資料3 「教育実施状況調査」に関する中間的な報告(モデル・コア・カリキュラムの対応を中心に)

【1】専任教員数、構成等に関する状況

(1)各大学の専任教員数(学部・学科専任教員数 ※全学施設等の専任教員は除く)

  各大学の専任教員数 (総数629名)

  国立)北大46名・帯畜22名(共同課程68名)、岩手25名・農工33名(共同学科58名)

     東大37名、岐阜34名、鳥取31名、山口32名・鹿大33名(共同学部65名)、宮大32名

    公立)府大53名

    私立)酪農49名、北里55名、日獣59名、日大41名、麻布49名

(2)専任教員の構成 (※調査票の合計数に従い、634名の分母で計算)

1 職階構成 

  教授258名(40%)、准教授204名(32%)、助教117名(19%)、講師55名(9%)

2 分野別構成(「モデル・コア・カリキュラム」の基礎・病態・応用・臨床に分類) 

   基礎160名(25%)、病態121名(19%)、応用117名(18%)、臨床236名(37%) (※主に産業動物臨床を担当する専任教員60名)

(3)応用系・臨床系担当教員スタッフ数(専任以外含む)

1 応用系

  国立)北大10名・帯畜20名(共同課程30名)、岩手7名・農工7名(共同学科14名)、東大21名、岐阜16名、鳥取9名、山口11名・鹿児島4名(共同学部15名)、宮大8名

    公立)府大11名

    私立)酪農9名、北里14名、日獣13名、日大10名、麻布15名

2 臨床系

  国立)北大16名・帯畜18名(共同学科34名)、岩手12名・農工16名(共同学科28名)

     東大9名、岐阜18名、鳥取15名、山口14名・鹿児島16名(共同学部30名)、宮大12名

    公立)府大19名

    私立)酪農20名、北里22名、日獣24名、日大20名、麻布24名

3 有給研修医の数

  国立)北大7名・帯畜1名(共同学科8名)、岩手0名・農工7名(共同学科7名)、東大27名、岐阜0名、鳥取0名、山口0名・鹿児島3名(共同学部3名)、宮大2名

    公立)府大0名

    私立)酪農10名、北里4名、日獣16名、日大28名、麻布8名

 

【2】モデル・コア・カリキュラムの対応状況

 (1) 全体的な対応状況

   全16大学においてモデル・コア・カリキュラム導入に向けた対応を検討しているものの、

  • 獣医関係法規、動物倫理・福祉、魚病学、野生動物学、疫学、臨床行動学、馬臨床学など、新規に導入された講義系科目について、非常勤講師等の活用が不可欠        
  • 実習科目について、動物の確保、症例の画像データ、病原微生物や抗体等の検査用試薬が不足、あるいは確保が困難。
  • 参加型実習について、教員数、施設・設備、症例数が不足。

   などの課題を指摘。

(2) 応用系(家畜衛生・公衆衛生)のモデル・コア・カリキュラムの対応状況

    一部不足あるが、教員数、実習室・設備など概ね対応できるとした大学があるが(北大、府立大、酪農、日獣)、多くは、教員数、実習施設が狭隘・設備等の環境面の不足を指摘。

(3) 臨床系(伴侶動物・産業動物)のモデル・コア・カリキュラムの対応状況

  • 伴侶動物については、一部、教員・スタッフ面では対応が可能(北大)、施設・設備面についてはある程度対応(酪農、北里)と回答した大学があるが、多くの大学が(共同教育課程を含む)、教員・スタッフ数や症例の確保、施設の狭隘、設備等の実習環境面の不足を指摘。
  • 産業動物については、概ね対応が可能とする大学が一部あるが(宮崎)、ほとんどの大学で、教員・スタッフ数、実習環境面の不足を指摘。

 (4) 全国的な対応・フォローについて(大学からの主な回答例)

  • 外部機関の医療従事者の雇用制度の確立や、全国の獣医学教育機関による教育連携制度の確立やその財政的支援を希望(岩手)。
  • 魚病学、臨床行動学、馬臨床学、眼科学、獣医倫理学などの科目は、共同学科でも担当できる教員がいない。専門家の養成や派遣システムの構築が必要(岐阜)
  • コアカリの実施について、情報交換や教材の共有、教材の供給など、これらのサービスを全国の大学に供給するセンター等の設置が必要(鳥取)。
  • 産業動物臨床教育の全国的なフォロー体制が必要(東大、府立、麻布など)。
  • 公衆衛生施設での実習(見学)について、地方自治体の協力が必要(酪農)
  • 近隣の私立・国立大学との連携や総ての教科科目の相互乗り入れが可能になれば完成度の高い獣医学教育の実施が可能(日獣)
  • 伴侶動物の臨床参加型実習については、大学病院において一次診療の症例を確保することが必要であるが、そのためには獣医師会、各都道府県獣医師会会員の理解と協力が必要(麻布)。

 

【3】参加型臨床実習の実施に向けたガイドラインの策定状況

  • 既に策定済 10大学:北大、岩手、東大、岐阜、鳥取、山口、鹿児島、宮崎、北里、日大
  • (案)策定   3大学:帯畜、酪農、麻布
  • まだ検討中  3大学:農工、府立、日獣

 

【4】モデル・コア・カリキュラムの実施に向けた教育環境の状況について

(1)附属家畜病院の新築・増改修の具体的な予定・計画、これまでの状況など

1 新築:4大学

   北海道大学(動物医療センター、H25竣工予定)、帯広畜産大学(産業動物臨床教育センター他、建設計画中)、岩手大学(共同学科講義棟・小動物診療施設、H24実施予定)、日本大学(産業動 物診療施設、建設計画中) 

   ※ 検討中:東京大学(動物医療センター)

2 増改修:5大学

   北海道大学(現動物病院を獣医総合研究棟に。H24実施予定)、帯広畜産大学(産業動物研究棟、今後改修予定)、岩手大学(産業動物実習施設、H25改修予定)、鳥取大学(野生動物保護施設、H24実施予定。大中動物入院棟、今後改修を計画)、宮崎大学(大中動物実験施設、H25竣工予定)※ 検討中:北里大学(大動物診療施設センター)

3 過去5年間の間に新築:4大学、増改修:7大学

   帯広畜産大学(H20、動物医療センターの改修・増築)、東京農工大学(H20、農学部附属動物医療センターの新築、H20)、岐阜大学(H21、動物病院新棟の新築。H22,23、リニアック棟増築)、鳥取大学(H22、動物病院の増改修)、山口大学(H21、動物医療センターの増改築)、宮崎大学(H22、大動物X線室、大動物診療兼手術室を改修など)、鹿児島大学(H20、軽種馬診療センター新築。H20・21、伴侶動物診療部門改修など)、北里大学(H20、小動物診療センター新築)、日本大学(H23、動物医療センター増築)

(2)外部機関の連携に関する主な状況について(大学側の主な回答状況)

1 応用系分野の実習について

  • 公衆衛生学実習等:多くの大学が食肉衛生検査所や環境研究所等への見学実習等を実施。
  • 家畜衛生学実習等:家畜改良センターや家畜保健衛生所での見学実習等を実施。

2 臨床実習

  • 伴侶動物臨床実習:5大学において個人開業医と連携した伴侶動物臨床実習を実施と回答。
  • 産業動物臨床実習:16大学がNOSAIと連携した産業動物臨床実習を実施。    

3 海外大学との連携

  • 6大学(東京大学、大阪府立大学、酪農学園大学、北里大学、日本獣医生命科学大学、日本大学)が実施と回答。

 

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