資料2 内田委員提出資料

2015年3月18日 委員 内田 龍男(独立行政法人国立高等専門学校機構理事,仙台高等専門学校長)

「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の在り方について」(審議まとめ素案)に関する意見

 本有識者会議では「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関」(以下、新たな高等教育機関)について議論し、その具体的な在り方、方向性をかなり明らかにしてきた。今後の我が国の職業教育の在り方を改革・改善するとともに、産業社会の発展や職業生活の充実に資するものとして本会議の検討結果が着実に実を結ぶことを期待している。

 

 一方、この新たな高等教育機関が設立される場合、これまで実践的な職業教育を実施してきた高専にも、以下のような点で大きな影響や課題があると考えている。

1 高専の教育は、一般教育から専門教育(基礎的な知識・理論)、実験・実習や課題解決学習まで幅広く行っており、大学等の教育および今回検討されている「新たな高等教育機関」の教育内容・方法を包含している。すなわち、高専は高度な専門的職業人材を養成しているが、内容的には大学および「新たな高等教育機関」の両方の要素を含んでいる。従って、今回の検討を受けて、その位置付け、名称等についてどう考えるべきか。

2  「新たな高等教育機関」は、学位授与機関として検討することとされているが、高専卒業者は準学士の称号しかなく、卒業後2年間の専攻科修了者もそのままでは「学士」とならず、あくまでも大学評価・学位授与機構の審査によって授与されている。このことについて、どう考えるべきか。

 

 また、国立高専では、昨年11月7日のプレゼンでも申し上げたが、急速な科学技術の進展や産業構造の変化にも十分対応しうる人材の育成のために、高い研究レベルの土台の上に科学の知見を幅広く応用する力や他分野、多文化を見通した高度な創造力などを有する人材の養成に向けて7年一貫の教育の検討を進めている。これまでの50年間にわたる高専の実践を踏まえつつ、新しい時代に向けてより高い対応力と創造性を有する人材の育成を目指すこのような新しい高専型教育機関について、学位授与も含めてその制度的な検討を行う必要がある。

 

 以上、今回の「新たな高等教育機関」の検討と並行して、早急に高専また高専型の新しい教育機関の在り方について検討議論し、高専制度を含む職業教育機関の在り方について一体的に改革していただくよう要請申し上げる。

 

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