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原子力損害賠償紛争審査会(第49回) 議事録

1.日時

平成31年1月25日(金曜日)14時00分~16時00分

2.場所

三田共用会議所 3階 大会議室

3.議題

  1. 住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価の取扱について
  2. 地方公共団体からの主な要望事項について
  3. 避難指示解除後の現状について
  4. 復興・創生期間後も対応が必要な課題の整理について
  5. 東京電力ホールディングス株式会社による賠償の現状について
  6. 原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況について
  7. 原子力損害の賠償に関する法律の改正について
  8. その他

4.出席者

委員

鎌田会長、大塚会長代理、明石委員、樫見委員、須藤委員、高橋委員、中島委員、中田委員

文部科学省

白須賀文部科学大臣政務官、佐伯研究開発局長、増子原子力損害賠償対策室長、大金原子力損害賠償対策室総括次長、山田原子力損害賠償対策室次長、西原子力損害賠償対策室専門官

オブザーバー

【説明者】
内田東京電力ホールディングス株式会社福島原子力補償相談室長、森口東京電力ホールディングス株式会社福島原子力補償相談室基準総括グループマネージャー、山下内閣府原子力被災者生活支援チーム参事官、米澤復興庁統括官付参事官、佐々木原子力損害賠償紛争和解仲介室(原子力損害賠償紛争解決センター)室長

5.議事録

【鎌田会長】  定刻になりましたので、第49回原子力損害賠償紛争審査会を開催いたします。
 本日は、お忙しいところ、お集まりいただき、ありがとうございます。
 本日は、白須賀文部科学大臣政務官も御出席の予定ですが、公務の都合で少し遅れられるということですので、到着され次第、御挨拶を頂くこととして、議事を進めさせていただきます。
 初めに、事務局より資料を確認してください。



【山田原子力損害賠償対策室次長】  事務局でございます。
 資料の確認の前に、事務局から報告がございます。事務局に人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。研究開発局原子力損害賠償対策室の室長代理として、1月22日に着任いたしました林孝浩でございます。



【林原子力損害賠償対策室室長代理】  林です。どうぞよろしくお願いします。



【山田原子力損害賠償対策室次長】  そして、原子力損害賠償対策室の次長として、同じく1月22日に着任いたしました、私、山田哲也でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 続けて、資料の確認をさせていただきます。今回の審査会より、ペーパーレス会議として実施させていただきたいと考えております。メイン席の皆様には、お手元のタブレットの中に、資料1-1から参考資料4、及び、机上配布資料一式が入っておりますが、今回の審議事項に係る資料1-1、及び、資料1-2、及び、資料が大部にわたりまして、タブレット上では見づらくなるという可能性もありますので、資料7-2、7-3につきましては、円滑な審議の実施のため、紙でも配布しておりますので、併せて御確認ください。
 資料の不足、落丁、並びに、タブレット端末の使い方等の不明点がございましたら、お近くの事務局職員にお問い合わせいただければと思います。
 一般傍聴の方に申し上げます。今回はペーパーレスということですので、登録を事前に頂いた方にはダウンロードのURLと、あとは、ダウンロードパスワード、Zipファイルのパスワードをメールにてお渡ししていると思います。そして、本日、PDFのパスワードをお渡ししておりますので、そちらで資料の方をごらんいただければというふうに思っております。
 また、机上配布の資料につきましては、本日の議論に関係する過去の審査会の資料などをまとめておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 本日は、原子力損害賠償紛争審査会の組織等に関する政令第3条第2項に基づき、過半数以上の委員の皆様に御出席を頂いており、会議開催の要件を満たしておりますことを、あらかじめ御報告させていただきます。
 以上です。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 それでは、議題の1番、住宅確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価の取扱いについて、事務局より説明を頂き、続いて、東京電力より住宅確保損害に係る賠償の実施方法について、説明を頂きます。よろしくお願いします。



【林原子力損害賠償対策室室長代理】  それでは、資料1-1について御説明いたします。資料1-1をごらんください。
 1.には、第41回本審査会の検討結果ということで、この宅地単価の取扱いについての方針が取りまとめられた旨、記載しております。その内容につきましては、詳しいものが参考3、4ページ目の参考3に付いておりますので、ページをちょっとめくっていただいて、参考3をお願いいたします。参考3の1.目につきましては、これは経緯でございますので、省略をさせていただきます。
 2.目で、今後の見直しの検討の考え方ということで内容が書かれてございます。
 まず、最初の丸で、二つのことを明記しております。一つ目は、福島県都市部の平均宅地単価は、実際の地価の変動に応じて見直していくこと、これを基本とするというのが第1点。2点目としましては、他方、こうした目安を短期間で見直すということは、上限額が変動し、住居の確保計画等に影響を及ぼす可能性があることから、被害者に混乱を生じさせる懸念があると。こういった留意点について、2点目で書かれております。
 次の丸に、3点目といたしまして、審査会の考え方として、毎年、地価の動向等を確認した上で、これまでの日本全国等の地価の変動幅を勘案しつつ、必要に応じて指針宅地単価を見直すこととするというのを基本的な考え方としております。
 そして、その手法として三つの観点が下に書かれておりますけれども、まず、地価の確認方法ということにつきましては、国土交通省土地鑑定委員会による地価公示と都道府県による地価調査を基に、専門機関に調査を行ってもらい、その結果を毎年確認するということでございます。これの内容につきましては、中間指針第四次追補策定時と同様に、移住、長期避難等のケースで多い都市部、具体的には福島市、郡山市、いわき市、会津若松市、二本松市、及び南相馬市になりますけれども、その土地の価格の調査結果で確認をしていくということでございます。
 2点目が、見直しの検討をする際の基準となる価格につきましては、指針宅地単価の元となった専門機関による調査結果、改訂している場合には改訂後の調査結果とするということになりますが、これを基準値とするということでございます。
 そして、また、3点目、適用時期でございますけれども、見直しを行った場合は、見直しの決定日から適用するのが基本と。ただし、減額の場合には、被害者が手続途中で、賠償上限金額が減額されること等のないように、東京電力は、改定後の指針宅地単価の適用時期に配慮することが望まれるといった三つの点を書かせていただいています。
 こうした考え方に基づきまして、1ページ目の方に戻りますけれども、1ページ目の2.に書かれております福島県都市部の平均宅地単価の状況でございます。これにつきましては、中間指針第四次追補策定時と同様の方法により、専門機関に委託調査をお願いし、次のとおりに結果が出ております。詳細につきましては参考資料2に書いてありますので、また御参考いただければと思いますが、結果だけ下に簡単に書いております。
 基準値となります平成28年の価格は4万3,018円と。今回調べた平成30年の価格は4万5,373円ということで、2年前の基準値と比べますと、2,355円の上昇、5.5%の上昇、こういった結果でございます。
 こうした状況を踏まえまして、3.目、検討事項でございますが、2行目以降に書いてあります中間指針第四次追補(改訂)に示されている指針宅地単価を見直す必要があるか、また、見直す場合の指針宅地単価は幾らとすべきか、というような点について、今回御審議をお願いできればと思います。
 以上でございます。



【鎌田会長】  それでは、東京電力より、御説明いただきます。



【内田室長】  東京電力ホールディングスの福島原子力補償相談室長をしております内田でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、御説明をさせていただきます。
 持ち家に関わる住居確保損害の賠償の概要につきましては、資料1-2「住居確保損害に係る算定方法について」に沿って、御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、住居確保損害に係る損害については、従来の財物に対する賠償だけでは、避難先から御帰還される際に必要な建替えや修繕の資金が不足する、あるいは、移住しようとしても、新たに宅地や住宅を購入する資金が賄えないといった状況に対する改善の御要望にお応えするため、中間指針第四次追補を踏まえ、2014年7月に御案内し、お支払いを開始させていただいております。なお、賠償の対象は、弊社事故発生時点において、避難指示区域内の持ち家に居住されていた方とさせていただいております。
 資料をごらんいただきますと、まず、資料上段の記載のとおり、対象となる費用は、住宅の再取得・修繕費用、それに、宅地の再取得費用、それから、諸費用、これは諸税とか登記費用等に係る法的な費用となりますけれども、これらを合計したものとなります。
 資料中段にあるイメージ図のとおり、住居確保損害に関わる賠償は、既に宅地・建物・借地権の賠償としてお支払いしている賠償金額を超過した部分につきまして、賠償を上限金額の範囲内でお支払いするものとなります。
 資料下段に、その賠償上限金額の算定方法をお示ししておりますが、宅地・建物・借地権の賠償金額と、算定式により計算した資産対象ごとの賠償可能金額の合計額を賠償上限金額として設定しております。
 資料の裏面でございますが、2017年1月の第44回審査会におきまして、移住先標準宅地単価が平米4万1,000円から4万3,000円に見直された際の弊社の対応の概要を記載しております。
 原則的には、単価改定以降、初めて住居確保損害賠償を御請求いただいた方が対象になると考えておりますが、単価改定以前に御請求いただいた方につきましても、御請求金額が賠償上限金額に達していない場合には、新たな単価を用いて賠償上限金額を再算定させていただいております。
 福島県都市部の平均宅地単価の見直しに関する本日の御議論を踏まえて、当社としても、必要な対応を速やかに行う所存でございます。
 簡単ではございますが、御説明は以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいま御説明いただきましたとおり、資料1-1に検討事項が示されているところでございます。今回の調査結果を踏まえ、中間指針第四次追補に示されている住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価について、直ちに具体的な金額の議論に入るのではなく、まず、最初に、これらの数字を見て、上げる必要があるかどうか、この点について御議論を頂いて、上げるのが適当だとされた場合には、金額を幾らにするかについて議論するという、2段階で議論を進めたいと思います。さらに、今後の見直しの方向性についても、委員の皆様から御意見を頂ければと考えているところです。
 まず、見直す必要があるかどうか、この点について、委員の皆様の御意見をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。それでは、大塚会長代理。



【大塚会長代理】  どうもありがとうございます。
 平成28年のときも、5.5%の上昇のときに単価を上げていますので、今回も5.5%ということですので、上げることが適切だというふうに考えられると思っております。
 以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ほかの御意見は、いかがでしょうか。
 ただいま、上げることが適切だという御意見が出されましたが、ほかの委員の皆様もそういうことでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、今回は指針宅地単価を見直すということにしたいと思います。
 事務局より、資料を配布してください。



(資料配布)



【鎌田会長】  それでは、この資料につきまして、事務局から説明をしてください。



【林原子力損害賠償対策室室長代理】  それでは、案について説明をいたします。「中間指針第四次追補に示されている住居確保損害に係る福島県都市部の宅地単価の改定(案)」でございます。平成31年1月25日、原子力損害賠償紛争審査会、中間指針第四次追補第2の2備考(4)で示されている「福島県都市部の平均宅地単価」については、専門機関への委託調査結果等を踏まえ、4万3,000円/㎡を○○円/㎡に改定する、これが案でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございます。
 ただいま説明がありましたとおり、この資料の金額の部分、今、○○円と書いてあるところを幾らにすべきか、委員の皆様の御意見をお伺いいたします。
 大変失礼しました。ただいま白須賀政務官が御到着になりましたので、ここで政務官から一言御挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。



【白須賀文部科学大臣政務官】  遅参して、申し訳ございません。文部科学大臣政務官、そして、復興大臣政務官の白須賀貴樹でございます。一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 原子力損害賠償紛争審査会の委員の皆様方におかれましては、指針に基づく賠償が着実に進むよう、賠償状況や被災地の実態のフォローアップに御尽力いただいていることに心より感謝を申し上げます。
 東京電力の福島原発事故から約8年が経過いたしました。政府としましては、原子力災害からの福島の復興再生を加速させ、政府一丸となって一日も早い復興を目指して取り組んでいくこととしております。
 私といたしましても、被災地への訪問や被害者の方々との意見交換をさせていただいており、引き続き、被害者の方々に寄り添いながら、原子力災害からの復興に向けて取り組んでいく所存でございます。
 審査会におかれましても、公平かつ適正な賠償が一層進むように、更なる御尽力をお願い申し上げたいと思います。
 以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 白須賀政務官におかれましては、公務のため、途中退席とお伺いしております。御都合のよろしいときに、御退席いただければと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、引き続き、審議を進めますが、この住居確保損害に係る宅地単価についての金額の御意見を頂戴したいと思います。大塚会長代理。



【大塚会長代理】  恐れ入ります。これも平成28年度のときと非常に似ていると思いますけれども、2,355円ということで、四捨五入するということかと思いますが、平成28年のときは2,226円上昇でしたが、それと同様に、2,000円ほど上げるというのが、つまり4万5,000円にするというのが適切ではないかと思っております。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいま4万5,000円という御意見がございました。ほかの委員の方々、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、中間指針第四次追補に示されています住居確保損害に係る福島県都市部の宅地単価につきまして、4万5,000円/㎡に改定いたします。
 東京電力におかれましては、今後、今回の改定金額を目安に、賠償をお願いいたします。
 では、事務局から、この後の手続について御説明、お願いいたします。



【林原子力損害賠償対策室室長代理】  ただいまの平均単価を4万5,000円/㎡ということで決定させていただきましたので、今ほどお配りしましたこの「中間指針第四次追補に示されている住居確保損害に係る福島県都市部の宅地単価の改定」というペーパーにつきまして、この○○円のところを4万5,000円と記入いたしまして、案を取って決定ということで、この決定文及びこの単価を反映させた中間指針第四次追補の改訂につきまして、文部科学省のホームページで公表させていただきたいと思っております。
 また、併せて、東京電力におかれましては、対象となる方々が、本日を基準日として、それ以降に請求される際に、本日の見直し後の宅地単価が適用されるという運用をされるということでよろしいですか。



【内田室長】  そのとおり、御用意いたします。



【林原子力損害賠償対策室室長代理】  以上でございます。



【鎌田会長】  平均宅地単価につきましては、これまで単価の改定の是非について、その都度御審議を頂いてまいりましたが、これまでも、そのそもそもの取扱いの在り方について、様々な意見を頂いてまいりました。本日も、委員の皆様から、今後の在り方について御意見があれば、頂戴したいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。特にはないですか。中島委員、お願いいたします。



【中島委員】  今回、5%ちょっとということで、2年分ですので、1年にならすと3%の範囲内ということで、賠償の遅延利息分に入るような金額になりますから、これはよろしいかと思うんですけど、今後いつまでこれを上げ続けるかということはそろそろ検討した方がよいのではないかと思うんですが、一つの目安として、宅地を持っていた人じゃなくて、借家人だった人は事故時から8年分の差額に留まっているんですけど、今年の3月で8年たちますので、それとのバランスですね、をどうするかというのも一つの考慮要素にならないかなということが少し気になります。
 問題点の指摘だけなんですけど、恐縮です。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ほかに、あるいは、ただいまの中島委員の御意見に関連しての御意見、ございましたら、お願いいたします。それでは、樫見委員、お願いします。



【樫見委員】  私も中島委員の御意見に賛成でありまして、一定の期間、既に経過しておりますので、そろそろ、毎年このような形で計算することも必要だとは思いますけれども、今後の宅地単価の改定全般について議論をするということを考えてもいいのではないかと思っております。



【鎌田会長】  大塚会長代理、どうぞ。



【大塚会長代理】  私も考えた方がいいと思っていますけれども、このように、市場の値によって変えていくというのはちょっと低金利賠償に近いような感じの方に多分なっていくようなところがあると思うんですけれども、一つは、執行率がどのぐらいまでいっているのかなということが多分参考になるかなというふうに考えています。あと、これからもし下がることがあったときにどうするかというような問題も出てくると思いますので、そういうことも踏まえながら、一定期間たったときに、固定するということが考えられると思っております。
 ただ、変えるときにはちょっと経過期間を置いた方が、多分、関係者の方に対して不利益を与えないで済むというか、そのようなことの情報もあらかじめ知っていただくことが適切かなというところがあるかと思います。
 以上でございます。



【鎌田会長】  中田委員、どうぞ。



【中田委員】  新しい基準価格の適用時点が請求をされた時になっているということでありまして、実際に転居をされた時ではないということのようです。そうだとすると、そもそも、実損害を適切に評価するということだけではなくて、先ほど中島委員がおっしゃったような遅延損害金のような面も、実質的にはあるのかもしれません。
 ただ、それがずっと続くということになると、ほかとのバランスということもあるでしょうから、そもそもこれはどういう趣旨のものであるのかということを含めて、全体的に考えてみる必要があるのではないかと思っております。



【鎌田会長】  ほかにはいかがでしょうか。高橋委員、どうぞ。



【高橋委員】  私、民法の専門家ではないのですが、先生方の御意見も踏まえて考えると、どこかの時点で議論した方がいいと思います。ただ、状況がきちんと落ち着いているかどうか、、現地が。そういうことも踏まえて、性急に結論を出さない方がいいのかなと私は思います。
 以上です。



【鎌田会長】  ほかにはいかがですか。よろしいですか。
 どれぐらいの執行率かというお話もありましたけど、今手元にありますか。



【内田室長】  取り方はちょっと幾つかあるんですけど、要賠償額に対する進捗率という意味で申し上げますと、約7割となっております。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいま、いろいろと委員の皆様から御意見を頂戴いたしました。いずれも再検討の必要があるということでございますけど、具体的にどうしようということについては少し時間をかけて準備を整えて、別の機会に議論をした方がいいという、こういう御趣旨だというふうに思いますので、ただいま頂戴した御意見を踏まえて、事務局で論点をまとめていただき、いずれかの時点で論点整理、そして、実質的な審議へと進んでいきたいと思っておりますが、そういうことでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、次に、議題の2番に移ります。地方公共団体からの主な要望事項についてです。事務局より説明をお願いいたします。



【山田原子力損害賠償対策室次長】  事務局から説明をいたします。
 資料2を説明させていただきます。タブレット端末の方は9枚目になります。「地方公共団体等からの主な要望事項について」ということでございます。
 ここに掲載されております内容は、昨年8月に開催されました第48回審査会以降、審査会や文部科学省に対してお受けいたしました地方公共団体や各種団体等から頂きました御要望に関しまして、主なものを列挙させていただいたものでございます。
 これらにつきましては、これまでの審査会における御審議等を踏まえまして、事務局である文部科学省において対応させていただいておりますが、その際の答えぶりの概要につきましても、併せて口頭にて紹介させていただきたく思います。
 なお、ここに掲載されているものの中には、先日成立いたしました原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案に係る国会での法案審議の場において、参考人の方々から、類似、あるいは、関連する指摘を頂いているものもございますので、併せて紹介させていただきます。
 それでは、順番に説明させていただきます。
 まず、1.が避難者等への賠償ということでございます。
 審査会において現地調査を行うなどにより、被災地の現状をしっかりと把握した上で、賠償の対象地域や水準等、適宜適切な中間指針の見直しを行うこと。この御要望につきましては、原子力損害賠償法改正に係る国会審議の場におきまして、参考人の方より、集団申立ての事例において、東京電力がADRセンターの示す和解案を受諾しないのであれば、中間指針等の見直しを検討するべきではないか。審査会は、広範かつ大量の被害が生じる中で、一刻も早く被害者を救済する役割を担い、ADRは個別の事案について具体的事情に応じてきめ細かく対応する役割を担い、これら二つの機能がうまく組み合わさって、それなりの成果を上げているとの関連する意見が示されました。
 また、委員の皆様には事前にお送りさせていただいておりますが、福島県弁護士会、ふくしま原発損害賠償弁護団、富成・月舘・小島田代地区ADR弁護団、原発被災者弁護団、浪江町支援弁護団、福島原発被害弁護団、飯舘村民救済弁護団より、東京電力の和解案受諾拒否による打切り等を踏まえ、中間指針等の見直しについて御要望を頂いております。
 この御要望に対する事務局の考え方といたしましては、以下のとおりでございます。
 審査会の示す中間指針等は類型化が可能で、一律に賠償すべき損害の範囲や項目の目安を示したものであり、さらに、個別具体的な事情に応じて、示された考え方以外の損害や異なる賠償額が認められることがあり得ることを基本的考え方としており、審査会において、適宜、的確に見直しを行ってきたところです。
 また、ADRセンターにおいては、集団申立てであっても、個別事情に応じた和解仲介手続が進められているところです。
 審査会においては、被災地の状況を把握し、被災された方々の御事情を丁寧に伺うため、累次現地視察等を行い、中間指針等に基づく賠償の実施状況を確認しており、現地視察やこれまでの審議等を通じて、現時点では直ちに中間指針等の見直しが必要な状況にはないことが確認されております。
 なお、一般的に、損害賠償は、不法行為などの一定の事由に基づいて損害が生じた場合に、その損害を補塡して、損害がなかったものと同じ状態にすることが基本的な考え方であり、東電福島原発事故においては、その規模や範囲等が未曽有のものであることを踏まえ、事故によって生じた損害を回復するための賠償を迅速かつ適切に進めることに加え、必ずしも完全に元通りにはならないものの、被災地や被害者の意向を踏まえた被害者支援やなりわい再生、被災地の新たなまちづくりなどを併せて進めることが重要であると考えており、引き続き、賠償状況の状況や被災地における状況確認を行っていただく予定ということで考えております。
 次に、避難指示解除後の現状をしっかりと把握した上で、相当期間経過後の「特段の事情がある場合」についても、個別具体的な事情に応じて柔軟に対応させることということでございます。
 この御要望に対する事務局の考えといたしましては、次のとおりです。
 避難指示解除後の相当期間については、全ての対象となる被害者等に一律に適用される目安としての概念であり、また、既に帰還された方、帰還を考えている方やその準備状況、帰還後のなりわいの再開に向けた準備状況やそれらに要する期間などについては、被害者等の置かれた状況が多岐にわたることを踏まえれば、一律の目安を超える部分については、被害者等の個々の状況を丁寧に伺いながら、東京電力において柔軟に対応いただくことが重要であると考えております。
 それでは、2.で営業損害及び風評被害に係る賠償でございます。
 避難指示区域内や出荷制限等に係る農林業の一括賠償後の取扱いについて、東京電力における賠償の考え方を早急に示させるとともに、農林業者や関係団体の意見を十分に踏まえた対応をさせることという要望です。
 この御要望に対する事務局の考えといたしましては、次のとおりです。
 農林業を含む営業損害の終期につきましては、中間指針等において、当面は示さず、個別具体的な事情に応じて合理的に判断するものとしております。また、避難指示区域内や出荷制限等に係る農林業の一括賠償について、東京電力は、平成29年1月以降の将来分の遺失利益として、年間遺失利益の3倍を一括して賠償するとともに、相当因果関係が認められる損害がその賠償額を超過した場合には、個別に事情を確認した上で、適切に賠償を行う考え方を示していると承知しております。
 東京電力において、被害者に寄り添った誠意ある対応を行うことが重要であると考えており、引き続き、賠償の状況をフォローアップするなど、公平かつ適切な賠償が迅速に行われるように取り組んでいくという考えでございます。
 その下にあります商工業等に係る営業損害の一括賠償については、個別訪問等による実態把握に努め、簡易な手法で柔軟に対応させるとともに、個別具体的な事情による損害についても誠意を持って対応させること。また、一括賠償で年間遺失利益の2倍相当額の賠償を受けられなかった被害者からの相談や請求についても、相談窓口等で丁寧に対応すること。さらに、一括賠償後においても損害が継続又は発生している場合は、その個別事情に対して確実に賠償するとともに、手続の簡素化、迅速化を図ることという御要望でございます。
 この御要望につきましては、原子力損害賠償法改正に係る国会審議の場において、参考人の方より、東京電力が定める一律の請求方法のみで賠償を行うという賠償姿勢は是正されるべきではないかとの関連する意見が示されました。
 また、事務局がオブザーバー参加をしております福島県病院協会東電原発事故被災病院協議会においては、平成27年3月以降の2倍一括賠償による損害賠償請求手続に関し、東京電力による賠償の打切りや、ADRセンターの示す和解案の受諾拒否などについて誠実な対応を求める意見が示されており、地域医療維持の観点も踏まえた検討が双方において進められていると承知しております。
 この御要望に対する事務局の考えといたしましては、次のとおりでございます。
 商工業等に係る営業損害について、損害が続く場合には、適切に賠償することが重要である、でございます。中間指針等において、避難等により、証拠の収集が困難である場合など、必要かつ合理的な範囲で証明の程度を緩和して賠償すると考えられることが明記されていることを踏まえ、東京電力が被害者に寄り添った誠意ある対応を行うことが重要であると考えております。
 なお、個別具体的な事情に関して、東京電力の対応に不服、不満があるという場合でございましたら、原子力損害賠償紛争解決センターによる和解仲介手続も御検討いただきたいと考えております。
 次は、3.に行きまして、地方公共団体に係る賠償でございます。
 地方公共団体が行っている様々な検査等に要する費用や地域の復興のために実施している風評被害対策などの事業に要する費用等は、その実施体制に要する費用を含め、政府による避難指示の有無に関わらず、事故との因果関係が明らかであることから、賠償請求手続の簡素化に取り組むとともに、確実かつ迅速に賠償を行わせることという要望でございます。
 この御要望に対する事務局の考えといたしましては、次のとおりでございます。
 地方公共団体における賠償については、中間指針等において既に基本的な考え方が示されていること、また、避難により証拠の収集が困難である場合など、必要かつ合理的な範囲で証明の程度を緩和して賠償することや、大量の請求を迅速に処理するため、客観的な統計データ等による合理的な算出方法を用いることが考えられることが明記されていること等を踏まえ、東京電力において、個別事情に応じた賠償が実施されることが重要だと考えており、審査会において、賠償の状況を適切にフォローアップしていただく予定でございます。
 次のページに移りまして、4.原子力損害賠償紛争解決センターによる和解の仲介でございます。
 原子力損害賠償紛争解決センターによる県や市町村の和解仲介事例を被害の状況が類似している他の地方公共団体における損害にも適用し、直接請求により公平な賠償を確実かつ迅速に行わせること。
 この御要望につきましては、原子力損害賠償法改正における国会審議の場において、参考人の方より、ADRセンターの和解仲介手続において、原子力事業者は、和解案の総額には合意できなくても、一部でも和解に応じるという意向を示している場合には、その範囲での合意を先行させるべきではないかとの関連する意見が示されました。
 この御要望に対する事務局の考えとしては、次のとおりでございます。
 和解事例集を配布するとともに、ホームページにおいて和解事例を公表しておりまして、これらを参考にしながら、東京電力において、迅速、かつ、きめ細やかな賠償を進めることが重要だというふうに考えております。
 また、原子力事業者は、損害を認めて、申立人も早期の和解成立を希望する場合には、仲介委員が一部和解案を提示することがあると承知しております。さらに、全部和解案の提示後に、原子力事業者が受諾できないと回答があった場合においても、原子力事業者が認めた損害について一部和解をさせるなど、和解案の受諾に向けて丁寧な取組に努めているものと承知しております。
 次の要望です。原子力損害賠償紛争解決センターの和解仲介手続において、東京電力が和解案の受諾を拒否したことによる、手続の打切りが続いており、文部科学省としても、和解案の積極的な受け入れがなされるよう、引き続き後押しすることという御要望でございます。
 この御要望につきましては、原子力損害賠償法改正における国会審議の場において、参考人の方より、東電が和解案を受諾する見込みがないのであれば、和解案受諾に強制力を持たせる等の措置を講ずるべきではないかとの関連する意見が示されました。また、委員の皆様には、先ほどお伝えしたとおり、事前にお送りしておりますが、福島県弁護士会、ふくしま原発損害賠償弁護団、富成・月舘・小島田代地区ADR弁護団、原発被災者弁護団、浪江町支援弁護団、福島原発被害弁護団、飯舘村民救済弁護団より、東京電力の和解案受諾拒否による打切り事案を踏まえ、東京電力の対応を改めさせるべきといった御要望を頂いております。
 この御要望に対する事務局の考えといたしまして、次のとおりでございます。
 原子力損害賠償紛争解決センターでは、仲介委員が中立公正な立場から、申立人の方々の個別具体的な事情に応じて和解仲介手続を進めており、双方の意見を丁寧に聞きつつ、可能な限り、和解が成立するよう努めており、平成30年9月末時点で、センターによる手続が終了した約2万3,000件のうち、8割程度に当たる約1万8,000件について、申立人と東京電力との間で和解が成立しております。
 また、原子力委員会原子力損害賠償制度専門部会においては、ADRセンターは、東電福島原発事故において、短期間に多数の和解仲介の申立てに対応し、高い割合での和解合意の実績を上げるなど、重要な役割を果たしていると評価されております。文部科学省といたしましては、東京電力に対して、「3つの誓い」を遵守し、被害者の方々に寄り添った賠償を一層進めていただくよう、累次要請を行っているところでございます。
 最後の要望のところでございます。原子力損害賠償紛争解決センターの和解仲介手続において、申立人が東京電力を被告として損害賠償訴訟を提訴している場合において、東京電力は、当該訴訟が継続していることを理由に、和解案の諾否を留保している事案が見受けられます。国の責任において、東京電力が自ら謳っている「3つの誓い」を遵守し、不当な遅延行為等を行わないよう、東京電力に対し指導することという御要望でございます。
 この御要望に対する事務局の考えといたしましては、次のとおりです。
 原子力損害賠償紛争解決センターでは、中立かつ公正な立場の仲介委員が、当事者双方の意見等を踏まえ、中立かつ公正な立場で紛争解決を図っており、東京電力が個別の案件において申立人が申し立てた和解仲介手続と、その申立人が提起した損害賠償請求訴訟の内容が重複していることを理由として、当該訴訟の判決が確定するまでの間、和解案の諾否を留保している場合には、当事者双方の意見を聞きつつ、可能な限り、和解成立に向け、努力していくこととしております。
 なお、文部科学省といたしましては、東京電力に対して、「3つの誓い」を遵守し、被害者の方々に寄り添った賠償を一層進めていただくよう、累次要請を行っているところでございます。
 説明は以上です。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、お願いいたします。よろしいですか。はい、中田委員どうぞ。



【中田委員】  御説明、ありがとうございました。
 2の営業損害及び風評被害に係る賠償の商工業等に関連いたしまして、病院協議会からの御要望についての御説明を頂きました。昨年の現地視察の際も、そういう御意見があったんですけれども、医療機関の経営難の問題というのは、医療機関の問題であると同時に、医療を受ける住民の方にとっての問題でもあるのではないかと思います。
 他方で、医療機関の運営の難しさというのは、福島に限らず、他の地域でも見られるところでありまして、非常にいろんな要素が絡んでいると思うんですけれども、この辺りについて、更に事務局の方でお聞きになっていること、あるいは、補足されることがございましたら、頂きたいと存じます。



【鎌田会長】  いかがでしょうか。



【西原子力損害賠償対策室専門官】  事務局の西でございます。補足させていただきます。
 私どもは病院協議会にオブザーバーとして参加をさせていただいてございます。お聞きのとおり、病院に関しまして、公共インフラ的な問題ですとか地域医療の観点もございまして、もちろん賠償というところでこのような課題というのもあるんですけれども、関係省庁連携して、復興の取組の一環として進めていくべきではないかという御議論もあるというふうに承知をしてございます。
 以上でございます。



【中田委員】  どうもありがとうございました。



【鎌田会長】  ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 先ほど御紹介を頂いたように、様々な要望が出されておりまして、それに対する事務局の回答も御紹介がありました。その内容は基本的に私の考えとも一致しておりまして、指針の果たす役割と、ADRの果たす役割とは相対的に機能が違っているわけでありますけれども、原子力損害賠償紛争解決センターにおかれましては、これまでも仲介委員が中立公正な立場から具体的な事情に応じて双方の意見を丁寧に聞きつつ、可能な限り、和解が成立するように努めていらっしゃいました。
 その結果、約8割に当たります1万8,000ないし1万9,000件についてはきちっと和解が成立しているというふうに大きな役割を果たしてきてくださっていることにお礼申し上げると同時に、引き続き、公正、公平で迅速な解決を図るように御尽力いただくことをお願いしたいと思います。
 他方、東京電力には、この会が開かれる都度、お願いしてきたところでもありますが、「3つの誓い」を遵守して、被害者の方々に寄り添った賠償を一層進めていただくよう、重ねてお願いをいたしたいと思います。
 この審査会の役割として、指針の改定ということが度々要望されているわけでありますけれども、これまでも現地視察を行うと同時に、ただいま紹介させていただきましたように、いろいろな形で要望事項を頂戴して、それらを踏まえて、原子力損害賠償の状況の確認を行いつつ、必要に応じて、指針の改定はここのところ行っておりませんけれども、審査会としての考え方を提示することで、より和解が促進するような配慮をしてきたところであります。
 現時点でも、直ちに指針の見直しをしなければいけないとは考えてはおりませんけれども、引き続き、賠償の状況、被災地域の状況、そして、御指摘のあったような様々な点を踏まえて、指針改定、あるいは、その他の対応の必要の有無、その内容について誠意を持って検討を続けていきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 ということで、委員の皆様、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、次に、議題の3番に進ませていただきます。避難指示解除後の現状につきまして、内閣府原子力被災者生活支援チームより、御説明をお願いします。



【山下参事官】  それでは、お手元の資料3をごらんください。避難指示区域の状況等について、御説明いたします。
 めくって12ページ目をごらんください。このページで全体の概要を説明いたしまして、以下、それぞれのトピックスにつきまして、補足説明をさせていただきます。
 まず、上の枠囲いでございますが、平成29年の春までに、大熊町・双葉町を除きまして、全ての居住制限区域、避難指示解除準備区域を解除しております。また、帰還困難区域の中に特定復興再生拠点区域を設けております。策定を進めていた全ての町村の計画が認定済みでございます。また、避難指示が解除された地域を中心に、地域の活力による、なりわい再建、新産業創出が進んでおります。
 具体的には、その下の図をごらんください。福島の復興といいますのは、一つは生活の再建、上半分、それから、下半分の産業の再生という車の両輪で進めてられております。
 上の生活の再建のまず左側でございますが、避難指示対象者数は現状2.4万人と、当時の区域設定時から約5.7万人減っているところでございます。それから、特定復興再生拠点区域につきましては、今申しましたが、全ての町村について計画認定が終了しまして、除染・インフラ整備が始まっております。おおむね5年後の拠点の解除を目指しているところでございます。
 中ほど、生活環境の整備についてでございます。平成30年4月から、幼稚園、こども園や小・中学校が開設、再開されておりまして、避難指示が解除された全ての市町村において学校が再開している状況でございます。また、昨年4月から、2次医療施設としまして、富岡町にふたば医療センターの附属病院が開院しております。更には、7月、8月には富岡の消防署、浪江の消防署も新庁舎で開署しているところでございます。
 その右をごらんください。昨年夏には、楢葉町でございますが、商業施設、ここなら笑店街、それから、交流施設でありますならはCANvasが開業しております。同じく、葛尾村におきましても、交流施設が開館しているところでございます。また、楢葉町と広野町にまたがっているJヴィレッジでございますが、昨年7月に一部開所しました。本年4月の全面再開を目指しているところでございます。また、昨年8月でございますが、県の重要無形民俗文化財である麓山の火祭り(富岡町)が8年ぶりに開催されたというところもございます。
 下半分をごらんください。産業の再生ということで、二つ、一つは、今まで避難指示区域で事業を営んでおられた方々の事業・なりわいの再建、それから、右半分、新産業の創出ということでございます。
 まず、左につきましては、被災12市町村における帰還再開率29%となっております。1年前は27%でしたので、少しずつ再開率が上がっているところでございます。官民合同チーム、平成27年8月に立ち上がっておりますが、これまでに約5,200の事業者さん、それから、約1,400の農家の方々を個別に訪問させていただきまして、個別支援を実施しているところでございます。
 右をごらんください。新しい産業という意味では、新たな企業の立地が進んでいるところでございます。例えば、フォーアールエナジーという会社がございます。これは自動車用のリチウムイオンバッテリー、これの中古再利用を手掛ける会社でございます。あるいは、ミツフジという会社がございます。これは京都の西陣織の老舗でございますが、織った生地に銀をメッキしまして、導電性を確保した繊維を作りまして、そこにセンサーを付け、様々な生体情報を取ると。お年寄りの見守りにも役立てると。こういった企業も進出しているところでございます。
 福島イノベーション・コースト構想につきましても、新産業の創出が具体化しております。ロボットにつきましては、昨年7月、テストフィールドを一部開所しております。ドローンの開発・実証実験も実際に進んでいるところでございます。また、「廃炉創造ロボコン」など、若者の参加を促進する取組も進んでいるところでございます。
 次の13ページ目をごらんください。枠囲いの二つ目でございます。各自治体につきまして、避難指示の解除が進んでおるところでございます。居住者数の後に括弧して居住者率を書いております。一部の自治体におかれましては非公開となっておりますが、そこにあるとおりでございます。また、経年的に取ってみましても、それぞれの自治体におきまして、着実に比率が上がっているという状況であります。
 その下の枠囲い、大熊町、双葉町につきましては、町の96%が人口ベースで帰還困難区域でございます。そのうち、大熊町につきましては、居住制限区域、避難指示解除準備区域において、昨年の4月から準備宿泊を開始しております。大熊町としましては、今年の春頃の役場新庁舎の開庁をめどに、避難指示解除を目指しているところでございます。また、双葉町につきましても、2020年3月までに避難指示解除を目標としております。
 次のページをごらんください。JR常磐線につきましては、あと開通してないエリアが、浪江-富岡駅間ということでございます。これも平成31年度の末までの開通を目指しているところでございます。
 15ページ目をごらんください。道路の状況でございます。帰還困難区域を通る道路のうち、主要幹線道路を対象にしまして、一定の要件の下、特別に通過交通を認めているところでございます。既に国道6号・県道36号、国道288号の一部区間、あるいは、常磐自動車道などにつきまして、通行証の所持確認を経ずして通過できるような道路を設けているところでございます。
 それから、次から数枚にわたっては、実際に各町におきまして、どのような取組が進んでいるのかということを概観したものであります。ここでの説明は割愛させていただきます。
 21ページをごらんください。官民合同チームの話でございますが、先ほど申しましたように、約5,200の事業者、約1,400の農家の方々の個別訪問をしているところでございます。右側に自立支援策とありますが、設備投資、販路開拓、人材確保などにおきまして、これまでに個別支援をさせていただいているという状況でございます。
 次の22ページでございますが、官民合同チームの方は、個別の事業者の支援のみならず、面的にまちづくりを支援するという活動も始めているところでございます。中ほどに支援例というふうに書いておりますが、例えば、町がまちづくり会社を設立する、そのための体制構築の支援をする。あるいは、企業の誘致戦略を作りたい、その策定支援をする。あるいは、公共施設の運営管理をきちっとしたい、その支援を行う。観光戦略を策定するための支援を行う。こういったことがございまして、それぞれ戦略の策定、体制構築の支援をし、また、右側にありますように、その実行のフェーズにおきましても、支援させていただいているということでございます。
 それから、しばらく飛ばしまして、26ページ目をごらんください。先ほど申しました特定復興再生拠点区域でございますが、繰り返しになりますが、計画の策定された六つの町、村におきまして、除染・インフラ整備等が開始されたところでございます。
 27ページ目をごらんください。ここで書いてありますのは、昨年12月でございますが、この特定復興再生拠点区域の避難指示解除に向けた取組と進め方につきまして、原子力災害対策本部決定をしているものでございます。
 まず、27ページでございますが、先ほどと繰り返しになりますが、2017年4月までに、帰還困を除くほとんどの避難指示が解除されているわけでございます。避難指示の解除に当たりましては、原子力規制委員会が取りまとめた放射線の防護対策を講じた上で、準備宿泊などに取り組むことを2013年12月に本部決定し、進めてまいりました。
 他方で、帰還困難区域、将来にわたって居住を制限してきておったわけでございますが、先ほどにありますように、2017年5月の福島特措法の改正によりまして、居住を可能とする拠点区域が創設されたわけでございます。
 現在、この拠点の除染やインフラ整備が実施されておりますが、2022年、ないし、2023年春の全域解除を目指しております。また、これに先駆けまして、2020年3月のJR常磐線と駅周辺の解除を目指しているところでございます。
 こうした中で、地元の御要望、あるいは、与党の提言を踏まえまして、この特定復興再生拠点区域における放射線の防護対策、避難指示解除に向けた取組を決める必要があったということでございます。
 次のページをごらんください。よりきめ細やかな放射線防護対策として、昨年の12月に、「特定復興再生拠点区域における放射線防護対策について」、これを策定し、原子力規制委員会から、先ほど説明しました2013年に同委員会が取りまとめた対策に沿ったものであると、こういうふうに認められたところでございます。
 特定復興再生拠点区域、これはこれまでの帰還困難区域として立入りを厳しく制限してきてまいりましたが、この防護対策に基づきまして、まず、①、帰還準備段階におきましては、入念に防護対策を講じることで、バリケードといった物理的な防護措置を実施しないことを可能といたします。これによりまして、立入りが円滑化され、まちづくりが加速できるようになるわけでございます。
 次に、②、避難指示を解除する段階におきまして、住民の皆様に、安全安心に生活いただくため、蓄積されたデータの活用による生活実態に応じた相談対応など、日常生活の中で生じる種々の不安への対策を講ずることとしております。
 こうした放射線防護対策を踏まえまして、特定復興再生拠点区域の避難指示解除に向けた取組と進め方を決定したところでございます。
 29ページ目をごらんください。具体には、これまでの取組と進め方を踏まえまして、まず、(1)、除染・インフラ整備を進めまして、(2)、今申し上げましたように、よりきめ細かな放射線防護対策を実施し、(3)、帰還のための準備宿泊を実施し、地元協議の上、避難指示を解除するということが決まったわけでございます。
 私からの説明は以上になります。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいまの説明について、御意見、御質問等がございましたら、お願いいたします。はい、高橋委員。



【高橋委員】  度々、特定復興再生拠点の話についてお聞きしてきました。そこで、26ページ、26から整備状況が出てきています。これは第一次のものとして理解してよろしいのでしょうか。これから追加的に拡張していくということは考えていらっしゃるのかということをお聞きしたいと思います。



【山下参事官】  これは、今回まず、この計画が認定されたということでございまして、その拠点が今後どうなるのか、それも踏まえながら、町において検討が進められるものと認識しております。



【高橋委員】  それから、28ページです。これって、バリケードなどの防護措置を実施しないことを可能にするということでいうと、周辺部もきれいにしていくということもあり得るんじゃないかと思うんですが、そういうことはお考えになっているんでしょうか。



【山下参事官】  周辺部と申しますのはどのことをおっしゃっていますか。



【高橋委員】  いや、ですから、再生区域に指定された周辺の地域ということですね。



【山下参事官】  区域の外部、外というところでございますね。



【高橋委員】  ええ、そうです。周辺部ですね。



【山下参事官】  今、我々がここで決めましたのは、あくまで拠点の中という話でございまして、そこで要はバリケードがありますと、拠点の中でありましても、復興の妨げになるという、こういった自治体からの御要望を踏まえまして、それを拠点の中の限りにおいて外すと、外すことも可能とすると。ただし、そのためには入念な放射線防護対策を行うと、こういったことが今回決まっております。



【高橋委員】  原子力規制委員会がそれでいいとおっしゃったのであれば……。



【山下参事官】  はい。原子力規制委員会と相談させていただきまして、そのように今しております。



【高橋委員】  素人的には、周りもきれいにした方がいいのかなと思っただけです。
 以上、どうもありがとうございました。



【山下参事官】  ありがとうございます。



【鎌田会長】  ほかにはいかがでしょうか。はい、大塚会長代理どうぞ。



【大塚会長代理】  最初のところで、避難対象者数は2.4万人で、5.7万人減ったという話が書いてあるんですけれども、これはそのとおりなんだと思いますけれども、その旧避難対象の区域で帰還されている方は必ずしも多くないと思いますが、その帰還率はどのぐらいになっているかということと、あと、その帰還をさせるために、ことも含めて、この復興をされていると思いますけれども、特に帰還を促進するために何かお考えになっていることはおありでしょうか。



【山下参事官】  最初の点でございますが、ちょっと趣旨に間違いがなければ、居住率でございますね、新しい人も入っていますので。



【大塚会長代理】  そうですね。



【山下参事官】  その率という意味では、各町の居住者数の中に括弧書きで書いている数字がございます。これがそれに該当するものでございまして、済みません、先ほどちょっと早口で申し訳ございませんでしたが、飯館と浪江と富岡につきましては、町の希望でそこの数字を公表してないということで、ここが空白になっているということでございます。



【大塚会長代理】  そうですか。



【山下参事官】  また、その帰還ないしは居住促進のための施策としましては、その前のページで概観しましたように、様々な施策によって政府を挙げて取り組んでいると、こういった状況でございます。



【大塚会長代理】  ちょっと間接的かもしれませんが、それでやるという、そういう方針なんですか。



【山下参事官】  いろんな施策を講じさせていただきまして、要は、なりわいがないから、働く場所がないから戻ってこない、あるいは、働く人が戻ってこないから商業が再開できないとか、そういったにわとり卵のところもございますので、両方を車の両輪として回していくということかと私は理解しております。



【大塚会長代理】  ありがとうございます。



【鎌田会長】  ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 では、山下参事官、どうもありがとうございました。



【山下参事官】  ありがとうございました。



【鎌田会長】  次に、議題の4番、復興・創生期間後も対応が必要な課題の整理について、復興庁より御説明を頂きます。



【米澤参事官】  復興庁でございます。それでは、議題の(4)、復興・創生期間後も対応が必要な課題の整理について、御説明をさせていただきます。資料の30ページをお願いいたします。
 発災から7年10か月経過いたしまして、後期5年の復興・創生期間もあと3年を終えようとしており、あと2年で復興を更に加速していきます。あと2年ですが、今年の夏には2020年度、最終年度の概算要求、そして、今年の冬には最終年度の予算の政府決定というスケジュール感です。この復興期間後についても継続が必要な事業について、被災自治体の方から、そういう課題について向き合ってもらいたいという御要望をたくさん頂きましたので、昨年末の時点で、復興庁として「課題の整理」を公表させていただいたものでございます。
 被災県に対する調査、そして、意見交換を踏まえまして、課題として整理をしておりまして、事業につきまして、引き続き、復興の進捗状況ですとか効果検証を踏まえて、復興・創生期間後も必要な事業を整理し、支援の在り方について検討を進めるということであります。
 また、今年度中に、復興・創生期間における基本方針の見直しを予定してございます。この見直しの中で、復興・創生期間後の復興の進め方について、復興庁の後継組織の在り方も含めて、一定の方向性を示すことを予定しています。
 まず、大きく分けまして、岩手・宮城県を中心といたします地震・津波被災地域、こちらにつきましては、後ろの、31ページに、参考資料を記載しておりますが、生活インフラの復旧はほぼ完了し、産業・なりわいの再生は着実に進展するなど、復興の総仕上げの段階を迎えております。
 こうしたことから、一定期間継続が必要な課題といたしましては、被災者の見守りや心のケア、コミュニティの形成、被災した児童生徒等への支援、住まいですとか産業・なりわいについて一定程度残っている課題について、復興・創生期間後も、一定期間、対応が必要ということで整理をしております。
 一方で、原子力災害被災地域につきましては、こちらの現状は32ページの参考の2で示しておりますけれども、福島の復興・再生につきましては、本格的な復興のステージを迎えたところであります。福島の復興・再生は中長期的対応が必要であり、復興・創生期間後も継続して国が前面に立って取り組むということであり、対応が必要な課題といたしましては、帰還促進のための環境整備、福島イノベーション・コースト構想を軸とした産業集積、事業者・農林漁業者の再建、風評払拭・リスクコミュニケーションなどについて復興・創生期間後も対応が必要と整理をしております。自治体からの主な要望については、下に記載をさせていただいているとおりでございます。
 続きまして、追加で、本文の方をごらんになっていただきながら、補足で説明をさせていただきたいんですが、まず、33ページをお願いいたします。
 今回取りまとめました課題の整理、33ページの三つ目のパラグラフになりますが、基本、今回の課題の整理につきましては、被災地方公共団体が実施されておられる事業で、復興・創生期間後も継続要望がある事業を中心に調査をし、意見交換をしたということでございまして、こちらで取り扱っている課題は、基本的に地方公共団体が今現在実施されておるもので、復興・創生期間後も対応が必要なものでございます。
 こうしたことから、国が直接行っておる事業等もあり、37ページの下から7行目のところですけれども、「また」以降で記載しております。事故収束に向けた廃炉・汚染水対策ですとか、環境再生に向けた取組、こういったものについては、国が、期限後も引き続き取り組むべき課題として行っていくべきものでございますので、今回のこの課題の整理に加えて、先ほど申し上げた基本方針の見直しの中では、こういった国が前面に立って取り組むような事業についても記載をするべく、今、調整をしているところでございます。
 なお、同様に、賠償につきましても、現行の基本方針の中で、原子力損害賠償紛争審査会の指針等に沿って、必要十分な賠償の円滑な実施に向けて必要な対応を継続するとの記載が期限内の取組として記載をされておりますので、期限後についても、同様の検討課題として記載すべく、現在調整を行っているところでございます。
 私からの御説明については以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいまの御説明に対して、御意見、御質問等ございましたら、お願いいたします。はい、高橋委員どうぞ。



【高橋委員】  当初から国の責務については地震・津波等の自然現象とのバランスでいろいろ考えていくということで行われてきたと思います。、しかし、現時点では、放射能の汚染による損害の特殊性が、地震・津波の被害と対比して顕著になってきたということだと思います。
 そういう意味で、こちらに書いてあるような積極的な取組みは、地震・津波とのバランスを重視せず、放射線の汚染に起因する被害に対する国の責務と位置づけ積極的に取り組んでいただくということが重要だと思います。この点は昔から言ってきたことですが、積極的に福島に資源を集中して政策を実施する姿勢で頑張っていただきたいと思います。
 以上です。
 いや、コメントはいいです。



【鎌田会長】  よろしいですか。
 ほかに、ほかの御質問、御意見ございましたら、お願いいたします。よろしいですか。
 それでは、米澤参事官、大変ありがとうございました。これからも是非よろしくお願いいたします。



【米澤参事官】  ありがとうございました。



【鎌田会長】  次に、議題の5番です。東京電力ホールディングス株式会社による賠償の現状について、東京電力ホールディングス株式会社より御説明を頂きます。よろしくお願いします。



【内田室長】  改めまして、東京電力ホールディングスの内田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 弊社の原子力発電所の事故から7年10か月余りがたちましたが、今なお多くの皆様に御心配と御迷惑をお掛けしておりますことを、この場を借りて、改めておわび申し上げます。
 弊社といたしましては、福島復興の責任を最後まで果たすべく、最大限努めてまいる所存ですので、引き続き、御指導のほどをよろしくお願いいたします。
 それでは、資料の説明に入らせていただきます。
 まず、資料5「原子力損害賠償のお支払い状況等」について、御説明させていただきます。
 41枚目のスライドだと思いますけれども、こちらにつきましては、賠償金のお支払い実績についてでございます。中ほどのお支払い総額のところをごらんいただきますと、昨年12月末時点で、総額8兆7,047億円のお支払いをしてございます。なお、資料には間に合ってございませんが、直近で申し上げますと、先週の1月18日時点で、8兆7,093億円ということで、年末に比べますと46億円の増加となってございます。
 下のグラフが賠償のお支払い額の推移でございます。最近は、個人の賠償の伸びが比較的緩やかなのに比べまして、法人・個人事業主などの伸びが大きくなっております。これは除染等の費用が大きく増加し、これを法人・個人事業主などの項目に計上しているためでございます。ちなみに、2018年12月時点の法人・個人事業主、こちらにグラフにございます5.09兆円のうち、約3兆円が純粋な法人・個人事業主、残りの約2兆円が除染等というような内訳になってございます。
 続きまして、次のページでございます。2017年1月以降の農林業の賠償実績について記載しております。避難指示区域内の農林業者様へのいわゆる一括賠償につきましては、2016年12月にプレスリリースし、2017年1月から御案内をさせていただいておりますが、昨年12月末時点における賠償実績としましては、約9,300件、金額としましては約399億円のお支払いをしてございます。
 続きまして、公共財物の賠償実績でございます。地方公共団体様が所有する財物につきましては、原子力損害賠償紛争審査会の考え方を基に、関係地方公共団体様の御意見を伺い、昨年4月より、御請求の受付を開始しております。公共財物賠償の基本的な考え方につきましては、前回の審査会でお示しした内容に変更はございませんが、改めて、口頭で恐縮ですが、御説明させていただきます。
 不動産の賠償についてですが、避難指示による一定期間の利用阻害により、行政的な利用による利益を享受ないし提供することができなかったことを損害とみなして、本件事故発生時点の時価相当額を基に、避難指示期間に応じた使用料相当額を賠償させていただいています。その際、使用料相当額の算定に当たっては、各地方公共団体様の行政財産使用料条例を参考にさせていただきたいと考えております。なお、いまだ避難指示が解除されていない地域内の土地及び建物・工作物については、全損として時価相当額を賠償させていただきます。
 動産につきましては、避難指示区域内に地方公共団体様が所有され、持ち出されていない動産につきまして、避難指示による一定期間の管理不能により、その価値が減少した部分を損害として賠償させていただきます。
 また、将来的な利用再開の見込みが当面立たず、減少した行政的な利用価値の回復が見込まれない場合、あるいは、避難指示が解除される前に、公共財物について、早期に本格的な利用が再開できるようにするために行った準備作業等に要した費用につきましても、一律の考え方による賠償が必ずしも適当でない損害として、個別の御事情をお伺いし、必要かつ合理的な範囲で適切に対応してまいりたいと考えております。
 それで、資料でございますが、公共財物の賠償実績につきましては、昨年12月末時点で2件、約8.3億円のお支払い状況となっております。引き続き、御事情をお伺いしながら、早期のお支払いに向けて、迅速かつ適切に対応してまいりたいと考えております。
 続きまして、原子力損害賠償請求訴訟等の状況でございます。12月末の時点で、送達件数が484件、うち、309件が終了しておりまして、現在、175件が継続中でございます。これ以降は、参考といたしまして、これまで同様に、原子力損害賠償に向けた組織体制、個人の方に対する賠償の合意状況、それから、最後に、賠償項目別の合意金額の状況を掲載しておりますので、後ほどごらんいただければ幸いでございます。
 私からは以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、御意見、御質問等がございましたら、お願いいたします。よろしいですか。はい、大塚会長代理どうぞ。



【大塚会長代理】  今の公共財物についての考え方は何かペーパーで出していただくことは可能なんでしょうか。



【内田室長】  恐れ入ります。前回のときに、ペーパーでもお配りしておりまして、それで、ちょっと今回は省略をさせていただきました。



【大塚会長代理】  そうですか。分かりました。



【鎌田会長】  ほかにはよろしいですか。
 内田室長、どうもありがとうございました。
 次に、議題の6番、原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況について、ADRセンターより、御説明をお願いします。



【佐々木室長】  センターの室長、佐々木から、当センターの活動状況について、御報告させていただきます。着席させていただきます。
 資料6をごらんいただければと思うんですけれども、そこに書いてございます平成30年の業務概況についての数字は速報値であることを御理解いただければと存じます。
 まず、1ページ目をごらんいただきますと、昨年末の人員は、仲介委員の方が277名、調査官が161名、和解仲介室職員が137名となっております。調査官につきましては、申立て件数が減っていることも踏まえまして、自然減に任せており、平成29年末から、20名減となっております。今後の申立て件数や事件内容の軽重といった事情を踏まえて、その推移を見ながら、規模をどうするか、検討していきたいと考えてございます。
 なお、本年1月8日付けで総括委員長が交代し、新たに、元東京高等裁判所部総括判事であります富田善範総括委員長が、紛争審査会会長より指名を受けて着任いたしました。また、同日付けで、橋本副孝総括委員と高田裕成総括委員が引き続き指名を受けてございます。
 次に、2ページ目をごらんいただければと思いますが、申立件数の推移のところですけれども、昨年末までの申立件数の総数は2万4,336件、申立人数の総数は10万7,747となっております。平成26年をピークとした申立件数、人数の減少傾向は、平成30年も継続しております。
 具体的な数字の推移については、次の3ページ目をごらんください。昨年1年間の申立件数は1,121件でありまして、平成29年からは690件、38.1%の減少となっております。
 なお、平成30年の申立件数の中には、既に申し立てられておりました事案から和解仲介手続上の処理の関係から分離したものが5件含まれております。この分離された事案と申しますのは、全て前回紛争審査会で説明しております飯舘村住民の集団申立ての事案、比曽、前田・八和木、飯舘村全体の事件に絡むものです。進行の関係で、和解仲介手続の実施が困難であると認めて、打切りを行った精神的損害の賠償に係る部分と、その余の部分を分離したものでございます。
 また、昨年1年間の申立人数は2,158人であり、平成29年からは1,490人、40.8%の減少となっております。なお、平成30年の申立人数の中には、先ほど説明しました、既に申し立てられた和解仲介手続中の事案から、手続上分離された事案の申立人数3,319人は含まれておりません。
 さらに、4ページ目をごらんいただければと思います。平成30年に申し立てられました案件のうち、初めて当センターに申立てをされた事案の割合は40.2%、同じ申立人による前回申立てが存在している申立て、これを複数回申立てと呼んでおりますが、その割合は59.3%となります。
 加えて、平成30年は、先ほど説明いたしました既に申し立てられた和解仲介手続中の事案から手続上分離された事案が0.4%ございます。平成26年以降、複数回申立ての割合が増加しておりまして、平成30年も初回申立て、複数回申立てともに件数は減ってはおりますが、複数回申立ての割合が増えており、ほぼ6割となってございます。
 それでは、次の5ページ目、今度は仲介の終わり方の方に入らせていただきますが、昨年末までで、2万3,217件の和解仲介手続が終了しております。これは、これまで申立てを頂きました事件の95.4%に相当しております。そのうち、80.9%に当たる1万8,779件が和解成立で終了しております。
 近頃、新聞でいろいろ報道されておりまして、和解ができなくなっちゃっているんじゃないかとか、電話をコールセンターにかけてこられる方もおりますが、一応これだけは和解成立で実績を上げてございます。
 昨年末時点における現在進行中の件数、いわゆる未済件数は1,119件であり、これまで申し立てられました事件の4.6%に相当しております。
 その次に、6ページ目をごらんいただければと思います。これは終局事由の話になりますが、各年別の推移を見ますと、昨年中に手続が終了した件数は1,818件、申立件数自体が減少したことなどもあって、平成29年の2,132件からは314件、14.7%の減少となってございます。
 既済件数のうち、和解成立で終了した案件は1,232件で、既済件数全体に占める割合は67.8%、昨年が74.2%、一昨年が81%でありましたので、年々、和解成立の割合は減少しているということは否めません。一方、それに対応して、打切り及び取下げについてはともにその割合が年々増加しております。
 それから、平成30年におきましては、1件、「和解の仲介をしない」という事案がございました。これは原子力損害賠償紛争審査会の組織等に関する政令第10条第1項等に基づきまして、申立てに係る紛争が、その性質上、和解の仲介をするのに適当ではないと認められたものでございます。
 具体的には、過払金の返還を内容するというものでありましたが、そういう過払金を払うのか、幾らにするのかというような紛争につきましては、類型的に考えまして、迅速な賠償を実現するという当センターの目的や、被害者救済に資するものではないことなどから、和解の仲介をしないということになりました。
 未済件数は、平成27年以降、着実に減少しており、昨年末で1,119件であり、この1年間で697件、減少してございます。
 それでは、次の7ページ目をごらんください。かなりちょっと細かい表になりまして、恐縮でございます。平成30年は、和解打切りにより終了した件数が252件であり、平成29年と比べますと、57件増加しております。
 和解打切り理由別に見ますと、申立人の請求権を認定できないことを理由として和解打切りとなったものが252件中148件と約6割を占めておりまして、既済件数全体のうち、この理由により和解打切りになったものの割合は、平成26年以降、増加傾向にあります。
 なぜこのようなことにということでございますが、これは個々の事案により事情は多様であるために、一概に述べることは難しいとは思われるのですが、本件事故からの時の経過等に伴い、申し立てられる損害項目と本件事故との因果関係を認定することが難しい案件が増加していることがその一因になっているのではないかと考えております。
 実際、個別の具体的事情を検討しなければ、請求権が認められるかどうか、また、賠償額を幾らと認定するのか判断できない事案が大多数となってきております。このため、申立人ごとの個別事情を丁寧に踏まえた審理を行い、事案に即した適切な和解案の提示が可能となるような手続を実施しております。
 具体的にどのようなことがこの個別事情なのかといいますと、個人の案件であれば、例えば避難の合理性。就労不能が続いている場合、なぜ今、就労不能なのかが合理的、あるいは、やむを得ないと言えるのかとか。事業者の案件でありましたら、風評があるのか、ないのか。これは事故からそんなに間がたってないときにはアプリオリに認定できるものであって、明確な争点にする必要もなかったんでございますけれども、時間がたってくると、そういうわけにはだんだんいかなくなってくるので、この個別事情に踏み込んでいかなければいけないという形になっています。
 ちょっと余談になってしまいますけれども、このような個別の事情をきちっと審理していかなければいけない事案が多くなってきておりますので、調査官、あるいは、仲介委員の1件当たりの負担というものは激増しているというようなことをちょっと申し添えさせていただきたいと思います。
 このような個別事情の丁寧な審理をしていることもありまして、仲介委員の指名から和解案提示までの平均審理期間についても、速報値では約10.9か月と、一昨年平成29年の約7.9か月と比べて、長くなりつつあります。ただ、ここのところは、事件のフェーズというか内容が変化してきているということを御理解いただければと思います。
 このように、本件事故からの時間の経過等に伴いまして、被害者や賠償をめぐる状況には新たな様々な変化が生じているところではございますが、センターとしては、引き続き、当事者双方の意見を丁寧に伺った上で、和解成立に向けて真摯に取り組んでいきたいと考えております。
 そして、我々の努力と両輪をなすものとして、東京電力におかれましても、平成29年5月に認定された新々・総合特別事業計画(第三次計画)に明記されております「3つの誓い」に従い、センターの実施する和解仲介手続に対して、真摯かつ柔軟な対応をお願いしたいと思います。このことは、東京電力にお送りさせていただいております当センターの活動状況報告書にも記載されておりますし、研究開発局長からも要請していることではありますが、この機会に改めてお願いしておきたいと思います。
 ちょっと話が前後してしまうかもしれませんが、被申立人である東京電力が和解案を拒否したために和解打切りとなった件数は、去年30年の1年間で49件、25年から昨年末までの累積で121件ございます。このうち、東京電力社員、又は、その家族からの申立ては、昨年1年間で9件、平成26年から昨年末までの累積81件であります。累積では、東京電力が和解案を拒否したために打切りとなった件数の約7割を占めるということになっております。
 「その他」には、和解仲介手続と関連訴訟がともに継続し、双方の請求ないし訴訟物が重複しているために、関連訴訟の判決が確定するまでの間、東京電力におかれまして、和解案の諾否の意見を留保、保留するという対応を取ったことにより、和解仲介手続の継続が困難となったことを理由に打ち切った事案は7件含まれてございます。
 さらに、8ページ目をごらんいただければと思います。細かい字になって恐縮でございます。前回の紛争審査会以降、現在までに、被申立人である東京電力が和解案の受諾を拒否したことなどから和解打切りとなりまして、和解案提示理由書を公表している集団申立ての案件2件を記載してございます。
 最初の事案Aは、川俣町小綱木地区の住民の方々が集団で申し立てた事案であります。これは、仲介委員は、精神的損害の賠償として、中間指針第一次追補で認められた定額とは別に、1人当たり20万円の賠償を認める和解案を提示しましたが、被申立人である東京電力がこの和解案の受諾を拒否したことなどから、打切りとなったものであります。
 事案Bは、福島市渡利地区の住民の方々が集団で申し立てた事案であります。これは仲介委員において、特定避難勧奨地点の設定が検討されるほどの高線量であった地点から一定距離内に居住していたなどといった被害者の方々に、精神的損害の賠償として、1人当たり10万円の賠償を認める和解案を提示いたしましたが、被申立人である東京電力がこの和解案の受諾を拒否したため、和解案受諾勧告書を提出するなどして説得に努めましたが、受諾に至らなかったことなどから、平成31年1月に打ち切ったものでございます。
 そして、次のページの9ページ目ですけれども、和解打切りとなり、和解案提示理由書を公表している事案1件を、事案Cとして記載しております。事案の詳細は、ホームページを見ていただければと存じます。そして、このような事案がというふうに思うと、当センターとしては極めて残念と言わざるを得ません。
 ともあれ、平成30年は和解成立に至らなかった事案として、先ほどの事案Aの1件と、前回、紛争審査会にて報告した17件の合計18件を、文部科学省のホームページにおいて提示した和解案等も含めて、公表してございます。
 なお、これらの公表された案件と、先ほど報告した東京電力社員又は家族からの申立て以外にも、被申立人である東京電力が和解案の受諾を拒否したことから打切りとなった事案は、平成30年には22件ございます。このことからも、東京電力には、改めて、「3つの誓い」における「和解仲介案の尊重」を要請したいと思います。
 次に、10ページ目をごらんください。話は変わりますけれども、会津支所では、被害者の方や相談者の方によりアクセスをしやすくするために、平成30年11月より、月2回、大熊町役場、会津若松出張所に出張窓口を設置しております。それで、なるべく便宜を図ろうということになっております。
 続きまして、11ページ目をごらんいただければと思います。平成30年4月に、浪江町の集団申立ての和解打切りとなりました。ここでちょっと、流れと違うんですけれども、一言申し上げておきたいのは、この打切りはセンターとしては誠に遺憾な話でありまして、当該事案に関する平成30年12月4日開催の参議院文教科学委員会、議事録の8ページ、今回の資料に提出されているものでありますけれども、そこにおける東京電力代表執行役副社長の答弁内容というものは、当センターとしては全く承服できないものであるということをまずここで申し添えさせていただきたいと思います。
 今のはちょっと違う話なので、それとは別ですけれども、集団申立ての打切りをしたということは、被害者の方々の権利がもうないということではなくて、個別の再申立てをした場合には、申立人ごとの個別の事情に基づき、和解案を提示できる余地がないということを意味するものでは決してありませんと。そういうことで、昨年の8月から9月にかけて、浪江町が主催した個人による申立てに係る説明会に協力をさせていただいております。
 また、従来より、賠償請求ができるにもかかわらず、いまだ賠償請求をされていない方々を念頭に置きつつ、関係団体主催により開催されました説明会において、センターの業務概要や申立方法などについて説明を行っております。
 その他、平成30年は、会津支所の出張窓口開設を契機といたしまして、福島地方紙2紙への広告掲載をいたしましたり、福島県内の自治体が発行する広報誌へのセンターの案内記事の掲載などを行っております。
 最後となりますけれども、私どもは、昨年の末頃から、浪江町、南相馬市の実務担当者と協議を重ねさせていただいたり、商工団体、これは福島、原町、いわき、白河、二本松、須賀川、郡山、会津若松、喜多方というところを訪れさせていただきまして、意見交換をさせていただいています。かなりシビアな意見交換の場所が多かったです。
 そこの中で、ちょっと一つだけ心に残っているのは、あるところで、私たちは敗戦の記憶が積み重なり、記憶のDNAというものになっておりますと。坂上田村麻呂の蝦夷征伐、蝦夷というのは自分たちのことなんですと。源頼朝の奥州征伐で、平泉の奥州藤原氏が滅ぼされ、戊辰戦争と。今度の賠償のやり取りが第4回目の敗戦ですと。納得はいかないが、諦めて受け入れることになるのかと語っておられましたと。
 着任以降、私、時々思うのが、足尾鉱毒とか、4大公害裁判の変形バリエーションになりかねないということを常々思っております。同じ日本の社会を支える同胞に、わだかまりとか、強い消極的な思いというものを積み残してはならない。そういう形で、センターとしては、賠償されるべきであるのに取り残される人が少しでも出ないように、いけるところまで広報を続けたいと考えております。また、申立てには、被災者に寄り添う姿勢で、丁寧に対応していきたいと決意するところであります。
 つきましては、東電にお願いしたいのは、センターと歩調を合わせて、被害者の救済のために、これまで以上に柔軟に和解案に応じていただきたいということであります。新たに歩もうとする御社の新しい品格を形作る一つのエピソードになるものと思います。この点、心からよろしくお願いしたいと思います。
 以上であります。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等をお出しいただければと思います。はい、樫見委員どうぞ。



【樫見委員】  よろしいでしょうか。ただいまの御説明、どうもありがとうございました。非常に強く感銘を受けました。
 ちょっと前のところで、東電の方で、42ページですか。支払い状況のところの参考資料の42ページですか。そのところで、東電側の補償相談の体制につきまして、ADR・訴訟ユニットの部分が240人というふうに、これ、書いてあるんですけれども、センターの方は全体としてはいろいろ調査とかで580人という非常にそれでも足りないというくらいで臨んでおられるわけですけれども、和解その他訴訟に対して、このADR・訴訟ユニット、東電のこういった人数で十分に対応できているのか、あるいは、どういうふうな体制で臨んでおられるのか、もし可能であれば、お答えいただきたいと思います。



【鎌田会長】  東電の側からの答えを求めていらっしゃるわけですね。それでは、済みません、東京電力、よろしくお願いします。



【内田室長】  今、こちらに掲載しております240名は、社内で従事している者の数でございまして、このほかに、当社は当然、事案ごとに代理人を付けてやっておりますので、実際には弁護士の数を含めますと、これプラス100とか150と、そういうような数値になるところでございます。



【樫見委員】  真摯な対応をお願いしたいと思います。



【鎌田会長】  よろしいですか。
 ほかにはいかがでしょうか。大塚代理。



【大塚会長代理】  先ほどのお言葉、大変大事なところだと思ってお伺いしましたが、この和解の成立自体が減っていて、打切りが増えているということに関して、分析を、先ほどの御説明でしていただいているということによると、結局、時間がたって、因果関係の認定が難しくなったということとか、あと、集団申立ても増えているなどのところも含めて、事案の性質が変わってきたということがひょっとしたらあるのかもしれませんが、もう一つは、多分、ひょっとしたら、東電の方の方針がちょっと変わってきているのかなという気もしないでもないですけれども、幾つか、だから、考えられると思いますけど、それは全てだというふうにお考えでしょうか。どういうふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。



【佐々木室長】  難しい質問なんですけれども、集団の申立てというのは、数年前、ちょっと前からあるので、その時期の中身自体は余りそのフェーズが変わるということはないんだと思うんですけれども、個別の方は、例えば23年、24年、申し立てていらした方がまた次、25、26、あるいは、次、28、29とかの損害を申し立てられますと、やはり違ってきてしまうと。
 そうしますと、避難している方であれば、なぜ今、その時期、その元の住所からなのかという話なんかは、やっぱりお伺いせざるを得ないと。そうしまして、家族の方でちょっと何かございますかとか、子供の進学の話が何かありますかとかいうような話はやっぱりしていかざるを得ないと。
 そういうことで、いろいろ個別の事情を見て、どちらに割り振られるかということを考えなければいけないと。それで、賠償が出る事案と、ちょっとなかなか難しいものと、そういうものが出てきているということがやはり一番大きいのかなと。
 ちょっと集団は別に考えなければいけないのかとは思います。



【須藤委員】  ちょっとよろしいですか。



【鎌田会長】  はい。



【須藤委員】  須藤でございます。佐々木さんはちょっと言いにくいところがあるかもしれませんけれども、この和解の実質的な成立割合は、余り変わってないです。
 例えば昨年ですと、333件、取下げがございます。この取下げは、センターの方から請求の裏付けとなる資料の提出などを求めたら、じゃあ、やめますと言って取り下げたというものなどです。これらはセンターで解決するにはふさわしくないものですから、仮に、既済件数の1,818件から取下げ等を除くと実質的な和解率は約90%ちょっとになります。
 今までの全体をみてみても。約2万3,000件件数があって、和解は大体80%ということで言っておりますけれども、実際は取下げの件数が約2,500件ありますので、これを除いて考えると、やはりその90%ぐらいの和解率になります。
 このような試算は手前みそといえば手前みそですので、余り言えないわけですけれども、実質的にかなり高い和解の成立率であるということご理解いただければと思い、申し上げました。
 また、和解の拒否というのは実は申立人側もあるわけでして、いろいろ難しい問題もございますので、余りそう単純には言えないところもあるのかなと思っております。



【中田委員】  室長と、それから、須藤委員からの御説明、ありがとうございました。時間を経るに従って、いろんな意味で難しくなっている中で御尽力されて、高い和解率を達成しておられることは、本当に御尽力のたまものと存じます。
 その上でなんですけれども、52ページの和解打切りの理由の内訳というところを拝見いたしますと、平成30年の被申立人が和解案を拒否したというのが49件でございまして、従前の0.2%という3年間続いた後、2.7%という10倍以上になっております。49件のうち、東電の関係者は9件、東電の関係者であるがゆえにというのが9件だったとすると、残りが40件ということであります。
 ただいまの須藤委員から、申立て案の拒否については、申立人の方からもあるじゃないかということでございますが、この数字を見る限りは、それはわずかであり、MM#やはり平成30年の数値というのは非常に従前とは違った値を示しているのではないかと存じます。
 この点につきまして、もし何かお気付きの点なり、お考えの点がございましたら、お教えいただければと存じます。



【佐々木室長】  一つとしては、センターの方としては、この損害賠償の仕組みというのに、直接請求がございまして、そこで、相対で交渉してなかなかうまくいかないものは、時の氏神みたいに中立公正な第三者が入ってADRでやりましょうと。そこでもなかなか難しければ、最後の強制権限を持った裁判所の方で紛争解決をしていただきましょうという話。順番にいくと、そういうふうになっていくのが普通だと思われます。
 我々のところで、将棋で言えば、千日手のような状態に陥っちゃっていて、もうらちが明かなくなったようなものについては、裁判所の方で手続するのか、どうするのか、早く手続選択をしていただくということも重要ではないかと。
 そういうことを考えまして、ある程度、千日手に陥っちゃって動かなくなっている、もう説得が奏効しないものについては打ち切っていくということを意識的にやらせていただいたと。そういうことで、ちょっと数字が顕著になったという部分があるかもしれません。
 浪江の打切りのときに、やはり御批判いただいた中の一つは、いつまでもいつまでも手続に掛けておいて、どんどん時間がたっていって、申立人がどんどん疲弊していくと。それで、終わったときには、次の段階に行く余力もないと。それはセンターはそうは思っていないのかもしれないけれども、客観的には、東電と同じことをしているんですよという批判も結構受けました。
 やはりそういうふうなことにはならないようにということも大事なのかなというふうに考えてございます。



【鎌田会長】  はい、中島委員どうぞ。



【中島委員】  今の中田委員の御質問は、さっき、大塚委員の質問にも一部あったように、この東電側が和解を拒否した件数が30年に急激に上がっているというのは、もしかして、30年から、東電の方針が変わったんじゃないかと、そうは感じませんかという質問ではないかと思うんですが。



【佐々木室長】  東電の方針は本当は東電が一番よく知っているんだと思うんですけれども、方針が急に変わったのではないと自分は考えております。先行して、変わったのかどうか、ちょっと千日手のものが蓄積していたと。なかなか御説明は難しいところなんですが、ある程度、ちょっと徐々に徐々に蓄積があったように思います。



【須藤委員】  ちょっと、1点。



【鎌田会長】  はい。



【須藤委員】  この問題は、言い方が難しいのですけれども、センターでの和解交渉がずっと長引いていたことは事実なわけです。そこで、交渉が進まないものをいつ打ち切るのかというタイミングの問題があったのです。30年になって急に東京電力の姿勢が変わったから増えたのかきかれると、事務方としてはなかなか答えにくいのではないかと思います。打ち切りになったケースは、長い間交渉していて、その交渉の過程の中ではいろいろなやり取りがあり、センターも和解案を何回か出したりしたのですが、ボタンの掛け違いのようなこともあって、合意には至らずに時間が経っていたということなのです。
 ただ、打切りをしないままで時間が経てば、被害者の方が裁判などに訴えて救済を求めることが遅れてしまうことになります。そういったことを考えると、ここで、ある程度時間が経ったものは打切りという処理も致し方ないのではないかという判断で、その結果が数字に現れたということもございます。事情を御理解いただきまして、温かい目でセンターでのADRを見守っていただければ有り難いと思っております。



【鎌田会長】  よろしいですか。



【大塚会長代理】  佐々木さん、ちょっとお答えにくいかもしれませんが、これは東電にお伺いすることは難しいでしょうか。



【鎌田会長】  東電の対応方針が変わったのかという御質問ですか。これ、東電としてはいかがですか。



【内田室長】  弊社といたしましては、本当に和解案の尊重というお約束をしている中で、最大限、歩み寄って和解を成立させたいということは従前より全く立場は変わってございません。
 ただ、従前から交渉が長引いていたというものにつきましては、今お話にありましたように、やはり数多く、2万件近い和解案の中には様々な検討の中で、どうしてもちょっと受諾が困難だというものが幾つか出てきておりまして、それにつきましては、従前よりちょっと交渉をさせていただいた中で、今回の打切りに至っているというふうに考えております。



【鎌田会長】  この平成30年に打ち切られた案件は、いつからずっと膠着状態になっていたかということも考えないといけないんだろうというふうに思いますけれども、それらの点はいずれまた分析をされるんだろうと思いますので、分析から何らかの結果が出てきたときには、また御報告を頂ければということを希望しております。



【佐々木室長】  承知いたしました。



【鎌田会長】  ほかにいかがでしょうか。
 それでは、予定の終了時間も近付いてまいりましたので、ここで区切らせていただきます。佐々木室長、どうもありがとうございました。
 では、次に、議題の7番、原子力損害の賠償に関する法律の改正について、事務局より説明をお願いいたします。



【北郷次長】  文部科学省の原賠法改正準備室でございます。
 昨年の12月5日に、原子力損害の賠償に関する法律の一部改正法が成立いたしまして、12日に公布されました。資料7-1に基づいて御説明申し上げます。
 この法律でございますけれども、平成23年8月に公布されました原賠機構法の附則第6条に基づく検討を行うべく設置されました原子力委員会の原子力損害賠償制度専門部会における検討結果を踏まえまして行われた法改正でございます。
 万が一、原子力損害が発生した場合における原子力損害の被害者の保護に万全を期するため、東電福島事故における様々な対応のうち、一般的に実施することが妥当なものであると判断されたものにつきまして、所要の措置を講じるといったところが主要な部分でございます。
 改正事項、主に四つございます。
 一つ目が、損害賠償実施方針の作成・公表の義務付けでございます。原子力事故が発生した場合に、原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施を図るための備えといたしまして、あらかじめ、原子力事業者に対して、損害賠償の実施のための方針の作成・公表を義務付けるということでございます。この方針の含むべき内容でございますけれども、損害賠償措置の概要、それから、原子力損害の賠償に関する事務の実施方法、それから、紛争の解決を図るための方策など、原子力損害賠償の迅速かつ適切な実施を図るために必要な事項を含むということになっておりまして、詳細は省令で更に整備することになっております。
 次に、二つ目が、仮払資金の貸付け制度の創設でございます。原子力損害賠償の仮払いにつきましては、JCO事故、それから、東電福島事故において、実務として実施された実績がございます。和解等に基づく本賠償開始前の被害者への賠償を早期に実施するために、原子力事業者による迅速な仮払いの実施を促す枠組みといたしまして、国が仮払いのための資金を原子力事業者に貸し付けるという制度を創設するものでございます。そして、また、この当該規定に基づく貸し付け業務権限等を、原子力損害賠償・廃炉等支援機構に行わせることができる旨の規定も加えてございます。この詳細につきましても、政令、政省令等に委任してございますので、これらも今後整備することになります。
 三つ目が、和解仲介手続の利用に係る時効中断の特例でございます。原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続につきましては、東電福島事故による被害につきましては、特例法が整備されまして、和解仲介の打切り通知を受けた日から一月以内に裁判所に訴えを提起した場合には、和解仲介の申立てのときに訴えの提起をしたこととみなすという時効中断項を生ずることとなっておりますが、ここに係る措置が今後、時効が、万が一、事故が生じた場合にも必要であるということになりまして、一般規定として、原賠法に同様の規定を整備いたしまして、先の特例法は廃止をしたということになっております。
 四つ目でございますが、適用期限の延長でございまして、原子力損害賠償補償契約、原子力損害賠償責任保険が保管すべく、国営の保険同様の契約を締結するスキームを設けているものでございますが、これと、賠償措置額を超えた場合に、原子力事業者に対する国の援助の規定につきましては、これは従来、期限を設けて置かれておりまして、現時点におきましては、31年12月31日までに開始した原子炉の運転等のみを対象とすることになっておりますところ、これを、従来どおり、10年延長いたしまして、41年12月31日まで適用することといたしました。
 施行期日でございますけれども、この今の中の(3)の和解仲介手続の時効中断の特例などを除きまして、平成32年1月1日ということになっています。(3)の和解仲介手続の利用につきましては、公布の日、12月12日に直ちに施行されてございます。
 以上でございます。



【西原子力損害賠償対策室専門官】  参考といたしまして、この原賠法の改正に伴う国会審議におきまして、中間指針等ですとか、ADRセンターに関連する質疑がございましたので、参考に御紹介を差し上げたいと思います。
 資料7-2をごらんください。その3ページ目でございます。上杉委員から、2段目の真ん中ら辺ですけれども、このADRの仲介については、少し法的な拘束力なり、和解案に対して優位性を持たせるということも一つ検討に値するというふうに思っておりますという御質問がありました。
 政府参考人から、ADRセンターの和解仲介案に受託義務を導入することについては、原子力損害賠償制度専門部会においても検討がなされましたが、拘束力のある手続を利用することを望まない紛争当事者が和解仲介手続の利用を躊躇し、紛争解決の迅速性及び簡易性が損なわれて、被害者の早期救済の妨げになるのではないかという懸念がある。それから、原子力事業者が半強制的に応諾せざるを得ない状況となり、それにより、原子力事業者の裁判を受ける権利が制限されることになるのではないかなどの専門委員の意見が表明された結果、現行の規定を維持することが妥当であるとされております。
 それから、一方、東京電力が特別事業計画において和解仲介案を尊重する旨を表明していることが、和解仲介手続の実効性の確保に資しているとの観点から、報告書においては、和解仲介手続を被害者が積極的に活用できるよう、賠償実施方針の整備の中で、適切に対応することが妥当であるとされておりますというやり取りがございました。
 それから、資料7-3の方をお願いいたします。資料7-3の5ページ目でございますが、5ページ目の一番最後の部分から、一番左下の最後の部分からでございます。新妻委員から、原賠審が被災地の声を細かく聞き取る必要について、答弁をお願いしたいと思いますという御質問がございました。
 次の6ページの一番上段に行っていただきまして、副大臣より、原子力損害賠償紛争審査会におきましては、審査会の場に被災をしました地方公共団体、それから、JAとか商工会等関係団体などの関係者の方々にも御出席を頂きまして、被災地の実情ですとか御意見を伺いながら中間指針等を策定してきたところでございます。
 また、福島県や被災しました市町村をはじめ、福島県内外の多くの地方公共団体ですとか幅広い関係団体から紛争審査会に係る陳情又は要望が寄せられておりまして、要望内容とともにそれに対する紛争審査会の考え方や対応方針を会議の場において検討し、その方向性について確認を頂いております。
 さらに、被災地の実情を適切に把握した上で、賠償や復興の状況を確認するとともに、被災地の関係者の御意見を直接伺うために、福島県の被災した市町村への現地視察をおおむね年1回行っている。
 引き続き、紛争審査会における審議や被災地の現地視察などによりまして、地元の不安ですとか、不信、それから、本当に不安や不満といった声にも十分に耳を傾けまして、賠償状況や被災地におけます実態の把握を通じまして、東京電力における賠償の状況をしっかりとフォローしていくことが重要であると。
 また、今後、原子力損害が発生した場合にも速やかに審査会を設置しまして、東電の福島原発事故時の対応と同様に、被災地の御意見を十分に伺いながら対応を行う必要があるというやり取りがございました。
 それから、同じ資料の8ページ目でございます。8ページ目の一番上の段の真ん中、杉尾委員のところでございます。ADRセンターのところにつきまして、既済件数が年々低下してきております。これは、どんどん解決していけば、件数としては低下していくわけですけれども、和解成立の割合が年々低下している一方で、取下げ、それから、和解の打切りが増えている。この原因について、文科省としてはどういうふうに分析されているかという御質問がありました。
 政府参考人からは、経年変化で見ると、ADRセンターの和解仲介手続が終了した案件のうち、打切りの件数の割合が増加していることが見て取れます。打切り件数の割合が増加傾向にあることにつきましては、平成30年3月に示されましたADRセンター活動状況報告書によれば、個々の事案により事情は多様であるため一概に述べることは難しいが、本件事故からの時の経過等に伴い、申し立てられる損害項目と本件事故との因果関係を認定することが難しい案件が増加していることもその一因になっているのではないかと考えられると。
 いずれにしても、ADRセンターにおきましては、手続が進行中の案件であって当事者の間で主張の隔たりがある場合には、仲介委員による和解案受諾勧告書の提示や口頭審理等を通じた説得など、和解の成立に向けて双方に対して累次にわたり要請を行い、できる限り丁寧な調整を進めることが重要と考えているというやり取りがございました。
 それから、15ページをお願いいたします。簡単に紹介いたします。15ページの下段、下から2段目でございますけれども、東京電力は、指針で示された以上の賠償に応じていないということから、中間指針を見直すべきと考えるけれども、いかがという御質問があり、大臣から、審査会では、直ちに中間指針の見直しを検討する状況にはないということが確認されておりますけれども、引き続き、審査会における審議ですとか、あるいは、被災地の現実視察などによって賠償状況や被災地における実態の把握を通じて、東京電力における賠償の状況をしっかりとフォローアップすることが重要であるというふうに考えていると。
 その上で、紛争審査会で御審議、御判断されることでありますけれども、当然のことながら、審査会が必要と認める場合には、適宜適切な指針の見直しについて検討されるものと考えておりますというやり取りがございました。
 済みません、少し長くなりましたが、以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいまの説明に対する御意見、御質問ございましたら、お出しください。よろしいですか。 それでは、この議題も以上とさせていただきます。
 最後が議題の8番、その他でございますけれども、事務局から、あるいは、委員から何かございますか。特にはよろしいですか。
 それでは、少し予定の時間を過ぎてしまいましたけれども、これをもちまして、本日の議事を終了とさせていただきます。長時間にわたり、熱心な御議論を賜りまして、誠にありがとうございます。今後も、審査会は、必要に応じて開催するとともに、適宜、賠償の状況を確認していきたいと考えておりますので、よろしく御協力のほどをお願いいたします。
 最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。



【山田原子力損害賠償対策室次長】  事務局でございます。次回の開催は、改めて御連絡させていただきます。
 また、議事録は、事務局でたたき台を作成させていただきまして、委員の皆様、あるいは、きょう御報告いただいた方にも確認の上、御了承いただいたものを次回開催までに文部科学省ホームページに掲載させていただくとともに、前回の議事録として配布させていただければと思っております。
 以上です。



【鎌田会長】  どうもありがとうございました。それでは、これをもちまして閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。



―― 了 ――


お問合せ先

研究開発局原子力損害賠償対策室

(研究開発局原子力損害賠償対策室)

-- 登録:平成31年04月 --