年間の長いスパンですが,やや減ってきている。理工について同じようなことが言えるということです。それから,今も出ましたが,女性の割合についてであります。これは工学部,理学部について入学者の割合は右肩上がりであるということであります。ただ,そんなに急速に上がっているわけではない。ほかの学部に比べると低い。
次が,今は学部でありますが,7ページが修士と博士のデータで,修士は全研究科で30%ぐらいのところでサチュレートしています。理工系についても,伸びてきたが,近年では横ばいです。博士については,全研究科ではむしろ30%超,理工系で15%程度と,修士を超えていますが,最近のところでは横ばい傾向というような感じです。
次のページ,8ページが,外国人学生の割合です。これについて,学部については工学部で13%程度で,多少でこぼこがあります。最近のところで少し右肩上がりで来ていると。大学院については横ばいですかね。工学系で25%程度という感じです。これは修士,博士一緒のデータであります。
というぐあいに,基礎的なデータだと特に気が付くのは博士課程の学生,日本人入学者がやや減っていると。そういう共通認識の下で,ここでも議論に出た幾つかの点について,事例をまじえながら話をさせていただきます。
9ページが裾野を広げるという観点で,小学生向け,あるいは小中学生向けの様々な試みが行われているということで,各大学が出前授業をやったり,いろいろな試みが行われているという例であります。
次のページが,もう少し,目的意識的といいますか,大学進学に結び付く格好の例で,御承知のようにスーパーサイエンスハイスクールという制度があります。11ページの方がスーパーサイエンスハイスクールの実績といいますか,大学進学にどういう影響を与えているかと。ちょっと見にくいグラフですが,下にグラフが四つあります。まず左の二つ。上と下ですね。これは男子学生について,4年制大学に進学する人が,この折れ線グラフはそのスーパーサイエンスハイスクールとそれ以外の高校でどれぐらい違うかということで,進学率が1.5倍ぐらいであると。スーパーサイエンスハイスクールの方が進学率が高いということです。最近のところで少し右肩下がりになっているので,この優位さがやや失われている。その下の方は理工系に進む進学率でありまして,こちらは2倍程度であるということで,比較的安定している。右側が女子学生であります。女子学生について,大学進学率が上の方で,4年制大学の理系学部の進学率が下のグラフです。女性の方も似たような傾向で,少し最近,4年制大学全体としては下がってきているけれども,しかし,普通の高校よりも高いということで,スーパーサイエンスハイスクールの効果がそれなりにあるのではないか。
10ページに戻っていただきますと,こちらはグローバルサイエンスキャンパスという,これは大学が近隣の高校生に対して,大学に来てもらったりして,早くから理系の学びを手伝うということで,これは制度が発足して間もないので,まだ十分な結果が出ていないと思いますが,全国的に普及している。こういう格好で,裾野を広げるというのがSSHの例から見ると,それなりに効果があるのではないかと思います。
12ページが,大学レベルで産学連携をどんなふうに活発にやっているのかということであります。私どもの大学は,この後,小畑先生から出てきますが,高専と極めて近い関係にあります。右の上のグラフのように,入学者が3年生からぐっと増えるのは,高専からの編入が大宗,8割を占めているということであります。そこで高専からマスターまでが標準コースになっているわけですが,らせん型教育として高専の5年間と我々の4年間ないしはプラス3年間,博士まで,そこで工学系の学習というのを繰り返し高めながら行っている。その過程でインターンシップというのを開学時から必修にしていまして,2か月,同じようなシステムの長岡技術科学大学では6か月のインターンシップをずっと行っている。海外のインターンシップも最近始めています。それから,教員の中で3割ぐらいが企業からの出身者で,企業でかなりの実績を積んだ方々が30%ほどを占めている。それから,ロボコン等,実践的なコンテスト等に参加して,実践の場でいろいろなことを学んでいるという特色があるということで,かなり幅広い産学連携,あるいは企業指向というのが存在する工学系の大学もあるということです。
13ページは,これからやろうとしていることでありますが,右のところに技術科学社会実装研究拠点とあります。より進んだタイプの産学連携をこれから進めていきたいということであります。つまり,今までの産学連携をよりスケールアップしてやっていきたいと今,考えているところです。
14ページがほう芽的なものでありますけれども,寄附講座はどこでもありますが,下の方のピンクのところが先端融合研究の推進ということで,産総研と,それからカルテックと共同ラボを作って,こういう共同ラボを中心に,日本の企業にも参加していただこうと考えています。
15ページが,日本の企業が来る場合の,ある意味で非常に進んだ形態ですが,これは北海道大学さんの例であります。北海道大学がシオノギ製薬とイコールパートナーシップを結んで,シオノギ製薬が北海道大学の中に研究棟を作った。大学も一部を使えるということでありますけれども,この下の写真にある建物はシオノギが作ったもので,大学の中に企業の研究機関が立地しているという事例まで出ているということであります。
16ページから最後のパートで,Industrial博士制度というのが新しくできたということであります。電通大が中心となってコンソーシアムを作っているわけですが,特徴としては企業との共同研究をテーマにした論文で博士を取るというのが条件になっていて,しかも学生は途中から場合によっては企業に雇用されるという形態をとると。今のところ日本の制度では,日本の博士に更にIndustrial博士というのを付加するという仕組みも考えられているようでありますけれども,もともと研究内容そのものが産業界のニーズに合った研究をしていくということで,研究が大学と産業の橋渡しになるということであります。
17ページはそれの国際比較で,今のIndustrial博士制度というのは,ヨーロッパで既に生まれていると。そういうものに日本のスーパー連携大学院の構想でチャレンジしていこうとしているという例であります。
というぐあいに,かなり産学連携が進んでいる実態にあるので,こうした試みというのを更に発展させていくことが必要なのではないかと思います。
私からは以上でございます。
続いて小畑委員からお願いいたします。


【小畑委員】  高専機構の小畑でございます。よろしくお願いいたします。
私は高専機構に所属しております。高専は創造的・実践的技術者を育成するというのが最大のミッションでございますので,その高専教育の特徴的な部分についてまず詳しく御説明したいと思います。
1ページ目,この資料に含まれている内容を示したものです。最初に高専全体の現状,2番目に,高専教育の特徴と言われる部分を五つの視点から御紹介いたします。それから,3番目は広い意味での地域貢献。理科離れを食い止めるための取組等についてのお話をしたいと思います。そして最後に,これから高専はどうあるべきか,産業界に役立つ人材育成という視点からどのような課題があるのかをごく簡単に御紹介したいと思います。
まず2ページ目でございますが,右側に日本地図がございます。国公私立全部で57校がどの地域に配置されているかを示した図でございます。国立が51 校,公立と私立が3校ずつあります。高専が存在しない県が五つほどあるのですが,大体,各県に満遍なく配置されていると考えてよろしいかと思います。左側の図は,1962年に最初の高専が生まれてから,国立高専の配置校がどう増えていったかを示すグラフと,1962年のGDPを1としたときの相対的GDP の変化図を重ねて表示したものです。日本の高度成長期に,GDPの増加にまさにぴったりと重なるように高専数が増加していき,卒業生が産業界で活躍してきたということがこの図からよく分かるだろうと思います。
次のページ,3ページ目でございますが,高専の在学生の数を示した図です。中学を卒業して入る本科の定員は,国公私立全部合わせて1万500名程度です。本科は5年間の課程ですので,全体で5万5,000人ぐらいが在学しております。それから,専攻科が全体で3,000人強ということでございます。
高専がどのような学科から成るのかを示すのがその下の表でございます。ほとんどが工業系に属する学科です。機械系,電気・電子,情報系,化学系,建築,土木系が中心で,日本の高度成長期を担った主たる産業分野が高専の学科として存在をしているという言い方ができるかと思います。
次は創造的・実践的技術者育成のための教育についてお話しします。5ページ目を御覧いただきたいと思います。まず,上部左側の図ですね。学生は15歳で中学校を卒業してから高専の本科に入るわけですが,高専では1年から専門教育が始まりまして,本科5年間で学術的な意味では大学4で学ぶ専門科目と同レベルの学術的基礎を植え付けるというのが一つの狙いになっております。高大接続の問題もなく,5年一貫教育が行われ,しかも大学入試がないということで非常に効率的な教育ができるわけです。
右側の図に移ります。Spiral upと上に書いてありますが,これは講義で基礎的なものを学習し,それに基づいて演習,それから実験・実習,これが非常に豊富に組まれておりまして,これらの組合せで順次レベルアップしていく教育システムになっております。
次の6ページでございます。今,教育の質保証というのが非常に声高に叫ばれております。高専では平成23年度にモデルコアカリキュラムというのを制定いたしました。これは何かというと,高専では,教員が学生に何を教えたかではなくて,学生が何をどこまで理解できたか,その教育の到達目標を明示的に示したものでございます。「コア」というのは国立高専の全ての学生に到達させることを目標とする最低限の能力水準,習得内容を意味します。それから,本科後期あるいは専門科のレベルでは,総合的な能力を育成する授業が組まれておりますが,そこでは例えばオームの法則だとかアンペアの法則だとか,そういう単語で表現できない,より総合的な能力を身につけさせることを狙いにしたPBLなどが中心になります。その中で優れた教育事例を「モデル」とし,それらをエンジニアデザイン教育事例集という形で整備し,それを全高専で共有し,実情に応じて導入普及をはかろうとするものです。このモデルコアカリキュラムに基づき,各高専では順次,カリキュラム改訂が行われつつあります。
次の7ページが共同教育についての取組です。機構本部全体でやっている部分と,各高専が取り組んでいる部分とあるのですが,全般的に共同教育は非常に活発でございます。例えば,一番下の各高専主体と書いてあるところに目を向けていただきたいのですが,PBLに基づく総合教育ということで,エンジニアリング・デザイン能力及び分野横断的能力の開発を目的とした取組が盛んです。企業での実課題を題材にいたしまして,担当教員だけでなく,企業の技術者が指導に当たり,課題発見や課題解決能力を育む場となっております。
それから,次の8ページ目は,インターンシップへの取組をまとめたものです。これは高専の一つの特徴を成すものと言えるでしょう。ここに示すように,年間約8,000人の学生がインターンシップを経験しております。したがって,卒業するまでに高専生の8割はインターンシップの経験があると言ってよろしいかと思います。期間ですが,本科では1週間から3週間というのが代表的で,専攻科ではより長くなりまして,1月から3か月という期間でインターンシップを行っている例が多くなります。
それから,グローバル化の時代にふさわしい技術者育成のために,5年前から海外インターンシップを機構本部主体で取組を開始しました。まだまだこれに参加できる学生の数が少ないのですが,順次,受入れ企業数を増やして,海外に派遣できる学生数を増やしていきたいと考えております。
次に9ページ目を御覧いただきたいと思いますが,御存じのように高専ロボコンはNHKの放送等で大変有名でございますが,これ以外にもプログラミングコンテスト,デザインコンペティション,英語プレゼンテーションコンテスト,それから3Dプリンタ・アイデアコンテストと,高専の中でいろいろな全国的規模のコンテストが組まれております。これに対して,学生は主体的にチームを組み,自ら考え,互いに知恵を出し合って他のグループに負けないより良いものやシステムを作り上げていくわけです。創造力や実践力が育まれる大変優れた教育の場になっていると考えております。
それから,次の10ページでございますが,グローバル化への対応ということで,先ほど,海外インターンシップの話を申し上げましたが,それ以外に,各高専でいろいろな取組が行われておりまして,海外派遣は国立高専全体では,昨年度,約2,500名を超える学生が海外に出掛けております。それから,海外から高専に受け入れた学生は1,100名強ということで,国際交流は非常に盛んであるといえるでしょう。それから,グローバル化の時代にふさわしい高専に進化させようということで,茨城,明石の2高専を選びまして,そこにある程度の資金を投入して,グローバル高専と呼ばれるにふさわしい体制を整備しつつあります。他の高専のグローバル化のモデル校を目指しているわけです。
次,11ページを御覧いただきたいと思います。高専教育の特徴とするところをまとめたページでございます。第一に,15歳からの5年あるいは7年の切れ目のない一貫教育が挙げられます。ここで,本科レベルでも学術的には学部卒レベルの基礎を授け,科学技術の急速な進展に対応できる学術的基礎をまずしっかりと植え付けます。それから,長期で,かつ豊富な実験・実習・演習,PBL,インターンシップ,独創力を発揮する各種のコンテストなど,創造力,実践力,総合力を育成する枠組みが用意されております。このような教育体系の下で何が生まれるかというと,学術とものづくりを巧みに結び付ける優れたセンスが育ち,そこから生まれるアイデアを実践する力が学生の中に育つことになります。我々はこのようにして育った技術者魂を高専スピリッツと呼んでおります。これからは科学技術の進展が著しく,仕事の内容も非常に急速に変化します。その急速な変化にも対応できる学術的なしっかりとした基礎を植え付けると同時に,新しい時代の変化にも適切に対応できる自ら学ぶ力の育成というのを基本に据えて,これからも高専の教育に一層の磨きをかけ,より高いレベルの創造的・実践的技術者の育成を進めていく予定です。
次は社会貢献でございますが,13ページを御覧いただきたいと思います。各国立高専には,地域共同テクノセンターというのが用意されておりまして,ここを中心にして地元の中小企業等の技術者のリフレッシュ教育,あるいは学び直しプログラム,キャリアアッププログラムが組まれております。それから,テクノセンターの中には地元の企業を組織化した技術振興会があり,それを通した共同研究,技術相談等の産学連携活動が活発に行われております。大学と違うのは,地元の中小企業が対象の活動が中心に行われているということだろうと思います。
それから,14ページを御覧いただきたいと思いますが,先ほども大西先生の方から理科離れ対応でのいろいろな活動の事例の紹介があったかと思いますが,高専でもこの種の活動を積極的に行っております。まず出前授業です。これは小中学生向けの理科あるいは科学教室で,全国で昨年度287講座開催されました。それから,七つの高専で小中学校の教職員向けの理科実験,科学実験講座というのを,地元の教育委員会と連携して開催していることは注目に値するでしょう。このように,高専としては理科離れ対応の活動を積極的に行っております。
それから,公開講座も非常に広く行われておりまして,昨年度,全国で914の公開講座が開講され,1万7,000人が受講しました。ここには企業の技術者を対象にした先端技術の紹介だとかリフレッシュ教育も含まれております。
次は女子学生を増やすための取組です。高専での女子学生の占める割合は,国立大学の工学部に比べると高いのですが,まだまだ不十分ですので,工学分野に興味を持つ女子学生の裾野を拡大しようという狙いがあります。まず,オープンキャンパス。これは全ての高専で行っております。それから,中学生や企業の人向けに女子高専生の活躍の様子をまとめて紹介するデータブックなどを整備して配布しております。それから,女子学生が高専で行っている研究の発表を通して,企業の方々に女子高専生のエンジニアとしての力を見ていただき,就職先の開拓にも資するようにしようということで,企業からの参加を募って高専女子フォーラムというのを毎年開催しております。
最後に,これからの課題でございます。17ページを御覧いただきたいと思いますが,これは高専卒業生の進路の経年変化をまとめたものです。一番上のブルーが卒業生の数,その下にある赤い線が就職者の数,その下の緑色の線が進学者の数でございます。就職者の割合が減り,進学者の数が増えているのがお分かりいただけるだろうと思います。次のページ,18ページですが,具体的な数値データがテーブルになっております。大学へ編入する学生が約24%,それから高専にある専攻科へ進む学生が約16%です。専攻科の修了者の進路でございますが,修了者の約3分の1が大学院に進学をしております。大学あるいは大学院に高専を経由して進学した学生は,高専時代の5年あるいは7年の教育で,先ほど紹介した高専スピリッツが本人の中に根付いております。これが新しい環境の中で,また更に成長していくということを考えると,高専を経由する意義というのは,普通高校を出て,工学部に入学をするという学生に比べて,一味も二味も違う技術者として育っていくと我々は認識しております。

もうすぐ終わりますが,次の19ページは,工学系の新卒者に占める割合です。これはちょっと解説が必要な図なのですが,時間がございませんのではしょりますけれども,これを見れば分かりますように,大学院の修士課程出身者が非常に多くなっているということです。学部卒でそのまま就職をする人が非常に少ないということを示す図でございます。
以上をまとめたのが20ページ目でございます。文部科学省の有識者会議の高大接続システム改革会議では,そこに示す学力の3要素の重要性を提言しております。我々としては,従来の高専での教育はこの3要素の育成に沿ったものになっており,更に改善を進め,高専スピリッツの育成に一層の磨きをかけることで,より高いレベルで応えることができるだろうと考えております。
一方,科学技術が非常に高度に進んで,産業構造も大きく変化をしております。例えば,ものづくりそのものも従来の,例えば20年ぐらい前までのものづくりと大幅に変わっております。したがって,これからの高専に求められるものは,一言で言うと高度化であると思います。これから専門性が急激に変化をしますので,その専門性の変化にも適切に対応できるような技術者でなければなりませんので,我々としては本科と専攻科をもう一度見直して,より効率的な教育制度に組み換え,近未来の産業界が望む技術者育成の教育システムを目指す必要がある,ということで,関係者にいろいろと御説明しながら協力いただこうと思っているところでございます。
最後に,産業界に対して一つお願いがあります。高専の本科卒業生は学部卒の人と比べて遜色ない実力があると,ほとんど異口同音におっしゃっていただいております。一方では,能力のある技術者であれば,それなりの待遇をしてほしいと我々は思うのですが,ややもすれば高いレベルの技術者を安く雇える,という雰囲気が感じられるのです。それから高専卒というだけで昇進の上限が決められている,という事例も見受けられます。高専生の持つ豊かな才能が就職した後も実力に応じて伸びていけるように,是非とも御配慮いただければと思っております。
以上でございます。


【大西座長】  ありがとうございました。
それでは,次に藤嶋委員,お願いします。


【藤嶋委員】  それでは,「有為な博士人材の育成・活用に向けて」ということで,お話しします。まず,本学で作りました機械工学というオリジナル教科書を紹介させていただきたく,配らせていただいておりますのでよろしくお願いいたします。
まず,1ページの表紙にあります,私たち理科大のロゴマークなのですが,皆さん,これ,御存じでしょうか。今年はアインシュタイン一般相対性理論発見百周年ということで,真ん中にありますのは太陽です。太陽のもつ強い引力の下では光も曲がるということを表しています。私たちは昔の東京物理学校ですので,シンボルにしています。
2ページに博士の現状と課題ということで,今まで1回,2回目の会議でいろいろお話がありましたように,優秀な学生は修士で就職してしまって博士になかなか進学しないということ,博士の学生はアカデミア志向が強く,高度な専門性はあるが,専門以外ではどうかというようなことがある,企業が求める人材が育成されていないのではないか,博士課程修了者はまだマイノリティーであるというような,いろいろなことが問題になっているという状況です。
さて,修士課程を修了した人について,平成26年の学校基本調査で調べてみますと,修了後そのまま正規の職員として就職する人が70%以上,博士課程に進学する人が約10%という状況です。これは全分野にわたってのことであります。それでは,博士課程を修了するとどうなるかということですが,就職者で見ると,正規の職に就けるのは半分ぐらい,残りは非正規の職等ということであります。博士課程を修了しても就職も進学もしない人が20%もいるというのが実際のところであるということが分かります。
5ページを見ていただき,博士課程の修了者の状況を分野ごとにどうなっているかを見てみますと,そこにありますような形で,正規の職員になる率が一番多いのは「保健」の分野でして,これは医学博士も含めての数値だと思います。次に工学,農学,理学という順番でして,工学で見ると55%以上の人が正規の職員になっているということになります。それでは,課程博士に入学する年齢はどうなっているかといいますと,6ページを見ていただきお分かりのように,正規の24歳,25歳で入ってくる方が多いのは当然でありますけれども,その後,30から34歳の間で課程博士に入学しているということが分かりまして,つまり,学部あるいは修士を出て,企業に入社してしばらくたってから,企業派遣のかたちで課程博士に入る方がかなりおられるということがみてとれます。博士課程の学生のうち,社会人の割合は4割ぐらいということも分かります。
次に7ページでありますけれども,博士人材が重要視されるために大学がなすべきことは何かということでありまして,博士の学位の質保証,厳格な審査,学位授与基準をきちんとしなければいけないということがあります。特に博士課程への進学者を増加させなければいけないという点では,やはり奨学金を更に充実させる,あるいは授業料免除等を行うということが必要ではないかと思います。しかも,専門的な知識プラスアルファとして,教養教育などを身に付けさせるという教育を博士課程においてさせなければいけないということです。ということで,実践的な研究システムに加えてカリキュラムも十分考慮しなければいけないのです。そして,社会人の博士課程への積極的な受入れを図るべきでありまして,企業との産学連携・共同研究の推進,あるいは海外大学との連携を積極的に行っていくとことが重要ではないかと思います。8ページにありますように,企業の方々にお願いしたいこととしましては,博士号取得者への処遇・待遇を改善していただきたいと思います。学歴に応じた採用枠を決めていただいて,博士課程を修了した学生を是非採用してほしいということです。そして,特に社会人には,論文博士で博士の学位を取得するのではなく,課程博士として週1日,2日と研究室に来ていただき,課程博士をもっと増やしていきたいと考えています。このためには共同研究等を推進していくということが必要ではないかと思います。
次の9ページを見ていただきまして,どうしたら現状を改善できるかということですが,博士育成・活用のスパイラルの構築というのが大事ではないかと思います。産学連携をより積極的に行って,企業の方には博士人材を積極的に採用していただく,待遇を向上していただくことをお願いしたいですし,これにより,優秀な人材が博士課程に喜んで進学してくれるようになると思います。これに応えて,大学でもきちんと教育改善をして,付加価値を持つ博士人材を輩出することを行っていかなければなりません。これがうまく回れば,アメリカのように,博士の学位を取得した人材が企業で大活躍するというようになっていくのではないか,ということであります。
そこで,今,私たち東京理科大学で具体的にどのような取組をしているかということでありますが,大学院における専門外教育を充実させていきたい,それから,学部を含めてですが,全学共通講義を推進しています。やはり教養教育というのは非常に重要です。第一線で活躍している研究者等に講義をしていただく,あるいは,教養という点でも,歴史とか文化とか,そういうようなことを十分勉強しなければいけないという雰囲気を作らなければいけないと思います。当然ながら,英語教育は非常に大事でありまして,そのほかにも倫理学,あるいは環境・安全教育,それから知財教育についても,全学的に学部1年生から博士課程の学生まで取り組ませたいと今,準備をしているところであります。
具体的な取組2といたしまして,11ページを見ていただきまして,博士課程に特化した様々な取組を今,行いつつあります。来年の4月から博士課程への進学者に対して,授業料相当の給付型の奨学金を用意しております。それから,TAやRA制度を更に拡充させます。授業料は奨学金でカバーできるようにすると同時に,3割ぐらいの学生はリサーチアシスタント等として雇用し,生活費相当額を給付していきたいということです。このような支援を実施し,有為な人材を更に育成するとともに,海外派遣や共同研究を推進する,あるいは博士の学生の大体は修士の学生を研究室の中で指導していますので,それを更に充実させ,指導をしながら学生自身が力をつけていく形を作っていきたいということです。
12ページは,博士の学位の質保証をきちんとしなければならないということでありまして,本学では理学研究科,工学研究科,理工学研究科,基礎工学研究科があり,同じ分野の専攻がありますけれども,これら各専攻の学位の審査基準が同一でないと質保証がきちんとできないということで,厳格な博士論文の審査基準を今,統一化しています。そして,繰り返しになりますが,社会人課程博士を増加させていきたいと思います。本学が新制大学になってから,博士の学位を授与した数でありますけれども,理学,工学,薬学という主なところだけで課程博士と論文博士を併せて合計で2,300名強になりまして,課程博士と論文博士の授与数がほぼ同じということになっていますが,今後は更に課程博士を増やしていきたいというのが私たちの希望であり,そうした取組を推進しています。
13ページを見ていただきまして,基礎学力がやはり大事,きちんと基礎力を作っておかなければならないということで,東京理科大学のオリジナル教科書の出版を始めました。お手元に配らせていただいたものがオリジナル教科書の第1号の「機械工学」でありますけれども,これは学部の1年生,2年生,機械系の学生には必ずこれを使用してもらいます。このオリジナル教科書には,機械工学で必要となる流体力学,材料力学等の4力学が全部入っていまして,機械工学で学ぶべきことがこの1冊にまとめられています。実際に中を見ていただきますと,研究者のプロフィール紹介なども収録しています。この教科書を使った講義は学部1年生,2年生中心になりますが,これだけではなく,卒業研究や大学院のとき,あるいは卒業してからも是非ずっと手元に置いて見ることができるような内容のものになっているのではないかと思っております。今のところ,これ以外にもここに書いてあります基礎化学,電気・電子工学,生命科学入門等の7冊,これは全部執筆中でありまして,来年3月末までにはこのうち4~5冊を実際に出版し,来年4月からの講義で使っていく予定です。将来的には,全分野,30 冊程度の刊行を予定しております。
14ページを見ていただきまして,私立大学からのお願いということで,特に理工系学生の場合は,各研究室に配属されて卒業研究や修士課程の論文作成を実験を行いながら進めていく状況にありますが,近年は就職活動の期間が非常に長期化してきており,研究あるいは実験を行うことができる時間が非常に制限されてきている状況にあります。こうしたことから,特に修士課程,博士課程の学生が多数在籍しております理工系の私学においては非常に深刻な問題になっておりますので,是非,就職活動期間の短縮をうまく考慮していただくことができればと強く希望しております。
最後に,15ページにありますように,皆様御存じのとおりアリストテレスですね。紀元前384年生まれで,ヨーロッパ,欧米ではアリストテレス先生の言ったことは正しいということでずっと信じられたすばらしい方であります。ちょうど徳川家康が活躍した1600年頃ガリレオ・ガリレイが,例えば皆さん御存じのピサの斜塔から鉄の玉と木の玉を落として,アリストテレスが言った,重いものは早く落ち,軽いものはゆっくり落ちるということに対して,いや,空気抵抗がなければ同じであるということをガリレオが反論したというようなことでありますけれども,少なくともアリストテレスは2,000年間,皆さんが信じたすばらしい方であります。その彼の言った言葉が,「国家の運命は,青年の教育にかかっている」であります。青年の教育がいかに重要であるかということは昔からずっと当然のことでありまして,その中でも特に博士人材育成は重要なことだと思っています。
以上が私の発表です。


【大西座長】  どうもありがとうございました。
それでは,5番目ですが,横倉委員からお願いいたします。


【横倉委員】  横倉です。よろしくお願いします。
私からは,この1枚目の表題にございますように,中小企業にスポットを当てて人材ニーズの状況や就職状況について,調査結果等の説明をまずさせていただき,私が,藤嶋委員がおられます東京理科大学で籍を置いて仕事をしているということで,特定の産業に絞って,どんな状態かというのを検討しましたので,そのお話をさせていただくという2部構成であります。よろしくお願いいたします。
2ページ目です。「我が国における中小企業の重要性と人材不足」という表題でございます。改めてではございますけれども,中小企業の定義は,従業員 300人以下を中小企業と定義してございます。中小企業は,ここにありますように圧倒的にその企業数は多く,99.7%であります。従業員数におきましては約7割が中小企業で従事していますが,右側の方の大卒の求人倍率を御覧いただきますと,大手企業に関しましてはここのところ少し右肩上がりで1.何倍かというところでございますけれども,中小企業におきまして圧倒的に倍率は高い水準で推移しており,全くもって大卒の人材は足りていないことがここで示されております。
中小企業の全業種で人材が不足しています。特に直近では建設業が突出しておりますけれども,全産業で人材不足であるという結果が出ております。
次のページに移りますけれども,これは「人員不足に対する中小企業の対策」ということで,中途採用なり,抱えている人材の教育の強化,こういうところで人員不足を補うというようなこと,もちろん大卒の新規の採用も強化するなり,高卒・専門卒,こういうところも同じでありますけれども,中途と人材教育,この辺が対応策となっております。
それから,人材確保に必要な支援策ですけれども,中小企業の方からは,人材育成とか職業訓練に対すること,それから,採用活動,学校とのマッチングが挙げられております。こうしたものへの助成と支援の要望が大変高うございます。
次のページは,インターンシップであります。これにつきましても言わずもがなかもしれませんけれども,社内の人材不足等が起因して中小企業においてはインターンシップを実施している率は極めて低く,10%を割っています。大企業におきましても50%まで届いておらず,中小,大企業,全てもっと高くさせる必要があるのではないかと感じるところであります。
下の方にインターンシップの支援をしている日本インターンシップ推進協会の支援例を記載しております。これは全国的に展開をしておりますので,こういうところも是非ますます活動を活発化されるところを願っているところであります。
次からは,製造業に絞って採用動向をお示ししてございます。新卒,新卒外の内訳というのが上の円グラフであります。中小企業におきましては,新卒は4万 6,000人,11%です。その内訳というのが,どういう学歴で占めるかというのが下のグラフになっております。中小企業におきましては72%が高卒であり,特に理系の大学,大学院では14%ということで,6,000人にとどまっております。
その次のページが学歴別の就職の動向で,円グラフの一番右下が大学・大学院(理系)です。こちらにおいて,従業員が300人未満への就職が17%であります。先ほどの求人倍率から鑑みれば,2万人以上の需要があると推測されます。言ってみれば大企業並みの大きな受皿が中小企業サイドにはあるということであります。すなわち,中小企業における理系人材は圧倒的に量的不足であるということであります。
7ページですが,製造業においてどんな人材が重要な役割を果たしているかという調査結果であります。大企業の方は比較的技術開発寄りであり,中小企業は生産現場寄りであるということがわかります。製造業においてはまあ,こういうところなのかなと思います。あと,特に熟練技能者が少し際立って中小企業の場合の役割を果たした人材であることがわかります。
その次の8ページは東京商工会議所の取組です。企業と学校法人との情報交換会をやっております。ここにお示ししましたように,総合大学,理系,文系とあり,総合大学の中には理系と文系が含まれているところも多うございます。1社当たりどれぐらいの企業が情報交換会でコンタクトしたかを見ると,平均的な企業数としても理系人材への採用意欲が大変高いというのがここに示されております。
次も東京商工会議所の取組です。「東商リレーションプログラム」は,大学入学後の大変早い段階,ここから社会の仕組みを知り,職業観を醸成するための学びを短期間で実施するものです。こういうことで学生生活の過ごし方も変わるであろうと,商工会議所がつなぎ役となって中小企業へのインターンシップ,そこを活性化させようという取組になっております。1・2年次ではツアーから始まり,仕事の観察,そしてインターンシップと,こんなような流れでプログラムを作って取り組んでいるところであります。
以上のことをまとめますと,中小企業におきましては大学,大学院の新卒,特に理工系新卒は全く不足しております。それから,就職先の受皿としては大企業並みに大変大きいパイがあるということであります。それから,ここには書いてありませんけれども,基本的な新卒者への期待とか,能力とか,資質の要求というのは大企業と大きく変わることはないのではないかなと考えております。
さらに,活躍の場としては,業務範囲は守備範囲が広く,成長機会が大変多いのが中小企業の特性であります。中小企業自身から積極的な企業のアピールを行っていく必要があると考えております。
次から,光産業分野の人材育成ということで,私自身も企業では光学産業の中におりましたので,少し中身を見てまいりました。市場のところは読んでいただくとおりで,なかなかこの分野は日本の産業力としては高い分野であります。この中での基盤技術というのはここに三つ書いてありますが,Optics,Opto-Engineering,Photonicsです。競争力の高い産業にもかかわらず,教育サイドの方は規模,内容ともに拡大が必要でございます。過去,学部があった大学もありましたのですけれども,しばらくなくて,最近はここに書いてありますように二つの大学で光の教育なんかが行われております。それから,宇都宮大学でも教育センターがございます。でも,まだまだ規模は大きくなってきていないということであります。
それから,企業サイドは入社3年までを新人教育としておりますけれども,自社内だけではとても対応できないということで,工業会,協会が共通の基盤技術については,もう随分昔から教育をしてきております。一例としては,下にオプトメカトロニクス協会を挙げてございますけれども,こういう教育なくして,なかなか新人を育てるところが企業の中ではできないという状況になっております。この光産業における今後の在り方ですけれども,産業界サイドからは,やはり光産業からの具体的な教育ニーズ,こういうものを大学なり教育機関の方に提供する必要があるということと,できるだけの協力という意味では,講師の派遣とか,それから,いろいろなサンプル,実機,ビデオ,こういうものの教材等になるものをどんどん提供するということが必要であります。大学側は後でも述べますけれども,光産業から見ると,体系的,系統的な教育体系を作り,教育環境を備えていくことが必要ではないかと思います。冒頭,経産省からかなり細かい科目別の分析がございましたけれども,あれらを横串に見る必要があります。昨今のeラーニングとかクオーター制,こういうものも社会人側から見れば学びやすい環境にもなるし,どんどん導入していく必要があるかと思います。
それから,大学によって違うとは思うのですけれども,東京理科大学で言うと,教育のデータベースが余りよくなくて,どういう光に関する科目があるのかというのが探しにくく,もっと講座を見える化する必要があると思っております。
次のページの図は飛ばさせていただきます。ポイントだけお話ししますと,まず米印の1番のところですけれども,企業との共同研究,特に高度人材,大学院,さらには博士人材の育成におきましては,まず教員が変わらなければいけないと思っております。特にエンジニアリング系の教員は,もう産学共同研究をマストにする,義務化すると必要があると思います。そういう中で研究に携わる院生,博士の学生が育つというのが産業界とのつながりにおいてもいい人材育成につながると思っております。
それから,知財教育です。今,山口大学が全学教育,先ほど,東京理科大学もこれから全学教育をやるというお話でしたけれども,是非ここはビジネスにつながるアントレプレナー教育にもつながるような教育を1・2年生の知財教育だけでなくて,高度人材のところでも教育をしっかりとやっていく必要があります。
それから,これをいろいろ調べている中で,社会人にも大学の授業が自由に受けられる,そういう門戸が開かれているということが分かってきました。是非もっと大学サイドは授業体系等を見える化することで,社会人の学びの場にもなる努力が必要だと思います。
最後に,ちょっと事例だけ御紹介させていただきたいのですけれども,13ページですが,調べていく中で,2008年から2018年の10年間にわたって,光のネットワーク拠点形成プログラムというものが行われていることがわかりました。これは光産業の人材をもっと強化し,世界でも引けを取らないようにするには,博士課程を出た人材を多く輩出する必要があるということで,東京,大阪で,全部で9機関が加わって育成プログラムを行っております。研究を通して,博士をこのプロジェクトで100人輩出しようということで取り組んでおられます。現在ではそれが200人ぐらいになると見込まれています。そんな活動が今,行われておりまして,大変こういう取組が良いと感じておりまして,これがほかの産業界ごとに取り組んでいけばいいのではないかと思います。
【大西座長】  どうもありがとうございました。
以上で5名の方のお話が終わりましたので,意見交換をしたいと思います。
野路さんの追加資料はよろしいですかね。資料7に野路委員提出議論と,前回議論のあったことについて補足的な資料を配付していただいていますので御参照いただければと思います。
それでは,残りの時間,25分ぐらいですが,御自由に御発言いただきたいと思います。


【須藤委員】  どうもありがとうございます。
2点だけ簡単に質問というかコメントがあります。最初の大西先生と藤嶋先生から博士の人材の話がありました。要は産業界ももうちょっと採用しろということだと思います。最初に経産省の宮本室長が示した図の中で,例えば2ページに企業におけるニーズとか,あるいはイノベーションニーズというのと,緑で示した研究者の数というのがありまして,イノベーションニーズに対して研究者が少ないという分野がある程度はっきり出ていると思います。例えばこういった分野でドクターをたくさん取得してもらうと,産業界も採用しやすいのではないかと思います。もちろん,ドクターは産業界に行くだけではなくて,アカデミアで頑張るとか,世界的な研究者という役目もありますから,例えば,3ページのバイオのところのように逆転していても,これはこれでいいと思います。あくまでも産業界でドクターをどんどん作用するとなると,こういった研究者が少なくてイノベーションニーズの高いようなところのドクターが出てくると,比較的採用しやすいのかなという気がします。これは,一概に言えるかどうか分からないので,経産省の宮本室長の方にもう少し突っ込んだ考察を次回にしていただきたいなと思います。それが1点です。
それから,もう1点,国立大学,私立大学,高専の方からいろいろ中身のお話を聞いたのですが,今,第5期の科学技術基本計画で,御承知のようにシステム化とか超スマート社会とかいう言葉がいろいろ出ています。未来に向けた社会変革とか産業構造を変えるのだという大きな方向性が出ると思うのですけれども,これに対して今日伺ったお話の中で,どういったところがその辺を目指しているのかというのがはっきり感じ取れなかったので,どなたか教えていただければと思います。ソフトとか情報とかは,一部ありましたが,更に分野融合とか,こういったところが大事だと思うのですけれども,その辺のシステム化ということに対して,今の大学の教育がどうあるべきかを考えた方がいいのかなという気がしました。
以上です。


【大西座長】  ありがとうございました。
では,宮本室長何かありますか。その辺りの分析については。


【宮本大学連携推進室長】  1点だけ申し上げます。教育の仕組みを作るときは,カリキュラムを作って,大学でコースを作ったとしても,新しく入った人が卒業するまでに何年かかりますし,その間に産業のニーズが変わっているかもしれないという点が多分,難しいところだと思います。産学でずれがあるかというのは,ここでお示ししたとおりですが,それとは別途,少し専門がずれていても,それも乗り越えて自分で課題を発見して解決できるような能力を養うことが,特に高度人材について非常に重要になってくるのではないかという気がしました。即物的に知識がどうかというところが大事な方々もおられるのですが,一方で,高度人材の育成に関しては,柔軟性な対応ができる人材をどうやって育成していくか。特に融合分野というのは新たに出てくる分野だと思いますので,そういう分野への対応を全部カリキュラムで対応するのは難しいと思います。そのような分野に対応できる人材の育成というものをどうやってやればいいのかというのを,分けて議論をしていく必要があると感じています。


【大西座長】  このグラフの,特に3ページ,2枚目ですね。A3の。これで点線がとても高くて,つまり,研究者が多いけれども,業務に必要な知識は余り多くないとか,イノベーションにとってそう重要でないっていうのは,生命科学系のところですね,これは物すごく多いんですよね。ここでは比較的そういう意味じゃ議論しやすいけれども,生命科学系の人がいたら,何か一言,二言ありそうなんですが,これは聞いている企業とかいうのが,例えば製薬会社に聞けば,こういうところはかなりニーズが高い,イノベーションも大事だと言うんじゃないかと思うんですが,そういう問題はないんですか。何か非常に極端でね,いろいろなところで生命科学が多過ぎると言われるけれども,こんな極端なグラフはメッセージとして違うような気がするけど,どうですか。


【宮本大学連携推進室長】  このデータを取るときには,産業分野の割当てはせずに,世の中一般の技術者何十万人のうちから約1万人から回答を得ています。その人たちの分布というのは特に補正していなくて,単純に集計すると,産業界における機械系,電気系の技術者からの回答が非常に多かったという状態になっています。
一方で,いろいろな方に話を聞きますと,例えばバイオ系の知識を教えている学部というのは,医学部,薬学部,工学部の中の生物学科,理学部の中の生物学科で,実際にこれらの分野では研究員も多くおられます。一方で,産業の出口としては製薬等が中心になると思いますが,採用の規模としては,全産業の中で見ると少ないという実態があるのかなという気がします。
したがって,このような分野の教育を受けた方々は,理系のセンスを持っておられる方々ですので,ほかの理系分野でも活躍していただけるように工夫するとか,いろいろ一緒に考えるべきで,専門分野の中でしか就職されないという状況で対策を議論しようとするとなかなか難しいと感じています。


【大西座長】  私も扱った文科省が出しているような学校基本調査とか,非常に硬いデータですね,それだけだとなかなかニーズと合っているかというようなところが分かりにくいと。そういう意味じゃ,ある意味で省庁の性格をよく表しているような野心的なデータを示していただいていると思うのですが,逆に本当に信頼度が非常に高いのかなと。まだ初期の段階かと思うんですね。こういうデータベース。是非,深掘りをしていっていただくといいかなと。
どうぞ。


【野路委員】  その件は,前回も話しておりましたが,これは企業側から言っているニーズですし,企業側が発展していなければ,どうしても必要ないとなってしまうのです。だから,全世界を見ても研究者の数はバイオ分野が圧倒的です。アメリカではバイオベンチャーがいっぱいいるわけです。だからニーズは高いのです。日本はバイオベンチャーが少ないので,薬品会社は委託研究がほとんどです。そういうところがデータに表れているのであって,そのようにミスマッチで合わないとかいう問題ではないと私は思っています。要するに,産業界の要求の状況を表しているということだと私は思うのです。
だから,私が以前にいろいろな大学に行って話したことを,少しお話しさせてもらいますと,結局一つのポイントとしては,博士まで行った人が就職するよりも,やはりアカデミアで基礎研究するのが本来のあるべき姿に近いような気が私はします。
もう一つは,博士まで行った人は,結局,かなり学問がすごく細かい分野に行っていることです。アメリカを見ていると,研究所に行くと,博士の能力というのは自分のスキルを発表するのです。日本のドクターの場合は,教授が研究しているテーマを言うだけです。要するに,アメリカの場合はコンピューターサイエンスのこの分野で力があるとか,実験する力が優れているとか,このようなことを言う人が非常に多いのです。そのような人たちが集まりプロジェクトができて,初めていろいろな研究になっていくのです。今,国でやっているSIPとかImPACTとか,そういう大きなプロジェクトの中で博士の人たちが活躍して,スキルを磨いて,いろいろな分野の人たちが集まって,そして出口は5年先,10年先を見据えた形での開発,そのときは研究でなく開発という名前まで入れてもらった方が私は良いと思います。研究ですとその段階で終わるので,せっかく出たシーズを世の中で役に立たせるためには,開発までを国のプロジェクトとしてやるべきですし,若い人たちにこそ国からの予算がたくさんつくようにした方が良いと思います。
二つ目は修士課程です。本日も大西先生をはじめいろいろな先生もおっしゃっていますが,7割,8割,うち(コマツ)も同じですけど,9割の修士学生が企業側へ就職に来ています。だから,修士課程こそ産学連携をしっかりやってほしいと思います。先ほど,大西先生からも北大の研究棟の紹介がありましたように,昨日別件で阪大に行ってきましたが,もう二つの研究棟ができて満杯です。欧米の大学は大学の構内に研究棟が結構あります。以前にイリノイ大学に行った際に,キャタピラーが大きなビルを建てていました。そういう例がほとんどです。そこではグローバルなネットワークを持っている先生方も活躍できますし,それと,いろいろな異分野の教授がたくさんおられるわけです。
昨日も日立造船のバイオ施設を見学したのですが,そこには社会構造学などの文系教授の方もたくさん入って,五つか六つぐらいのいろいろな分野の教授が集まって,産学連携が行われているのです。やはり大学は,そのようなネットワークを持っているので,産学連携が非常に有効にできると思います。大西先生が紹介された北大のように,阪大も大きい施設がありますが,大学の中に是非作っていただきたいのです。そうなると,土地の高い大学にはほとんど場所がないのです。問題はそこにあって,もっと地方の大学に研究棟を作るとか,一部の学部だけは地方に作るとか,そういうような知恵が必要です。昨日大阪大学に行ってきましたが,もう場所がほとんどないのです。東大も同じでしょう。場所がない大学ばかりです。


【大西座長】  豊橋はありますから。


【野路委員】  そのように知恵を出して,研究棟を更に作るというような各論に入っていかなければ,産学連携が進まないと考えます。
以上の二つです。


【大西座長】  ありがとうございます。
ちょっとさっきの須藤さんの質問がそれっきりになって,システム化ですね。個別の分野でしっかりやるというのは,それはいいけれども,今や世の中はそれを統合していくシステム化という議論が進んでいるんだと。これにどう対応するのかということで,どなたか御発言ありますか。
私から一つ紹介しますと,リーディング大学院というのを文科省でやっていて,我々も一つ,脳科学というのをやっているんですね。我々は医学部はないのですけれども,情報系の人が脳科学に取り組むっていうことで,そういうのが横に,医学部系の脳科学の研究もあるので,そういうのが横につながっていくと相当なパワーになるんじゃないか。光もそうだと思うんですけれども,そういう人類共通の非常に重要なテーマについて,いろいろな大学が今,それぞれのテーマでそれなりにシステム化しながらやっているものを,更に大学間の統合みたいなものも,あるいは研究連携みたいなものが出てくると,もうひとつ盛り上がるような気がいたします。


【内山田委員】  たくさんの非常に刺激的なプレゼンをありがとうございました。たくさん言いたいことがあるのですけれども,皆さんもお話ししたいと思いますので3点だけ。
1点目は経産省の宮本室長,私もこのデータを使わせていただいたことがあるのですけれども,使いながら思ったことがあります。もともとアカデミアと産業界のニーズは完全にマッチングしていなくて,産業界が時代要求を先に行っているのか,アカデミアがサイエンスのこれから向かうところを先に開拓しているのかということです。そういう状態であれば,マッチングがある程度狂っていても,これは仕方がない。問題は本当に後から産業界へのニーズがそこに出てくるかどうかというところであって,それは何年もたたないと分からない。一つ知りたいのは,どこの国でもマッチングのずれがこんなふうになっていることかと。多分こんなに極端になっていないのではないかと。そういうのを調べることによって,日本の特殊性というのがもうちょっと浮き彫りにされるのではないかと思います。例えば,機械,電気系というのは,実は産業界のニーズはもう長い間高いのです。だけど,アカデミアの方は少ししかやっていない。それは多分,ここから先は推測ですけれども,先生の興味のありかがどこにあるかということで研究者の数が決まって,そうすると研究室の数が決まってきて,学生の数もそこから供給もされないというようなことになっているのではないかと勝手に推測しています。そこら辺を少し海外と比較すると,10年も20年も待って追跡しなくても少し分かるかなと思います。
2点目は博士課程の問題です。これは大変長い間言われてきて,いろいろな施策がトライされているのですけれども,余り変わらないということで,いろいろ考えても余り有効策がないのではないかなと。ただ,今,一つ明かりが見え出しているのはやっぱり産学連携。今までも施策になっていてやっているのですけれども,どちらかというとテーマ1個1個の産学連携という,あるいは一企業と一研究室の産学連携というのがこれまで多かったのですが,今,大西先生も御一緒にやらせていただいています総合科学技術・イノベーション会議でSIPのプロジェクト。これは,今,大規模に産学連携をやるので,産学連携というよりも産産学学連携と言った方がいいぐらいに,プレーヤーが一堂に会してやっています。これはドクターの非常に狭い専門性を,少し枠を広げるということにも効果が出始めているとおっしゃっている先生もいます。また,学生同士が自分の研究室ではなくてほかの研究室の人と議論するという,そういう実のあると言ったらおかしいのですけれども,かなり大規模な産学連携をこれから推進していくことによって,ピンポイントの専門領域から少し枠の広がった人材とか,ドクターの人を民間も採用するとかが起こる。我々が現実にドクターを採用しているケースは,産学連携をやって,やっぱりあの人がどうしても欲しいというときや,産学連携のその次のステップで,製品化に進むためにこの人材が欲しいというようなところは割とうまくドクターを採用するようになっています。ただ,一般的にドクターを採用するということでは,なかなか進んでいかないようなことだと思います。
それから3点目は,理系人材の数です。皆さん,何人もの方が指摘をされました,全体で理工系のそもそも学生が少ないとのこと。それから,女性はもっと少ないということ。これは事実だと思うのですけれども,なぜ日本はそんなふうになっているのかという原因追究をやらないと,これはもう増えていかないと思います。先日もインドである工業大学を訪問したのですけれども,女性学生の比率何%かっていったら,工業大学で40%いるのですね,女性が。そうやって 40%も工業大学に女性が進んでいるっていう国もあるのに,何で我が国は,特に理工系の中でも工業系に進む女性がガクッと減ってしまうのか。やはりその原因,歴史的なことも含めて考えていかないとならない。これも時間の掛かることだが,必要な取り組みではないかなと思いました。


【大西座長】  ありがとうございました。
先ほど小畑委員から手が挙がりましたけれども,小畑委員,お願いします。


 

【小畑委員】  今日の5人の委員のプレゼンの中で,私を除く4名の方の話の中で共通してあったのが博士人材育成でした。大西先生のプレゼンの最後に,Industrial PhDのお話があったかと思います。電通大が中心になってコンソーシアムを作り,新しい枠組みの中で博士人材の育成が進みつつあるようです。この取組が狙いどおりに機能すれば,博士人材の育成が抱えている課題のうちのかなりの部分が解決するのではいう印象を受けましたので,もし時間があれば関係者の代表の方に10分程度の説明をこの場でお願いして,それを参考にしたらどうかと提案したいと思います。
それから,横倉委員の資料の中に,言及はされませんでしたが,JMOOCの記述が1か所あったと思います。これは社会人の再教育という接点では非常に大きな可能性を秘めている部分があるし,高等教育機関である大学が対応できない部分はJMOOCが補完をするという機能もあると思いますので,JMOOCが今どのような構想を持っているのか,できれば先ほどのIndustrial PhDの取組と同じような視点でお話を聞けたら良いのではと思いますが,いかがでしょうか。


【大西座長】  ありがとうございました。
Industrialドクターは電通大の福田学長先生が中心のお一人だと思いますので,お願いすることはできるかと思います。ちょっと企画をして事務局とも打合せしてやりたいと思います。
藤嶋委員,お願いします。


【藤嶋委員】  先ほどから,例えばバイオ系の人がかなり飽和状態で,機械系とか電気系はかなり人が不足しているといわれています。私たちの大学でも,例えば機械系だとすぐ進路が決まりますし,一番厳しいのは,この分野では,助教に採用してもすぐに他へ転出してしまいます。博士課程の修了者を助教に採用しても,その助教も他で採用されてしまうなど人材が非常に不足していますね。一方,バイオ系は講師を募集すると50人,60人との応募があります。しかも 40歳くらいの方が数多く応募してくるということで,非常にアンバランスな状態になっているというのが実情です。
そこで,先ほどの融合という提案がありますので,私たちも機械系とバイオ系をうまく融合したようなコースを今,考えています。例えば機械の機能的なところを,バイオ系にうまく応用していけるような形でコース化できないか考えております。一番大事なのは,大学の学科名称,あるいは大学の定員はすぐ変更できないことです。非常に難しいですし,時間もかかってしまいます。分野間のアンバランスがあると思ってもすぐには定員変更ができにくい面があります。こうしたことからも,これからはコース制などをうまく使いながら,工夫してやっていきたいと思っております。


【大西座長】  ありがとうございました。
最後に,神谷委員から御発言。

【神谷委員】  先ほどの女性の人材活用ということでは,工学系が非常に少ないというお話は,これは高校でもそうでして,本校の場合ですと,700 名を超える生徒がおるわけですけど,女性比率は3%ぐらいということで,本当に少ないです。片や,小中学校は男女比率はほぼ半分半分だと思いますけど,普通科高校辺りも大体半分だと思います。片や工業系はほとんど女性がいない。商業系は逆に男子生徒が少ないという,高等学校の段階からそういうアンバランスは生じておりますので,やはりその辺からちょっと考えていかないといけないんじゃないかなと思います。


【大西座長】  一応,大学,理工系では4割,工学部では44%が学部入学の中で女性の割合だということで,学部はそれなりにいるということなのですが。
では横倉委員。

【横倉委員】  JMOOCに触れていただいてありがとうございました。私も分からなかったものですから挙げておいたもので,どなたかに今日聞こうと思っていたのです。それは今度にさせていただいて,今日説明されませんでしたけど,小畑先生の最後の参考資料のこれを見て私,びっくりしているのですけど,皆様方はこういう受け止め方,共通なのでしょうか。高専の専攻科の評価が学部卒の学生と比較して卒業5年でこれだけの違いが明確にあるという結果ですよね。これはやはり大学の中の育て方が何か間違っていると見るべきなのかな,っていうのをちょっと教えていただきたいなと思いました。


【大西座長】  どのページですか。


【横倉委員】  すみません,最後の23ページですね。


【大西座長】  ちょっと短めに小畑先生,これを解説してもらえますか。


【小畑委員】  今の質問に答えるのはなかなか難しいのですけれども,調査の仕方は,それぞれの企業で大卒者として採用した社員と,専攻科を修了して採用した社員の能力を指標ごとに比較してもらったものです。大卒の社員を3と評価をしたときに,専攻科を出てきて採用した社員が4なのか2なのか,相対的に5 段階で評価してもらった場合の結果です。絶対評価ではありません。大学を卒業した技術者を中央値である3にしたときに,高専を出てきた学生さんはどうでしょうかという調査方法なんですね。
これがどこまで通用するのか,その信頼性については明言できませんが,高専生を多く採用してきた企業に対する実際の調査結果であることは事実です。多分,この高い評価の根底にあるのは実践力,何かある課題を与えると高専を出てきた技術者はすぐに動く,というのが企業の採用する立場の上司から見ると高い評価に結び付いているのかなという気がしております。
答えになっていないかもしれませんが。


【野路委員】  参考までに,うち(コマツ)の会社のことしか分かりませんが,うち(コマツ)はこれに近いです。生産現場で生産管理とか生産技術の方とか,海外の工場長は高専卒・(コマツ)工専(社内工業専門学校)卒の人がものすごく活躍されて,うち(コマツ)は中国・タイ・インドネシアなどで,8割ぐらいがこれら卒の工場長です。


【大西座長】  私も二つの技術科学大学で高専生と付き合ってきましたが,これ,なかなか当たっていると思いますね。プレゼン能力と英語力,だからやや口下手なんですよね。実力はあるけど。それを今,自覚して克服しようとしているということではないかと思います。
すみません,ちょっと時間を過ぎましたので,今日は活発な御議論を頂きましてありがとうございました。今日の議論はここまでとしまして,今までの議論を踏まえて,こういう話も聞きたいという御意見がありましたので,事務局とその辺,相談をしてそういう機会も作りたいと思いますが,論点整理に入って,一旦整理をしていこうということのようであります。
次回の予定について,関企画官からお願いします。


【関専門教育課企画官】  失礼いたします。
次回につきましては,来月,10月22日,木曜日,15時半から17時半までの2時間を予定しております。場所につきましては調整中でございますので,改めて正式な御案内をさせていただきます。よろしくお願いいたします。


【大西座長】  今日はどうもありがとうございました。以上で今日の議事は終了です。どうもありがとうございました。

── 了 ──

 

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