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原子力損害賠償紛争審査会(第41回) 議事録

1.日時

平成27年9月9日(水曜日)14時00分~15時30分

2.場所

文部科学省(中央合同庁舎7号館東館)3階 講堂

3.議題

  1. 避難指示区域の状況等について
  2. 福島12市町村の将来像に関する有識者検討会提言について
  3. 東京電力株式会社による賠償の現状について
  4. 住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価の取扱について
  5. その他

4.出席者

委員

能見会長、大谷委員、大塚委員、鎌田委員、草間委員、高橋委員、中島委員、野村委員

文部科学省

山本文部科学大臣政務官、田中研究開発局長、板倉原子力損害賠償対策室長、千原原子力損害賠償対策室長代理、長野原子力損害賠償対策室総括次長、橋爪原子力損害賠償対策室次長

説明者

新居内閣府原子力被災者生活支援チーム参事官、遠藤復興庁統括官付参事官、村永東京電力株式会社常務執行役、近藤東京電力株式会社福島原子力補償相談室長

5.議事録

【能見会長】  それでは、時間になりましたので、第41回原子力損害賠償紛争審査会を開催したいと思います。
 今日は、お忙しいところお集まりいただきまして、また、激しい雨の降る中をお集まりいただきまして、大変ありがとうございました。本日は、原子力損害賠償の状況を確認するために、関係諸機関からいろいろ説明を聴取したいと考えております。
 開会に当たりまして、まず、山本ともひろ文部科学大臣政務官から御挨拶をいただきたいと思います。お願いします。
【山本文部科学大臣政務官】  皆様、お疲れさまでございます。ただいま御紹介賜りました文部科学大臣政務官の山本ともひろです。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、審査会の委員の先生方におかれましては、これまで中間指針、あるいは、4つの追補策定をしていただきまして、この福島の原子力損害賠償のことに関して、本当に日頃より御尽力いただいていますこと、改めて感謝を申し上げたいと思います。
 また、事故から4年半が経過いたしました。昨年4月の田村市、10月の川内村に続き、今年9月5日には、楢葉町で避難指示が解除されました。政府としましては、平成27年6月に閣議決定しました「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」に基づき、福島の復興・再生を一層加速していくこととしております。
 委員の先生方におかれましては、被害に遭われた方々に対して、公正で、また迅速な損害賠償が実現できるように、引き続き、知見を生かしていただいて、御尽力いただきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【能見会長】  どうもありがとうございました。
 山本大臣政務官は、公務のために、ここで退席されます。どうもありがとうございました。
【山本文部科学大臣政務官】  ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
【能見会長】  では、初めに、事務局から資料の確認等をお願いいたします。
【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  資料の確認の前に、事務局から1点御報告がございます。本年3月31日付けで米倉委員が審査会委員を退任されまして、原子放射線の影響に関する国連科学委員会、UNSCEARと申しますが、そこの議長に就任されてございます。その後、4月1日付けで国立研究開発法人放射線医学総合研究所の理事でいらっしゃいます明石委員が審査会の委員に着任されておりますので、御報告させていただきます。残念ながら、本日は、明石委員、御所用がありまして御欠席ということでございますので、事務局からの御紹介のみとさせていただきたいと思います。
 また、事務局の方でも8月に異動がございましたので、御紹介だけさせていただきたいと思います。
 原子力損害賠償対策室長として、板倉が着任しております。
【板倉原子力損害賠償対策室長】  よろしくお願いいたします。
【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  続きまして、原子力損害賠償対策室室長代理として、千原が着任しております。
【千原原子力損害賠償対策室室長代理】  よろしくお願いいたします。
【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  続きまして、原子力損害賠償対策室総括次長として、長野が着任しております。
【長野原子力損害賠償対策室総括次長】  よろしくお願いいたします。
【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、資料の確認に移らせていただきます。お手元の議事次第にございますように、本日幾つかの資料を用意させていただいております。まず、資料1としまして、避難指示区域の状況等について、資料2としまして、福島12市町村の将来像に関する有識者検討会提言について、資料3、原子力損害賠償のお支払い状況等、資料4、住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価の取扱について(案)でございます。
 続きまして、参考資料といたしまして、参考1、東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び東京電力株式会社福島第二原子力発電所の事故による原子力損害に関する報告の概要でございます。それから、参考2といたしまして、原子力損害賠償制度専門部会の設置についてでございます。それから、参考3といたしまして、原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況でございます。以上を準備させていただいております。
 また、机上には、本日の御議論の際に関係すると思われます過去の審査会の資料等もまとめてございますので、適宜御参照いただければと思います。
 資料につきまして、不足、落丁等ございませんでしょうか。もし何かございましたら、事務局の方までお申し付けいただければと思います。
 それから、本日は、明石委員が御欠席でございますが、その他の委員は御出席でございます。ただ、草間委員、所用のため少し遅れられるということで伺っておりますので、御報告させていただきます。よろしくお願いいたします。
【能見会長】  それでは、早速、議事次第に従いまして、第1の議題から御議論いただきたいと思います。第1の議題は、避難指示区域の状況についてでございます。これにつきましては、内閣府原子力被災者生活支援チームから説明をお願いいたします。
【新居参事官】  それでは、資料1に基づきまして、避難指示区域の状況等についてを御説明いたします。内閣府の原子力被災者生活支援チームであります。
 資料を1枚おめくりいただきまして、1ページであります。これは避難指示区域の設定の経緯を、地図を示したものであります。事故直後、下の真ん中の地図でございますが、区域設定が23年4月、警戒区域、計画的避難区域、そして、緊急時避難準備区域というふうに設定しておりましたが、それから区域見直しの作業、住民説明会も実施しながら、平成25年8月時点で区域見直しを完了した。これが右側の赤と黄色と緑になっているところであります。赤が帰還困難区域、黄色が居住制限区域、緑が避難指示解除準備区域であります。それ以来、内閣府、政府を挙げて、住民の皆様が地元に戻れるようにということで努力をしてまいりました。
 次の2ページが、これまでの状況です。先ほど山本大臣政務官から御紹介もありました、昨年の4月に田村市、この2ページの右側の絵では、緑の点々の内側、もう白くしているところであります。田村市が4月1日に避難指示解除準備区域を解除。そして、10月1日には川内村、その下です。田村市の下に川内村と表記していると思いますが、解除ということであります。そして、ちょうど先週土曜日、9月5日、楢葉町、この地図に一番南側に、20キロ圏内のところにある町ですが、ここは田村市と川内村と違いまして、その町の一部ではなくて、全町避難、住民約7,000人となっていたところですが、その全町避難の自治体としては初めての避難指示解除ということで、9月5日土曜日に解除されました。これは8月7日に、総理の下の原災本部決定で決まって、9月5日午前0時からということであります。
 ここで、田村市、川内村に資料で書いておりますが、住民が戻ってこられたのが、それぞれ数字を書いています。5割、6割ぐらい戻ってきているということであります。田村市も川内村も、解除した当初は1割ぐらいでしたが、1年ぐらいかけてこのぐらいに戻ってきているということであります。楢葉町は、人口7,000人に対して、今、350世帯強、700人ぐらい、1割ぐらいが戻るというふうに登録していただいていますが、これを、これからも復興を加速して、どんどん町を取り戻していただくことを国としても応援するという方針であります。
 (4)のその他のところに、3つの自治体の名前を書いております。葛尾村、川俣町、南相馬市、この3つは、地図で言うと、左の真ん中より少し上に川俣町がございます。その下に葛尾村があります。右の方の海の方に南相馬市がございます。この3つの自治体は、準備宿泊というのを8月31日から開始しました。これは当初3か月間で始めます。解除に向けて、お戻りになったときに、生活環境が整うかどうか、これを準備すると。家の修繕とかも含めて、宿泊を可能にするということで、この3つも始めているということであります。
 その下に、「帰還へ向けた各市町村共通の課題」と書いております。まずは除染ということですが、それ以外にも、放射線不安、飲料水、復興拠点、生業、住宅、医療・介護、もろもろ総合的に対策を講じていかなければ、住民の方々が安心して帰れないということであります。これに向けて取り組んでいるということですが、その実例として、次の3ページに、解除を実現された楢葉町ですが、町と県と国と協力しながら、どんなことをやってきたのかというのを、1枚スライドにまとめております。
 ここに、左上から、商業ですね。まず買物ができなければいけない。次の真ん中に書いていますように、住宅再建の話、飲料水の話、交通インフラ、まちづくり等々ございますが、楢葉町の解除に向けて、住民説明会、町の議会の全員協議会、あと、町長、副町長、町の当局とも累次議論を重ねてまいりまして、特に左の買物環境のところでは、この写真でありますけれども、仮設商業施設「ここなら商店街」というものを役場の裏に整備していただいて、地元のスーパーに入っていただいています。ただ、どうしても、帰ってもそこまで買いに行けないという人がいる。したがって、宅配サービスが欲しいという御要望もありまして、ここのブイチェーン楢葉店に宅配サービスを7月から開始していただいたりしております。
 住宅についても、やはりいろいろ大分傷んでいるというもので、家屋解体もやっていますが、修繕事業者がなかなか見つからないという御要望も切実なことがあります。そこで、相談窓口を、一般社団法人の御協力を得て整備したりしております。
 特に、住民の皆様、飲料水が御心配だということで、右側のところに書いてありますような、木戸ダムのモニタリング強化とかやっておりますが、特にどうしても不安だということで、例えば、8月から家庭の蛇口で放射線検査できるような取組も始めたり、こういったきめ細かい取組をしているということであります。
 例えば、左下、交通インフラのところに、町内送迎バスと書いておりますが、例えば、今、県立の診療所、楢葉町に来年2月にオープンするように準備中ですが、当面、隣町の広野町の方に無料送迎バスで行けるように、そういう手配をしたりということで、住民の皆様が、解除後、楢葉町の復興に向けて、そこに住みながら取組ができるように、国としても努力をしているところであります。あとのところは、後ほど御説明いたします。
 次の4ページは、準備宿泊、先ほど3つの自治体を御紹介しました、葛尾村、川俣町、南相馬市であります。ここでも、まさにそこに宿泊しながら準備をしていただくということで、特例的に8月31日から開始していますが、左の写真にございます、例えば、葛尾村でありますが、個目の実証栽培を開始したり、下の絵にありますように、飲料水の安全・安心ということで、井戸の掘削の対策を実施したりしています。川俣町では、インフラの整備に加えて、生活関連サービスということで、これもデマンドタクシーを運行したり、南相馬市では、やはり病院ということで、小高の病院の再開をしていただいたりしていて、今後、帰るに向けての環境を整えるべくやっておるということであります。
 それで、その次のページに、6月に「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」という閣議決定の改訂がなされました。その内容を御説明いたします。
 この閣議決定自体、4本の柱でありまして、ここの5ページに書いてある(1)の早期帰還支援、避難指示の解除と帰還に向けた取組を拡充する、これが1つ目の柱であります。それと、2つ目の柱は、(2)で書いています、新生活支援と書いていますが、新たな生活の開始に向けた取組を拡充すると。それと、3つ目は、次の、後ほど御説明しますが、事業や生業や生活の再建・自立に向けた取組、自立支援というのが、また後ほどのページにございます。あと、4本目は、福島第一原発の事故収束(廃炉・汚染水対策)に万全を期す、そういう公正になっておりますが、まず1つ目の柱、早期帰還支援、5ページの上半分であります。
 閣議決定では、避難指示解除準備区域(緑のところ)、それと、居住制限区域(黄色のところ)、ここについて、遅くとも事故から6年後(平成29年3月)までに避難指示を解除できるよう、環境整備を加速するというのが柱でございます。避難指示解除時期に関わらずに、事故から6年後解除と同等の精神的損害賠償の支払いを行うことというふうに、閣議決定でされております。そのほか、旧緊急時避難準備区域、ここも復興施策を力を入れていかなければいかん。放射線防護、さらに、除染の加速化等々、しっかりやっていくというふうに記載されております。
 それと、大きな2つ目の柱、新たな生活の支援ということですが、先ほども楢葉町の御紹介にありました、まちづくりというのがこれから鍵になってまいります。復興拠点という、そのまちにおいてコンパクトにみんなが集えるような、その拠点を迅速に整備していくということ向けて、その支援策の柔軟活用・ワンストップ対応をやるということになっております。帰還困難区域(赤のところ)は、もう少し時間がかかりますが、区域見直しの議論を始めなければいけないということであります。あと、「福島イノベーション・コースト構想」、「福島12市町村の将来像」、こういうものも発表しながら、新たにこの地域がしっかりと復興・復活していけるように、国としても取り組むということであります。「福島12市町村の将来像」は、後ほど復興庁から御説明があると思います。「福島イノベーション・コースト」というものについて、次の6ページに1枚、御参考までに資料を付けておりました。
 政府として、まさに地域振興のモデルとして、福島県「浜通り」の地域に、多大な被害があるということですが、それを新たな産業基盤の構築、広域的な視点からのまちづくりを目指して、経済産業省の副大臣兼原子力災害現地対策本部の本部長を座長として、累次、有識者を含めて議論を重ねてまいりました。そして、6月にイノベーション・コースト構想研究会の報告書が取りまとまったということであります。例えば、下の主要プロジェクトに書いてありますような、例えば、国際的な廃炉研究の開発拠点、世界中の研究者が集うような研究拠点、あと、ロボット開発・実証拠点、ここは楢葉町に一部モックアップ施設が今建っているところでございます。さらには、ロボットテストフィールドとか、そういうロボットの開発・実証拠点として、この浜通りを位置付けられないか。あと、国際的な産学連携拠点として、原子炉の廃炉のみならず、環境修復、農林水産等の国際産学連携拠点をここに整備できないか。あと、スマート・エコパーク(リサイクルも含めて)、こういうところの取組を今、政府を挙げてやろうとしているところであります。
 次の7ページに、先ほど申しました閣議決定の3本目の柱ということで、自立支援、事業や生業、生活の再建・自立に向けた取組の拡充ということで、柱が立っております。平成27年・28年度、この2年間において、特に集中的に自立支援に向けた政策を展開して、原子力災害により生じている損害の解消を図るということであります。
 (1)に書いてありますように、官民が一体となったチーム、地元の方々、事業を行っていた方々の自立を支援するということで、このチームを8月24日に創設いたしました。そこで、今避難している事業者、約8,000社あると認識しております。これは本当に生業的に小規模でやられている事業者の方も含めてです。この8,000社、今、既にもう始まっていますが、個別に訪問して御相談をさせていただき、何がこの事業者の方の自立にとって必要なのか。当然、この(2)に書いてありますような既存の支援策はフル活用するのと同時に、まだ足りないというものが恐らく出てこようと思います。本年末を目途に、この取組状況を再点検しまして、自立支援策をどうやって拡充していったらいいか、こういうものが今後の支援策の柱になっていくと思っております。
 なお、後ほど御説明あると思いますが、(3)に、営業損害・風評被害への賠償ということも書かれております。この2年間、東京電力さんが、適切な対応などを行えるよう、国も指導していくという記載もございます。
 次の8ページは、先ほど官民の合同の取組というのを申し上げました。それを1枚で御説明したものです。名前が、福島相双復興官民合同チームということで、8月24日に福島県庁において会議が行われて、立ち上がりました。上部に協議会がございまして、原子力災害現地対策本部長、これは国の代表、福島県の副知事、これは県の代表、あと、一般社団法人の理事長、ここは民間の代表。この国、県、民間が力を合わせて、この下に100人以上のチーム、100人以上で、2人1組で50チーム組んで、先ほど申しました個別訪問を展開するということで、立ち上がった翌日、25日から事業者訪問を開始しております。というのが、官民合同チームの御説明です。
 あと、9ページ、10ページ、ここに、先ほど申しました閣議決定の記述の関連部分を抜粋で記載させていただいております。先ほどの早期帰還支援という柱が、9ページの1ポツのところです。10ページにございますのは、自立支援、3ポツということで、必要部分を抜粋しております。
 私からの説明は、以上です。
【能見会長】  どうもありがとうございました。
 今の説明いただいた内容について、いろいろ委員の皆さん、御質問、御議論がおありだと思いますけれども、次の第2の議題も併せて説明を伺った後、まとめて御議論いただければと考えております。
 ということで、第2の議題の分ですが、福島12市町村の将来像に関する有識者検討会提言についての説明をお願いいたします。
【遠藤参事官】  復興庁でございます。資料2に基づきまして、本年の7月30日に取りまとめられました福島12市町村の将来像に関する有識者検討会の提言について、御説明したいと思います。
 1枚おめくりください。こちらに検討の概要が示されております。
 まず、この検討の趣旨でございます。避難指示などが出されました福島の12市町村に関しましては、いまだに多くの方々が避難生活を余儀なくされているという中で今後の生活の見通しを立てていただくためには、様々な世代の住民の方々のよりどころとなるような、ふるさとの再生の将来像というものをお示しすることが大変重要なことであると考えています。このため、その将来像につきまして、昨年末に、竹下復興大臣の下、有識者の検討会を立ち上げまして、これまで、産業、医療・介護、教育、文化・スポーツなど、様々な分野に関して、中長期的かつ広域的な視点で検討を進めていただいたところでございます。その提言が7月30日に取りまとめられまして、復興大臣に提出いただきました。
 その骨子が、このページの2、3以下にございます。一つは、廃炉などの時期を見込んだ30~40年先の将来像につきまして、人口の見通し、線量の見通し、また、産業の振興等々を通じた地域の再生について、姿を示しております。また、そういった明るい将来像に向けて、2020年までを念頭に置いた具体的な取組などにつきましては、3の産業振興等々の項目で示しております。最後のその他のところにおきましては、こういった取組に当たっての国の責務に関しても明記しております。
 次に、ポイントについてかいつまんで御説明したいと思います。
 2ページ目でございますけれども、この有識者検討会は、昨年の12月から今年の7月にかけまして、9回にわたり御議論いただきました。この中で、30~40年後の姿、また、その姿を見据えた2020年に向けた課題と解決の方向が議論されました。座長は豊橋技術科学大学の大西学長で、福島県の内堀知事にも御参加いただきました。取りまとめに当たりましては、県や市町村の皆様からの御意見を可能な限り反映して取りまとめるということで進めたところでございます。
 次に、3ページ目を御覧いただければと思います。30~40年後の姿についての検討の中で、明るい材料として示されたものについて、幾つかございます中の1つを、ここに示してございます。
 1つは、人口見通しでございます。この12市町村合計で、20万人弱の方がお住まいになっておられたということでございます。濃い青色にございますように、震災前の推計におきまして、中長期的に人口は減少していくという傾向が示されておりました。現在は避難指示等々がございまして、11万人強、概ね半減という形になっております。今後の見通しは、仮に復興が十分に進まなかったという場合を考えますと、黄色で示されましたように、現在の人口とそれほど変わらないぐらいで推移してしまうというところではございます。様々な復興の措置を進めまして、帰還される方が増え、また、新しい産業の人材も集まり、また、廃炉の作業員の方等も居住されるということになりますと、薄緑色で示されましたように、震災前に推計された人口見通しを上回る可能性も指摘されています。また、産業振興の度合いによっては、さらに上振れする可能性というものも指摘されているところでございます。
 次に、4ページ目は線量の見通しについての試算でございます。空間線量に関しましては、年数が経つに連れまして、物理減衰だけを考えましても減衰していきます。今回、2045年といった長期も含めまして試算をしてみたところ、20ミリシーベルト超の地域は、2020年で半減、30~40年後につきましては、帰還困難区域とされている地域であっても数%以下という試算が出ておりまして、こういった点も明るい材料かと思います。
 次に、5ページ目です。こちらは、将来を担う若い世代の皆様に、今後の展望等々についてアンケートを行った結果でございます。この住民アンケートにおきましては、10代、20代の方の約半数の方々が、30~40年後のふるさとに住むというふうに御回答されるなど、この地域に関わっていかれるというアンケート結果が出てございます。
 次に、6ページ目以降は、今度は2020年に向けました具体的な課題と取組について、幾つかの事例を示してございます。
 6ページ目の産業振興のところでございますけれども、左側は、CLTと呼ばれる新しいタイプの住宅の建材に使われるような材料でございます。こういった新しい材料を、工場の整備等々を通じまして推進することによりまして、林業の再生につなげていきたいということで、取組が始められているところでございます。右の方の「イノベーション・コースト構想」は、先ほど支援チームから御紹介のあった取組でございます。
 次に、7ページ目でございます。産業の振興と併せまして、この地域の公共サービスというものの整備も、大変重要な課題でございます。この地域、12の市町村ございますけれども、広域連携というのが大事なテーマになってございます。具体的な例としまして、地域の公共交通を整備していくこと、二次医療救急体制を整備していくことなどが述べられてございます。
 次に、8ページ目になります。こちらは、今後復興を進めていくに当たりまして、各市町村で拠点というものを整備して進めていこうという計画が進められているところでございまして、そういった取組を支援する制度、環境の整備なども進めているところでございます。
 9ページ以降は、この提言のポイントについて、骨子を抜き出してございますので、御参考にしていただければと思います。
 今後につきましては、この提言を実現していくために、国や県、市町村、また関係機関が連携して取り組みまして、また、関係する民間機関にも積極的に参画していただきまして、個別の課題の検討を進めていくということにしております。また、提言内容のフォローアップも含めまして、関係者の皆様とともに取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。
【能見会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、第1の議題と第2の議題、これを併せてここで御議論いただければと思います。委員の皆様の方から何か御質問、あるいは御意見がありましたら、お願いいたします。
【大塚委員】  どうもありがとうございます。
 1点質問させていただきたいんですけれども、資料1の5ページ目ですけれども、解除は6年後までにするということになっていますが、これは本当に6年後までにできるのかということを、まずお伺いしたいと思います。見込みについて教えてください。
【能見会長】  では、お願いします。
【新居参事官】  御質問ありがとうございます。
 6年後までに解除できるかという御質問でよろしいでしょうか。これについては、閣議決定に記載しているのは、避難指示解除準備区域、居住制限区域について、事故から6年後までに避難指示を解除し、住民の方々の帰還を可能にしていけるよう、環境整備を加速ということですが、まさに除染を十分に実施することはもとより、インフラや生活に密着したサービスの復旧など、必要な環境整備に取り組むことで、事故から6年後までに避難指示を解除するとの見込みを示したものということで、これに向けて努力をするということであります。
【大塚委員】  できるという趣旨なのだと思いますけれども、さらにお伺いしておきたいのは、閣議決定をしているのですけれど、これは指針に沿ったものと考えてよろしいんですね。ここは指針を考える検討会ということになりますので、閣議決定との関係は気になるわけですが、この閣議決定は指針に沿っているということでよろしいわけですよね。
【能見会長】  ちょっと待ってください。少し整理をさせてもらいたいと思いますけれども。指針に沿っているかどうかというのは、この審査会でもって判断すべきことだと思います。
【大塚委員】  そうですか。
【能見会長】  ただ、その前提として、政府の方でも同じように考えていますか、どう考えていますかという質問が恐らくあると思いますので、それを伺うということかと思います。
【大塚委員】  はい。では、そういう質問にさせてくさい。
【能見会長】  では、その点について、事務局の方から説明しますか。
【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  事務局の方から御説明をさせていただきます。
 今回御説明がありましたように、この精神的損害に関する追加部分というのは、事故から6年後までに、政府として避難指示を解除して、住民の方々の帰還を可能にしていくように環境整備を行っていく、そういう政策と併せて、必要な賠償を行っていくというものでございます。
 指針では、避難指示期間に応じた賠償ということで位置付けられているわけでございますけれども、そこに政策的観点から追加的に賠償をするということでございまして、事務局の方といたしましては、例えば、これが賠償の打ち切りとかいうことではございませんし、指針の変更につながるものではないという理解をしております。あとは、先生方の御議論ということかと思いますが、状況だけ御説明させていただきます。
 そのような政策的観点を持つ措置でありますので、原子力災害対策本部における決定を経て、今回、閣議決定を行ったという経緯だと承知しております。
 以上でございます。
【能見会長】  どうぞ。
【大塚委員】  指針の変更を求めるものではないということと、賠償の打ち切りではないということを今おっしゃっていただきましたので、私はこれで結構です。
【能見会長】  こういう閣議で決定されて、ある種政策的な方針が出されて、それがそれ自体としてどういう意味を持つのかというと、指針との関係で、いろんな問題があるのかと思うのですけれども。
 まず、今までにもこういう政府主導の指針といいますか、政策が出たわけですが、基本的にはこれは、政府がこういう方針でやっていきたい、そういう方針のもとで、政府が東電に自主的な賠償を促すように働きかけて、東電もそういう賠償をすることを受け入れて、被災者の方も、基本的にはそれに合意すると、その合意の枠組みでもって賠償される。今回の閣議決定はそういうものだというふうに理解しております。
 そういう意味で、この審査会の指針でいろんな基準が書いてありますけれども、閣議決定はそれ自体を直接いじるものではない。あくまで当事者間の合意のベースでもって行われる。これが、いわば指針から見て追加的な賠償になっているかどうかというところは、もう少し考えなくてはいけないと思いますけれども、基本的には、今回の閣議決定の内容はそういう追加的な賠償になっているという理解があり得るのかなと思います。ほかの委員の皆さんもそういうことでいいのかどうかということを、審査会としては確認したいと思います。
 その上で、私があんまり議論をリードしてもいけないかもしれませんが、ただ、やっぱり賠償に関連しますので、審査会の指針自体はこれによって変更されるものではないとしても、閣議決定でなされる賠償と審査会の指針とがどういう関係になるかという点で、いろんな問題があるかもしれませんので、整理しておくべき問題があれば、この審査会でそれらの点について、こう考えますということを示さないといけないという気がします。
 具体的に言うと、例えば、相当な期間というのは1年間というのがありましたが、これは今回、29年3月までの6年分というのを一括して賠償するというときに、どこに位置付けられるのかと。例えば、29年3月以前に解除された地域が出てきたときに、今までの指針の考え方だと、その時点でその後の1年分の相当期間の賠償をするということになるのだと思いますけれども、ただ、閣議決定に基づく賠償は、6年分を一括して29年3月までの賠償をするので、相当期間の1年分は、どこにくっついてくるのかなどといった問題が生じる。解除された時にくっつけるのか、それとも、6年期間経ったところで、その後、1年分というのをその段階で払うのか、などです。こうした問題があるとすると、6年分の一括賠償はよいとして、指針との関係で整理しておくべき点があれば、それは審査会で、どうするか、どう理解するか、ということを考えおかなくてはいけないと思うんですね。こういう問題が幾つかあるかもしれないというので、御議論いただければと思います。
 もし事務局の方でもって、何か既に一定の考え方をもって整理しているのがあれば、ちょっと御披露いただいて、その後、委員の皆さんから御意見を伺えればと思います。
【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  分かりました。
【高橋委員】  すみません。指針の話にお入りになるのでしょうか。少し質問をさせていただきたいのですが。
【能見会長】  最初は、まず、閣議決定はどういうものかということを確認したいということです。今、大塚委員から出てきた問題をきっかけとして、私が、この政府の方針というのはこういうものであると理解すべきではないかということを、指針との関係で私の1つの意見として申し上げました。
 しかし、指針との関係に深入りする前に、まだ閣議決定そのものについての御質問があるのであれば、閣議決定、そこで示された政策についての御意見があれば、伺いたいと思います。
【高橋委員】  恐れ入ります。復興庁の方の報告資料の4ページに、空間線量の見通しというのが出てまいります。基本的に、生活空間については除染をしてきたはずでして、山林については実施していないということになると思いますが、この図では塗りつぶしがされています。山林等を基準にされていると考えて良いのか、この辺について、御教示をいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
【遠藤参事官】  こちらの試算の方法でございますけれども、これは試算ということで、物理減衰による見通しについての計算ということにしておりますので、例えば、風雨などの自然要因による減衰というものももちろんあるんですけれども、そういったものは、こういった試算の中では考慮しておりませんので、物理減衰による半減期を用いた式を用いて、見通しを計算した形になっております。
 そのベースとなりますのは、規制庁の方で公表されています直近の空間線量のデータを用いてはおりますけれども、試算に関しましては、物理減衰の計算のみということで、試算を出してございます。
【高橋委員】  分かりました。そういう意味では、機械的に物理減衰だけを見た、と考えて良いということですね。
 ただし、その辺のところが、素人にも明確に分かるようになっているのでしょうか。この図をぱっと見ても、括弧書きの説明だけでは、私ども一般人には分かりにくい、という印象です。御説明のときには、機械的な物理減衰だけを見て算定されたものであることが明確に分かるように、お示しいただいた方が良いのではないかと思います。
 そうでないと、私は、この図を拝見すると、半世紀を経過してもバックグランド値に比して非常に高い地域が広がっているという印象を拭えない、という気がしました。50年後に年間5ミリシーベルト以上の地域がこんなに広範に広がっているのか、という印象をもってしまいました。私のみではなく、一般人は、そのように捉えかねないのではないか、ということを懸念します。従いまして、この図につきましては、丁寧にされた方が良い、というのが私の受け止め方です。なにとぞよろしくお願いします。
【遠藤参事官】  分かりました。
【能見会長】  ほかに、今伺った2つの御報告そのものについての御質問があれば、先にそれを伺いたいと思いますが、いかがですか。野村委員。
【野村委員】  今の点なのですけれど、スタートの時点が2014年になっていますよね。2014年は、除染などの結果を踏まえた上でのデータということになるのでしょうか。
【遠藤参事官】  こちらは、規制庁の方で実測されたデータになってございますので、それまでに行われた様々な除染等の取組も含めて、データが、航空機モニタリングという形で出された実測値になってございますので、恐らくそういう効果は実測の中で織り込まれているということです。
【野村委員】  どうもありがとうございました。
【能見会長】  ほかにいかがですか。
 それでは、今頂いた報告自体についての質問は、また後であるかもしれませんので、内閣府および復興庁の方には、まだしばらくそこに御着席いただいたままでお願いしたいと思います。2つの報告自体についての質問がなければ、指針との関係の方の議論に入ってよろしいでしょうか。
 それでは、指針との関係についてどう考えるか、あるいは、閣議決定との関係で指針のこれからの運用の仕方についてどう考えるかということについての御意見がありましたら、お願いいたします。
 先ほど大塚委員から御発言がありましたが、あれで全部ですか。
【大塚委員】  はい。先ほど能見会長がおっしゃったこととの関係で言うと、6年後までに解除して、その後、1年分については、一括で今払ってというということですが、その1年分が相当期間だというふうなお考えなんでしょうか。その辺も含めて、お答えいただけますか。
【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  この閣議決定を踏まえた具体的な賠償のやり方については、この後、東京電力の方から、御説明があると思いますが、私どもが承知しておりますのは、大塚委員おっしゃったように、この事故から6年後に解除された場合と同等の支払というのは、相当期間1年分というものも込みということですので、東京電力の方からは、事故後6年プラス1年分をまとめて支払うということでの方針が示されているという理解をしております。
【能見会長】  東電の方では、1年分の相当期間についても、少し早めに、6年分の賠償と一緒に賠償するという考え方を示しているということであれば、審査会が定めている相当期間、解除されてから1年分を解除時に賠償するという指針の考え方と比較して、より前倒しで賠償することになるので、指針の考え方との抵触、少なくとも指針よりも不利益な形で抵触することはないと考えることができます。このように考えてよろしければ、これは審査会としては了承していいと考えます。積極的にお墨付きを与えるということではないのだと思いますけれども、審査会としては、そういうことで構わないという、このような理解がここで得られたと考えてもいいのかもしれません。別な御意見があるかもしれませんので、ほかの委員の方、もし御意見があれば、おっしゃっていただければと思います。
 相当期間自体は、そういうことで、前倒しで賠償されるので問題ないと思いますが、恐らくいろんな方が心配されているのは、閣議決定は29年3月までに避難指示を解除するという目標を立てているわけで、これは目標として結構なことだと思いますし、それに向けて除染やインフラ整備というのを積極的にやっていただき、その結果、住民の皆さんも早く帰れるということになれば、非常に結構なことだと思いますけれども、先ほど大塚委員が言われたように、もし解除できないということがあるとどうなるのかという問題が残っているということだと思います。
 ほかに御意見がなければ、これも私の考え方を述べさせてもらいたいと思いますけれども、今の点は、いろいろ注目されている問題点なので、やっぱり審査会でこういうことをちゃんと議論しておくことが重要なことで、曖昧なまま残しておくというのはよくないと思います。私としては、6年後に解除できることが望ましいと思いますけれども、解除できないようなことになった場合には、現在の指針がやっぱり生きているので、したがって、事故後6年後も超えて、引き続き解除できない状態が続けば、現在の指針の下での精神的損害の賠償が続くということになると思います。
 ただ、一括して既に賠償を受けていることとの関係で、何か問題が生じることはないのか、なお検討しなければならない細かい問題はいろいろあるのかもしれません。ただ、大きな考え方としては、6年後も解除できない場合には、現在の指針が生きている、そういうことになるんだろうと思います。
 大谷委員、どうぞ。
【大谷委員】  今の会長が提起された御懸念については、東京電力はどのように考えておるのか、ちょっと確認をしていただければと思うんですが。
【能見会長】  後で、また東京電力の方が賠償状況の説明をされるので、そのときに確認するということでよろしいでしょうか。
【大塚委員】  では、私も。
【能見会長】  はい。
【大塚委員】  能見会長がおっしゃっていただいたとおりだと私も思っています。先ほど賠償は打切りでないとお答えいただいたことは、まさに会長がおっしゃったことだと私は理解しました。
【能見会長】  事務局としても、指針との関係はそうなるだろうということで、幾つかの論点を整理していただいて、先ほどその一部については説明がありました。審査会の委員の皆さんとしても、この審査会の意見として、指針との関係については、私が整理した内容及び事務局が説明した内容で御異論がなければ、そのように、ここで確認されたということにしたいと思います。
 ほかに議論しておくことがあれば、お願いしたいと思いますが。
 あと、これはむしろ東電の方との間でもって御議論した方がいいのかもしれませんが、ちょっと私が懸念している問題は、今回、一括賠償ということで、相当期間も含めて賠償する提案がなされているわけですが、全ての住民の方がこれに納得して受領されるかどうか分かりませんが、6年分の一括賠償を受領される方が多いのだと思いますけれども、それを受領したことの法的な意味ないし効果というのでしょうかが気になっています。つまり、これは東電にむしろ申し上げたいことですけれども、被災者が一括賠償を受領したときに、そのことは、万が一、解除が遅れて、指針に基づけば、精神的な賠償はまだ続くという、損害賠償が続くという請求権があるわけですが、それを放棄する意味は持たないということです。東電が提案する一括賠償を受領したからといって、解除が遅れた場合には、やはり指針に基づく権利は残っていますということは、確認しておいた方がいいのかなという気がいたします。詳しくは後で東電の方と御議論したいと思いますが。
【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  相当期間の関係が御議論になっておりましたので、事務局から今まで考えていた点をたたき台として申し上げたいと思います。
 閣議決定では、今回の追加賠償につきましては、帰還された方の生活再構築のためには、復興支援を通じた、避難指示解除準備区域・居住制限区域全体としての環境整備が必要となる点に配慮し、と書かれてございます。
 この部分ですが、こうした両区域全体のある意味相互依存的な環境の改善を配慮するということで、これが実現できないと、仮に6年後よりも早く、ある一部分の市町村だけ解除されても、なかなか帰るという決断を確固たるものにできないという状況に合理性があるということで、追加的に賠償を行うとの理解だとしております。
 先ほど来御議論いただいております相当期間につきましては、指針では、帰るという意思決定をした後の準備期間とされている状況だと理解しております。したがいまして、仮に6年後よりも早く解除された場合、追加賠償があり、その後、相当期間が1年というように考えていくのはいかがかということも考えております。
 以上でございます。
【能見会長】  今のような整理の仕方があり得るということで、事務局にも苦労して検討していただいたわけですが、この審査会との関係で言うと、今回、追加賠償される賠償が、どういう法的な意味を持つかというところまでは、審査会としては踏み込まない。追加賠償は、少なくとも指針の下での賠償、すなわち、指針の考え方に抵触するものではないことを確認にするにとどめておきたいと思います。
 積極的に、こういうふうな考え方で指針の賠償と向こう今回の東電の自発的な賠償とが整合的に組み合わせているのだというところまでは、審査会としては議論しなくてよいのではないかと思っています。追加賠償と指針の基準との関係については、いろんな説明の仕方があり得ると思うので、この場で御議論、御判断いただくことも難しいと思いますので。ただ、今のような事務局の説明の仕方もあり得るが、どのような説明がよいのかはともかく、今回の追加賠償と指針の考え方は矛盾しないということで、了承したいと思います。
 ほかに、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、もし御議論がなければ、次の議題に移りたいと思いますが、東京電力による賠償の現状についてということで、第3の議題でございます。
 どうも、内閣府および復興庁のお二方、ありがとうございました。
 次の議題については、東京電力の方がいらっしゃっておりますので、御説明をお願いしたいと存じます。
【村永常務】  東京電力常務執行役の村永でございます。本日は、このような御説明の機会を頂き、また、能見会長はじめ審査会の委員の皆様におかれましては、賠償の環境の整備に御尽力をいただきまして、誠にありがとうございます。
 ここからは座って話をさせていただきます。
 先ほど内閣府被災者生活支援チーム様のお話にもございましたとおりですが、本年6月12日の閣議決定によりまして、福島のいわゆる復興指針の改訂をお示しいただきました。加えて、6月16日に、国から弊社、直接御指導を頂戴しております。
 弊社といたしましては、その御指導、決定を踏まえて、まず原子力損害賠償に関しまして、6月17日に、新たな営業損害賠償に係るお取扱いについて、お知らせさせていただいております。併せまして、8月26日には、精神的損害賠償に係る具体的なお取扱いについても御案内をさせていただいたところでございます。
 また、賠償以外の部分につきましても、国からの御要請にお応えした形で、一般社団法人福島相双復興準備機構を通じまして、福島相双復興官民合同チームの活動にも最大限の御協力をさせていただいているところでございます。
 弊社といたしましては、閣議決定の重みを認識し、賠償の貫徹、復興への貢献に全力で取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
 本日、資料を用意させていただいております賠償の状況に関しまして、福島原子力補償相談室長の近藤から御説明をさせていただきます。
【近藤室長】  福島原子力補償相談室長の近藤でございます。よろしくお願いいたします。
 まずは、当社からの賠償金のお支払いの状況につきまして御説明を申し上げます。お手元の資料の1ページ目を御覧いただければと思います。当社は、事故のございました2011年の10月から本格的に賠償を開始いたしましたが、本年の8月末現在で、仮払いの補償金も含めまして、お支払いの総額は約5兆2,263億円となっております。また、これを賠償の件数で申し上げますと、表にございますとおりでございますけれども、個人の賠償が約71万件、自主的避難等の賠償が約129万件、それから、法人・個人事業主の賠償が約30万件となっておりまして、引き続き迅速に手続を進めてまいりたいと考えております。
 それから、次に、賠償に係る社内の体制につきまして御説明をいたします。資料の2ページ目を御覧ください。まず、賠償業務の人員といたしましては、福島原子力補償相談室というところで所管をしておりますが、引き続き約1万人の規模で取り組んでいるところでございます。なお、このうち社員は約2,500人ということでございます。本年4月には、いわゆる原子力損害賠償に係わりますADRの申立てとか、あるいは訴訟提起、これが非常に増えてございますので、より迅速にかつ適切に対応することを目的に、専任組織としまして、ADR・訴訟ユニットというものを新設いたしまして、現在約300人の体制で対応しているところでございます。当社といたしましては、引き続き状況の変化に応じた柔軟な体制を整えてまいりたいと考えております。
 続きまして、今年に入ってから御案内を開始いたしました賠償の項目、並びにさきの閣議決定に関連しました賠償の項目の実績について御説明をいたします。2ページ目の下段の表を御覧ください。
 まず、2015年、本年に入って御案内を開始した賠償の項目の実績についてでございます。避難指示区域内の家財に係る賠償につきましては、既に世帯の人数や構成に応じまして設定いたしました定型金額による賠償を実施しておりましたけれども、今回、個別の家財に生じました損害を積み上げた合計の金額が定型金額を超える場合のその差額分のお支払いとして、本年2月に、家財個別賠償の御案内を開始しております。8月末時点で合意件数は約1,700件、その金額は約16億円となっております。
 次に、立木に係る賠償につきましては、先行して、避難指示区域内の取扱いを昨年の9月から御案内をしておりましたが、福島県内の避難指示区域以外の地域につきまして、本年3月より御案内を開始しております。8月末現在で合意件数は約750件、合意金額は約15億円となっております。
 それから、墓石等の移転に係る賠償につきましては、本年4月より御案内を開始しており、8月末の現在で合意件数が約270件、合意金額は約4億円となっております。
 次に、前回の審査会において報告いたしました、第四次追補関連の賠償項目の実績について御説明いたします。
 移住を余儀なくされたことによる精神的損害につきましては、昨年4月より御案内を開始しており、8月末現在で合意件数は約1万1,800件、合意金額は約1,800億円となってございます。
 それから、住居確保に係る損害に対する賠償につきましては、同じく昨年の7月より御案内を開始しておりますが、8月末現在で合意件数、合意金額は、それぞれ持ち家の場合が約6,800件で、金額が1,155億円、借家の場合が約790件で、約21億円の合意実績となってございます。
 最後に、さきの閣議決定に関連しました賠償項目の実績について御説明いたします。
 まず、早期帰還賠償についてでございますが、これは一昨年の12月に、原子力災害対策本部より公表されました福島復興指針等を踏まえまして、当社事故後4年までに避難指示が解除された区域において、避難指示解除後1年以内に避難先から帰還された方々に対し、帰還により直面する生活上の不便さに伴う追加的費用としてお支払いをしているものでございます。昨年3月より御案内を開始しておりまして、8月末現在、当社事故後4年までに避難指示が解除された田村市、川内村において、合意件数は約110件、合意金額は約2億円となってございます。
 それから、風評被害を含む新たな営業損害賠償、並びに、避難指示解除準備区域及び居住制限区域に係る精神的損害賠償につきましては、冒頭にもお伝えしましたとおり、それぞれ6月17日、8月26日に賠償の開始を御案内させていただいております。いずれも8月、先月より順次請求書をお送りしておりますので、今後、合意実績が積み上がっていくものと認識してございます。なお、賠償項目の内容につきましては、後で改めて御説明をさせていただきます。
 当社といたしましては、これらの賠償が、被害を受けられた方々の早期の生活再建に密接に関わってくることを念頭に起きまして、引き続き、きめ細やかな対応及び支払手続の一層の迅速化に努めてまいりたいと存じます。
 それでは、さきの閣議決定を受けました賠償の概要について御説明いたします。資料の3ページを御覧いただければと思います。本年6月12日に閣議決定されました福島復興指針の改訂を受けまして、さらに、国の御指導のもと、早期帰還支援と新生活支援の両面の対策の深化、それから、事業・生業や生活の再建・自立に向けた取組への対応としまして、精神的損害と、それから、風評被害を含む営業損害に関する賠償につきまして、新たな取組を実施することといたしました。
 精神的損害についてでございますが、避難指示解除準備区域・居住制限区域におきましては、解除の時期にかかわらず、当社事故から6年後に解除される場合と同等の、2018年3月までのお支払いをすることといたしました。こちらは、先ほど議論にございました6年プラス1年ということで、7年後ということで設定をしてございます。
 併せまして、避難費用につきましても、同様に、2018年3月までお支払をするとともに、さらに、これは閣議決定にはございませんでしたが、帰還困難区域、及び大熊町・双葉町の避難指示解除準備区域、居住制限区域における避難費用につきましても、閣議決定に示された事情を踏まえまして、2018年3月までのお支払いをすることといたしました。
 御請求の手続につきましては、8月26日の御案内以降、順次請求書を今発送してございまして、今後、本格的に手続を進めてまいる所存でございます。
 それから、風評被害を含む営業損害につきましては、依然として損害が継続している事業者様に対しまして、今後2年間において特に集中的な自立支援施策が展開されることも踏まえまして、国の御指導を頂きながら、新たな賠償内容を検討いたしました。具体的な内容でございますが、将来にわたる損害を年間逸失利益の2倍とみなしまして、一括賠償させていただくとともに、当社事故に伴い支出を余儀なくされました追加的費用とか、事業用の資産に係わります修復費用及び廃棄費用につきましてもお支払いすることとしております。
 なお、国による集中的な自立支援施策の展開等によりまして、原子力事故による損害の解消が今後図られていくものと私ども考えておりますけれども、一括賠償後も、やむを得ない特段の御事情により、当社事故と相当因果関係の認められる損害の継続を余儀なくされる場合につきましては、個別の御事情を丁寧にお伺いいたしまして、適切に対応させていただきたいと考えております。
 御請求手続につきましては、こちらも8月以降順次請求書を発送しておりますので、今後、本格的に手続を進めてまいりたいと存じております。
 両項目の具体的なお取扱いにつきましては、本日、別紙を御用意しておりますので、そちらの方を御参照いただければと存じます。
 次に、資料の4ページ目でございますが、原子力損害賠償に係る訴訟等の実績について記載しておりますので、御参照いただければと思います。
 お手元の資料に基づきます賠償の現状に関する御説明は、以上でございます。
【村永常務】  ありがとうございました。
 最後になりますけれども、当社といたしましては、今後とも国の御支援をいただきながら、公正かつ円滑な賠償のお支払ができるように努めてまいりたいと考えております。原子力損害賠償につきまして、精いっぱいやってまいりますので、引き続き御指導、御理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 どうもありがとうございました。
【能見会長】  どうも御説明ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御質問あるいは御意見があれば、お願いいたします。
 先ほどちょっと言いかけたことですけれども、一括賠償、6年分プラス1年の相当期間、この賠償の請求書のフォームを皆さんに送って、被災者の方から請求書が来ると、東電が順次賠償していくという流れになるのでしょうけれど、先ほど申し上げたように、被災者がこの賠償を受け取ることによって、将来の賠償全てについてのいわば和解があったという扱いにはならないでしょうね、ということです。請求書のフォームには、賠償を受け取ると和解の効力みたいなものが生じるというようなことは書いてあるんですか、それともそのようなことは書いてないのですか。
 将来、万が一、解除が予定どおりいかなくて、避難状態が延びた場合に、さきほど整理したように、再び、指針に基づく賠償の問題が出てくるわけですが、そのような指針に基づく賠償の請求権が発生したとしても、6年プラス相当期間の一括賠償を受け取る際に、指針に基づくその余の賠償請求権を放棄するというような条項が、この請求書のフォームには記載されていないでしょうね、という確認です。
【近藤室長】  お答えいたします。
 いわゆる清算条項みたいなイメージかと思いますが、それは一切ございません。今回は、まとめて一括してお支払をするということで、今後の生活の再建とかに役立てていただこうと。本来であれば、当然、損害賠償ですから、損害の後払いというのが実際でしょうけれども、それをまとめてお支払をして、それを生活の再建に役立てていただこうということでございますので、先ほどいろいろ御議論がございました、例えば、6年で本当に解除ができなかった場合どうなるのかということ、これは仮定のお話ですから、今はっきりとは申し上げられませんけれども、基本的には、会長がおっしゃられたとおり、中間指針がこれは生きておりますので、それに基づいてやっていくという形になろうかと思います。
 ただ、いずれにしましても、帰還困難区域で、移住を余儀なくされたことによる精神的損害というのがもう支払われておりますので、恐らく帰還困難区域との関係というのが、またその頃には議論になってこようかと思いますので、そのときは、またこういった場で御議論していただくことになろうかと考えております。
【能見会長】  どうもありがとうございました。今、御説明のあったような意味で、一括賠償を進めていただくというのは、被災者にとってもありがたいことだと思いますので、結構なことだと思います。
 今おっしゃったような将来の問題点は幾つかあるかもしれませんけど、それはまたそのときになって議論ができればと思います。
 ほかに、皆様いかがですか。大谷委員、どうぞ。
【大谷委員】  頂きました資料の3枚目の営業損害・風評被害の2ポツのところですけれども、国による集中的な自立支援策の展開に併せ、将来にわたる損害を減収率100%の年間逸失利益の2倍とみなし一括賠償という記載がありまして、この年間逸失利益という言葉は、今まで私ども接したことはないと思うんですけれども、どういうものとして考えたらよろしいんでしょうか。また、これはどのように算定されるんでしょうか。
【能見会長】  お願いします。
【近藤室長】  これは、ここは避難指示区域内ということですので、事業を実際にもう今は行っていないというところでございますので、事故前のいわゆる利益分というような、ざっくり言えば、そういった形になろうかと思います。その2倍分をまとめて今回お支払いをすると。
【大谷委員】  そうすると、各被災者の個別の損害状況というものを踏まえるということでしょうか。
【近藤室長】  そうです。個別に皆さん違いますので、AさんならAさんの事故前の基準年の利益をもとに、その2倍をお支払いすると。ですから、金額は、皆さんそれぞれ違ってくるということになります。
【大谷委員】  それから、余計な確認ですけれども、先ほど会長からも御質問ありましたけれども、6年分なら6年分まとめて支払いがあった場合に、将来分については要らないとか何とか、そのような文言を別にとるわけではないですよね。
【近藤室長】  ええ、いわゆる清算条項的なものは入りません。
【大谷委員】  この一括賠償についても、プレスリリースの細かいところを見ると、個別的な事情があれば、それによってまた損害の発生が継続しておれば、それはそれでまた賠償に応ずるという、そういうことでよろしいんですね。
【近藤室長】  将来どういう個別事情が出てくるか、今ちょっと想像はつきませんけれども、中間指針にもございますとおり、移転とか、転業とか、いろんな要素もあるということで、必ずしもずっとその損害が続くわけではないということも1つの考慮ですし、今後どういう事情が出てくるか分かりません。
 また、自立支援策とか、政府が取り組んでいくいろんな施策がどういう効果を生むかということも分かりませんので、そういったいろんなことを考慮して、さらに個別の御事情も踏まえて、相当因果関係にある損害がまだ残っているということであれば賠償していくと、こういうような方針でございます。
【大谷委員】  また根性が悪いという非難をお受けすることを覚悟で申し上げますと、こういう6年なら6年後解除と同等の一括払いというような話とか、この2倍という話で一括払いをするというような取扱いがされますと、これまでの東電の行動から見ると、「はい、これであなたは終わりですよ」という、そういう対応を窓口でされるリスクがかなり大きいのではないかということを私はもう非常に危惧しておりますので、そのようなことのないように、是非御留意いただきたいと思います。
【近藤室長】  承知いたしました。そこは丁寧に個別の御事情をお伺いしまして、適切に対応させていただきたいと考えております。
【能見会長】  今の点に関係するのですけど、今の文章の、3ページの避難指示区域内の2番目のポツのところの「将来にわたる損害を減収率100%の年間逸失利益の2倍とみなし」、この文章だけ見ると、ここでいう「将来にわたる損害」というのは、いつまでのことを視野に入れているかという問題はありますけれども、かなり長期にわたる将来の部分を視野に入れて、その将来の損害の全てを計算したときに、1年間の減収分の2倍分を将来全ての逸失利益とみなしますよと、そういう意味にもとれる文章ですよね。この文章では、2年分を賠償することで、それで逸失利益は全て賠償したことになります、という意味で理解される可能性がある。
 しかし、今、大谷委員から御意見がありましたように、2年分で完全に終わりだという意味で理解すべきではないと思います。私の理解は、営業損害に関しては、その終期については、審査会の指針でははっきり書いていない。営業損害についても、どこかに終期があることは確かだと思いますけど、はっきりと書けないので、指針には書いていない。そこで、今回の将来の営業損害は2年分であるとして賠償するというのが、指針との関係で、抵触しているのか否か、判断がなかなか難しいのですけれども。ただ、この文章のようにはっきりと、もう将来の損害は2年分ですよ、2年でおしまいですよという意味だとすると、指針の考え方を少し踏み越えているような感じがするんですね。ですから、大谷委員との間のやりとりであったように、一括で賠償するのはここまでだけれども、その後、個別の事情で、やはり逸失利益があるのだと、まだ営業損害が続いているというような状況があれば、それはなお賠償の対象となり得るという理解でよろしいでしょうか。
【近藤室長】  はい。前回のこの審査会で、能見会長から、損害がある限りはというお話がございまして、私ども、認識は全く同じでございまして、この中身に係わる場合、これまでも、例えば、福島県さんの議会で呼ばれたケースとか、いろいろございますけれども、その中で、弊社の社長の廣瀬からも、そういった意味では、個別事情をお伺いして、相当因果関係のある損害がある限りは、それについては賠償いたしますということは、もう明確に申し上げておりますので、考え方としては、先生方の御心配のないような方向で進めていきたいと考えております。
【能見会長】  ほかに御意見はございますでしょうか。野村委員。
【野村委員】  御質問させていただきたいと思います。4ページ目の訴訟等の状況というところで、送達件数のうち終了136件とありますが、もしお差し支えなければ、これがどういう形で終了しているのかというのを御説明いただければと思います。
【近藤室長】  個別のことなので、余り細かくはあれですが。ざっくりと申し上げますと、いわゆる和解というのが半数ぐらいはございます。あと半数は、いわゆる棄却・却下というような形になっていまして。これは新聞報道等でも出ておりますからあれですけれども、何件かは、例えば、自殺の関係の訴訟でいわゆる認容判決が出ていると、ざっくりと言うと、こんな状況でございます。
【能見会長】  よろしいですか。
【野村委員】  どうもありがとうございました。
【能見会長】  ほかに、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、一通り御意見を伺ったということにしたいと思います。
 どうもありがとうございました。これからも賠償の方、よろしくお願いいたします。
【近藤室長】  ありがとうございました。
【能見会長】  それでは、第4の議題ということで、住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価の取扱について、これについての説明をお願いいたします。
【長野原子力損害賠償対策室総括次長】  それでは、資料4に基づきまして御説明申し上げます。
 前回、第40回の原子力損害賠償紛争審査会での御議論の中で、中間指針の第四次追補におきまして、住居確保に係る損害算定の目安として示した福島県都市部の平均宅地単価(3万8,000円)に関しまして、専門機関における調査の結果をお示しし、前回の審査会の時点では見直す必要がないということを確認いただきました。
 その際、今後の見直し検討の頻度等につきましては、引き続き検討されるということとなりました。これを踏まえまして、今回、今後の見直し検討の考え方につきまして、当審査会で御議論いただければと思ってございます。
 2ポツのところに、事務局としての案をお示ししております。ここにございますのは、中間指針第四次追補に損害算定の目安として示しました福島県都市部、3万8,000円でございますけれども、この平均宅地単価につきましては、実際の地価の変動に応じて見直していくことが基本である。他方、中間指針に示されました目安を短期間でその都度見直すということにつきましては、上限額が変動しますので、各住民の方の住居の確保計画等に影響を及ぼす可能性がありますことから、被害者に混乱を生じさせる懸念がある。
 こういったことから、その頻度につきまして、どういうふうに考えるかということでございますけれども、審査会として、毎年、地価の動向等をまず確認いただいた上で、これまでの日本全国の地価の変動幅を勘案しながら、必要に応じて指針の宅地単価を見直すこととするというふうに、ここでお示ししております。
 具体的な地価の確認方法でございますけれども、国交省の土地鑑定委員会における地価公示、これは毎年1月1日を基準として結果は4月に出ます。それから、都道府県による地価調査、これは基準日としては毎年7月1日で、この結果は9月の下旬に出るものでございますけれども、これらを基にしながら専門機関が行った調査結果を確認するということ。これは前回の中間指針の第四次追補策定時と同様の方法でございます。
 それから、その見直し検討の際の基準でございますけれども、こちらで基準とする数値につきましては、指針宅地単価の基になった専門機関による調査結果を基準値とするということで、指針宅地単価が改定された場合には改訂後の調査結果とするということになるかと思いますけれども、その調査結果そのものの数値を基準値とするということで示してございます。
 それから、見直し後の指針宅地単価の適用時期でございますけれども、当審査会での見直し決定日から適用するのが基本ということでございます。ただし、宅地単価を減額する場合には、その場合、その時々の宅地単価の動向に応じまして減額されるという場合も、可能性もあり得ますけれども、そういった減額される場合には、被害者が手続途中で賠償上限金額が減額されるといったことがないように、東京電力におかれましては、その見直し後の指針宅地単価の適用時期に配慮することが望まれるというふうに、事務局としては御準備させていただきました。
 御議論の方、よろしくお願いいたします。
【能見会長】  それでは、この点について御議論いただきたいと思います。前回でしたか、前々回でしたか、いろんな御意見が出て、なかなか考え方が収れんしなかったということで、少しざっくりとした考え方ですけれども、今日、事務局の方で今のような形でまとめられたのが原案でございます。いかがでしょうか。
 あんまり明確な基準というのは出ていないのかもしれませんが、少なくとも毎年必ず確認はするということです。そのときの上昇率だとか、いろんなことを考慮して、単価を変動させる必要性があるかどうかを判断しようと、そういうところをこの案は押さえているつもりでございます。
 変動させるかどうかを検討するのは、直近では来年のいつ頃になるのですかね。1年というのが具体的に何時になるのか。次、具体的にこの確認をする作業というのは、いつになるかということですが。
【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  また次回については、会長とも御相談だと思いますけれども、先ほど御説明したように、9月下旬に地価調査の結果が発表されると思いますので、その後専門機関に調査をお願いします。ですので、年末か来年ぐらいまでにはその結果が出てくると思います。前回はたしか1月の審査会のときに確認をしていただいておりますので、そのようなスケジュール感もあり得ると思います。
【能見会長】  ということでございます。よろしいでしょうか。その時期になって、もう一度御議論していただくチャンスがあると思います。
 それでは、この件は、そういう扱いにさせていただきたいと思います。
 それでは、5番目、その他ということですが、これは事務局の方からですか。
【千原原子力損害賠償対策室室長代理】  恐れ入ります。それでは、事務局の方から、お手元の参考資料1に基づきまして御報告をいたします。
 まず、東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び東京電力株式会社福島第二原子力発電所の事故による原子力損害に関する報告(概要)という1枚紙でございます。これの位置付けでございますが、囲みにありますように、原賠法第19条1項に基づきまして、原子力損害が発生した場合、速やかに、以下に掲げます1原子力損害の状況、2原賠法に基づき政府がとった措置を国会に報告することとされてございます。これに基づきまして、去る6月19日に報告を閣議決定いただきまして、国会に提出してございます。
 主な内容は、下にあります1、2、3でございますけれども、1ポツのところで、原子力損害の状況ということで、避難指示等により避難費用とか精神的損害、営業損害等々、また、農林水産物の出荷制限指示、自主避難、そういったことで損害が出たということで、損害の状況をまとめてございます。
 2ポツの方で、原賠法に基づき政府がとった措置ということで、当審査会が設置されて、指針を策定いただいたこと、また、原子力損害賠償紛争解決センターによる和解の仲介をしていただいたこと、また、東京電力福島第一・第二原子力発電所につき、補償契約に基づいて東京電力に補償金を支払したこと、また、原子力損害賠償支援機構、その後、原子力損害賠償・廃炉等支援機構になりましたけれども、これを設立したこと等々を報告しておりますので、御紹介申し上げます。
 もう1点は、次の資料でございますが、参考2の2枚紙でございます。こちらは、内閣府原子力委員会の方の動きでございますけれども、1ポツの目的の中段にありますように、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法附則第6条に基づきまして、原子力損害賠償制度の見直しについて、エネルギー基本計画を踏まえて、当面対応が必要な事項及び今後の進め方を整理ということで、内閣官房の方で仕切られました「原子力損害賠償制度の見直しに関する副大臣等会議」が設置されて、検討が進められてきてございました。
 これらを踏まえまして、内閣府原子力委員会の方で、「原子力損害賠償制度専門部会」を設置されまして、専門的かつ総合的な観点から、原子力損害賠償制度の在り方について、2ポツにありますような検討内容について、今、御審議を進められているということでございます。現在までに3回ほど審議が進められており、2ページ目が、その専門部会の構成員ということでございます。
 簡単ですが、以上でございます。
【能見会長】  どうもありがとうございました。
 これについて、もし何か皆様の方から御質問等があればお願いします。よろしいですか。
 それでは、参考3の原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況については、これは。
【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  今回は、ほかの御議論があるということで、資料配付だけの予定でした。
【能見会長】  ただ資料の配付ということですね。
【橋爪原子力損害賠償対策室次長】  はい。
【能見会長】  分かりました。ということでございます。
 それでは、こちらの方で用意した議題は以上のとおりでございますけれども、皆様の方から何か議論しておきたいことがあればお願いいたしますが、なければ、これで本日の会議を終了したいと思います。
 どうも、本日は、大変な天候の中、お集まりいただきまして、ありがとうございました。これで第41回の原子力損害賠償紛争審査会を閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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(研究開発局原子力損害賠償対策室)

-- 登録:平成27年09月 --