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原子力損害賠償紛争審査会(第39回) 議事録

1.日時

平成25年12月26日(木曜日)10時00分~11時10分

2.場所

文部科学省(中央合同庁舎第7号館東館)3階講堂

3.議題

  1. 東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針第四次追補(避難指示の長期化等に係る損害について)(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

能見会長、大谷委員、大塚委員、草間委員、高橋委員、米倉委員

文部科学省

下村文部科学大臣、冨岡文部科学大臣政務官、藤木文部科学審議官、戸谷官房長、田中研究開発局長、川上政策評価審議官、田口原子力損害賠償対策室長代理、藤吉原子力損害賠償対策室次長

5.議事録

【能見会長】  それでは、時間になりましたので、第39回の原子力損害賠償紛争審査会を開催いたします。
 本日は、お忙しいところ、お集まりいただきまして大変ありがとうございます。
 では、事務局から資料の確認をお願いします。

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  配付資料でございますが、資料1として、中間指針第四次追補の案を用意させていただいてございます。委員の皆さんの席上には、委員用といたしまして、若干コメントを頂いた点等について下線を引いたり、手書きで数字を書き込んだりしてある部分がございます。それを使って御議論いただければと存じます。それから、参考資料といたしまして、参考資料1で、これは指針の備考の部分に出てまいりますが、福島県都市部の平均宅地単価と宅地面積について、これは文部科学省の方から専門機関に委託した報告書をつけてございます。それから、参考2といたしまして、世帯当たりの賠償額の試算ということで、前回お出ししたものを、審査会の御議論も踏まえてブラッシュアップしたものを参考資料2としてつけてございます。不足等ございましたら、お申し付けいただきたいと思います。
 以上です。

【能見会長】  それでは、議題に入りたいと思います。
 本日は、前回の議論、あるいは、前回の審査会以降に各委員からお寄せいただきました御意見などを踏まえまして、前回の指針のもとになった案を修正して、新しい指針案というものを用意しております。前回の指針の中ではブラケットに入れていたところについて、具体的な数字につきましても各委員からいろいろ御意見を頂きましたので、それを集約して、きょうは具体的な数字が書き込んでございます。本日は、この指針案の内容につきましては議論していただき、そして、新しい指針を決定できればと考えております。
 そこで、まず事務局から指針案についての全体の説明をしてもらいまして、その後、項目ごとに内容を確認していきたいと考えております。数字の部分につきましては、皆さんからお寄せいただいた数字はいろいろ幅がございまして、当然、御自身の御意見とは違うという数字になっている可能性もございますが、これは先ほど申し上げましたように、皆様の御意見を集約した形で、私の方でまとめさせていただきました。この点も含めまして、この指針の案につきまして、御意見があれば率直におっしゃっていただき、いずれにせよ、議論した上で決めていきたいと考えております。
 それでは、事務局から説明をお願いします。

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  それでは、資料1に基づき、御説明をさせていただきたいと思います。
 1ページめくっていただいて、「はじめに」の部分でございますが、現状のところは、若干字句の修正はございますが、従来と変わってございませんので、説明は省略させていただきます。
 それで、2の基本的考え方でございますが、これも前半部分は、最初のパラグラフは従来と同じで、今回の指針の目的が書いてございます。
 それから、3ページに、「なお」以下でございますが、ここは従来書いてある部分もありますが、改めて確認をさせていただきたいと思います。なお、本審査会の指針において示されなかったものが直ちに賠償の対象とならないというものではなく、個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められるものは、指針で示されていないものも賠償の対象となる。また、本指針で示す損害額の算定方法が他の合理的な算定方法の採用を排除するものではない。これは前回の審査会のときに、この「また」以下の部分ですが、土地の差額の賠償の算定に関して意見を頂きましたが、逆に、個別のところだけに書くと、反対解釈も生まれるということを踏まえまして、基本的考え方の本体の方に明記をしたという格好になってございます。それから、下線部の後の、「東京電力株式会社には」以下の文章は変わってございません。
 それから、「さらに」のところでございますが、本件事故による被害は極めて広範かつ多様であり、被害者一人一人の損害が賠償されたとしても、被災地における生活環境、産業・雇用等の復旧・復興がなければ、被害者の生活再建を図ることは困難である。「このため」以下でございますが、ここに前回は備考の一番最後の部分に書いてあったことも、ここにまとめて書かせていただいてございます。本審査会としても、東京電力株式会社の誠実な対応による迅速、公平かつ適正な賠償の実施に加え、被害者が帰還した地域や移住先における生活や事業の再建に向け、就業機会の増加や就労支援、農林漁業を含む事業の再開や転業等のための支援、被災地における医療、福祉サービス等の充実など、政府等による復興施策等が着実に実施されることを求める、という表現にさせていただいてございます。
 それから、指針の中身、本体の方に入りますと、避難費用及び精神的損害でございますが、まず四角の中で囲ってある指針でございますが、1)といたしまして、避難指示区域の第3期において賠償すべき精神的損害の具体的な損害額については、避難者の住居があった地域に応じて、以下のとおりとする、ということで、丸1帰還困難区域又は大熊町若しくは双葉町の居住制限区域若しくは避難指示解除準備区域については、第二次追補で帰還困難区域について示した一人600万円に一人、ここは委員の皆様のところには手書きで「1,000万円」と書いてありますが、を加算し、右600万円を月額に換算した場合の将来分の合計額を控除した金額を目安とする、ということで、具体的には、第3期の始期が平成24年6月の場合は、加算額から将来分を控除した後の額は700万円とする。
 それから、丸2は、丸1以外の地域については、引き続き一人月額10万円を目安とする。
 それから、2)でございますが、この住居に係る損害の賠償を受ける者の避難費用、これは具体的には生活費増加費用及び宿泊費でございますが、それが賠償の対象となる期間は、特段の事情がない限り、住居確保に係る損害の賠償を受けることが可能になった後、他所で住居を取得又は賃借し、転居する時期までとする。ただし、合理的な時期までに他所で住居を取得又は賃借し、転居しない者については、合理的な時期までとする。ということで、下線部は、今までは単に「転居が可能になる時期」と書いてございましたが、意味を明確化するため、ただし書として追加してございます。
 それから、3)は、「相当期間」でございますが、中間指針において避難費用及び精神的損害が特段の事情がある場合を除き賠償の対象とはならないとしている「避難指示等の解除等から相当期間経過後」の「相当期間」は、避難指示区域については、1年間を当面の目安とし、個別の事情も踏まえ柔軟に判断するものとする。
 以下、この指針の部分の解説が備考で書いてございます。
 備考1)でございますが、ここは前回と内容は変わってございません。1パラグラフ目ですね。
 それから、2パラグラフ目も変わってございませんが、一応2パラグラフ目の最後、5ページ目の最後のところに、今回の精神的損害の内容として、「長年住み慣れた住居及び地域が見通しのつかない長期間にわたって帰還不能となり、そこでの生活の断念を余儀なくされた精神的苦痛等」、これを一括して賠償することとしたということを明記してございます。
 それから、6ページ目に参りまして、2)、これは対象地域についての考え方でございますが、これも御議論ございましたように、本指針決定後、被害者の東京電力に対する、この指針に基づく損害賠償請求が可能になると見込まれる、平成26年3月時点における状況を踏まえて判断することとし、仮に、それまでの間に区域が見直されたり、帰還困難区域であっても除染計画やインフラ復旧計画等が整い帰還の見通しが明らかになったりするなど、上記1)で述べた状況に変更があった場合には、その変更された状況に応じて判断するものとする。
 それから、その後になお書きを追加してございます。大熊町と双葉町に隣接し、帰還困難区域の境界が人口密度の比較的高い町内の地域を横切っている富岡町及び浪江町においては、帰還困難区域に隣接する高線量地域、これは区域見直し時に、年間積算線量が50ミリシーベルト超とされた地域でございますが、これの取扱いについて、警戒区域解除後の区域見直しの経緯、除染等による線量低減の見通し等個別の事情を踏まえ、柔軟に判断することが考えられる、ということで追加をさせていただきます。これは現地の状況を踏まえて追加をさせていただいているものでございます。
 それから、3)については、ここは新しい記述になりますが、先ほどの一括の精神的損害額の算定の考え方として、過去の裁判例及び死亡慰謝料の基準等も参考にした上で、避難指示が事故後10年を超えた場合の避難に伴う精神的損害額の合計額を十分に上回る金額とした。また、第二次追補において、長期にわたって帰還できないことによる損害額を5年分の避難に伴う慰謝料として一律に算定していることから、このうち、平成26年3月以降に相当する部分は、「長年住み慣れた住居及び地域が見通しのつかない長期間にわたって帰還不能となり、そこでの生活の断念を余儀なくされた精神的苦痛等」、これに包含されると考えられるため、その分を加算額から控除することとした。
 それから、「なお」以下でございますが、本金額は、被害者の被災地での居住年数等を問わず対象者全員に一律に支払う損害額を目安として示すものであり、個別具体的な事情によりこれを上回る金額が認められ得る。
 それから、4)でございますが、4)は帰還困難区域以外でございますが、その合計額は、避難指示解除までの期間が長期化した場合には、賠償の対象となる期間に応じて増加するが、その場合、最大でも1)丸1、帰還困難区域等の損害額の合計額までを概ねの目安とし、仮に合計額が当該目安に達する蓋然性が高まった場合には、この後で示します住居確保損害の、これは移住に係る賠償の分でございますが、その賠償を受けることが考えられる。
 それから、5)は、これは前回は「可能な時期」としていましたが、本体が変わってございますので、2)について、「合理的な時期」とは、例えば、1)丸1、移住の賠償の対象者については、原発避難者向け災害公営住宅の整備が進捗し、希望者が当該住宅に転居することが可能になると想定される事故後6年後までを目安とすることが考えられる。
 それから、備考の6)は、相当期間についての解説でございますが、ここについては、丸1から丸4、これは従前ずっと審査会の資料、あるいは前回の指針案で示したことでございますが、これらを考慮した上で、当面の目安を1年間とした、ということでございます。
 それから、下から8行目ぐらいから「ただし」と入ってございますが、この「1年間」という期間は、避難指示解除が検討される区域の現状を踏まえて当面の目安として示すものであり、今後、避難指示解除の状況が異なるなど、状況に変更が生じた場合は、実際の状況を勘案して柔軟に判断していくことが適当である。また、相当期間経過後の「特段の事情がある場合」については、第二次追補で示したもの、これは具体的には学校とか病院の関係でございましたが、帰還に際して従前の住居の修繕等を要する者に関しては業者の選定や修繕等の工事に実際に要する期間、工事等のサービスの需給状況等を考慮する等、個別具体的な事情に応じて柔軟に判断することが適当である。その際、避難費用については、個別の事情に応じたより柔軟な対応を行うことが適当である。
 それから、備考の7)についてでございますが、これは二次追補のときと同じことを書いてございますが、この相当期間の間の精神的損害についてということでございますが、第二次追補で示したとおり、多数の避難者に対して速やかかつ公平に賠償するため、避難指示の解除後相当期間経過前に帰還した場合であっても、原則として、個々の避難者が実際にどの時点で帰還したかを問わず、当該相当期間経過の時点を一律の終期として損害額を算定することが合理的である。
 それから、8)でございますが、同じく相当期間に関しまして、営業損害及び就労不能損害の終期は、これも中間指針、あるいは、その第二次追補で示したことと同じでございますが、避難指示の解除、同解除後相当期間の経過、避難指示の対象区域への帰還等によって到来するものではなく、その判断に当たっては、基本的には被害者が従来と同等の営業活動を営むことが可能となった日を終期とすることが合理的であり、この後、下線部が今回新しいところでございますが、避難指示解除後の帰還により損害が継続又は発生した場合には、それらの損害も賠償の対象となると考えられる。
 以上が、避難費用と精神的損害でございます。
 それから、次が、住居確保に係る損害ということで、指針の1)につきましては、この前記1の1)丸1というのは、帰還困難区域等の一括の精神的損害の賠償、これの対象者で従前の住居が持ち家であった者が、移住又は長期避難(以下「移住等」という。)のために負担した以下の費用は賠償すべき損害と認められる、ということで、まず一つ目といたしまして、住宅取得のために実際に発生した費用と本件事故時に所有し居住していた住宅の事故前価値との差額であって、事故前価値と当該住宅の新築時点相当の価値との差額の、ここでは75%という案にしてございますが、を超えない額ということで、この75%というのは、木造住宅であれば、減価償却しきった48年以上の20%で財物賠償が評価されていた住宅が80%まで賠償されるという意味でございますが、75%を超えない額。
 それから、宅地につきましては、宅地取得のために実際に発生した費用と事故時に所有していた宅地の事故前価値との差額、これは後ろに空のブラケットがございますが、前回まではこの差額の何%ということをブラケットに入れてございましたが、基本的に差額全額ということで、差額で、あとは空のブラケットになってございます。ただし、所有していた宅地面積が400平米、後で備考でこれの解説が出てまいりますが、400平米以上の場合には当該宅地の400平米相当分の価値を所有していた宅地の事故前価値とし、取得した宅地面積が福島県都市部の平均宅地面積以上である場合には福島県都市部の平均宅地面積を取得した宅地面積とし、取得した宅地価格が高額な場合には福島県都市部の平均宅地面積に福島県都市部の平均宅地単価を乗じた額を取得した宅地価格として算定する、ということで、若干文章で書くと分かりにくくなってございますが、前回の資料で式をお示ししたとおりになってございます。
 それから、丸3としまして、登記費用、消費税等の諸費用でございます。
 それから、2)でございますが、これは帰還困難区域等の方以外で避難指示区域内の従前の住居が持ち家であった者で、これは移住等をすることが合理的であると認められる者、これが移住のために負担した費用について、上の1)の丸1と丸3、これは建物、諸費用は上に書いてある1)の対象者と同じでございますが、丸2の土地については、その差額の75%に相当する費用は、賠償すべき損害と認められる、としてございます。この理由については、後で備考で出てまいります。
 それから、3)でございますが、これは持ち家で帰還される方については、丸1といたしまして、これは修繕、建替えの費用ということで、当該住宅の事故前価値との差額であって、事故前価値と当該住宅の新築時点相当の価値との差額の75%を超えない額。これは先ほどの移住の場合と同じで、どんなに古い住宅であっても、新築時の8割までは賠償されるということでございます。
 それから、帰還の場合は土地代がございませんが、建替えが必要な場合は、当該住居の解体費用というのが、丸2としてきます。
 それから、丸3の登記費用、消費税等の諸費用、これは前と同じでございます。
 それから、次の4)は、借家でございますが、借家であった者については、移住等又は帰還のために負担した以下の費用は賠償すべき損害と認められる、ということで、新たに借家に入居するために負担した礼金等の一時金、それから、新たな借家と従前の借家との家賃の差額の、これは前回までブラケットで囲んでございましたが、委員間で異論がなかったということで、ブラケットを外してございます。8年分。
 それから、最後、5)を今回追加してございますが、1)から4)の賠償の対象となる費用の発生の蓋然性が高いと客観的に認められる場合には、これらの費用を事前に概算で請求することができるものとする、というのを、御議論の結果として加えてございます。
 それから、備考のところで、今の指針の解説がございますが、まず1)でございますが、これは帰還困難区域等の者について、一括の慰謝料が賠償の対象となる地域は、避難指示解除時期の見通しすら立たない状況であり、本件事故時に当該地域に居住していた避難者は、移住等を行うことが必要と認められる。
 それから、2)のところは、ここは移住をすることが合理的と認める場合の例示でございますが、例えばということで、帰還しても営業再開や就労の見通しが立たないため避難指示の解除前に新しい生活を始めることが合理的と認められる場合、それから、現在受けている医療・介護が中断等されることにより帰還が本人や家族の医療・介護に悪影響を与える場合、避難先における生活環境を変化させることが子供の心身に悪影響を与える場合等が考えられる、ということで、実質的には個人の合理的な選択を認めるような形となってございます。
 それから、備考の3)でございますが、ここについては、75%の説明が書いてございますが、特に築年数の経過した住宅の事故前価値が減価償却により低い評価とならざるを得ないことを考慮し、公共用地取得の際の補償額、これは括弧で書いてございますが、築48年、これは減価償却しきった状態でございますが、その木造建築物であっても新築時点相当の価値の5割程度を補償、これを上回る水準で賠償されることが適当と考えられる。
 それから、4)につきましては、これは土地の話でございますが、避難者が実際に避難している地域や移住等を希望する地域が、従前の住居がある地域に比して地価単価の高い福島県都市部である場合が多いことから、移住等に当たって、移住等の先の宅地取得費用が所有していた宅地の事故前価値を超える場合が多く生じ得ることを考慮した。具体的には、所有していた宅地面積の基準、先ほどの400平米でございますが、福島県の平均宅地面積を考慮し400平米とした。これは総務省の統計では、正確には約420平米でございますが、それより小さめのところと。また、「福島県都市部の平均宅地面積」及び「福島県都市部の平均宅地単価」は、ここに書いてある市について、専門機関に委託して調査した結果――この調査報告書が参考1でついてございますが、その結果、当面は250平米及び3万8,000円/平米を目安とすることが考えられる、ということで、具体的な平均面積と価格を備考で示してございます。
 それから、5)は、土地代の差額について、居住制限区域と避難指示解除準備区域の移住される方は、差額の75%としたことについてでございますが、対象となる地域は、避難指示の解除等により土地の価値が回復し得ることを考慮した、ということでございます。
 それから、6)は、これは従来の文章と変わってございませんが、ポイントになりますので下線が引いてございますが、建替えの必要性を客観的に判断するに当たっては、管理不能に伴う雨漏り、動物の侵入、カビの増殖等の事態を受け、建替えを希望するという避難者の意向にも十分配慮して柔軟に判断することが求められる。そのため、例えば、木造建築物にあっては、雨漏り、動物の侵入、カビの増殖等により、建物の床面積又は部屋数の過半が著しく汚損していると認められる場合は建替えを認める等の客観的な基準により判断することが妥当であると考えられる。
 続きまして、7)でございますが、これは借家に関してでございますが、避難者が実際に避難している地域や移住等を希望する地域が、これは土地と同じでございますが、従前の住居がある地域に比して地価単価の高い福島県都市部である場合が多いことから、地価単価が高いということは、通常、借家の単価も高いということで、移住等に当たって、移住等の先の借家の家賃が事故前に賃借していた借家の家賃等を超える場合が多く生じ得ることを考慮し、公共用地取得の際の補償を上回る水準で賠償されることが適当と考えられる。公共用地取得の際の補償の水準は、これは差額に応じてということでございますが、2年から4年分ということで、8年分としてあるということでございます。差額が賠償の対象となる「新たな借家の家賃」とは、この移住される方につきましては、本件事故時に居住していた借家の面積等に応じた福島県都市部の平均的な家賃を上回る場合には当該平均的家賃、帰還の際に従前の借家への入居が不可能である者については、本件事故時に居住していた借家の面積等に応じた被災地周辺の平均的な家賃を上回る場合には当該平均的家賃ということで、土地と同じような考え方で、平均的な価格を一つの基準としてございます。
 続きまして、8)でございますが、最後の概算払のところの解説でございます。住居確保に係る損害は、原則として、現実に費用が発生しない限りは賠償の対象とはならないが、避難者の早期の生活再建を期するため、東京電力株式会社には、例えば、1)、2)、これは移住の対象となる者については、移住等の蓋然性が高いと客観的に認められる場合や住宅を取得せず借家に移住等をする場合、それから、帰還の対象となる者については、従前の住居の修繕等や移住等の蓋然性が高いと客観的に認められる場合や帰還が遅れる場合には、移住等の先での住居の取得費用や修繕等の費用が実際に発生していなくても、移住等の先の平均的な土地価格や工事費の見積り額等を参考にして事前に概算で賠償し、事後に精算する等の柔軟かつ合理的な対応が求められる。
 続きまして、9)でございますが、1)、2)、移住の賠償の対象者が、移住等の後に従前の居住場所に帰還する場合は、帰還に必要な事故前に居住していた住宅の修繕、建替え費用について、特段の事情がない限り、移住等の先の宅地及び住宅の価値等によって清算することが考えられる。
 10)でございますが、ここは被害者が移住等の先を決めるに当たっては、これは前回の案と同じでございますので、前段は読み上げるのを省略いたしますが、13ページでございますが、「なお」のところでございますが、移住等の先や避難先での営農や営業については、これまでの指針において、逸失利益や財物の賠償に加え、事業に支障が生じたために負担した追加的費用や事業への支障を避けるため又は事業を変更したために生じた追加的費用として、商品や営業資産の廃棄費用、事業拠点の移転費用、営業資産の移動・保管費用等も、必要かつ合理的な範囲で賠償すべき損害と認めている。事業者の多様性等に鑑みれば、これらについて一律の基準を示すことは困難であるため、東電においては、被害者が移住等の先や避難先で営農や営業を再開し生活再建を図るため、最後の3行でございますが、農地や事業拠点の移転等を行う場合、当該移転等に要する追加的費用に係る賠償についても、損害の内容に応じた柔軟かつ合理的な対応が求められる、ということで備考を示してございます。
 指針案についての説明は、以上でございます。

【能見会長】  それでは、これから少し区切りながら内容を確認し、決定していきたいと思います。
 最初に、第1のはじめの部分についてでございます。もう先ほどの説明の中にありましたように、何点か少し修正した部分がありますが、下線が引いてある部分がございますので、そこなどを検討していただければと思います。いかがでしょうか。
 この審査会でも何度も強調されましたけれども、3ページの上の方にある下線部分、この指針というものが、広い範囲の賠償対象者に対して、大体一律でどういうものが損害として認められるかというものを示しておりますので、個別の事情のもとでもってそれを超える損害が認められるということは当然ではあるのですけれども、この点が何度も問題となりましたので、それを明記するという形にしてございます。
 それから、更に加えて、この損害の算定の方法についても、これも当然いろんなものがあり得るわけですので、その中の合理的な算定方法というものは、この指針と少し考え方が違うものであっても、当然それは認められるものであるということが確認的に書いてあるものでございます。
 よろしいでしょうか、とりあえず。また最後の段階でもって、もう一度戻っていただくことは可能ですが、とりあえず……。何かございますか。どうぞ。

【草間委員】  3ページの上の下線を引いてある部分ですけれども、「なお、本審査会の指針」と言うと、今までの指針も全部含むというふうに考えてよろしいでしょうか。
 次のところでは、また、「本指針で示す損害額」とありますので、この両者の区別を意識して、書かれているかということを確認したいのですが。

【能見会長】  少なくとも私の意識としては、これは、ここで書いてある一般的な考え方は、当然、今回の指針を念頭に置いて、改めて確認しているものでございますけれども、全ての指針に当てはまる一般的な考え方であるというふうに理解しております。
 ただ、文案自体は、これは多少事務局的なあれがありますので、使い分けているかどうか言ってください。

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  従来の指針では、今回の土地とか宅地の算定方法のように細かい算定方法を具体的に示したことがなかったので、それを意識して「本指針」ということになっているのですが、御指摘のとおり、過去に示したものもそのとおりでございますので、「本」をなくして、裸で「指針」というふうにさせていただければと思います。

【能見会長】  ほかにいかがでしょうか。

【大谷委員】  この点は、今回の指針においてこの算定方法が特に議論になったところでございますので、「本」は維持していただきたいと思います。

【能見会長】  分かりました。それでは、私もこの算定方法は、特に今回意識されていたことですので、取るとすれば、前の方の、こちらは取ってもいいかもしれませんけれども、「また」以下の「本指針で示す」というのは、これはこの指針ですから、必要だということになるかと思います。
 よろしいですか。それでは、次の避難指示等に係る損害、第2のところでございますが、最初に、避難費用及び精神的損害についてでございます。ここの最大の問題は、先ほど事務局からの説明がございましたが、この一括慰謝料の具体的な数字についてでございます。私も冒頭少しコメントいたしましたけれども、この数字については、なかなか審査会で、どの数値がいいのかということを合理的に議論するということは難しいこともあり、皆さんから率直な、どのぐらいの数字が適当かということについての御意見を頂きました。それを集約して出てきた金額でございます。はっきり申し上げますと、これより低い金額というのも相当ございましたし、これよりも上の金額というものもございました。余り数値的な、例えば、平均を取るとか、そういうこととはちょっと違いますけれども、私としては、合理的な金額ということで、平均を意識しながら、しかし、必ずしも平均というわけではないかもしれませんが、そういうのを意識しながら決めた金額でございます。ということで、この点について何か特に御意見があればお願いしたいと思いますが。どうぞ。

【大塚委員】  賛成なのですけれども、参考になるのは、前にも資料で配られたように、遺族間で配分される死亡慰謝料の場合、一家の父親の方が亡くなった場合の家族、世帯数が平均三人ということを考えたときに、950万ですので、それよりも若干上回る額ということで、参考になる額としてはそういうのがあって、1,000万というので、適当だというふうに考えます。

【能見会長】  ありがとうございます。
 ほかに特によろしいでしょうか。どうぞ。

【大谷委員】  各委員の御意見の集約の結果がこの金額であるということであれば、これに従うということにしたいと思います。なお、言わずもがなのことでございますけれども、この指針の中でも、6ページのあたりで、具体的な事情によってはこれを上回る金額もあり得るというようなことで、いわばこれは一つの標準的なものだということの確認を頂いているわけでありますが、その点について、蛇足と言えば蛇足でありますけれども、申し上げておきたいのは、このような故郷を喪失することについての精神的苦痛というものには相当の開きがあって、例えば、先祖代々そこに住み着いて、よその場所で人生を終わるということなど夢想だにしなかったというような人もあれば、それほど縁の深くない人もあるというようなことになりますと、ADRにおいて検討される慰謝料の範囲は相当幅のあるものになるだろうし、かつ、和解によって落着する慰謝料額も、この指針で示される金額からは相当程度外れたものになるということもあり得るということは御了解を頂きたいと思います。

【能見会長】  その点は全く私も同感でございます。慰謝料というのは、本来、それぞれの精神的な苦痛ということで、そんなに簡単に一律に判断できるものではございませんが、ここは、まさにこれがこの審査会の指針の役割だと思いますけれども、全てが個別的な判断に任されてはなかなか賠償が進まない、多くの方々にそれなりに満足いただけるようなものを指針として示すことによって、賠償が促進されるということから、そういう意味で、平均的なというのでしょうか、あるいは、ここでは最低と言ったらいいでしょうか、そういうものとしての慰謝料の額というものを示したものでございます。
 今、大谷委員がおっしゃったように、個別の事情によっては、もっと苦痛が大きいという場合も当然考えられますので、それはそういうふうに応じて賠償されるべきものであろうと思います。ただ、これもなかなか個別の判断で、結局はADR等に御負担をかけることになると思いますけれども、こういう形で記載するということで御了解いただければと思います。
 よろしいでしょうか。ということで、この部分について御了解いただけたということにしたいと思います。
 私自身が原案を考えながら、コメントを申し上げるのもちょっとあれかもしれませんけれども、いろんな新聞報道などでも少し誤解があると私など思うところがありますので、一言申し上げますと、今回、これは今まで生活費と慰謝料とを含めて、毎月幾らという形で慰謝料として賠償を認めてきたわけですけれども、今回、もう戻れないであろうと、そういう意味では、故郷を喪失される方についての純粋な精神的な苦痛の部分の慰謝料というものをここで決めるということをしたわけでございます。
 これは理論的には、簡単に言うと、故郷を失ったということで、それの慰謝料はどのぐらいかということをここで考えているわけですが、この精神的苦痛はもちろんずっと続いていくものでございますけれども、故郷を失ったという段階でどれだけの精神的苦痛があるとかというのが理論的には計算できる。これは父親とか家族の一員が死亡した場合も同じで、死亡したことで、こちら死亡慰謝料はいろんな考え方があるのですが、死亡した本人とかいうのもありますけれども、死亡したことで残った遺族たちがこうむる苦痛というのも、これもずっと続くことですけれども、しかし、死亡ということが起きた段階でどれだけの精神的な苦痛があったかということを、一律というか、その時点でもう全てを計算するということをしておりますので、精神的な損害の賠償というものが、今までの避難している間の生活の苦痛というのとは違って、故郷を失ったということの慰謝料でありますと、これはもうある時点でこれだけのものであるという判断をするというのは、むしろ従来の裁判所の判例の考え方でもあり、法律家の皆さんは普通こういうふうに考えておられますので、この審査会としても、そういう考え方で、一括の慰謝料というものを決めたというものでございます。
 そういう形で一括慰謝料を決めますと、慰謝料の打切りではないかということがいろいろ言われていたりしております。今言いましたように、精神的な慰謝料というのは、今の形で一括して決められるものだと思います。ただ、問題は、生活費の部分がこれからも負担があるという場合もあるでしょうし、それから、就労不能という状態がまだ続くということもあると思います。これらについては、この慰謝料でもって幾らと決めたことが影響するものではございません。今後は個別の皆様の状況を判断することになると思いますけれども、就労不能という状態が続いているときに、それが相当な損害であると考えられれば、その部分の賠償はやはり続くのであるということで、就労不能損害を打ち切っているというものではございません。生活費についても、これも増加分が合理的な損害である、相当因果関係のある損害であるということになれば、これは相変わらず続くと。ただし、個別的な事情に依拠するところは多いと思いますので、個々の被災者の皆さんの個別的な事情に基づいて判断されるということでございます。
 ということで、ちょっとコメントを申し上げました。
 よろしいでしょうか。それでは、次の2の住居確保に係る損害についてであります。ここについても、先ほど事務局から詳しく説明がありましたが、建物について、新築の取得価格と元の住居の価格の差額のどの程度を賠償として認めるかということがこれまで議論になってございました。ここでもいろんな数値が出てまいりましたけれども、75%あたりというのが比較的多い御意見だったと思いますので、それを一応ここで書かせていただきました。
 土地については、これも御意見いろいろございましたが、先ほどの説明のとおり、ここでは一定の面積というのが制約はございますが、しかし、それをまた考慮して、取得した土地と旧来の土地の価格の、これは100%というのでしょうか、それを認める。しかし、面積の上限であるとか、あるいは価格の上限であるとか、それから、旧来の今までの土地というときに、今までの土地が面積が広かったときに、400平方メートルまでは、これは従来持っていた土地ということで、新しい土地を取得するときのベースに充ててもらう。つまり、新しい土地と元の土地の差額というときの、元の土地の差額のときに400平方メートルまでは計算していただくと、そういう考え方が示してあるわけでございます。
 それから、今のは帰還困難区域についてでございますが、居住制限区域につきましては、これはその土地の価格が回復する可能性の高さ、程度というものを考慮して、帰還困難区域の場合と比べると、それの75%ぐらいでどうであろうかというのが、ここでの案でございます。
 ということで、これについてももし御意見があればお願いしたいと思いますが。どうぞ、どちらでも。

【大塚委員】  どちらも賛成なのですけれども、宅地について、帰還困難区域の方の部分については100%ということで、非常に分かりやすい結論になって、大変良かったと思っております。
 建物については、減価償却のことがありますので、75%ということでございますし、400平米というのも、福島県全体の平均宅地面積がこの程度なので、この値を用いるということで、適切であったと思います。
 居住制限区域については、移住先の平均単価とか被災地の平均単価とかを考えると、このぐらいの値になると考えられますので、いずれも賛成でございます。

【能見会長】  では、大谷委員、どうぞ。

【大谷委員】  丸1の75%、それから、従前のαを100とされた点については、評価をさせていただきたいと思います。
 ただ、疑問なのは、2番の避難指示区域内ですね。これが75%ということになっていますけれども、その理由が、11ページの5)に、土地の価値が将来回復し得ることを考慮したということになっておりますけれども、これは前から議論が続いているところでありますが、賠償者の代位の問題を解決しないでこれを結論付けていいのかという疑問ですね。つまり、移住によって全部賠償を受けた被災者の旧自宅の所有権、それが被災者のもとにとまるということが明らかであればそう言ってもよろしいかと思いますけれども、これまでの議論の中でも、そこははっきりしていないのだという認識でこれまできていたと思います。そういう中で、あたかも被災者のもとに旧宅地・建物の所有権が残るのだということを前提とするような考え方については、違和感を覚えるということをちょっと申し上げたいと思います。

【能見会長】  この賠償を受けたときに、賠償者の方に所有権が移転するのか、それとも、賠償を受けた被災者に所有権が残るのかという問題については、何度か御議論いただきましたけれども、審査会としては、この問題について、どちらの立場を取るというわけでもなく、その点は実は余りもう深入りはしないということでございます。
 ここに書いてあるように、土地の回復し得るということは、その利益を被災者が受けるということを前提にしていることですので、そういう意味では……。

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  ちょっとよろしいですか。若干説明も悪かったのだと思いますが、ここの5)のところの、土地の回復し得ることを考慮したというのは、居住制限区域と避難指示解除準備区域ですので、全損で賠償を受けていないので、代位の問題がないような部分でございます。仮に居住制限区域とかで避難指示解除が延びて、全損の賠償をされることになると、多分、帰還困難区域と同じような扱いにせざるを得ないのだと思うのですが、現時点では、これは居住制限区域と避難指示解除準備区域、基本的には避難指示解除までの期間に応じて、例えば、6分の3とか6分の4という形で賠償されておりますので、全損賠償ではないので、代位の問題は生じない部分についてでございます。

【能見会長】  うん。

【大谷委員】  移住をしてしまうわけですよね。このケースというのは。

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  はい。

【大谷委員】  したがって、移住して残した土地に建物については、東電が全部賠償するのではないのですか。

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  違います。今ここで言っている移住が合理的なところは、居住制限区域と解除準備区域ですので、土地も建物も全損で賠償されていない状態で、その移住の賠償という格好になってございます。

【大谷委員】  そうすると、その対価の100%が支払われるというわけではないということですね。

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  そうです。

【能見会長】  そうですね。私も少し勘違いしていたかもしれないけれども。ちょっとお待ちください。
 これは指針の方で言うと、四角の中で言うと、今の点が明確になるのはどこのところ?

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  2)でございますので、前記1)丸1の賠償の対象者以外というのは、基本的には居住制限区域と解除準備区域で持ち家であった者で、移住をすることが合理的と認められる者で。

【能見会長】  それは移住の合理性の問題ですね。

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  はい。
 居住制限区域と解除準備区域につきましては、これは不動産全損の賠償ではなくて、避難解除の時期に応じてということなので、今、通常は6分の3か、6分の4か、6分の5で賠償されている状態でございます。

【能見会長】  分かりました。じゃ、これは少し誤解が生じる可能性があるので、今の文章が今のことが分かるように、文章はどんなものにするか、こちらへお任せしていただくとして、指針の中、あるいは備考の中に少し補充の文章を付け加えましょう。それでいいですかね。

【大塚委員】  この点は全損で賠償ではないということは、ここで決めていることではないですよね。別のところで決めていることなので、私は当然の前提だと思っていたのですが。

【能見会長】  だから、指針というよりは、あるいは、備考のところで誤解がないようにするということですね。
 余りここで議論を錯綜させるつもりはありませんけれども、ただ、この賠償者の代位というのが、今までは全損賠償しないと代位は生じないというふうに考えていたけれども、本当はいろんな考え方はあり得て、一部賠償しても割合的に移転するという考え方もあり得るかもしれないので、代位の問題というのは、ここの審査会では立ち入ることができない問題ですよね。
 それでは、今のような処理で、大谷委員、よろしいでしょうか。

【大谷委員】  この指針の運用上の懸念事項なのですけれども、10ページの5)のところで、費用発生の蓋然性が高いと客観的に認められる場合には、事前に請求することができるものとするとされております。これは私の前からの主張を採用していただいたものと考えておりますけれども、1)の原則の方の、実際に発生した費用を賠償するというのが原則であるという取扱いが周知されると、被災者のほとんどは、まず東電から賠償金額の支払を受けないと新しい土地・建物も取得することはできないという実態にあるのだと思います。そうだとすると、実際に発生した費用、それを自分で賄った上で、東電への賠償の請求をし、あるいは、ADRに賠償の申立てをするということは、ほとんど不可能になる。そういう実態があろうかと思います。
 ですから、5)のところで、そこは書いてもらっておりますので、一応そこは拾い上げているというような形になっているわけですけれども、運用上、そのあたりの懸念があるなということはちょっと申し上げておきたいと思います。

【能見会長】  はい。一応そういう懸念もあるので、この備考に書いているような処理をするということでございます。
 なかなか損害というのは何なのかとか、どの時点で発生するのかということ自体も、一般の法行為の理論としても難しいところはあると思いますので、とりあえず抽象的な原則は書きつつも、実際の運用で配慮するという形にさせていただきたいと思います。
 それでは、とりあえずこの点もよろしいでしょうか。
 そうしますと、一通りざっとは見てきたということになりますけれども、もう一回もとに戻って、指針案全体として何か御意見があれば、あるいは、また戻って個別の論点でも結構ですが、いかがでございましょうか。どうぞ、今もし……。

【大塚委員】  特にないです。すみません、別のところなので。

【能見会長】  指針のことについては、もうこれでいいということですか。

【大塚委員】  はい。

【能見会長】  それでは、指針について、まだいろいろ細かい点では御意見があるかもしれませんけれども、とりあえずこの審査会では、先ほど言った備考のところを分かりやすくする点を……。

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  すみません、時間があるようですので、今、修文案を申し上げて、御了解いただくような格好にしてよろしいですか。
 先ほどの11ページの備考の部分ですが、5)ですが、「2)について、対象となる地域は」の次に、「居住制限区域及び解除準備区域であり」という言葉を入れさせていただいて、全損の賠償を受けているところではないということを明確化するということでいかがでございましょうか。

【能見会長】  それでいいと思います。それでよろしいでしょうか。

(「はい」の声あり)

【能見会長】  では、そういう修文のもとで、この指針の案を確定させていただければと思います。
 今の点も含めてなのですけれども、個別の指針が出てくると、それまでの指針で前提となっていることがベースになっているのですが、それとの関係が分かりにくくなるという点があって、これは解説とか指針の解釈、先ほど私が申し上げた就労不能損害などについても、この指針だけを見ると、一括慰謝料をもらうとそれでおしまいになっているかのような誤解をされることがあるのですが、これも今までの指針の継続で考えるとそうならないのだというところがございまして、こういうのは指針には書いてありませんけれども、今回、この審査会で今確認させていただくと同時に、また、今後も事務局等で説明するようなときには、それを注意していただければと思います。
 ということで、それでは、指針の内容そのものにつきましては、これで確定させていただきたいと思います。
 ほかに関連して、何か御意見があれば。どうぞ、大塚委員。

【大塚委員】  ちょっと確認的に申し上げておきたいだけなのですけれども。12月20日に政府の方で復興の加速化についての閣議決定をお出しになりましたが、3点、ちょっと確認的に申し上げておきたいことがございます。
 一つは、紛争審査会が26日に最終結論を出すのに、20日にお出しになったので、20日の閣議決定の中では、今回の住居確保損害とか故郷喪失損害の話も慰謝料の話もございましたので、あたかも行政に追随しているかのように紛争審査会が見られるというところはちょっとあるかもしれませんので、それは特にマスコミの皆さんに誤解のなきように申し上げておきたいところがございます。国としては、バックアップしてくださっているということなのだろうと思いますけれども、あたかもそういう印象を与えたかと思いますので、この紛争審査会、傍聴していらっしゃるマスコミの方は、紛争審査会がまさに主体的に行動していたことはお分かりになると思うのですけれども、必ずしもそうではないような印象を与えた可能性もあるかと思いますので、1点、その点を申し上げておきたいと思います。
 それから、二つ目ですけれども、今の復興加速化のパッケージの中で、今回の住宅確保損害とか故郷喪失慰謝料の問題が挙げられましたので、損害賠償がやや政策的なもののように受け取られる可能性もあるかと思いますけれども、紛争審査会としては、まさに損害の賠償としての検討をしてきたので、政策的な賠償を認めるとかいう趣旨ではないと思いますので、それも、もし誤解を招くとすると、非常にまずいと思いますので、これも国としては、そういうことは多分全くお考えにならずにおやりになったことだとは思いますが、そういう誤解を招くとちょっとまずいのでこの点も確認しておきたいということがございます。
 もう一つ、早期帰還賠償についても閣議決定のパッケージの中ではお書きになっておりますが、これは個人的には、できるだけ早い時期に紛争審査会でも、国の方でおやりになったことですけれども、御説明いただけると大変有り難いと思っているということでございまして、以上3点です。

【能見会長】  これはもしかしたら事務局の方がよく知っていることかもしれないので……。

【大谷委員】  すみません、ちょっと時機を失した感がありますけれども、発言させていただいてよろしゅうございましょうか。

【能見会長】  どうぞ。

【大谷委員】  記載の仕方の問題で、戻って大変恐縮でございます。12ページの8)のところですけれど、いわゆる蓋然性が高い場合には、前もって支払って、後で精算をするという話ですね。これについては、従前から精算の問題は考える必要はないというのが私の意見であったわけですけれども、そこを今とことん主張するつもりはございませんが、事後に精算するという言葉はちょっときつすぎるので、必要に応じて事後に調整をするという程度の表現に改めていただければ有り難いと思います。

【能見会長】  分かりました。これは調整するという言葉がいいと思いますので、そういたしましょう。

【大谷委員】  被災者が払う場合もあるし、受け取る場合もある。

【能見会長】  はい。
 先ほど大塚委員が言われた点に移らせていただきたいと思いますけれども、ほかにもし指針の中身について御意見があれば。よろしいですか。
 私自身は審査会の方の仕事に集中しておりますので、政府のパッケージがどうのという方については、余り具体的な中身についてもよく知らないわけですが、今の大塚委員の御発言の中身を踏まえて、私の感想ですけれども。この住居確保損害等について、政府の書くパッケージの中に入っているということについては、これは政府の方は、審査会で議論が進行しているのを踏まえながら、それを前提にして、こういうパッケージを出したということですので、そういう意味では、政府の方が先行して、こちらが後を追っているということではなくて、これは大塚委員も言われたとおり、この審査会でまさに従来議論されていたことですが。ということで、この点については、そんなに誤解はないのであろうと思います。
 それから、もう一つ、早期帰還賠償というのも、これも中身は必ずしも私はよく理解しているわけではございませんけれども、これは中身によっては、やはり早期に戻った人にだけ一定の賠償をするということで、かなり早期に帰還することを促進する政策とセットになっているのだろうと思います。賠償という言葉は使われておりますけれども、そういう意味で、政策に非常に強く後押しされたもので、審査会は、これも大塚委員が言われたように、我々、損害の賠償というものを淡々と認めていくという立場で、政策はもちろんいろいろ脇でにらんではおりますけれども、政策というものを正面から出して賠償の問題を議論するということはしないという立場でございますので、そういう意味で、政府の方で早期帰還賠償というのをまとめられた――これは恐らく賠償についての指針というか、賠償せよという、そういう中身ではなくて、東電といろいろ協議した結果、東電が賠償して構わないというものとして認められたものだというふうに理解しますけれども、いずれにせよ、この政策的に考えるという問題は、審査会の問題とは違うということを確認しておきたいということでよろしいでしょうか。

【大塚委員】  ええ。

【能見会長】  これについては、今、もし簡単に説明が事務局からできればお願いするし、事務局とは直接関係ない部署の問題ですので、何か適切な時期に、大塚委員が言われたような説明が必要であれば、また中で検討すると。

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  事務局としても、動向は常に政府内で把握してございますので、時期が来たら審査会で改めて御説明させていただきたいと思います。

【能見会長】  はい。
 どうぞ。

【高橋委員】  閣議決定の内容には問題はない、と私は思います。しかしながら、その文言が、審査会において何とかする、という書き方になっています。すなわち、閣議決定の表現が、政府が審査会に何かやらせるというような書き方になっているのがミスリーディングではないかと思います。
 願わくば、審査会においてこういうことを指針で決めることになっているので、政府としては、それを確実に履行するように配慮するとか、その辺、中立的な形で仕事をしている審査会の作業については、配慮した表現が今後はあった方がいいのではないか、と思いました。最初に申し上げましたように、中身については、私は異論はありません。
 以上、感想です。

【能見会長】  私自身は表現を確認していませんけれども、もしそういう表現があったとしたら、審査会としては、そういうものは遺憾であると思いますので、適切な表現をお使いいただくということを御検討いただきたいと思います。
 それでは、この指針自体は、これで内容を確定したということになります。
 今、下村大臣がお見えでございますので、最後に一言御挨拶をお願いできればと思います。

【下村文部科学大臣】  文部科学大臣の下村博文でございます。
 委員の皆様方におかれましては、精力的に御審議をしていただきました。本日、中間指針第四次追補を策定していただいたことに対して、厚く感謝、お礼を申し上げたいと存じます。
 今回の第四次追補の策定に当たっては、社会的にも大きな関心が示されている中、多くの困難な事柄があったものと察しますが、ここまで検討していただいた皆様方に対して、改めて敬意を申し上げたいと存じます。
 文部科学省といたしましては、第四次追補で示していただいた考え方に沿って、迅速、公正かつ適正な賠償が行われるよう、関係省庁と連携・協力しながら、全力で取り組んでいく所存であります。
 政府全体としましても、先週20日の閣議決定に基づき、賠償も含め、福島の復興・再生に向けた取組を一層加速させていくこととしております。
 最後になりましたが、能見会長を始め、委員の皆様方に対し、改めてお礼を申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

【能見会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、これで本日の会議を閉会いたしますけれども、今後の手続について、事務局から説明をお願いします。

【田口原子力損害賠償対策室室長代理】  指針案の最終版については、きょう14時からプレスブリーフを行いますので、そのときに配布させていただきます。
 以上でございます。

【能見会長】  それでは、本当にこれで最後でございます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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