資料2_論点整理案

高等専門学校の充実に関する調査研究協力者会議における論点整理について(案)



1.高等専門学校本科卒業生の6割が就職,4割が進学している状況の中で,学士相当を目指す教育をどのように位置づけるか

 (1).本科5年+専攻科2年を維持し,その質的・量的充実を図る場合

   ・本科卒業後に進学を希望する者への教育の充実。
   ・専攻科の教育内容の充実と定員の在り方をどのように考えるか。

 (2).本科を7年制とする場合

   ・本科卒業者の6割が就職している状況をどのように考えるか。


2.高等専門学校の有する力をより発揮するために,規模や配置,法人の組織形態をどう考えるか

 (1).規模・配置

   ・高専の人材養成規模や学校の配置の在り方について,どのように考えるか。

 (2).法人の組織形態(国立高等専門学校について)

   ・現行の法人の組織形態の課題は何か,また何らかの改正の必要があるか。





論点整理(案)に関連する法令上の規程,答申における記述,これまでの議論,高専校長アンケート結果等


(1)高等専門学校本科卒業生の6割が就職,4割が進学している状況の中で,学士相当を目指す教育をどのように位置づけるか

高専本科の修業年限のあり方について

高専本科の修業年限,専攻科等に関連する法令上の規定

 

「学校教育法」【抜粋】

第百十五条 高等専門学校は,深く専門の学芸を教授し,職業に必要な能力を育成することを目的とする。

2 高等専門学校は,その目的を実現するための教育を行い,その成果を広く社会に提供することにより,社会の発展に寄与するものとする。

 

第百十七条 高等専門学校の修業年限は,五年とする。ただし,商船に関する学科については,五年六月とする。

 

第百十九条 高等専門学校には,専攻科を置くことができる。

2高等専門学校の専攻科は,高等専門学校を卒業した者又は文部科学大臣の定めるところにより,これと同等以上の学力があると認められた者に対して,精深な程度において,特別の事項を教授し,その研究を指導することを目的とし,その修業年限は,一年以上とする

 

「学校教育法施行規則」【抜粋】

第五十七条  小学校において,各学年の課程の修了又は卒業を認めるに当たっては,児童の平素の成績を評価して,これを定めなければならない。

 

第百七十九条 第五十七条から第六十二条まで,第九十条第一項及び第二項,第九十一条,第九十二条第一項,第九十四条,第九十五条,第百四条第三項,第百六十四条から第百六十六条まで並びに第百六十九条から第百七十二条の二までの規定は,高等専門学校に準用する

 

「高等専門学校設置基準」【抜粋】

第十七条  高等専門学校は,当該高等専門学校及び学科の教育上の目的を達成するために必要な授業科目を自ら開設し,体系的に教育課程を編成するものとする。

2 教育課程は,各授業科目を各学年に配当して編成するものとする。

3 各授業科目の単位数は,三十単位時間(一単位時間は,標準五十分とする。第七項において同じ。)の履修を一単位として計算するものとする。

4 前項の規定にかかわらず,高等専門学校が定める授業科目については,一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし,授業の方法に応じ,当該授業による教育効果,授業時間外に必要な学修等を考慮して,次の基準により単位数を計算することができる。

一  講義及び演習については,十五時間から三十時間までの範囲で高等専門学校が定める時間の授業をもつて一単位とする。

二  実験,実習及び実技については,三十時間から四十五時間までの範囲で高等専門学校が定める時間の授業をもつて一単位とする。

三  一の授業科目について,講義,演習,実験,実習又は実技のうち二以上の方法の併用により行う場合については,その組合せに応じ,前二号に規定する基準を考慮して高等専門学校が定める時間の授業をもつて一単位とする。

5 前項の規定により計算することのできる授業科目の単位数の合計数は,六十単位を超えないものとする。


答申における関連の記述

 

「我が国の高等教育の将来像(答申)」

(平成17年1月28日 中央教育審議会)

・ 高等専門学校は,5年一貫の実践的・創造的技術者等の養成という教育目的や,早期からの体験重視型の専門教育等の特色を一層明確にしつつ,今後とも応用力に富んだ実践的・創造的技術者等を養成する教育機関として重要な役割を果たすことが期待される。
現在,高等専門学校の単位については,教室内における30時間の履修を1単位として計算されているが,授業形態・指導方法の多様性や自学自習による教育効果も考慮した単位計算方法を導入することが適切である。

 

・ 高等専門学校は,5年一貫の実践的・創造的技術者等の養成という教育目的や,早期からの体験重視型の専門教育等の特色を,大学の学士課程教育や短期大学の課程の教育との対比で一層明確にしつつ,今後とも応用力に富んだ実践的・創造的技術者等を養成する教育機関として重要な役割を果たすことが期待される。

 

・ 高等専門学校卒業後に専攻科や大学へ進学・編入学する学生の増加を踏まえると,教育内容や履修指導等も含めて他の高等教育機関への円滑な接続にも配慮する必要がある。一方で,高等専門学校の役割や位置付けが相対化し,早期からの体験重視型の専門教育による実践的・創造的技術者等の養成という本来の個性・特色が不明確になることのないよう留意することも重要である。

 

・ 現在,高等専門学校の単位については,教室内における30時間の履修を1単位として計算することとされているが,授業形態・指導方法の多様性や自学自習による教育効果も考慮した単位計算方法を導入することにより,各学校における柔軟なカリキュラム編成の実現等が期待される。具体的には,教室外での自学自習を促すための指導上の工夫や総授業時間数の維持・確保に特に留意しつつ,一定の範囲内(例えば60単位以内)において,各学校の判断により,45時間の学習を1単位として計算する授業科目を設定できるよう,国は,単位計算方法を見直すことが適切である。

 

・ 国立高等専門学校の法人化など高等専門学校を取り巻く状況の変化,今後の高等専門学校の管理運営の具体的な在り方や高等専門学校の基本的方向性を踏まえ,名称を含めた社会的認識の改善の問題や専攻科の役割等については,今後の重要な課題である。

 


これまでの本会議における議論の抜粋(第1回~第5回)

 

〈現状の本科5年制(+専攻科2年)の意義を認める意見〉

・ 学生は、高専入学時には、必ずしも編入学や専攻科進学を考えているわけではなく、修業年限が5年なので入学している。入学後、5年で就職したり、より高度な学問を求めて大学に編入学したり、専攻科に進学したり、と入学後も様々な進路の選択肢があることが現在の高専の良さである。

・ 学生が5年間の密度の濃い教育課程の中で専門性をしっかりと身に付けることができるのが高専教育の強みであり、これは続けていくのがいい。

 

〈本科7年制にするべきとの意見〉

・ 5年間の教育課程では時間的にも制約があるため、7年一貫としながらその学びに多様性を組み込んだ体系的な教育課程とすべき。

・ 現在の5年の修業年限中、PBL等の多様の学びを取り入れているが、高専のカリキュラムは既に飽和状態である。仮に7年の課程にするのならば7年一貫のものとしてカリキュラムを見直す必要がある。

 

〈その他〉

・ 15歳で高専に入学した後、自分は理系に向いていないと気づいた学生が他の大学等へ進路変更することができる、という点は維持すべき。

・ 本科卒業後に専攻科に進学したり大学に編入学する者を多いと捉えるか少ないと捉えるかが重要なポイントとなる。

 


高専校長アンケート結果(抜粋)

 

(修業年限の変更に慎重な意見)

・ 修業年限を7年とする制度改革案が議論されているが,大学学部卒より2年早く,実践的技術を身に付けた技術者を輩出することが高く評価されている面がある。企業や入学者・保護者の意向等社会のニーズ,さらには5年制と7年制の併存に伴う課題等を踏まえた慎重な検討を要するのではないか。

(修業年限を5年から7年にするべきとの意見)

・ これからの技術者には,自ら課題を発見し,それを自ら解決できる力が求められているが,5年で途切れることのない7年一貫の学士カリキュラムを構成できれば,PBL教育の充実や,社会実装教育,また,長期インターンシップも実践できるなど多くの特色を持たせることができる。

・ 社会を支える科学技術の急速な進歩に伴う専門教育の高度化が避けられず,15歳からの5年間では,学修年限の制約によりこれまでのように社会が求める技術レベルの技術者を世に送ることが難しくなってきたことなどから,15歳からの7年一貫教育が問題点解決の枠組みを与える。

(7年のコースとともに5年のコースも残すことが望ましいとの意見)

・ 7年一貫教育について,地域の産業界の要望もあり5年間で就職できるコースの設置も不可欠である。


 

専攻科の充実について

高専の専攻科に関連する法令上の規定

 

「学校教育法」【抜粋】

第百十九条 高等専門学校には,専攻科を置くことができる。

2 高等専門学校の専攻科は,高等専門学校を卒業した者又は文部科学大臣の定めるところにより,これと同等以上の学力があると認められた者に対して,精深な程度において,特別の事項を教授し,その研究を指導することを目的とし,その修業年限は,一年以上とする。

 


答申における関連の記述

 

「高等専門学校教育の改善について(答申)」

(大学審議会 平成3年2月8日)

・ 科学技術の高度化等に伴って,卒業後も高等専門学校にとどまって大学への編入学とは別に高等専門学校生としてのアイデンティティーを保持しながら,より高度の教育研究指導を受けることを志望する者が増えてきている。こうしたことから,高等専門学校においても,大学や短大と同様に,卒業生を対象に,精深な程度において,特別な事項について教授し,その研究を指導する専攻科を設置することができるようにする必要がある。

また,専攻科の活用は,高等専門学校卒業生をはじめとする社会人の再教育ニーズに応える上からも,また,高等専門学校の研究機能を強める上からも有効であると考えられる。

 

「高等専門学校教育の充実について(答申)」

(中央教育審議会 平成20年12月24日)

・ 生産技術のイノベーションを担う新しい技術者や,地域産業の発展に貢献する技術者など,社会の多様な人材育成ニーズへの対応とともに,学生の継続教育に対するニーズに対応するため,高等専門学校本科の組織体制の見直しと併せ,地域や各高等専門学校の実情に応じ,入学定員の拡充を含め,専攻科の整備・充実を図っていくことが適当である。

 


これまでの本会議における議論の抜粋(第1回~第5回)

 

・ 専攻科は制度上,本科の上にある2年の課程というだけであって,設置基準上の詳細な規定はない。「新たな高等教育機関」との関係の中で,今後の議論において重要な問題である。

・ 本科5年+専攻科2年の中でどのような人材を育成することを目的として

いたのか,という点をまず再確認することが必要。その上で,5年+2年の教育課程において,1 インターンシップを行ったりビジネスを学ぶなどして専門以外の幅広い知識を身につけさせ経験値を上げることとするのか,2 専門分野の知識・技術をより深めて理系分野を徹底的に学ばせることとするのか,を,企業とも意見交換しつつ,考える必要がある。

・ 専攻科への進学を志望している学生が多いのであれば定員を増やすべきである。

 

高専校長アンケート結果(抜粋)

 

・ 最先端の研究や開発に携わることのできる高度な専門性を有する技術者の育成のために,7年一貫教育としての専攻科の充実を行うべき。具体的には専攻科の定員を約2倍に増員し,7年間で完結する体系的な教育を実施する。

・ 専攻科の位置づけが曖昧な点が否めず,入学定員がほぼ一律に本科入学定員の10%程度とされている点も見直しが必要と考える。

 


高専における学位の授与について

高専の学位に関連する法令上の規定

 

「学校教育法」【抜粋】

第百四条 

独立行政法人大学評価・学位授与機構は,文部科学大臣の定めるところにより,次の各号に掲げる者に対し,当該各号に定める学位を授与するものとする。

一  短期大学若しくは高等専門学校を卒業した者又はこれに準ずる者で,大学における一定の単位の修得又はこれに相当するものとして文部科学大臣の定める学習を行い大学を卒業した者と同等以上の学力を有すると認める者学士

 

第百二十一条 高等専門学校を卒業した者は,準学士と称することができる。

 

第百二十二条 高等専門学校を卒業した者は,文部科学大臣の定めるところにより,大学に編入学することができる。

 


答申における関連の記述

 

「高等専門学校教育の改善について(答申)」

(大学審議会 平成3年2月8日)

高等専門学校卒業生に対して称号を付与することについて,次のような点からその必要性が指摘されている。

(ア)諸外国では,短期高等教育機関において称号が付与されており,高等専門学校の卒業生が外国で勤務をしたり,あるいは外国の大学へ留学する場合などは,称号の有無が問題にされることもあり,高等専門学校の卒業生に対する称号の付与についての希望がある。

(イ)また,日本の高等専門学校に留学した学生から帰国後の就職のために必要であるとして,卒業生対して称号が与えられるよう強く希望されている。

(ウ)今後,生涯学習の観点から高等専門学校でも社会人の受入や公開講座等様々な形態の正規課程以外のプログラムが実施されることが予測されるところでもあるので,高等専門学校の卒業要件を満たした者に対し,それを確認するための称号の付与が必要となる。

 

「我が国の高等教育の将来像(答申)」

(中央教育審議会 平成17年1月28日)

(短期大学卒業生に対する学位授与関連部分抜粋)

学位取得のための教育と技能・資格取得のための教育の性格の違いを内容面から特徴付けるのは教養教育であり,短期大学における教養教育は,4年制の学士課程における教養教育と同様に,自己の人間としての在り方・生き方にかかわる教育であると考えられる。短期大学の課程の教育上の特色は,こうした「大学における教養教育」を幅広い学習需要に的確に対応したアクセスしやすい形で提供する点にあると考えられる。

・ また,短期大学を含めた大学における実務教育・職業教育は,教養教育の基礎の上に立ち,理論的背景を持った分析的・批判的見地からのものである点で,他の機関により提供される実務教育・職業教育とは異なる特徴があるものと考えられる。短期大学関係者は,4年制の学士課程に準ずる実質を備えた短期大学の課程の教育上のこうした特徴を一層明確化するよう,教育の充実に不断の努力を傾注する必要がある。

・ 短期大学は,今後とも,教育内容・方法や経営状態に関する積極的な情報開示や充実した事後評価の仕組みの確立等による社会的信頼・評価の確保に努める必要がある。

・ 以上の点を踏まえつつ,短期大学における教育の課程修了を学位取得に結び付けるよう制度改正を行うことが適切である。

 

「高等専門学校教育の充実について(答申)」

(中央教育審議会 平成20年12月24日)

(専攻科修了生に対する学位授与)

・ 現在,高等専門学校卒業後,大学評価・学位授与機構が認定した専攻科において所定の単位を修得した者で,大学評価・学位授与機構の審査を経て合格と判定された者に学士の学位が授与されているが,高等専門学校教育にも柔軟に対応し得る学士の学位授与について,更に検討が必要である。

 

「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」

(中央教育審議会 平成23年1月31日)

・ 現在,本科卒業後,大学評価・学位授与機構が認定した専攻科において,所定の単位を修得した者で,大学評価・学位授与機構の審査を経て合格と判定された者に学士の学位が授与されているが,学生の能力をより的確に把握するとともに,専攻科における学生の主体的な学習活動を一層充実させる観点,当該専攻科における学修の成果に基づいて円滑な学位の審査と授与が行われるよう,運用の改善を図ることが望まれる。



これまでの本会議における議論の抜粋(第1回~第5回)

 

・ 高専は自ら学位を授与できない。大学評価・学位授与機構から補完的制度に学位取得が認められているが,国際的にも中学生にも正当に評価されない。

・ (高専は)ようやく認められてきているが,学位授与権をもたない高等教育機関が国際的に通用するだろうか。



高専校長アンケート結果(抜粋)

 

・ 「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関」との関係や,グローバル化の進展に伴う海外の大学等との連携推進等を考慮すれば,高専が独自に学位授与権を有することが重要になる。

・ 今後の高専の在り方として,研究の高度化により,学位授与が出せる資格を備えるとともに,技術革新力と国際力,教養力を身に付けるための教育課程を重視する。


 

(2)高等専門学校の有する力をより発揮するために,規模や配置,法人の組織形態をどう考えるか

規模や配置,独立行政法人という組織形態について

高専の設置形態に係る法令上の規定

 

「独立行政法人国立高等専門学校機構法」

(平成15年法律第113号)

第1条 この法律は,独立行政法人国立高等専門学校機構の名称,目的,業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。

 

第3条 独立行政法人国立高等専門学校機構(以下「機構」という。)は,別表の上欄に掲げる高等専門学校(以下「国立高等専門学校」という。)を設置すること等により,職業に必要な実践的かつ専門的な知識及び技術を有する創造的な人材を育成するとともに,我が国の高等教育の水準の向上と均衡ある発展を図ることを目的とする。

 

別表(第3条,第12条関係)

国立高等専門学校の名称

位置

函館工業高等専門学校

北海道

(略)

(略)

仙台高等専門学校

宮城県

(略)

(略)

 

「国立大学法人法」(平成15年法律第112号)

第1条 この法律は,大学の教育研究に対する国民の要請にこたえるとともに,我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図るため,国立大学を設置して教育研究を行う国立大学法人の組織及び運営並びに大学共同利用期間を設置して大学の共同利用に供する大学共同利用期間法人の組織及び運営について定めることを目的とする。

 

第3条 国は,この法律の運用に当たっては,国立大学及び大学共同利用機関における教育研究の特性に常に配慮しなければならない。

 


答申における関連の記述

 

「高等専門学校教育の充実について(答申)」

(中央教育審議会 平成20年12月24日)

 

・ 高等専門学校の機能の充実を図るためには,基盤的経費を確実に措置するとともに,施設・設備の更新・高度化や優秀な教員の確保等が不可欠であり,これらの教育研究基盤の充実を図る。

 

・ 工業高校の中には,分野によって,産業界のニーズ等を踏まえたより高度な職業教育を行うため,全日制の3年間と専攻科の2年間を連携させ,高等専門学校と同様に5年間の教育に有効性を見いだし取り組み始めた学校もある。このような事例も踏まえ,産業界を中心に社会から高く評価されている高等専門学校制度の新たな発展については,国及び地方公共団体は前述の国立高等専門学校の再編・整備による教育の質の向上を図るだけでなく,公立の専門高校や大学校等を基に新たな公立高等専門学校を設置するといった可能性を含め,各地域における高等専門学校教育の潜在的ニーズを発掘し,ニーズがある場合には,それに対しどのような支援方策等(例えば,人的,物的支援の方策等制度面の対応等)が有り得るかについても検討していくことが重要である。

 

・ 検討に当たっては,現在の高等専門学校教育と同様の高い質を確保することが重要であり,このため,技術科学大学や近隣の国立大学からの人的協力を得る等の方策も有効であり,考慮していくべきである。

 


これまでの本会議における議論の抜粋(第1回~第5回)

 

・ 高専の数や教える内容はこのままでよいのか。現状の57校は多すぎる可能性がある。

・ 高専は全都道府県に設置されているわけではない。地方創生を考えると,各都道府県に設置した方がいいのではないか。卒業して地域に戻らないことの方が問題である。

・ 国立においては運営費交付金が毎年減っていく中,高専は単独でやっていくのか。大学などとの連携も必要ではないか。

・ このまま運営費交付金が機械的に逓減されていくと,単純に考えて,人件費を一定(実際は給与増)に保っていくとすると,削減の影響を全て物件費(教育・研究費)で対応していかなくてはならないことになり,近い将来に物件費はゼロになってしまうことが考えられる。

 


高専校長アンケート結果(抜粋)

 

・ 国立高専は,平成16年度に独立行政法人の設置・運営する学校となり,毎年度運営費交付金が削減される状況にある。教育活動の比重が大きく,人件費比率も高い高専の経営努力には限界があり,教育研究環境の低下への懸念が現実のものになりつつある。

・ 評価の高い高専が,独立行政法人を理由に毎年予算削減されることには疑問を持たざるを得ない。元来,教育は人材育成への投資であり,我が国の行く末を負って立つ若者のためである。したがって,教育に効率や経営概念を持ち込むことはなじまないと考える。




お問合せ先

高等教育局専門教育課

高等専門学校係
電話番号:03-5253-4111(内線3347)

(高等教育局専門教育課高等専門学校係)