資料1 一般社団法人公立大学協会提出資料(「学生への経済的支援の目指すべき方向性について」に対する意見)

平成25年12月11日

「学生への経済的支援の目指すべき方向性について」に対する意見

公立大学協会 第2委員会委員
柴田洋三郎(福岡県立大学長)

 

 「学生への経済的支援の在り方について(中間まとめ)」の検討については、公立大学としても、その考え方を同じくするものであり、大きな部分では異論はない。その上で、今後の検討に対し以下の提案を行うが、必ずしもすべての公立大学の意見を代表するものではないことをお断りしておく。

 

1 公立大学に対する授業料の減免制度の改善について

 公立大学等の授業料等の減免については、地方財政措置を通じて支援がなされているが、その支出については、設立団体たる地方公共団体の裁量に委ねられており、現場である公立大学に決定権がない。このことに対する、公立大学関係者の苛立ちは大きく、国立大学法人に対する授業料減免制度と同じ枠組みの制度へ繰り入れて欲しいという要望もしばしば出される。
 このことを踏まえ、国としては、すでに地方財政措置で考慮されている授業料減免分の措置について「項目」として見える化し、それを受けて地方公共団体は自らの判断において、適切な授業料減免措置のための財源措置を行うことで、国と地方公共団体双方が、憲法及び教育基本法の保障する教育の機会均等を実現する責務を果たすよう、検討会において提言いただきたい。

 

2 貸与型支援制度の在り方(無利子奨学金の拡充)及び給付的な支援について

 貸与型支援制度の在り方については、学業成績と家庭の経済状況の考慮の在り方、事後給付か事前給付どちらを重視するのか、どのような機関を経由して給付するか、返済の様々な方法について等、多くの議論があり、公立大学の現場からも様々な意見が寄せられている。
 また、さらに手厚い給付的な支援の検討に踏み込めば、受給者の選定においてより高い公平性の担保が必要となるが、その際、公立大学の学生が国と地方公共団体との関係の影響による不公平な取扱いを受けることのないよう、慎重に制度設計を行っていただきたい。

 

3 多様な支援の考え方の検討について

 検討会では、さらに多様な支援の考え方について検討を行っていただきたい。
 例えば、経済的な理由で例えば2年次までで学業を中断せざるを得ない場合でも、大学はそれまでの学修の成果を社会に対し証明すると共に、いつでも復学できる制度を設けたり、放送大学等により低廉な学費の通信教育を活用して学位を取得できる柔軟な学修システムを設けたりするなど、新たな学びの形に関する検討も積極的に行っていただきたい。

 

以上

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