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学士を対象とする医学教育の在り方に関する調査研究協力者会議

1998/08/27 議事録
学士を対象とする医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議(第1回)議事要旨

 学士を対象とする医学教育の在り方に関する調査研究協力者会議(第1回)議事要旨


日時     平成11年8月27日(金)14:00〜16:00
場所     虎ノ門パストラル「さざんかの間」
出席者  協力者:鈴木主査、池田、遠藤、宮崎、加藤、桐野、久保、栗山、黒川、小宮山、櫻井、猿田、鈴木(守)、高折、谷口、久道の各協力者
            文部省:佐々木高等教育局長、遠藤審議官、布村医学教育課長、浅野課長補佐、ほか関係官

議事等
1  開会
(1)文部省高等教育局長から挨拶があった。
(2)事務局から協力者の紹介があった。
(3)主査から挨拶があった。
(4)事務局から配付資料の説明があった。
(5)本協力者会議の議事要旨を公開することについて了承された。

2  学士編入学制度の導入状況について、事務局から説明があった。

3  学士編入学を導入している各大学の状況について、大阪大学、島根医科大学、群馬大学、東海大学から説明があった。

4  自由討論(○:協力者、△:文部省)
○  学士編入学者は1年次から入学している者より成績が良いが、それをどう解釈するか。
○  意欲の違いが大きい。スケジュールはハードだが、熱心についていこうとしているし、いろんな経験を積んでいるから広い視野で総合的に見られる人が多い。また、文系出身者には合格した時点で基礎的な化学や生物学のテキストを買わせて、入学前のスクーリングで講義をしているが、非常に理解力が高いので、文系の学生の編入学も問題ない。
○  学士編入学を実施している学校では、一般選抜に年齢制限はあるのか。
○  学士編入学を始めてから、一般選抜の志願者に高年齢者や学士の割合が増えた。
○  本大学では社会人や学士の受験生の成績はあまり良くないので、学士入学については学内で抵抗がある。
○  本大学では最初の成績は編入生が良いが、臨床に進む頃には差がなくなる。先ほど学士編入学者の成績が良いと言われた学校も今後統計を取り続ける必要があるのではないか。
○  10月入学で新卒者は採れないが、既卒者を採る場合には10月から授業を始めることも物理的には可能。むしろ、発表だけして3月まで期間をおく方が問題なので、10月から3月までの間に補習ができないか。そうすれば、カリキュラムを組む上で、10月からの方が専門教育がやりやすい。
○  2年次編入と3年次編入があるが、国立の場合はカリキュラムの問題がある。昔のように最初の2年が教養で3年目から専門に入るのであれば問題ないが、今はくさび形が多いので、そこをどうするか。本大学では、2年で行わなければならない解剖と、3年で受ける講義を一緒に3年次に受けなければならないので、非常にヘビー。また、ある講義は2年生と受け、ある講義は3年生と受けるので、クラスメートの輪ができにくいという問題もある。
○  編入学は、入学試験の時期によって受験生の層が違ってくる。カリキュラムの問題で言うと、阪大では2年次の10月から始まる専門課程の講義が受けられない。内容的には、生化学等についてある程度できることを前提とした試験をしているので、今のところ、実質的にはそれほど差がついていない。
○  学士編入の場合、カリキュラムを工夫する必要がある。
○  本大学では、理系出身者については以前の成績を見て、科目によっては履修を免除している。
○  履修免除によってできた自由時間を利用して補習することもできるのではないか。
○  教養学部から医学部に進む者については、カリキュラムの接点の問題は非常にクリアだが、学士入学枠を入れると教養学部の入学定員を減らさなければならないなどの問題もある。
○  編入学生を何名入れるかという数の問題は大きい。全体の中で10名くらいだといいが、余り少ないと孤立する。
○  学士はリーダーシップがあると言うが、年上で経験を積んでいるのだから当然。むしろ、残りの人のリーダーシップが育たないのではないか。全部を学士入学にするのと一部だけするのとでは全然違うが、比べ方が難しい。
○  多様性が大事であり、どこの医学部もみな同じである必要はない。
○  この会議では、究極的には、メディカル・スクールまで論議しなければならないと思っている。編入学の学生とカレッジを終えて医学部に入るのとは、根本的に違う。
△  視野には入れてもらって良い。
○  小さい大学では、学士編入学でさえ拒否反応が強い。
○  今までも医学部では4年プラス4年になると言われている。また、研修医の卒後研修の義務化2年、大学院大学の4年など、どんどん後ろに行ってしまうようなので、その辺の所も併せて検討していきたい。
○  研修問題というのは、日本の卒前教育がうまくできていないこと、専門医教育が狭められた領域であるというところに問題がある。

○  次回の開催については、事務局で調整する。 


(高等教育局医学教育課)

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