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資料3

国際的な大学の質保証に関する交渉・協議の状況

1. WTO
   WTO(世界貿易機関)のサービス貿易交渉において、教育サービスの自由化に関する交渉が行われており、高等教育が最大の焦点となっている。我が国に対しては、米・豪・中など10カ国より、自由化の要求が行われ、我が国からも先進国・中進国に対し、自由化の要求を行い、交渉が続けられている。
   我が国としては、教育サービスの自由化に当たっては、教育の質の確保及び消費者保護の視点が重要との立場を明らかにして、各国との交渉を続けてきている。
   我が国の教育制度との関連で、焦点になるのは、サービス供給形態の制限に当たる学校法人制度、米国が要求している米大学分校の学位の承認などである。これに対し、我が方からは、制度の趣旨の説明を行うとともに、米に対しては、ディグリー・ミル問題への対処を求めている。
   なお、米大学分校問題については、日米二国間協議の一つである「日米投資イニシアチブ」においても、米側関心事項として取り上げられ、意見交換が続けられている。

2. OECD
   WTOにおける日本の提案に基づき、OECD/CERIが高等教育における国際的な質の保証とアクレディテーションに関する国際研究プロジェクトを立ち上げた(我が国は拠出金で同プロジェクトを支援)。
   国際的な専門家会合によって調査研究が進められており、アジア・太平洋地域代表の専門家として、木村大学評価・学位授与機構長が参加。平成15年1月20〜21日に第1回会合をパリで開催。
第2回会合は9月4日〜5日に開催予定。
      具体的には
       受入国による質保証
  供給国による質保証
  二国間協定に基づく質保証
  多国間協定に基づく質保証
  様々な利害関係者が関与する質保証のハイブリッド・モデル
等について調査研究を行うこととしている。

3. ユネスコ
   UNESCOにおいては、グローバル化が高等教育の質保証や資格認定に与える影響を検証するとともに、WTOサービス貿易交渉における教育サービスを含むサービス貿易の自由化と高等教育との関連について情報交換を行うことを目的としたグローバル・フォーラムの設置が平成13年9月に合意された。平成14年10月にはユネスコ本部において「国際アクレディテーション、質保証及び資格承認に関するグローバル・フォーラム」第1回会合が開催された。世界6地域の学位認定条約をベースに、国境を越えて提供される高等教育に関する国際規範、国際的な質保証や資格認定の在り方等について検討中。
   我が国は、各国教育制度間の相互尊重・パートナーシップなど国際的な質保証に関する指針原則の策定や、質保証に関するグローバルな情報ネットワークの構築の必要性を主張。

4. INQAAHE
(高等教育の質保証機関の国際的ネットワーク)
   本ネットワークは、高等教育の質の評価、改善及び維持に関する理論や実践について、情報収集及び情報提供を行うことを主な目的としている団体であり、1991年に創設された。平成14年8月現在で52カ国90団体が加盟。日本からは、財団法人大学基準協会及び大学評価・学位授与機構が加盟。
    INQAAHEは、国際大学長協会(IAUP)の提案を受けて、大学評価機関の国際的認証制度ともいえる「世界的質登録(WQR: Worldwide Quality Register)」の設立を検討してきたが、平成15年4月のINQAAHE総会においては、評価機関自身の質保証の指針の採択にとどまった。



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