国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議
2001/08/09 議事録
平成13年8月9日(木)10:30〜13:00
東海大学校友会館「富士の間」
長尾 真(主査)、中嶋嶺雄、阿部博之、阿部充夫(副主査)、渡邉正太郎、松尾 稔、小出忠孝、堀田凱樹、梶井 功、河野俊二、田中健藏、鈴木章夫、石 弘光、本間正明の各委員
荻上紘一、奥島孝康、河合隼雄の各関係者
工藤智規高等教育局長、清水 潔高等局審議官、坂田東一振興局審議官、板東久美子高等教育企画課長、合田隆史大学課長、吉川 晃学術機関課長、杉野 剛大学改革推進室長 他
【委員及び関係者】
今後、中間報告がでて、さらに各界の意見を聞いた上で最終報告がでると思うが、この中間報告(案)を拝見すると、例えば大学の運営のシステムについてもA案、B案、C案という形になっている。ここは最後までこういう形ということなのか。
【事務局】
事務局の希望としては、制度設計の議論を行っていただいているので、できれば最終的にはこの姿で、という一つの案の形でおまとめいただければと思っているが、今のところ各委員会の様子では、A、B、C案のどれであるというわけではなく、B案を一番支持する意見が多かったわけだが、その他の案を支持する方もおり、また、A、B、C案のバリエーションもあるのではないかというご意見もあり、まだ修正できていない。最終的には一つの案におまとめいただければありがたいと思っている。
【委員及び関係者】
今の問題に関しては、やはり最終的にはこの会議としては一つの方向を出す必要があるのではないかと思う。私は、今の全体の説明を伺い、二つくらい大きなところで意見があるが、「教育公務員特例法の精神により」とか、学長選考のところにおいても「教育公務員特例法という枠組みの中で」という言葉が出てくるわけだが、教育公務員特例法を今後も護持するということでは、国立大学の改革にはならないと思うのが第1点である。教育公務員特例法は確かに積極的な側面もあると思うが、いかに学長のリーダーシップ、あるいは人事の在り方といっても、教育公務員特例法はまさに底辺において大学の硬直を支えているわけであり、何故国立大学の教官だけがあそこまで過保護にされなければいけないかと疑問を持っており、しばしばそういう意見は申し上げてきたつもりだが、今回のこの中間まとめにおいてもその点が変わっていないということが一つである。それとの関連で、学長のリーダーシップということを一方で言いながら、各学部長を中心に積極的に活性化するということがあった。学長のリーダーシップということをいいながら、学部長を中心にということをいえば、大学の学部自治の悪しき側面が継承され、例えば学長と学部長の意見が違っている場合や学部長の選出方法は、学長の選出方法と違うわけであるため、その選出方法の違いによって学部長になる人のカラーも違ってくる。学長の選出の所だけ色々と考えても、学部長の選出はたぶん普通の選挙によって行われるわけであり、そうなれば必ずしも学長なり外部の意見を反映した大学全体の意思決定のシステムにならない。それは従来とほとんど変わらないと思う。もう一つ同じようなことが、例えば運営組織についてはB案といわれるのだが、B案は一方では役員会を設けながら、他方では従来の伝統的な評議会を置いて教学はそちらで行う。これはまさに大学が股裂きになってしまい、よほど強力なリーダーシップを持つ学長がいわば企業原則で株式会社のようにやれればよいが、こういうことになればますます混乱するのではないかと思う。最後にもう一つ気がついた意見だが、国の政策目標と大学の長期目標について、過去に大学審議会はグローバル化に関するあるいは国際競争の中での輝ける大学というような答申を出しているわけである。そうすれば、このリポートの中にもそういういわば国際的な関連が何処かに入ってきて良いのではないかと思う。例えば、大学の人事のところで、採用のシステムなどが入っているが、その中に外国人の任用を多くする、あるいは留学生の比率を増やすなど、そういうグローバル化に対応するビジョンをどこかに入れてたほうが、より大学が社会に開かれることになると思うが、この問題はたしかに制度設計とは少し違うとはいえ、色々な目標があるので、何処かに過去2回の大学審議会答申のそういうグローバル化に関する精神も入れていただければというのが私の要望である。
【委員及び関係者】
只今のご意見の前段の意見には私は前から反対しており、また人事制度の議論の場においても、教育公務員特例法の精神を活かしていくのだということを再三確認し進めてきていた。教育公務員特例法の運用面での色々な問題があることは承知しているが、それはまさに各大学における運用の問題であり、教育公務員特例法が規定しているものは、憲法の学問の自由を保証するというものの国家権力の関わりの中において、国立大学の教官には特にそれを問題にしなければいけないということで置かれている規定であると思う。そういった意味で特異の法律構成をとっている。一般の国家公務員法の枠組みの中で、特に国立大学の教員に関しては、こういう特例を設けるという形で置かれている趣旨は、やはり憲法上の学問の自由の問題と関連している問題であると思う。その点は私は譲るわけにはいかない。人事制度の問題に関して寄せられているご意見の中にも、非国家公務員型を選択する場合においても、この教育公務員特例法の精神を云々ということを活かせというご趣旨のご意見をいただいているものもある。私は非公務員型を選択した場合には、教育公務員特例法の形のものはやれるのかどうかやや疑問であり、教育公務員特例法の精神を活かしていく、あるいはその仕組みを残していくとすれば、それは国家公務員型を選択することに当然繋がると思っていたが、法律の先生なども非国家公務員型を選択する場合においても、教育公務員特例法に相当する規定を何らかの形で法律で残すべきであるというご意見をいただいている。ということで、私は最初のご意見には反対であるということをはっきりと申し上げておく。
【委員及び関係者】
今後の我々の会合の進め方にも関係しているので、少し議事の進行の仕方、あるいは国大協の色々な会合との関係において少し質問をさせていただく。今日拝見すれば、お読みいただいたところは文章化されており、それなりに理解できる。また、各組織業務以下の視点という形でサマライズ的な意見がまとまっているのもよく分かるが、それ以外は論点を整理したままである。先ほど少し個人的にお尋ねしたのだが、他の機関においても色々と議論されていると思うが、国大協あたりの議論は、これは一種のいわゆる骨太の方針であるという理解である。そして具体性に乏しく、議論できないということを言う人がかなりいるわけである。例えば財務会計で言えば、国大協の設置形態検討特別委員会では、運営費交付金の算定の仕方などは結構細かく議論していたわけである。また、寄附金のところや会計をどう処理するかなど、結構現実的なことまで議論し、その頭で見ればこれはおそらくまだまだ吟味が足りないということなどになってしまうので、どのレベルまでで最終的に年度末に向けて議論を進めていくのかということが結構重要ではないかと思う。今発言のあった教育公務員特例法等々の基本的な理念については、一番議論すべきであると思う。ただ粗すぎて議論できないという声も結構あるわけである。特に9月の段階で、これよりも詳細な中間報告がでてくるとは予想できないので、たぶんこのレベルの粗いこなしで世に問うて、パブリックコメントみたいなものが出てくるのだと思うが、そうすればパブリックコメントのレベルもおそらくこの丸でいくつか囲ってある程度で、こういう方向性あるいは中身に技術的に入らないレベルでやればよいということをしっかり押さえないと議論が何か細かい所で議論し、あるいは基本的な大きな所で議論して混乱するのではないかと思う。そんな心配を持っているため、今後のやり方として最終報告は、どの段階でまとめるのかどうかということをお知らせいただくと、今後の受け止め方が楽になるのではないかと思う。
【事務局】
これは一つの報告書ということにしているが、事柄に応じて中身の細かさ、粗さの度合いが色々とまだらになっているところがあるという感じはしている。それは、各委員会でのご議論で行き着いた到達点であり、それはそれで止むを得ないのではないかと思っているので、中間報告の段階では、基本的にはこのベースで公表いただくと思っているが、仮にこの部分はもっとさらに精緻に議論するべきであるというご意見もでるかもしれない。そういうことも含めて外部の率直なご意見をいただいた上で、まだもう少し議論を深めるべき点が多々あると思う。あるいは具体的な例などを示しながらまとめていかざるを得ない、例を示さなければいけないものもあると思うので、そういったものについては、部分的にさらに議論を深めて最終報告にもっていくということだろうと思っている。事務局のイメージとしてはまだまだ議論が足りない所はあると思うが、もう少し最終報告の段階では書き込んだ形のものになっていくのではないかとイメージしているところである。
【委員及び関係者】
書き込んだという意味は、例えば今一番良い例だが、運営費交付金に我々は関心がある。算出方法が分からなければ、大学の行く末が心配であるという人がたくさんいるわけである。そういう運営費交付金の具体的な算定の方法までは当然組み込まれないと思うが、その辺のレベルでいうとどこまでテクニカルな話を最終的に報告書に書き込むのか。それともこれを行わないで法令化する時におまかせし、通達的に行うと決めてしまえばそれで良いが、どこまで議論をここで行うのか気になっている。
【委員及び関係者】
目標評価委員会としても、最終的な微修正というか、最終的な修正案を出しているし、それは目標評価委員会の責任としてのものであるため、一番大切なものであると思っている。また、取扱いは別になるかもしれないが、その他に国大協の設置形態検討特別委員会からの修正が出ている。また、この間、文部科学省からお送りいただいた各委員会等から目標評価の分野に関しても非常にたくさんの修正意見が出ている。これは我々の目標評価委員会で議論したこと、最終的に修正したものの中に入っていると私はチェックして思った。要するに、今日お配りになったものには、目標評価委員会としての最後の微修正として出したこともまだこの中に入っていない。少なくとも目標評価委員会から出ている修正意見などは、今後も検討しながら入ってくるというように考えておけばよいのか。
【事務局】
主査に十分ご相談できず申し訳なかったが、もう少し時間をかけてご相談したいと思っている。色々と多方面からご意見をいただいているが、今これは各委員会の意見をまとめているので、国大協の意見は取扱いが別になるのではないかと思っている。各委員会のご意見がどういう体制を占めているのかということと関連して、他の委員会からどういった意見がだされていたかということをベースに修正を施してきたつもりだが、尚、至らないところはたくさんあると思うので、そこは各委員会の主査、副主査にさらに個別にご相談をさせていただきたいと思っている。
【委員及び関係者】
資料2の「自己収入の取扱い」というところで、学生納付金と附属病院収入等を一緒にしているが、学生納付金は異論を挟むところではないが、附属病院収入は若干の色をつけていただくということが必要ではないかと思う。何故かといえば、我が国の特に医学部の教官数は、欧米諸国に比べて2分の1、あるいは米国辺りに比べたら3分の1、4分の1である。それで教育、研究、診療を行っているわけだが、こういう自己努力によってもなんらその効果がないということであったならば、先生達が本当の意味で何を行うのかということを大変疑問に思う。それは、ただ収入を上げるということだけではなく、我が国の例えば臨床症例等というのはアメリカに比べて10分の1あるいは50分の1かもしれない。手術症例もそうである。夜を徹してでも手術も行っていただかなければならないし、診療も行っていただかなければならないわけだが、その場合にそれは努力してもなんら大学のためになることはないということである。非常に先生達の意欲を失うことがあるのではないかと思っている。要するに、大学の特殊性において教官数、その配置等は大学の自主性にまかせることということが一つである。現在の医学部附属病院はご存知のこととは思うが、未だに文部科学省の努力にも関らず、私も10数年、20年くらい前からそのことは申し上げているわけであるが、大学の附属病院がフル回転できない状態になっている。患者は検査待ち、入院待ち、手術待ちということが現に今でも行われており、こういうことは先進諸国では見られないことではないかと思うが、これはどうしても解決しなければならない。そういう意味でも大学の特殊性において、教職員数並びに配置にある程度弾力性を持たせる必要があるのではないかと思う。また、大学に何らかの基金を蓄えることが必要であると思う。ご存知のことと思うが、カリフォルニア工科大学が単科大学でもアメリカの十指を屈する大学に列せられるのもそういうことがあるからではないかと思う。MITもそうであると思うが、そういう意味では国立大学法人に移行する際、どうしてもたくさんの財産を持って移行するところとそうでないところがあると思う。土地を売りたくても売るところが全然ないところと、いくらでも土地を売れば売れるというところがあると思う。日本の国土の面積の何パーセントという単位で農業演習林を持っているところもあるわけであり、それはある程度大学に入り、ある程度法人化した国立大学の全体に入るということになっているかとは思うが、絶対に基金を集め得る、努力によって積み立て得るということが、そういうはじめからの格差をなくす一つの方法でもあるわけである。したがって、どんな大学でも自己努力によって伸びられるということを措置していかなければ、これからインターナショナルでトップクラスのスクールになるということはなかなか難しいのではないかと思う。
【委員及び関係者】
国家公務員と学問の自由、自主性の問題であるが、一つ分からないのが、国家公務員でなければ学問の自由が保証されないというものの考え方が基本的に少し分からない点であり、法人化すれば雇用の契約、また人事のいわば本来的な生き生きとした人材活性化というか、そういうものはやはり各大学の運営の根幹に関わるのではないかと思う。したがって、国家公務員にするかあるいは公務員でないか、あるいはこのような特別な関係にするかということはあるが、それと本当に学問の自主性や自由が犯されるという根本的な考え方がよく分からないというのが第一点である。次に、組織業務委員会において、三つの案が並立的に検討されてきたわけだが、私個人としてはどちらかといえば産業界も色々なガバナンスの問題があったということもあり、産業界のガバナンス、商法改正も含めてどうあるべきかということの色々の反省を含めて今大きく変わろうとしているが、そういう視点からいくと、C案であるということを個人的に多少こだわってきた。その理由は、法人としての意思決定を学長一人に全責任を任せるのかという問題があり、先ほどの学問の自由からいけば、上に国、文部科学省があり、そことの長期企画、戦略と大学の関係は学長一人であるということが本当に大学のガバナンスにとって良いのかというと、やはり法人としての正式な意思決定機関があり、それが一つの総意と同時にその大学の自主的運営をきちんとガバナンスしていく、その中心が当然学長ということになると思うが、そういう視点からいえば、むしろ学問の自由や自主性をきちんと担保して運営していくというのには、やはり役員会という正式な意思決定機関と執行機関があるということが非常に今までの産業界のガバナンスの色々な反省から含めても重要であり、そこへ色々と外部の知恵や監視が入ってくると考えており、先ほどの身分の問題、また自主性とこの組織はかなり一体的に哲学として考えていかなければいけないのではないかと思う。そして学長一人のほうがダイナミックな意思決定のスピードなどが逆に担保されてやりやすいように思うが、例えばこれから始まる大学の評価も学長に対する評価という以前に、大学に対する評価というものが当然行われるわけであり、例えば組織の改編や将来的な他大学との統合など、そういう大きな意思決定はやはりこういう機関を中心にガバナンスしていくべきではないかと思う。これが組織業務委員会の中の個人的な意見であったということをお伝えしたいと思う。
【委員及び関係者】
私は国家公務員でなければ学問の自由が保障されないと申し上げたつもりはない。従来の国立大学の関連でいえば、国立大学の教員は当然国家公務員である。しかし、国家公務員ではあるが国家公務員法の枠組みの中でコントロールされたのでは学問の自由は死んでしまう。そういう意味で、教育公務員特例法という国公法の特例法が作られたということを申し上げたのである。その点は今後も国立大学でやっていく限りにおいては、これは国立大学は私立大学とそのところが違うわけである。国立大学であるからには、私は何らかの意味において国家権力との関わりがどうしても出てくると思う。その場合、それが学問の自由のようなところに抵触していく問題になった時に、大変問題が出てくるわけである。それを守るためには、従来と同じように国家公務員、つまり国立大学という建前でいく限りにおいては、やはりそういう精神を汲んだような方法措置を、非公務員型を選択した場合においても取る必要があるということが再三意見として出てきているわけである。別に国家公務員型でなければ学問の自由が保証されないということではなく、国立大学という形で国の権力との関わりの中で存在している大学の場合には、その権力との関係で学問の自由が大いに問題になりうる。そういった時に、やはり保証規定というか、学問の自由は守らなければならない。そのためには、特別なこういう措置をとるのだということが教育公務員特例法の中で書かれているわけである。そういう精神は何らかの形で別途法的に保護されなければならないのではないか、保護する措置を講じなければならないのではないかという観点である。非公務員型を選択したとしても、私は国家権力との関わりの中では国立大学の形を維持する限りにおいて当然問題になってくる。それはまさに戦前にそういう例があったわけである。戦後、その反省の上で教育公務員特例法が作られた。幸いにして、今までの文部科学省はそのような国家権力の名において学問の自由に介入するということは今まで皆無であったと思う。そういった意味で、これまでの文部行政は大いに評価しているが、その点は今後も心配していかなければならない。それが憲法で保証されたものを具体的に守っていく法律的手段であるという意味で申し上げたのである。
【委員及び関係者】
運営組織の問題について、A案、B案、C案があるわけだが、A案はどちらかというと地方自治体型というか、首長型みたいなものであり、それの対極を成すのが理事会型というかC案であり、またB案という中間のものはいわば学問の自由型とでもいうか、要するに教学については外部の介入は許さないというのがB案であると思う。したがって、国立大学の従来の体質からすれば、おそらくB案がフィットするということであろうということは私は非常に良く理解できる。しかし、それで良いのかということだけがここでの問題ではないかと思う。私はC案であると思っている。
【委員及び関係者】
先ほどこれは国立大学法人の骨太の方針であるというお話があったが、これは骨細の方針ではないかという感じがする。つまり、今のご指摘にもあったとおり、これは従来の大学組織にとって都合の良い部分のところだけを繋ぎ合わせた案になっている。そして論理的に必ずしも整合的な形でデザインされていないという点では、かなり不十分ではないかという気がする。大学の構造改革の方針が経済財政諮問会議で報告され、国立大学等に対して極めて大きなインパクトがあったということは存じ上げているが、その後、必ずしも、この構造改革の方針は高い評価を会議内では得られていないというのが現状であると思うし、具体性においてもこれは非常に抽象度の高いものであるという批判があり、おそらく8月末から9月にかけてもう一度各大臣のご意見を伺うという機会があると思うが、この時にこれを持っていって説明するということで、果たして納得が得られるのかどうかということになれば、私は大変危惧している。構造改革の方針からほとんどこれは具体性においても出ていないということであると思う。そして私はその具体性のなさと同時に、他の特殊法人等の改革等に照らし合わせてもスピード感があまりにも乏しいということであり、本来であれば14年度予算の中にこの国立大学法人に向けての予算措置等というものが意識され、始めて2年後あたりの国立大学法人への移行というものが現実になるだろうと思うが、このような現状の中で、文部科学省が競争的な形で参入できるかどうかということになれば、私は非常に心もとない感じを受けている。したがって、具体性とスピード感ある形でこれを早急にまとめていただきたいと思う。また、国家権力との関係という時代認識は、私は少しここで提起されている問題とは違う問題ではないかと思う。いわゆるタックスペイヤーとの視点の関係の中で、費用と便益というものを精査していくということであり、経済界の意向がどうであるというようなもの、あるいは国家権力がどうであるというような問題はこういう考え方の中ではあまり大きな要素ではないわけであり、国家権力から独立すべきだということをいいながら、公務員の中において、おまけ的に教育公務員特例法の世界の中で自分を守るということは、自己矛盾以外の何者でもないわけであり、それであれば民営化すればよいと思う。あるいは私立大学は学問の自由が文部科学省から侵されているのかということを検証してからやるべき問題であり、それは設置形態とは全く関係のないことであると思う。
【委員及び関係者】
大学共同利用機関のところの書き方は、どうしても他の部分と違うところを書くという建前上、他のところが決まらないと決まらないという性格をもっているので、その点は最後の取りまとめのところで是非事務局にはご留意をお願いしたい。そして我々は色々な修正の意見を出しているが、その一部は取り入れられているが、一部はまだ取り入れられていないので、今後ともその点は私も申し上げていきたいと思う。もう一つの問題点は、特に外部の共同利用ということを非常に主にしている研究機関においては、これはまずオープンなシステムという先ほどのご説明のとおりであるが、そこでは経営と教学の分離ということはまず考えられない。そして中のシステムをどのように作るかということは、共同利用と密接に関係しており、そういうものを一つのものとして決めていくというシステムがどうしても必要である。私は大学にとってもやはりそうではないのかという考えを持っているが、もしこれがA案、B案、C案のような形で併記される、あるいは教学と経営は分離するという方向に物事が進んでいくならば、大学共同利用機関については、そこは分離できないということをきちんと示していかなければ、共同利用ということは成り立たないということになってしまうのではないかと思っている。
【委員及び関係者】
私立大学の立場を少し申し上げたいと思うが、資料2の制度設計のところに、国の政策目標と大学の長期目標ということが記載されているが、現在の高等教育の中で、私立大学も大変な役割を担っていると思うので、国が政策目標を設定し、国立大学のことだけでなく、私立大学に対する配慮がここになくてはならないのではないかと思う。これは中間報告がでて色々な所から意見が出る時に、やはり国の高等教育、学術研究を考える時に、私立大学の問題も考えなくてはいけないという、何かそういう表現が入っていることが必要ではないかと思う。
次に、附属病院のことについて、先ほどご発言があったが、アメリカに比べれば日本の医学部の附属病院の在り方は本当に大変な状況であるわけである。したがって、附属病院に包括的な法人格を付与するという意味がどういう意味かわからないが、やはり医学教育における附属病院の位置が大事であると思う。ことに財政面は非常に大変であると思うので、そういう面に対する配慮はどうやって行うのかということが必要であると思うし、一般に基金の問題をどのようにできるのかということであると思う。私立大学の場合には、1号基金、2号基金、3号基金を貯めていきながら、色々なことを行っていくわけであるが、そういうことを法人化された場合にはできるのかできないのかということである。あるいは行う方向であるのかということについても、どこかで触れておくことが必要ではないかと思う。
【委員及び関係者】
「はじめに」というところに、この会議の検討対象が記載されており、主に「国立大学に民間的発想の経営手法を導入する」という、構造改革の方針の2に対応するのがこの会議であるとなっているが、何かその前に大学を改革しようという理念というか、そういうものがなければ何か非常に事務的にやっているのでは、というようにだけ取られるような気がするので、何かもう少し文部科学大臣がこのように言ったので、この2だけを主にやるという感じではないように工夫するする必要があると思う。
【委員及び関係者】
この「はじめに」のところで、構造改革の方針の1、2、3のうちの2を主としてここで議論したとなっているが、後の視点のところに突如として構造改革の方針の再編統合という問題がでてくる。再編統合という問題が提起されたことは確かだが、このことについて、組織業務委員会では、従来からの議論の中で再編統合という問題をここで改めて問題にしなければいけないということはご議論されたのか。
【委員及び関係者】
構造改革の方針が出たのは、6月の始めだったと思う。したがって、これまでの議論は基本的にはこの方針は意識していない。ただし、方針の中で設置形態に関わる点については多少話題になったということで、例えば再編統合のような問題については意識をしながらご発言された方もいるわけだが、それを表立ってという意味では設置形態そのものとは直接関係なく議論してきたと思う。
【委員及び関係者】
法人化を前提に考えた時、法人化することによって大学がこれから行わなければならない業務は様変わりしてくるわけである。そういった変化をうまくやっていくためには、今の規模では小さすぎて無理なところもある。法人化後の大学運営というか大学のことを考えれば、やはり法人化後の運用をうまく行うためには、再編統合を問題にしなければならない大学もあるのではないかという形の議論が法人化議論の中から出てきているのであれば、ここで再編統合の問題に触れるのは差し支えないと思う。したがって、組織業務委員会において、そういう問題として議論されているのであれば構わないと思うが、そういう関連でなしに構造改革の方針という形で問題を提起されたため、ここに記載しておくということであるとすれば、おかしいのではないかと思う。
【委員及び関係者】
構造改革の方針の中には、設置形態の議論そのものに関わる部分は確かにあると思うが、そうでない部分、つまり国の文教政策上の問題がたくさん含まれており、必ずしも制度設計の議論、設置形態の議論には直接関係のない部分もたくさん入っている。したがって、そこはこの方針をすべて実現するという方向で組織業務委員会で議論するのは我々の義務ではないと思う。ただし、これは色々と全体をみて私も感じるが、国立大学が1大学1法人で行く場合に、小さい大学においてこれだけのことが本当に出来るだろうかということは確かに率直に私もそういう心配がある大学が少なからずあるということはそのとおりであると思うので、それをどうするかということは、また別の問題として当然あり得るのではないかと思っている。
組織業務委員会では、当然6月の始め以降はそういうことを認識し、ご発言された方もいると思うが、先ほどの繰り返しになるが、必ずしも設置形態に直接関係ない部分がたくさんあるので、頭から構造改革の方針を議論するということ行っていない。ただし、今のご発言で私なりに感じるのは、組織業務という部分もあると思うが、財務や会計等、どのようにして経営していくかというあたりが、実は小さい大学にとって最も辛いところであるので、組織業務だけというよりむしろ、この連絡調整委員会でご議論していただき、その辺を調整していただく、あるいは案を出していただくほうが私は適切ではないかと個人的には思う。
【委員及び関係者】
今のお話については、私自身も構造改革の方針とは関係なく大学の改革はどうあるべきか、国際的に強い大学を日本の中で作っていくためには当然99ある国立大学の将来図は大きくこういうことを含めて変わっていかなければならないのではないのかという意識での発言はずっとしてきたと思う。したがって、構造改革の方針が出たから急にこれが入ったのではないということを委員の立場として申し上げておきたいと思う。
【委員及び関係者】
構造改革の方針が出て、それがこの報告書のあちこちに出ているような感じもするが、方針の中で再編統合は大きな項目として出てきているということを視野に入れれば、この組織業務や色々なものが別の観点でもう一度議論しなおさなければならないのかどうか。これがそのままで良いのかどうかという問題について、本当にどう考えるかということを少し議論をしなければならないのではないかという気もするが、その点についてはどのように考えているのか。
【委員及び関係者】
こういう議論の中では、必ずどのような制度設計をするかという問題と組織の規模が密接に関連してくる。これは市町村の合併問題と地方公共制度という財源配分の問題が実は絡んでいるわけである。交付税制度をどのようにするかという問題は、インセンティブを含めて数をどうするかという問題に関係しているわけであり、これはどちらを先に決めるかという戦略上の問題はあると思うが、ここの議論は、やはり並行的に行わざるを得ないのではないかと思う。これは、地方の場合もそのような状況に追い込まれており、数の部分のところでは3300を1000というような言い方、あるいは300という2つの数字が出て、それをインセンティブの形でどのように与えていくかということまで、実は数からアプローチする考え方も出ているので、そういう点でいえば、我々としては自主的な形でできるだけ我々の自由度で制度設計ができるような状況でこれを実現していくということになれば、ご指摘のとおりA、B、Cの中でどのような制度設計をとるかが実は非中立的な形で作用してくるということは十分あり得るわけであり、その点でいえば、もう少し明示的に議論をするということも私は一つの考え方なのだろうと思う。それが逆行するような制度設計になっていれば、これはかなり問題があるのだろうと思う。それからもう1点、先ほど言い忘れたが、私の周囲で議論する中では、「トップ30」という方針は、国公私立全体でという具合になっているわけだが、これは私立大学との関係をどのように保つのか。法人化の制度的な相違をどのように考えるのかということで、やはり状況が違うのに成果のところだけでどうするかという形でそれを選別するというのは不公平であるという議論が一方で出てきており、これはどこまで書くかという問題は非常に難しいと思うが、それぞれの段階の部分で、私立大学との対比というものがあるわけであり、その辺の所は少なくとも論理武装、理論武装というものをきちんと行い、固有の制度設計であるということを正当化する準備を行う必要があるのではないか。それは次の民営化論議のいわば歯止めになっていくということも、我々は十分認識しておかなければならないのではないかという気がする。
【委員及び関係者】
先ほど構造改革の方針とこの調査検討会議の議題、つまり法人格を与えるか否かの関係というご発言があったが、私はこれはやはりある程度分けて議論せざるを得ないと思っている。これまで、独立的に法人格を与えるということで我々はここまで議論してきたわけであり、いうなれば、構造改革の方針は後から外圧的に入り込んできた話であり、やはり私は議論の仕方においてこれは一緒にミックスすることは難しいと思う。またそういう意味で、法人格を与えるということ自体、非常に大きな問題であり、それをこのペーパーにまとめたわけである。その結果として、今皆さんご議論があるように、再編統合に結びつくこともあると思うし、評価の受け方によってトップ30ということがあり得ると思う。しかし、そこを真正面で取り扱うということになれば、おそらく我々がこれまで行ってきた法人格を与えるというさまざまな制度設計の細かい議論としっくりいかない面もあるので、まさに戦略的な見方からすればトップ30も入れたり、あるいは再編統合を視野に入れて議論するべきであると思うが、それはあまり表に出さないほうが良いのではないかという気がしている。ただ、小泉内閣等々との関係において、そこが大きくクローズアップされてきた時に、我々が全く無視して良いというわけでもないので、それは別な組織で議論するしかないのではないか。ある意味、国大協でも法人化の議論と構造改革の方針を受けて、いうなれば再編統合に向けてということで、別な組織を作ってワーキンググループで検討を始めた。双方オーバーラップはすることになるが、やはり受け皿というのは自ら少し分けないと良い報告書が出来ないのではないかという気がしている。
【委員及び関係者】
私立大学との関連について、これはその他の関連事項のところが5つ書いてあるので、その中の3つ目に、国立大学と公立大学との関係、私立大学との連携・協力・支援との関係の強化のため具体策が今後の問題であるとここに書いてあり、それはそれでよいと思うが、私立大学のほうの学校法人、これは国立大学法人で多少は勝手が違うが、同じように教育研究を行う法人であることは事実であると思う。そして、国立大学がそういった法人になる以上、私立大学の法人との整合性、矛盾をきたさないようにすべきであると思う。例えば、資料2の寄附金の税法上の取扱いのところで、現在の国立大学がもっている寄附金の損金の取扱いの問題や、国税、地方税に関する非課税法人の取扱いを続行することについては、これはこれで私は結構であると思うが、この国立大学法人がそのようになるということであれば、、私立大学も是非これに準ずる形で取り扱うべきであると思う。同じ教育研究を行う法人であるのに、一方では課税され、一方では課税されないということでは非常に困るので、その点、このように決めることには私は反対しないが、決めるのであれば私立大学の法人との間の整合性を保つよう考慮すべきであると思う。
【委員及び関係者】
経済財政諮問会議全般に非常に厳しい対応を他の分野に求めている時に、私は国立大学を背負っているというか、そういう運命にあるわけであり、その時にどうディフェンドするかという問題は、率直に言って非常に頭が痛い問題である。したがって、我々が積極的に国立大学法人を支持できるような状況を早く作っていただかなければ、時の流れは国立大学で考えているほどの緩やかさではないし、ラディカルさという点においては、非常に小泉内閣になってからは加速しているという現状を踏まえ、きちんとした議論による内部の合意形成は重要であるが、それだけがすべてでないということを是非ご理解いただきたいと思う。
【委員及び関係者】
公立大学の立場からいえば、資料2の地方公共団体からの寄附というところに関しては、公立大学としては大変に関心を持っている。また、関連するその他の課題の(3)ならびに(5)に関しても、公立大学としては大変な強い関心を持っているので、これについても公立大学の立場を十分理解していただき、さらに検討を進めていただければありがたいと思う。
【委員及び関係者】
このA案、B案、C案というものが、少し微妙な形でここに書かれているのは、どうも前のものから少しずつ変わった形で書かれているが、これをよく吟味し、再編統合の形態等々も視野に入れたとき、本当にどういう案がよさそうであるかということをよく検討いただき、ご意見をいただくということがよいのではないかと思う。3案併記のままでよいかどうか疑問もあるので、できれば絞っていく努力をしなければならないと思うが、その場合、現在の状況を視野に入れてどういう形態が本当によいのかということについて、積極的なご意見をいただければありがたいと思う。また、学内の組織について、例えば、学部長等の部局長の任免について書かれているが、これが甚だ微妙な書き方になっており、先ほどのご発言等々を考えた時にここをどう解釈するのか、あるいはもっと明確な書き方の方向に努力するのか、そういうことも大変気になるところと思っている。もちろん、財務、財政に関してもどこまできちんと書いていくかということも含め、是非できるだけ多くの方々からご意見をいただき、それを何とか集約して、次回の委員会に提出していただくようにしていただければと思っている。
【委員及び関係者】
今のA案、B案、C案のどれを取るかという議論を進めていく際に、どうしても学長の選考をどうするかという問題を必ずセットにして議論しなければならない問題であると思うので、ご意見を出される場合にはそのことも念頭におきながらセットで考えてご意見を出していただければと思っている。
【委員及び関係者】
国立大学の法人化と合わせて、組織業務委員会の中でも、私立大学に対する規制緩和というものをやはりはっきり打ち出していかなければならないと思う。そこが一つ、私立大学の問題としてあるのではないかと思う。また、いわゆる私立大学に対する国からのお金の出し方が非常に色々と曖昧になっているわけだが、法人化と合わせてやはり私立大学に対する高等教育に対してのいわばお金の考え方もあまりはっきりしないまま、つまり国立大学をどうするかが視点になっているが、日本の高等教育を将来どのように考えていくかという、一つの財政的基盤も非常に重要であると思うので、その点は今回の議論の対象ではないかもしれないが、意識としては非常に重要なことではないかと考えている。
【事務局】
今日、いくつか貴重な意見もいただき、若干対立するご意見もあり、A、B、Cというのは4つの委員会でも色々とご意見をいただいたが、まだ色々なご意見があり集約できなかった。それぞれ持ち味が違う中で、どうするかは是非ご議論いただき、できれば絞る努力をお願いしたいと思う。また、教育公務員特例法の話については、先ほど解説がありましたように、学問の自由という憲法上の要請というか精神をどう具現化するかということがあり、戦前の反省を踏まえてそういう法律が作られたわけだが、新しい法人というものも今の独立行政法人もそうであるが、国が一定の関与をしながら法人に交付金を差し上げるというスキームの中で、国の関与というのは私立大学、プライベートセクターと違ってあるものであり、国の関与の度合いとの関係で、どう制度を位置づけるかということが、4つの委員会それぞれでご議論がありこうなったところである。先ほどのご意見にもあったように、制度の問題と運用の問題と必ずしも違うわけであり、いわば一般公務員の任用形態の特例として、教育公務員特例法という形で作られている。一般の我々公務員は、人事院で行う国家試験を受けてその中から採用されるが、大学の教育あるいは研究に携わる方々というのは、教育研究の特性があるので、試験ではなく選考という方式で行う、あるいは戦前、文部大臣が気にいらない学長は任命しない、勝手にかえるなど、そういう事例があったという反省に立って、アカデミアンについてはアカデミアンのコミュニティの中で選んでいただくという手続等を定めているのが教育公務員特例法であり、これは国立だけでなく公立についても公権力が関与するので、そういう担保をしている仕組みである。それを法律そのものを残すか、精神をどういう形で残すかということは、これからの問題である。他方、私立大学については国の関与は極めて限定的であり、法人を認める、あるいは学校にどういう助成を行うかということにすぎず、ほとんどが自由に行われているわけであり、それぞれ設置者の判断で行っていただくということである。国との関係は少なくとも国公立に比べてないため、そういう制度がないということでご理解いただきたいと思う。また、私立大学あるいは公立大学への国の支援の在り方については、この委員会で直接は議論の対象としていないわけだが、国立大学が法人化するに当たって、出来るだけ規制緩和しようという独立行政法人の精神からすれば、これまで省令等で法的規制をしていた部分を各大学に任せるという流れになるわけである。その関係で、公私立大学の特に設置認可の規制についても検討課題として若干触れているが、他方、私立大学への支援の在り方については、憲法第89条でいう公の支配との関係で相当の議論があり、私立学校振興助成法という法律ができている。これは単なる私立学校法という法人格を認める法律の他に、助成を受ける私学について一定の国の規制というか、国の関与を強めて公金を支出するという仕組みになっており、例えて申し上げれば、それ以前は学部の学科の設置、改廃は届出事項であったが、私学振興助成法の制定にあたり、それを認可事項にいわば規制を強化し、今日に至っている。そういうことも含めて、一定の規制があるから公の支配に属し、公金を支出できるというロジックにしており、規制を緩和しすぎると私学助成は憲法を変えないとできないのではないかという議論に波及する可能性がある。他方で、機関助成か個人助成かという問題がある。こじんまりした私学でも立派に教育研究を行っているところには、それなりに助成する仕組みだが、そういう機関に助成しないで奨学金であろうがあるいはクーポン券であろうが個人に行えばよいではないかという議論も他方である。そうすれば、せっかくこじんまりやっているところがなかなか助成が受けられない、むしろマスプロ教育をやっているような大規模な大学だけが潤う仕掛けにならないかということも含めて、なかなか議論としては難しいところであり、問題提起は理解しているし、別の場でまた色々ご指導、お知恵をいただきながら検討していきたいと思う。私どもはこれをスピード感をもってまとめていきたいと思っており、議論を深め、かつできるだけ絞り込んだ形での中間まとめをいただければと思う。
【委員及び関係者】
主として今の教育公務員特例法についてのご見解について、先ほどの事務局のご説明で、例えば、学長と学部長との関係などもそうだが、非常にこの間、文部科学省の方々が精力的に整理され、ここまでご努力されたことに敬意を表し、大変であったと思う。そして、多くのところで意見が一致するのだが、どこか紙一重、現場の状況と何処かもう少しそこがないというところがあるような気がする。したがって、その点をどのように私達がお伝えするべきかいつも考えているが、今の教育公務員特例法の問題も、滝川事件が起こったそういう時代ならともかく、現在の日本の社会、あるいはこれからの21世紀のグローバル化の進む国際社会というのは、全くその時代と違うわけである。したがって、戦時中の国家権力が横暴を極めた時代、そういう教訓の中で国立大学の教員があまりにも過保護である。そのためにほとんど良い意味での競争原理が働かなくなってしまう。今回は給与によって色々と弾力化するということがあるが、一度任用されれば、よほどのことでもなければ教育公務員特例法によって保護され、いわば人員の移動は全くできない。いかにシステムとして今後学長を中心とする運営形態、トップの方はかなり流動化して社会の風が入ったとしても、肝心の国立大学のボトムの部分がものすごく硬直し、また、学問の自由や自律性、大学の自治を隠れ蓑にして、いわば全部国につけをまわして勝手なことができるのが今の国立大学のシステムであり、そういう国立大学を変えようというのが今回の目的であったのではないか。おそらく、そこで今まで出てきた案というものが、必ずしもそうでないというところを見抜かれて、構造改革の方針というものが出てきたわけであり、そこは文部科学省の方もここまで努力されているわけであり、やはり思い切って国立大学が変わるのだということを国民に示さなければ、とても理解は得られないと思う。その一つの典型が従来から申し上げている教育公務員特例法であり、この法律自体を護持したまま、国立大学を動かそうとしても大学が活性化するとは思わない。したがって、その辺を含めて是非再検討いただきたいと思う。また、私はできればA、B、Cではなく、この委員会としてはC案で統一していただきたいということをお願いしておきたい。
【委員及び関係者】
私学助成の話について、私立大学に対しては、直接文部科学省から補助するわけにはいかないため、私学振興財団という財団を作り、それを通じて分配してもらっているわけだが、今度の小泉内閣の特殊法人に対する聖域なきといった整備のしなおしの中に、私学振興財団も入っているわけである。金額でいえば、特殊法人の中で上から2番目の多額な額になっているそうだが、これはあくまで文部科学省が直接出せないから外郭団体を作ってやらざるを得ないという、憲法上の規制から行っているわけで、普通の特殊法人とは少し違うので、その点、よろしくお願いしたい。
次回は、9月6日(木)に開催することとなった。
以上
(高等教育局大学課)