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資料2−2

国際的な質保証作業部会   EラーニングWG

各国におけるEラーニングの実施状況等について

日   本
【現状】
   ○    インターネットを利用して授業の配信を行っている大学(4年制。以下同じ)は15%、行うことを検討している大学は、25.5%である。(配信される授業の形態は、テキストベースの資料やプレゼンテーション・ツールで作成した教材が多く、チャットルームやテスト機能まで持っているものは少ない。)
   インターネットで授業を配信して、単位認定をしている大学は2%、単位認定を計画している大学は6%。
   また、海外からのインターネット授業を単位化している大学は0.3%、認定する計画がある大学は2%。
(メディア教育開発センター   「高等教育におけるマルチメディア利用実態調査2002年度概要」より)

【制度】    (Eラーニングにより国境を越える教育の提供に関する制度)
 
   ○    日本の大学がEラーニングによって海外へ教育を提供する場合
1)    大学は、メディアを利用して行う授業を含め、授業を外国において履修させることができることとされており、インターネット等を活用して海外に教育を提供することが可能である。
2)    通信制の大学については、卒業に必要な単位全てをメディアを利用して行う授業により修得することができるので、海外にいながら日本の通信制大学を卒業することが可能である。
   外国の大学がEラーニングによって日本に高等教育を提供する場合
1)    外国の大学がインターネット等の通信教育により提供する授業科目を日本において履修した場合、その単位を大学の判断により認定できる。
2)    外国の大学がインターネット等通信教育により提供する教育を日本において履修することにより、学校教育の16年間の課程を修了した者については、大学院入学資格が認められる。


中   国
【現状】
   Eラーニング実施機関    45機関
   Eラーニング学生 8万人(02年度)

【制度】    外国大学との提携に関するに規定の中で、遠隔教育に関しては規定されていない。

【課題、検討状況】
   教育部教育情報化技術委員会がコースの質、支援システム、校外学習センター、異文化への配慮、海外からのEラーニングについて、来年度に報告書予定。


アメリカ
【現状】
   フル・オンラインコース開設機関    62.5%
   遠隔教育のみのプログラム 114

【制度】    遠隔教育に対するアクレディテーション団体   17機関
      ※遠隔教育だけの基準はない

【課題、検討状況】
  17の地域及び全米アクレディテーション団体
   遠隔教育のための新たなアクレディテーションの基準として、7つの領域に重点を置くべき。(機関のミッション、組織構造、財政基盤、カリキュラム、教授デザイン、教員支援、学生支援、学生の達成度)
59のアクレディテーション団体
   遠隔教育は比重が小さいうえ、competency standardsがあるため、新たな基準を作る必要はない。


オーストラリア
【現状】
   (1) フル・オンラインコースの実施状況
23大学が207コースを提供
90%(187コース)は大学院レベル        
55コースが「マネージメント」、35コースが「教育」、
32コースが「健康」
(2) オンラインユニット(科目)の実施状況
54%のユニットがオンラインを活用。フル・オンラインのユニットは1.4%
(大学別では、ほぼ100%のユニットがオンラインを活用している大学から、8%のユニットのみがオンラインを活用している大学まであり、格差がある。)

【制度】    Eラーニングは「通学制」「通信制」と並ぶ「1つの教育方法」との捉え方から、特化した基準やガイドラインなどはない。

【課題、検討状況】
   全ての大学が何らかのオンライン教育に取り組んでおり、今後の技術の進展に伴いよりレベルの高いサービスが提供されるだろうとしつつ、今後の進め方は各大学の戦略によることとしている。


イギリス等
【現状】    イギリス連邦を対象としたオンライン学習の国際調査
1 62%がオンライン学習戦略を開拓
2 オンライン学習を取り入れている理由
1位     オンキャンパスの教授学習増強のため
2位   オンキャンパス学生への配信の柔軟性向上のため
3位   競争力保持のため
4位   遠隔教育増強のため
3 オンラインで学習している外国人学生の割合
8,102人の外国人学生がオンラインプログラムで学習
オンラインの外国人学生は11%程度
(ただし、7つの機関で全人数の75%を占める)

【制度】    QAA(The UK Quality Assurance Agency)が、遠隔学習の質保証の問題に関するガイドラインを作成している。
(西ヨーロッパの場合、国の質保証あるいはアクレディテーション機関が使用している遠隔教育の評価のための明確な基準や指標、あるいはベンチマークなどは、現在のところ、ない。)


カナダ
【現状】    カナダバーチャル大学(11大学のコンソーシアム)
   アサバスカ公開大学   などで実施
【制度】    商業ベースの教育の導入や他国の公教育へのアクセスは認めていない。


ヨーロッパにおけるEラーニングの現状

【背   景】
   ヨーロッパでは、国境を越えた教育、特に、外国機関が提供するe-ラーニングの成長に、関心が集まっている。

   国境を越えた教育とe-ラーニングが流行した理由
      1 ICTが持っている可能性のため
2 教育の質を向上させる可能性のため
3 機関と生徒の両方にとって教育コストが減少する可能性があるため

【現   状】
   1990年代から、e-ラーニングの領域でも、ネットワークやコンソーシアムが形成
特に下記ネットワーク等でEラーニングにおける質保証に関するプロジェクト等を推進

EUA(European Universities Association)
Benvicプロジェクト
   EUソクラテス計画の一環として、バーチャルキャンパス評価基準を検討   等
   大学の教育研究におけるICT活用に関する評価プロジェクトを数プロジェクト実施

Euro PACE, EDEN(European Distance and E-Learning Network)
SEEQUELプロジェクト
   Eラーニングの質保証に関し、評価の実践方法、グッド・プラクティスの紹介、質保証基準を含むフレームワークの検討を実施

EADTU(European Association of Distance Teaching Universities)
高等教育におけるEラーニングの質保証プロジェクト
   高等教育のEラーニングに関し、
   ・ ユーザーベースでの評価項目の決定
アウトプットベース又はプロセスベースの評価項目の重要性
Eラーニングを発展させるため、民間教育事業者との提携
グッド・プラクティスを決定するためのヨーロッパレベルの基盤構築
ヨーロッパレベルの協力を促進する手段としてのマルチメディア等の活用
等の項目に関し、3つの観点(コースレベル、特殊技術要件、組織全体)から検討を行う。




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