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原子力損害賠償紛争審査会(第48回) 議事録

1.日時

平成30年8月7日(火曜日)14時00分~16時00分

2.場所

全国都市会館 3階 第1会議室

3.議題

  1. 原子力損害賠償紛争審査会による現地視察結果について
  2. 特定復興再生拠点の整備状況について
  3. 避難指示解除後の現状について
  4. 東京電力ホールディングス株式会社による賠償の現状について
  5. 原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況について
  6. 地方公共団体等からの主な要望事項について
  7. その他

4.出席者

委員

鎌田会長、大塚会長代理、明石委員、甲斐委員、樫見委員、須藤委員、中田委員

文部科学省

新妻文部科学大臣政務官、佐伯研究開発局長、増子原子力損害賠償対策室長、大金原子力損害賠償対策室総括次長、山下原子力損害賠償対策室次長

オブザーバー

【説明者】
内田東京電力ホールディングス株式会社福島原子力補償相談室長、森口東京電力ホールディングス株式会社福島原子力補償相談室基準総括グループマネージャー、山下内閣府原子力被災者生活支援チーム参事官、古橋復興庁統括官付参事官、佐々木原子力損害賠償紛争和解仲介室(原子力損害賠償紛争解決センター)室長

5.議事録

【鎌田会長】  出席予定の委員の皆様、全員お集まりでいらっしゃいますので、ただいまより第48回原子力損害賠償紛争審査会を開催させていただきます。
 本日は、大変お忙しいところ御出席賜り、誠にありがとうございます。
 本日は、新妻文部科学大臣政務官に御出席いただいておりますので、新妻政務官から御挨拶を頂きたいと思います。
 政務官、よろしくお願いいたします。



【新妻文部科学大臣政務官】  開会に当たり、一言、御挨拶申し上げます。
 原子力損害賠償紛争審査会の委員の先生方におかれましては、指針に基づく賠償が着実に進むよう状況の御確認を頂いておりまして、特に7月24日から25日には、川俣町、飯舘村、双葉町、大熊町、葛尾村を御視察いただくなど、御尽力いただいていることに心より感謝を申し上げます。
 東京電力の福島原発の事故から7年4か月以上が経過いたしました。政府といたしましては、原子力災害からの福島の復興、再生を加速させ、政府一丸となって、一日も早い復興を目指して取り組んでいくこととしております。私としても、昨年9月の審査会に参加し、挨拶をさせていただきまして、また、被災地にも累次にわたり訪問させていただいておりまして、引き続き被災地の方々に寄り添い、原子力災害からの復興に向けて取り組んでいく所存です。審査会におかれましても、公平かつ適正な賠償が一層進むように、更なる御尽力をお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。



【鎌田会長】  どうもありがとうございました。
 新妻政務官におかれましては、公務のため、ここで御退席となります。どうもありがとうございました。



【新妻文部科学大臣政務官】  どうぞよろしくお願いします。



(新妻文部科学大臣政務官 退席)



【鎌田会長】  では、初めに、事務局より資料を確認していただきます。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  ありがとうございます。
 資料の確認前に、1点、事務局から御報告がございます。事務局内に異動がございましたので、紹介させていただきたいと思います。研究開発局原子力損害賠償対策室総括次長、7月27日付で着任しております大金伸光でございます。



【大金原子力損害賠償対策室総括次長】  大金でございます。よろしくお願い申し上げます。



【鎌田会長】  よろしくお願いします。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  それでは、お手元の資料、確認させていただきたいと思います。議事次第に加えまして、配付資料が資料1から資料6まで、資料4が枝番になってございますので、全部で7種類。あと、参考資料3種類。それに加えまして、机上にこれまでの審議の経緯等をまとめた紙ファイル、あるいは指針の方を置かせていただいてございます。資料の方、もし御不足等ございましたら、事務局の方におっしゃっていただければと思います。
 あと、本日でございますけれども、原子力損害賠償紛争審査会の組織等に関する政令第3条第2項に基づきまして、過半数以上の委員の皆様に御出席を頂いております。したがいまして、会議開催の要件を満たしておりますということを、あらかじめ御報告させていただきたいと思います。
 以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございます。
 それでは、審議に入ります。
 議題(1)原子力損害賠償紛争審査会による現地視察結果について、事務局より説明をしてもらいます。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  御紹介ありがとうございます。
 それでは、お手元に資料1を出していただけますでしょうか。原子力損害賠償紛争審査会による現地視察結果についてという資料でございます。
 日時につきましては、7月24日から7月25日、1泊2日でございました。
 目的、中間指針等に基づく賠償の実施状況を確認するため、被災地域の現場を視察するということでございます。
 視察いただきました委員の皆様は、鎌田先生、大塚先生、明石先生、樫見先生、中田先生の5名でございます。
 視察先は、24日が川俣町と飯舘村、25日が双葉町、大熊町、葛尾村でございました。それぞれの町、あるいは村におきまして、町長様、あるいは村長様との意見交換をさせていただいてございます。
 それに加えまして、川俣町におきましては、とんやの郷、カミノ製作所を視察させていただきまして、飯舘村におきましては、までい館、飯舘村立草野、飯樋、臼石小学校、及び飯舘中学校の視察をしていただきました。また、翌日でございますが、双葉町におきましては中間貯蔵施設と双葉駅周辺の視察、大熊町におきましては大熊駅周辺、大川原復興拠点地域等を視察いただきました。葛尾村では、かつらお胡蝶蘭合同会社、復興交流館の視察をさせていただいてございます。それに加えまして、南相馬市にございます小野田病院におきまして、院長先生等々との意見交換をしていただきました。
 具体的な行程は、次のページに地図がございます。こちらのとおりに視察をさせていただくとともに、その後ろに、それぞれの町、あるいは村からの要望書の方も付けさせていただいてございます。なお、この要望いただいた内容につきましては、こちらで紹介をさせていただくというより、後ほどの資料6にございます議題の方で併せて御紹介をさせていただければと思ってございます。
 報告は以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、御意見、御質問等がございましたら、お願いいたします。よろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、次に、議題(2)特定復興再生拠点の整備状況について、復興庁より説明をしていただきます。よろしくお願いします。



【古橋参事官】  復興庁の参事官の古橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、お手元の資料2、「帰還困難区域における特定復興再生拠点の整備」と書かれた紙を御覧願います。前回、前任の田中から、途中までの経過を御説明させていただいたところですけれども、若干、振り返りながら、その後の進捗を中心に御説明したいと存じます。
 福島特措法(福島復興再生特別措置法)でございますが、昨年5月に改正されまして、特定復興再生拠点が位置付けられたところでございます。帰還困難区域は、もともとは将来にわたって居住を制限するという区域でございますけれども、当該区域内に避難指示を解除して居住を可能とする特定復興再生拠点を定めまして、その区域の復興及び再生を推進するという計画制度が創設されたというものでございます。
 前回、1月の会議のときに、既に3町が認定されていたところでございます。同じ紙の双葉町、それから大熊町が、それぞれ昨年9月、11月に認定されておりまして、次のページの浪江町が昨年12月に認定されておりました。前回の会議が1月でございましたので、こちらのところまで説明させていただいたと認識しております。
 今年に入りまして、3月9日でございますが、富岡町が認定されております。区域の面積としましては約390ヘクタール、居住人口の目標は約1,600人ということでございまして、計画の中身につきましては、委員の先生方にも御覧いただいたと思いますけれども、桜並木が非常に有名な観光資源としてございますので、そういった観光資源を有効活用する。あるいは、国道6号等の沿道の商業を活性化する、さらには農用地を活用するといったような計画の内容になってございます。平成31年度末頃にJR常磐線の夜ノ森駅が再び開業する予定になっておりますので、そちらに合わせまして、平成31年度末頃までに夜ノ森駅周辺の一部区域については解除しまして、最終的には平成35年春頃までに、この特定区域全域を解除したいという計画内容になってございます。
 その後、左下でございますが、飯舘村が4月20日に認定されてございます。区域の面積は約186ヘクタール、居住人口の目的は約180人ということで、こじんまりとした区域でございますが、農用地等の利活用を図っていくというような計画内容になってございます。避難指示解除の目標としましては、整備が完了した区域から先行して解除していくということでございますが、平成35年春に全域の解除を目標としてございます。
 続きまして、葛尾村でございますが、5月11日に認定されたところでございます。こちらは区域の面積が約95ヘクタール、居住人口としましては約80人を目標といたしております。農業再生ゾーンにおきまして、農業、畜産の再生を図るといったことを中心的な内容としております。避難指示解除の目標は、平成34年の春ということでございます。
 おめくりいただきまして、計画の内容は以上でございますけれども、現在の進捗状況を若干、御説明させていただきます。
 上の方から、双葉町でございますが、一番最初に解体・除染の所を御覧いただきますと、復興シンボル軸、これは復興再生拠点を東西に貫く剣道でございますが昨年中に着工しております。今年の2月に、駅の東地区の解体・除染に着工したところでございます。さらに、施設整備等の方を御覧いただきますと、双葉駅の西側地区で一団地のまちづくり事業ということで、復興再生拠点市街地形成施設の整備が始まったところでございます。資料にございますように、3月30日に都市計画決定されまして、更に7月31日には事業認可を得たところでございます。それから、ちょうど昨日でございますけれども、JR常磐線の双葉駅の着工式があったところでございます。双葉駅を橋上化しまして、自由通路を造って東西が自由に行き来できるようにするというような事業でございます。町とJRが施行するということでございまして、昨日、着工式がございました。
 大熊町につきましては、御視察も頂いたところだと思いますが、下野上西地区におきまして解体・除染に3月9日から着工しているところでございます。
 浪江町につきましては、津島地区、前のページを御覧いただきますと、浪江町の中の一番西の方の地区でございますけれども、こちらの解体・除染に5月に着工したところでございます。
 さらに、富岡町につきましては、夜ノ森駅周辺の解体・除染に7月6日に着工したところということで、認定された6町村につきまして順調に事業が進捗しているという状況でございます。
 私からの報告は以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、御質問、御意見等がございましたら、お願いいたします。よろしいですか。どうもありがとうございました。



【古橋参事官】  ありがとうございました。



【鎌田会長】  次に、議題(3)避難指示解除後の現状について、内閣府原子力被災者生活支援チームより説明をお願いいたします。



【山下参事官】  支援チームでございます。お手元、資料3を御覧ください。
 めくって、右下のページで2ページ目でございます。既に御案内のことではございますが、平成29年春までに、大熊町、双葉町を除き、全ての居住制限区域、避難指示解除準備区域で解除が行われているところでございます。
 この1年の動きとしましては、3つ目の箱になりますが、大川原、中屋敷地区、これらは大熊町にございますが、避難指示の解除に向けた準備宿泊が今年の4月から始まっているところでございます。
 特定復興拠点につきましては、今、復興庁から御説明があったとおりでございますが、全ての計画を策定した町、村におきまして認定が終了しておりまして、解除に向けた取組が始まっているところでございます。
 右下、3ページ目でございます。避難指示が区域設定された時点と、解除された時点のそれぞれの避難対象者数と面積を書いております。約8.1万人が約2.4万人に減っております。また、面積的には、約1,150キロ平米から約370キロ平米に縮小しているところでございます。
 めくりまして、4ページ目以降は各町における解除の状況、復興に向けた取組を例示列挙しているものでございます。ここでは全部御紹介する時間がございませんので、かいつまんで御紹介することとしますと、まず、そのページの左下、楢葉町、下に商業施設等とございますが、今年の6月に「笑ふるタウンならは」が開業しております。医療、福祉、商業、交流施設が集積した拠点となっております。また、その右、「Jヴィレッジ」でございますが、先月に一部再開をしております。平成31年4月に全面再開の予定でございまして、また、再開に合わせまして、常磐線の新しい駅が整備される予定となっております。楢葉町につきましては、居住率が先月の時点で5割近くに達しているという状況でございます。
 めくりまして、5ページ目、左上、葛尾村でございます。まず、教育としましては、今年の4月に幼稚園、小・中学校が再開しております。また、公的施設としましては、6月に復興交流館、コミュニティーセンターみたいなものでございますが、「あぜりあ」が開館しているところでございます。
 右、南相馬市でございます。商業施設が、小高区におきまして本年、完成予定でございます。また、右、産業につきましては、先月からロボットテストフィールドの一部が開所しているところでございます。
 飯舘村につきましては、同じく今年の4月にこども園、小・中学校が再開しております。また、昨年の8月になりますが、「道の駅 までい館」が開業しているところでございます。
 川俣町につきましては、今年の4月から小学校、中学校が再開しております。
 めくって、6ページ目を御覧ください。浪江町につきましては、やはり今年の4月からこども園、それから小・中学校が開校したところでございます。また、南相馬市と同様にロボットテストフィールド、それから浪江につきましては水素製造拠点を建設するところでございまして、平成32年度中の完成を目指しているところでございます。
 富岡町につきましては、「さくらモール」、去年の3月に全面開業したところでございます。今年の6月下旬の時点で、来場者数が100万人を突破した状況でございます。教育につきましても、今年の4月、小学校、中学校が再開しております。また、医療としましては、今年の4月に、2次医療施設としまして「ふたば医療センター」が開院しているところでございます。内科と救急科がございます。
 大熊町と双葉町につきましては、依然、全域帰還ができない状況でございますが、そうした中でもやはり復興に向けた取組が一つ一つ進んでいるところでございます。
 まず、大熊町につきましては、左でございますが、去年の9月から大川原地区の整備を開始しております。今年中に役場の新庁舎の完成を目指しておりますし、また、公営住宅、商業施設等も予定されているところでございます。それから、帰還困難区域の特定復興拠点の一部先行解除に合わせる形で、駅周辺を整備することとなっております。交通につきましては、大熊インターチェンジの今年度末頃の供用開始を目指しております。
 双葉町につきましては、まず中野地区でございますが、今年の1月に整備を開始しております。今年度中に、造成地の一部の供与を開始することとしておりまして、企業が進出し、雇用が創出されることが期待されているところでございます。また、大熊町と同じように、駅周辺の一部を先行解除することとなっております。先ほど復興庁から御説明ありましたように、駅の橋上化が予定されているところでございます。さらには、交通としまして、双葉インターチェンジ、これは平成31年度末の供用を目指しているところでございます。
 めくって、7ページ目でございます。道路につきましては、左下の図を御覧いただければと思います。既に、平成27年3月には常磐自動車道が全面開通しております。また、平成26年9月には国道6号線が全線開通しているところでございますが、新たな動きとしましては、まず、平成29年9月、国道114号線の帰還困難区域自由通行が開始されております。また、今年に入りまして、県道50号線でございますが、4月に自由通行が始まっております。これは、葛尾と国道114号線を結ぶ区間でございます。それから、今月の2日でございますが、幾つかの線につきまして更に自由通行化が進んでおります。例えば、左上の方に国道459号線、あるいは右下の方になりますが、県道35号線の一部、あるいは国道399号線の一部、こういったところの自由通行化が始まっているところでございます。
 また、右側、鉄道でございますが、浪江-富岡間が平成31年度末までの開通を目指すことになっております。
 1枚おめくりください。福島相双復興推進機構(官民合同チーム)に関してでございます。右下の箱を御覧いただきますと、4つの支部がございますが、今年の4月になりまして、新たに南相馬支部の浪江事務所、いわき支部の富岡事務所が立ち上がりまして、復興の支援によりきめ細かく当たろうとしているところでございます。
 次のページを御覧ください。これまでの再建支援の実績でございます。平成27年8月に官民合同チームは創設されたわけでございますが、以来、約5,100者の事業者を個別訪問しております。このうち、官民合同チームが直接、支援に入ることにより事業再開したケースも多々ございます。2つ目の丸の下2行でございますが、休業中であったものが事業再開にこぎつけた例としまして約170者、それから移転先で再開していたのが帰還して再開するに至ったのが約110者と、こういった支援状況になっております。コンサルティング活動としましては、1,031事業者を訪問しております。また、自立支援策としましても、例えば人材確保支援としまして約550者への支援を行いまして、520名の入社を導いているところでございます。
 次のページを御覧いただきますと、今、申し上げたのは個者、個別事業者の支援、いわゆる点の支援とすれば、さらに官民合同チームは面的な支援も新たに始めるところでございます。下の真ん中の支援例という箱を御覧いただきますと、例えば市町村が立ち上げるまちづくり会社の設立を支援するであるとか、企業誘致の戦略を支援する。あるいは、公共施設、例えば公設商業施設の開業の支援をしたり、その運営を管理する計画の策定を支援する。さらには、観光戦略、例えば交流人口の拡大について支援を行う。こういった面的な支援も、官民合同チームは始めているところでございます。既に11市町村について支援を行っておりまして、来月9月からは飯舘村においても開始することとなっております。
 最後のページでございます。営農再開につきましても、平成29年4月から訪問を開始しておりまして、既に1,289者を訪問中といった状況になっております。
 支援チームからは以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。はい、大塚会長代理、どうぞ。



【大塚会長代理】  官民合同チームによるきめ細かい支援をしていただいていて、大変よいことだと思いますが、これは予算はどのぐらい使われているかというのを教えていただきたいんですが。



【山下参事官】  いろいろな事業がございまして、一例を挙げますと人材マッチングなどを行っております。こういった人材確保支援事業であれば5億円という数字がございます。あるいは、産業の6次化という支援を行っておりまして、そういったものであると大体3.7億円とか、こういった数字が出ております。一番大きいのは、やはり事業再開支援ということでございまして、これは基金の形式でございますが、平成27年度補正予算額としましては72億円といった予算を確保しているところでございます。
 その他、個別にお知りになりたいところがございましたら、後で御説明させていただきます。



【鎌田会長】  よろしいですか。



【大塚会長代理】  先ほどの特定復興再生拠点のことも伺ってもよろしいですか。



【鎌田会長】  はい。では、復興庁さん。



【大塚会長代理】  すみません。先ほど聞けばよかったので、申し訳ないんですけれども、町村、県、国が一体となった推進会議というのは、どのぐらいの頻度で開催されているか教えていただけますでしょうか。



【古橋参事官】  資料を御覧いただきますと、この横表になった資料ですけれども、こちらの左から2つ目の欄に推進会議という欄がございまして、それぞれの町において開催した実績が入ってございます。多いところで3回、最近、認定された飯舘、葛尾ではそれぞれ1回ずつ開催されたところでございます。



【大塚会長代理】  ありがとうございます。



【鎌田会長】  ほかにはいかがでしょうか。甲斐委員、どうぞ。



【甲斐委員】  今の特定復興再生拠点の件なんですけれども、浪江町の場合、2か所、復興再生拠点が設定されているんですけれども、津島地区はちょっと離れているわけですけれども、この辺の設定の経緯というのは、どのような考え方で作られたのか御説明いただければと思うんですが。



【古橋参事官】  浪江町につきましては、地区としては、実は室原地区、末森地区、津島地区ということで3つの地区になってございます。室原、末森の方は、南北にくっついておりますので、1つに見えます。平成の合併ではなくて昭和の大合併のときに、合併前のそれぞれの町村の中心地区だった場所という経緯がございまして、それぞれ町の中での拠点性がありますので、そういった所を今回の特定拠点でも選定したということを聞いております。



【甲斐委員】  分かりました。



【鎌田会長】  はい、山下参事官、どうぞ。



【山下参事官】  すみません、補足でございます。先ほど大塚先生からの御質問、もう少しお答えしますと、いわゆる自立支援策としまして、いろいろなメニューを持っているところでございますが、例えばそういったものを全部トータルしますと、平成27年度補正予算だけでも228億円、これは基金形式でございます。また、それ以降の当初予算、あるいは補正予算等でもお金は付いていると、こういった状況でございます。補足させていただきました。



【鎌田会長】  はい、明石委員、どうぞ。



【明石委員】  明石でございます。先ほどの営農再開の取組みのところで、農業者からの声というところで、除染したけれども、まだ放射線量が高いとか、こんな所があって、販路というか、福島の農産物を売るために、実際、いろいろ測定されていても売れないとかいうところがあります。こういう線量が高いとかいうのが出てきたとか、農地でも更に除染するようなシステムがあるんでしょうか。



【山下参事官】  営農再開に当たりましては、いろいろ農地の整備等を行うことになります。その中で、そういったことも併せて検討されると認識しております。



【鎌田会長】  よろしいですか。ほかには。はい、中田委員、どうぞ。



【中田委員】  中田でございます。ただいまの営農再開について重ねてお伺いしたいと思います。もう一つの事業の支援については具体的な数字で、目に見える成果が出ているわけですが、営農については分析やヒアリングということが中心になっていると思うんですけれども、この後の具体的な協力の仕方というのはどういうことを考えておられますでしょうか。



【山下参事官】  営農再開に関しましては、まさにこれから、商工業がこれまで先行してきたという経緯もございますので、取組を加速していくという基本的な方針の下で進めていくと聞いております。



【鎌田会長】  よろしいですか。



【中田委員】  はい、ありがとうございました。



【鎌田会長】  ほかにはいかがでしょうか。よろしければ、次に進ませていただきます。どうもありがとうございました。
 議題(4)東京電力ホールディングス株式会社による賠償の現状について、東京電力ホールディングス株式会社より御説明を頂きます。よろしくお願いいたします。



【内田室長】  東京電力ホールディングス福島原子力補償相談室長をしております内田と申します。本年4月から着任しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は、賠償の状況につきまして御報告する機会を頂きまして、誠にありがとうございます。
 弊社の原子力発電所の事故から7年5か月近くが経ちましたが、今なお、多くの皆様に御迷惑と御心配をお掛けしておりますことを、この場をお借りしまして改めておわび申し上げたいと思います。弊社といたしましては、福島復興の責任を最後まで果たすべく、最大限努力してまいる所存ですので、引き続き御指導のほどよろしくお願いします。
 それでは、資料の説明に入らせていただきます。



【鎌田会長】  どうぞ、御着席ください。



【内田室長】  これより着席して。失礼いたします。
 まず、資料4-1、原子力損害賠償のお支払い状況等について、御説明させていただきます。
 1ページ目についてでございますが、賠償金のお支払実績をまとめてございます。中ほどの所にお支払い総額とございますけれども、6月末時点の総額で8兆3,051億円のお支払をしているという状況でございます。なお、資料にはちょっと間に合ってございませんが、直近ですと7月27日時点で8兆3,279億円ということで、6月末に比べますと228億円の増加というような状況になってございます。
 下のグラフでございますけれども、賠償のお支払額の推移を表してございます。最近は、個人の賠償の伸びが比較的緩やかなのに比べまして、法人、個人事業主などの伸びが大きくなっております。真ん中の白い部分でございますけれども、これは除染等の費用が大きく増加している影響でございまして、これを法人事業主などの項目に計上しているために、このような状況になっているところでございます。
 続きまして、2ページ目を御覧いただきたいと思います。一番上でございますけれども、2017年1月以降の農林業の賠償実績について記載しております。避難指示区域内の農林業者様への賠償につきましては、2016年12月にプレスリリースをし、翌年1月から御案内させていただいておりますが、本年6月末時点における賠償実績として、約9,000件、390億円のお支払をしているところでございます。
 なお、避難指示区域外の農林業者様への賠償方式につきましては、昨年末にJAグループ福島県協議会様と大枠で合意に至りましたが、現在、2019年1月からの導入に向けて、継続検討項目である基準単価の変更や価格変動係数の導入などについて、今現在、協議をさせていただいているところでございます。
 弊社といたしましては、来年1月からの導入に向け、生産者様に御迷惑をお掛けしないよう、できるだけ早期に合意したいと考えております。また、損害のある限り、賠償するという方針の下、引き続き真摯に対応してまいりたいと考えております。
 続きまして、2つ目の所でございますが、原子力損害賠償請求訴訟等の状況を記載してございます。6月末の時点で、送達件数が457件、うち終了が284件となっております。したがいまして、現在、係属中が173件でございまして、この1年間を見ますと、月平均4件程度が提訴されているということになります。
 これ以降は参考としまして、これまで同様でございますけれども、個人の方に対する賠償の合意状況、3ページ目でございますけれども、原子力損害賠償に向けた組織体制、それから賠償項目別の合意金額の状況について掲載しておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
 続きまして、資料4-2、公共財物の賠償に関する基本的な考え方についてという資料につきまして、御説明させていただきます。
 地方公共団体様が所有する財物、いわゆる公共財物の賠償につきましては、前回、前々回の審査会で取りまとめていただきました考え方を基に、関係地方公共団体様の御意見を伺った上で、弊社としての基本的な考え方を本年3月末に関係する地方公共団体様に御案内しており、4月から御請求の受付を開始しているところでございます。
 弊社の基本的な考え方については、前回、審査会でお示しいたしました内容に変更はございませんが、いま一度、御説明させていただきます。
 まず、1.不動産に関する賠償の基本的な考え方でございますが、避難指示による一定期間の利用阻害により、行政的な利用による利益を享受ないし提供することができなかったことを損害とみなして、本件事故発生時点の時価相当額を基に、避難指示期間に応じた使用料相当額を賠償させていただきます。
 その際、使用料相当額の算定に当たっては、各地方公共団体様の行政財産使用料条例を参考にさせていただきたいと考えておりますが、賠償項目等の詳細は(2)に記載しているとおりでございます。
 なお、いまだ避難指示が解除されていない地域内の土地及び建物、工作物につきましては、全損として時価相当額を賠償させていただきたいと考えております。
 次に、2ページ目でございますが、2.動産に関する賠償の基本的な考え方でございます。地方公共団体様が避難指示区域内に所有され、持ち出されていない動産については、避難指示による一定期間の管理不能により、その価値が減少した部分を損害として賠償させていただきたいと考えております。賠償項目等の詳細につきましては、資料の(2)の所の表の記載のとおりでございます。
 また、3.その他にございますが、将来的な利用再開の見込みが当面立たず、減少した行政的な利用価値の回復が見込まれない場合、あるいは避難指示が解除される前に公共財物について早期に本格的な利用が再開できるようにするために行った準備作業等に要した費用のような、一律の考え方による賠償が必ずしも適当でない損害につきましては、個別に御事情をお伺いし、必要かつ合理的な範囲で適切に対応してまいりたいと考えております。
 これらを踏まえまして、4月より御請求の受付を開始させていただいているところでありますが、現在、関係する地方公共団体様から個別の財物に関する御事情や御要望を伺いながら、具体的な御請求方法などを御説明しつつ、鋭意、対応させていただいているところでございます。
 今後、地方公共団体様において御請求に向けた諸準備が調い次第、御請求を頂き、順次、お支払に向けて対応させていただくことになるかと思いますが、弊社といたしましては、早期のお支払に向けて迅速かつ適切に対応してまいりたいと考えております。
 私からの御説明は以上です。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。



【樫見委員】  よろしいですか。



【鎌田会長】  はい、どうぞ。



【樫見委員】  今、基本的な考え方の御説明を頂いたところですが、既に地方公共団体の方から具体的な請求が上っているのかどうか。仮に上ってきた場合、それに対する回答については、もちろん相手方の請求内容にもよるかと思いますけれども、どのくらいの期間でそれに対する一定の回答をなさる御方針なのか。もし、一応の基準等ございましたら、お伺いいたします。



【内田室長】  ありがとうございます。現在、まだ各地方公共団体様におきまして御請求の準備をされているというところが大半でございまして、本格的な御請求を頂くのはこれからかなと考えております。それから、御請求いただいた場合にどのぐらい掛かるかというところは、これはそれぞれ分量とか、あるいは御用意いただく証票の準備具合とか、いろいろ状況によって変わってくるかと思いますので、今のところ想定というのも持ち合わせていないんですが、できる限り迅速に、丁寧に対応していきたいと考えているところでございます。



【鎌田会長】  ほかにはいかがでしょうか。大塚会長代理、どうぞ。



【大塚会長代理】  今の発表自体には直接関係しないんですけれども、今回、現地視察をさせていただいて、幾つかの所で、やはり当時、緊急事態だったので、証拠があまり残っていないようなときに、申請をしてもあまり認めていただけないようなことが苦情として結構出てきてはいるんですけれども、中間指針においても証拠に関しては、そういう緊急事態だったということを含めて、必要、合理的な対応をしていただくようにお願いしているところでございますので、そのように是非お願いしたいということを申し上げておきたいと思います。



【内田室長】  申し訳ございません、私どもも当然、そういったところは念頭に置いて、今までも対応してきたところでございますが、やはり御請求様によってはそういった御不満を持たれている点も、もしかしたらあるかなと思いますが、極力、特に事故直後のところにつきましては、なるべく定型的な、あるいは損害を推認する形で定型的にお支払いしていくというところを今まで心掛けてきたところでございます。それでも、まだ不十分なところがあるかもしれませんので、その点につきましては適切に対応してまいりたいと考えております。



【大塚会長代理】  具体的には幾つかあるんですけれども、あまり具体的にここで申し上げるのは適当かどうか分かりませんが、例えば病院とかで、そこの地域での中核的な病院がとても経営できないというようなことになってくると、多分、すごく大きな影響が出てくるかもしれません。これは復興の問題でもあるんですけれども、賠償の問題もあるので、迅速な対応をお願いしたいということでございます。



【内田室長】  帰還、若しくは町の再生に当たって必要な、いろいろなインフラ的な設備やら事業というところは、当然、その辺を念頭に、賠償についても検討していきたいと考えております。



【鎌田会長】  はい、中田委員、どうぞ。



【中田委員】  ただいまの大塚会長代理の御発言とも関連するのですけれども、現地視察の折などに、原子力損害賠償紛争解決センターの和解案との関係で、近年、やや消極的な姿勢が見受けられるというようなことも伺ってございますが、そういった御認識、あるいは何かお考えがございますでしょうか。個別の問題というよりも、全体についてどのようにお考えかということを承れればと存じます。



【内田室長】  弊社、和解仲介案の尊重ということを、3つのお約束の1つとして掲げておりまして、センターの和解案につきまして、迅速に、的確に対応して、早期の被害の救済を図るという趣旨で対応しているところについては、いささかも変わりはございません。ただ、幾つかにおきましては、総合的にいろいろ勘案した結果、受諾が困難だということをお答えしている事案があることは事実でございます。この場では詳細については、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、引き続きADRセンターの和解案に対しましても真摯に対応してまいりたいと考えております。



【鎌田会長】  よろしいですか。どうぞ。



【中田委員】  中立、公正な御立場の仲介委員が御提案をされているわけでございますので、このセンターが設けられた趣旨に立ち返りまして、是非、真摯に受け止めていただければと存じます。



【内田室長】  承知いたしました。



【鎌田会長】  ほかにはいかがでしょうか。この後、議題(6)で、現地視察の際に提出されました地方公共団体等からの主な要望事項についても御紹介申し上げますので、そこでの要望事項等につきましても、できるだけ迅速かつ適正な賠償が進められるように御考慮いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 ほかに。よろしいでしょうか。それでは、先に進ませていただきます。どうもありがとうございました。
 次に、議題(5)原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況について、原子力損害賠償紛争解決センターより御説明いただきます。よろしくお願いいたします。



【佐々木室長】  センターの室長の佐々木と申します。
 資料5を1枚めくっていただいて、1ページ目をごらんいただければと思うんですけれども、以降、説明していく数字につきましては平成30年上半期の速報値になりますので、速報値であることを御了解賜ればと思っております。
 そして、1ページ目の数字、センターの人員体制でございますけれども、上半期の末で、6月30日で仲介委員は276名、調査官は167名、和解仲介室の職員は132名となっております。そして、調査官については、申立件数が減っていることなども踏まえて自然減に任せておりまして、昨年末から14名減っているということになっております。今後、申立件数の推移を見ながら、規模等をどのように取り計らっていくかということを考えていきたいと思います。
 次に、2ページ目をごらんいただきまして、申立件数の推移でございますけれども、本年6月末までの申立件数の総数は2万3,858件、申立人数、これは個人、法人合わせてですけれども、総数は11万255人となっております。ただ、平成26年をピークとした申立件数の減少傾向は、今年、平成30年に入っても継続して、どんどん減っている状況であります。具体的な数字についての御説明は、次の3ページ目をごらんいただければと思います。
 ここの中の一番右側になるんですけれども、今年の上半期の新受の件数は643件ということになっております。ただ、数字は留保が付いておりまして、審理の途中で事件の一部を分離したものを立件しており、かぶっているところがあります。5件かぶっておりますので、それを引いていただいた638件が実数というか、実態の数になります。
 この分離された事案は、全て後で御説明申し上げますけれども、飯舘村の住民の集団申立ての関係で、精神損害についてはもう先が動かなくなったので打ち切る、それ以外の損害については、なお和解の仲介が可能であろうということで、行き先がちょっと違ってきたため分離させていただく、そういう操作の結果、こういうふうになっております。
 それから、昨年や一昨年上半期の数字は書いてはいないんですけれども、昨年、29年の上半期の申立件数は1,094件でございました。一昨年の上半期、28年の上半期は1,677件でございましたので、上半期だけ比べても、一昨年から昨年、35%減って、さらに41%減っている形になります。
 申立人数につきましては、4,406名、昨年1年間よりも増加している数字になってはいるんですが、これは先ほど申し上げました飯舘村のところで分離して、新しい事件として一部計上している形で、こういうふうになっております。分離分の5件の申立て、具体的な人数となりますと3,202名になります。ですから、これを引いていただいた1,137名が実質的な申立人数になります。そうしますと、昨年29年の上半期の人数が2,266名ですので、この1,137名は約半分という数字になっております。
 引き続き4ページ目をごらんいただければと思うんですけれども、申立ていただいた案件のうち、初めてセンターを利用するという申立ての方と2回目、3回目の利用になられる方の割合がどういうふうになっているのかを見たものでございますけれども、初回申立ての方は42.6%、2回目、3回目以降の複数回の申し立ての方は57.4%と、何回も御利用いただいている方が過半数を超えて、徐々に割合が増えている形になっております。そして、全体としては、複数回申立ての割合が増えているんですけれども、件数自体は全体の縮小傾向もあり減っているということになります。
 次に、5ページ目の和解仲介の状況をごらんいただければと思うんですけれども、6月の末までで2万2,320件が和解仲介手続を終えてございます。これは、これまで申し立てられました累計事件数の93.6%に相当しております。終了した事件のうち81.3%に当たる1万8,157件が和解によって終了している形になっております。そして、6月末現在、現在進行中の件数、いわゆる未済件数は1,538件となっており、平成27年以降、着実に既済としてきております。この半年間で278件減少しているという形になります。
 続きまして、6ページ目のところをごらんいただければと思うんですが、終局の状況がどういうふうになっているのかというものを見たものでございますけれども、平成30年上半期の手続が終了した件数は921件。これは、申立件数自体が減少傾向にありますので、やはり入力が減れば出力も減ってくるという形になっております。ちなみに、去年上半期は1,166件終局しておりましたので、減っているという形になります。
 そして、今度は既済件数のうち和解成立で終了した案件がどのぐらいかというと、610件ということになります。既済全体に占める割合は66.2%になります。昨年が74.2%、一昨年が81%ですので、年々和解成立率は減ってきている形になります。ただ、トータルでは、先ほど申し上げたように、81%はキープしていることになります。和解が減っているということは、裏を返せば、打ち切りと取り下げが増えてきていることになっており、これは率が徐々に徐々に拡大してきております。
 未済件数の方に行きますと、平成27年以降、着実に減少しておりまして、先ほど申し上げたように、6月末で1,538件になっており、またさらに減る可能性があるというか、減らしていけると考えております。
 7ページ目をごらんいただきますと、先ほど、和解が成立しないものとして打ち切りと取り下げがあるという話を申し上げたんですけれども、打ち切りになったものは、一体どういう理由で打ち切りになっているのかを明らかにするものが、この表になります。30年上半期に打ち切りになったのが133件ございまして、そのうち、申立人の請求権を認定できないということで打ち切りになったものが一番多くて81件、約6割を占めることになっております。
 世間でよく言われるんですけれども、東京電力の関係で打ち切りとなった件数は、上半期で20件、うち4件は東京電力社員又はその家族からの申立てであります。その他に関しては、次のページ以降の資料で説明することにさせていただきます。
 なお、「その他」というところがありますけれども、その他の中には、和解仲介手続と関連訴訟がともに係属、同じ主体について係属しておりまして、そして、請求内容と訴訟物が重複しているために、どういうふうに取り扱うのかが問題になりまして、東京電力の方で関連訴訟の判決が確定するまでの間、和解の諾否、のむのか、のまないのか自体を保留する対応を取られたことによって、和解仲介の実現が困難になったということで、1件打ち切らせていただいております。
 そして、今度は8ページ目をごらんいただければと思うんですけれども、8ページ目から10ページ目まで5つの事例を記載しておりますけれども、いずれも和解成立に至らなかった事例で、集団申立ての案件になります。8ページから9ページのものは、平成30年上半期に被申立人である東京電力が和解案の受諾を拒否したことなどから和解打ち切りになった事案でございます。
 8ページ目の最初の事案Aは、浪江町の住民の方々が集団で申し立てた事案でありまして、同じページの下の方の事案Bは飯舘村の蕨平行政区の住民の方々、9ページの事案Cというのは、同じ飯舘村の比曽行政区の住民の方々、下の事案Dは同じく飯舘村の前田・八和木の行政区の住民の方々がそれぞれ集団で申立てを行った事案になります。
 5つの事例とは申し上げたんですけれども、浪江町の住民の方々が集団で申し立てた案件は事件数としては6件ありまして、1つのグループで実際は6件という数字になります。件数上は6件の打ち切りとなってございます。
 飯舘村の住民の方々の申立ても同様に、1つのグループではあるんですけれども、複数の申し立てが入っていることがありまして、蕨平行政区の住民の方々については2件、比曽行政区の住民の方々については6件、前田・八和木の方は1件だったので、合わせて9件になっております。
 10ページ目の事案Eは、7月に入ってからですけれども、飯舘村の特定の行政区ではない方々の住民約3,000人の方々が集団で申し立てた事案になります。
 そして、打ち切った理由でございますけれども、事案Aの浪江町の住民の方々が集団で申し立てた事案については、仲介委員が精神的損害の賠償として、中間指針等が定める慰謝料に加算して、申立人全員に月額5万円、これに加えて、75歳以上の申立人にさらに月額3万円の賠償を認める和解案を提示したんですけれども、被申立人から、この和解案の受諾が困難である、拒否ということになりまして、和解案の提示理由補充書あるいは勧告書等を提出して説得には努めましたけれども、やはり全面受諾の回答は得られなくて、双方の当事者からも、これ以上の審理はなかなかという話になりましたので、打ち切りになったものであります。
 事案BからEまでの飯舘村の各行政区の住民や飯舘村の全域の住民の方々が、それぞれ集団で申し立てた事案につきましては、いずれも放射線に被曝して、健康被害の不安や恐怖感が生じているとして精神的損害の賠償を求めたもので、これにつきまして、仲介委員は、例えば、蕨平行政区の住民の方々の集団申立てにつきましては、妊婦又は子供は1人100万円、それ以外の方については1人50万円の賠償を認める和解案を提示するなど、それぞれの事情を踏まえた和解案を提示したのでありますが、やはり和解案が受諾できないことになりまして、提示理由書の補充書などを提出して説得に努めましたが奏功しなかったということで打ち切りになっております。
 これらの5つの事例につきましては、今説明した内容も含めまして、いずれも文科省のホームページにおいて、提示した和解案等も含めて公表しております。なお、これら公表した案件以外にも、被申立人が、東京電力ですけれども、和解案の受諾を拒否したことから打ち切りになった事案が6月末時点で他に1件ございます。
 次は11ページ目をごらんいただければと思うんですけれども、福島の事務所・各支所の状況でございますが、これは昨年末から特段の変更はございません。そして、12ページ目、センターの広報活動等の話でございますけれども、従来より関係団体や関係地方公共団体と連携、協力しつつ、これらが主催する説明会などで説明を行ってきたところであります。東日本大震災による福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害に係る賠償請求権につきましては、時効が、民法724条の前段につきましては特例法で10年になっておりますが、論理的にはその10年が近付いてきているということでありますので、平成33年3月には漏れている人がないように、賠償請求ができるにも関わらず、いまだ賠償請求されてない方がないようにということを念頭に置きつつ広報活動を強化しています。平成30年上半期におきましては、例えば、愛知やいわきにおいて、関係団体主催により開催された説明会において、センターの概要、申立方法などについて説明をさせていただいております。
 大体これが資料の中身の説明でございますが、あと、もう一つ補足させておいていただきたいということで、今言った数字の動向に今後影響してくるであろうと思われることなんですけれども、事件の内容がかなり変化してきています。原発の事故がありましてからかなり期間がたっていて、復興の施策等も様々なものが打たれておりまして、そうしますと、個人においても企業においても、それぞれの事情はいろいろ変化してきております。そうしますと、例えば、避難の慰謝料を考えますと、避難の合理性だとか、あるいは就労不能ならば、なぜ就労不能なのかとか、企業であれば、風評がなぜその地域にあるのか、その場所で、今、どの程度あるのか、あるいは合理的な損害回避措置がどういうふうに取られているのか、それから、例えば、メインの企業が左前になったので影響を受けて減収になっているといったもの、今挙げたものなどについてはかなり詳細な具体的な事情、個別事情を審理しないと、和解案を出していいのかどうか、あるいは、出せるとして、どの程度の金額の和解案を提示していいのかが判定が付かないといったことになってきておりまして、そういうものが、センターの今、係属している事件の中でかなりのボリュームを占めてきています。
 そうしますと、従前のように、事故が近い時点であれば、風評があるということがアプリオリに近い形で認定できていて、了解を得られたものが、個別の事情を踏まえながらどうかということを考えていかなければいけない。そういうようなことに、事件の様相が変わってきているということを併せて申し上げさせていただければと。
 そうしますと、1件当たりの調査官、仲介委員の手持ち案件、件数は減少しているんですけれども、1件1件の手間はかなり増大しているので、その辺、先ほどの人数計画とかについてもどのように配慮して考えていくのか、悩ましい問題が生じてきているということを補足させていただきたいと思います。
 以上でございます。



【鎌田会長】  どうもありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について御質問あるいは御意見等ございましたら、お願いいたします。



【大塚会長代理】  先ほどのお話にもあったように、集団申立ての事件が注目されるようになっていると思うんですけれども、6ページの和解の成立とか打ち切りのパーセンテージとの関係で言うと、集団申立てについて、やはり成立数が少ないということになるんでしょうか。その辺の傾向を教えていただければと思います。



【佐々木室長】  一部成立しているものも、かつてございまして、今成立しないで打ち切ったものもありますし、なお、和解案を出す前提としての審理をしているもの、あるいは出した後に調整をしているもの、様々ありまして、もう少し帰結を、時間を置いて見てみないと、どうだという決め打ちの感想も分析もなかなか難しくて、むしろ東京電力にどうしていくのか聞いていただいた方が、より正確な情報になるのかとは思いますが。



【大塚会長代理】  ありがとうございます。



【鎌田会長】  ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。よろしければ、次に移らせていただきます。どうもありがとうございました。
 次に、議題の6番でございます。地方公共団体等からの主な要望事項について、事務局より説明をお願いいたします。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  ありがとうございます。それでは、資料6に基づきまして御説明申し上げたいと思います。資料6をお手元に、2枚紙でございますけれども、置いていただければと思います。
 ここに掲載されてございます内容につきましては、昨年1月に開催させていただきました第47回紛争審査会以降に、紛争審査会の先生方あるいは文部科学省に対してお受けいたしました、地方公共団体や各種団体等から頂きました御要望の内容に関しまして、主なものを列挙させていただいたものでございます。
 また、会長からも先ほどございましたけれども、資料1におきまして御紹介申し上げた現地視察においての御要望内容というものも、こちらに盛り込ませていただいてございます。これらへの対応につきまして、紛争審査会における御審議等を踏まえまして、事務局である文部科学省において対応させていただいておるところでございますけれども、その際の応答ぶりの概要につきましても併せて御紹介させていただきたいと思います。それでは、各項目、順に御説明をさせていただければと思います。
 まず、1ポツ「避難者等への賠償」でございます。「避難指示区域内はもとより、区域外も含め、被災地の実情に応じた中間指針の適時・的確な見直しを行うこと」、こちらの御要望につきましては、今般の事故による原子力損害につきましては、避難を余儀なくされた被害者等を迅速・公平かつ適正に救済するため、一律に賠償すべき損害の範囲等を示すとともに、指針に明記されていない損害についても、個別具体的な事情に応じて、事故との相当因果関係が認められるものは賠償の対象となり得ることが基本的な考え方であるとして、中間指針等で示していただいております。東京電力においては、この基本的な考え方を踏まえ、被害者に寄り添った誠意ある対応を行いつつ賠償を進めることが重要であると考えているといった内容をお伝えさせていただいております。
 次に、相当期間の部分でございます。「地域の状況や個別具体的な事情に応じた柔軟な対応を行い、生活や事業再建のために必要な期間を確保させること」、こちらにつきましては、避難指示解除後の相当期間については、全ての対象となる被災者等に一律に適用される目安としての概念であり、また、既に帰還された方、帰還を考えている方や、その準備状況、帰還後のなりわいの再開に向けた準備状況や、それらに要する期間などについては、被災者等の置かれた状況が多岐にわたることを踏まえれば、一律の目安を超える部分については、被災者等の個々の状況を丁寧に伺いながら、東京電力において柔軟に対応いただくことが重要であると考えているといった内容をお伝えさせていただいてございます。
 次に、3つ目でございます。「帰還困難区域においては、今後も避難生活の長期化に伴う精神的苦痛が継続していく現状等を踏まえ、中間指針等の適時・的確な見直しを行ってほしいこと」、こちらにつきましては、長年住み慣れた住居及び地域が見通しの付かない長期間にわたって帰還不能となり、そこでの生活の断念を余儀なくされた精神的苦痛等に対する一括賠償や、持ち家か借家かを問わずに、結果として移住等を希望する被害者の方々への住居確保のための損害を賠償とすることなどをお示しいただいてございます。現時点では、直ちに中間指針等を見直して、一律の目安を修正する必要があると言えないと考えているものの、被災された地元の状況把握、被災された個々の被害者の個別の事情を丁寧にお伺いすることが重要であり、東京電力は厳しい立場に置かれた被害者に寄り添って、被害の実態に応じた適切な賠償を進めていただくことをきちんと確認していくことが重要であるといった内容をお伝えさせていただいてございます。
 続きまして、4つ目でございます。「精神的苦痛や就労不能損害等の賠償期間、コミュニティ崩壊等の精神的な苦痛など、地域の実情や個別事情に応じた適切な賠償を行うこと」、こちらにつきましては、中間指針においては4点、地域コミュニティ等が広範にわたって突然喪失したこと、これまでの平穏な日常生活とその基盤を奪われたこと、自宅から離れ不便な避難生活を余儀なくされたこと、帰宅の見通しも付かない不安を感じること、この4点等を考慮した上で、正常な日常生活の維持、継続が長期間にわたり著しく阻害された精神的苦痛等を賠償すべき損害である精神的損害として示すとともに、避難指示等の解除後も一定期間は一律に賠償を行う相当期間として一定の目安等を示し、さらに、相当期間経過後についても、例えば、医療、介護、学校等の個別具体的な事情により避難を余儀なくされている場合等には柔軟な対応を行うことが適当であるとの考え方を示していただいており、東京電力が個別具体的な事情に応じて丁寧に対応することが重要であると考えているといった内容をお伝えさせていただいてございます。
 1ポツの最後でございます。「今般の原発事故に係る訴訟では、東京電力や国の責任を認める中間指針等の一律の目安等を超える損害額を認める等の内容の判決が示されており、これらを踏まえて中間指針等の見直しを行うこと」、こちらにつきましては、紛争審査会においては、地裁判決の報告を適宜行うとともに、引き続き必要に応じて議論を行っていくこととなろうが、いずれも判決確定前であり、直ちに中間指針等の見直しが必要な状況にはないと考えているといった内容をお伝えさせていただいてございます。
 次に、2ポツでございます。「営業損害及び風評被害に係る賠償」でございます。まず1つ目でございます。「商工業等の営業損害の一括賠償については、個別訪問等による実態把握に努め、簡易な手法で柔軟に対応させるとともに、個別具体的な事情による損害についても誠意を持って簡便・迅速に対応させること」、こちらにつきましては、避難により証拠の収集が困難である場合など、必要かつ合理的な範囲で証明の程度を緩和することや、賠償金の支払い方法についても、迅速な救済が必要な被害者の現状に鑑み、合理的かつ柔軟な対応が求められることが示されており、東京電力において被害者に寄り添った対応が重要であると考えております。
 また、営業損害における賠償の終期については、当面は示さず、個別具体的な事情に応じて合理的に判断するものという考え方も示していただいております。この指針を適切に運用していくという視点も重要であり、東京電力においては、被害者に寄り添い、丁寧に個別の事情を伺い、適切に対応することが重要であると考えております。
 さらに、賠償は失ったものを元に戻すことが基本であり、新たななりわい等へ対応していく復興施策と車の両輪のようにして進めていくことが重要であるといった内容をお伝えさせていただいております。
 2つ目でございます。農林水産業に係る営業損害、風評被害の部分でございます。こちらにつきましては、特に平成31年1月以降の避難指示区域外における農林業の営業損害に係る賠償につきましては、東京電力において、JA等関係者の間で調整を行っていると聞いており、その調整が円滑に進むよう見守りたい。また、農林水産業を含めた営業損害や風評被害に対する賠償については、出荷や流通等の制限や食品の検査などの固有の事情や個別具体的な事情について、東京電力において、被害者等に寄り添い丁寧に個別の事情を伺い、適切に対応することが重要であると考えているといった内容をお伝えさせていただいております。
 続きまして、2ページ目に入ってございますが、3ポツ、「地方公共団体に係る賠償」でございます。1つ目でございます。「税収の減少分について、目的税は元より固定資産税を含む普通税も確実に賠償を行わせること」、こちらにつきましては、第35回紛争審査会におきまして、少なくとも目的税を財源とする事業のように、税収と事業支出の連動性が高い事業であって、交付税による財源措置がされず、事故後も実施が必要な事業に係る税収減については賠償すべき損害と認められるものの、一般に税収減を地方公共団体の損害として賠償の対象と認めることは困難であることを共通見解として、既にお示しいただいていますといった内容をお伝えさせていただいてございます。
 次に、2つ目でございます。地方公共団体の財物の賠償につきましてでございます。こちらにつきましては、昨年9月に取りまとめた「地方公共団体における不動産の賠償について」や、本年1月の「地方公共団体におけるインフラや山林の取り扱いについて」を踏まえ、既に各自治体からの請求手続が進められていると承知しているので、東京電力が迅速かつ公正な手続で賠償を進めていただくことが重要であると考えておりますといった内容をお伝えさせていただいてございます。
 3つ目でございます。地方公共団体が行っている様々な検査等に要する費用や風評被害対策などの事業に要する費用等は、避難指示の有無に関わらず事故との因果関係が明らかであることから、迅速かつ確実に賠償を行わせること。また、手続の簡素化・迅速化を図ること。こちらにつきましては、既にお示ししている地方公共団体の賠償に対する基本的な考え方や、過度の負担を掛けずに迅速かつ公平に賠償することが重要という基本的な考え方を示していることを踏まえ、東京電力において適切に賠償を進めていただくことが重要であると考えているといった内容をお伝えさせていただいております。
 4ポツでございます。「原子力損害賠償紛争解決センターによる和解の仲介」の部分でございます。1つ目の丸、「ADRセンターが提示した和解案を速やかに受諾するよう、東京電力を強く指導すること、また、ADRセンターの和解案に強制力を持たせるよう権限を強化すること」、こちらにつきましては、ADRセンターにおいては、中立かつ公平な立場の仲介委員が当事者双方の意見等を踏まえて、中立かつ公平な立場で紛争解決を図るべく取り組んでおり、個別の事案については、紛争審査会としてのコメントは差し控えます。また、強制力等による権限の強化という指摘については、原子力損害賠償制度の見直しについて、内閣府原子力委員会に設置された原子力損害賠償制度専門部会において議論がなされており、ADRに受諾義務を導入する場合、拘束力のある手続を利用することを望まない紛争当事者が和解仲介手続の利用を躊躇し、紛争解決の迅速性及び簡易性が損なわれて、被害者の早期救済の妨げとなるのではないかという懸念があることや、原子力事業者が半強制的に応諾せざるを得ない状況となり、それにより原子力事業者の裁判を受ける権利が制限されることになるのではないかといった意見が専門家より示されていると承知している。ADRセンターにおける和解仲介手続は、平成29年末時点において、これまで終了した約2万1,000件のうち約1万7,000件の和解が成立しており、現行、この枠組みにおいてセンターは役割を果たしていると考えているといった内容をお伝えさせていただいております。
 最後になりますけれども、「東京電力に対し、原子力損害賠償紛争解決センターが提示した和解案の受諾拒否、和解仲介手続と訴訟が重複していることを理由にした和解案の諾否留保といった対応の是正を求めるとともに、原子力損害賠償紛争解決センターに対し、和解案提示に消極的な姿勢を示すことのないよう指導監督を行うこと」という御要望につきましては、ADRセンターでは仲介委員が当事者双方の意見を丁寧に聞きつつ、可能な限り、和解成立に向けて努力することとしておりまして、その取組を見守っていきたいと考えているといった内容をお伝えさせていただいております。
 長くなりましたが、以上でございます。



【鎌田会長】  どうもありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対する御質問、御意見をお願いいたします。よろしいですか。
 樫見委員、どうぞ。



【樫見委員】  損害賠償につきましては、通常の不法行為であれば原状回復ということで、かつ、原状回復といいましても、実はけがをした方が全て、事故前の状態に戻るわけではありませんし、事業あるいは就労等についても完全に回復するわけではございません。その点については、より柔軟な、将来的にこういう形に回復するという見込みといいますか、それについては通常の場合の不法行為でもかなり困難な問題がございます。現在、7年と5か月経過をいたしまして、今回の原発に関しましては、恐らくこの原状回復、つまり、被害を受けられた方々が原状に回復しということが、通常の不法行為よりかなり困難であると。そういう、当初見込んだものよりはかなり困難であるということを含みつつ、先ほどセンターから、非常に時間がたって、被害者を取り巻く状況にかなり変化が出ているという御意見がございました。やはりそのことを踏まえますと、受け手の方である東京電力でも、やはり被害者の状況、特に就労環境、あるいは事業の収益環境、これが通常の場合に比しまして、自力回復なり政府の支援を受けても、なかなか回復しないという状況を踏まえて、より柔軟な解決といいますか、対応をお願いしたいと思います。
 もちろん基本のところは、被害、不法行為と相当因果関係のある範囲、そして、被害者の皆さん方のそれぞれの事情における回復努力、そういったことも踏まえつつではありますけれども、やはり通常の不法行為よりは、より複雑な要素、なかなか回復しがたい状況は、東京電力におかれましても十分に直視していただきたいという点でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。もし、ほかに御意見がないようでしたら、先に進ませていただきます。
 議題の7番、「その他」でございますけれども、まず、内閣府より、先ほどの発言内容について訂正をしたい旨の申出がございましたので、発言をしていただければと思います。



【山下参事官】  訂正と申しますか、若干舌足らずなところがありましたので、補足という意味でございます。明石先生から、農地の助成について、いまだに線量が高いという声があるのに対して、どういう対応をするのかという話でございまして、私の方からそのときは、狭い意味での除染のみならず、除染効果があるような対策を講じていくという、そういう意味で申し上げておりました。例えば、営農再開事業であれば、セシウムを作物が吸収することを抑制するような対策、カリ成分の肥料をまくとか、そういったこともしておりますので、そういった対策を通じて対応していくと、そういう趣旨で先ほど申し上げたということを、若干ミスリードのところがあったら、大変申し訳ありませんが、補足させていただきます。



【鎌田会長】  よろしいでしょうか。



【明石委員】  はい。



【鎌田会長】  ほかにはよろしいですか。どうもありがとうございました。
 その他の2番目でございますけれども、本年3月に、京都地裁、東京地裁の判決が出ておりますので、両地裁も含めた国家賠償訴訟の状況について事務局より説明をしていただきます。



【西専門官】  それでは、御説明をさせていただきます。まず、本国家賠償訴訟の概要でございます。福島原子力発電所事故からの避難者などが原告となりまして、全国21か所の高等裁判所や地方裁判所におきまして、国及び東電を被告とする約30件の集団訴訟が係属中でございます。
 これまで、第45回の審査会におきまして、前橋地裁における判決について御報告をしまして、第47回の審査会におきまして、千葉地裁と福島地裁における判決について御報告をさせていただきました。
 次いで、平成30年3月15日に京都地裁において判決が言い渡され、平成30年3月16日に東京地裁におきまして判決が言い渡されました。京都地裁判決につきましては、被告国及び東電並びに原告が3月28日に大阪高等裁判所に控訴し、東京地裁判決につきましては、被告国及び東電並びに原告が3月29日に東京高等裁判所へ控訴しており、判決は確定していないという状況でございます。
 また、年度内におきましては、横浜地裁の判決言い渡しが平成31年2月20日に予定されてございます。なお、今後、千葉地裁は平成30年8月30日に、松山地裁は平成30年9月4日におきまして結審が予定されておりますが、判決の時期は未定でございます。
 それでは、京都地裁、東京地裁の概要をまず御説明させていただきます。京都地裁の訴訟概要ですけれども、提訴日は平成25年9月17日、原告は175名で、事故時の住所は、居住制限区域が1名、旧避難指示等区域が1名、自主的避難等対象区域内が142名、自主的避難等対象区域外が31名でございます。
 原告の請求内容は、避難に伴う慰謝料として1人月35万円、コミュニティ侵害に基づく慰謝料として1人2,000万円、避難に伴う実費及び財物損害等ということで、移動費用や生活費増加分、休業損害、不動産損害等が請求されています。
 東京地裁の訴訟概要でございます。提訴日は、平成25年3月11日、原告は48名で、自主的避難等対象区域内に47名、旧避難準備区域に1名でございます。
 原告の請求内容ですが、避難生活に伴う慰謝料として、1人月50万円掛ける2年分ということで計1,200万円、避難に伴う実費等ということで、避難費用や生活費増加分、休業損害、逸失利益等が請求されています。
 委員の皆様には、机上に灰色及び水色のファイルをお配りしておりますので、ご覧ください。これから御説明します判決文につきましては大部に及びますので、メイン席のみ配付をさせていただいてございます。
 それでは、判決の内容を御説明いたします。まず、灰色のファイルでございますが、京都地裁の訴訟判決について、裁判所の判断について幾つか御説明をいたします。
 まず、原告らが主張する民法709条に基づく損害賠償請求権については、被告東電が原賠法に基づく責任を負うことがあったとしても、原子力損害に対し、民法上の一般不法行為責任を追及することはできないから、原告らの民法709条に基づく請求には理由がないということが83ページに記されております。
 113ページでございますけれども、被告国の責任につきましては、経済産業大臣が、遅くとも平成18年頃までに電気事業法又は炉規法に基づく権限を行使しなかったことは、国賠法1条1項の適用上違法であり、経済産業大臣に過失も認められるから、被告国は国賠法1条1項に基づき賠償する責任を負うことと記載されてございます。
 次に、避難の相当性でございますが、145ページに記載されておりますが、原告らは、損害のほとんどを本件事故に伴う避難によって生じた損害であると主張しているところ、原告らの主張する損害が本件事故と相当因果関係があるとするためには、まず、原告らの避難が本件事故と相当因果関係があることが必要であるとすることが示されてございます。
 そして、避難の相当性を認めるべき場合は158ページに記載されておりますが、まず、本件事故時、避難指示等対象区域に居住していた者が避難した場合、若しくは本件事故時、自主的避難等対象区域に居住しており、かつ、次の(ア)又は(イ)のいずれかの条件を満たす場合であり、(ア)は平成24年4月1日までに避難したこと。ただし、妊婦又は子どもを伴わない場合には、避難時期を別途考慮するとあり、(イ)については、本件事故時、同居していた妊婦又は子どもが平成24年4月1日までに避難しており、当該妊婦又は子どもの避難から2年以内に、その妊婦又は子どもと同居するため、その妊婦の配偶者又はその子どもの両親が避難したこととあります。若しくは、本件事故時、自主的避難等対象区域外に居住していたが、個別具体的事情により、判断基準イの場合と同等又は準じる場合とされております。
 以上の基準を踏まえた結果は200ページに記載されており、避難の相当性を認めた原告は143名、一部認めた原告は6名、認められなかった原告は15名となってございます。
 次に、損害各論の総論でございますが、214ページ及び216ページに記載がございますが、訴訟においては、個別の証拠によって損害を立証することが求められるのであって、原告が主張する直接請求やADR手続において認められた額が、そのまま最低限の賠償につながるとまで認めることはできないとする。一方で、被告が主張する中間指針等で示された賠償の範囲を超える部分については特段の事情がない限り認められないといった部分は、理由がないと言うべきと記載されてございます。
 損害各論の精神的損害につきましては218ページに記載がございますが、原告らの平穏に生活する利益の侵害の態様はさまざまであるから、慰謝料を算定するにあたっては、その者の旧居住地と福島第一原発の距離や空間線量の数値を中心とし、家族構成や周囲の避難状況等を考慮して、その者が本件事故により抱いた不安や恐怖、そして、その後の避難生活における苦痛等が法的保護に値するといえるかを検討すべきであると記載されてございます。
 218ページでございますが、原告らの主張する地域コミュニティ侵害に係る損害については、避難に伴う慰謝料と全く別個の慰謝料が発生すると解するとはできず、中間指針等においても、精神的損害の算定に当たって、地域コミュニティ等が広範囲にわたって突然喪失し、これまでの平穏な日常生活と、その基盤を奪われたことを考慮要素としており、同様の考えに立っているものと言えると記載されてございます。
 精神的損害の算定方法等につきましては、228ページに記載されておりますとおり、自主的避難等対象区域における精神的苦痛に対する慰謝料としては、1人当たり30万円、妊婦、子供であった者については1人当たり60万円という額を基準とした上で、精神的苦痛を大きくする特別な事情がある場合のみ、個々の事情を考慮して慰謝料額を算定、増額すると記載されてございます。
 229ページに記載されてございますが、自主的避難等対象区域外においては、福島第一原発との距離、空間線量の値、周辺住民の避難の多寡や世帯構成などの事情を総合考慮して、自主的避難等対象区域と同等の場合には同額を慰謝料とし、自主的避難等対象区域に準じる場合には1人当たり15万円、妊婦、子供に対しては1人当たり30万円を慰謝料として認めると記載されてございます。
 続きまして、青色の紙ファイルでございますけれども、東京地裁の訴訟判決について、裁判所の判断について幾つか御説明いたします。
 まず、原告らの主張する民法709条に基づく損害賠償請求権につきましてですが、302ページに記載がされておりますとおり、本件において、被告東電が原賠法3条1項本文に基づき、本件事故と相当因果関係のある損害について損害賠償を負うが、原告らの主張は、それと同じ損害を被告東電に対し、民法709条又は717条1項に基づき求めるものであるため、これら原告の請求は、その余の点を判断するまでもなく理由がないことと記載されてございます。
 次に、被告国の責任についてでございますが、351ページに記載されておりますとおり、経済産業大臣の本件各規制権限不行使には違法性があると認められ、それによって、本件事故が引き起こされたといえるから、被告国は、本件事故と相当因果関係のある損害賠償を負うと解されると記載されてございます。
 それから、353ページに記載されておりますが、本件原発1ないし4の設置等許可処分の違法性を主張する原告らの主張については採用できないとされてございます。
 次に、損害総論でございますが、423ページに記載されておりますとおり、原告らの主張する損害と本件事故との相当因果関係及び各損害との額の算定は、最終的には原告らの個別事情を踏まえて判断することが必要となるが、相当因果関係及び損害並びにその前提として、被侵害利益に関する総論的な裁判所の考え方を示すことが相当であると記載されてございます。
 次に、429ページから431ページに記載されてございますが、被侵害利益については、避難指示等区域外に居住していた原告らが本件事故により受けた制約は居住地決定権の侵害と言え、慰謝料が認められるべきと判断するのが相当であるとし、原告が主張する平穏生活権や家族別離、放射性物質による汚染に関する事情及びそれに伴う健康侵害の危険性に対するストレスは独立の法益侵害と捉えるのではなく、本件居住地決定権侵害の評価において考慮することが相当であると記載されてございます。
 次に、438ページに記載されてございますが、相当因果関係については、原則として、被告東電によるステップ2完了の確認後、相当期間が経過した平成23年12月までは、本件区域外原告らなどの避難継続の合理性が基礎付けられると言うべきであるが、平成24年1月以降については、これを基礎付けるものということは困難と言わざるを得ないと記載されてございます。ただし、子供及び妊婦と、その家族とともに避難等した者については、同日以降8か月間の避難は合理的と解すべきとしてございます。
 損害につきましては439ページに記載されておりますとおり、具体的な主張、立証に乏しく、個別認定ができないものについては、それを負担した者がその負担を余儀なくされた点を慰謝料の増額費用として考慮するとともに、本件事故による避難によって一定の生活費増加分の負担を余儀なくされたことを慰謝料の増額事由とする限度でしんしゃくすることが相当であり、その額は各人について一月1万円程度と解することが相当であると記載されてございます。
 440ページに記載されておりますが、本件事故による避難によって、一定の家具、家財の購入を余儀なくされたことを慰謝料の増額事由とする限度で考慮することが相当であり、その額は単身世帯については5万円程度、それ以外の世帯については10万円程度と解することが相当であると記載されてございます。
 441ページに記載されてございますが、慰謝料額の算出に当たっては、人身損害の慰謝料の算定において、裁判実務で一般的に用いられることの多い民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準等で定められた入通院慰謝料額の一般的に裁判実務等で認められている慰謝料額を参考とすることが相当であると記載されてございます。
 長くなりましたが、説明は以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。ただいまの説明に関しまして、事実関係等につきまして御質問があれば、お出しください。よろしいですか。じっくり読むと、またいろいろ聞きたいことも出てくるかもしれませんけれども、きょうのところは、これぐらいでよろしいですか。
 本年の1月17日の審査会におきまして、先ほど御紹介がありましたように、千葉地裁及び福島地裁の判決について報告を受けました。そのときに確認したことではありますけれども、今回の2つの訴訟につきましてもまだ確定をいたしておりませんので、現時点で中間指針等について直ちに見直す必要はないと考えております。
 なお、今後の結審、判決の見通しにつきましても事務局から説明がありましたけれども、そうした動きについても適宜、また事務局からこの会議に御報告をいただければと思います。そういう取り扱いでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、最後に委員の皆様から、その他、何か御発言がございましたら、お願いいたします。よろしいですか。
 予定の時間より大分早いんですけれども、議論も尽きたようでございますので、これをもちまして本日の議事を終了させていただきます。今後とも審査会といたしましては、必要に応じて会議を開催するとともに、適宜賠償の状況を確認していきたいと思います。
 事務局から連絡事項をお願いいたします。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  ありがとうございました。それでは、次回の開催につきましてですけれども、こちらは、また改めて先生方に御相談した上で御連絡させていただければと思ってございます。
 また、議事録につきましては、これもいつもの通りでございますけれども、事務局で案を作らせていただきまして、先生方に御確認させていただきまして、御了承いただいたものを次回開催までにホームページに掲載しますとともに、本日同様、前回の議事録も、次回、配付させていただければと思ってございます。
 また、本日、判決の資料等、大部にわたりますので、もしよろしければ、我々から後ほど先生方にお送りさせていただきたいと思いますので、そのような扱いでよろしくお願いいたします。もちろん持って帰っていただいても結構でございます。
 以上でございます。



【鎌田会長】  どうもありがとうございました。長時間にわたって熱心に御審議いただきまして、ありがとうございました。
 以上をもちまして閉会とさせていただきます。



―― 了 ――

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-- 登録:平成30年10月 --