資料4 独立行政法人日本学生支援機構の在り方に関する有識者検討会第2ワーキンググループ報告書骨子(案)-留学生支援事業関係-

1.独立行政法人日本学生支援機構の留学生支援事業について

(1)留学生支援事業の概要

(2)これまでの行革等における指摘と対応

2.独立行政法人日本学生支援機構の留学生支援事業に係る課題と今後の方向性について

(1)留学生支援全般について

○戦略的な留学生交流の促進

  • 留学前のプロモーションから、滞在中の支援、修了・帰国後のフォローまで通じた、一貫性のある戦略的な留学生交流促進の必要性(留学の障壁の解消を含めて)

○ナショナルセンターとしての機能の強化

  • 留学生支援の総合的な実施機関(※)の、ナショナルセンターとしての機能の強化(情報収集・発信、調査分析、専門的知見の提供、コーディネートや連携の支援・促進等)
    (※)日本学生支援機構は、日本人学生と外国人留学生の双方に対し、留学前の段階から修了・帰国後のフォローまで、一連の支援業務を統一的視点から総合的に実施している。

(2)外国人留学生の受入れ

○受入れ段階等における窓口機能の強化

○滞在中の環境の充実

  • 国内における留学生交流の活性化(グローバル人材育成に資する、国内における外国人留学生と日本人学生、企業人、地域住民等の交流の活性化)
  • 滞在中の支援の充実と留学生宿舎、日本語教育等の在り方
  • 留学生支援業務のより効果的・効率的な実施(奨学金支給事務等)

○帰国後のフォローアップの強化(帰国留学生への支援等)

(3)日本人学生の派遣

○海外留学の障壁の解消(経済的負担、大学の体制の問題、就職問題等)

○留学生交流の質の確保や効果の検証

  • 採択時審査の厳格化(特に短期派遣については目的の明確化など)
  • 3ヶ月未満の短期派遣事業の成果の検証
  • フォローアップの強化
    (※文部科学省行政事業レビューにおける指摘を踏まえた問題意識)

3.独立行政法人日本学生支援機構の留学生支援事業に係る組織の在り方について

(1)留学生支援に関する体制の在り方

○グローバル人材の育成のため、留学生交流の推進については、政府、大学、民間等が一丸となって取り組む必要

○具体的には、

  • 各大学においてそのミッションに照らし主体的に推進されるべきもの
  • 国においても留学生交流の在り方や方針を定め、また促進のための政策立案を行う。
  • この他、民間においても、例えば留学情報の発信、奨学金支給、日本語教育等、様々な役割を果たす団体等が存在。
  • 日本学生支援機構は独立行政法人として、国の政策に基づき留学生交流の支援・推進を行う。

○その際、日本学生支援機構は、日本人学生と外国人留学生の双方に対し、留学前の段階から修了・帰国後のフォローまで、一連の支援業務を総合的に実施する留学生支援の総合的な実施機関として、情報収集・発信や調査分析への戦略的な取組や、コーディネーションや連携促進等の機能を担うことが期待される。

(2)各主体の担う役割の分担と連携

○国と日本学生支援機構の役割分担

  • 国は留学生政策の企画立案や外国政府との窓口の役割を担う。
  • 日本学生支援機構は国の定める方針に基づき、また国と密接な連携の下、国が自ら主体となって直接に実施することになじまない執行事務を総合的に実施

(参考)独立行政法人とは(独立行政法人通則法第2条より)
「公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的」とする法人

○大学と日本学生支援機構の役割分担

  • 各大学はそのミッションを踏まえ主体的に留学生交流を推進する。
  • 日本学生支援機構は各大学の主体的な取組を支援
  • なお、上記を基本としつつも、国費留学生制度等の国の事業においては、(各大学における取組に加え、)当該事業の政策目的を実現するために必要な支援策を国や日本学生支援機構において講じる。

(3)諸課題に適切に対応するための組織の在り方

○海外拠点機能同士の連携

  • 海外に展開されている他機関や大学の海外拠点とのより柔軟な連携による海外拠点機能の充実(ワンストップサービスの展開)。

○国内における国際交流の中核的拠点の整備

  • 留学生交流の効果を十分に発揮させる上で必要な交流拠点の中核的役割を果たす場を「中核的な留学生交流の場」として構築し、若手人材の国際交流拠点のモデルとして活用すべき。
  • その際には、中核的拠点として、交流の活性化の鍵となる留学生交流の質の保証に係る機能等も担うことも有効と考えられる。

○国際交流会館の廃止の在り方

  • 引き続き売却をめざすただし、留学生交流の効果を十分に発揮させる上で必要な交流拠点の中核的役割を果たすにふさわしい条件を備えた施設があれば、「中核的な留学生交流の場」としての再構築も視野に入れるべき

○奨学金支給事務の実施体制の在り方

  • 国費外国人留学生制度(現在、募集・選考は国で実施)について、採用段階から修了・帰国後のフォローまで一貫した実施体制による効果的な実施や、私費外国人留学生等学習奨励費制度(現在、日本学生支援機構で実施)との事務一元化による合理化が望まれる。

○日本語教育の実施体制の在り方

  • 現在、国費留学生や外国政府派遣留学生の受入れ・教育において重要な役割を果たしている。将来的には、民間の日本語教育機関の動向等も踏まえ、日本学生支援機構による教育実施の必要性や求められる機能等につき引き続き検討すべき。 

(4)留学生支援事業を実施する組織の実施主体の在り方

○日本学生支援機構における3事業の在り方

  • 日本人学生の派遣に関しては、留学生事業部の実施する給付型奨学金と、奨学金事業部の実施する貸与型奨学金(海外留学奨学金・有利子)との役割分担等も踏まえ連動させて推進するために、奨学金事業と連携して行う必要
  • 我が国唯一の学生支援のナショナルセンターとして3事業を総合的に実施しており、窓口の一元化による業務運営が効果的かつ効率的
    また、留学生支援機関として国際的に認知されており、今後、海外のプレゼンスをさらに高める必要。

○統合後の法人(※)等への移管の可否
(※)「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」(平成24年1月20日閣議決定)において、大学入試センター及び大学評価・学位授与機構については統合するとともに、国立大学財務・経営センターを廃止し、その業務のうち当面継続されるものについて統合後の法人に移管することとされている。

  • 統合後の法人の体制の在り方等を踏まえ判断することが必要。

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高等教育局学生・留学生課