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理工系人材育成に関する産学官円卓会議(第2回) 議事録

1.日時

平成27年8月6日(木曜日) 14時15分~16時15分

2.場所

中央合同庁舎4号館 共用1214会議室(東京都千代田区霞が関3-1-1)

3.議題

  1. 理工系人材育成に関する委員からのプレゼンテーション  秋山委員 大西委員 小畑委員 藤嶋委員 横倉委員
  2. その他

4.出席者

委員

大西委員,内山田委員,野路委員,須藤委員,横倉委員,秋山委員,藤嶋委員,小畑委員,神谷委員

文部科学省

常盤高等教育局長,佐野審議官(高等教育局担当),北山専門教育課長,塩見大学振興課長,関専門教育課企画官
経済産業省
井上産業技術環境局長,宮本大学連携推進室長,星野産業技術環境局審議官,髙科産業技術政策課長

5.議事録

【宮本大学連携推進室長】  それでは,定刻になりましたので,第2回の理工系人材育成に関する産学官円卓会議を開催させていただきたいと思います。本日,上野委員が渋滞で少し遅れられるということでございますが,始めさせていただきたいと思います。

委員の皆様方におかれましては,御多忙にもかかわらず本会議に御参画頂き,誠にありがとうございます。私,経済産業省大学連携推進室の宮本でございます。よろしくお願いいたします。

本日の議事進行は,産業界側の共同座長をお願いしております内山田委員にお願いできればと思います。前回御欠席でございましたので,最初に御挨拶していただきまして,その後議事進行をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

【内山田座長】  ただいま御紹介頂きました内山田でございます。まず,第1回の大事な会合を欠席しまして,おわびを申し上げます。

実は私と共同座長の大西座長とは,総合科学技術・イノベーション会議でも同じ有識者議員をしています。政府として科学技術イノベーションで立国していくという方針の下で,科学技術イノベーション政策を議論している中,政策を実行に移していくのは良いのですけれども,将来,担い手はどうなっているのかと思いますと,非常に不安になります。とりわけイノベーションでは,理工系人材に活躍していただかなくてはいけないものですから,この会議で産学官,力を合わせて有益な議論ができると良いなと思っています。

先回の議事録を拝見させていただいたのですけれども,出席の各委員の方々からも,種々の将来に対する懸念や現状に対する問題意識が指摘されております。皆さん本当に,理工系人材の在り方,量と質と含めて御心配なされているというのがよくわかりましたし,海外の例を見ても,まだまだできることはたくさんあるのではないかとも思っております。皆さんと是非力を合わせて良い議論ができるように,我々二人,大西座長と力を合わせて座長を務めていきたいと思いますので,よろしくお願いします。

まず,本会議の委員であります文部科学省,経済産業省の局長が今回,代わりましたので,それぞれ一言頂ければと思います。よろしくお願いします。

【常磐高等教育局長】  文部科学省の高等教育局長の常磐でございます。どうぞよろしくお願いいたします。委員の先生方には,この会に御協力賜りましてまことにありがとうございます。

私も一昨日からなのですが,前職は研究振興局というところで生命科学と材料科学,情報科学の分野の振興ということを主な職務としていたわけですが,今,内山田座長からお話がございましたように,それぞれの分野での御議論の中でも,やはり人材をどうやって育てていくのかということが非常に大きな課題でございました。また,そのときに,文部科学省ですので人材の育成ということは主たる仕事でございますけれども,その人材を育てて,その人材がどういうキャリアパスを描けるのかということが非常に重要なことですので,そういう意味で,こういう場で経済産業省さんと協力をさせていただいて,我々の人材養成機能と産業界での人材養成あるいは活用という部分とうまくマッチングさせていくということはとても重要な課題だと認識しておりますので,是非この会議で先生方のお知恵をお借りいたしまして前進させることができればと考えておりますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。

【井上産業技術環境局長】  経済産業省産業技術環境局長に先週金曜日に着任いたしました井上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

私どもの経済と産業をつかさどるという立場から申し上げましても,イノベーションが一つの大事なキーワードだと思っておりまして,これは日本の産業競争力を維持・強化していくという面もございます。私,前職では地域経済産業審議官という立場におりましたが,地域の雇用,これは,ものづくりだけではなく,日本全体の7割ぐらいの雇用を占めているサービス産業の生産性を向上していく上でもイノベーションの力は非常に大きいということで,イノベーションがこれからの日本の大きな,様々な課題を解決し,切り開いていくために非常に重要だと思っております。

それも,イノベーションを担える人材がいなければそういうことは実現できないわけですので,この産学官円卓会議の御議論の中でも,後ほど御説明をさせていただきますけれども,産業の側からみた学びのニーズについての調査もさせていただきましたので,こういう材料も提供させていただきながら,この会議の議論にも貢献をさせていただきたいと思います。

また,この会議でこれからまとめていただくことになる具体的なアクションにつきましては,文部科学省ともよく協力をし,また私どもができることは,できるところからどんどんやっていきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【内山田座長】  ありがとうございました。

カメラ撮影はここまでとさせていただきます。

それでは,まず事務局より配付資料についての確認をお願いいたします。

【宮本大学連携推進室長】  本日の資料でございますけれども,まず議事次第の1枚紙があるかと思います。その後ろに座席表,その後ろに円卓会議の委員名簿がございます。その後,資料1から始まりまして資料8まで資料があります。最後に,枚数が多いのでメインテーブルのみの配付とさせていただいておりますけれども,分厚い,クリップ止めで,資料1補足資料が配られております。もし過不足等ございましたら,御連絡いただければと思います。

資料は以上です。

【内山田座長】  ありがとうございました。

それでは,議題に入りたいと思います。

まず,経済産業省事務局より「理工系人材育成に係る現状分析データの整理」について説明をお願いいたします。

【宮本大学連携推進室長】  それでは,資料1に基づきまして説明をさせていただければと思います。

今回,理工系人材育成に係る議論をしていただくに当たって,背景となるバックデータを整理いたしました。2ページ目を見ていただきますと,高校3年生の段階,高校3年で卒業される方は105万人ぐらいおられるわけですけれども,その中で理系・文系を志望される方がどの程度おられるのか。これは推計も使いますと,オレンジの部分と青の部分が理系と文系の志望の方で,大体2対1の比率でおられると推計しております。そのうち約半分,56万人ぐらいの方が大学に進学されまして,学士を毎年卒業されておられるわけですが,その中の文系と理系の比率で申し上げますと,文系が35万人ぐらい,理,工,農,保を合わせた理系が,文系の半分ぐらいありまして,高校のときの文系・理系志望の比率をほぼ維持した形で大学の文系・理系の方がおられると理解しています。文系のほとんどの方が修士には進学しないので,修士になると理系の方が多くなるという傾向がございます。

3ページは,大学で理系に進まれた方々がその後どういった進路に進んでおられるかということを,学部卒業,修士卒業で見たものです。学校基本調査のデータによりますと,大学の学士で理学系・工学系を出られた方の大体75~80%の方が,理工系の仕事に就かれるか理工系の修士に進学されます。

それから,理工系の修士を修了された方は,90~95%の方が理工系の仕事若しくは理工系の博士に進学されるということであり,高等教育の段階に進むにつれ,学んできた専門性を生かした進路に進む割合が高くなっていると思います。

4ページを見ていただきますと,博士をとられた方はどうなっているのかというデータでございます。これは文部科学省のデータを引用させていただいていますが,我が国で博士をとられた方というのは,36%がアカデミアのポストに就かれ,民間企業に就職される方は25%,ポスドクになられる方,有期の職に就かれるのが22%ということでございます。アメリカと比べますと,民間企業に就職される方の割合が低いというところに少し特徴があるのかと思います。

それから,ポスドクになられた方は,その後どうなっているのかというデータでございますが,文科省が全数調査をされたデータによりますと,ポスドクに就かれた方の78%が,もう一度,別のポストのポスドクについておられており,13~14%の方が定職につかれているという状況でございます。

5ページを見ていただきますと,修士の修了者が産業界でどういった職に就いておられるかということを,文系と理系と合わせてデータを並べたものでありまして,学校基本調査のデータですが,青が,理系の方がどういった職に進んでおられるか,赤が文系の方がどこに進んでおられるかということでありまして,左から,研究者,製造技術者(開発),製造技術者(開発除く),建築・土木,情報処理,その他の技術者,ここまでが技術者の内訳でございますが,修士をとられた方は9割以上が技術者を占めておられます。

6ページを見ていただきますと,学士の方を同じように職種でみますと,技術者の内訳をみますと,学士においても技術者の中では理系の方の占める比率が高いのですけれども,情報処理,通信技術者だけは50%ぐらいを文系の方で占めているというところが見えてまいります。

学校基本調査等を解析しますと,今のような姿がみえているわけでございますけれども,第1回の円卓会議でも少し紹介させていただいておりましたが,経済産業省では,今年の1月から2月上旬にかけて,産業界で技術者として働いておられる約1万人の方に対するアンケート調査を行いました。その調査の中を細かく分析いたしましたので,今回,少し紹介させていただきたいと思います。

8ページ目,これも前回の資料で御紹介させていただいておりましたが,1万人の,産業界技術者の学びのニーズがどういうところに高く出ているかを見ますと,機械やITの分野に非常に高く出ています。ただ,これを業種,職種に分けて考える必要があるということで,9ページ目以降に進みます。

9ページを見ていただきますと,学びのニーズの分析に入る前に,この1万人の方々の業種と職種の関係を整理したものでございます。業種は,機械系,電気系,材料系,化学系,情報系,建設系といろいろな業種の方がおられますが,その中にそれぞれ職種として,右の方にございますとおり,基礎・応用研究,先行開発を担当していられる人,設計・開発の人,システムエンジニア・保守・メンテナンス・セールスエンジニアというふうにいろいろな職種の方がそれぞれの業種におられるわけでございますけれども,その比率をみますと,機械系,電気系,建設系の業種におきましては,職種として人数が一番多いのが設計・開発職についておられる方でした。

一方で,化学系の業種におきましては,基礎・応用研究,先行開発の部分に当たられる方が一番多いという,業種によって違う傾向があります。情報系の業種ですと,どの職種よりもシステムエンジニアの方が圧倒的に多いと,いう業種と職種の関係があります。全ての業種で同じではなくて,いろいろな違いがあるということがわかりました。

それから,幾つかの業種と職種の関係をもう少し御紹介します。10ページを見ていただきますと,先ほど申し上げたように,電気系の業種では,設計・開発の方が一番数多くおられたわけでございますけれども,11ページと12ページを見ていただきたいと思いますが,電気系の中には,研究,システムエンジニア,メンテナンス,いろいろな職種の方がおられるわけでございますけれども,それぞれの職種の方がどういった分野に対する学びのニーズを強く持っておられるかをプロットしたものでございまして,どの職種でも,電気系,機械系,情報の基礎的な内容に関する学びニーズがあるという結果になっております。

もう一つ,別の業種を御紹介します。13ページを見ていただきますと,情報系の業種におきましては,全ての職種の中でシステムエンジニアの職種におられる方が圧倒的に多いということでございます。その中の出身学科というものをチェックいたしますと,文系の方が3分の1ぐらいおられるということでありまして,先ほどの学校基本調査のデータと同じく,情報系の産業では文系の方がたくさんおられるということが見えてまいります。

14ページを見ていただきますと,情報系の産業の中でいろいろな職種の方がどのぐらいの数おられて,どういった学びニーズがあるかということでございますが,基本的に皆さん,情報の分野に関する学びニーズがあるわけですけれども,そこの情報の部分を拡大しますと,基本ソフト,ソフトウェア基礎,データベース・検索,情報ネットワークといったあたりに,いろいろな職種の学びニーズが高く出ています。

一方で,少し右の方に1個だけ,青く高くニーズが出ている人工知能・機械学習・知識処理と言われる部分がございますけれども,これは一つの職種だけに非常に高いニーズが出ています。これは基礎・応用研究,先行開発という職種,要するに研究職におられる方でございまして,全体の1%ぐらいのマグニチュードでございますけれども,すごく高いニーズが出ているということでございます。

もう一つ,オレンジ色,これはコンテンツ制作・クリエイティブ系,ゲームとかをつくられる方だと思いますが,全体の5%ぐらいのマグニチュードでございますけれども,全く違う学びのニーズを持っておられる。このような感じでございまして,職種,業種によっていろいろな学びのニーズが違うということでございます。

それから,基礎・応用研究,先行開発の職種の人について,いろいろな業種間でどういう学びのニーズの違いがあるかというのをみますと,15ページ,16ページでございますが,それぞれの業種に対応した専門知識分野というのは違いますので,業種によって当然学びのニーズが違うということがデータとして出ております。これは直感的にそのとおりかなという状態になっております。

17ページを見ていただきますと,システムエンジニアの職種についていろいろな業種間での学びのニーズというものを見てみますと,産業分野は変わろうとも学びのニーズはほとんど変わらないということでございまして,業種によって学びニーズが違ったり,また同じであったりというように,職種によって違うという点が見えております。

最後,18ページを見ていただきますと,情報の分野に関する状況として,文系の方がたくさんおられるという特徴があったものですから,経済産業省の産業構造審議会商務流通情報分科会でどういった議論がされているのかを見ましたところ,日本は守りのIT投資が非常に多いのに比べて,アメリカは攻めのIT投資が多く,これで良いのかといったことが議論されているようなことがあるようでございます。

こういったデータから言えそうなことを2点ほど簡単に申し上げます。1点目として,産業界の学びのニーズを明らかにするに当たって,現状の学びニーズのみならず,将来の産業ニーズも勘案する必要があるのではないかという点でございます。2点目として,産業界の学びニーズへの対応方策を検討するに当たっては,具体的な学びニーズが何かということも大事でございますけれども,その人材の人数のマグニチュードがどれぐらいなのかということも合わせて見ていく必要があるのかという点でございます。このようなことを踏まえて,どういった対応策をとるべきかということを議論できるのかと感じた次第でございます。

これで終わらせていただきます。

【内山田座長】  ありがとうございました。

今の御説明でも,何か御意見,御質問あると思いますが,委員の方からこの後プレゼンをやっていただいた後,一括して質疑したいと思いますので,よろしくお願いいたします。

第1回,会議の最後にお願いしましたとおり,今回と次回の2回に分けまして,委員の皆様からプレゼンを頂きたいと思います。今回は上野委員,私,神谷委員,須藤委員,野路委員の五名から,それぞれ10分で御発表いただければと思います。質疑は,先ほどの経産省の資料説明と合わせまして,五名のプレゼンが全て終わってからまとめて行いたいとに思います。

それでは,上野委員,よろしくお願いします。

【上野委員】  首都大学東京の上野でございます。遅参いたしまして大変失礼いたしました。

資料2でございます。まず1ページ,最初に,本題からそれまして恐縮ですけれども,私どもの大学のアウトラインの紹介をさせていただきます。私どもは,東京都が設置する中規模の総合大学でございます。表にまとめておりますのは,学部の学年定数を学科別に示したものでございます。私どもの大学は,理工学系が46%,人文社会科学系が41%,健康・医療系が13%という,規模の大学でございます。基本的な学問分野を備えた中規模の総合大学でございます。全構成員で1万人ですので,大き過ぎもせず小さ過ぎもせず,学生と教員,学生同士互いに顔のみえる関係で,非常にインティメートな距離感で教育研究ができているというふうに思っております。

本日の理工系人材ということで言えば,理工系は学部で50%弱を輩出し,それより少しのところで人文社会科学系の学生を輩出しているということでございます。人文社会系にも大変豊富な教員をそろえておりますので,特に基礎教養課程の教育,リベラルアーツ教育をしっかりできているというところは自覚しているところでございます。そして,全ての専門が異なる分野の学生が同じキャンパスで基礎教養課程を学ぶというところも本学の特色かというふうに考えております。

そして,これは極めていわずもがなのことかもしれませんけれども,昨今,文科省が国立大学に対して,人文社会科学系の学部・大学院の改組や廃止というようなことをいっておられますが,確かに社会的要請の高い分野への転換ということは大事かもしれませんけれども,一方,繰り返しになって恐縮ですけれども,中規模総合大学,いろいろな学部の分野を備えているというところは,私どもの大学として大事にしたいと思っております。それから,幅広い教養,批判的精神,文化,歴史を理解する力というのをあまねく理工系の学生にもしっかり定着させるということも,私は大事なことではないかというふうに思っております。さりながら,養成する人材像の一層の明確化,身につける能力の可視化ということについては,人文社会科学系の学生に対してもしっかりと考えて,不断に組織改革をしていくことは大事なことかというふうに考えております。

1ページおめくりください。大学院でございます。学部定員に合わせて修士と博士の学年定数をここに記載しました。端的にいうと,本学の理系では,博士前期課程の進学率は70~80%。他大学からの応募も非常にたくさんございまして,非常に健全な入試倍率を維持しております。就職率も高いというふうに認識しております。しかしながら,博士後期課程への進学率は低下傾向でありまして,残念ながら博士後期課程では,正直にいいますと定員充足に苦労しております。

1ページおめくりください。3ページでございます。これは前回話題になりましたし,文科省からもデータの提供がありましたので,繰り返すことはいたしません。博士課程への修士課程からの進学率は,本学に限らずかなり長期的に低下傾向がございます。博士課程進学者減少は,これはいうまでもないことですけれども,大学の基本的な研究力低下に直接的に結びつきます。私ども理工系の教員としては,このことについて非常に強い危機感を持っております。

一方,前回もいろいろ議論がありました,公務員・一般企業でPhDを重んじる風潮のなさはなぜか。これは前回の御議論でいいますと,博士課程修了者は専門知識・研究力・論理的思考力はあるけれども,熱意・意欲,行動力・実行力,チームワーク力がないのではないかという御指摘がございました。しかし,私,20人近くの博士を自分で育てましたけれども,本当にそうかなという気がいたします。大学の副学長,幹部ともこの件で議論しましたが,正直にいいますと,この非常にすぐれた才能をもった子がという人は,なかなか博士に進学してくれません。修士でかなり高い就職率があるということもありますし,キャリアパスへの不安があるのでしょう。

前回では,文科省からリーディング大学院のこともお話にありまして,これは非常に有力なプログラムだというふうに認識しております。私どもは,大学院の分野横断プログラム,研究室の枠を超えた武者修行,例えば物質化学ですとか応用生命,エネルギー,情報科学のような分野で,これは理学系にも工学系にも,場合によっては文系にもそういう先行の研究室があるわけですが,それらを分野横断でつなぐプログラムを開始しようとしております。

1枚おめくりください,4ページでございます。さて,本題の理工系人材育成は,量的拡充と質的向上という両側面があるというふうに思います。私どもに求められているのは,理工系学部・大学院教育に求められる課題かというふうに認識しております。前回議事要録を拝見しまして,企業が求めておられる理工系学部・大学院の質的充実とはどんなことかを簡単にメモしました。イノベーティブ人材,産学連携の共同化,研究室,専攻,大学の枠を超えた人材・教育交流などが前回話題にありました。その中で,修士人材も入社後再教育をしておられるという話を伺いました。これは企業が大学院教育に求めておられる要件を具体的に提示していただけば,私どもは大学が社会の要請に応えるのは当然かというふうに思っておりますので,そういうようなことについて今回,この円卓会議で議論が深まればというふうに期待しております。

ただし,大学は単に職業訓練機関かということについては,深い自制をもちながら常に社会の要請に対応していきたいというふうに考えております。私自身も理工系の人間でございますが,本学の理工系教育は能動的な学びの保証,実践,演習,ゼミ,PBL,卒論,修論,マンツーマンの教育,課題発見・探求型,かなり突っ込んだ教育をしているつもりではございますが,なお企業,産業界の要請がどういうところにあるかということについては,しっかりこの円卓会議で見極めさせていただきたいというふうに思っております。

5ページ,これはいわずもがなのことですけれども,女性研究者についての取組です。私ども首都大学東京はダイバーシティ推進室というものを設けておりまして,文化的多様性,また障害がある学生,教員についての支援を積極的に行っておりますが,例えば教員採用では女性限定公募など,大学説明会やその他のいろいろな機会に,女子の中高生に対して,理系の女子の研究や,今そういうところを卒業した学生がどんなところで活躍しているかなどについての広報を行うような活動を一生懸命やっております。

その他,出産・育児・介護のための女性研究者の研究支援制度ですとか,大学院生の研究奨励賞,一時保育所などについては取り組んでいるところでございます。

最後6ページ,これも極めていわずもがなのことでございますが,文科省は国立大学について,それぞれの三つの領域について特化した,どこに重点を置くかということを求めておられます。公立大学についての要請ではありませんが,あえて申し上げますと,我が首都大学東京は,地域のニーズに応える研究教育,分野ごとにすぐれた研究拠点,世界と戦える卓越した教育研究については,それぞれについてちゃんと頑張れると思ってやっております。

ちょっと時間を超過しました。以上でございます。

【内山田座長】  ありがとうございました。

続きまして,資料3を用いまして,私から,経団連未来産業・技術委員会の委員長の立場から,「産学官連携を通じた理工系人材の育成について」お話をさせていただきたいと思います。

4ページを御覧ください。経団連では本年1月に,2030年のあるべき日本の姿を見据えた「『豊かで活力ある日本』の再生」と題する将来ビジョンを発表いたしました。ビジョンでは,イノベーションとグローバリゼーションを進めていくことで日本再生が実現できると強調しております。その中で最も重視すべき総合課題を3点挙げまして,その柱の一つに,③で示しております理工系人材の活躍が特に期待されます「時代を牽引する新たな基幹産業の育成」を挙げております。

5ページを御覧ください。新たな基幹産業の育成に向けましては,ものづくりとサービスの融合などグローバルに進展する産業構造の変化を捉えた対応が求められております。具体的には,本格的なオープンイノベーションの推進,IoT・AIなど最先端技術の活用,学際的知見を持つ人材の活用が新たな基幹産業育成の鍵であると考えられております。その実現に向けまして,産業界はオープンイノベーションを重視し,その原動力として産学官連携に大きく期待をしております。

7ページを御覧ください。第1に,経団連ではオープンイノベーション時代をリードする理工系人材の育成には,先ほども述べましたように,産学官連携を通じた取組が不可欠と考えております。具体的には,課題・ニーズやビジョンなどを産学官で共有し,例えば,現在内閣府で進めておりますSIPやImPACTのような,府省横断型で基礎・応用・実用化の各研究フェーズを産学官一体で推進することが重要であると思います。我が国におきましても,学際的な知見やコーディネート力を持つ人材を育成するための欧米に比肩するシステムの構築が求められていると考えます。

次のページを御覧ください。ここでは産学官連携を通じた人材育成の成功例を並べております。昨年3月,経団連のドイツ,ベルギー,フランス視察でも成功の秘訣について調査してまいりましたが,研究所の所長と大学教授が兼務しているとか,人材育成,雇用につながる企業との連携システムが存在しているであるとか,地方の産業クラスターの形成にも大きな役割をこれらの研究所,大学が果たしているといった共通点が見いだせるものと思っております。

9ページに示しましたように,国内におきましても地域に産学官のネットワークを形成し,大学,自治体,研究機関,企業が集まりまして,一つ屋根のもとで研究を行うことが有効と考えられております。ここに示しましたのは,名古屋大学における将来のモビリティの研究拠点の例でありますが,こうした拠点が,今まさに中部,北陸,北九州など各地域に形成されつつあると認識しております。

次の10ページを御覧ください。最後の章で理工系人材の拡充に向けました具体的な取組について提案をしたいと思います。

11ページを御覧ください。昨今,理工系人材が減少し,それが産業にも具体的なダメージを与えつつあるということが第1回目の円卓会議でも共有されたところであります。そこで経団連では,産学官で取り組むべき課題である理工系人材数の減少,製造業技術職における女性比率の低さ,産業界・教育界の分野のミスマッチ,理工系人材の学ぶ機会の減少,基礎学力の低下,産学官の基本的な信頼関係の不足という5点について,解決に向けた具体的な取組を紹介したいと思います。

まず,12ページでございますが,大前提としまして,理工系人材の量的な充実が必要であると考えます。ここでは,日本とドイツの学部学位取得者の専攻分野比率に関するデータを示しております。日本では2007年から2013年にかけまして理工系学部の学位取得者が約3ポイント減少しておりますが,この間,若干年度は違いますけれども,ドイツでは2006年から2011年の間で2倍弱に増えております。ドイツでは昨今,いわゆる第4次産業革命など,まさに理工系人材の力を生かした取組が進んでおり,具体的成果が実を結びつつあると考えております。日本も多くを学び,キャッチアップする必要があるというふうに思います。

続いて,13ページに理工系女性人材の育成強化に関して触れております。異業種間のオープンイノベーションの推進などで多様性が重視される中,製造業の技術者内で1割程度に現在とどまっております女性技術者比率を高めることは,大変重要な取組であります。弊社の例で恐縮ですが,トヨタグループ10社ではトヨタ女性技術者育成基金を立ち上げまして,奨学給付制度でありますとかインターン,あるいは出前講義などの活動を現在推進しております。

また,先ほど上野委員からも御紹介ありましたが,そもそも大学に進学する女性の母数が少ないという課題もございます。これについては,初等・中等教育段階での啓発活動の一つとして,内閣府と経団連で協力して「夏のリコチャレ」という,夏休み中の各社の職場見学などのイベントを一元的に周知する活動を行っております。

14ページは,先ほど経済産業省の宮本室長からも御紹介ありましたし,先回も御紹介ありましたが,企業・大学間の分野のミスマッチという問題がございます。説明は省略させていただきます。

15ページに理工系人材の学ぶ機会・基礎的な学びの拡充を増やすことについて述べております。そのためには,第一に,2章に挙げました産学官連携を軸としました人材育成の取組が必要でありますが,経団連の関連団体であります経済広報センターでは,大学生向けに企業人派遣講座といいます経営者や技術者によります出前講義を20年以上前から行っております。また,企業にいる技術者も基礎学力を高めていく必要があり,具体的な取組としまして,日本最大級のオンライン講座であるJMOOCと経団連が連携しまして,技術者の学び直しについての講座の開設を準備しているという状態でございます。

最後に16ページでございますが,産学官連携の基礎となります信頼関係の醸成のため,国立大学改革,研究開発法人の改革を継続的に推進することが必要であると考えます。いずれも既に指摘がなされている点にはなりますが,産学官連携を拡大する大学のガバナンス体制の実現,産業界のニーズの高い絶滅危惧学科に関する対策など,加えて教育研究の質保証などを共に議論していきたいと考えております。

17ページに,これまでお話しさせていただいたことをまとめてありますが,新たな基幹産業の育成に向けまして,企業はオープンイノベーションを通じた成長が不可欠になっており,そこでは産学官連携の重要度が大きく増しております。本格的な産学官連携プロジェクトを実現すること自体の重要性は論を待ちませんが,そうしたプロジェクトを通じ,学際的な知見やコーディネート力を持つ優秀な理工系人材を育成することが極めて重要であるというふうに考えております。理工系人材の拡充に向けては,量的拡大,女性,分野のミスマッチ解消,学ぶ機会の拡充,大学改革といった視点で取組を更に強化していくべきと考えております。

以上でございます。

続きまして,神谷委員,よろしくお願いいたします。

【神谷委員】  愛知県の豊田工業高校の神谷でございます。資料のつくりが皆様方と少し違っておりまして,誠に申し訳ありませんが,本校で取り扱っております産学連携事業についてということで,今日はお話を差し上げたいと思います。

まず1番目に,本校は昨年度,平成26年度からスーパー・プロフェショナル・ハイスクールという事業を文部科学省の指定を受けまして,大学ですとか企業との連携を図って,高度な知識とか技術を身につけた社会の第一線で活躍できる専門的な職業人の育成を目指しております。その中で,愛知県は工業出荷額が全国1位ということで,その中でも豊田市というのは自動車産業を中心とした産業の大変盛んなところでありまして,本校はそのちょうど真ん中にあります。

したがいまして,自動車産業をターゲットに置いて,次世代の産業に必要な知識ですとか技術・技能,こういったものを実践的に身につける,なおかつグローバルな視点を持って創造性豊かな技術者,技能者を育成していくということで,このスーパー・プロフェショナル・ハイスクール事業というものに当たっております。

外部との連携を中心にしてやっておりますので,今日は,大学との連携,企業との連携,あるいは高等学校以外の学校との連携という,その3点についてお話ししたいと思います。

まず1点目は,大学との連携ということでありますが,地元の大学と連携をとりながら,生徒の課題研究という科目がありますので,その課題研究という科目の中で問題点を見いだして,生徒とアイデアを練り上げて,課題の発見,解決に向けて主体的・協働的に学習を進めていく,いわゆるアクティブラーニングというのを中心に授業を展開しております。

特に課題研究を通じて大学との連携を図るということで,例を3点ほど挙げさせていただきました。まず1点目は,缶サット甲子園というのがありまして,今野球ばかりではなくて,いろいろなところで甲子園という名前のついたものが行われております。缶サットといいますのは,350ミリリットルのジュースの缶があると思いますが,あの缶の中にコンピューターですとか計測機器,通信機器,そういったものを全部詰め込んで,上空から落下をさせていただく。地方大会ですと上空50メートルからバルーンでつり上げていただいて,それを落としていく。その間にいろいろなミッションというのを生徒が計画をして,そのミッションを果たして,結果のプレゼンを行うということをやっています。本校のミッション,今年は光を利用した惑星環境の分析と考察ということで,自然光をもとに大気の中の二酸化炭素ですとか酸素の含有量がどれくらいあるだろうかというのを計測して,分析,発表するということをしております。

そうした中で,自分たちで協力してチームでものづくりをする。もう一つが,ものづくりを通して実践評価,改善,いわゆるPDCAのサイクルを勉強するというようなことをしております。この点を大学さんにお邪魔をして教えていただいて,講義を受けているということであります。

2ページ目へ行っていただいて,もう一つの形態がフォバークラフトの製作というものを挙げておきました。これは大学の先生に学校の方に来ていただいて,講義をしていただく。当然理論に裏づけられたフォバークラフトの浮上実験だとか実験装置,そういったものを生徒たちが手づくりをして,自分たちで研究していく。実験した結果を大学の先生から評価を頂いて,方向性が間違っていないだろうか,あるいは次にはどういう実験をしたらいいのかということを体験しております。実際の理論と現実の部分,これを直接体験することができるという取組になっております。

もう一つが,3ページ目になりますが,カーデザインの研究というところです。自動車メーカーでは普通に行われているのですが,高等学校の方でも10分の1サイズのクレイモデルをつくる。そのモデルに関しては,生徒がアイデアを出し合って,いろいろな形のものから二つのものに絞って,昨年は作製をいたしました。

その実車の10分の1のものをつくった後に風洞実験をしたいということで,当然工業高校には風洞実験装置というものはありませんので,風洞実験装置をつくりたいというところで大学の方にお邪魔をして,その風洞実験装置をみせていただいて,実際にどういうふうなところに注意してつくったらいいだろうかということで,昨年は何とか曲がりなりにも風洞実験装置をつくりました。今年は,実際に大学に出かけていって,少し設備をお借りするというようなところを考えております。

もう一点,4ページもありますが,教材の製作というところがありますが,また少しお読み頂いて,大学との連携というのは,理論的なアドバイスを頂きたいということで,高等学校では指導し切れない理論のお話を大学の方でしていただきたいというところと,できれば設備等を借用して,高等学校にはないもので生徒が勉強できる環境をつくりたいということで連携を進めております。大学の方に勉強に行って,その結果,単位を修得するとかいうことでは決してなくて,純然たる実験,そういったことで協力をお願いしているという段階です。

次のページは,大学以外のところで異校種との交流ということで,工業高校というところは地域のものづくりを発信する拠点になるべきであるというふうに考えております。そうしますと,地域の中で工業高校がどういう活動をしているのかというのは,なかなか理解をしていただけない。そういうところがあるものですから,実際に生徒たちが,最初の例ではこども園,いわゆる幼稚園というところへ出かけていって,園児の子たちと,半分は遊んでいるようなものなのですけれども,そこにある壊れたものを修理するとか,あるいは施設設備を修繕するというようなところで,自分たちの現在持っている技術・技能で地域に貢献できることがあればということで取り扱っている題材であります。当然その中では,自分たちよりも年齢の低い子供たちですので,どういった方法を使ってコミュニケーションをとるかというところで,コミュニケーション能力を育成するという部分も大きな目標になっております。

同じような形で,今度は小学校の方にも出かけております。小学校へ行って,ものづくりの教室を実際に生徒が先生となって指導する。この例は,小学校4年生の子たちがペットボトルロケットというのをつくって,グラウンドにできたものを持っていって飛ばすというようなことを,4年生全員の子たちに生徒が指導してやっております。その中で生徒たちは,ものづくりについて興味・関心を持ってもらいたい,あるいはでき上がったときの喜び,感動というものを体験してもらいたいというようなこともいっております。

ものづくりへの興味・関心をできるだけ年齢層の低いところから育てていかなければいけないということで,前回第1回目のところで野路委員の方からお話がありましたけれども,小学校の低学年,2~3年生でほぼ進路が決まってしまいますよというようなお話もありましたが,その辺のことも含めて,小学校あるいはこども園の園児の方から,そういったものづくりへの興味・関心を高めていきたいというような取組であります。

あと,特別支援学校の関係は,缶つぶし機をつくりましたということで,小中学校ではなくて,いわゆる特別支援の学校との連携であります。

続きまして,企業との連携でありますが,本校を卒業する生徒諸君は,9割弱就職をしていきます。進学がほとんどないというところで,地元の企業への就職というところが多いわけですけれども,その中で,工業高校で得た知識あるいは技術・技能が実際の企業活動の中でどういうふうにつながっていくかというところは教えておくべきだろうと。理工系人材の育成として,ものづくりの分野を担う人材を工業高校でも育てているのですが,企業の方でも同じように育てていっていただきたいということで,学校と企業が協働してものづくりの人材を育てていく,こういうシステムを持った社会となるような試みをしております。

具体的には,企業の方,高度の技能を持った方に学校へ来ていただいて,実際に学校の機械を使って,生徒の目の前で実演加工をしていただく。そういうようなことによって,生徒はものづくりの興味・関心がより一層高まるだろうというふうに考えております。そこにも少し書いておきましたが,技能五輪は昨年愛知県で開催されましたが,その技能五輪への取組,そういったものも生徒に教えることができました。

あとは高度な知識,技術・技能ということで,燃料電池自動車を学校の方に持ってきていただきまして,実際に燃料電池自動車の構造ですとか仕組み,そういったものを講義していただく。あるいはトヨタ自動車様の方からチーフエンジニアの方に来ていただいて,実際に環境技術ですとか新しい自動車の技術,そういったものを講義していただくという機会を設けております。

それから,就業体験活動につきましては,多くの学校さんもやってみえますので,実際に職場の方に出かけていって生徒が勉強してくるということであります。

9ページになりますが,もう一つスーパー・サイエンス・ハイスクール校との連携ということで,豊田市にはスーパー・サイエンス・ハイスクールとして認定されている豊田西高等学校がありますので,その豊田西高等学校との連携で先端技術あるいは環境問題,そういったものに関する研修に参加をさせていただいております。

以上,簡単でありますが報告といたします。

【内山田座長】  ありがとうございました。

それでは,続きまして,須藤委員,よろしくお願いいたします。

【須藤委員】  それでは,資料5につきまして説明いたします。COCNの実行委員長として出ております東芝の須藤でございます。

COCNは,一部商社も入っていますけれども,日本の大手の製造業35社が加盟している団体でありまして,内容は,科学技術に関する年間10個ぐらいのプロジェクトを連携して進めていまして,その成果を国に紹介しながらいろいろな提言しています。その結果,国のプロジェクト等にして新しい技術の社会実装を加速しようと,そういった活動をしている団体でございます。

先ほど上野委員からお話がありましたけれども,前回,私の方から,企業に入ってもう一回教育し直していますというお話をしたと思うのですけれども,その内容を簡単にまとめてまいりました。2ページ目ですけれども,35社全て調べる時間がありませんでしたので,そこに書いた企業の状況をまとめてまいりました。電機系,機械系,建設系,情報,化学・材料,このような会社の中身を調べてまいりました。

3ページ目,まず電機系でございます。これは日立製作所,三菱電機,東芝の状況でございます。「対象」は,主に入社1~3年目の間に各社とも教育をしております。講師は社内の専門家,あるいは大体教育機関を持っておりますので,そこにいる専任の講師,それから一部外部の講義を使いますので,大学の先生に講師をお願いしております。

内容ですけれども,機械系ですと4力,俗に言う4力学。電機系ですと,制御,電磁気学,回路,半導体,信号処理。情報系ですと,コンピューターの基礎,アルゴリズム基礎などをやっております。主に機械学会あるいは電気学会のテキスト,あるいは市販の教科書等,それから社内に当然いろいろなノウハウがたまっていますので,そのような教科書を使って,こういった講義を受けてもらっています。

4ページ目は,先ほど経産省の宮本室長からお話のあった学びのニーズに関するグラフに,企業でやっている教育内容を一緒に乗せてみたわけですけれども,機械系や,電気系など,ピークの立っているところを会社で教えているということで,学びのニーズと大体合っているのかなと思います。

少し具体的な話をした方がいいかと思いまして,A社とB社の例としています。これはA社の例ですけれども,少し古い例ですけれども,09年,10年のデータです。本来,大学でこういったところを学んできただろうというのが約半分強,55%,学んでこなかったのではないかという人が45%いるという企業です。*1で書いた教育をやっております。右側がかなり問題なのですけれども,スタートするときにこういった分野を理解していないという人が47%という数字になっていまして,少し理解している29%,ある程度20%ということで,ちょっと惨憺たる状況です。私もこれを見て少しびっくりしたのですけれども,黄色で書いてありますけれども,特化した分野の専門技術力,これはもちろん高いです。けれども,基礎知識の幅は非常に狭いというような状況になっております。

もう一社,B社の例ですけれども,ここは数学と技術のテストを行っております。数学は高校レベルの数学です。技術というのは,その分野,いわゆる機械・電機系の一般的な基礎技術です。高校レベルの数学というのは30点満点でやっていますので,かなりの人が半分以上は解けている。これを喜んでいいのか,というのもあるのですけれども,悪いのは,左の点数の低い方に何人かいるという状況です。

もっと問題なのは,技術テストでして,150満点で,いわゆる大学でやるレベルの機械系,電機系あるいは材料系の基礎的な試験をやると,150点満点で平均点50点以下という,こういう状況にあります。

このB社の考察を参考のために入れておきました。数学テストで真ん中より下の方の人たちは高校のレベルなので,もう少し上がった方がいいと思いますけれども,全体としては半分以上解けているので,このようなものだろうと思います。問題は技術テストでありまして,専門分野における基礎学力の不足がかなり顕著になっているということがあります。毎年,この会社はテストをやっていますけれども,余り変化がないということで,ある年が特異だということではないと思います。こういった状況が現実的に企業の中であるということを紹介させていただきました。

続きまして,機械系の会社の例です。入社1年目,会社によっては3年目以降もやっているところがございます。講師陣はほぼ同じでございます。内容は,先ほどの電機系の機械のところとほぼ似ていますけれども,機械の4力,あるいはそれの演習。少し機械に特化した会社ですので,かなり演習の方まで一般的に行っています。それから弱電,強電,制御といったところ。それから,機械系の会社ですので,2D・3DのCAD,製図,メカトロ技術などの教育をやり直しています。

これをまた先ほどの経済産業省の学びのニーズグラフに入れてみましたけれども,同じようなことをやっていますので,経済産業省の学びのニーズの高いところが主体になっているという傾向が出ております。

続きまして,建設系の会社です。これは土木と建築で,基礎的な教育自身も異なっています。入社から6年目ぐらいまで,かなりの期間をかけて育てているという状況です。土木系は,コンクリート基礎とか土木設計とか,こういったところを学び直しております。建築系になりますと,機械系と似ているのですけれども,構造力学や材料,コンクリートの材料も入りますけれども,こういったところを学び直しているという状況です。

11ページ,情報系です。情報系はかなり積極的な教育を各社やっていまして,入社1年から2年目,これについてはほぼグループ内の専任の講師が当たっています。システム構築,プログラミング,セキュリティ入門,ソフト・ファームウェア技術開発,サーバ・ネットワーク,ハードウェア機構,こういった必要な教育を実施しています。

C社の例を12ページに載せております。この会社は社内に教育機関を持っていまして,社内だけではなくて,外にその教育を実施しているという会社です。要請されれば,お金をとってある会社に教育に行くという,積極的なカリキュラムがありまして,それを社内でも実施しているということです。図の一番下に「入門」と書いてありますけれども,これは情報リテラシーあるいはIT基礎といったところから,少し上に上がりまして,アプリケーションの設計基礎,右の方にITサービスマネジメント,OS,データベース,ネットワークセキュリティ,Java,C言語等のプログラミング,こういったところを教育しているといます。

13ページですが,情報系の教育内容が単なる手段なのかという点ですが,テクニカルなスキルに加えて,コンセプチュアルなスキルとかヒューマンのスキルも一緒に教育しているということで,情報を,英会話と同じ単なる手段とならないように工夫しているということです。

これも,先ほどの経産省の学びのニーズのグラフにこの教育内容を重ねてみますと,ピークの立っているところの教育が結構主体に行われております。

15ページは化学・材料系,これはデータが少なくて十分なまとめになっていませんけれども,やはり入社1~6年目でプロセス,機械,電気,計装の技術,鉄筋コンクリートとかいろいろなことを教育しています。

まとめを16ページに書きましたけれども,これはもちろん,修士も,会社によっては博士も入っています。入社して1~3年目の間にこういう教育をやっています。社内の先輩とか専門家,専任講師,社外講師を使ってやっていると。今御紹介しましたように,自分の会社の事業に関連した基礎的なところというのが主体なのですけれども,機械,電気,材料等の基礎的なところはどの業種でも一応やっています。途中で何度か申し上げましたけれども,経産省の調査した学びのニーズと教育内容が大体一致しているという傾向があります。

情報系に関しては,かなり独自にカリキュラムを工夫していまして,多分大学でやってこなかっただろうというのを前提に,一から教えているというのが現状であると思います。恐らくこの会議でも議論になるかと思いますけれども,ITを手段とみるか学問として捉えるかというのは重要なところだと考えております。

以上です。

【内山田座長】  ありがとうございました。

それでは,最後に野路委員,お願いいたします。

【野路委員】  経済同友会のイノベーション・エコシステム委員会の委員長をしています。資料6で説明したいと思いますが,今,理科の好きな子供たちを増やすとか,大学から産業界への進路状況,人材交流,ポスドクの話等をお話ししたいと思います。

次のページです。理科の好きな子供たちは,前回にも言いましたけれども,小学校2~3年まででほとんど進路は決まるそうです。ドイツなど小学4年で全部決まるといわれていますし,先ほど内山田座長から話がありましたように,ドイツで増えているのは,低学年でしっかりと教育をやっているからだそうです。小学校教員の出身を見ますと,当然ですが教育学部の出身が圧倒的に多く,右の表にありますように84%。理数系出身は余り受けていないのです。今は,理科の実験が少ないと聞いております。実験をやって,ものづくりへの興味を持つとか,そのようなことを,子供のときにやる必要があると思います。

また一方,コマツでもやっていますが,いろいろな会社がいろいろな形で,理科教室をやって,が全国的に広まっています。コマツの事例とリコーの事例を書いていますが,コマツの事例でいうと,23ぐらいテーマがありまして,1回2時間,小学校2年,3年の子供たちを対象にしています。年間1,400人ぐらいを教えています。時々は出前で教室を行ったりしています。私も何回か行きましたが,女の子も男の子もみんな目が輝いているのです。実際に物をつくる工夫をしています。リコーの場合も,キャラバンで年間24,000人の子供たちがいろいろな体験をしています。そのような形で,企業側は理科教室とかいろいろな形で子供たちと触れ合っていく,学校は実験等を増やすにはどうしたら良いかというのを考えるべきではないかと思います。

次のページですが,先ほど宮本室長からも話がありましたが,大学から産業界への進路状況で,左端グラフにありますように,高校では2対1で圧倒的に文系が多いわけです。だから,小学校までに理科教育をしなければならないというのはさっきの話です。その後,学士に入って修士に行くと,文系の人はほとんど学士で卒業してしまう。そして,その横のグラフでは博士課程の件で,先ほど宮本室長おっしゃったように,図2のとおり,ポスドクが非常に多い訳です。先ほど上野委員からお話あったように,ポスドクが多いということは有期雇用がほとんどだと聞いていますが,将来の不安,キャリアパスの不安,これが一番大きな問題になっているのではないかと思います。このポスドクの有期雇用を何とかしないことには,博士課程に行く人も増えないと思います。下段に書いてありますが,ポスドクの有期雇用を少なくするような形でもっと産学連携を増やしていったらどうかと思います。

経済同友会で調べた,この三角形のデータは,推定が入っているのですが, 2012年のデータではポスドクが14,000人いると言われています。年間450人ぐらいが民間に来ます。共同研究をやっているところからは結構来る訳です。ポスドクの場合,共同研究をやってない人が半分以上なわけですから,この辺が一つの狙い目と思います。

次のページで,私はオープンイノベーション協議会の会長もやっていまして,そこで,産業界はどうやって人材を確保しようとしているのかアンケートをとった結果のまとめが書いてあります。結果は大体想定内で,企業から積極的にいろいろな教育プログラムを持って行って,企業から人を派遣したり研究室へ行ったり,インターンシップをやったり,そういう形でいろいろな大学とやり取りをしているという成功事例です。大体想定内のことをそれぞれやっているということがわかります。

その他に,(2)ので企業と大学の連携ですが,企業のニーズに合った学生をどうやって採用しているかというと,ほとんどが委託・共同研究だと言われています。これはアンケート結果ですけれども,その企業にどういうニーズがあるかということを学生によく知ってもらって採用するというやり方が一番大きいのです。コマツの例ですと,阪大と一番よくやっていますが,年間1億円ぐらいで阪大・コマツ研究所という協働研究所を作り,そこにコマツの社員が一人常駐しています。共同研究はポスドクから三人採用し,コマツから三人行って,六人で共同研究をやっています。この人たちがコマツに応募するというよりも,この評判を聞きつけて,学生同士の口コミで応募するというのが結構多い訳です。だから,うちは阪大出身者がものすごく多いのです。阪大の場合は,大きなビルを建てて,そこにダイキン,パナソニック,いろいろな会社がどんどん入って,ものすごく活発にやっているのです。そういう形でやっている実例が多いのです。

6ページで,民間企業が投じる研究開発費は,日本の場合は12兆円使っているのですが,900億円が大学へ行っている。ドイツの場合は6.2兆円で,2,300億円が大学に行っている。日本でもドイツ並みとすると,経済同友会で計算してみましたが,1万人ぐらいが共同研究すると仮定して,年収が400万か350万で,400億円ぐらいで人件費を全部賄えるということになるので,1万人を雇用して一応研究ができるわけです。こういう形で民間企業がもっと大学と産学連携をやると,博士に行く人も増えますし,そこから企業へ行く人も,あるいは研究者になる人もどんどん増えていくのではないかと思います。

ちなみに,「大学の研究開発費構造」と書いてありますけれども,科研費,独法から来るもの,SIP,ImPACT,全部入れても5,000億です。それぐらいで,あと1,000億円増やすとものすごいインパクトになるのではないかと思いまして,経済産業省では,片瀬局長の時代に,試験研究のインセンティブをふやしてもらいました。12%から30%になって,それで結構増えつつあるというのが現状です。

最後に,7ページに,先ほど宮本室長がおっしゃった話を我々なりに分析をしてみますと,機械系で言うと,先ほど,須藤委員からの話もそうですが,日本はす機械・電気系のすり合わせのところが強いから,教育ニーズは非常に高いのですね。一方,大学側には,先ほど内山田座長もおっしゃったように,絶滅危惧と言われるような鋳造だとか鍛造などは,コマツはものすごく取り組んでいるのですけれども,そういう先生はほとんどいない。歯車もほとんどいないです。京都大学に一人いるぐらいです。その部分はコマツでは取り組んでいますけれども,いわゆる古典的な学問の研究者がいないと中小企業もそこで産学連携できないという問題もございます。

一方,先ほどの宮本室長の分析をみると,企業側は,機械系,電気系は基礎研究のニーズが非常に低いのです。ということは,オープンイノベーションに舵を切りつつあるわけです。だから,舵を切りつつあるのだけれども,なかなか進んでないという部分もあるかもしれません。オープンイノベーションをもっともっと活発にすれば,お金はどんどん出ますし,ポスドクもうまく回りますので,好循環になっていく。ただし,化学系は違って,化学系の会社は,社内でもやる,企業でもやる,大学でもやってもらうという,両方で彼らは基礎研究をやってもらう。基礎研究の研究者は,これからもどんどん必要だと思っています。

情報系ですけれども,情報系は,先ほどの分析を見たらわかりますけれども,機械系,電気系のニーズが高いのですね。それは機械系,我々の会社もそうですけれども,AIを使って建設機械を無人で動かす,自動運転するという世界で,IT技術者が欲しいわけです。

ただ残念ながら,一番最後のページで,いわゆる日本の弱い分野に,検索だとかERPだとか,グーグル,アップル,アマゾンがやっているような専門企業は,日本では非常に少ないのですね。だから,こういう分野に就職先がない。ただし,将来は必ず増えてくるのだろうと思います。先ほど宮本室長が言ったように,先ほどの分析は,現状はどうなっているかということで,強いところはどんどん欲しい欲しいというわけです。現状で企業がまだまだ成熟してない,成長してない分野というのは,特にこのAIのところだと思うのです。だからAIは,今はニーズが低いので不明なところがあるのですけれども,私は是非コンピューターサイエンス,数学の学生を増やしてほしい。そして,その人たちがベンチャー企業を興し,いろいろな形で進めてほしいと思います。

以上です。

【内山田座長】  ありがとうございました。

それでは,今の五名の委員のプレゼンテーションと経産省宮本室長の先ほどの御説明,全部含めまして,御意見,御質問を皆様から頂きたいと思います。どうぞ。

【藤嶋委員】  藤嶋です。今の説明ずっと伺っていて,重要な科目というのは,今,内山田座長とか須藤委員とか野路委員がおっしゃった機械工学,電気工学,この一番大事な学問分野があって,そこをじっくりと教育しなければいけないというのは,本当に共通したものとして認識しました。私たち東京理科大も,機械は受験生に一番人気があるのですね。就職率も一番良いのです。一般のところはそういう認識はないと思うのですけれども,私たちの大学だと,受験生の倍率も一番高い。就職も一番良い。売れっ子になっている。それは,そういう要求があって,ちゃんとした教育を受けた機械,電気,そういうような人を皆さん欲しがっているなというのがわかったのですが,もう一つ大事なのは,その基礎となる今度は数学,物理の基礎を大学ではもっとちゃんと教育しなければいけないと常に思っているところです。今伺っていて,全体的にはそういうようなことを感じました。

以上です。

【内山田座長】  ほかにございますか。どうぞ。

【大西座長】  自分の意見を言う前に今の藤嶋委員のお話で,大学という意味では,我々のところも機械が一番安定しています。小さな大学で,工学部だけですが。恐らく工学部の中で,変動といいますか時代の流れで,人気が出たりそうでなかったりすることがありますよね。例えば我々が学生になる少し前,船舶なども結構人気があったわけですが,その後,全然不振になったとか,化学も低調になりましたね。最近,電気が全国的に不振なので,機械だけは,恐らくそういう低調になったことはないのではないか。日本の中で非常に安定した人気がある分野なのかなという気がします。それは印象ですけれども。

2点です。お話を伺っていて,問題は,理工系にそもそも進学する,目指す人が少ないというのが一つですね。これは中学とか高校から理工系を目指す人をどう増やしていくのかということにつながると思うのですけれども,この点では,私は,理工系人材と一言で言っているけれども,理と工では違うのではないかと思います。普通高校では,工はほとんどないわけですね。理をやっているわけですね。だから,普通高校から大学を目指すときに,まず考えるのは理を考えるわけで,理で自信がないと工に行くといいますか,何となく優先順位が理と工で違うのではないか。医などもないわけですけれども。そういう意味では,職業と結びついた意識というのを若い世代に持ってもらうような仕組みというのがもう少し発展する必要がある。

我々の豊橋と長岡の技術科学大学というのは高専からの学生を受け入れているのですけれども,高専生というのは,中学のときに高専を受けるわけですから,中学生のときに工学に目覚めて,物をつくるということを志して高専に行くわけですね。ですから,それは現在でいうと人口の同世代の1%程度なのですけれども,そういう少数のグループというのはいるのだけれども,全体としては,そこで職業というか将来の仕事に結びつくようなモチベーションというのは生まれにくい仕組みにあるのかな

と思います。そこが一つ。いろいろなことがやられていますけれども,スーパー・サイエンス・ハイスクールとか,世の中に工学部の人が出て行って物をつくるという刺激を与えたり,いろいろなことをやっていますけれども,更にそういうことを発展させる必要があるのかなと。

もう一つは,大学なり大学院を出て,企業との関係というのが,希薄というか,うまく結びついていないのではないかという気がします。先ほど野路委員の資料の中で,12兆円の企業の研究開発投資があって,日本は非常に少ない額がその中から大学に来ていると。諸外国に比べて少ないというデータがありました。そこは,確かに大学と企業が切れていたと。大学から見ると,企業に入ってから社会人としてもう一回大学に戻る,つまり統計では,25歳以上で大学に進学する人というのは2%しか日本にはいません,OECDでは,たしかその10倍ぐらいが平均だということで,日本では,一旦就職してから大学に戻る,もう一回学び直すという人はものすごく少なく,大学と企業というのは時間的に切れているのではないかと。

ですから,大学を中心としてみれば,一旦企業に入って,もう一回モチベーションを持って大学に戻ってくるという人が出てきても良いし,それは一つのやり方で,それと同時に,企業と大学とのもう少し一体的な研究というのが大学の中でも行われて,場合によっては,大学生でありながら企業に既に就職しているというのがその過程で生まれてきても良いし,そこで教える人の中に,企業で経験を積んだ人が教員をするということがあっても良い。そういう仕組みが,大分前からこれも指摘はされていたのですが,まだまだ弱いという実感があります。その二つをターゲットとして重視していく必要があるのかという気がします。

【内山田座長】  どうぞ。

【秋山委員】  サキコーポレーションの秋山でございます。大変失礼ながら第1回目の会議を欠席いたしましたので,本日初めて参加させていただきます。

私がこのそうそうたるメンバーの皆様と同じテーブルに着かせていただくに当たり,一独立企業のトップとしての立場でここに座らせていただいておりますので,私の方からは,現場の問題意識というようなことを何点かお話しさせていただきたいと思います。

この現場の問題意識をお伝えするに当たって,私どものバックグラウンド,今やっていることも少し御説明しておいた方がわかりやすいかと思いますので,最初に少し申し上げますと,私は,マシンビジョンを使った電子モジュールの自動検査ロボットのメーカーを20年前に自分で創業いたしました。おかげさまで何とか20年,事業を継続することができておりまして,これまで当社製品,検査装置を世界中,日本だけではなくて,アジアだけではなくて,北南米,西ヨーロッパ,東ヨーロッパ,北アフリカも含めて,累積で9,000台以上出荷実績を重ねることができております。そういう意味では,世界のいろいろな現場に出ていって製造現場も見ていますし,そこで働いている皆さん,あるいはお客様とのおつき合いがあるということ。

あと,私どもの仕事は,機械ですとかメカトロ系のエンジニア,あるいはIT系,コンピューター系のエンジニアを必要とする仕事ではあるのですけれども,私の経験では,残念ながら大手企業ではなくて全くのゼロから起業したベンチャー企業で,メカトロ系のエンジニアを事業が成長するのに合わせてどんどん採用したいのですけれども,日本では特にこの機械系,メカトロ系のエンジニアの中途転職市場に出てくる人というのは極めて少ないのですね。とにかく中途でエンジニアを採用することに最も苦労してきたといっても過言ではありません。そういうことがありましたので,当社ではかなり前から外国人エンジニア,国内あるいは海外で外国人エンジニアを採用して使ってくるということもやっております。

このような経験の中で,少し個別のエピソード的なお話なのですが,今日は五つほど御紹介をさせていただきたいと思います。一つ目は,私が初めて中国のお客様に装置をお納めしたのが2000年。ちょうどこの頃は,中国が世界の工場と言われた頃だったのですけれども,台湾系でしたけれども,中華系のお客様を現場にお伺いすると,大学を出たてのエンジニアが,オペレーターの人たちを統括する現場のエンジニアとして,日本でいうと生産技術ですとか製造技術の現場のリーダーのような仕事をやっているのですけれども,とても流暢な英語で,しかもとてもリーズナブルなビジネスの会話ができるのに非常に驚いて,話を聞いてみると,中国の大学の卒業なのですが,専門科目の一定部分も英語で授業を受けてきたと。あと,大学の専門分野で勉強している間に,民間との共同のプロジェクトのようなものを幾つか経験しているので,その中である程度,即戦力とは言いませんけれども,ビジネス的な感覚も身につけてエンジニアとして卒業しているということに大変感銘を受けました。

高校を卒業する人が日本だと100万人ぐらいですけれども,特に中国は,その10倍ぐらいの人たちが毎年生まれてくるわけですので,それが更に母数が違うということで,10年後にどうなっているのだろうということに大変恐怖を感じたということがあります。

もう一つ,OA系の会社に行きますと,特に技術系の仕事ですので,トップの方がPhDホルダーの方が多いですし,あるいはR&Dとか技術部門のトップの方も,当然のようにPhDホルダーの方なのですね。それはとりもなおさず部下の人たちがPhDホルダーの博士号を持っている方が非常に多いので,当然トップはそうでなければ務まらない,あるいはそれに匹敵するぐらい優秀でないと務まらないということもあって,まず博士号ポスドクの話がありましたけれども,日本で見えている景色と,海外で私がビジネス現場で見た景色がどうしてこんなに違うのだろうということです。

同様に,技術系のトップでなくても,通常ビジネスとしていろいろな責任者の方とお話しするときに,特に欧州系の方はダブルマスター,例えば理工系若しくは全く違うアート系のマスターコースを修了した方でもMBAもお持ちだったりして,そのことでビジネスのコアなポジションを担っていらっしゃるということが多いということ。

四つ目が,これは特にアジアで強く感じるのですけれども,女性のエンジニアで,しかもマネジャーとして仕事をされている方に非常によくお目にかかる機会があります。なかなか日本ではそういうケースは少ないので,この違いは何だろうというところ。

あと最後に,今日の資料の中にも出てきました中で,ドイツのフランホーファー研究所は,私どももここから要素技術のデバイスを購入したり,というおつき合いがあったのですけれども,実際におつき合いしてみると,当然技術の中身は大学の先生方とお話をすることになるのですが,具体的な成果物を購入しようとすると,法務ですとかあるいは知財ですとか,あるいは購買ですとか,そういうところにちゃんとスタッフがいて,何でもかんでも大学の教授がやらなければいけないということではなくて,その役割分担,あるいは組織的にそういう機能がある組織として企業とおつき合いができる体制になっているというようなことで,おつき合いしている感覚が,ある意味フランホーファー研究所という名前の民間企業とおつき合いをさせていただいているという感覚に近いような感覚でさせていただけていたというようなことです。

今回の円卓会議の議論は,この人材育成をして,その先どんな目標なりビジョンを持って向かっていくのかということが非常に大事なのだというふうに思いますけれども,今申し上げた幾つか御紹介したようなエピソードは,少なくともビジネスの世界では必ず見る世界になってくると思いますので,そういったところに目標を置いていく必要があるのではないかと思います。

何か具体的に提案なりアイデアなり申し上げられることということで一つだけ申し上げれば,今日野路委員からのお話もありましたけれども,特に若い方が将来,エンジニアなり理工系の分野に進んで自分の将来像を描こうと思ったときは,子供というのは自分がみたことも聞いたこともないものには,憧れることも目標を持つことも夢を持つこともできないのですね。ですから早い段階から,エンジニアの仕事だとか理工系に進んだ人たちは将来こんな仕事ができるのだとか,それがこんなにすばらしい成果を社会に還元しているのだ,というようなことを知る機会というのが非常に大事ではないかなと思います。そういう意味でできることと言えば,社会人若しくは社会人のOBの方が教育現場にもっとコミットメントするということをふやすというのはできることではないかなと思いますので,提案をさせていただきたいと思います。

以上です。【内山田座長】  ほかにございますか。

私から1点,何人かの方のプレゼン,私も述べましたけれども,先ほどの宮本室長のデータを使って,産業界の要求している需要の大きな分野と研究者の分布が合ってないという問題があって,基本的には産業界は,今の仕事と次の仕事に欲しい人材というのが出てくるわけですが,アカデミアは,どちらかというと研究者の興味関心の有無に左右され,みんなが興味のある分野に集まって研究しているように思うのです。ですから研究者の方に,もっともっと産業界が現在や次のステップで関心を持っている分野にまず関心を持ってもらわないと,募集人員もふえませんから,学生の数も増えてこないということになってくると思います。それを解決するのは,産学連携,オープンイノベーションをもっと進めるということに尽きて,今でも産学連携をやっているわけですけれども,それは不十分だということを示しているのではないかと思います。

今もお話が出ましたけれども,私はドイツのフラウンホーファーのような研究機関を仲立ちにしながら産学連携を行うということが,現実的なのではないかと思います。日本においては,ドイツの例を踏まえそういうことを考えながら,国立

研究開発法人の在り方を検討してきており,その中でも産総研と理研を強化して,橋渡し機能を持たせようとやっているわけです。他方で現状をみると,この二つの研究機関もほとんどのテーマの資金は国から流れているということで,この研究機関のテーマあるいは資金をもっと民間から流れるようにしていくことが必要だと思います。先ほど御説明していただいた各分野の現在のミスマッチだけを見て,例えば政策的に誘導しますと,次の時代に遅れていって,同じように今の産業界のところばかりに追従していくと,時代ににワンテンポ遅れるということがあるのです。ですけれども,産学連携というのは産業界も一歩先のことをやるわけですから,そこをどんどん盛んにしていって,研究者がそこにどんどん集まるということを国として進める必要があるのではないかなと思っています。

先ほど,絶滅危惧学科のような話をしたのですが,この一つの典型例が実は自動車なのですね。自動車産業では,大変な国際競争やっているのですが,日本においては大学では終わった学問ということで,そもそも自動車工学を設けている大学はほとんどなくて,わずかにエンジンの燃焼工学を開設しているところはあるのですが,これも今の先生が退官されたら,もうやる人はいないという状態で,非常にこれは危ないと。ドイツなどはこの分野産学連携を大変うまく今でもやっているわけです。

ここが我々は非常に関心があるのですよということを研究者に示さなくてはいけないということもあって,エンジンの技術研究組合というのをつくった訳です。日本では,個社を乗り越えてエンジン研究の組合をつくるというのは非常に異例なわけですが,そのぐらい,今,危機感を持っているということです。組合が国のプロジェクトも応募し,そこに大学を中心とした研究者の方に参加していただくというようなことを始めていますが,こういうことも含めて産学連携を活発にしていくことによって,先ほど大西座長もおしゃっていたように,理工系のマッチングミス,特に学生が入ってこない工学系について,こういうところに将来,非常に大きな研究テーマが存在しているのだということを学生にも,あるいは高校生にも,示していく必要があると思います。

どうぞ。

【藤嶋委員】  藤嶋です。先ほどから理科教育が大事だということは,よくわかってというか,私たちも一生懸命やらせていただいているのですけれども,最近だと科学オリンピックに日本が代表を出して,ほぼ全員メダルをとってきているというのは新聞に出ているとおりでありますけれども,またSSHも非常に盛んで,今文科省でSSHの高校が203校。ちょうどきのう,大阪で年1回のSSHの全国大会がありまして,そこで特別講演をさせていただいたのですけれども,驚くことに,何人集まったかというと,私の9時から10時までの1時間の特別講演で3,500名の高校生です。本当に体育館満員でして,午後まで入れると大体5,000名来る。全国から来ている。やはりSSHというのをつくっていただいてよかったと思うのです。

では,その前に,今度は小学校,中学,特に小学校の理科教育はどうするか。これがまた一番大事ではないかなと思っておりまして,先ほど,理科が余り得意ではない小学校の先生がいるということがありまして,私も地元の教育委員を10年間させていただいて,ずっと小学校のところを見て回ったときの一番の問題点は,理科室はどこにもある,ただし,ほとんど使われていない。理科室はほとんど使われてなくて,顕微鏡もあるのですけれども,それを使うことができない。だから国としては,小学校の理科教育にある程度力を入れていただいて,先生方が自身できなかったら,かつてはあったのですけれども,補助員をもうちょっとつけていただいて,理科室をもっと使っていただくようにするというのが最も緊急の課題ではないかなというふうに思っていまして,是非お願いしたいなというのが私のお願いです。

以上です。

【内山田座長】  どうぞ。

【上野委員】  上野でございます。二つ申し上げたいと思うのですけれども,一つは,須藤委員の御発表,ありがとうございました。入社後,4力や電磁気学や電気回路をもう一度教育してもらえるという話,私にとっては大変衝撃的な話でございまして,まさかうちの大学はこんなことはないだろうなと,大学へ戻って確かめてみたいと思いますが,そういう面でも再教育しておられるというのは,これはちょっと大学としても深く受けとめなければいけないとは考えました。ありがとうございました。

もしかしたら学部2年,3年の当たりで,そういう4力とか電磁気学を教えて,卒論や大学院で,もしかしたらソリューションエンジニアリングとか,あるいはアプライエンジニアリングとかという,そういう応用的なことばかりに教育や研究の目が向き過ぎているのかもしれないという反省もしましたので,とにかくこれは大学に持ち帰らせていただいて,理工学部の学部長に,うちの大学はこんなことないでしょうねと念を押しておきたいと思いますけれども,ありがとうございました。

それと,今日大変勉強になりましたけれども,企業が求めておられる理工系の人材でイノベーティブ人材ですとか起業家育成とかいうことでは,どんなスピリッツの学生を育ててほしいかとか,どんな内容の大学院レベルの教育を期待しておられるのかということを,この産学官の円卓会議でもいつかの機会に企業の方々からサゼスチョンを承れれば,大学教育にも参考になるかなと思いますので申し上げておきます。

以上でございます。

【内山田座長】  どうぞ。

【須藤委員】  今,上野先生からお話ありましたので,もうちょっと詳しく説明しますと,私も研究所の所長をやっていましたので,実際に面接するのですけれども,自分のやってきた研究の分野についてはものすごく優秀です。当然マスターの面接をすると,学会発表も何度もやっていますし,論文も書いている人もいる。世界的にその時点で名前の通っている人もいるというので,その分野はものすごく優秀な人がほとんどです。そういう人が入ってきているので何とかなっているのだと思うのですけれども,では,熱力,材力みんな知っているかというと,自分のテーマが熱力学に関係するところでしたらもちろん詳しいです。でも,その人は材力は知らないとか。

今先生おっしゃったように,恐らく学部の2年とか3年のときにやったので,もう忘れてしまっているのだと思うのですね。もう一回やると,みんなすぐわかります。先ほど,本当はマルチの専門を持たなければいけないといわれていましたけれども,今は研究1本だけで大学教育をやっているので,その分野はすごく詳しくて優秀なのですけれども,裾野は広くないかなという気がしています。

【上野委員】  ありがとうございました。大変参考になりました。

【内山田座長】  ほかにございますか。どうぞ。

【野路委員】  上野委員に質問なのですけれども,修士とはどのような教育をやっているのですか。学士,学部の2年,3年ですよね,それと修士の2年間というのはどのような大きな違いがあるのですか。

【上野委員】  率直に言いますと,修士の1年目は,まだ講義と演習が半々ぐらいで,相当濃密な教育をしていますけれども,修士の2年目は,今ちょっと須藤委員からも話題がありましたけれども,例えば修士論文のある狭い範囲のテーマについての,大学人からいけば深い研究。しかしながら,皆さんから見ていただければ非常に狭い範囲の研究というところで,大学院教育は,ちょっとそういう意味ではユニバーサルな教育にはなってないという側面があるかもしれません。

【野路委員】  コマツではほとんどが修士卒なのですね。90%,95%ぐらいです。昔はほとんど学部卒だったけれども,今は修士卒ばかりですね。コマツでアンケートをして,開発本部長とかいろいろな者にデータをとらせてやると,ほとんど学部卒と修士卒の差がないのです。私が社長のときに,大学院卒には失礼ですけれども,学部卒の初任給を修士卒並みにしたのです。上げないとまずいだろうと思いまして。けれども,修士卒ばかりが来るのですよ。初任給を上げても変わらないのです。私はそれがものすごく気になっていまして,私は修士課程を出てないのでわかりませんが,我々のとき,学部3年,は細かい専門教育をやって,4年生になると,大学の先生のお手伝いをしながら勉強しているということです。だから,修士課程は大事ではないかと私は思うのですけれどもね,せっかく行くのですから。

【内山田座長】  どうぞ。

【大西座長】  日本の大学の修士と例えばアメリカの大学の修士は,恐らく違うのですよね。日本の大学は,自分のところを卒業して自分のところの修士課程に行くのが多いですね。私の今の大学は,3年から修士2年までが一貫教育で4年行くので,ほとんど9割以上が修士に進学します。教員していたのは東大ですけれども,東大の工学部も8割ぐらいが進学するのですね。だから,学部で一通り座学というか講義を受けて,その分野のことを学んで,修士でもう一回講義を受けると,何となく二重になるわけですね。よそから来た人は,まず座学,勉強をして,それから実験をやったり研究をするということになるのですけれども,その人たちは余り多くないので,教えることは大体学部で教えてしまって,修士に入ると研究する。研究するということは,特定のテーマで深く掘り下げていくので,ある分野についてはものすごく詳しくなるわけですけれども,その分野全体の知識,学科全体の知識は大分前に勉強したことで,だんだん忘れていくわけですね。

だから,例えば公務員試験などを専門職で受けても,学部の人の合格率と修士の合格率は変わらないというか,むしろ学部の方が入りやすいかもしれないですね。つまり,広く浅くその分野については知ってないと試験は受からないので。だから,そういう意味では修士卒の人は,特定のことはものすごくよく知っているけれども,少し忘れていることもあると。だから,先ほどのように企業でもう一回勉強し直すことが必要だという,そういう感じだと思います。

恐らくアメリカの大学院などだと,私は行ってないですけれども,いろいろな分野から,リベラルアーツ,プラス,工学だともう少し特化しているとは思いますけれども,広く学んできたのが,修士でようやく専門になるということなので,初めて機械なら機械を学ぶという人が多いのだろうと思うのですね。そうすると,修士で一通りのことを教えて,研究は,だから日本に比べれば少ないかもしれないと思うのです。少し日本の修士とは組立てが違うのかなという気がしますけれどもね。

【内山田座長】  自社の経験では,いわゆる4力学と言われている材料力学,流体力学機械力学,熱力学,それと振動工学のような分野のレベルが低いと感じます。そうではないものは結構レベルが高いものですから,新しいテーマをやっても何とかこなしているのですけれども,非常にベーシックな質問をすると,何が起きているか簡単なモデルを頭の中で描くことができない。例えば,CAEのシュミレーションの世界といった話は詳しいのですけれども,では,一体そもそも何が起きているのだとか,それをどう考えたら良いのだというところが弱いことが多い。先に挙げた4力学といった,修士では余りやらないところ,どちらかというと4年まででやっているところに立脚してないというか,そこが少し弱いものです。数学も弱いのかもしれませんけれども,そういう感じがします。

【上野委員】  少しだけ補足させていただきますと,先ほど申し上げましたように,今,内山田座長がおっしゃったこと,全く同感です。少し反省なのですけれども,もしかしたら大学院の教育や大学院で研究していることが,非常に応用的アプライドな世界に入り過ぎていて,本質的な工学のベーシックなところを見失いがちになっているのがあるのかなと少し反省しましたので,それは課題にさせていただきます。

【藤嶋委員】  藤嶋です。今のお話で,私たちも反省して,例えば今機械工学が話題になっていますけれども,私たちもつい最近,「機械工学」という本をつくりました。丸善から出して。その内容は,4力学を50ページずつでまとめて200ページ少しのものにして,その目的は何かというと,機械の学生は,当然1年生,2年生のとき必ずその本を使う。大学院へ行っても,必ず横に置けと。私は,会社へ行ってからもみるような内容の機械工学の本につくれと。で,死んだときに棺桶に入れろと(笑声)。そういうような内容のものを一応つくってみたのですね。そうすると,機械工学の学生にとっては,それを一冊持っていて,常に見ていると。そうすると,材料力学,熱力学,一つずつやったとしても全体のことがわかるというようなものにしたい。今,全分野について標準教科書をつくろうと思って,それを始めているところであります。やはり基礎をちゃんとしないと。一生使えるような,専門については一生,自信を持ってやるような研究者,技術者にならなければいけないのではないかなというふうに思っております。

もう一つ,さっき学部,マスターまでと。私たちも今は6年制,一貫というので。私たちの大学も大体8割はマスターへ行きますので,3年+3年,3+3という教育が一番いいのではないかなと思って,基礎教育を3年間,あと卒論からマスターまでが3年間という教育にしようと思ってやっています。

【内山田座長】  ありがとうございました。

では,野路委員どうぞ。

【野路委員】  先ほどの内山田座長の言われた絶滅危惧なのですけれども,私は,同友会で地方を回って,いろいろなグローバルニッチ企業の産学連携の話を聞いています。彼らから話を聞くと,結局その点に行き着いてしまうのです。例えば鋳造でがんばっている中小企業がたくさんおられます。鋳造をやっている大学は東北大学の一部のところだけで,ほとんどいないのです。ギヤもそうです。ギヤの加工の先端技術は,今ほとんどドイツにやられているのです。コマツもドイツから買ってきているのですが,歯車の工作機械をつくっている会社などがやっているわけです。京都大学に一人だけ先生がいるのです。だから,そういう分野のグローバルニッチ企業というのは,日本でもドイツでも多いのですね。先ほど秋山委員がおっしゃった検査装置などもそうですが,そういう世界の人たちと産学連携やろうとすると,そういう学問は,派手ではないけれどもどうしても必要なのだということを少しお話ししておきます。

【内山田座長】  今年の夏の経団連の夏季フォーラムで,イノベーションの創出について議論しました。その際に産学連携の課題として意見が出てきたのは,今まで日本では,企業が個社で,競争領域ということで企業だけで閉じてしまって,一部だけ産学連携をやっているものですから,全体でどのぐらい大きなニーズがあるかということが,なかなかアカデミアと共有できてないということです。もっと企業間連携。先ほど申し上げたエンジンの技術研究のような連携をやっていかないと,アカデミアに対して,鋳造だとか加工などの分野が,本当はまだまだやることがあるし大切な部分ですよ,ということが伝わっていかないのではないかと思っていますので,ここも一つの大きなテーマかと。先ほど上野委員が,アカデミアが持って帰るとおっしゃいましたけれども,産業界側は一方でそういう課題があるのではないかとに思います。

まだまだお話は尽きないと思いますが,次回も同様のテーマでやりますので,少し文科省の事務局から資料7について説明を頂きたいと思います。よろしく。

【北山専門教育課長】  文部科学省の専門教育課長の北山と申します。お時間頂きまして,今,私どもで制度設計を行っております「職業実践力育成プログラムの認定制度」について御紹介を申し上げます。資料7を御覧いただけますでしょうか。

この制度は,本年3月に教育再生実行会議の第6次提言を受けまして,有識者会議を設けて検討を行ってきたものです。その内容とは,社会に出た後も誰もが学び続けることができる社会の構築を目指し大学等における実践的・専門的なプログラムであって,社会人,企業のニーズに合致したものを文部科学大臣が認定することで,社会人の学び直しに貢献するというものです。7月31日に認定要件等定めた告示が公布・施行されておりまして,その日から大学等からの公募を開始しています。

真ん中の四角のところにありますように大学,大学院,短大,高専における正規課程履修証明プログラムの中から認定を行うということにしておりまして,学問分野は特に限定しておりません。

対象とする職業の種類,修得可能な能力を具体的かつ明確に設定し,公表していること等々,ここにあるような要件を満たしているものを認定していきたいと考えております。この四つ目の〇のところにある要件が重要な要件になってくるかと思いますが,総授業時数の5割以上を目安に,実務家教員や実務家による授業,双方向討論,実地での体験活動,企業と連携した授業といった教育方法,これを二つ以上取り入れていることが必要としています。

そのほかそこにある種々の要件を満たす実践的・専門的なプログラムを文部科学大臣が認定することで,一番下の赤字で書かせていただいておりますように,社会人の学び直す選択肢の可視化,大学等におけるプログラムの魅力向上,企業等の理解増進を図っていき,社会人の学び直しを推進していきたいと考えております。

また,「厚生労働省の教育訓練給付制度とも連携し」と記述していますが現在教育訓練給付制度の中のある類型で,年間48万円まで教育給付金が出るというシステムがございますがけ受講者の人が申請をすればそれを活用できるようにすることについて,現在厚生労働省さんと協議させていただいているところです。

今後のスケジュールの見込みは,1枚おめくりいただいたところにあるような形になっておりまして,現在大学等に公募させていただいており,8月20日に公募の説明会を行わせていただく予定です。10月から11月ごろに有識者から成る有識者会議による審査を経まして,12月ごろに認定し,各大学で来年度から認定されたプログラムが開始されるように進めていきたいと考えております。

こちら,例えばですけれども,履修証明プログラムというのは,年間に120時間の授業を一定の科目を組み合わせて行うというようなものでございまして,現在各大学においてプログラムが形成されているというところはございますけれども,先ほど須藤先生からプレゼンテーションがございましたような,情報系だとか20日程度やっておられるということでしたけれども,1日6時間ぐらいやると120時間ということになりまして,そこに私どもの要件とさせていただいているようなことを満たすものがつくられていくということになりますと,もしかすると認定が可能かもしれないということもございます。

こちらお集まりの大学の先生方には,是非この認定プログラムの構築といったようなことについて御検討,あるいはPRといったものをいただけると有り難いなと思っておりますし,いつでも御説明に伺いたいというふうに思っております。また,産業界の皆様方も,地元でもいいですし,大学等と連携してこういったプログラムをつくっていただくニーズがあるということであれば,是非お取り組みいただければと思いますし,それぞれの会の会合等にも出かけさせていただきまして説明をさせていただきたいというふうに思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。

説明は以上でございます。

【内山田座長】  ありがとうございました。

それでは,次回の日程についてお願いいたします。

【宮本大学連携推進室長】  次回第3回のこの会合につきましては,9月25日の15時から17時までと予定いたしております。秋山委員,大西座長,小畑委員,藤嶋委員,横倉委員の五名の方にプレゼンテーションをお願いしたいと思っております。

以上です。

【内山田座長】  ありがとうございました。大変長時間にわたる御審議を,皆さん熱心に御参加頂きましてありがとうございました。また次回,よろしくお願いいたします。

――了――

お問合せ先

高等教育局専門教育課

科学・技術教育係 長谷川,草田,下田
電話番号:03-5253-4111(内線2502、2485)

企画係 渡辺,岡,川口

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-- 登録:平成27年10月 --