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原子力損害賠償紛争審査会(第42回) 議事録

1.日時

平成28年1月28日(木曜日)14時00分~16時05分

2.場所

文部科学省旧文部省庁舎6階第2講堂

3.議題

  1. 原子力損害賠償紛争審査会による現地視察結果について
  2. 地方公共団体等からの主な要望事項について
  3. 原子力災害からの復興及び避難指示区域の状況等について
  4. 東京電力株式会社による賠償の現状について
  5. 原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況について
  6. 住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価の取扱について

4.出席者

委員

能見会長、明石委員、大谷委員、大塚委員、鎌田委員、草間委員、高橋委員、中島委員、野村委員

文部科学省

豊田文部科学大臣政務官、田中研究開発局長、板倉原子力損害賠償対策室長、信濃原子力損害賠償対策室長代理、長野原子力損害賠償対策室総括次長、橋爪原子力損害賠償対策室次長

オブザーバー

【説明者】
新居内閣府原子力被災者生活支援チーム参事官、遠藤復興庁統括官付参事官、村永東京電力株式会社常務執行役、近藤東京電力株式会社福島原子力補償相談室長

5.議事録

【能見会長】  それでは、時間になりましたので、第42回原子力損害賠償紛争審査会を開催いたします。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。

本日は、原子力損害賠償の状況について確認をし、関係機関から説明をいただきたいと思いますけれども、昨年末には、福島現地視察をしてまいりましたので、それについての議論もしたいと考えております。

開会に当たりまして、まず、豊田文部科学大臣政務官がおいでですので、一言御挨拶をお願いしたいと思います。

【豊田文部科学大臣政務官】  文部科学大臣政務官、そして、復興大臣政務官を拝命しております豊田真由子と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

先生方におかれましては、これまでの中間指針に加えまして、4つの追補の御策定をいただきまして、賠償を公正また円滑に進めるための道筋を付けていただいたところでございます。また、現地の状況御確認ということで、昨年12月には福島県内の市町村、飯舘村、南相馬市、浪江町、川俣町に行ってくださったということでございますので、本当に被災者の方に寄り添った賠償の進展に御尽力いただきましたことに文部科学省を代表いたしまして、改めまして深く御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。

また、政府といたしましては、復興の加速化、これを最重要課題としております。福島の復興なくして日本の再生なしとの思いで一丸となって取り組んでおるところでございます。私自身は昨年10月に福島県の三春町、ここに環境創造センターが新しくできまして、そこの開所式、あるいは12月には科学技術振興機構の成果発表展示会ということで郡山市をお伺いいたしました。その際に、放射性物質に係る研究拠点の整備、あるいは、そこと連携をした地場の中小企業さんも含めて、全国各地のいろんな産業、また研究者の方が福島のために、そして、何とか県民の方のお力になりたいということで力を尽くしておられる、そのお姿に大変感銘を受けました。

そしてまた、もちろん被災者の方、御家族を亡くされ、また御自身が被災をされて、本当に私、言葉を失うわけでございます。そうした様々な悲しみやお苦しみを前に、本当に何ができるか、何をしなくてはいけないかということを、もちろん政府の一員として、また、1人の人間として深く考えるところでございます。

また、昨年の9月には楢葉町で避難指示が解除されました。けれども、やっぱり現地でお伺いしますのは、解除されても、なかなか戻ることがかなわないというお声もございます。それは、やはり生活の様々な、御住居だけではなくて、生活インフラ、学校や病院、そして、様々な農林水産業などの産業、そういったなりわいと生活の基盤が一緒に整わなければ、なかなか家族を連れて戻れないというようなお声もございます。そうした、また、賠償も含めた復興に向けてのいろいろな御要望をお伺いいたします。こうしたことに、できる限り政府としても対応したいと考えております。

例えば、賠償に関する様々な御要望、移住先の宅地取得費用の賠償は地価の動向を考慮するとか、そういった様々な細かいことも含めて、きめ細やかに、でき得る限り、お一人お一人のお気持ちに応えたいと、柔軟に対応していきたいとは考えております。ただ、いろいろな御意見もありますし、何が公正であるか、公平であるかということもございますので、いろいろな観点から、先生方には本当に難しい課題も含めて御検討賜りまして、引き続き、被災者、被災地に寄り添った復興の加速化に、またお力添えを賜りたいと考えております。どうか今後とも御指導よろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。それでは、議事に入りたいと思います。最初に事務局から資料の確認をお願いします。

【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  資料の確認の前に、事務局から御報告がございます。事務局に人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。原子力損害賠償対策室長代理、千原でございましたけれども、1月1日付けで異動がございまして、信濃が着任しております。

【信濃原子力損害賠償対策室長代理】  どうぞよろしくお願いします。

【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  それでは、早速、資料の確認に移らせていただきます。

本日、幾つか議題ございますが、配付資料としまして、資料1から6-2まで、それから、参考として、もう一つ資料を準備させていただいております。

順番に参りますと、まず、議事次第がございまして、続きまして資料1「原子力損害賠償紛争審査会による現地視察結果について」、資料2「地方公共団体等からの主な要望事項について」、資料3-1としまして、「避難指示区域の状況等について」、資料3-2「復興の現状」、資料4といたしまして、「原子力損害賠償のお支払い状況等」、資料5としまして、「原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況」、資料6-1「住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価の取扱について」、資料6-2「住居確保損害に係る算定方法について(持ち家の場合)」でございます。それから、最後に参考資料といたしまして、「福島県内の宅地の調査」として準備をさせていただいてございます。もしも不足、落丁等ございましたら、事務局までおっしゃっていただきたく、お願い申し上げます。

それから、先生方の机上には、本日の御議論に関係します資料もまとめてございますので、適宜御参照いただきたく、お願い申し上げます。

資料の確認は以上でございます。

【能見会長】  それでは、第1の議題から御議論をお願いしたいと思います。第1の議題は、原子力損害賠償紛争審査会が昨年の12月に現地を視察いたしましたので、その視察結果についてでございます。この点についても、最初に事務局から説明をお願いします。

【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  それでは、議題1に関しまして、資料1に基づいて御説明をさせていただきます。「原子力損害賠償紛争審査会による現地視察結果について」でございます。

現地視察につきましては、昨年、12月4日に行っております。2ポツでございますが、「目的」といたしましては、中間指針等に基づく賠償の実施状況の確認のため、被災地域の状況の変化を確認するというものでございました。参加いただきましたのは、能見会長、明石委員、大谷委員、中島委員、野村委員でございます。

1枚おめくりいただきたいのですが、主な視察先でございます。コースといたしましては、福島市を出発いたしまして、セブンイレブン飯舘村仮設店舗店、あるいは、飯舘村役場本庁舎ということで、飯舘村の状況をまず視察しております。村役場の方は、今、一部業務を再開されている状況でございますし、セブンイレブン仮設店舗店でも業務を再開されてございます。

それから、東の方に参りまして、南相馬市でございます。南相馬市では、小高工業高等学校の仮設校舎や仮設実習棟を視察しました。また、その後、南に参りまして、一部診療再開されておられますが、小高病院の状況を視察しました。その後、南に参りまして、浪江町に移動し、町役場で町の状況について説明を受けるとともに、朝田木材産業株式会社、業務再開をされている状況、そして、バスの中からではございますけれども、浪江町の町内の状況、商店街、駅、住宅、農地などを視察しました。

その後、また西の方に向かいまして、川俣町の方に入ります。車内からではございますが、復興拠点予定地、メガソーラー、復興公営住宅の予定地を視察いただいた後、川俣町の役場で町内の状況について説明を受け、意見交換を行いました。

最後でございますけれども、飯舘村役場飯野出張所に参りまして、飯舘村の状況などにつきまして意見交換を行いました。そして、福島市に戻りまして、今回の視察につきましては終了ということでございます。

視察につきましては、前回、平成26年9月24日でございましたが、田村市、川内村、富岡町、楢葉町を視察しておりまして、それから2回目ということでございます。

それから、5ポツでございます。その際、地元から頂きました主な御意見ということで、代表的なものを書かせていただいております。

1つ目でございますが、不動産に係る財物損害に係る賠償について、住民一律全損扱いとすべきという御意見がございました。また、小高病院では、住民の帰還に当たって病院が重要でありますが、病院の施設・設備の状況、あるいは医師、スタッフの確保課題であるというお話がございました。また、浪江町では、県内外に住民の皆様が広域分散避難されて、コミュニティの維持が極めて困難な状況のほか、再編された区域の面積割合、財政状況等がほかの市町村と比べて特異性があるという御事情を説明いただきました。

また、視察に先立っては、浪江町から要望がございまして、ADRセンターへの集団申立てに関して、東京電力が和解案を受諾するよう適切な措置を講じてほしいという要望を頂いている状況でございます。

また、朝田木材産業株式会社では、風評被害、風評の影響が大きく、県外では放射線の検査結果を付けても、福島県産というだけで売れない状況というような厳しいお話もございました。

また、飯舘村役場では、賠償が終了した後の自立のための制度を、賠償とは別に、国が責任を持って作るべき。被災者の不安を取り除くような施策を早急に作っていかなければならないとの御指摘も頂いてございます。

ほかにも幾つかございますが、主な御意見としてはこのような状況でございました。視察結果については以上でございます。

【能見会長】  以上の点について、ここで御質問、御意見おありの方がおられるかもしれませんが、次の第2の議題のところで、地方公共団体等からの主な要望というのをまとめております。これは、当日、現地で議論の中で出てきた要望だけではなくて、書面で提出されているものもございましたので、それらを整理したものでございます。皆様にはそこで時間を取って御議論していただきたいと思いますので、引き続き第2の議題に移りたいと思います。議題2の資料についての説明を事務局からお願いしたいと思います。

【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  続きまして、資料2について御説明をさせていただきます。これは、地方公共団体等からの主な要望事項ということで、第40回の審査会以降、現時点までに文科省にお寄せいただいた要望のうち、主な項目をまとめた資料でございます。全体的な詳しいものにつきましては、3枚目以降にリストとしてまとめておりますので御参照いただければと思います。それでは、幾つかカテゴリーにしたがって挙げてございますので、順次御紹介させていただきます。

まず、精神的損害に関するものにつきましては、コミュニティの崩壊、従来の平穏な生活環境や自然環境の喪失等による損害というものを賠償すべきであるということで指針に示してほしいという点がございます。

また、2番目のカテゴリーでございますが、営業損害、風評被害、就労不能損害に関係するものでございます。

1つ目、2つ目は避難指示区域内の商工業、あるいは農林業に係る営業損害についての指摘でございますが、商工業に関しましては、平成27年6月、「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」の改訂が閣議決定され、新しい一括賠償が始まっておりますが、のれん代、ブランド価値、商圏の喪失等に伴う損害を含めまして、個別具体的な事情による損害についても誠意を持って対応させることということでございます。

農林業につきましては、現在の包括請求期間というものが平成28年12月まででございますが、その経過後の平成29年1月以降の賠償に関する考え方を早急に明示させることという点がございます。

続きまして、避難指示区域外の風評被害の関係でございますが、これも商工業につきましては、先ほど申し上げました閣議決定の改訂により、新しい賠償の手続きが開始されておりますが、原子力発電所事故との相当因果関係の確認を簡易な手法で柔軟に行うとともに、個別事情による損害についても誠意を持って対応させることとの要望がございます。

また、農林業につきましても、依然として風評等で被害が発生している状況を踏まえて、十分な賠償の継続というものについて要望を頂いております。また、就労不能損害につきましても、個別事情を斟酌して、しっかりと賠償をという指摘がございます。

続きまして、次の2ページ目でございますが、3ポツ財物損害に係る賠償でございます。先ほど、視察のところでも御紹介申し上げましたが、財物の価値が完全に失われていることを認め、避難指示解除の時期に関わらず全損扱いとすることという要望を頂いてございます。

続きまして、4ポツ、避難指示解除後に賠償が継続します相当期間についてでございますが、関係市町村の状況をしっかりと把握した上で、個別具体的な事情、あるいは地域の特別な状況に応じて柔軟に対応し、必要な期間を確実に確保させることという点がございます。

また、避難指示区域内外に関わらず同等の被害実態が存在する場合には同等の賠償をすべきということを指針として示してほしいという要望もございます。

続きまして、ADRセンターの和解仲介に関してでございますが、浪江町からのADR集団申立事件に関し、ADRが提示しました和解案の内容を踏まえ、東京電力が和解案を受諾するよう適切な措置を講じることという要望がございます。

また、多くの被害者に共通する損害については、類型化による指針への反映というものをしてほしいという要望がございます。

最後の点でございますけれども、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域はもとより、旧避難指示解除準備区域、旧緊急時避難準備区域、旧特定避難勧奨地点等を含め、住民や事業者の皆様の置かれている状況を十分に踏まえ、混乱、不公平を生じさせないように配慮しながら、被害の実態に見合った賠償を行わせるようにという要望がございます。

これは主なものでございますので、さらに詳しいものにつきましては、次ページ以降、適宜御参照いただければと思います。

事務局からは以上でございます。

【能見会長】  それでは、ただいまの資料に基づきまして少し御議論していただきたいと思います。本日、時間を取って議論していただきたいと考えた理由は、ここで出されている要望について、審査会の意見がまとまれば、もちろん指針は出せるわけですけれども、これらの問題は、いずれも難しい問題で、御意見が一致するかどうか分からない問題です。しかしながら、この審査会で皆様が御自由に御議論いただきまして、審査会としてどんな意見がどんな分布であるのか、あるいは、どんな意見が多数意見であるのか、そういうことを明らかにすることも非常に重要なことではないかと思います。それによって、今後の審査会の活動の方針、方向性もある程度明らかになる。そういうことで、本日は、結論を得るということを目的としているわけではなく、皆さんに自由にご議論していただきたいと思います。

どこからでも結構ですけれども、それぞれ皆様の御関心のあるところから、どこからでも結構でございます。御意見を頂ければと思います。いかがでしょうか。

1番から順番にということでもいいのですけれども、比較的議論がしやすいかもしれないのは、2の営業損害、風評被害等あたりかと思いますが、いかがでしょうか。営業損害については一括の賠償というのがそろそろ切れるわけですが、その後、個別的に相当因果関係を認定して賠償していくことを東電はしたいと言っているわけですけれども、この点についてどう考えるかということでございます。

あまり会長が1人で決めているような印象を持たれては困るのですけれども、例えば、私は、営業損害のうちの農業の損害というのは、これは農家がそれぞれの農地で営業するということですし、そういう意味で、ほかの営業と違って、代替性というのがそう大きくはないので、こういう農業の損害については、商業といいますか、ほかの営業と同じように扱うのは適当ではないのではないか。そういう意味では、一括という賠償にするかどうかはともかくとして、従来と同じような基準で当面賠償が続くべきではないかと個人的には思います。みなさんは、どうお考えですか。 大塚委員どうぞ。

【大塚委員】  今、会長がおっしゃっていただいたこと、私も同じように考えていました。商工業の方についても、最初の丸のところで、かなり長い期間、一括賠償を認めていただいているということもございますので、農林水産業はそれ以上に、いろんなところに移動したりして新しく事業を営むのが非常に難しい、再建が難しいことがあると思いますので、引き続き一括賠償を続けていただきたいと思いますし、早急に命じさせるということを是非早くやっていただきたいと私も思っております。

この具体的な数字については、資源エネルギー庁とかにやや任せているところがあるので、その点は紛争審査会としてはどうかなと思うところもなくはないんですけれども、ここのところの一括賠償は、非常に重要だと思いますので、是非充実させていく必要があると思っております。

【能見会長】  数字というのは何の数字ですか。

【大塚委員】  期間です。

【能見会長】  期間の話ですね。この営業損害、農水産業の損害をどうするかというのは1つの大きなテーマです。特に農水産業は、さっき申し上げたように、ほかに移って営業するというふうにはなかなかいかないので、こういうものについては、従来と同じような賠償の仕方がしばらく続くべきではないだろうかという、そういう問題意識を持っております。

それから、風評被害の問題です。風評被害は、農業が一番多いのかもしれませんが、農業だけに限りません。風評被害の問題も、これも要望としていろいろなところから出ているのですが、これもどう扱ったらいいのかという点も。なかなか難しいと思いました。私の不勉強で、あるいは情報を十分集めてないことによるせいかもしれませんけれども、風評被害が現在どういう形でどんなところで起きているのかということについて、私としては、少し調査をしていただいて、その情報を共通の認識にするといいのではないかと思います。かつて審査会で風評損害について大々的な調査をしたことがありますが、あそこまでの調査はしなくてもいいかもしれませんけれども、風評被害と言っても、現状はどういう状況にあるのか。例えば、消費者のレベルでの買い控えから生じる風評被害と、流通業者等のレベルが原因で生じる風評被害とか、いろんなものがあるのだろうと思うんですね。そこで、風評被害についても少し議論したいと思いますけれども、その基礎となる情報が欲しいなという感じも持っております。

ほかの点でも結構ですけれども、皆様いかがでしょうか。

中島委員どうぞ。

【中島委員】  精神的損害に関する賠償にも関連するんですけれども、この前の現地視察では、病院の1階のロビーで水のモニターを現在も毎日やっているということでしたけれど、基準値以下ではあるらしいんですけれども、大雨になると、やはり線量が上がると。山の方から来るからだと思うんですけど。飲み水も川から取っているということで、これが戻りにくい。基準値以下ではあるとは思うんですけど、まだ大雨とかによって線量が変化する状況が続いているのが戻りにくい。仮に避難指示が解除されても、された後は、今まで強制的に避難されていた住民の人は自主避難に変わってしまうと思うんですけども、その場合、精神的損害に係る賠償がどうなるのかという問題が起きるのではないかなというのを1つ感じました。

もう一つは、賠償と少し関係ないんですけれども、地元の自治体の幹部の方から伺って気が付いたんですけれども、避難されている方の大部分は住民票を移してないようなんですけれども、ただ、特例によって住民税が減免される措置が取られているようですけれども、しかも、避難先では住民票がありませんから住民税を払ってない。その状態で避難先の自治体のサービスは受けている。これも特例で受けられるらしいんですけれども、これが仮に、逆に避難先に移住することを決めても、まだ住民票を移してないとなりますと、移住は決めたけれども住民税は払わなくていいという状態がしばらく続く。

逆に、解除されて戻ってくるとすぐ、解除されると住民税が復活する。精神的損害に係る賠償は所得にならないので所得税は課税されないとは思うんですが、住民税は均等割がありますので、多分、所得と関係なく課税される部分があって、こういうところのアンバランスはどう解消されるべきなのかというのがちょっと難しい問題だなと思いました。ただの感想で問題点の指摘にすぎないんですが、そういう感想を持ちました。

【能見会長】  今の住民税の問題について言えば、戻ってきて住民税を掛けられるのでその分が損害だというわけにはいかないと思うので、損害賠償の問題を扱う審査会そのもののマターではないとは思いますけれども、そういうことが原因となって戻れない状況があるということは、この審査会の場で御議論していただくことは結構なことだと思います。この問題については、しかるべき関係部署に事務局を通じお伝えし、何か方策があるのかどうか、そういうことを検討していただくということなのかと思います。

もう一つ前にお話しになった点、すなわち戻ってきても、そこの水の放射線量が、雨が降ったりすることによって上がったりする、これをどう扱うかという問題かと思います。避難指示が解除されて戻ってくると、いわゆる避難していることの慰謝料というのはないわけですが、戻ってきた後で放射線量が増えるとどういうことになるのかという問題だと思います。これは結構広がりのある問題です。その水の問題がとうこうというだけでなくて、現在、指針で賠償している枠組み全体に関する重要な問題を提起しているという感じを、今伺って思いました。

中島委員と私とで捉え方が微妙に違うかもしれませんけれども、今、賠償に関して、どういうところが重要なのかということついて、私は次のように考えています。現在、賠償の問題は、ある意味で二極化している感じがするんですね。一方では、とにかく戻れない、戻る状況が全然まだできていないというので避難が長期化している状況における賠償の問題がある。これは一応、審査会では指針でもって長期賠償の指針を出しています。それから、もう一つは、避難指示が解除されて住民が戻ってくるところでは、先ほどの水の放射線量もこの問題の一部ですが、戻ってきても、生活をする上でいろいろな障害がある。水の問題はその1つです。

この点に関連する営業損害の問題も私はあると思うのですけれども、せっかく戻って商売をしよう、店を開こうと思っても、住民が戻ってこないので、店を開くとかえって赤字になってしまう。経営が成り立たないという問題があります。この赤字を原子力損害と言えるかどうか、そこはなかなか難しいところなんですけれども、住民が戻ってきても、生活や営業が成り立たない状況があって、これにどう対処するかという問題、これが二極化のもう一つの極です。これを、審査会でどこまで扱えるのだろうか。私は、多くは、これは、政府の政策の問題で、政府が支援をすべき問題だと思いますけれども、賠償の問題として扱えるものも一部あるかもしれない。

例えば、今のように戻ってきて店を開いてもお客さんがいないので赤字になってしまうというのは、もしかしたら原子力事故と相当因果関係があると言えなくはないかもしれない。とにかく、戻ってきても生活が成り立たないのをどうするかという問題がある。今、営業を念頭に置いての話をしましたが、個人レベルでも類似のことがあります。戻ってきても周りに誰もいない、自分一人しかいない、そういう状態で被る精神的な苦痛がある。コミュニティの喪失というのは、私はまさにこういうものだと思うのです。戻ってきた人についての賠償の可能性があるのかないのか、そんなことが議論できればいいのではないかと思います。以上は、私の個人的な意見であり、自分の考えを少し強く言い過ぎたかもしれません。

【草間委員】  風評被害等につきましても、ちょっと賠償の問題とは違うかと思いますけれども、私も福島に行くたびに、お米なんかも全部検査しているけれども、福島産というだけで云々という話をいつも伺うんですけれども、これは風評被害を解決するためには福島だけではだめで、要するに、福島以外の県にどう働き掛けていくかって、こうしていかないと。要するに、福島産が売れないわけですので、そのほかの県に国が施策としてどう働き掛けていくかということが私はすごく重要なことだと思います。

いずれにしましても、お米にしても何にしても、全て検査をして、出荷して、先ほどの水の問題もそうですけれども、基準値以下であるということを言っても、なかなか解決できない。要するに、売れないわけですから、福島県以外にどう働き掛けていくかというのが大変重要な問題ではないかなと思います。

もう一つ、賠償とは関係ないんですけれども、今、能見先生が言われたように、コミュニティを作るって、これをしないと、やっぱり住民は戻ってこないわけですので、そうなりますと、今、厚労省等が盛んに進めております地域包括ケアシステム、要するに、介護、医療も生活も住居も全部含めた形の地域包括ケアシステムというものを、それぞれにどう作っていくかというのは、もう少し私、厚労省と、あるいは関係省庁との関係を保ちながら、個別に、行った方がまた元のところに戻りますというような1対1の対応というのではなく、やっぱりコミュニティを作るというような視点の支援、要するに、もう既に地域包括ケアセンターに関しましては、松戸モデルとか、あるいは福井県でやったりとか、あるいは埼玉県とか様々なところでこういった取組をしているので、是非そういった形の支援もしていかないと、1対1での対応だけではなかなか解決できないというような印象を持ちます。だから、直接賠償とは関係ありませんけれども、やっぱり各省庁をまたがった支援、そういった施策を考えていかないと、風評被害にしましても戻るにしても、やっぱり全体で戻っていただくということになりますと、住まいも住居も生活も介護も医療も全部包括したコミュニティを作るということになりますと、また別な発想も必要なので、そういった視点の必要、ちょっと賠償とは関係ありませんけれども、福島県に行くたびにそういったのを思いますので、ちょっと発言させていただきました。

【能見会長】  中島委員、どうぞ。

【中島委員】  今の草間先生の御発言と関連してなんですけど、聞くところによると、厚労省の方針なのかよく分からないんですが、在宅医療、在宅介護に政策が今シフトしつつあると。病院で死ぬ時代から自宅で死ぬ時代へ、表現は悪いんですけど、ということになっているとすると、福島の土地では病院も見てきましたけど、そう簡単に手術できる状態じゃないとなりますと、時間も掛かる。そうすると、在宅医療、在宅介護のネットワークを作る方策を今作らないとコミュニティが復活できないのではないか、こういう御指摘だという理解でよろしいんでしょうか。

【草間委員】  既に松戸等では松戸モデルというようなものを作ったりしているわけですね。それがそのまま福島のそれぞれの市町村に当てはまるかどうかというのは別ですけど、まさに地域包括ケアシステムというのは、それぞれの地域の特徴を生かしたコミュニティを作っていくわけですので、だから、1軒のうちが1軒戻ります。いずれにしても、戻られても高齢化は進むわけですので、そういったことも含めて、ここは賠償の場ですからちょっと違いますけど、でも、そういうような解決の仕方もしていかないと、賠償しましょう、どうこうというだけでは、私は、これはいつまでたっても解決しないのではないかというのをつくづく思います。

松戸モデルというのは1つ、すごくおもしろいので1回検討されるといいかと思いますけれども、1つのビルの中に介護施設も住宅もみんな、URと一緒になったシステムを作っておりますので、それがそのまま福島に行くかというと、それはまた別の話ですけれども、福島のそれぞれの地域を生かしたコミュニティの作り方というのは、私はやっぱりあるんだろうと思います。

【能見会長】  高橋委員、お願いします。

【高橋委員】  追補については、最新のものを出してからかなり時間が経過し、状況も大分変化してきました。その状況の中でどういうふうに考えるべきなのかということから、本日はフリートーキングということで問題提起をいただいたのだと思います。私からは、まず、第一に、能見会長がおっしゃった農業の問題について、風評被害等に関し事実を調べるという点が重要で、能見会長がおっしゃったように、調査については私も是非実施していただきたいと思っています。その上で、何がしかの措置が必要であれば、それは積極的に行うべきであると私も思います。

その上で、同じような話なのですが、私ども、現在の賠償の状況であるとか、それから復興の状況について、委員それぞれが、ばらばらの認識を持っていて、新しい状況の変化については、認識の共通化が必要なのではないかと思っています。

特に、能見会長がおっしゃった、戻られても、なかなかと孤立していらっしゃる、事業もなかなか進まない方がおられる。こういう新しい状況についてどう考えるのかという点については、私としては、前から申し上げていますが、復興施策と賠償の役割分担、どこで賠償の限界を画すのか、という難しい問題の1つの典型例だと思います。この辺については、現在の復興の担当部局がどのようなことを考えておられるのかをお聞きすることが大切だと思います。その上で、ちょっとこれは復興では無理だ、これは賠償の範囲として認定せざるを得ないということになれば、積極的に認定しようという話になろうかと思います。繰り返しますが、この点についても、多面的な状況の認識の共通化が必要である、と思いました。

以上でございます。

【能見会長】  重要な御指摘、ありがとうございます。恐らくそういうことをこれからしていかなくてはいけないのではないかと思います。ほかの委員はいかがですか。

何度かこういうテーマを、資料や実態も踏まえながら、これから議論していかなくてはいけないのではないかと思います。少し補足しますと、あまり先走って言ってはいけないのかもしれませんが、この問題にはこれまでとは違う発想の転換が伴います。戻ってこられたけれども、周囲にほとんど人がいなくて生活がうまくいかない。事業も個人の生活もうまくいかない。委員も言われましたように、これらの問題は政策の問題として解決すべきものが多いと私も思います。けれども、賠償の問題として扱えるものもあるかもしれない。それを検討するのはこの審査会ですけれども、その際の賠償は、今までの様に、戻ってきた人も戻らない人も一律に賠償するという形にはならない可能性がある。戻ってきて苦労されている方に手厚く賠償するということも、これからは考えなくてはいけないかもしれません。こういう問題は、事故当初とは状況がいろいろ変わってきて、現在の状況になって初めて重要な深刻な問題になってきたものです。今までは余りそこで議論しなかった。今までは、戻る人と非難を続ける人との間に差を付けないように考えてきましたけれども、戻った人の苦労に目を向ける、そういう少し新しい視点も持ち込むことを考えなくてはいけないのかなと思います。いずれにせよ、こうした問題を、何度か、この審査会の場で御議論いただければと思います。

ほかの方は御意見ありませんか、よろしいでしょうか。この後、幾つか報告がありますので、それを聞かれてから、議論することもできますので、もし、この段階で特になければ先に進みたいと思います。よろしいでしょうか。

それでは、第3の議題、原子力災害からの復興及び避難指示区域の状況についてということでございます。これは、内閣府の原子力被災者生活支援チーム及び復興庁から御説明をお願いしたいと思います。

【新居参事官】  内閣府原子力被災者生活支援チームでございます。資料3-1、「避難指示区域の状況等について」という資料に基づいて御説明いたします。前回、9月のこの審査会で御報告したものからの進捗を中心に申し上げたいと思います。

1ページめくっていただきまして、右側に12市町村の色付きの地図で示していますが、この避難指示区域からの避難者が7.0万人ということであります。この赤と黄色と緑、すなわち帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域と3つに色分けしておりますが、この避難指示解除準備区域、これは25年8月の区域見直しの完了時点では3.3万人だったのが、今、2.4万人になっているということであります。状況としては、左下にあります、平成26年4月に田村市の解除、平成26年10月に川内村の解除、そして、先ほど豊田政務官からもお話がございました楢葉町、去年の9月5日の解除ということで進んできております。それは、右側の地図で言いますと、20キロという印がありますが、その点々のところの内側ということです。楢葉町が全住民の避難ということで、全町避難の町の最初の解除の事例でございました。

ここに、左下に数字を書いております。どのぐらいの人が帰ってきているかということで、人口と世帯を記載しております。田村市と川内村は60数%、6割ぐらいの住民の方が帰ってこられているということです。それに対して、楢葉町ですが、まだ去年の9月に解除されたばかりでありますが、人口で6%、世帯で9%ということです。約7,300人の町でありましたので、今、420人強がお戻りになっているというのが町の調査でございます。避難指示解除は、ゴールではなくて、まさに復興の始まりだということで力を入れておりますので、その状況も後で御説明します。

次の2ページを御覧ください。これは、この間も御紹介いたしました、去年の6月に閣議決定された福島復興の加速化の指針でございます。3つの柱で、早期帰還支援、新生活支援、自立支援ということであります。早期帰還支援でございますが、1つ目の黒丸に書いておりますように、避難指示解除準備区域・居住制限区域、先ほどの地図で見ていただいた緑と黄色のところについて、遅くとも事故から6年後、すなわち平成29年3月までに避難指示を解除できるように諸々の環境整備を加速するというのが政府の方針で、今、懸命に取り組んでいるところであります。

新生活支援のところでは、真ん中にあります「福島イノベーション・コースト構想」。これは、前向きに福島の浜通りを復興していくドライブとして力を入れているところでありまして、後ほど予算の状況を御説明します。

3つ目の自立支援でございます。この柱書きに書いてありますように、平成27年度、28年度の2年間において特に集中的に事業者の自立支援を展開して、原子力災害より生じている損害の解消を図るということで、新たな主体を創設しまして、事業、なりわいの再建・自立、生活の再構築のための取組を充実するという方針でありまして、昨年末、政府において予算案を決定しました。それを後ほど御説明します。

次の3ページでございます。昨年9月に避難指示解除になった楢葉町の復興の状況であります。前回は、避難指示解除に至るまでの取組をここで御紹介しましたが、今回はその避難指示解除の後、どういう動きが楢葉町に出てきているかということを御紹介します。

左上は天神岬という海側のところにある温泉施設、しおかぜ荘ですが、昔、子どもも含めて町民の方がよく集まったところであります。そこが9月にリニューアルオープンになっております。次に真ん中ですけれども、住民の方々のためには、買い物環境というのが非常に大事だということで、これは国道6号沿いに、「ここなら商店街」という仮設商店街にブイチェーンネモトさんがあるんですが、生鮮食料品の品ぞろえを大幅に拡充していただきました。

右側の研究施設があります。楢葉遠隔技術開発センターといいまして、これは日本原子力研究開発機構が建設しているものです。福島第一原発の廃炉という大変困難なことにこれから取り組んでいるところですけれども、その研究施設です。去年の秋に開所式があり、安倍総理も御出席になりました。これをイノベーション・コースト構想の中核の1つとして進めていくということであります。

下に行きまして去年の10月に、ユズの実証栽培、そして、木戸川のサケ漁の再開、こういうニュースも出てきて、どんどん復興の機運が出てきているところです。

病院施設も非常に大事であります。右下は、ちょうどこの週末の日曜日に、このふたば復興診療所の開所式がございます。来週月曜日から診療が再開されるということで、復興の足音がどんどん聞こえてきている状況であります。支援チームとしても、町と一緒に本格復興に向けてさらに努力していきたいと思っております。

次のページでございます。準備宿泊といいまして、避難指示解除はまだなんですが、避難指示の解除の後、ふるさとでの生活を円滑に再開するための準備作業を進めやすくするために、本来禁止されている自宅等での宿泊を特例的に可能とする制度であります。去年の9月の審査会の時点では、ちょうど葛尾村、川俣町、南相馬市、この3つの準備宿泊が開始したところでした。それに加えて11月から、右側に書いてあります川内村の準備宿泊も開始されました。ここに、登録人数というのが書いております。もともとの人口に対して、葛尾村、川俣町は1割に満たないぐらい、南相馬市は1割を超えておりますが、こういう状況であります。それでも、この間、9月に御報告したときの数字と比べて、葛尾村、川俣町、南相馬市、登録世帯人口は着実に増加しております。

下に、準備宿泊中にどういうことをやってきているかということですけれども、とにかく生活環境の整備ということで、飲料水確保のために井戸掘削を行うとか、買い物環境を整えるための地元商店の再開、防犯対策、あと、委員の先生方に行っていただきましたが、南相馬市の小高病院の再開。川内村でも、介護施設、特別養護老人ホームが去年の秋に開所しています。こういう動きをどんどん後押しして、避難指示解除、さらに本格復興に向けて努力しているところであります。

次の5ページでございます。先ほど御紹介した市町村以外のまちの、現場の情報を簡単に御報告します。既に解除されているところで言いますと、広野町、田村市、左側の上2つであります。広野町は20キロ圏外でありますが、去年の8月に、株式会社レイスが新工場を建設することを発表されておりますし、一番下のポツでございますが、今年度中に「ひろのてらす」というのがオープンして、イオンが再開するというような動きがあります。

田村市は、去年10月に原発事故で閉鎖していた工場が再開し、11月には仮設商店街で農産物の試験販売が開始されるという動きがあります。次、右側の飯舘村と下の富岡町、浪江町、この3つは。平成29年の春までの解除を視野に復興に取り組んでいます。飯舘村はここには記載しておりませんが、委員の皆様が御覧になったセブンイレブンが去年の7月にオープンをした後、10月には村の方で幼稚園、小中学校と、平成29年4月から再開する方針を発表されています。また、「いいたてクリニック」という医療機関が平成28年9月、今年の9月の診療再開方針を発表、今年の7月より村役場を戻して業務を再開することが発表されていて、どんどんこういう動きが出てきております。

左の富岡町は、去年の10月に町役場、警察の一部機能を町内に移転して戻しました。一番下の大型商業施設は、地元でよく使われていたヨークベニマルとかダイユーエイトというホームセンターですが、今年の秋に再開する方針が発表されております。

浪江町でございます。浪江町でも去年の11月に、浪江町産の米が初めて販売されるとか、特に今年の4月1日から、町で設置しているバリケードを撤去するという方針が決まりました。

右に、大熊町と双葉町とあります。ここは、帰還困難区域が非常に大きな面積を占めますので、なかなか難しいところですが、動きが出てきておりまして、例えば大熊町では、この1月にメガソーラーの発電所が完成して、運転を開始するということであります。

あと、残りの時間で2つ御説明します。6ページ、官民合同チームによる、自立支援です。去年の8月から、国、県、民間の160人から成るチームを結成しまして、約8,000の被災事業者を対象に個別訪問をして支援していく取組ですが、その現状の御報告です。

次の7ページを御覧ください。先週、1月25日まで4か月半で、3,184件の訪問件数であります。3,000社いらっしゃいましたら、3,000通りの御要望や思いがございますが、どのぐらいの方が地元で事業を再開したいと考えておられるかということであります。既に地元で再開済みというのが21%、2割ぐらいありますが、今、避難先で事業を再開済みの方のうち、将来帰還して地元で事業を再開したいと思っている方が9%。今は休業中ですが、将来帰還して地元で事業を再開したいと思っている方が13%。これを足しますと、43%の方は将来地元でやりたいということであります。住民の方々が戻るのと事業者の方々が戻るのと、ある意味セットでございますが、自立支援ということで、こうした方々をしっかりと支援していきたいと思っております。

次の8ページは、町ごとの数字を御参考までに書いております。下の枠囲い、黒字で囲っているところのうち黄色のところが、先ほどの43%の内訳でございます。御覧いただくと、既に解除されている市町村で6割、7割、8割という数字がございますが、大熊や双葉は17%というふうに、地元での再開を考えている方が非常に少ないという事情がございます。様々な事情があって、それに応じて御支援するということで、次の9ページに、去年の年末に補正予算と当初予算として決定された施策の概要を1枚にまとめております。

それぞれの様々な声を受けて、主に4つのカテゴリーで政策を構成しております。上の1のところは、「事業者の方々に寄り添った訪問・相談支援の強化」ということです。今後、単に御相談を受けるだけではなくて、事業再開に向けて、コンサルタントとか中小企業診断士などの専門家を交えたチームを構築していかなければなりません。事業者に寄り添った訪問・相談支援、これが官民合同チームの根本でございますので、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。

大きく2つ目のカテゴリーは、事業・なりわいの再開に向けて思い切った支援を行うということでございます。1で「人材確保支援」とあります。委員の皆様も御視察の中で聞かれたと思いますが、人の確保が大変だという声が多い状況です。委員の皆様も御視察の中で聞かれたと思います。12市町村内外からの人材確保を図るために、人材マッチングを行うための予算をはじめ、厚生労働省の施策とも連携しながらやっていきたいと思っております。

2つ目に「設備投資等支援」とあります。12市町村で被災された中小・小規模事業者の方々の事業再開に要する設備投資などの費用を補助する取組です。

上に行きまして、販路開拓です。取引先との関係の構築事業者間のマッチング、経営者に伴走する専門家の派遣などを行っていきたいと思っております。

左下の3ですが、事業はおやめになる方もいらっしゃいます。その方々も御支援申し上げたいということで、地域の人と人とのつながりの回復を通じて、地域の活性化、まちづくりにも資するような取組、例えば、地元産品を活用した取組とか防犯パトロールとか技術の伝承など、ある程度のグループで活動される方々、事業そのものはおやめになるんですけども、そこに戻って行う活動に対して御支援したいと思っております。

右下の方は、事業者の帰還と住民の帰還は鶏と卵と言われます。どちらが先かということでありますが、ここで事業再開・帰還促進事業として市町村に交付金を交付し、地元事業者からの購入を促す取組などを支援していきたいと思っています。

最後、イノベーション・コースト構想です。先ほど御紹介したモックアップ施設が左にありますが、来年度予算では、ロボットテストフィールドなどの予算を用意してあります。福島第一原発の廃炉作業というのは、自動化、ロボットの技術が非常に重要になります。これを廃炉作業だけではなくて、防災分野とか、いろんな分野に活用できるロボットの開発の核となるように、浜通りを拠点として復興していくというものでございます。

以上、復興に向けた状況と施策を御紹介いたしました。

【能見会長】  では、続いてどうぞ。

【遠藤参事官】  復興庁です。資料3-2「復興の現状」を用いまして、最近の動向につきまして3点ほど御報告いたします。

1ページ目を御覧ください。この資料は、福島の復興・再生に向けた、復興特会の平成28年当初予算案のポイントをまとめたものです。4月から復興・創生期間が始まるという節目を迎えていますが、福島に関しても、昨年6月の閣議決定を踏まえて、住民の帰還促進、また、12市町村の生活の再構築に関して取組を強化する、また、安全・安心に対する取組を進めるという観点から予算を作成しているところです。

左上の1番目は、長期避難の方から、また、早期帰還される方までを一括して対応するという交付金になっておりまして、今年度同様の1,000億円程度の予算案になっています。下の2ポツのところは、宮城等々を含めた被災県全体の被災者支援等々の予算になっています。

右上の3ポツに関しては、除染、放射線モニタリング等々、安全・安心対策のための予算になっています。右下は地域経済の再生などの予算で、先ほど御説明のありましたイノベーション・コースト構想等の新規の予算についてもこちらで計上しているところです。

もう1ページおめくりいただきまして、こちらは、先日成立しました補正予算に関するものです。右手は、先ほどの自立支援事業に関して基金を設けるという228億円の予算などが計上されているほか、除染関係の加速化の費用などが計上されています。

次に、3ページ目から2点目といたしまして、12市町村の将来像に関する進捗についてお話ししたいと思います。こちらは、復興大臣の下、有識者検討会で将来像の提言を昨年7月に取りまとめていただいたところです。柱は、3ページ目の右にありますように、廃炉が進められていく三、四十年後の地域の姿というものと、2020年のオリンピック・パラリンピックのタイミングに向けた具体的な課題、取組といったものが提言の内容になっています。この提言を受けて、下の方に書いていますフォローアップ会議という、国、県、市町村が入った会議において、特に2020年までに向けた取組に関して、具体化のためのフォローアップの議論をまさに現在進めているところです。

4ページ目が、その主要な個別の項目です。これは19項目ありますが、こういった幅広い分野について議論を行っているところです。本件の今後の進め方ですが、この春までに提言の主要項目について具体化に向けた工程表などを取りまとめて、6月頃に開催予定の有識者検討会に報告しまして、また、アドバイスなどを頂くという進め方をしようと思っています。

次に、5ページ目、また6ページ目に3点目としまして、復興庁が県、市町村の御協力をいただきながら進めております住民意向調査の結果について資料として配付させていただいています。これは節目節目に実施していますが、富岡町ほかの幾つかの町につきましては、昨年の夏以来行った結果が公表されていますので、そういったアップデートを含めて資料をお持ちしました。アンケート結果につきましては、直近に行った調査と比較してみますと大きな変化は見られず、例えば、戻りたい、まだ判断が付かない、戻らないといった方の割合なども出しておりますので、御参考にしていただければと思います。

以上です。

【能見会長】  どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの2つの報告に関連して、質問あるいは御意見がございましたら、お願いします。

大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】  ありがとうございます。復興庁の方にちょっとお伺いしたいんですけども、今の3ページのところを興味深く拝見しました。非常によくやり始めていただいているので、きめ細かく対応していただきたいと思っているところですが、一方で、この3ページのところは、将来像を提言してフォローアップされるという御趣旨で、こういうのはいろんな場面で国がやっておられると思いますけども、2030年とか、あるいは2050年のグランドデザインというのを考えていただきながら復興していただくことは非常に重要だと思っております。そこで、この右の上のところの1のポツには、震災前の人口見通しを上回る可能性とかということもお書きになっていますが、全国的に人口が減少していく中で、この見通しは果たして現実的かどうか、ちょっとよく分からないところもございます。ちょっと過大な見積もりをされているのではないかという気もしないでもないですけども、その辺は十分精査された上で御検討されているのでしょうか。ちょっと失礼な言い方で申し訳ないですが、お伺いしたいです。

【遠藤参事官】  この人口の見通しに関してですが、こちらはまさに様々な仮定といいましょうか、見通しを置いて試算したという形になっています。この地域は、震災前にも人口は徐々に減っていくという見通しがもともと見込まれていた地域です。今回の試算では、復興が進んでどれくらいの方がお戻りになるのかということと、先ほどのイノベーション・コースト構想などの話もありましたけど、新しい産業がこの地域に集積して、新しい住民の方が来られる、そういった部分の影響なども踏まえて試算を行ったところでして、確かに幾つかの試算をしており、復興が十分に進まないような場合には震災までの推計を下回る可能性もありますが、今申し上げたような様々な施策を打っておりまして、帰還者の方、新産業の人材、また廃炉の関係の方等々、多くの方が今もうそちらで働いておられますけれども、そういった方々の数も含めて計算しますと、震災前の推計を上回るという可能性も試算として出されたというところです。

【能見会長】  よろしいですか。

【大塚委員】  新産業による雇用はどのぐらい増えるということをお考えでしょうか。それから、全国的に人口が減少して、あるいはほかの地球環境問題とかの関係も含めてコンパクトシティ化を考えているんですけども、それとの関係を考えたときに、特に農林水産業のことを考えたときに、果たして人口が増えるような状況になるのかどうかというのは結構問題だと思います。ここで試算を間違えると、今後いろんなところに影響が出てくるでしょうが、多分それが分かった頃には時間的にはもう手遅れになってしまうと思いますので、やや気になりますけども、何かお答え頂ければありがたいです。

【遠藤参事官】  これは様々な仮定を置いて試算したもので、例えば企業立地の補助金等、平成28年度の予算案にも計上しておるところですが、そういった政策の効果とか、イノベーション・コースト構想の拠点ができて、ロボットテストフィールドや、そういったものを今作ろうとしていますが、そうしますと、その関連産業の方が集積すると、そういう効果も期待できるかなということで、様々な御指摘があると思いますけれども、ある試算という形で復興庁の方で行ったところです。

【能見会長】  高橋委員、どうぞ。

【高橋委員】  先ほど商工業の回復には、住民の帰還と車の両輪であるという話がございました。そのような意味で、省略されましたが、5ページ、6ページの状況のご説明は極めて重要なお話だと思います。この点、追加で御説明頂きたい、と思います。次に、復興政策の関係では、私、注目しているものとして、一団地の復興事業という施策がございます。帰還困難な地域については、1個拠点を形成して復興を図るという事業もやっていらっしゃるんですが、その点、どういうふうに施策を強化される展望があるのかというお話をお伺いしたいと思います。また、それから、中島委員からお話されましたが、林地の除染の話が重要です。これは環境省のマターかもしれませんけども、現在は、林地の境界から20メートルぐらいまでは除染されて、その後は、自主的な研究事業で実施されているとお話がございますが、今、中島委員のお話をお聞きしますと、生活環境に、大雨が降ったりすると流れてくるということもございました。その辺の事情を踏まえて、どのように林地の除染を考えていらっしゃるのか。お分かりにならなければ、後に追加で御説明頂いても結構ですが、以上3点について、御説明を頂戴したいと思います。

【遠藤参事官】  1点目の御質問は、復興庁の資料の5ページ目、6ページ目の住民意向調査のポイントという御質問だったかと理解しますが、5ページ目を御覧いただければと思います。こちらは富岡町、大熊町等々書いてございます。これは県、町と一緒に調査させていただいたものです。この調査の目的は、復興庁、あるいは支援チームで帰還環境を整備していくということの参考にするということと、復興公営住宅等の整備のニーズ等々を把握するためという位置付けになっています。

例えば富岡町を御覧いただきますと、配布数7,000世帯余りということで、3.11の際におられた方というということを対象にして調査をさせていただきました。おおむね半数の回収率となっています。1つの調査のポイントは、帰還の意向ということで、お戻りになりたいと考えている方、まだ判断がつかない方、戻られない方々ということになってございまして、ほぼ前回同様ですけども、判断がつかない方の割合が若干減って、戻りたい、戻らないと決めている方が若干増えたような状況になっています。帰還判断のための必要な情報というところでは、ほかの市町村も同様ですけども、インフラの復旧の見通しでありますとか、帰還しない方の理由の中には、医療環境に不安があるというようなお話が出ております。そういったところを各市町村別にまとめた資料になっています。

2つ目のお尋ねは、昨年の国会で法改正も行って、制度的にも対応したものですが、具体的には、今、大川原地区と呼んでおりますが、大熊町の復興拠点とされているところに関して、現在、具体的に計画を進めることにしています。ここには新たな集積ということで様々な住宅もありますし、まちづくりをしていこうということなっています。これは非常に象徴的に大熊町で先導的に進めているもので、法改正をした成果の具体的な事例として先導的に進めているものになっています。

【高橋委員】  ほかの団体でこの施策を積極的に実施されようとしているところはないのか、これを進める方針はおありにならないか、そういう御質問なんですが。

【遠藤参事官】  今後、期待されているところではありますが、今、各市町村で御検討中の状況というふうに認識しております。

【高橋委員】  はい。

【新居参事官】  3点目の除染についてでございますが、環境省、環境再生事務所に懸命に取り組んでいただいております。私ども支援チームも連携をとって住民の方の声を聞きながら、相談しながら進めているところでありますが、一般的に、計画に基づく除染終了後、事後モニタリングを環境省にしていただき、除染の効果が維持されていない箇所があった場合には、個々の現場の状況に応じてフォローアップ除染を追加的にやるようにしています。森林から生活圏に放射性物質が流れてくるというお話については、その原因は環境省の方で調査をしていただいて、丁寧に対応していただけると承知をしております。詳細は、また環境省の方から後日ということと、相談させてもらいたいと思います。

【高橋委員】  特に林地の除染のやり方について、御説明を後で頂戴したいと思います。

【能見会長】  ほかにいかがでしょうか。被災者生活支援チームの資料の2ページ目のところに、自立支援というところですけど、一番最後の項目、黒丸のところで、営業損害・風評被害への賠償等に関する対応ということですけども、これは直接、我々の審査会でも関係するマターですが、ここは支援チームとして何をされようということなんですか。

【新居参事官】  御質問ありがとうございます。この自立支援のところでございますが、損害の解消を図るというのは閣議決定の文言でありまして、支援チームとしては、先ほど説明した自立支援策、事業者の方々が、できれば、もとにいたところに戻って事業を再開して、そのなりわいを取り戻して自立して生活できるように様々な形で御支援申し上げるというのが支援チームの行っていることでございます。

【能見会長】  自立支援に必要な限りにおいて、必要な営業損害の賠償、風評被害の賠償というものをサポートするという意味ですね、ここに書いてあるとおり。

【新居参事官】  賠償は審査会の指針に基づいて、しかるべくやっていく。それを前提にしながら、事業者の方々が自分でなりわいを取り戻してやっていくということを支援チームとしては御支援申し上げるということであります。

【能見会長】  それから、復興庁の方も、1ページ目の右下のところで風評被害の対策ということで、これは先ほど述べましたが、賠償の問題として、なかなか難しい問題があるわけですが、したがって、積極的な政策を打ち出していただけると、それは非常にありがたいことです。ここら辺は、何か具体的なことを考えておられますか。

【遠藤参事官】  風評被害対策に関しては、関係省庁のタスクフォースなども開いておりまして、昨年にもその取組方針のすり合わせなども行ったところですし、先ほど少しお話がありましたが、福島以外の自治体の方にも是非御理解いただいて、御支援いただく方向でいろんな自治体の方への働きかけとか、そういったところにも今強化して取り組んでいるところです。

【能見会長】  その点は是非よろしくお願いしたいと思います。

中島委員、どうぞ。

【中島委員】  今の能見会長の御指摘に関連するんですけども、営業損害・風評被害への対応の一環として、地元の木材業者の話では、もう線量がない安全な木材でも、福島県産というだけで引き取ってくれないという話もあり、農作物でも同じような、特に西日本では福島県産は売れないという状態が市場、あるいは流通業者の間ではあるようなんですけど、地元だけでなく市場全体といいますか、流通業者への働きかけとか、何かそういう措置といいましょうか、そういうものは何か考えておられないんでしょうか。

【新居参事官】  風評対策は関係省庁が集まってタスクフォースを結成していまして、去年の6月にも風評対策強化指針というのを出しております。風評の源を取り除く、分かりやすく情報提供をする、産業を支援する、そういう柱を立てて、復興庁を中心に取り組んでいただいているところであります。今まだ価格がほかよりも安いという状況はよく声を聞きます。特に福島県内だけではなくて、恐らく西日本を中心に日本全国、やっぱり福島に対するイメージが5年前のまま止まっているのではないかということでありまして、随時、関係省庁で取り組んでいるところでありますが、今年、震災5年の年でありますし、サミットも開催されるということで、さらに風評対策、県内外、国内外も含めて取組を強化していくということで議論をしているところです。

【能見会長】  重要な政策ですので、是非お願いしたいと思います。お役所の食堂のお米は全部福島産にするとか、いかがですか。

【新居参事官】  実際に福島のお米をいろんな役所の食堂で出すように働きかけて、実際に既に提供されています。

【高橋委員】  今のお話ですが、グリーン購入の制度がありますよね、グリーン購入法という法律があって、環境にやさしいものは積極的に政府の様々な事業で購入しましょうというような法律もあります。これに準じた購入制度の創設は考えられないんですか。福島県の木材等について。

【遠藤参事官】  なかなかグリーン購入法と同様のというのは困難な面もあるかと思いますが、ただ、福島県産品を積極的に食べたり飲んだりされて、応援されたいという方もいらっしゃると思いますので、そういった方々にどういうふうに働きかけていくかというようなテーマは、先ほどちょっとお話ししました将来像という議論の中でも有識者の方から御指摘があったところでございまして、県庁などとも相談しながら、どのようにして福島県産品を応援していただけるような枠組ができるかという検討は現在行っているところでございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。時間も大分たっておりますので、申し訳ないのですが、ここら辺で次の議題に移りたいと思います。

それでは、4番目の議題、東京電力による賠償の状況についてです。東京電力からお願いいたします。

【村永常務】  東京電力常務執行役の村永でございます。本日は、このような説明の機会を頂き、また、能見会長はじめ、審査会の委員の皆様には環境整備に御尽力賜りまして、まことにありがとうございます。事故から丸5年という年を迎えることになりましたけれども、今なお避難を余儀なくされている約10万人の福島県民の皆様、多大な御迷惑、御不便、御心配をおかけしております。誠に申し訳なく、心よりおわび申し上げます。

ここからは座って話をさせていただきます。

本年4月に東京電力はホールディング制を敷きまして、新制のスタートを切ることになります。新制の東京電力グループといたしましても、福島の復興が私たちの原点であるという認識に変わりはございません。福島の皆様が一刻も早く生活再建、事業再開を果たして、新たな生活を始めていただけるよう御指導頂きながら、最後のお一人まで賠償を貫徹するとともに、国の復興施策にも最大限協力してまいります。よろしくお願い申し上げます。

それでは、引き続きまして、本日御用意いたしました賠償の状況の資料につきまして、福島原子力補償相談室長の近藤から御説明を申し上げます。

【近藤室長】  近藤でございます。まずは、当社からの賠償金のお支払い状況につきまして御説明を申し上げます。

資料4の1ページ目を御覧ください。当社は、事故のございました2011年10月から本格的に賠償を開始いたしました。その結果、昨年末現在で仮払いの補償金を含めましてお支払い総額は約5兆8,097億円というふうになっております。件数で申し上げますと、いずれも累計でございますが、個人の賠償が約77万件、自主的避難等の賠償が約129万件、法人・個人事業主の賠償が約33万件となっております。

続きまして、中間指針第四次追補の関連の賠償項目並びに昨年6月の閣議決定に関連しました賠償項目の実現について御説明をいたします。資料2ページ目の上段でございます。四次追補関連の賠償項目でございますが、まず、移住を余儀なくされたことによる精神的損害につきましては、一昨年4月より御案内を開始いたしておりますが、昨年末現在で合意件数が約1万2,100件、合計金額が約1,833億円というふうになっております。また、住居確保に係る損害でございますけれども、同じく一昨年の7月より御案内を開始しておりますが、昨年末現在で合意件数並びに金額はそれぞれ、持ち家が約9,100件で約1,540億円、借家が約910件で約24億円となってございます。

続きまして、閣議決定に関連した賠償項目の実績でございます。閣議決定されました福島復興指針改訂を受けまして、国の御指導も頂きながら、早期帰還支援と新生活支援の両面の対策の深化、それから事業・なりわいや生活再建、自立に向けた取組への対応といたしまして、風評被害を含む新たな営業損害賠償並びに避難指示解除準備区域及び居住制限区域に係る精神的損害賠償のお取扱いの見直しを実施いたしました。まず、風評被害を含む営業損害につきましては、依然として損害が継続している事業者様に対しまして、閣議決定後の今後2年間におきまして、特に集中的な自立支援施策が展開されることも踏まえまして、将来にわたる損害を年間逸失利益の2倍とみなしまして、一括してお支払いをいたしております。実績でございますが、昨年末現在で合意件数が約5,800件、合意金額は約588億円となっております。

なお、国による集中的な自立支援施策の展開等によりまして、原子力事故による損害の解消が今後図られていくものというふうに私ども考えておるところではございますが、一括の賠償後も、なおやむを得ない特段の御事情によりまして、当社事故と相当因果関係が認められます損害の継続を余儀なくされる場合につきましては、個別の御事情をしっかりとお伺いいたしまして、適切に対応させていただきたいと考えております。

次に、精神的損害でございます。避難指示解除準備区域、居住制限区域におきましては、解除の時期にかかわらず当社事故から6年後に解除される場合と同等の2018年3月までのお支払いをいたしております。実績でございますが、こちらも昨年末現在で合意件数は約2万1,500件、合意金額が約1,191億円となってございます。当社といたしましては、これらの賠償が被害を受けられた方々の早期の生活再建、事業復興に密接にかかわってくることを念頭に置きまして、引き続ききめ細やかな対応及び支払い手続きの一層の迅速化に努めてまいりたいと存じます。

次に、賠償に係る体制でございます。資料2ページの中段を御覧いただきたいと思います。人員数といたしましては、委託、派遣も含めまして引き続き約1万人の規模で取り組んでいるところでございます。当社といたしましては、今後、いろいろ賠償等につきまして状況の変化が起こってくると思いますので、それに応じまして柔軟な体制で対応してまいりたいと存じております。

それから、下の訴訟の実績でございます。昨年末で当社に送達された件数、これは今323件でございまして、半数強がいまなお係属中ということでございます。

最後になりますけれども、当社といたしましては、今後とも国の御支援も頂きながら、公正かつ円滑な賠償のお支払いができますよう精いっぱい努めてまいりたいと存じます。引き続き御指導、御理解を賜りますようお願い申し上げます。

当社からの説明は以上でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。それでは、ただいまの説明に対して御意見、御質問がございましたら。

大塚委員。

【大塚委員】  どうもありがとうございます。2ページの最後のところで、うち終了というのが153件になっていますけれども、このうち和解が何件で、判決が何件でということを教えていただけますか。判決の主なものも教えていただけるとありがたいです。

【近藤室長】  153件の内訳でございますが、訴訟の中に仮処分も含めてカウントしてございます。現在、和解されたものが62件ということでございます。棄却・却下が58件ということで、残りが決定・認容ということでございまして、その他に調停等も入ってございますので、そちらの方が24件分ございます。したがいまして、ほぼ半分和解で半分棄却・却下というようなイメージでございます。

【大塚委員】  一部は判例集とかにも出てきていると思いますけども、判決についての却下というのはどういうケースが多いかとか、認容はどういうケースがあるかというのは、ある程度のお話は頂けますか。

【近藤室長】  いろんなケースがございます。まず、立証が不十分というのが当然ございますし、また、例えば相当因果関係が認められない、いろんな精神的な不安といっても、例えば事故の原子力発電所から距離が離れているとか、そういったことで合理的な不安感はないであろうとか、そういったような判断がございまして、特にこれが多いというのはございませんが、相当因果関係が認められないというものが一番多いのではないかなというふうに考えております。

【大塚委員】  続けていいですか。精神的損害も結構多いわけですか。営業損害とか、財産的な損害が多いわけですか、その辺をお願いします。

【近藤室長】  結果が出ているものについては、どちらかというと営業的なものが多くて、現在係属中のものの中には、いわゆる集団で提訴されているものがございまして、その中には住民の方が多いものですから、精神的損害が請求されているケースが多うございます。今のところ結果が出ているのは、基本的には営業等が多いですけど、中には精神的損害も入ってはいるところでございます。

【大塚委員】  すみません、ありがとうございました。

【能見会長】  はい、大谷委員、どうぞ。

【大谷委員】  資料1に戻っていただきますと、これは現地視察結果に関するものではございますけれども、それの5のところに市町村等からの主な意見というのがあります。この中で、ADRの関係、1ページでいきますと、黒ポツの3つ目です。浪江町の賠償の問題、集団申立ての関係、資料2にいきますと、もう少し詳しく2ページに6としてADRセンターの和解仲介手続ということで、浪江町の原発ADRの集団申立事件に関し仲介委員が平成26年3月20日に提示した和解案の内容を踏まえ、東京電力が和解案を受諾するよう適切な措置を講じることという要望を寄せられております。これについて、当審査会で何の議論もしなかったということになりますと、被災者の皆さん方に大変申し訳ないことになりますので、東電の対応の問題についてはいろいろありますけれども、これだけに絞って、せっかく東電の担当者がおいでになっておられますので、御見解を確認したいと思います。浪江町の集団申立事件については、裁判所でいうと裁判体に当たる和解仲介センターのパネルが和解案を示し、それを東電が拒否され、それに対してパネルにおいて更に検討を加えて、そして再三にわたってパネルの和解案の内容が合理的であるということの説明を申し上げてきております。これに対して、なお東電は拒絶を続けておられる。事態の深刻さに照らして、総括委員会自体も、個別案件ではありましたけれども、内容を精査して、そのパネルの見解は適切であるという判断を示しているところであります。センターとしては手段を尽くした手続きをとって、東電に納得していただくための努力をしているわけでありますけれども、それにもかかわらず、依然としてこういう要望を頂くというような状況が続いております。これは、東電が当初宣言されたADRの和解案の尊重義務、これとどう調和するのかということです。ADRセンターが組織を挙げてこの案が合理的であるという判断をして受諾を要請している、そういうものですけれども、それについて今はどういうお考えなのか聞かせていただきたいと思います。

【近藤室長】  それでは、今の浪江町のADRの件につきましては、これは個別の案件でございまして、今ちょうど手続きが進行中でございます。いろいろセンターさんから頂いた御趣旨をしっかりと受けとめまして、私ども今検討している最中でございます。一般論として言わせていただきますと、ADRにつきましては、新・総合特別事業計画にも掲げましたとおり、和解仲介案の尊重という、この基本姿勢は全く、いささかも変わっているところはございません。私どもといたしましては、今回のこの大きな損害賠償の案件につきましては、当然ADRセンター様のいろいろな御努力、これがあってこそ何とかここまで今たどり着いているところだというふうに認識しておりますので、この枠組みを決して壊さないように、私どもも努力をしていきたいというふうに思っております。個別の案件は申し上げられませんが、申し訳ございません。

【能見会長】  大谷委員、どうぞ。

【大谷委員】  今のお答えでは到底承服し難い。もう少し踏み込んだお話を頂きたい。どこに問題があって東電としては受け入れ難いのか、そのあたりをきちっと説明していただきたい。

【近藤室長】  申し訳ございません。個別の案件につきましては、審理期日の中で会社の考えは申し上げさせていただいておりますので、また今度も期限が決まっておりまして、来月にも進行期日が開かれますので、その場でしっかりとお話させていただきたいというふうに思います。

【大谷委員】  そのときには、担当パネルが納得し得るような説明を頂けるということでよろしいですか。

【近藤室長】  納得していただければとは思いますけれども、そのように努力をしていきたいというふうに思っております。

【大谷委員】  東電がしょっちゅう口にされることであるけれども、真摯な対応というのを是非していただきたいと思います。

【能見会長】  先ほど、資料1にある、この要望の中の1のところは、これは抽象的な形で書いてありますけども、ただ今ご議論のあったADRの事例と関係するわけですが、審査会でそのADR手続中の中身にどこまで立ち入れるかという問題があって難しいところがあるので、先ほどは、後回しにしたわけです。ただ、私としては、これを議論しないという考えがあったのではなく、ただ、具体的な事件に立ち入らないで、もっと一般的な形で議論するのがよいと考えていました。たとえば、ここに書いてあるようなコミュニティの崩壊による慰謝料というものがありうるのか、現在支払われている慰謝料に加えて、追加の賠償というのがあり得るのか、あり得ないのか。あるいはどの時期についてそういうのがあり得るのかとか、そういうことはむしろこの審査会の委員の間で本当は御議論していただきたいというふうに思っています。東電がADRの和解仲介の場においては、和解の提案というものを尊重して行動していただきたい。また誠実に対応していただきたいと思います。しかし、この審査会の場では、私としては、この問題を具体的な紛争に直接関連してではなく、一般的な問題として、審査会でちゃんと議論したいと思っています。今日は余り時間がありませんので、私も個人的な意見は控えますけれども、今触れましたように、コミュニティの崩壊ということを理由とする慰謝料が、指針で認めた場合のほかにあり得るのか、あり得るとしても、どの時期に、そういう損害が問題となるのか。事故後の最初の6か月間など、早い時期にそういうことが問題になるのか、あるいは、長期に戻れないという段階で問題になるのか。長期に戻れない時期においてコミュニティの崩壊による慰謝料というのが問題になるとすると、指針が認めている長期に戻れないことの不安による慰謝料というものとある程度オーバーラップするところがありますので、その関係をどうするかとか、皆さんの間でこうした問題について少し御議論いただきたいと思っています。今日は十分な時間がないかもしれませんが、今後、そういう時間をとることはできるのではないかと思います。もっとも、大谷委員が言われたのは、もっぱらADRにおける東電の対応の仕方についての御意見をおっしゃったと理解します。この点については、東電には是非誠実な形で対応をお願いしたいというふうに思います。

野村委員、どうぞ。

【野村委員】  資料4の方に戻って、2つお伺いしたいのです。1つは、2ページ目の上の方で四次追補に示された損害など、東京電力で新しく賠償を始められたところで、潜在的な被害者のどれぐらいが既に賠償を得ているのか、その辺について何かお答えになれるようでしたらお答えいただきたいという点です。要するに、これらの損害項目について、時系列的にこれからどんどん増えていくというように考えているのか、あるいは請求数が大分少なくなってきているのか、お考えを伺いたいと思います。

それからもう一つは、先ほど大塚委員からも御質問があった点に関わる質問です。最後の訴訟のところで、先ほどは最終的に解決したものについてお話があったのですが、全体として、原告が個人なのか、法人なのかとか、あるいは損害の種類で営業損害なのかとか、比較的、訴訟で問題になっているものについて、ADRあるいは直接交渉で東電が解決しているものに比べて際立った特徴があれば、お話しできる範囲で結構ですので、お話し頂ければと思います。

【近藤室長】  最初の御質問でございますが、四次追補の関係で、ざっくりで申し訳ございません。移住を余儀なくされたことによる精神的損害につきましては、これはほぼ払っているに近い状況まできているかというふうに思っております。それから、住居確保に係る損害につきましては、ちょっとまだまだかなと。と申しますのは、金額でいきますと、要賠償額の見積もりというのをやっております。それが大体4,600億ぐらいということで見積もっておりますので、それでまいりますと、今1,540億という支払いですので、お金からいけば3分の1でございます。移住されるとか、お戻りになって建替えをするとか、そういったところが決まっていらっしゃらない方が数多くいらっしゃいますので、こちらについては今後、本格化していくのではないかというふうに考えております。

それから、訴訟の関係でございます。原告数でいきますと、圧倒的に集団が多いものですから、それが多くて、それは個人のいわゆる精神的損害等をはじめとする賠償請求が多くなってございます。あとは営業関係の損害ということでございまして、東京電力が、私どもがやっております任意の交渉による賠償で納得がいかないということで訴訟されますので、国からの上積みをされたものがきているということで、中身的に特に、特徴的なものというのは、そんなにはないかなというふうに考えております。

【野村委員】  どうもありがとうございました。

【能見会長】  どうもありがとうございました。まだまだ御質問になりたい方がおられるかもしれませんが、今日は時間がありませんので、もし委員の方々で、もっと東電に聞きたいという事項があれば、事務局を通じて、東電に問い合わせして、東電からお答え頂けるものはお答えを頂くという形をとりたいと思います。

それでは、どうもありがとうございました。

【村永常務】  ありがとうございました。

【能見会長】  第5番目でございます。議題の5、原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況についてということでございます。

それでは、團藤さん、お願いいたします。

【團藤室長】  それでは、時間も押しているようでございますので、手短に御報告を申し上げたいと思います。資料の5を御覧ください。

まず、閉じ順が前後して恐縮でございますが、最後の7ページを御覧いただきますと、これまでの活動実績をまとめてございます。平成23年9月から受付を開始いたしまして、昨年末現在までの数字でございます。申立総件数は1万8,610件、申立人数の総数は9万2,693人とありますが、法人も含まれているということでございます。そのうち1万5,864件について終了いたしております。これは申立総件数の85.2%に当たります。また、その終了件数のうち和解の成立によって解決が得られましたものが1万3,212件、これは終了件数を100%といたしましたときの83.3%に該当いたします。申立総件数と申立人総数を見てみますと、平均いたしますと1件当たりの申立人数は4.98という数字が得られております。これが平均値ということで御理解をいただければと思っております。

それでは、2ページにお戻りいただきまして、私どもの体制について御報告を申し上げたいと思います。平成27年末現在の体制がこの一番右端に記載しているとおりでございます。仲介委員は278名、仲介委員をサポートいたします調査官は189名という体制でございます。

なお、本年1月8日付けで総括委員が交代をいたしております。同日付けで新たに須藤典明総括委員長、この方は元東京高等裁判所部統括判事、日本大学大学院教授をしておられますが、それと総括委員として橋本副孝弁護士、それから高田裕成東京大学大学院教授、このお二人が総括委員にそれぞれ審査会長から指名を受けておられます。

続きまして、おめくりいただきまして、3ページ、4ページで申立状況を整理いたしております。最近の申立状況につきましては、図2を御覧ください。これは各年の申立につき月別の動向を折れ線グラフで重ねたものでございます。平成27年の動向を見ていただきますと、赤の線でございますが、6月までは過去のものと大体並びの推移をたどっておりましたが、7月以降、申立件数が落ち着いた状況になってございます。特に10月、11月あたりにつきましては、かなり低い水準になってきておるというのが見てとれようかと思います。

また、図3を御覧いただきますと、申立件数の動向と重ねるようにいたしまして申立人数が月別にどういうふうに推移をしているかということをあらわしてございます。ここに記載を忘れてしまいましたが、平成26年度の申立人数の総数は2万9,534、平成27年の申立人数の総数は2万3,984でございまして、これらは1件当たりの申立人数を見ますと、いずれも5.6人という形になります。この事件数の推移と比べまして申立人数に突出した山ができておりますところが、いわゆる集団の申立てがされた月というふうに見てとれようかと考えてございます。

1枚おめくりいただきまして、申立状況(2)ということで、これは損害項目別の申立ての分布をパーセンテージで示したものでございます。最近の動向といたしましては、青で示しております精神的損害、オレンジで示しております就労不能損害が少し割合が低くなってきつつあるということが見てとれようかと考えております。

また1ページおめくりいただきますと、今度は終了事由別件数の推移ということで、昨年1年間分のものを月別に整理したものを棒グラフで示してございます。ブルーの部分が和解成立でございまして、これが先ほど申し上げましたように、総数といたしましても8割以上を占めているということであります。黄色あるいはオレンジの部分が打切りでございます。この中で10月にオレンジがかなりのウエートを占めておる月になってございます。実数で申し上げれば、81件の打切りがあった月でございますが、実はこのうち53件につきましては、平成26年2月に集団で申し立てられました案件についての最終処理として連絡がつかない方、あるいは既払金の額を超えないという認定となった方々についての打切り処理がまとめてされたということが反映しているものでございまして、それを除きますと大体毎月安定した数字という状況かと考えてございます。

次のページで広報活動について整理をさせていただいております。昨年も和解事例集をリバイスいたしまして、自治体等々に配布をいたしましたし、お求めがあれば、御希望の個人の方々にもお送りをしております。また、公表事例につきましては、(2)で計1,106件公表とございますが、実は昨日、新たな公表事例を公表いたしておりまして、現時点では1,117件を公表しておるところでございます。

駆け足になりましたが、以上が私どもの、特に昨年の状況を中心といたしました活動状況でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。それでは、ただいまの報告についての御質問、御意見をお願いしたいと思います。

【大塚委員】  1つだけお願いします。今のお話に必ずしも出てきていないことで恐縮ですけど、和解との関係では、総括的な方針をよく前にはお示しされていましたが、最近は減っているみたいですけども、特にそういうものは必要なくなってきているというような状況が何かあるのでしょうかということをお伺いします。

【團藤室長】  委員御指摘のものというのは、総括基準かと思います。総括基準は、ここ2年ほど新しいものが出ておりません。総括基準自体は多くの事件に共通して問題となり得る点について、パネルによって扱いが区々になることによる混乱を避けるという意味で出されてきたものと理解しております。したがいまして、その必要性は和解実例、先例の蓄積がまだ十分でない初期のときほど高いということが言えようかと思います。その後、和解実例の蓄積もおかげさまをもちまして相当数に及んでおりまして、そういった意味で、和解実例が出る前にあらかじめ全パネルが同じ扱いをした方がいいという内容をお示しする必要性が当初に比べて減じてきているということが反映しているものというふうに理解をいたしております。

【大塚委員】  ありがとうございました。

【能見会長】  ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、新しい総括委員の方々には、御苦労様でございますけれども、是非今後もよろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。

【團藤室長】  ありがとうございました。

【能見会長】  それでは、大分時間時間がたってしまいましたが、6番目の住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価の取扱についてという議題でございます。これにつきまして、最初、事務局から御説明をお願いします。

【長野原子力損害賠償対策室総括次長】  それでは、資料6-1に基づきまして御説明申し上げます。中間指針第四次追補におきまして住居確保損害に係る損害算定の目安として示されました福島県都市部の平均宅地単価、これは3万8,000円ということになってございますけれども、こちらの見直しの検討の考え方につきましてでございます。これにつきましては、前回、昨年9月の第41回審査会において御議論いただいたところでございますけれども、その結果、毎年地価の動向等を確認した上で必要に応じて指針宅地単価を見直すこととなったことでございます。

具体的には、その確認方法としては、第四次追補策定時と同様に専門機関が行った調査結果を確認すること、それから、見直し検討の際の基準としては、その専門機関による調査結果を基準値とするということ、また、その見直し後の単価の適用時期としては見直し決定日から適用するのが基本、こういったことで、検討の考え方が示されました。

今般、平成27年の調査結果が出てございますので、こちらをお示しし、御検討いただければというふうに考えてございます。

2ポツになりますけれども、専門機関に第四次追補策定時と同様の方法で調査を委託した結果、これは表でまとめられてございます。平成25年の当時は3万7,813円、この調査結果に基づいて第四次追補で3万8,000円としたところでございます。平成26年度の結果につきましては3万8,528円、それに比べて今回の調査結果は、平成27年4万792円ということで、当時、平成25年から比べますと2,979円の上昇、あるいは割合としては7.9%の上昇と、こういった状況でございます。

この結果を踏まえまして、3ポツにございますように、御検討いただきたい事項といたしましては、福島県都市部の平均宅地単価、要するに住居確保損害に係る算定の目安としての調査結果を平成25年と27年で比較することを踏まえて、中間指針第四次追補に示されている指針宅地単価を見直す必要があるか否か、また、見直す場合にはその指針の宅地単価を幾らとすべきか、こういったことについて御議論賜りたいと思います。

ちなみに、2ページ目の方に参考1としてございますけれども、都道府県等の地価調査においての単価の変動率を示してございまして、日本全国で見ますと、2年間で平均マイナス2.2%、地方圏で見ますとマイナス3.3%と、こういった状況でございます。これは参考までということで示してございます。よろしくお願いします。

【能見会長】  この資料の6-2は、近藤室長から。

【近藤室長】  近藤でございます。住居確保損害の算定方法につきまして、特に持ち家の場合につきまして簡単に、おさらいになりますけれども、御説明をさせていただきます。

まず、当該賠償の対象となる方でございますが、これは当社事故発生の時点におきまして、避難指示区域内の持ち家に居住していた方を対象とさせていただくということでございます。資料6-2の1スライド目を御覧いただきたいんですが、賠償の対象となる費用項目といたしましては、住宅の取得あるいは修繕費用、それから宅地の取得費用、これはもちろん移転のときでございまして、帰還されて建替える場合は入りません。それから、税金等の諸費用が対象となります。1ストライド目の下の方でございますが、図のとおり、住居確保に関する費用につきましては、既に宅地、建物、借地権の賠償としてお支払いをしている賠償金額、左の青いところでございますが、これを超過する部分につきまして、横の上の方の波線でございますが、賠償上限金額の範囲内でお支払いをするというものでございます。図のとおりで、一番右でいけば、賠償上限金額を超過している部分についてはお支払いできませんけれども、賠償上限金額いっぱいお支払いすると。真ん中でいきますと、若干余裕がございます超過した部分をお支払いする、こういったような形になります。

次の裏面の2スライド目は、いわゆる今の賠償上限金額の算定方法について御説明をさせていただいたものでございます。こちらは中間指針の四次追補でお示しいただいたとおりでございますけれども、まず宅地・建物・借地権の賠償金額と、こちらのスライドに示しました算定式に応じて計算をいたしました対象資産ごとの賠償可能金額を合計いたしまして、その合計額を賠償上限金額として設定をしているところでございます。

簡単ではございますが、住居確保損害に係る算定方法についての御説明でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。全体の仕組みを確認しておいたほうが良いかもしれないと考え、少しおさらいをしたわけでございます。

さて、それでは、平均宅地単価の取扱いに戻りたいと思いますけども、先ほどありましたように、7.9%ほどの値上がりがあるという状況のもとで、どうしましょうかということでございます。具体的に幾らにするかということを決める前に、そもそもこれだけの数値を見て対応すべきかどうかということをまず決めていただき、上げるのが適当とされた場合には、その次に、では幾らにするかという2段階をとりたいと思います。まず対応すべきかどうかという点については、いかがでしょうか。

大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】  平成26年のときは平成25年のときに比べて1.9%の上昇に過ぎませんで、余り変わっていないということもございましたので、3万8,000円で維持したということだと思いますけれども、今回は7.9%の増ということで、かなり数字が変わっておりますので、見直しをしてはいかがかというふうに考えております。

【能見会長】  ほかの方はいかがでしょうか。

野村委員、どうぞ。

【野村委員】  私も見直して改定したほうがいいのではないかと思います。ただ、賠償金の支払いの時期と、それから、この数字を使って算定する時期との区別をはっきりさせておいた方がいいのかなと思います。この数字によるのは、住宅を取得したときの金額ですよね。しかし、賠償金を支払う時点は、もう少し後になると思いますので。

【能見会長】  ずれることはありますね。

【野村委員】  ずれるところがありますね。つまり、損害賠償の請求時点が金額が改定された後であっても、対象となる不動産を取得したのが改定時よりも前なら、前の数字になるわけですね。今の数字でいえば、3万8,000円ということになると思います。

【能見会長】  そうですね。

【野村委員】  その辺が分かるようにしておいた方がいいのではないかというふうに思います。

【能見会長】  考え方は、今、野村委員がおっしゃったとおりだと思いますので、その点を、通知するときにはっきりさせておくということですね。よろしいですか。これだけのパーセンテージが上がっているとなると、それに見合った値上げをするのが適当だという御判断の方が多いと思いますので、そういう対応をすることにしたいと思います。そこで、次に、具体的に幾らにしましょうかという点ですが、いかがでしょうか。

どうぞ、大塚委員。

【大塚委員】  平成25年のときを基にして決めたときは、恐らく四捨五入をしたのではないかと思いますが、同じように考えるとすると、4万1,000円というのが適当ではないかと思います。

【能見会長】  値上げをすると御判断いただいた場合に、幾らにするかというのをお決めいただく際に、お配りしようということで用意した資料がございますので、今配ります。大して細かいことがたくさん書いてあるわけではございませんので、口頭で言っても同じことなのですが、御参考にしていただければと思います。ここに書いてございますように、中間指針の第四次追補第2の2備考(4)で示されている福島県都市部の平均宅地単価については専門機関への委託調査結果等を踏まえて、現在の値段が3万8,000円ですけれども、それを幾らに改定するか、でございます。その空欄の幾らにというところを今お決めいただこうというものでございます。大塚委員からは、今、幾らとおっしゃいましたか。

【大塚委員】  4万1,000円。

【能見会長】  4万1,000円という提案がございました。いかがでございましょうか。

【大谷委員】  賛成。

【能見会長】  よろしいですか。それでは、4万1,000円ということで決めたいと思います。どうもありがとうございました。

議事進行がうまくなかったために少し時間を超過いましたけれども、以上で本日の審査会を終えたいと思います。

残しているものはなかったですね。

【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  もしよろしければ、手続きに関して御説明をさせていただければと思います。

【能見会長】 では、手短にお願いします。

【長野原子力損害賠償対策室総括次長】  ありがとうございました。それでは、今御決定いただきました中間指針第四次追補に示されている住居確保損害に係る福島県都市部の宅地単価の改定、それから、その部分が改定されますので、中間指針第四次追補の改定そのものにつきまして、文部科学省のホームページで公表させていただきたいと思います。

【能見会長】  今の点は、手続きとして重要のことですから、ここで確認しておかなければなりませんでしたね。

それでは、これで本日の審議を終了したいと思います。長い時間、どうもありがとうございました。

きょうたくさんの議論を積み残したわけですけれども、いろいろ現地から出てきている要望については、この審査会できちんと議論するということは重要であるというふうに思います。どういう形で議論をするかはお任せいただきたいと思いますけれども、いろいろ積み残しの部分について、フリートーキングというのがこれから何回か続くかと思います。しかるべき時間をとって議論したいというふうに考えております。

本日はどうもありがとうございました。これで閉会いたします。

―― 了 ――

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-- 登録:平成28年03月 --