定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会(第1回) 議事要旨

1.日時

平成22年1月6日(水曜日)13時から15時

2.場所

文部科学省11階省議室

3.議題

  1. 委員からのヒアリング

4.出席者

委員

木村委員、佐久間委員、中山委員、山口幸夫委員、山脇委員

文部科学省

中川文部科学副大臣、坂田事務次官、清水文部科学審議官、木曽国際統括官 他

5.議事要旨

各委員から約15分ずつ資料をもとに発表が行われた。その後行われた意見交換の概要は以下のとおり。

【副大臣】

 「教育基本法の中で、外国人も含めた義務教育化というのを明示すべき」という議論がよく出てくる。その一方、「地方自治体が既に受け入れの体制を取っていたり、受け入れのための努力をしているので、義務化までしなくてもいい」という意見もある。外国人に対して義務教育を法律の中で課し、行政サイドも義務を負うという体制に入るべきかどうかについて御意見を聞かせていただきたい。

 また、多文化共生の在り方、移民政策の在り方について御意見を伺いたい。言葉の習得を徹底する国もあれば、各自の言語を尊重する国もある。日本で生きていくのであれば、日本語の習得は必要であると個人的には思っている。

【委員】

 外国人住民と受け入れ社会の双方が歩み寄ることが重要。日本語の習得は、外国人住民が日本の社会で疎外されないために欠かせない。同時に各自の言語や文化的多様性を尊重していくということが重要。日本に入国する前から、「子供は学校に就学させましょう」というメッセージを発信していくということが基本。

【委員】

 外国人に日本語を徹底させることが必要。外国人の子どもについての就学の義務化には必ずしも賛成しない。義務化とまではいかなくとも、「日本に来たら学校に行くものだ」というメッセージを徹底して発信していくということに賛成。

【委員】

 日本の教育の前提として、日本の公立の小中学校では、日本のコミュニティの構成員となる大人を育てるための教育であるという大枠がある。その大枠があるので、外国人の子どもの就学をすぐに義務化するのは難しい。外国人の子どもの就学を義務化すれば、様々なデータが整備されて望ましいとは思う。

 また、外国の事例を日本に当てはめるのは難しい。フランスは共和国理念があり、法の前では個々の人間は全く平等との信念であり、民族別のデータも出しておらず、これを日本に当てはめるのは開きがある。イギリスについては、言語の習得を徹底しているが、それは、英語の国際性が非常に大きな要因となっている。

【委員】

 義務化とは国と親に義務を課すということ。子どもの権利を保障するという観点では、外国人学校も含めた緩やかな義務化の方向が望ましいのではないか。

【委員】

 多文化共生と日本語教育の推進とは矛盾するものではない。国としての包括的なあるいは体系的な日本語教育のシステムを構築すべきと考える。

【委員】

 カルチュラルコンピテンス(多文化対応能力)を持ったスクールソーシャルワーカー養成と配備など教育と福祉を連携させた子どもと家族への包括的支援(教育・生活・住居・就業など)が必要。

【委員】

 大学における英語の授業はアジアからの留学生にとっては大変。高度人材は、先端的技術分野に限られているので、全般的な議論は難しい。

【委員】

 全ての学生に英語での授業を行うというわけではなく、英語で履修可能な科目の充実が重要と認識している。

【委員】

 外国人が分散居住している地域では、個別の学校や市町村のみで外国人の教育問題に対応するのは難しい。そのため、県としての市町村への支援体制やそうした県を支援する国の体制づくりが必要ではないか。

 6.次回以降の日程

次回は平成22年1月13日(水曜日)の開催。

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