平成25年1月30日(水曜日)17時00分~18時50分
文部科学省(中央合同庁舎7号館東館)3階講堂
能見会長、大谷委員、大塚委員、草間委員、中島委員、野村委員、米倉委員
下村文部科学大臣、福井文部科学副大臣、丹羽文部科学大臣政務官、森口文部科学事務次官、藤木文部科学審議官、戸谷研究開発局長、田中総括審議官、篠崎原子力損害賠償対策室総括次長、田口原子力損害賠償対策室次長
【能見会長】 それでは、時間になりましたので、第30回原子力損害賠償紛争審査会を開催いたします。
本日は、お忙しいところをお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
本日は、まず下村文部科学大臣に御出席をいただいておりますので、御挨拶をいただきたいと考えております。ごめんなさい、先に御紹介してしまいましたけれども。
では、下村文部科学大臣、先に御紹介申し上げまして、大臣がいらっしゃいましたので、下村大臣に御挨拶をいただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
【下村文部科学大臣】 ありがとうございます。審査会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと存じます。
安倍内閣は、この震災復旧・復興を最大限スピーディーに、一番の政策重要テーマとして対応するということでやっておりますので、ぜひ先生方のお力をいただきたいと思います。今般の原子力事故から約2年がたとうとしているわけでございますが、いまだに被災された方々の生活再建、まだめどが立っていないという方々がたくさんいらっしゃる中でありまして、さらにこれから迅速な損害賠償の実現をしていただくということは、もう不可欠な課題でございます。
委員の皆様方におかれまして、大変お忙しい中、一昨年4月の第1回審査会以来、精力的に御審議を重ねていただき、紛争解決に資する指針の策定に取り組んでいただいているところでございます。能見会長をはじめとする委員の皆様方に改めてお礼を申し上げたいと存じます。
文部科学省といたしましても、指針で示していただいた考え方に沿って、迅速、公正かつ適正な賠償が行われるよう、関係省庁と連携協力しながら取組を進めております。また、ADRセンターによる和解の仲介などの体制の強化にも取り組んでいるところでございます。
本日は、農林漁業の風評被害に関して、専門委員の皆様方からの現地調査の結果を踏まえ、御議論いただくほか、東京電力による賠償の進捗状況や、ADRセンターの活動状況についても御報告いただく予定でございます。
委員の皆様方には、引き続き大変な御苦労をおかけいたしますが、今後とも十分に御審議をいただき、迅速、公正かつ適正な賠償の実現につなげていただけますよう、よろしくお願いを改めて申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【能見会長】 どうも大変ありがとうございました。
大臣は、次の公務のため、ここで退席されます。どうもありがとうございました。
【下村文部科学大臣】 よろしくお願いします。ありがとうございます。
(下村文部科学大臣退席)
【能見会長】 では、事務局から、本日の配付資料の確認をしてもらうことにいたします。お願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 それでは、まず配付資料の確認でございます。一番表に、第30回審査会の議事次第がございます。そこに配付資料といたしまして、資料1-1、1-2が、専門委員の調査報告の結果でございます。1-1は概要で、2枚紙になってございます。1-2は、大変大部になって、まだ印刷ができてございませんが、分厚いものになってございます。それから、資料2といたしまして、新しい指針の案をお配りさせていただいてございます。それから、資料3-1、3-2は、これは東京電力からの報告用の資料でございます。それから、資料4-1から4-3につきましては、ADRセンターの方からの報告のための資料でございます。さらに、参考資料として、前回の議事録をおつけしてございます。
さらに、委員の皆様方には、中間指針、それから、第一次追補、第二次追補を冊子でお配りしておりまして、その間に、今日参考になります食品の新基準値等について、これも公表資料でございますが、挟んでございます。この後の御説明で適宜中間指針を引用することになると思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それから、本日は、鎌田委員、高橋委員が御欠席でございます。
資料の不足等ございましたら、お申し出いただきたいと思います。
以上です。
【能見会長】 それでは、本日の議題に入りたいと思いますが、議題は(1)から(5)に分かれておりますけれども、(1)と(2)、つまり、専門委員による調査の結果についてと、それから、それをもとにした中間指針の第三次追補(案)につきましては、相互に密接に関連いたしますので、一緒に議論したいと考えております。まず、前回の審査会で農林漁業の風評被害の調査につきまして、定性的なデータと専門委員による現地調査というものについて報告を受けましたが、本日は、より詳細な報告書ができておりますので、この調査の結果について事務局からまず報告を受けまして、その後で、指針の案についても、これも説明をしてもらった上で、先ほど申し上げましたように、両者を一緒に議論したいと考えております。そして、皆様の合意ができれば、本日のうちに、この新しい指針を「中間指針第三次追補」として定めたいと考えております。
それでは、説明をお願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 それでは、資料1-1、資料1-2、資料2について、続けて説明をさせていただきたいと思います。
まず、資料1-1でございます。これは「農林漁業分野における専門委員調査報告書について」ということで、資料1-2にございます報告書の概要を、事務局の方でまとめたものでございます。これにつきましては、調査に全面的に協力いただきました農水省、それから専門委員の共通認識としてまとめたものでございます。
調査の目的については省略いたしますが、調査の結果として、品目ごとに、1の農産物から8の検査費用まで、それぞれ書いてございます。一つずつ説明をさせていただきたいと思います。
まず農産物、これはお茶と畜産物を除くという格好になってございますが、岩手県と宮城県で、ここにございます米、大豆、ソバ、野菜など多くの品目について、県内幅広く風評被害の事例が認められたということでございます。また、その他の都県におきましても、一部の地域で出荷自粛措置のあった東京都のアシタバをはじめ――これについては、前回の専門委員の現地調査の報告で詳しい説明があったと思います――一部の地域・品目について価格の低下や事例の報告等があった。
さらに、有機農産物など通常の作物に比べて安全等の価値を付している産品についての風評被害の事例が多数あったということでございます。
それから、2のお茶も続けて一緒に説明させていただきますと、お茶については、宮城県及び東京都において、事業者に対する出荷自粛措置等があり、かつ、価格が大幅に低下するなどの風評被害が認められたということでございます。
ちなみに、農産物とお茶については、これは今回調査は、出荷制限指示が出された区域を含む都道府県、それから、その隣接県について、幅広く調査をやってございます。調査結果の具体につきましては、資料1-2の2ページからそれぞれ記述がございますが、具体的な例といたしまして、これはちょっと後ろの方になるんですが、209ページをあけていただきたいと思います。
209ページには、これは米の宮城県米、岩手県産米と西日本の銘柄との相対取引価格の年次変化をグラフにしたものでございます。これを見ていただきますとおわかりのように、左の方、過去においては、西日本の銘柄に比べると、宮城のササニシキであるとか、岩手のひとめぼれ、これは青い点線ですが、相対的に高値がついていたわけでございますが、22年度は供給がだぶついた関係で価格が下落しておりますが、23年度、これは通年の平均の価格になりますが、見ていただきますと、西日本米と宮城・岩手のお米との価格が逆転しているということになってございます。
それから、その次の1ページをめくっていただいて、211ページは、大豆がございます。大豆につきましても、これを見ていただきますと、落札価格と落札率がございますが、22年度までは全国平均の周りで各県推移しているわけでございますが、23年度から東日本と西日本の差がぐっと開いてきているというような経過がございます。
その次のページには、そば、小麦、あるいは野菜、ブルーベリーといった作物についてのデータがありますが、概して岩手県、宮城県におきましては、幅広くこういった風評被害と思われる被害の事例があるということでございます。
それから、先ほど申し上げた東京については、前回アシタバの報告があったわけでございますが、大島でアシタバに出荷制限指示が出たわけでございますが、これに伴って、伊豆諸島全域にアシタバの価格の低下とか取引停止が見られているということでございます。
29ページをお開きいただいて、前後して申しわけございません。29ページは、これは食品の出荷制限指示等の実績を書いてございます。この中で農産物に関係するところといたしましては、岩手県の大豆、そば、お茶、それから、次のページに行きまして、宮城県の大豆、ブルーベリー、そば、それから、東京のアシタバ、お茶といったところで出荷制限指示が現実に出ておりまして、今回の調査の結果でも、岩手・宮城については農産物全般で、それから、東京については、まず伊豆諸島のアシタバ、それから、お茶については都内全般で風評被害が見られるということでございます。
その他の都県でございますが、これにつきましては、前回も報告をさせていただきましたが、この出荷制限の次のページの32ページ以降に、それぞれの都道府県ごとに、風評被害事例、定性事例ということで、一覧がございます。これも一つずつ説明することは申し上げませんが、例えば、岩手県でございますと、46ページから55ページまで、ずっと農産物の事例が非常に多数報告されてございます。宮城県につきましても、この後の75ページから農林産物となっていますが、農産物はこのうちの95ページまで、ずっと農産物の損害の事例が載ってございます。
東京でございますが、東京につきましては、145ページからになります。ここにつきましては、アシタバの事例は既に専門委員から報告していただきましたが、一部について、例えば、水元公園で放射性セシウムが検出されたことを受けて、その周辺で風評被害があったというような事例が報告されているということでございます。
それから、次に参ります。林産物でございます。林産物につきましては、これは具体的にはきのこを中心に、山菜、タケノコといったものも林産物になりますが、先ほどの出荷制限指示の実績でございます。もう一度29ページを見ていただきたいんですが、ここでは青森のきのこ類、これは野生のきのこでございますが、そこから始まって、岩手でございますと、たけのこから大豆の手前のわらびのところまで、あるいは、たらのめ、さんしょう、ふき、くわいといった非常に多くの品目について出荷制限指示が出てございます。それから、宮城県につきましても、タケノコからぜんまいまで多数の品目、さらには、林産物の方が農産物よりも出荷制限の広がりが広くて、神奈川県の乾しいたけであるとか、新潟・山梨・長野のきのこ類、静岡のしいたけ・きのこ類、それから、広島につきましては、原木しいたけということで、これは福島産の原木を使ったしいたけから基準値を超える値が出たということで、出荷制限指示が出てございます。
これで資料1-1に戻っていただきたいんですが、これと調査結果を踏まえまして、林産物については、調査の結果が、青森県、岩手県、宮城県、東京都、神奈川県、静岡県及び広島県――広島については、しいたけのみでございます――において、原木しいたけ等の出荷停止、出荷自粛措置等を契機として、取引停止等の風評被害が認められたということでございます。また、その他の県においては、一部の地域・品目について事例の報告があったということでございます。
それから、次の牛乳・乳製品でございます。ここにつきましては、中間指針では、福島県、茨城県、栃木県は既に明示されてございまして、それに加えて、今回調査を行った範囲というのは、牛が食べる牧草の使用制限指導が出された区域を含む県について、今回調査を行ってございます。それが岩手県、宮城県及び群馬県でございますが、その結果といたしまして、報告書の方の248ページから、それぞれの県、岩手、宮城、群馬の牛乳・乳製品の販売量について、グラフにしてございます。牛乳につきましては、価格は比較的決まっておりますので、この販売量がすなわち売上高にほぼイコールするということでございますが、それぞれグラフを見ていただきますと、22年度に比べて、23年度、24年度、取引量及び売上額が下がっているということでございます。事例の上でも、例えば、学校の給食に使っていたものが、学校側から取引停止ということで、出荷が減るといったようなことが多く報告されてございます。
資料1-1に戻っていただいて、水産物でございます。水産物については、前回の審査会で、専門委員の方からかなり詳細に御報告をいただいております。そのときの使った資料も含めて、この報告書では251ページ以降に、データがいろいろ具体的な事例として出てございます。
それから、出荷制限指示の状況につきましては、先ほどの29ページでございますが、北海道、青森、岩手、宮城、それから、これは海ではなく内水になりますが、埼玉のナマズ、神奈川のブラックバスというところに出荷の自粛が出てございます。
資料1-1の、この結果の取りまとめでございますが、水産物については、北海道、青森県、岩手県及び宮城県において、マダラ等の出荷制限指示、出荷自粛措置があり、出荷制限指示等の対象となっていない魚種も含め、多くの魚種について価格低下等の風評被害が道県内幅広く認められた。また、その他の県においても、一部地域の淡水魚等に係る事例の報告があったということでございます。
この淡水魚の事例の報告といたしましては、例えば、芦ノ湖のブラックバスであるとか、そこで基準値超が出て、通常は食用には供さないわけでございますが、民宿のようなところでそれができなくなったというような事例が報告されてございます。
続きまして、6の、牛ふん堆肥等家畜排せつ物由来の堆肥ということでございます。ここにつきましては、まず資料1-1で結果から先にまとめさせていただきますが、岩手県、宮城県、栃木県、茨城県及び千葉県において、暫定許容値超過等があり、かつ、取引停止等の風評被害が認められたということでございます。
牛ふん堆肥に関する暫定許容値の超過につきましては、ここに書いてある以外の県でもございました。秋田、山形、群馬、埼玉、新潟、島根といったところでございますが、このうち風評被害が認められたのが、ここに挙げられた県ということでございます。
それから、7の、飼料及び薪・木炭でございますが、これにつきましては、岩手県、宮城県及び栃木県において、暫定許容値等超過等があり、かつ、取引停止等の風評被害が認められたということでございます。
これにつきましても、このほかにも暫定許容値を超えた県はあったわけでございますが、風評被害が幅広く認められたのは、この3県ということでございます。
それから、最後、8の、検査費用でございますが、これについては、これも前回専門委員から御報告がございましたが、放射性物質の検査証明、これは検査費用を損害として東電に請求する場合、東電側から取引先が検査を要請したというのを書類で証明することを求めているのに対して、実際、文書で行われることはほとんどなく、口頭で要請されることが通例であるということが報告書に記載されてございます。
それから、自主基準に関しても、小売店による自主基準の設定により、自主検査を余儀なくされている事例も出てきてございます。
それから、最後、留意事項として書かせていただきましたが、今回、ここで挙げられた都道府県の全ての産品について、同じように風評被害が認められているということではなくて、ほかの要因が入っているようなものもあるわけでございますが、そこについても配慮が必要だということかと思ってございます。
それで、指針案を、これを踏まえて、会長と相談の上つくってございますので、それを説明させていただきたいと思います。資料2でございます。
1ページから、ざっと読ませていただきます。1ページ、まず「はじめに」でございますが、1として、政府が本件事故に関し行う指示等の状況等ということで、まず最初のパラグラフのところでは、平成23年8月5日に、御存じのように、「中間指針」を本審査会で取りまとめていただきました。そこにおいて、農林水産物等の出荷制限指示等に係る損害、それから、いわゆる風評被害について考え方が示されてございます。
次のパラグラフ、その23年8月以降でございますが、まず家畜用の飼料について、それから、家畜の排せつ物を原料とする堆肥、薪・木炭、あるいは、きのこ原木といった食品以外の農林水産物について、政府が暫定許容値等を設定してございます。さらに、食品の放射性物質に関する基準については、暫定規制値を事故後使っていたわけでございますが、より一層の食の安全・安心を確保する観点から新たな基準値が設定されてございます。これは23年12月に公表されて、24年4月1日から施行されてございます。さらに、食品の新基準値の設定に伴い、上に挙げてございます食品以外の農林水産物のうち、飼料ときのこ原木について暫定許容値も、より厳格になってございます。
中間指針策定後もこれら農林水産物等に係る暫定規制値、新基準値及び暫定許容値等に基づく――これはもう中間指針の言葉をそのまま引いてございます――「政府が本件事故に関し行う指示等」、この中には括弧注書きでございますが、(地方公共団体が合理的理由に基づき行う指示、あるいは、生産者団体が政府又は地方公共団体の関与の下で合理的理由に基づき行うものを含む。)ということでございますが、指示等が新たになされてございます。特に、先ほどの食品以外のものに対する暫定許容値というのは全く新しく設定されましたが、さらに、新基準値につきましては、暫定基準値よりもより厳格になったということで、多数の品目・区域で政府による指示等がなされてございます。
一部の対象品目につき政府による指示等があった区域等においては、対象品目、あるいは、その対象品目と同一類型の農林水産物について、消費者や取引先が放射性物質による汚染の危険性を懸念し、取引等を敬遠するという心情に至ったとしてもやむを得ない場合があると認められる。したがって、このため、農林漁業・食品産業において、政府による指示等に伴う損害のみならず、いわゆる風評被害が、中間指針策定時に比し広範に及んでいるということでございます。
2で、基本的な考え方でございますが、1で書いてございます、政府が本件事故に関し行う指示等の状況等を踏まえ、このたびの中間指針の追補(第三次追補)においては、農林漁業・食品産業の風評被害について、中間指針第7の2に加え、現時点で可能な範囲で、損害の範囲等を示すものとする。
これで中間指針第7の2は、具体的に品目と地域を明示しているところでございまして、今お配りしている冊子では、通しのページで47ページになります。第7の2、農林漁業・食品産業の風評被害ということで、これまで福島県を始め、これも品目ごとに指定してございますが、これに今回の指針で新たな品目と地域を加えるということでございます。
なお書きでございますが、政府が本件事故に関し行う指示等に係る損害については、中間指針第5において基本的な考え方が示されており、中間指針策定後においても、同様の考え方が妥当すると考えられる。また、中間指針策定後に政府が食品以外の農林水産物に設定した暫定許容値等に基づく措置についても、「政府が本件事故に関し行う指示等」に含まれると考えることが妥当であるということで、今回、新基準値等になって出荷制限指示が多数出ているわけでございますが、そこについては、もう直接出荷制限指示等に伴う損害ということで、中間指針をそのまま使って範囲を示せるということでございます。
風評被害については、中間指針第7の1でございます。これは通しのページで43ページの下の方から始まってございますが、ここで一般的基準というのを示してございます。さらには、第7の2において、先ほど申し上げた農林漁業・食品産業の風評被害について、相当因果関係が認められる蓋然性が特に高い類型――これが具体的な品目と地域を示した部分でございます――、それから、相当因果関係を判断するに当たって考慮すべき事項が示されている。
他方、中間指針策定後の農林漁業・食品産業における取引価格及び取引数量の動向、具体的な買い控え、取引停止の事例等に関する調査を行った結果、中間指針策定時に比べ、広範な地域及び産品について、買い控え等による被害が生じていることが確認された。
このため、農林漁業・食品産業の風評被害について、中間指針策定後の状況を踏まえて、中間指針第7の1――これは一般的基準でございます――のローマ数字3の丸1というのが、原則として賠償すべき損害の類型として具体的に示すもの、中間指針第7の2に示されている損害に一定の類型の損害を新たに追加することとした。
なお、本件事故とこれらの損害との相当因果関係の有無は、最終的には個々の事案ごとに判断すべきものであって、中間指針又は第三次追補において具体的な地域及び産品が明示されなかったものが、直ちに賠償の対象とならないというものではなく、個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められることがあり得る。
したがって、中間指針第7の1のローマ数字3の丸1、これは具体的に地域・品目を示す類型でございますが、それに当てはまらない損害についても、個別の事例又は類型毎に、これらの指針等の趣旨を踏まえ、かつ、当該損害の内容に応じて、その全部又は一定の範囲を賠償の対象とする等、東京電力株式会社には合理的かつ柔軟な対応が求められる。
これまでが「はじめに」の部分で、5ページ以降が、指針の本体の部分でございます。四角で囲ってあるところが、指針の本体になります。今会場にお配りしている資料には、具体的な県名のところは空欄になってございますが、ここに先ほどの1-1の資料にございます具体的な県名を入れてはいかがかということでございます。
まず丸1のローマ数字1)でございますが、農産物(茶及び畜産物を除き、食用に限る。)については、先ほどの資料1-1の1ポツでございますが、岩手、宮城の各県において算出されたもの。
それから、次の茶につきましては、宮城、東京の各都県において算出されたもの。
それから、林産物につきましては、青森、岩手、宮城、東京、神奈川、静岡及び広島(ただし、広島については、しいたけに限る)ということで、各都県において算出されたもの。
それから、牛乳・乳製品については、岩手、宮城及び群馬の各県において算出されたもの。
それから、水産物につきましては、資料1-1は2ページ目になりますが、北海道、青森、岩手及び宮城の各道県において算出されたもの。
それから、家畜の飼料及び薪・木炭につきましては、これはローマ数字6)とローマ数字7)が概要と逆転しておりますが、岩手、宮城及び栃木の各県において算出されたもの。
家畜排せつ物を原料とする堆肥については、岩手、宮城、茨城、栃木及び千葉の各県において算出されたもの、ということで、具体的な県名を入れてはいかがかと考えてございます。
次のローマ数字8)のところは、以上の農林水産物を主な原材料とする加工品ということでございます。
それから、丸2でございますが、これは中間指針にも同じように書いてございますが、今の地域の品目を主たる原材料とする加工業及び食品製造業についても対象とする。
それから、丸3につきましては、流通業、これも中間指針と同様に、対象とするということでございます。
それから、2番目は、これまで挙げました農林漁業、加工業、製造業、流通業において、今のローマ数字1)に掲げる買い控え等による被害を懸念して、事前に出荷等を断念したことによって生じた被害も、かかる判断がやむを得ないと認められる場合には、原則として賠償すべき損害と認められる。ここも中間指針と全く同じ構造になってございます。
次の7ページから備考が書いてございまして、ここに留意事項が書いてございます。
まず備考の1)でございますが、ここについては、今回の調査の結果、今指針で具体的に示した範囲については、消費者や取引先が放射性物質による汚染の危険性を懸念し買い控え等を行うことも、平均的・一般的な人を基準として合理性があると認められる。ということで、今の具体的なところの解説でございます。
それから、2)のところは、中間指針第7の2の備考の2)というのがあるんですが、ここに以下のようなことが書いてございます。一部の対象品目につき「政府が本件事故に関し行う指示等」があった区域については、その対象品目に限らず同区域内で生育した同一の類型の農林水産物につき、同指示等の解除後一定期間を含め、消費者や取引先が放射性物質の付着及びこれによる内部被曝等を懸念し、取引等を敬遠するという心情に至ったとしても、平均的・一般的な人を基準として合理性があると認められる。また、同指示等があった区域以外でも、一定の地域については、その地理的特徴、その産品の流通実態等から、同様の心情に至ったとしてもやむを得ない場合があると認められる。
こういった記述が中間指針の方に既にございます。これにつきましては、そもそも出荷制限指示等は、当初は県単位でなされておりましたが、その後、風評被害の拡大防止等も目的としまして、市町村単位で出るようになってございます。したがって、現在は、この区域というのは市町村単位、あるいは、それよりももうちょっと小さな単位ということで出ているわけでございますが、まず、その区域内については、同種の作物についても買い控えがあり得るということ、さらには、その区域の外側でもそういうことがある。少なくとも、今具体的に示した品目・地域につきましては、そういったことで県単位まで広がっているものが、具体的に今指針に明記されているという格好になってございます。
今回、例えば東京のアシタバのように、上の記述では、まず区域があって、その区域の中であれば似たような品目がみんな買い控えの対象になるということになってございますが、アシタバの場合は、むしろアシタバという品目があって、その区域の中で品目が広がるというよりは、アシタバという品目が地域的な広がりを持っているという事例と考えますので、特に、大きく言えば、ここに含まれるわけでございますが、次の記述を加えてございます。
さらに、少なくとも指示等の対象となった品目と同一の品目については、指示等の対象となった区域と近接している区域など一定の地理的範囲において買い控え等の被害が生じている場合には、賠償すべき損害が生じていると考えるべきである、という記述を追加させていただいてございます。
それから、8ページ、3)でございますが、ここについては、牛乳と乳製品について記述がございます。牛乳・乳製品につきましては、今回調査をして対象とするところは、牛乳とか乳製品そのものが出荷制限指示の対象になったわけではなくて、牛のえさとなります牧草等が暫定許容値を超えたということで、買い控えによる被害が生じているということで、これは中間指針で稲わらと牛肉の関係がございましたが、これに近いものと考えられますが、そういうことで、ワンクッションありますので、備考で念のため書かせていただいてございます。
それから、中間指針の備考の4)から7)については、同じ考え方だというのを書かせていただいてございますが、中間指針の備考の4)から7)につきましては、4)については、加工業、食品製造業について、主原料というのはどういう意味かというようなことが書いてございます。
それから、5)については、これは流通業に関して、継続的な事業で既に仕入れた産品等に係る被害は、これは回避できないので、損害と認められるんだということが書いてございます。
それから、6)については、6)は、風評被害で仕入れができなかったことによる損害というのもあるわけでございますが、これは間接被害の指針の方で賠償の対象となるか判断をする。
それから、7)については、この指針の2の解説でございますが、事前に風評被害を恐れて自主的に出荷・製造等をやめたことによる被害というのは、被害の回避・軽減のための合理的な行動であれば、賠償の対象であるということが書いてございます。
それから、8ページに戻りまして、備考の5)でございますが、ここは専門委員の報告の結果を踏まえまして、中間指針第7の2ローマ数字3)、ここについては、中間指針第7の2のローマ数字3)というのは、検査に係る判断基準を書いてございます。具体的には、通しのページで48ページになりますが、農林漁業、農林水産物の加工業及び食品製造業、農林水産物・食品の流通業並びにその他の食品産業において、本件事故以降に取引先の要求等によって実施を余儀なくされた農林水産物の検査に関する検査費用のうち、政府が本件事故に関し検査の指示等を行った都道府県において当該指示等の対象となった産品等と同種のものに係るものは、原則として賠償すべき損害と認められるということでございます。この検査費用に関して、報告書にございますように、「取引先の要求等によって実施を余儀なくされた」とは、必ずしも取引先から書面等により要求されたものに限らず、客観的に実施せざるを得ない状況であると合理的に判断できるものについても含まれる、という記述を入れてございます。
それから、最後、備考の6)でございますが、風評被害に係る個別の判断に当たっては、当該産品等の特徴等を考慮した上で、本件事故との相当因果関係を判断すべきである。ということで、今回の調査結果も踏まえまして、例えば、有機農産物等の特別な栽培方法等により生産された産品は、通常のものに比べて品質、安全等の価値を付して販売されているという特徴があることから、通常のものと比べて風評被害を受けやすく、通常のものよりも広範な地域において風評被害を受ける場合もあることなどに留意すべきであるという形で、有機農産物に関する報告の結果というのも盛り込ませていただいているというのが、現在の案になっています。
非常に駆け足になりましたけれども、調査結果と指針案の説明は、以上でございます。
【能見会長】 それでは、これから御議論いただきたいと思いますけれども、調査報告書自体についての質問も、もちろんおありかと思います。ただ、それは恐らく指針の適否を判断する前提として御質問されることが多いかと思いますので、質問自体はどちらを先にというふうには限定せず、御自由に議論していただきたいと思いますけれども、それから、場合によっては、中間指針自身にまた戻るところもありますので、中間指針というのは本当にどういう意味だったのかというようなことが問題になることもあるかもしれません。そういうことも含めまして、御自由に議論していただきたいと思いますが、しかし、調査報告書について、純粋に、これはどういう意味かというような質問があれば、それを先に片づけておきたいと思います。
それでは、どうぞ、委員の皆さん、御自由に御発言をお願いいたします。
【草間委員】 ちょっとよろしいですか。
【能見会長】 どうぞ、草間委員。
【草間委員】 資料1-1ですけれども、検査費用のところで、御説明いただいてよくわかったんですけれど、それと、先ほどの中間指針にも関係するんですけれども、すごくわかりにくいんですね。「放射性物質の検査証明を要求されるが」と、要するに、検査証明というのが文書という意味なんですよね。だから、誰から要求されて、口頭で要請されることがあって、だから、要求される先とかね。行ったことがないので、御説明を聞いてわかったんですけれども、もうちょっとわかりやすく、きっちり書いた方がいいのではないかなと思います。
それから、検査証明を文書でどこどこから要求されるけれども……。
【能見会長】 指針の方ですか、調査の概要のところ?
【草間委員】 とりあえず、この概要の、資料1-1の方です。だから、御説明いただいてわかったので、もうちょっとこれは見ただけでわかるような書き方をしていただきたいと思います。要するに、この検査証明というのが文書であるということを意味しているんですよね。だから、その辺をきっちり書いておいていただきたいなと思いました。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 承知いたしました。
【草間委員】 それと、その次で、「小売店等における自主基準の設定等により」という、この自主基準というのは、小売店等が自主的に基準を決めているという意味なんですか。これもちょっとわかりにくいんですけど、この自主基準というのの意味合いが。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 報告書でございますと、具体的に23ページ、これは水産物のところで詳しく書いてございますが。新基準になって、500ベクレル毎キログラムから100ベクレル毎キログラムに基準が下がったわけでございますが、それよりも更に低い独自の基準を設定している小売店等がございます。小売店によっては、一旦買い取った後で、そこから先にお店に出さないというところもありますし、そもそも買い取らないというところと両方あるようでございますが、この場合は、出荷元にお金が払われない場合というのが事例として挙がってございます。広い意味では、これも風評被害と同じように扱えるのかなと考えておりますが、その辺、御議論いただければと思います。
【能見会長】 今のは恐らく二つ問題があって、政府等の基準よりも低い、自主的な基準を各小売店が設定していると。それによって、そもそも買い取ってくれないということで風評被害そのものが生じるという問題と、それから、自主的な基準を設定されたことで検査費用が増えたというのが、今、草間委員が質問された部分ですね。
検査費用の方も、自主的基準を設けられて、それをクリアしないと買ってくれないということになるので、そういうものも含めたらどうかと。これは考え方ですので、ここでの委員会で御結論いただくということになると思いますが、そういう問題があるのではないでしょうか。
もしほかの委員の御意見があれば、伺いたいと思いますが、私は個人的には、完全に政府の基準が全然ないときに、各小売店が自主的な基準を定めて、そういうことになると、そもそも風評被害と扱っていいかどうかという問題がまずあるんですかね、理論的には。
【野村委員】 どういう趣旨で小売店が決めているかですよね。政府の決めた基準が安全だと思っても、それより下の基準を決めて、それを理由にして販売しようという、そういう戦略としてやっているのか、やっぱり不安があって、政府は決めているけど、それで安心できないと思ってやっているのか、その辺がなかなか難しいところではないかと思いますが。
【能見会長】 いかがでしょうか。どうぞ、米倉委員。
【米倉委員】 政府が非常に厳しい基準を決めても、結局、消費者としては、それに納得できないという気持ちがあるために、特に大手の流通業者等が非常に厳格な基準を決めて、検出限界以下でないと受け取らない、あるいは販売しないという、そういう風潮が出たので、それに従ってやむを得ず、そこに卸しているいろんな業者が、そういうことをせざるを得ないという状況ですよね。
【能見会長】 そうですね。
【米倉委員】 これは、やっぱり幅広い意味での風評被害なのかなとは思いますね。
【能見会長】 ほかの委員、いかがでしょうか。
野村委員が言われたように、販売戦略のために、自分のところは安全です――それも実際に危険性が背後にあるのであれば、安全性を売り物にしてたくさん売るという販売戦略の下でやられているとしても、やはりそれは危険を回避するという意味も同時に持っているので、風評被害かなという気もいたしますけれども、各小売店が設定する自主基準というのがどっちであるかということを確定することが、恐らく難しいと思うんですね。そうすると、販売戦略みたいな場合もあるからという理由で、風評被害から一切排除するというのは、少し問題かなと。ただ、野村委員が言われたようなことが明確に、いろんな証拠でもって示せれば、これは個別的には風評被害から排除できるし、場合によっては、割合的に減額するというような処理もあるのかもしれないと、個人的には思います。しかし、皆さんの御意見を伺いたいと思いますが。
【草間委員】 具体的には、多分、自主基準というのは、検出限界、要するに、検出されるともう駄目という感じですよね。小売店がそんなに厳密な測定器を持っているとは思えないので、多分、様々なお持ちの検出器でやって、検出限界以下だと、要するに、検出されたらもう全部自主規制をするという形の自主基準だったのではないかなという感じがするんですが。
【能見会長】 そこはよくわからないので、むしろ事務局の方で少し補足してください。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 そこはいろいろあるようでございます。100ではなくて50だとか、あるいは、検出限界以下でないといけないというところもあるようには伺っていますが、必ずしも全部が検出限界以下でなければいけないということではなくて、国の基準の半分にするとか、3分の1というのがあるかどうかわかりませんが、より低く設定するというふうに聞いております。
【能見会長】 自分で議論していて少しわからなくなったところはありますけれども。
ある品目について、政府等の基準が設定されていて、したがって、その品目について放射能汚染の危険があるということが一応示されていて、だけれども、その基準値はクリアしている、そういう意味では、政府の基準からすれば安全であるけれども、小売店がより安全度をとって、低い基準値でもって小売店独自の自主的な基準を設定し、それをクリアしない限りは買わないという形で、その品目について政府の基準があるというのが、恐らくここでの前提だと思いますけれども。政府の基準が全然なくて、小売店が自主的な基準をある品目について定めたと、それで、買入れをしないとか、あるいは検査費用が問題となるというのは、ここでの風評被害には入っていないという理解ですよね。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 それで、報告書の270ページ、ここに、これのもとになったデータというか、資料がございます。報告書に出ている事例は、これでございます。
【能見会長】 200何ページですか。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 270ページです。別紙ローマ数字2-4-18というものになります。
オレンジで左の方にございますけれども、自主基準値として、50ベクレル毎キログラムを設定しているとか、あるいは、真ん中のところは、魚介類について40ベクレル毎キログラム。少なくとも今回の調査では、検出限界以下というよりは、国の基準の半分ぐらいを設定した例が報告されているということでございます。
【能見会長】 そうですね。そういう場合があるので、調査の対象として、ここで調べられたものですけれども、それを前提にして、いかがでしょうか。
特に御意見がなければ、先ほど言いましたように、一応風評被害には入るけれども、先ほど野村委員が言われたように、単に、政府の基準をクリアしていても、なお消費者として心配する人たちがいるので自主基準を設定しているというのではないような、特別な理由があれば、それは反証の問題として許容する、あるいは、割合的な減額事由になる場合があると。そのあたりでいかがでしょうか。
【大谷委員】 よろしいですか。
【能見会長】 どうぞ。
【大谷委員】 今の御意見に賛成です。この自主基準の内容、先ほどの問題提起のようなことを取り込んで、更に詳細に分類するというのは、表現上非常に難しい問題がある。ADRの現場におきましても、明らかに不当な、あるいは便乗したようなものであれば、それは賠償を拒絶するというような運用がされるわけでございまして、そこは御期待いただいてよろしいかと思いますので、これでよろしいのではないかというのが私の考えでございます。
【能見会長】 どうもありがとうございました。よろしいですか。
では、ほかに何かこの調査報告、あるいは、今の指針内容にも関連してくることですけれども、御意見、御質問があればお願いいたします。
どうぞ、中島委員。
【中島委員】 中間指針案、8ページ備考の5)の3行目から、「客観的に実施せざるを得ない状況であると合理的に判断できるものについても含まれる」というところで、報告書にあるような、「検査を要求することを書面で証明する」ということはしなくていいよということに緩和したわけですけれども、さらにここが、「合理的に判断できることを書面で厳格に要求する」というようなことは、この備考欄の趣旨に反するということは、確認をしていただく方がいいかなと思います。
【能見会長】 書いてある趣旨も、今中島委員が言われたように、合理性の判断を書面でするというものではないんですが、ここで皆さん、文章は変えなくても、確認でよろしいかと思いますが、確認していただければと思います。
ほかにいかがでしょうか。
これは指針案そのものではなくて、指針案自体についてはまたもうちょっと議論したいと思いますが、単純に、純粋に、どう考えたらいいのかなと思ったのは、米の価格の、東北のお米と九州の方でしたっけ、何ページでしたっけ、お米の価格の表は。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 209ページになります。
【能見会長】 この事故が起きる前は、宮城とか、そういうところのお米の価格が、熊本とか、ほかの九州等の地域のお米より価格が高くて、事故の後はそれが逆転しているという現象があって、これは純粋に宮城県等の価格が、汚染されているかもしれないという危惧によって下がるわけですが、その分、これは需要と供給の関係があるんでしょうけれども、相対的にほかの地域のお米の価格が上がって、それで、こういう場合に、宮城県等のお米の損害があることは確かなんですが、一定消費量は必ず日本の国内で消費されるという前提で考えると、ある地域の価格が下がる、あるいは買手が減る、そうすると、反射的にほかの地域の価格が上がるということがあって、こういう――別に上がったところが不当利得だとかまで、そういうことを言うわけではないんですけれども、損害というものをどう考えたらいいかということについて、ちょっと難しい問題があるなと思いました。これは感想で、別に指針等に反映する問題ではないんですが、マーケットを介在して、需要と供給というものからくる、一方は下がり、一方は反射的に上がるという構造があるときに、どうしたらいいかということですね。
ほかに何か皆さんから、調査報告自体にとどまるような、若しくは意見があれば。もしなければ、指針の方に入っていただいて結構だと思いますので、指針の案の方についての御意見を伺いたいと思います。
私、これを今日の原案として出すに、御議論で変更されることは当然あり得るとして、原案として出しておかしくないということで、さっと私も検討して、案として出したわけでございますが、改めて読んだときに、自分でちょっとわかりにくいと思ったのは、7ページの備考の2)のところで、第1段落の下から3行目ぐらいですが、指示等があった区域以外でも、一定の地域については、その地理的特徴うんぬんから、風評被害として相当因果関係があると認められる場合があるという文章があって、先ほど事務局からの説明でも、この部分でアシタバなどの例をカバーできるかもしれないけれども、念のために、「さらに」というところで説明されたということなんですが、今読んだ「同指示等があった区域以外でも」以下3行の文章と、「さらに」以下の文章、自分で読んでいて、どこがどう違うのかよくわからないところがあって、申しわけないんですが、もし若干補足してもらえればありがたいんですが。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 今、2)の、まず最初の部分の――これ、実を言いますと、中間指針の備考では二つの文章になってございまして、今先生がおっしゃった3行の部分と、その前の7行の部分が二つの文章になっているので、一つの文章になっているところはありますが。前段については、出荷制限指示があった区域の中については、その出荷制限指示があった品目に限らず、ほかの同種の品目も風評被害が出るであろうというのが、前段でございます。
後段については、それを踏まえた上で、その区域の外でも同様の被害がある場合もあるということですので、一回品目というのが先に広がった上で、地域を広げている書き方になってございます。
「さらに」で書かせていただいたのは、品目が広がる前に地域が広がる場合として、「さらに」で書かせていただいているということでございますが、ちょっとわかりにくい。そういう説明でよろしいでしょうか。
【能見会長】 私自身はそれでわかりますけど、皆さんはわかりましたかという。
ある意味で、前の第1段落の方が適用範囲がちょっと広いのかもしれませんね。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 そうですね。
【能見会長】 広すぎるので、逆にわかりにくいので、「さらに」以下でもって、例えばアシタバだったら、アシタバについて出荷制限の区域がこの区域と定まっているけれども、同じアシタバについて隣接するほかの区域についても風評被害が生じているということが一般的に言えるということで、今説明があったように、品目が先に定まっているという場合について、特に「さらに」でもって書いている。だけど、その前の文章は、今事務局から説明がありましたように、前半の前段部分のところで、ある区域における品目が同種の品目に広がった上で、その広がった区域について、更に隣接区域に広げるという場合がある、そういうことですね。私も一応そうは理解したんですけれども。
【中島委員】 この7ページの「さらに」から、一番下の3行から、具体的に考えてみますと、アシタバで出荷制限が出た。本来あれは大島ですから、上の原則だと、1品目でも出ると、その県全体について風評被害の対象地域に入れるのが原則だったんだけれども、今回は東京都は農産物の風評被害に入れていない。しかし、アシタバに出たところから、アシタバの特殊性から東京都全域には広げていないけれども、アシタバの出た大島とその近隣の伊豆諸島の一部にその風評被害が生じている。東京都とは言っていないけれども、という、その例が、例えばこれに当たる、こういう理解でよろしいんですか。
【能見会長】 私も、そういう理解の仕方もあるとは思ったんですけれども。ある区域でもって、例えば市町村単位でもって出荷制限等の指示がなされたときに、県全体に広げるという原則は、実は中間指針は、必ずしもその原則としては明確に書いていない。実際には、中間指針のときには県単位でやっていますけれども、県に広げるかどうかというのはルールとして書いていないのではないかという気がするんです。また、実際に県に広げていたのは、恐らく……。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 調査する前に。
【能見会長】 それから、いろいろ広がりが実際に予想される場合であったということが前提なのかなと思いました。
ですから、中島委員のように、今までの原則を理解した上で、それでカバーされないものを「さらに」という文章で示して、今のように県単位までいかないで、もうちょっと狭い範囲で隣接区域を入れるというようなことができるようにするためのものという理解もあり得るとは思ったんですけれども、私自身は果たしてそういう理解でいいのかどうか、よくわからなかった。これは中間指針の方の理解にも少し関係するのかもしれません。
事務局の方で、当時正確な議論は。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 ちょっと解説をさせていただきますと、中間指針を出す前に、第二次指針だったと思いますが、風評被害に関する調査をする前の段階で、風評被害に関する指針を出しています。そのときは、考え方として、中島委員がまさにおっしゃったように、出荷制限指示は当初県単位で出ていました、その後、市町村単位で出るようになったんだけれども、結局、銘柄としては県というのが表に出るので、出荷制限指示が県内のどこかの区域で出れば、その県全体に風評被害が広がっていると考えていいだろうという形で、そういう意味では、定性的な基準として、当初、風評被害に関する指針を、定性的なところから入っておりました。その後、中間指針の前には実際調査をしましたので、調査結果を踏まえて、そういう定性情報とは別に、ずばりこの区域の品目と地域を記載させていただいたと。結果として、委員がおっしゃったように、県のどこかで出ていれば大体広がっているというような結果になっていると思います。
それで、今回なんですが、例えば、林産物については、特に野生のものとかが多かったということもありまして、必ずしもどこかで出荷制限指示が出たから、その県全体に広がっているわけではないというような結果になってございます。その意味からは、この備考について、指針では品目と県と書いてございますけれども、実際、出荷制限指示があった区域については、この指針で明記されていないところも風評被害が出ていることは、実際事例の報告としてはございますので、そういったものを今の備考の2)のところでカバーしていくのかなと考えてございます。
【能見会長】 ちょっと細かい議論かもしれませんけれども、指針の意味があまり明確でないと困るので、そういう意味では、もし疑問といいますか、わかりにくい点があれば、わかりやすいように直すなりする必要があると思いますので、皆様の御意見を伺いたいと思います。
どうぞ。
【大塚委員】 書いてある内容はこれでいいと思うんですけれども、7ページの下から3行目の「さらに」というのは、本当にさらになのかというのは若干気になるところがあって、先ほどの御説明だと、2)の上の方のパラグラフの話は、一旦品目を広げてから地域を広げるという話で、「さらに」の後は、品目が広がる前に地域が広がる話だということは、わかることはわかるんですけど、ただ、上の方のパラグラフの話というのは、最初に品目を広げて、それから地域を広げるだけではなくて、品目が広がる前に地域が広がる話も含んでいるような気もしないでもないので、「さらに」とかというと、本当に違う話をしているかのように思うんですけど。私は「なお」ぐらいでいいのではないかという気もしないでもないんですけど、いかがでしょうか。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 「なお」に修正をさせていただきます。おっしゃるとおりに、確かに「さらに」の部分は、前の部分の部分集合だというふうにも考えられますので。
【能見会長】 私が申し上げたのも、そういう趣旨がさっきはありましたので、今の大塚委員の御意見には賛成いたします。
よろしいですか。この文章だけだとわかりにくいところはあるかもしれませんが、今日の議論を踏まえれば、どういう意味であるかは一応明確であるということでよろしいですか。
では、ほかの部分も含めて、いかがでしょうか。
【大塚委員】 ちょっと細かいところで。
【能見会長】 どうぞ。
【大塚委員】 ちょっと細かい形式的な話で恐縮なんですけれども、8ページの5)の、先ほど中島委員も御質問されたところですが、これで中間指針第7の2のローマ数字3というのが修正されるというふうに理解しているんですけれども。だから、今回広げた風評被害だけが、これが適用されるわけではもちろんなくて、前のときの中間指針自体がここは変わるということかと思うんですが、そういう理解でまずよろしいんですよね。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 中間指針は「書面で」と書いてあるわけではございませんので、むしろここで書かせていただいているのは、中間指針の検査のところでございますね。冊子ですと、通しで48ページの下からになりますけれども、ここに関する備考を追記したという認識で案をつくらせていただいているんですが。
【大塚委員】 わかりました。
それで、だんだん積み上げてきているので、読者の方というか、国民が見たときに、ちょっとわかりにくくなっているのかなという気がしてはいまして、むしろ中間指針も、そこはもし変えられたら変えた方がいいのかもしれないかなという気もしますが。別に実質的な変更等を申し上げているのではなくて、ただただ読んだ人が紛れがないようにしたいというつもりでお話ししているだけなんですけれども。
こういうふうに、今回の第三次追補という形でつけていくというふうにして、あっちを見ろ、こっちを見ろという感じになるのが多少気になるということなんですけれども、いかがでしょうか。
【能見会長】 それは技術的な問題なので、少し検討させていただきますけれども、わかりやすいような、今のも後から微妙に中間指針の解釈をしているわけですけれど、それが取り込まれて、解釈で明確になるような――変更ではないので、文章なんかを修正するということはあり得るかと思います。ちょっと検討させていただくということで。
【大塚委員】 はい。
【能見会長】 ほかにいかがでしょうか。
これも私が自分でこの原案に関わりながら感じたことで、これでいいかということの確認ですけれども。この風評被害については、その品目と区域について、具体的に品目と区域を指定して、この区域におけるこの品目については風評被害として相当因果関係があるということが言える、そういうものについてははっきりと出してきているわけですが、具体的には、例えば東京都のアシタバみたいなものですけれども、これは具体的に、また農産物の中の更に品目を具体化するということになるので、今までのやり方と違うかもしれません。今までは、農産物とか、茶とか――茶はかなり具体的なのかな、比較的一つのカテゴリーで、品目という場合にカテゴリーで考えていますけれども、アシタバみたいなものについては、大島で出荷制限の指示が出て、区域としては、伊豆諸島と先ほど説明されましたっけ、伊豆諸島については、要するに、売上げが下がったような場合には、風評被害があったと言っていいであろうという説明は、ここではしていますけれども、そういうのを品目と区域が具体的に決まっているということで、中間指針の中でもっとはっきり書かなくていいのかという問題はあるような気がいたしますけれども。
私としては、今言いましたように、本当に個別な品目なので、そういうものを書いていくということになると、中間指針の今までの書き方も少し見直さなくてはいけないところがあるかもしれないので、あえて具体的な品目と区域というのは決まっていても、風評被害として相当因果関係があるということが一応言えても、書いていないんですが、それでよろしいでしょうかということを確認しておきたいと思います。いかがでしょう。
意味がわかりにくい?
【大塚委員】 多少わかりにくいです。
具体的な品目がわかっていたら、ある程度できるだけ書くべきではないかという要請はあることはあるかなとは思いましたが、先生の今おっしゃったことを100%理解しているわけではないので、申しわけありませんが。
【能見会長】 今までは、例えば、今度の第三次追補ですけれども、農産物については岩手、宮城と、農産物の具体的にどんなものかというようなことまで具体的に一々書いていない。それから、林産物についてもそう。お茶はちょっと具体的なところがあるかもしれませんけれども、お茶はいろんな都道府県でもってつくられているので、それなりに広がりがある農産物なので、具体的に取り上げています。ほかのいずれも、あまり具体的に、ここの品目とかいう形で取り上げていない。ただ、実際には、この議論というか、調査をもとにすると、大島は出荷制限がありますけど、その周辺の伊豆諸島のアシタバについては、風評被害として相当因果関係があるだろうということは、調査報告、それから、この審査会でも異論がないというときにどうするかという意味です。
【大塚委員】 わかりました。
【能見会長】 中島委員。
【中島委員】 この調査報告書では、今回、アシタバが出たわけですけど、例えば、今後、アシタバではなくて、ミツバに出たとか、今回、アシタバだけをここに入れますと、逆に、そこに限定したかのような意味が出てしまうので、むしろこのまま少しふわっとさせておいた方が、流動性が出てきていいのかなと思うので。
【大谷委員】 よろしゅうございますか。
【能見会長】 どうぞ。
【大谷委員】 私も今の中島委員とほぼ同じなんですけれども。従前の表現との平仄の問題もこれあり、この指針の内容を仲介センターにおいて正確に理解した上で、必要に応じて具体化していくというようなところで、その細目については、センターの方に多少お任せいただいてもいいのかなというように考えております。
【能見会長】 なるほど。どうもありがとうございました。
それでは、原案のとおりの扱いをさせていただければと思います。
ほかにいかがでしょうか。
よろしゅうございますか。ここに書かれていること自体については、恐らくそんなに問題はないと思いますので、それでは、御承認いただいたということで、先ほど大塚委員から御提案のあった「さらに」というのを「なお」に直した上で、指針の第三次追補案、御承認いただいたということにしたいと思います。
【草間委員】 すごく細かいことですが。
【能見会長】 どうぞ。
【草間委員】 「被曝」は漢字で書くことにしていたんでしたっけ。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 従来、漢字で書いてあります。
【草間委員】 わかりました。結構です。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
それでは、これで第三次追補については、御承認いただいたということにいたしたいと思います。
それでは、次に、議事次第の第3の議題、「東京電力株式会社による賠償の現状について」でございます。これはどなたから説明いただけるのかな。
どうもありがとうございます。お願いいたします。
【増田常務】 東京電力常務執行役の増田でございます。本日は、このような説明の機会をいただき、まことにありがとうございます。
能見会長をはじめ、審査会の委員の皆様におかれましては、本日御審議された中間指針第三次追補を含め、賠償の環境整備に御尽力いただきまして、心から御礼を申し上げるところでございます。
私どもといたしましては、お取りまとめいただいた指針を踏まえまして、引き続き、迅速かつ公正な賠償に努めてまいりたいと存じております。よろしくお願いを申し上げます。
それでは、今日の説明について、着席して説明をさせていただきたいと思います。
【能見会長】 どうぞお座りください。
【増田常務】 まず最初に、賠償金のお支払い状況につきまして、お手元の資料に沿って御説明を申し上げます。お手元の資料3-1をごらんいただきたいと存じます。
当社は、平成23年10月に本格的な賠償を開始いたしまして、本年1月25日現在で、賠償金約1兆6,304億円、これをお支払いしております。これに仮払いの補償金を加えますと、総額は約1兆7,789億円となります。前回の審査会におきまして御説明した11月末時点の総額、これがおよそ1兆5,000億円でございましたので、この2か月ほどの間で約2,800億円、これのお支払を追加してしたことになっております。
支払のペースが上がっておりますのは、数年分を一括してお支払いする、いわゆる包括請求方式、これを昨年秋に導入したこと、また、自主的避難等の追加賠償、これを12月末に開始したこと、これらによるものでございます。このうち、自主的避難等に係る追加の賠償につきましては、現在、御請求の受付、お支払がピークを迎えている、そういう状況でございますが、1か月で約46万件の御請求をいただいておりまして、約370億円のお支払をしているところでございます。
なお、農業の団体様に取りまとめをいただいております御請求分につきましては、昨年、年末に向けて御請求内容や証憑類の確認作業を取り急ぎ行いまして、支払のペースを上げるように努めてまいりました結果、12月の約1か月間で約350億円、このお支払をしたところでございます。
続いて、私どもの賠償に係る体制につきまして、少し御説明をさせていただきます。ただいまの資料3-1の裏面を見ていただけますでしょうか。その裏面の上段をごらんいただきたいと存じます。
当社は今月から福島県に、いわゆる福島復興本社を設置いたしまして、賠償を担当する福島原子力補償相談室を、この復興本社の下に置いております。今後開始いたします財物の賠償などにおきまして、現地での効率的な証憑収集等々を行いまして、手続の迅速化を図るとともに、被害者の方々の個別事情を賠償に適切に反映する等、種々の取組を加速させてまいりたいと考えているところでございます。
賠償に携わる要員につきましては、今、私の隣に座っております補償相談室長の小川が福島県内に常駐するほか、各地に事務所を展開しておりまして、1万人規模の体制で引き続き取り組んでいるところでございます。
今の資料の中下段にあります図表につきましては、請求書類の確認やお支払手続にかかる所要日数を示しております。こちらも全体としては安定的に迅速処理を続けてきているという次第になっております。
続きまして、もう一つの資料、資料3-2をごらんいただきたいと思います。前回御説明をしてまいりました財物賠償のうち、個人事業主様及び中小法人様に向けた償却資産や棚卸資産に係る賠償につきまして、請求書類や体制について準備が整いましたことから、昨年の12月26日に賠償を開始させていただいたところでございます。
償却資産や棚卸資産に係る賠償とは、当社事故発生当時に避難指示区域内から持ち出しされていない償却資産、あるいは棚卸資産につきまして、これらを所有されていた個人事業主様及び中小法人様を対象といたしまして、避難等に伴う経年又は管理不能による財物価値の減少額を賠償させていただくものでございます。
具体的には、償却資産については、時価相当額をもとに、避難指示期間に応じた財物価値の減少額を勘定科目ごとに算定し、賠償するものでございます。証憑を御用意できない方がおられることも考慮いたしまして、そのような御事情のある個人事業主様に対しては、一定額を賠償させていただくこととしてございます。
棚卸資産につきましては、持ち出しができない、あるいは廃棄せざるを得ない、そのような場合には、その価値の全額を、また、賠償できた場合には、帳簿価額との差額を賠償させていただく、かように考えております。
既にこれらの賠償請求につきましては受付を開始しているところでございますが、若干内容が難しいところがございまして、受付窓口、あるいは電話での御相談、御説明に長時間を要する傾向が出てございます。このため、これまでにも増して親切丁寧な対応を期してまいりたい、そのように考えているところでございます。
なお、その他の財物賠償につきましても、可能な限り早期に開始したいと考えておりまして、準備が整い次第、実施をしてまいりたいと思っております。
最後に、農林漁業の風評被害への対応に関して申し上げます。前回の審査会の場で御説明申し上げましたように、当社としましては、指針に直接類型化されていないような損害でございましても、個別に事情をお伺いし、当社事故との相当因果関係を確認させていただいた上で、適切に賠償をさせていただくよう努めているところでございます。
本日、紛争審査会におかれまして、農林水産業の風評被害に関しまして、相当因果関係の蓋然性の高い損害を新たに類型化され、中間指針の第三次追補として取りまとめられております。この中には、当社において既に賠償させていただいているものもあるかと存じますが、この第三次追補も踏まえまして、また個々の御請求の状況もしっかり確認させていただき、適切に対応を進めてまいりたいと考えております。
当社としましては、今後も、国からの御支援をいただきながら、公正かつ円滑な賠償のお支払ができるよう努めまいりたいと存じます。引き続き、御指導、御理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
当社からの説明は、以上でございます。ありがとうございました。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
では、委員の皆様から何か質問等、あるいは御意見等がございましたら、お願いいたします。
よろしいでしょうか。
財物等の賠償については、いずれ本審査会でも、これが具体的にいろいろ始まった段階で、また御意見を伺ったり、状況を伺ったり、こちらでの議論をお知らせしたりすることがあるかと思います。その節はまたよろしくお願いします。
【増田常務】 よろしくお願いいたします。
【能見会長】 どうぞ、大塚委員。
【大塚委員】 資料3-2の4ページのところで、3のところでですけれども、地震・津波による損害の控除については、確定していないというふうに書いてあるんですけど、ここは今後どんなふうになさる御予定でしょうか。
【小川室長】 これにつきましては、実は今、賠償の本体でございます土地・建物についても、これはまだ賠償が始められておりませんけれども、この地震の被害をどういうふうに判断の中に入れていくかといったようなことを検討しているところでございまして、その結果とあわせて、軌を一にして、こちらの方も対応させていただくということを今考えているところでございます。
【増田常務】 まだ取扱いが決まっていないというところでございまして、これから更に明確にしてまいりたいと思っております。
【能見会長】 これは審査会もあまり具体的に踏み込んで議論していないところで、その賠償が実際に問題となってくる段階では、あるいは審査会として議論しなくてはいけないかなと思っております。そういう意味では、現時点で取扱いが決まっていないということで、それはそれで結構だと思いますけれども、ぜひ、審査会の方で議論した場合には、それを前提にして賠償を進めていただければと思います。
【増田常務】 わかりました。ありがとうございます。
【能見会長】 ほかに、よろしいですか。
それでは、現状についての御報告、ありがとうございました。どうもありがとうございます。
【増田常務】 ありがとうございました。
【能見会長】 どうもありがとうございます。
それでは、議題4ということで、紛争解決センターの活動状況について、野山室長からお願いいたします。
【野山室長】 紛争解決センターの和解仲介室長の野山でございます。座ったまま、簡単に説明させていただきます。
まず、下村大臣、福井副大臣、丹羽政務官におかれましては、就任後間もないお忙しい時期であられるにもかかわらず、当センターの視察をいただきました。それから、東京事務所のみならず、福島事務所の視察もいただきました。まことにありがとうございます。督励いただきましたので、引き続き頑張っていきたいと思います。
内容でございます。まず資料4-1から4-3までがございます。4-1はいつもお示ししている事件統計をアップ・ツー・デート、1月28日ですから、一昨日現在のものにしたものでございます。
11月までは前回御説明したとおりでございますので、その後の状況ですが、まず申立件数につきましては、昨年の3月から8月ぐらいまでの400件内外のピークから二、三割減ったという状況が、昨年12月、先月も続きました。それから、今月は、それよりも、3割よりも更にちょっと減ったようなペースで1月28日まで推移しております。毎月、月末におびただしい件数の申立てがあることもあり、ないこともあり、月末どういう数になるかわかりませんが、今のところ、昨年秋より更に申立件数のペースは落ちているということでございます。
それから、処理状況、既済件数でございますが、先月12月は既済件数合計241ということで、11月より若干減りました。内訳ですが、全部和解成立が、その下にあります192ということで、これは昨年11月の187より微増でございます。既済件数全体としては、打切り・取下げによる終了が減っているため、全体としては減っているということでございます。
それから、今月の28日までの途中経過ですが、これが既に過去の最大の266を上回りまして、275という数字が28日までに出ております。内訳も、全部和解成立が28日までで214、これも当センター開設して以来、既に月間の最大の数値が28日現在で出てございます。
それから、未済件数累計という欄が、下から三つ目の数字の欄でございます。これが当センター、一昨年9月に始まって以来、この未済件数累計という欄は毎月ずっと増加を続けてまいりました。申立件数よりも処理件数の月間の数が下回っているという状態が続いていたわけですが、今月初めて、28日現在の途中経過でございますが、処理件数の方が申立件数を上回るという数字が、1月28日現在で出ております。何とか今月、月間で処理件数の方が申立件数を上回るという結果を出せればいいなと思っております。
ただ、月間で処理件数が申立件数を上回るというのは、当センターの第一の目標ではございましたが、最終の目標ではないという認識でありまして、現在処理されている事件の中心は、大体今から半年か半年強の前に申し立てられた、事件数のピークの月間申立件数が400件を上回っていたころのものが主力でございます。ですから、やはり400件台、500件近くを処理しなければいけないというのが、次の目標になるのかと思います。
それから、それぐらいを処理していたのでは、審理にかかる期間が横ばいのままでございまして、現在、昨年申し立てられていた事件は、早い事件も遅い事件もあるんですが、平均すると和解案を出すまでに、申し立ててから半年より少し長いぐらいの期間がかかっています。これはもう被害者の方々から、期間が長すぎるという批判が強いところでございますので、これを短くしていこうと。和解案を出すまで、まず半年、それから、半年よりも更に短く、5か月、4か月ということを長期的な目標にしなければいけないと思っており、そのためには、実は月間500件でも足りない、もっと処理しなければいけないということで考えているところでございます。
そのために、文部科学省本省、あるいは財務省等の御理解を得まして、人員の増強をずっと図ってございます。仲介委員は200名体制でずっときておりますが、調査官の数も、今年の1月1日に新たに採用した者を含めますと、100名を超えます。来月1日に更に20名余り増員する予定ですので、来月1日には130名程度になる見込みでございます。これで十分だとは思っておりません。やはり4か月、5か月で和解提案するためには、もっと増員が必要だと思っており、このあたりは日本弁護士連合会などとも相談しながら、更なる増員に努めていきたいと思っているところでございます。
あと、2枚目、3枚目に、総括基準に関する決定と総括基準というものがございます。これが12月21日決定でございますが、今回の内容は、答弁書が提出された段階で争いがない金額については、速やかに一部和解案の提案を行うという内容でございます。要するに、争いがない金額については、手続の早い段階で一部和解を成立させて、支払を早い段階で行うということ。これによって、ADRに申し立てると和解案が出るまで賠償金がなかなかもらえないという苦情があったわけでございますが、少なくとも争いのない金額については、早期の支払を受けられる。特に個人の避難者の方々は、避難継続している限り1人月額10万円というのは、警戒区域の方々については通常争いがないわけでございますので、相当早期の支払ができるようになると思ってございます。
あと、当センターといたしましては、先ほど23年、24年申立事件については、平均的には申立てから和解案提案まで半年以上、七、八か月ぐらいの平均でかかっているところですが、これだけ人員が増えましたので、25年、今年に申し立てられた事件につきましては、申立書の内容とか添付資料について過不足のないようなものにつきましては、四、五か月で和解提案をするということが実際にできるように努めていきたいと思っておりますので、また被害者の方々にも当センターをぜひ御利用いただければと思います。
あと、申立事件につきましては、前回説明したとおり、多種多様な事件が相変わらずあるということでございます。
それから、個人避難者の方々の集団申立てというのも、12月、1月と、南相馬市小高区、あるいは川俣村山木屋地区、それから飯舘村蕨平地区、このあたりから、それぞれ20~30世帯程度、50~100名程度の集団申立てなどがある状況でございます。このあたりの事件も円滑に処理していきたいと思います。
いろいろございますが、長くなりますので、とりあえず説明はこの程度にさせていただければと思います。
【能見会長】 どうもありがとうございました。本当に件数がたくさんで大変なところ、いろいろと努力して、少しでも早く処理するという方針がよく理解できました。
ほかの委員の皆様から、何か質問、御意見等ございますでしょうか。
1点だけですけれど、これから財物についての賠償は、東電との関係では本格化してくるということで、このADRの申立件数の中には、もう既に相当財物損害そのものについての申立て等があるのか、あるいは、今後やっぱりそれが増えてくるという予想なのか、予想を聞かせていただければと思いますが。
【野山室長】 もう既に申し立てられた事件のうち、不動産の財物賠償を請求している事件は相当数ございます。アバウトな数字で、三桁はあろうかと思います。
解決できる事件は、できるだけ早く和解案を提案していこうということで、いろいろ鋭意努力しておるところですが、例えば、農地ですとか、山林とか、そういう宅地でないような申立ても中にはあるところでして、このあたりは、どのような資料に基づいて、どのような賠償提案をしたらいいのかということが、当センターもまだいろいろ調査中ということで、そのあたりの事件は非常にお待たせをしていると、そういう感じでございます。
【能見会長】 ほかにいかがですか。よろしいですか。
それでは、今後とも大変でしょうが、ぜひ1件でも早く和解にこぎ着ける、そういう努力をお願いしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
それでは、以上で本日の議事は全て終了したことになります。今日、中間指針の第三次追補というものをお決めいただきまして、大変ありがとうございます。
今後については、いろんな問題がまだ残っているかと思いますが、もちろん、今、東電からの賠償の状況であるとか、ADRの和解の仲介の状況であるとか、そういうことについても審査会として更に考えていかなくてはいけないわけですが、だんだん2年、3年とたってきて、賠償基準についても、今まではあまり中心的な問題ではなかったけれども、これからは中心的な問題になってくるというような問題があるかと思いますので、そういうものをいずれ整理して議論をしていきたいと考えております。何か皆様の方で御希望があれば伺いたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。今申し上げたようなことを、今後順次行っていきたいと考えております。
それでは、長い時間、本日もありがとうございました。これで閉会いたします。
次回等については、今、私は抽象的なことを言いましたけれども。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 次回の日程は、改めて調整させていただきます。
それで、本日決定された指針につきましては、先ほどの修正を加えまして、この後、文部科学省の記者クラブの方で皆さんにお配りいたしますので、また記者への御説明も必要であれば、することになってございますので、どうぞよろしくお願いします。
以上でございます。
【能見会長】 それでは、これで解散いたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
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