資料5 薬学アドバンスト教育ガイドライン(例示)(案)

薬学アドバンスト教育ガイドライン(例示) (案)

※ 薬学教育モデル・コアカリキュラムに関連する項目がある場合には、「〔関連コアカリ〕」として、該当項目を記載している。

A 基本事項

【1.患者安全と薬害の防止】 〔関連コアカリ:(1)3.〕
1. WHOの患者安全の考え方に基づき、医療提供プロセスや患者環境における潜在的なリスクを見出し、対応策を提案できる。

【2.コミュニケーション】 〔関連コアカリ:(3)1.〕
1. 心理療法の基礎理論(精神分析、認知行動療法、来談者中心療法など)とその活用法について説明できる。
2. 代表的な精神障害(統合失調症、うつ病など)・パーソナリティ障害(境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害など)・発達障害の症状およびコミュニケーションの特徴について概説できる。


B 薬学と社会

【1.医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保に係る法規範】 〔関連コアカリ:(2)2.〕
1. レギュラトリーサイエンスに基づく医薬品等の品質、有効性及び安全性の評価法について説明できる。
2. 医薬品等の開発と規制における国際調和の動向について説明できる。

【2.医療、福祉、介護の制度】 〔関連コアカリ:(3)1.〕
1. 諸外国の医療、福祉、介護の制度について、日本と比較しながら説明できる。

【3.医薬品と医療の経済性】 〔関連コアカリ:(3)2.〕
1. 医薬品等に係る知的財産権保護の仕組み(申請、承認など)について説明できる。
2. 日本と諸外国における知的財産権保護に対する考え方の違いについて説明できる。
3. 医薬品の創製に関わる仕組みについて、日本と諸外国でどのように異なるかを説明できる。
4. 国際的な医薬品市場の動向と企業展開について説明できる。
5. 希少疾病に対する医薬品(オーファンドラッグ)開発の現状と問題点について説明できる。
6. 代表的な薬剤経済評価手法を用いて、薬物治療の効率性を評価できる。

【4.地域における薬局の役割】 〔関連コアカリ:(4)1.〕
1. 諸外国における薬局の機能と業務について、日本と比較しながら説明できる。

【5.地域における保健、医療、福祉の連携体制と薬剤師】 〔関連コアカリ:(4)2.〕
1. 地域社会における保健、医療、福祉の現状と問題点を調査し、地域による違いについて討議する。
2. 諸外国における薬剤師の活動分野について、日本と比較しながら説明できる。


C 薬学基礎

C1 物質の物理的性質

【1.エネルギー、自発的な変化】 〔関連コアカリ:(2)2.、3.〕
  1. 代表的な物理変化、化学変化に伴う熱力学量(エンタルピー変化、エントロピー変化、ギブズエネ ルギー変化など)を説明し、求めることができる。(技能)
  2. 各種熱力学量の値から、物理変化、化学変化の過程を推測することができる。

【2.物理平衡】 〔関連コアカリ:(2)〕
1. 物質の溶解平衡について説明できる。
2. 界面における平衡について説明できる。
3. 吸着平衡について説明できる。
4. 代表的な物理平衡の観測結果から平衡定数を求めることができる。(技能)

【3.溶液の化学】 〔関連コアカリ:(2)〕
1. イオンの輸率と移動度について説明できる。
2. 電解質の活量係数の濃度依存性(Debye-Hückel の式)について説明できる。

【4.電気化学】 〔関連コアカリ:(2)7.〕
1. Nernstの式が誘導できる。
2. 膜電位と能動輸送について説明できる。

【5.相互作用の解析法】 〔関連コアカリ:(2)〕
1. 生体分子間相互作用の解析法を概説できる。

【6.立体構造】 〔関連コアカリ:(2)〕
1. タンパク質の立体構造の自由度について概説できる。
2. タンパク質の折りたたみ過程について概説できる。

【7.相互作用】 〔関連コアカリ:(2)〕
1. 転写・翻訳、シグナル伝達における代表的な生体分子間相互作用について、具体例を挙げて説明できる。
2. 生体高分子と医薬品の相互作用における立体構造的要因の重要性を、具体例を挙げて説明できる。

C2 化学物質の分析

【1.酸・塩基平衡】 〔関連コアカリ:(2)1.〕
1. 代表的な緩衝液の特徴とその調製法を説明できる。

【2.定性分析】 〔関連コアカリ:(3)1.〕
1. 日本薬局方収載の代表的な医薬品の確認試験を実施できる。(技能)

【3.定量分析(容量分析・重量分析)】 〔関連コアカリ:(3)2.〕
1. 日本薬局方収載の重量分析法を実施できる。(技能)

【4.分光分析法】 〔関連コアカリ:(4)1.〕
1. ラマンスペクトル法の原理および応用例を説明できる。
2. 化学発光・生物発光の原理およびそれを利用する測定法を説明できる。
3. 円偏光二色性測定法の原理および応用例を説明できる。
4. 電子スピン共鳴スペクトル測定法の原理および応用例を説明できる。
5. 代表的な分光分析法を用いて、代表的な生体分子(核酸、タンパク質)の分析を実施できる。(技能)

【5.核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定法】 〔関連コアカリ:(4)2.〕
1. 核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定法の生体分子解析への応用例について説明できる。

【6.質量分析法】 〔関連コアカリ:(4)3.〕
1. 質量分析法の生体分子解析への応用例について説明できる。
2. LC-MSやLC-MS/MSを用いて、医薬品や生体分子の分析を実施できる。(技能)

【7.X線結晶解析】 〔関連コアカリ:(4)4.〕
1. X線結晶解析を用いた生体分子の構造決定法について説明できる。

【8.クロマトグラフィー】 〔関連コアカリ:(5)1.〕
1. 超臨界流体クロマトグラフィーの特徴を説明できる。

【9.電気泳動法】 〔関連コアカリ:(5)2.〕
1. 電気泳動法を用いて試料を分離分析できる。(技能)

【10.分析の準備】 〔関連コアカリ:(6)1.〕
1. 分析目的に即した試料の前処理法を実践できる。(技能)

【11.分析技術】 〔関連コアカリ:(6)2.〕
1. 臨床分析で用いられる代表的な分析法を実践できる。(技能)
2. 代表的なセンサーを列挙し、原理および応用例を説明できる。
3. 薬学領域で繁用されるその他の分析技術(バイオイメージング、マイクロチップなど)について概説できる。
4. 同位体を利用した分析法の原理を説明できる。


C3 化学物質の性質と反応

【1.基本事項】 〔関連コアカリ:(1)1.〕
1. 反応中間体(カルベン)の構造と性質を説明できる。
2. 転位反応の特徴を述べることができる。
3. ハードソフト理論について説明できる。

【2.有機化合物の立体構造】 〔関連コアカリ:(1)2.〕
1. 分子模型、コンピューターソフトなどを用いて化学物質の立体構造をシミュレートできる。(知識・技能)

【3.アルケン・アルキン】 〔関連コアカリ:(2)1.〕
1. 共役化合物の物性と反応性を説明できる。

【4.芳香族化合物】 〔関連コアカリ:(2)3.〕
1. 芳香族化合物の求核置換反応の反応性、配向性、置換基の効果について説明できる。
2. 代表的芳香族複素環の求核置換反応の反応性、配向性、置換基の効果について説明できる。

【5.概説】 〔関連コアカリ:(3)1.〕
1. 代表的な官能基の定性試験を実施できる(技能)

【6.アルデヒド・ケトン・カルボン酸・カルボン酸誘導体】 〔関連コアカリ:(3)4.〕
1. ニトリル類の基本的な性質と反応を列挙し、説明できる。

【7.核磁気共鳴(NMR)】 〔関連コアカリ:(4)1.〕
1. 重水添加による重水素置換の意味を説明できる。
2. 有機化合物中の代表的カーボンについて、おおよその化学シフト値を示すことができる。
3. 代表的な化合物の部分構造を1H NMRと併せて13C NMRから決定できる。(技能)

【8.質量分析】 〔関連コアカリ:(4)3.〕
1. 代表的なフラグメンテーションを説明できる。
2. 高分解能マススペクトルにおける分子式の決定法を説明できる。

【9.旋光度】 〔関連コアカリ:(4)〕
1. 比旋光度測定による光学純度決定法を説明できる。
2. 比旋光度と絶対配置の関係を説明できる。

【10.無機化合物・錯体】 〔関連コアカリ:(5)1.〕
1. 錯体の安定度定数について説明できる。
2. 錯体の安定性に与える配位子の構造的要素(キレート効果)について説明できる。

[有機化合物の合成]
【11.官能基の導入・変換】
1. アルケンの代表的な合成法について説明できる。
2. アルキンの代表的な合成法について説明できる。
3. 有機ハロゲン化合物の代表的な合成法について説明できる。
4. アルコールの代表的な合成法について説明できる。
5. フェノールの代表的な合成法について説明できる。
6. エーテルの代表的な合成法について説明できる。
7. アルデヒドおよびケトンの代表的な合成法について説明できる。
8. カルボン酸の代表的な合成法について説明できる。
9. カルボン酸誘導体(エステル、アミド、ニトリル、酸ハロゲン化物、酸無水物)の代表的な合成法について説明できる。
10. アミンの代表的な合成法について説明できる。
11. 代表的な官能基選択的反応を列挙し、その機構と応用例について説明できる。
12. 化学反応によって官能基変換を実施できる。(技能)

【12.炭素骨格構築反応】
1. Diels-Alder反応について説明できる。
2. 転位反応を用いた代表的な炭素骨格の構築法を列挙し、説明できる。
3. 代表的な炭素-炭素結合生成反応(アルドール反応、マロン酸エステル合成、アセト酢酸エステル合成、Michael付加、Mannich反応、Grignard反応、Wittig反応など)について説明できる。

【13.精密有機合成】
1. 代表的な位置選択的反応を列挙し、その機構と応用例について説明できる。
2. 代表的な立体選択的反応を列挙し、その機構と応用例について説明できる。
3. 官能基毎に代表的な保護基を列挙し、その応用例を説明できる。
4. 光学活性化合物を得るための代表的な手法(光学分割、不斉合成など)を説明できる。
5. 固相合成法の特徴を説明できる。
6. グリーンケミストリーについて説明できる。

【14.総合演習】
1. 課題として与えられた化合物の合成法を立案できる。(知識・技能)
2. 基本的な医薬品を合成できる。(技能)
3. 反応廃液を適切に処理する。(技能・態度)

【15.プロセスケミストリー】
1. 医薬品製造に用いられる試薬、溶媒、反応装置が持つべき条件を列挙できる。
2. 工業的生産における精製法を列挙し、その特徴を説明できる。
3. 医薬品製造における原子経済(原子効率)について説明できる。
4. 医薬品製造において環境保全に配慮すべき点を列挙し、その対処法を概説できる。


C4 生体分子・医薬品の化学による理解

【1.生体内で機能する小分子】 〔関連コアカリ:(1)2.〕
1. 生体内に存在する代表的な複素環化合物を列挙し、構造式を書くことができる。
2. 代表的な生体内アミンを列挙し、化学的性質を説明できる。

【2.生体内で起こる有機反応】 〔関連コアカリ:(2)4.〕
1. 薬物代謝酵素の反応機構を説明できる。
2. 化学構造から代謝物を予測できる。

[創薬探索研究─医薬品リード化合物の探索と最適化─]
【3.概説】
1. 古典的な医薬品開発から理論的な創薬への歴史について説明できる。

【4.リード化合物の探索】
1. スクリーニングの対象となる化合物の起源について説明できる。
2. 代表的スクリーニング法を列挙し、説明できる。
3. コンビナトリアルケミストリーについて説明できる。

【5.リード化合物の最適化】
1. 定量的構造活性相関のパラメータを列挙し、その薬理活性等に及ぼす効果について説明できる。
2. 体内動態・薬物代謝を考慮したドラッグデザインについて説明できる。
3. 副作用、毒性の軽減を目的としたドラッグデザインについて説明できる。
4. ドラッグデザインにおけるコンピューターの利用法を説明できる。


C5 自然が生み出す薬物

【1.薬用植物】 〔関連コアカリ:(1)1.〕
1. 薬用植物の歴史について概説できる。
2. 代表的な有毒植物について説明できる。

【2.生薬とは】 〔関連コアカリ:(1)〕
1. 生薬の歴史について説明できる。
2. 生薬の生産と流通について説明できる。

【3.生薬の同定と品質評価】 〔関連コアカリ:(1)3.〕
1. 代表的な生薬の確認試験を実施できる。(技能)

【4.生薬由来の生物活性物質の構造と作用】 〔関連コアカリ:(2)1.〕
1. 脂質や糖質に分類される生薬由来の代表的な生物活性物質の構造を生合成経路に基づいて説明できる。
2. 芳香族化合物に分類される生薬由来の代表的な生物活性物質の構造を生合成経路に基づいて説明できる。
3. テルペノイド、ステロイドに分類される生薬由来の代表的な生物活性物質の構造を生合成経路に基づいて説明できる。
4. アルカロイドに分類される生薬由来の代表的な生物活性物質の構造を生合成経路に基づいて説明できる。

【5.天然生物活性物質の利用】 〔関連コアカリ:(2)4.〕
1. 天然資源から医薬品の種(シーズ)の探索法について、具体的に説明できる。
2. シーズの探索に貢献してきた伝統医学、民族植物学を例示して説明できる。
3. 医薬原料としての天然物質の資源確保に関して問題点を列挙できる。
4. サプリメントや健康食品などとして使われている代表的な天然生物活性物質を列挙し、その用途を挙げることができる。

【6.海洋生物由来の生物活性物質の構造と作用】 〔関連コアカリ:(2)〕
1. 海洋生物由来の代表的な生理活性物質を列挙し、その基原、作用を説明できる。


C6 生命現象の基礎

【1.細胞小器官】 〔関連コアカリ:(1)2.〕
1. オートファジーについて分子レベルで説明できる。
2. 細胞核を構成する核膜、核小体の構造と機能を分子レベルで説明できる。

【2.ヌクレオチドと核酸】 〔関連コアカリ:(2)5.〕
 1. DNAを抽出できる。(技能)

【3.生体分子の定性、定量】 〔関連コアカリ:(2)8.〕
1. 脂質の定性および定量試験を実施できる。(技能)
2. 糖質の定性および定量試験を実施できる。(技能)
3. アミノ酸の定性および定量試験を実施できる。(技能)
4. タンパク質の定性および定量試験を実施できる。(技能)
5. 核酸の定性および定量試験を実施できる。(技能)

【4.タンパク質の構造と機能】 〔関連コアカリ:(3)1.〕
1. タンパク質の分離、精製と分子量の測定法を説明し、実施できる。(知識・技能)
2. タンパク質のアミノ酸配列決定法を説明できる。
3. タンパク質の代表的な二次構造(モチーフ)や機能領域(ドメイン)を説明できる。
4. タンパク質発現プロファイルを解析するための技術(2次元電気泳動法、ペプチド質量分析に基づくタンパク質の同定方法など)を説明できる。
5. タンパク質間相互作用の解析に用いられる主な方法(免疫沈降、two-hybrid法など)について説明できる。
6. プロテオーム、メタボロームについて説明できる。

【5.遺伝情報を担う分子】 〔関連コアカリ:(4)2.〕
1. 3種類のDNAにみられるB型以外の二重らせんの構造(A型、Z型)について説明できる。
2. バイオインフォマティクスについて説明できる。
3. トランスクリプトームについて説明できる。

【6.転写・翻訳の過程と調節】 〔関連コアカリ:(4)4.〕
1. 低分子RNA(siRNA、miRNA)による遺伝子発現の調節機構について分子レベルで説明できる。

【7.遺伝子の変異・修復】 〔関連コアカリ:(4)5.〕
1. 一塩基変異(SNPs)が機能におよぼす影響について説明できる。
2. 遺伝子多型(SNPs)の解析に用いられる方法(RFLP、SSCP法など)について説明できる。
3. 遺伝子多型(欠損、増幅)の解析に用いられる方法(ゲノミックサザンブロット法など)について説明できる。

【8.組換えDNA】 〔関連コアカリ:(4)6.〕
1. 遺伝子ライブラリーについて説明できる。
2. PCR法による遺伝子増幅の原理を説明し、実施できる。(知識・技能)
3. PCRを実施できる。(技能)
4. RNAの逆転写と逆転写酵素について説明できる。
5. DNA塩基配列の決定法を説明できる。
6. コンピューターを用いて特徴的な塩基配列を検索できる。(技能)
7. 細胞(組織)における特定のDNAおよびRNAを検出する方法を説明できる。
8. 外来遺伝子を細胞中で発現させる方法を概説できる。
9. 遺伝子発現を細胞中で人工的に抑制する方法を概説できる。
10. 遺伝子改変生物(遺伝子導入•欠損動物、クローン動物、遺伝子組換え植物)の作製法について概説できる。
11. 遺伝子改変生物(遺伝子導入•欠損動物、クローン動物、遺伝子組換え植物)の利用法について概説できる。
12. ゲノム情報の創薬への利用について、創薬ターゲットの探索の代表例(イマチニブなど)を挙げ、ゲノム創薬の流れについて説明できる。
13. ゲノムの生物種間多様性とその創薬での重要性を説明できる。

【9.ATPの産生と糖質代謝】 〔関連コアカリ:(5)2.〕
 1. ATP産生阻害物質を列挙し、その阻害機構を説明できる。
 2. アルコール発酵、乳酸発酵の生理的役割を説明できる。
3. ATP以外の高エネルギー化合物について、化学構造をもとに高エネルギーを説明できる。

【10.脂質代謝】 〔関連コアカリ:(5)3.〕
 1. リン脂質の生合成を説明できる。

【11.飢餓状態と飽食状態】 〔関連コアカリ:(5)4.〕
 1. ケト原性アミノ酸と糖原性アミノ酸の種類やエネルギー変換経路について説明できる。

【12.細胞間コミュニケーション】 〔関連コアカリ:(6)3.〕
 1. 主な細胞外マトリックス分子の構造と機能を分子レベルで説明できる。

【13.がん細胞】 〔関連コアカリ:(7)3.〕
1. がん幹細胞について分子レベルで説明できる。
2. がん細胞の浸潤、転移について分子レベルで概説できる。


C7 人体の成り立ちと生体機能の調節

【1.ホルモン・内分泌系による調節機構】 〔関連コアカリ:(2)2.〕
   1. 代表的なホルモンを挙げ、その生合成経路、および分泌調節機構を分子レベルで説明できる。
 
【2.オータコイドによる調節機構】 〔関連コアカリ:(2)3.〕
 1. 代表的なオータコイドの生合成経路、および分泌調節機構を分子レベルで説明できる。

【3.神経伝達物質】 〔関連コアカリ:(2)4.〕
 1. 代表的な神経伝達物質の生合成経路、分泌調節機構、および分解経路を分子レベルで説明できる。

 

C8 生体防御と微生物

【1.免疫応答の制御と破綻】 〔関連コアカリ:(2)1.〕
 1. 代表的な免疫賦活療法について分子レベルで説明できる。

【2.免疫反応の利用】 〔関連コアカリ:(2)2.〕
 1. モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の作成方法を説明できる。

【3.ウイルス】 〔関連コアカリ:(3)1.〕
 1. 代表的な動物ウイルスの培養法、定量法について説明できる。

【4.消毒と滅菌】 〔関連コアカリ:(3)5.〕
 1. 主な滅菌法を実施できる。(技能)

【5.検出方法】 〔関連コアカリ:(3)6.〕
 1. 細菌の同定に用いる代表的な試験法(生化学的性状試験、血清型別試験、分子生物学的試験)について説明できる。
 2. 代表的な細菌を同定できる。(技能)

【6.代表的な病原体】 〔関連コアカリ:(4)2.〕
 1. プリオンの構造と感染機構について分子レベルで説明できる。


D 衛生薬学

D1 健康

【1.食品機能と食品衛生】 〔関連コアカリ:(3)2.〕
1. 食品の褐変を引き起こす主な反応とその機構を説明できる。
2. 主な食品添加物の試験法を実施できる。(技能)
3. 遺伝子組換え食品の現状を説明し、その問題点について討議する。(知識・態度)


D2 環境

【1.化学物質の毒性】 〔関連コアカリ:(1)1.〕
1. 環境ホルモン(内分泌撹乱化学物質)が人の健康に及ぼす影響を説明し、健康影響に対する予防策を提案する。(態度)


【2.化学物質の安全性評価と適正使用】 〔関連コアカリ:(1)2.〕
1. 化学物質の中毒量、作用器官、中毒症状、救急処置法、解毒法を検索することができる。(技能)
2. 薬物中毒における生体試料の取扱いについて説明できる。
3. 代表的な中毒原因物質を分析できる。(技能)


E 医療薬学

E2 薬理・病態・薬物治療

【1.漢方薬の基礎】 〔関連コアカリ:(10)1.〕
1. 漢方の歴史について概説できる。
2. 漢方と中医学の特徴について説明できる。

【2.漢方薬の応用】 〔関連コアカリ:(10)2.〕
1. 漢方薬の薬効を構成生薬の薬能(古典的薬効)で説明できる。
2. 日本薬局方に収載されていない頻用漢方処方(麻黄湯や五苓散など)の適応となる証、症状や疾患について例示して説明できる。
3. 漢方薬の剤形と特徴について説明できる。


E3 薬物治療に役立つ情報

【1.情報源】 〔関連コアカリ:(1)2.〕
1. 収集・評価した臨床研究論文を用いて、メタアナリシスを実施できる。(技能)

【2.収集・評価・加工・提供・管理】 〔関連コアカリ:(1)3.〕
1. 臨床上の問題を定式化し、その解決のための情報を収集・評価し、それに基づいて解決法を提案できる。(技能)

【3.生物統計】 〔関連コアカリ:(1)5.〕
1. 多群間の差の検定(分散分析、多重比較)を実施できる。(技能)
2. 主な多変量解析(ロジスティック回帰分析、重回帰分析など)の概要を説明し、実施できる。(知識・技能)
3. 点推定と区間推定を実施できる。(技能)
4. 研究計画上の技法(症例数設定、ランダム化、盲検化など)に配慮して、有効性や安全性を評価するための臨床研究を立案できる。(技能)
5. 観察研究における交絡を制御するための計画上の技法(マッチングなど)、統計解析上の技法(層化など)について説明できる。

【4.特殊な患者】 〔関連コアカリ:(3)〕
1. 胃ろう造設者、人工肛門造設者、気管切開患者における薬物治療・投与設計において注意すべき点を説明できる。


E4 薬の生体内運命

【1.TDM(Therapeutic Drug Monitoring)と投与設計】 〔関連コアカリ:(2)2.〕
1. 薬物のタンパク結合、代謝および生体膜輸送の測定・解析結果に基づいて、薬物動態学的特徴を説明できる。(知識・技能)
2. 2-コンパートメントモデルに基づいた薬物速度論解析ができる。(知識・技能)
3. 非線形最小二乗法を用いた速度論パラメータの算出ができる。(知識・技能)
4. ベイジアン法やポピュレーションファーマコキネティクスの理論に基づいた投与設計ができる。(知識・技能)
5. 生理学的薬物速度論モデルに基づく薬物濃度推移のシミュレーションができる。(知識・技能)


E5 製剤化のサイエンス

【1.製剤化】 〔関連コアカリ:(2)2.〕
1. 代表的な製剤の処方を設計できる。(知識・技能)
2. 単位操作を組み合わせて代表的な製剤を調製できる。(技能)
3.   製剤に関連する代表的な試験法を実施し、製剤の物性を測定できる。(技能)
  4.  製剤の物性値から、製剤の品質を判定できる。(知識・技能)
  5.  製剤の物性測定に使用される装置の原理について説明できる。

【2.生物学的同等性】 〔関連コアカリ:(2)3.〕
1. 生物学的同等性のレギュレーションについて説明できる。
2. 異なる製剤処方間(先発品と後発品、開発途中の製剤処方変更など)の生物学的同等性を評価できる。(知識・技能)


F 薬学臨床

【1.臨床実習の基礎】 〔関連コアカリ:(1)3.〕
1.  治験実施計画書の事前審査を体験する。(知識・技能・態度)
2.  治験薬の処方監査、調剤、服薬指導を体験する。(知識・態度)
3.  適正な治験の実施・管理を体験する。(知識・態度)


【2.医薬品の供給と管理】 〔関連コアカリ:(2)5.〕
1.  院内製剤の調製を体験する。(技能・態度)
2.  薬局製剤、漢方製剤の製造・調製を体験する。(技能・態度)
3.  調製した製剤の品質試験を体験する。(技能、態度)

【3.患者情報の把握】 〔関連コアカリ:(3)1.〕
1.  フィジカルアセスメントを実施し、薬学的判断に活かすことができる。(技能・態度)

【4.処方設計と薬物療法の実践(処方設計と提案)】 〔関連コアカリ:(3)3.〕
1. 患者の栄養状態や体液量、電解質などの評価を基に適切な栄養療法や輸液療法を提案できる。(知識・態度)

【5.処方設計と薬物療法の実践(薬物療法における効果と副作用の評価)】〔関連コアカリ:(3)4.〕
1. 薬物血中濃度モニタリングが必要な医薬品が処方されている患者について、血中濃度測定を体験する。(技能)

【6.移植医療における薬物療法】 〔関連コアカリ:(3)〕
1. 移植(心・肝・腎・肺・骨髄・皮膚など)患者への薬物療法の設計を体験する。(技能・態度)

【7.専門領域で活動する薬剤師】 〔関連コアカリ:(3)〕
1. がん化学療法において専門的に対応する薬剤師の薬物療法を体験する。(技能・態度)
2. 精神科領域において専門的に対応する薬剤師の薬物療法を体験する。(技能・態度)
3. 感染制御領域(HIVを含む)において専門的に対応する薬剤師の薬物療法を体験する。(技能・態度)
4. 妊婦・授乳婦に専門的に対応する薬剤師の薬物療法を体験する。(技能・態度)
5. 緩和ケア、終末期医療において専門的に対応する薬剤師の薬物療法を体験する。(技能・態度)
6. 施設において専門領域(救急医療、腎臓病薬物療法、褥瘡治療、医薬品情報等)で活動する薬剤師業務を体験する。(技能・態度)

【8.在宅(訪問)医療・介護への参画】 〔関連コアカリ:(5)1.〕
1. 在宅患者の病態や生理的特性、療養環境等を考慮し、より適切な薬物療法を提案できる。(知識・態度)

【9.地域保健(公衆衛生、学校薬剤師、啓発活動)への参画】 〔関連コアカリ:(5)2.〕
1. 地域保健において専門的な領域で対応する薬剤師の活動(プライマリケア、サプリメントのアドバイス、糖尿病療養指導、漢方医療、アンチドーピング活動等)を体験する。(技能・態度)

【10.プライマリケア、セルフメディケーションの実践】 〔関連コアカリ:(5)3.〕
1.  対応した来局者の病状や健康状態に関して、継続的な観察や指導を体験する。(技能・態度)

 

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