平成24年9月26日(水曜日)14時00分~16時00分
文部科学省(中央合同庁舎7号館東館)3階講堂
能見会長、大塚委員、草間委員、中島委員、野村委員、米倉委員
奥村文部科学副大臣、神本文部科学大臣政務官、藤木文部科学審議官、戸谷研究開発局長、田中総括審議官、大竹原子力損害賠償対策室長、篠崎原子力損害賠償対策室総括次長、田口原子力損害賠償対策室次長
【能見会長】 それでは、時間になりましたので、第28回原子力損害賠償紛争審査会を開催いたします。
本日は、お忙しいところ、お集まりいただきまして、大変ありがとうございました。
まず、事務局から報告、配付資料の確認をお願いいたします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 本日は、まず事務局より御報告が1件ございます。
田中委員でございますが、皆様ご存じのように、原子力規制委員会の委員長になられたということで、9月18日付で本審査会の辞任の手続きが終了してございます。委員の補充につきましては、今、人選を含めて検討中でございます。
それでは、本日の資料の確認をまずさせていただきます。配付資料といたしまして、議事次第の後ろに、資料1として、農林水産物の出荷制限指示等の状況について、資料2として、食品新基準の設定等に伴う農林漁業の風評被害に係る調査についてということで、議題(1)、議題(2)の資料がございます。それから、議題(3)の資料といたしまして、資料3-1、ADRのほう、原子力損害賠償紛争解決センターの申立件数の結果、総括基準について、3-2から3-4ということになってございます。それから、参考資料といたしまして、前回の議事録をつけてございます。資料の不足等ございましたら、お申し出いただきたいと思います。
それから、本日は、鎌田委員、高橋委員が所用で御欠席でございます。それから、奥村副大臣でございますが、この後、定例の記者会見がございますので、途中で御退席する予定になってございますので、お伝え申し上げます。
以上でございます。
【能見会長】 それでは、議事に入ります。
まず第1の議題でございますが、農林水産物における出荷制限指示等の状況についてということで、これについては、農林水産省から説明をお願いいたします。
【太田食料安全保障課長】 農林水産省の食料安全保障課長の太田でございます。資料1に基づきまして、説明をさせていただきます。
ページをおめくりいただきまして、1ページをお開きください。若干おさらいになりますが、説明をさせていただきます。平成23年の原発事故後、3月17日でございます。厚生労働省は、原子力安全委員会が示していた「摂取制限に関する指標」を食品衛生法上の暫定規制値として設定いたしました。その後、食品安全委員会における健康影響評価を受けまして、本年4月から新しい基準値を施行したという経緯になっております。農林水産関係では、新たな基準値に対応するために、現場におきまして、生産資材の管理、除染や吸収抑制対策などの対策を実施いたしました。こうした対策の効果もありまして、放射性物質濃度は低下傾向にはありますけれども、基準値が引き下げられたこともありまして、一部の品目では基準値超過が見られる状況になってございます。
この1ページの資料の左下のほうに、当初の暫定規制値、新基準値の比較が載ってございます。右下のほうは、平成24年4月、新基準値が施行されて以降の検査結果でございます。特徴的なのは、下のほうにございますきのこ・山菜、それから、水産物につきまして、基準値の超過している点数が多いというのが特徴でございます。
この具体的なものにつきましては、恐縮でございますが、8ページに参考として、農林水産物の検査結果丸1ということで、詳しく付けさせていただいてございます。黄色い塗り潰しの下から4段目ぐらいに、農畜産物合計というのがございます。平成23年の7月までの500ベクレル超の点数としては267、平成23年8月~23年度末までが253という経過で、それが4月以降は20ということになってございます。農畜産物だけで見ますと、長期的には減っているという傾向があるのかなと見てとれますが、農畜産物以外のものとして、その下にございますきのこ・山菜、水産物につきましては、24年4月以降も、点数としては大きい数字が出てきております。特に100~500ベクレルのところに大きな、きのこ・山菜で言えば390、水産物で言えば595という大きな数字が出ております。その結果、一番下の段で、農林水産物計というのがございます。24年4月以降の超過の点数として、1,196といった数字になってございます。
9ページに、具体的にそれぞれの品目につきまして、字が細かくて目がつぶれそうなものでございますけれども、載ってございます。これはまた参照していただければと思います。
恐縮ですが、またページを戻っていただきまして、2ページに戻っていただければと存じます。新基準値、それから、暫定規制値も含めまして、出荷制限がどのような状況になっているかというのをまとめたものが、この2ページの表でございます。福島県はもとより、青森県から、下のほうで言えば、神奈川県、長野県まで出荷制限がかかっております。この一覧表の中で太字になってございますところが、平成24年4月以降に新たに出荷制限の指示、又は対象範囲が拡大した品目でございます。先ほど山菜・きのこ、水産物で多いという話をさせていただきましたが、この太字になっているものにつきましても、そういったものが相当の数を占めているというところでございます。
それから、3ページが、特に水産物につきましては、操業の自粛が広く行われておりますので、その状況についてまとめさせていただいたものでございます。北は岩手県から南は千葉県まで、内水面、海面を問わず、こういった品目につきまして、操業の自粛が行われております。
それから、4ページ以降が、食品に影響を与える原材料に対する規制として、飼料、肥料などにつきましてまとめさせていただきました。
まず、4ページの飼料につきましては、畜産物が基準値を超える放射性セシウムを含むことがないように、飼料中の放射性セシウムの暫定許容値というものを設定しております。これにつきましては、食品のほうで基準値が見直されましたので、その見直しに伴いまして、この飼料の暫定許容値につきましても改訂をしております。具体的には、牛用の飼料につきまして、300ベクレルを100ベクレルにしたといったところでございます。
それから、そういった暫定許容値の改訂に伴いまして、永年生牧草の利用自粛あるいは牧草地の除染、こういったことをする対象地域が、23年産に比べて24年産は大幅に拡大をしてございます。具体的には、4ページの左下の日本地図に書いてございます。グレーで塗りつぶしたものが、23年の対象地域でございます。利用などが自粛になっている地域でございます。これに加えまして、赤で塗り潰したところ、これが24年産につきまして利用自粛あるいは除染の対象となった地域ということで、面積的に相当広がっているといったことが見てとれるのではないかと思います。
次に、5ページが、きのこ原木等の規制でございます。きのこにつきましては、きのこ原木からきのこをつくるものと、菌床用の培地でつくるものとございます。それぞれにつきまして、きのこ原木あるいは培地に含まれている放射性物質が、きのこに移行するということでございます。また、きのこ原木や菌床用の培地などにつきましては、広域的に流通が行われているという実態にございます。安全なきのこを生産、あるいは供給するために、きのこ原木や菌床用の培地などの安全基準として、指標値を設定しております。指標値を超えるものの流通・利用の自粛を要請しております。
具体的な指標値につきましては、きのこ原木、ほだ木、菌床用培地及び菌床のそれぞれにつきまして、旧指標値として150ベクレル、新指標値として、きのこ原木・ほだ木が50、菌床用培地及び菌床が200になってございます。菌床用培地及び菌床が150から200に見直しということで、見かけといいますか、効果として、規制の緩和の効果になってございますけれども、これにつきましては、当初の指標値を設定した際に、培地あるいは菌床からどの程度きのこに移行するかという知見がございませんでしたので、きのこ原木とほだ木から得られている知見をもとにして、それを援用したというような形で150を設定したところでございますが、その後、実験をした結果、きのこ原木あるいはほだ木よりは移行が少ないのではないかということで、200ベクレルで大丈夫だということで、こういった数字の設定になってございます。
それから、6ページは、肥料の規制でございます。肥料と申しましても、堆肥でございます。家畜排泄物を原料として生産された堆肥でございます。汚染された稲わらを家畜に給餌して、そこから出てくる家畜の排泄物を利用して生産された堆肥が放射性セシウムを含有する可能性があるということで、肥料等の暫定許容値400ベクレル/kgを設定しております。
この暫定許容値の考え方につきましては、そこから食品に移行するという観点から作ったものではなくて、その肥料を長期施用し続けても、もともとの土壌にある放射性セシウムの濃度を、過去の放射性セシウム濃度の範囲内に収めることができる水準として、400ベクレルという数字を設定したということでございます。
これにつきまして検査をしておりますが、中には、放射性物質汚染対処特別措置法上の指定廃棄物になる8000ベクレルを超えるものも幾つか見つかっているところでございます。
この堆肥につきましては、保有農家で一時保管をして、焼却処分をするということになってございます。
それから、ページをおめくりいただきまして、7ページが、薪と木炭の規制でございます。こちらにつきましては、広く農林水産物ということで挙げさせていただきました。薪、木炭につきましては、薪であれば、石窯ピザの加熱用であったり、それから、木炭につきましては、焼き鳥や焼き肉の加熱用に利用されるということではありますが、それを使うことによる食品への付着はわずかであるという知見が得られております。ただ、一方で、これを燃やしますと、灰に放射性物質が濃縮されて残留するというようなことがございますので、灰になった時点で8000ベクレル――先ほどの8000ベクレルと同じものでございますけれども――以下になるように基準を設けたということで、薪につきましては40ベクレル、木炭につきましては280ベクレル、こういった指標値を設定しております。この指標値を超えるものの利用・流通の自粛を要請しているといったところでございます。
以上、ちょっと駆け足になってしまいましたが、農林水産物の基準と出荷自粛等の状況でございます。
概括して申しますと、こういったことに伴いまして、依然として出荷制限や利用自粛になっている農林水産物が多数存在していて、そういったことを背景に、農林水産物において風評被害が収まらないといった声がいろいろ聞こえてきているという状況でございます。
私の説明は以上でございます。ありがとうございます。
【能見会長】 どうもありがとうございます。
それでは、皆さんのほうで質問があれば、お願いいたします。
どうぞ。
【中島委員】 今の資料の食品の出荷制限等の丸1、丸2の表示の内容なんですけれども、例えば、3ページを見ますと、食品の出荷制限で操業自粛の表記としては、海面から捕れるものとしては、県単位で記載してありますけれども、水産物については、原則、漁場で示して、でなければ陸揚港で示すということだったと思うんですが、これはその県沖の漁場でとれたものという意味でございますか。
【太田食料安全保障課長】 そのように御理解いただければと思います。
【能見会長】 ほかにいかがでしょうか。
どうぞ、大塚委員。
【大塚委員】 細かいことで恐縮ですが、5ページのきのこ原木等の規制で、指標値を超えるものの利用・流通の自粛は、これは政府がなさっているんですか、どこがなさっているかということと、それから、これもちょっと細かくてすみませんが、6ページの、これは暫定許容値の設定の考え方ですけれども、過去の農地土壌の放射性セシウム濃度の範囲内に収めるというのの、この過去というのは、原爆実験とかのことですか。よく分からないので、お願いします。
【太田食料安全保障課長】 まず、きのこ原木のほうでございますが、林野庁の要請として行っております。
それから、6ページの、過去の農地土壌、ちょっと分かりにくくて恐縮でございます。もともと核実験や、チェルノブイリもあるのかもしれませんが、放射性セシウムというのが含まれておりますので、それの動態の範囲内だということでございます。
【大塚委員】 ありがとうございました。
【能見会長】 どうぞ、中島委員。
【中島委員】 きのこ・山菜の基準値超えが依然として続いているという原因なんですけれども、これはやはり山林部分の除染をしていないということが原因でございますか。
【太田食料安全保障課長】 きのこにつきましては、移行のメカニズムがまだよく分かっていないというところがございまして、正直申しまして、これほど移行するというようなことも知見がなかったというところで、農産物に比べて管理が追いついていなかったというようなことが実態かと思います。
【中島委員】 きのこであれば、原木を平地に持ってきて栽培すれば、その管理という問題もあるかと思うんですけれども、山菜は山でとるわけですから、そうすると、やはり山のセシウムがここに移っているというのが原因ではないかと推測されますけれども。
【太田食料安全保障課長】 こちらもあまり知見がなかったところでございますけれども、どうも農産物のように土壌から移行するものよりは、山の場合は、落葉・枯葉がいっぱいありますので、そこにより付着をしているという実態にあるのではないかというふうに今考えられております。そういったところで、農産物に比べて、より顕著に例が出ているということになっているのだというふうに考えております。
【中島委員】 すいません、しつこくて恐縮なんですけど。枯葉が養分になって入っているというよりは、枯葉に付着しているものが、風とか雨で山菜の茎や芽に移っているという意味ですか。
【太田食料安全保障課長】 はい。メカニズム自体、まだそこまでよく分かってはいないんですけれども、養分という、ぐるっと回ってくるという面のほかに、そういった直接の付着というのもあるのではないかというふうに考えられております。
【能見会長】 ほか、いかがですか。よろしいですか。
どうぞ。
【草間委員】 不勉強でよく分からないんですが、この野生のものというのも出荷制限がかかって、市場に出るのですか。野生のものって、市場に出るのか出ないのか、ちょっと分からなかった。野生のものも市場に出るから出荷制限が。
【太田食料安全保障課長】 市場というものもございますし、それから、山菜ですと、直売所のような形で消費者に販売されるという形態もございますので、そういったものも出荷制限の対象になるということでございます。
【能見会長】 ほかにいかがでしょうか。
8ページの農林水産物の検査結果の経緯は、時間の軸とともに変化がよくあらわれていて、素人なんかが見てみても、それなりにいろんなことがよく分かって結構だと思いますけれども、水産物のほうは、時間の経緯によって汚染の程度が横ばいだとか、どの程度下がっているとか、そういうのは何か分かっているんですか。
【太田食料安全保障課長】 農産物は、先ほども申しましたけれども、肥培管理をするということで、人為的に基準値を超えるようなものの生産を抑制することができるという面があるんですけれども、水産物の場合は、天然にあるものをとってくるという形態がほとんどですので、なかなかその辺のコントロールが効かずに、あまり実態的に大きく変わっていないということなんだろうと思います。そこで、基準が厳しくなったことに伴いまして、基準を超えるものの点数が増えているということなんだろうと思います。
【中島委員】 今の8ページの水産物の検査結果の件なんですけれども、水産物のこの黄色の部分を横軸で見ますと、事故直後よりも23年8月~23年末のほうが、238から946に上がっているんですけれども、これはだんだん蓄積されたとか、メカニズムは何か分かっているんでしょうか。
【太田食料安全保障課長】 その辺のメカニズムも、まだ分かっていないところもあるんですけれども、一番の実態は、事故直後というのは、海面の漁業自体が壊滅していて、それほど操業ができなかったというのが大きいと思います。
【能見会長】 ほかにいかがでしょうか。
よろしいですか。どうもありがとうございました。
それでは、議題(2)ということで、食品新基準の設定等に伴う農林漁業の風評被害に係る調査についてということについて、これは事務局からの説明ですか。お願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 前回の審査会の後、風評被害についての調査をどのようにやるかということで、農水省さんの御協力も得ながら、あと、能見先生とも相談させていただいて、このペーパーをまとめてございます。この調査のやり方というか、方針について、御確認をいただければと思います。
まず目的でございますが、今、農水省からも説明がございましたが、食品中の放射性物質の新基準が出たことによって、出荷制限指示等、これは自粛なども含めて、これが広がってきている。これに伴って、風評被害というのが中間指針で定めたものからどういうふうに変わっているのかということについて、状況を把握して、その結果を踏まえて、審査会として検討していただきたいと考えてございます。
そこの丸1、丸2でございますが、丸1として、今申し上げましたように、食品の新基準の設定によって、中間指針のときと状況が変わってきたというのが一つございます。これについて調べる。それから、丸2でございますが、新基準の設定の前も、中間指針策定後に新たに、先ほど農水省さんから説明がございました使用制限、餌等の使用制限などが出てございますので、そういったものに伴うものも改めて調査をしてみてはいかがかということでございます。
調査のやり方でございますが、2の内容のところに入りますが、昨年と同様、専門委員が、これは関係省庁の協力を得て行うということで、農林水産省の協力を得て、専門委員が行うという形にさせていただきたいと思ってございます。
それで、次のページに、農林水産物関係の専門委員の一覧がございます。ここで下線が入った委員につきましては、今回新たに任命させていただいてございます。下線の入っていない委員は、昨年も調査をしていただいた専門委員でございます。新しく任命した専門分野といたしまして、酪農関係、林産関係、木炭の関係の専門委員を新たに追加してございます。
それで、1枚目に戻っていただきたいのですが、出荷制限指示に伴いまして、その周辺で風評被害がどのように広がっているか調べるということでございますので、2ポツの二つ目のポツでございますが、出荷制限指示等の対象区域・品目を含む比較的広範囲の産品について、風評被害の有無、範囲、程度等を調査するということでございますが、ただし書きで書いてございますが、既に中間指針で地域、品目等が明記されている場合については、本調査の目的からいたしますと、重ねて調査をする必要はないのではないかということでございます。
それから、三つ目のポツでございますが、具体的にどういう調査になるかと言いますと、市場の動向ということで、取引価格、あるいは取引数量を調べます。それから、あと、具体的な買い控えなどの事例等も調査をしていただくということにしたいと思ってございます。それから、事故から1年半が経過してございますので、その取引価格等の動向の要因については、少し詳しく分析をする必要があるということを一応書いてございます。
それで、具体的な品目と範囲でございますが、3ページの別添2に書いてございます。丸が四つございまして、1番目が食用の農林産物、2番目が海産物、3番目が内水面の漁業、4番目が飼料・肥料等ということになってございますが、まず一番上の食用の農林産物につきましては、出荷制限指示等が出された区域、これは基本的には市町村単位で出されてございますが、その区域を含む都道府県について、これは食用の農林産物全般を調査するということで、例えば、シイタケで出荷制限が出ても、ほかの主要な葉物野菜であるとか、そういったものも調べてみようということでございます。
ただし、先ほど農水省からも報告がございました、原木シイタケが、シイタケの原木の流通が原因で汚染されたような場合、福島県産の原木が例えば西日本で流通して、そちらの原木シイタケが基準値を超えたという事例もございますが、そういう場合は原因がはっきりしてございますので、その原木シイタケのみを調査させていただくということにしたいと思ってございます。
それから、出荷制限指示等の中には、県による自粛の要請などもあるわけでございますが、政府の出荷制限指示が出された場合は、そういった自粛要請がある程度広範囲で出ているというケースになりますので、当該県のみならず、隣接県についても調査を行いたいと考えてございます。
それから、2番目の海産物でございますが、海産物につきましても、まず品目については、ある海産物で出た場合、全ての海産物について調査をします。それから、出荷制限指示等が出された区域を含む県全体についてということでございます。
それから、後段のところで、隣接県の海産物が同じ水域で採取されている場合は、隣接県についても同様に調査ということで、基本的には当該県の沖合でございますが、そういった漁場が重なっている場合がございます。重なっている漁場で隣接県が出荷制限指示が出ていない場合でも、隣で出ていれば、そちらを調べさせていただくということでございます。
それから、内水面に関しては、その区域を含む県内について、内水面漁業全般を調査ということでございます。
それから、飼料・肥料の使用制限指導につきましては、その区域が所在する県について、その飼料・肥料等、その品目について調査をしますが、このうちと書いてございますが、飼料の場合は、牧草等の使用制限に伴って、牛乳に風評被害が出ているのではないかという話がございますので、そちら、牛乳・乳製品についても調査をするということにしたいと考えてございます。
注が二つ書いてございます。一つ目の注は、これは確認なのでございますが、この調査の範囲自体は、風評被害がどのような状況かというのを確認するための調査でございますので、実際の風評被害が出ている範囲よりは広い範囲を調査するということになることを御承知おきいただきたいと思います。決してこの調査をしたからといって、そこで風評が広がっているとか、具体的に出荷制限というか、その食品等が汚染されているということはございませんので、それは御注意をいただきたい。むしろ、一般の方にそこをきちんと伝えなければいけないというのが一つでございます。
それから、今の調査の範囲、それぞれの品目について、原則的に範囲を定性的に書いてございますが、具体的に調査を専門委員に進めていただく過程で、これだったらここまで調査したほうがいいとか、あるいは、ここはもう調査しなくてもいいだろうとか、その辺は専門委員の御判断にゆだねて、臨機応変にやっていただくということを考えてございます。
資料2の説明は、以上でございます。
【能見会長】 それでは、この調査についてということに関しての御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
【草間委員】 よろしいでしょうか。
【能見会長】 どうぞ。
【草間委員】 今の資料の1ページのところでは、例えば、品目等については、出荷制限等が出た品目を含む、比較的広範囲の産品に関してとありますよね。別添2を見させていただきますと、食料品については、食用の農林産物全般――全般というのは、オールでというふうにとればいいわけですね。次の海産物全般って、これも全てというふうにとればよろしいんでしょうか。比較的広範囲と言いながら、比較的どころか、ものすごく広範囲になるんじゃないでしょうかね。どうでしょう。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 そこは農水省とも相談して、できる限り広く調べていこうという、合理的な範囲でということでございますが、というふうにさせていただければと思ってございます。
それから、もう1点、全てになるかというと、おそらくそうではなくて、それこそ食用の農林水産物も、出荷量の少ないものから多いものまで、ものすごく膨大な品数になりますから、当然、代表的なものを調べていくということになると思いますが、そこはどういう品目を選び出すかというのも、専門委員のほうにある程度お任せをするのが適当ではないかと考えてございます。
【能見会長】 ほかにいかがですか。
かなり広く調査範囲をとっているという、そういうことなんですけれども、まだ足りないとか、そういう部分があれば。多すぎる部分は、多すぎても、後でそれ自体が風評損害を認定することにすぐつながるわけではありませんけれども、広めに調査した結果、大丈夫だということであれば、それは別に実害はない。作業としては大変なことをお願いしてしまうことになりますけれども。足りないという部分があれば、そこは。これも調査の過程でやっていくと、ここら辺は足りないんじゃないかということが出てくれば、これはまた追加するということができますけれども。
【草間委員】 全般と書くと、全てをやらなきゃというような。さっきの野生の産品のように、ちょっと想像できないようなものが出てくると、全般と書いちゃうと。もう少し合理的な範囲とかなんかにしないと、調査も大変になるんじゃないかなと思って申し上げたんですけど。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 そこはむしろ全てと書かずに全般と書いたので、主なものをカバーするようにという意味で、全般という言葉を使わせていただいているということであります。申しわけございません。
【草間委員】 分かりました。
【能見会長】 どうぞ、中島委員。
【中島委員】 1枚目の1、調査目的の二つ目の丸ポツの丸1に、丸1、丸2が今回の調査対象だと思うんですけれども、丸1の3行目で、国の出荷制限指示のほかに、県の出荷自粛要請とありますが、さらに、たしか中間指針でもここがあったと思うんですが、事実上それに近い、漁協による出荷自粛も含むというふうに解釈するか、そういう理解でよろしいでしょうか。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 そういう理解でございます。
【能見会長】 私自身は飼料の関係、一応この原案というのは、私もさっとは見ましたけれども、飼料というのは、例えば、牧草だとかいうものについても使用制限が出される区域というのは、例えば、ある地域の飼料、牧草などが汚染されているとなると、飼料のつくられるその地域がまず使用制限がかかって、というか、あるいは、できるところに関係なく、使用制限ってもっと全体に広がるんだろうという気もするんです。それと、飼料が実際に影響が出て、飼料そのものではなくて、それを食べた牛だとか家畜の乳製品とか、あるいは肉なんかも関係があるかもしれませんけれども、この広がっていく範囲の限定の仕方が、飼料の場合にちょっと分かりにくいので、そこだけ説明してもらえると。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 飼料につきましては、一つは牧草というのがございますが、これは基本的に、その場にある限りは動きませんが、そういった牧草の飼料なんかも流通していますので、そもそもそういった流通の価格がどうなっているかという意味の風評被害をまず調べます。
それから、乳製品について申し上げますと、取引があったかどうかにかかわらず、飼料の使用制限がかかった地域、それの周りで、あの辺の牛については――これは牛肉はもう対象になっていますので、牛乳は汚染されているんじゃないかという、買い控えをするような行動がどうかということになりますので、具体的に使用制限は地域でかかってまいりますので。
【能見会長】 そこの、ごめんなさい。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 仮に牧草が流通していれば、流通先のところで使用制限がかかります。
【能見会長】 かかるわけですね。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 ええ。基本的には、使用制限のかかるような牧草が流通している範囲で使用制限がかかってまいりますので、そこにいた、あるいは、その周辺の乳製品についてどうかということを調べてみたいということでございます。
【能見会長】 はい。大塚委員、どうぞ。
【大塚委員】 今の会長の御質問ともちょっと関係するかと思うんですけど、畜産物は今回除いてあると思うんですけれども、例えば、先ほどの資料1の2ページとかをどう見るかというようなこととも関係してくると思いまして。どちらかということを私が申しあげるつもりでは必ずしもないんですけど、その点について、どういうふうにお考えかを説明していただけますか。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 まさに今の別添2の食用農林産物の、畜産物を除く食用農林産物全般を調査と、ここのくだりの話だと思いますが。ここについて、まず畜産物につきましては、一番被害が大きかった牛、牛肉については、これは中間指針で広く対象として明示してございますので、牛肉については、新たに調査はしないというのを原則にしてございます。
それから、先ほどの2ページのその他の畜産物というか、イノシシ肉とかクマ肉というのはございますが、これはかなり流通とか、制限というか、そんなに大きなマーケットではございませんので、あえて畜産物全体に広げる必要はないという考えをとりあえずここではとってございます。これも、注2で書いてございますように、必要に応じて専門委員の御判断で、調査をしたほうがいいということであれば、していただくということでもよろしいのではないかと思いますが、とりあえず、例えば、鶏とか、そういったものまで広げる必要はなかろうということで、とりあえずその辺が合理的な範囲かなということで、この調査の範囲を原則的に決めさせていただいてございます。
【大塚委員】 8ページの基準超過も、肉はほとんどないということもきっと関係しているわけですね。
【能見会長】 いずれにせよ、これは、とりあえず調査の対象からは外しているけれども、専門委員が調査していく過程でもって、調査する必要があるということが出てくれば、それは当然調査の対象には入ってくる、そういうことですね。
今大塚委員が言われたように、現在の時点では、さっきの資料1の8ページのところの数値から見る限りは、肉等については、そんなに広がっていないということですかね。
調査の範囲はそれなりに広くとってはいると思いますので、それが不都合であれば、適宜修正はしていくということだと思います。ただ、今の段階で気がついた点があれば、ここも調査をしたほうがいいという点があれば、御指摘をいただきたいということですが、よろしいでしょうか。
それでは、これもお認めいただいたということで、早速これの調査のほうは、専門委員にしていただきたいと思います。
それでは、次、議題(3)でございますが、紛争解決センターの活動状況についてでございます。これは野山室長からお願いいたします。
【野山室長】 紛争解決センターの和解仲介室長の野山でございます。当センターの状況の御報告ということで、簡潔に御報告させていただきます。先月も簡潔な報告をさせていただきましたので、重複する部分はできるだけ省略したいと思います。
まず、お手元に資料3-1ということで、申立件数の結果等、申立や事件の終了の状況が書いてございます。おそらく前回は7月までの表をお配りしたんだと思います。当センターは、事件の受付開始が昨年の9月1日でございましたので、今月1日からちょうど2年目を迎えたところでございます。8月末までの1年間の申立総件数が約3,800、既済件数が914、そのうち全部和解成立が520、大体そういうのが1年間の損益計算書のようなものとして出てまいりました。
申立件数の推移でございますが、本年の3月から7月まで、月間申立件数がずっと400件台が続いておりましたが、先月、8月に久々に400件を下回りまして、395という数字になりました。8月は、いろいろな活動がちょっと低調になる月でありますので、一過的な変動なのかと思っておったんですが、9月24日までの受付件数が234ということで、9月の申立件数も勢いが落ちています。月間400件台の時代というのは、受付日が月間20日ないし21日程度あるのが通常なんですが、1受付日に20件強来ると、20掛ける20が400ですから、それよりちょっと多目の、受付日が多かったり、1日当たりの申立件数が20件平均より若干多かったりするということで、こういう400件台の数字が出ておったということですが、今月に入りまして、1受付日当たりの申立件数が15件程度というふうに、ちょっと落ちております。その原因はなかなか分からないところでございますが、今後どうなるのかということは注視していきたいと思います。
9月24日までの受付総件数は、一番右端の合計欄にありますとおり、4,027件でございます。既済件数、事件が終了した件数が、そのすぐ下にありますとおり、1,054件でございます。全体の約4分の1の件数、25%の件数が終了しているという計算になります。1,054件の内訳が、さらにその下に書いてございます。全部和解成立で終わったものが、累計で618件、全体の15%強という感じだと思います。それから、和解の打切りの累計数が175、取下げの累計数が261、打切りと取下げを足したものの累計数が、大体申立事件数の10%強となっているということです。残りの4分の3の事件数、未済件数累計の9月の下に書いてあります2,973、これだけの件数が現在継続中であるということでございます。未済件数が近々3,000件を突破しそうでございまして、当センターの負担がなかなか軽くならないという状況であります。
それで、既済件数の月別の流れを見ていきますと、今年の春先からそこそこ既済件数が毎月増えてくるようになりまして、7月が215、8月が235、9月が9月24日現在で140です。9月は8月の和解提案数が、どうしても活動が低調になるという関係で、落ちている関係で、8月ほどの件数の伸びがいかないのではないかという感じですが、おおむね現在毎月200件前後の数を処理するという程度の能力が当センターにはあるというふうに自己評価しているところでございます。
しかしながら、申立件数が毎月400件内外ある中で、処理件数が毎月200件ということでは、全く足りないということ、これは前回もお話し申し上げたところだろうと思います。やはり月間400件以上の処理能力を身につけるということが、当センターに今要求されている最大の課題であろうかと思います。
そのための人員の増強ということでございまして、これも前回も申し上げた話でございますが、仲介委員は、この春に約130名から約200名に増員いたしました。それから、調査官の増員ということを行っているということを前回お話ししたと思いますが、8月まで約40名の調査官の体制であったのが、募集をかけまして、9月、10月、それから、若干名は11月以降になりますが、ほぼ倍増、まず第1段階の増加として、約80名程度まで増加できるという見込みがついたところでございます。一部の方は、もう9月1日から執務していただいておりますし、10月1日にも15名強の方が新たに着任していただける予定になっております。
それで、80で十分かどうかというと、まだ十分でないという可能性も多いところでございますし、まだ採用の余裕はあるところでございますので、さらに大幅な増加を必要に応じてやっていかなければならないと考えているところです。
それから、仲介委員、調査官だけを増やしても、それのまた補助をする事務職員の数が足りなければ、これもうまくまいりませんので、そういう事務補助をする職員の数も、いろいろな形で大幅に増やしていくという予定でございます。
打切り・取下げも多いので説明します。打切りは、前回も申し上げましたとおり、その大部分は、申立人には原子力損害賠償の請求権がないということです。全然ない方もおられますし、既に東京電力から支払いを受けたのですが、東京電力が否定した部分が不満であるということで、その部分を請求されたところ、その部分については理由があるということで、和解が成立する方もおられますし、理由がないという方で打切りになる方もおられるということになります。
それから、取下げの内訳は、これも前回申し上げましたとおり、なかなか正確には把握できないのですが、同時に東京電力に対する直接の請求も並行してされておられる方が、東京電力の回答金額に一応納得するという形で取り下げるという数が相当含まれているというふうに見ております。あとは、打切りに近い形、仲介委員の方から、あなたの請求は難しいということでの取下げ勧告に応じる形のものもございます。
大体以上でして、平均的な審理期間を、昨年の9月の設立前、3か月という目標を立てたところですが、現状は平均でも6か月か6か月余りというところがおそらく実情だろうと思いますし、毎月の既済件数を400件に近づけていかなければ、これがまた少しずつ伸びていくという、ちょっと大変な状況にありますので、できるだけ400件の処理ができるような形で、特に調査官の増員について努めていきたいと考えているところです。
事件の概況と体制等につきましては、大体以上のとおりでございます。
あと、資料3-2から4までで、前回以降発表しました総括基準でございます。総括基準本体は、資料3-4でございまして、それを要点として説明したのが3-2でございます。
これは中間指針で、風評被害のうちの観光業のうち、日本人観光客を相手にする方の部分に関するものでございます。外国人観光客を相手にする部分につきましては、春先に一つ基準を出しておりますが、今回のものにつきましては、同じ頃に――同じ頃と言いますのは、今年の春頃に、当センターで日本人相手の観光客、日本人に限らず観光業関係の事件を担当しておられます仲介委員の方々に集まってもらいまして、何回か議論をいたした結果がおおむねここに反映されておるわけでございますが。
そのときの、今年の春頃に集まった議論の結果なんですが、まず集まっていただいた先生方は、今回の基準に書いてある県とか、あるいは中間指針の4県以外の場所に拠点を置く観光業者からの申立を受けておられる先生方も含めて、いろいろ議論をしたという経過がございます。日本地図にまず中間指針の4県に色を塗り、それから、その周辺で、さらにその4県に準じるか、準じないまでも相当程度被害が出ているにもかかわらず、中間指針に明示されていないということで、当時、東京電力の方で非常に低い回答しか出てこないような県について、一定の県については、やはりある程度の被害が認められるということを積極的に打ち出す必要があるのではないかということで、いろいろ議論を重ねたわけでございます。
その結果、残ったのが東北5県と千葉、ここにあるものでございます。そのほかにも、例えば、北海道の観光業者が、外国人観光客分も日本人観光客分も請求していると、そういう事件を担当されておられる方々、あるいは、関東甲信越ですと、山梨、埼玉もありましたかね、そのあたりの観光業者で、いずれも外国人観光客も日本人観光客も、いずれの減収分も請求しておられる業者、そういう業者を担当しておられる方もございました。
いろいろ議論をした結果、ここに書いていないところ、北海道とか山梨、これについては、中間指針の風評被害の第7の1の一般的な基準がありますが、あれを定めておく程度で、業者の主張・立証にゆだねておけばいいだろうと。日本人観光客の減少に伴う利益の減少について、それほど特別に扱ってあげる必要もないし、実際、減少の原因のうち、原子力事故はそんなに高いものではないと、そういう結論に達したわけですが、ここに残っているところ、東北5県は、減少幅は北東北に行くほど利益の減少額というのは小さいのでしょうけれど、その原因というのは、やはり結構原発事故が大きいという見解を述べられる方が多く、それから、関東地方のうち千葉県、これはやはり茨城県に準じるぐらい、県内各所で影響を受けている部分が大きいと。特に群馬県などと比較して、なぜ群馬が入って千葉が入っていないんだみたいな、そういう議論は結構あったところでございます。そういうことで、このあたりは、利益の減少幅はいろいろ違うでしょうけれども、原発事故による減少割合というのは、利益の減少の中で大きな割合を占めるという見解が多数を占めて、大体それがこのままここに反映されている、こういう議論の経過でございます。
その後、事件の進行としては、実は北海道の観光業者とか山梨の観光業者の事件の方が先に先行して和解が成立していったという経過があるわけなんですが、その和解案の説明について、北海道も山梨も、外国人観光客に関する減収については、その非常に大きな部分が原子力事故に起因する、そういうことを前提として和解案をつくりましたが、日本人観光客の減少につきましては、極めて限られた部分だけが原子力事故に起因する、そういう和解案をお出しになって、それはそれで和解が成立したという経過があるようでございます。
そういう中で、例えば、そういう北海道とか山梨の和解案を提案するにあたって、どちらかというと、事故から近接した時期にやはり震災、津波などという大きな観光動機の減少の中で、原子力発電の影響も決してゼロではない、特に未成年者を含む旅行、未成年者主体の旅行、そういうものに限定していくと、やはりそういうものについてゼロとは言いがたい、そういうような和解案の理由の説明が、北海道とか山梨についてなされたところでございます。
その裏側としては、それよりも南の東北5県や千葉県というのは、決してそんなものではないという考え方があったわけなんですが、東北5県につきましては、東京電力と旅館業組合との間の交渉がされているということが、その交渉内容は1か月に一度とか、2か月に一度とか、ときどき新聞報道されておりまして。ところが、あるとき、観光業組合に対する東京電力の提案の中に、北海道や山梨で提案した、未成年者を含む旅行、未成年者主体の旅行については原子力事故の影響が大きいというのが、東北5県の観光業組合の損害額を算定するのに、そういう未成年者を含む旅行に限定するかのような提案を東京電力がしていた、そんな記事があった時期がございました。当センターの中では、それを見つけられた仲介委員の方が、「一体東京電力は何を考えているのだ」みたいな感想を述べられたこともございました。実は、もう当時既に、これは裏の基準として、当センターの中では担当の方々の間では流通しておったものでございます。そんな経過もあったわけでございますが、この東北の案件の和解成立を機に、どういう形で発表するか、いろいろ検討したわけですが、もう内部で決めたとおり発表するのがいいだろうと、最終的にはそういう決断をいたしまして、こういう形で発表したものでございます。
総括基準の要点にも書いてございますが、7割という数字がひとり歩きするのは必ずしも適当でないということが一つあります。例えば、津波の被害が直撃した観光地につきましては、7割は適当でないということは一目瞭然でございますが、それは総括基準の2で、東京電力の方でその旨の指摘があれば、7割よりも低い和解案が出るということでございます。
それから、地震の影響で、交通機関、東北新幹線等が復旧していない、そのような時期のものについても、その旨が指摘されれば、7割より低い数字が出る、このあたりも当然のことでございます。
このあたり、非常にアバウトに書いていますのは、中間指針自体に同じような構造がある。茨城県が中間指針で指摘がありますが、大洗とか北茨城市のいろいろな津波の被害を直撃した観光地があり、それから、茨城県内のJR常磐線が震災後、震災前と同じように復旧するまで一、二か月かかっていたというような事情もございますので、そのあたりはこの程度のアバウトな書き方をしたものでございます。
その他は、資料をお読みいただければと思います。
簡単ではございますが、大体私の方からこの程度で終わらせていただきます。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
それでは、委員の皆様から何か御質問等がございましたら。
どうぞ、野村委員。
【野村委員】 一つは、資料3-1の表なんですけれども、この下にある参考で、一部和解の成立と仮払の和解成立と書いてある、この数字なんですけれども、この数字は、上のどこに入るということなのでしょうかというのが質問なんですけれど。
それから、もう一つは、今日ということではないんですけれども、申立の内容とか、あるいは和解の内容について、全体としての傾向が分かるように、あまり負担のかからない範囲内で整理していただけると、我々も非常に参考にできるのではないかと思いまして。
【野山室長】 まず一つ目の質問でございますが、参考の一部和解成立、仮払和解成立は、その上の数字のどこにも入らないというのが、一番直接的な回答になるかと思います。一部和解とか仮払和解というのは、申立のあった事項の一部、あるいは、東京電力が争わないであろう一部の金額で、申立人が生活に困窮している場合などにやるものですが、それによって事件は終了いたしません。ですから、例えば、2月に一部和解成立が1件、仮払和解成立が1件ありますが、まず参考の欄のそれぞれの数字は、2月の欄で言いますと、2月に一部和解が1件成立し、仮払和解が1件成立したという意味になります。ただ、これらはいずれも事件としては終了しませんので、2月の既済件数23件の中には含まれません。外数ということになります。まさに参考として、事件としては終了していないけれども、一部和解や仮払和解が、それぞれの月にこれぐらいの数が成立しているということを示しているものです。
我が国の民事法律実務では、和解交渉の過程で、一部の事項について合意が成立しても、全部の事項について合意が成立しない限り、和解契約を締結しないというのが比較的一般的な取り扱いであろうかと思いますが、今回の原子力損害賠償については、一部の項目でも和解が成立したら、残りの項目が残っていても、和解が成立した部分については、できるだけ早く被害者の方に賠償金を交付するべきである、そういう考え方に基づいて、一部和解を積極的に進めているものでございます。
仮払和解も、基本的には、やはり被害者の方にできるだけ賠償金を早く一部でも交付すべきであるという考え方に基づきまして、東京電力が争わないであろうという金額の範囲内で、申立人が毎月の生活費その他日々のお金に困っていると、そういう事情が認定される方につきまして成立させているものでございます。
それから、第2点は、そういう御要望が出てくるという理由は私どももよく分かりますので、可能な範囲内で、次回以降、もうちょっと何か当センターへの申立の内容や和解の内容の大ざっぱなイメージが分かるような資料の作成を工夫してみたいと思います。
【野村委員】 どうもありがとうございました。
そうすると、先ほどの確認なんですけれども、参考の下の数字は、未済件数の中に入っているという、そういうことでよろしいんですね。
【野山室長】 そうですね。そういう整理で結構だと思います。
【能見会長】 ほかにいかがでしょうか。
非常に苦労してつくられた総括基準だと思います。
1点だけ、これはあまりはっきりとしたお答えをいただく必要はないんですけど、感触だけなんですが。7割で出発して、東電の方は話をしてくると、その割合が減るという形になるんだと思いますけれども、その中で、比較的使われやすいかもしれないのは、これも書いてありますが、津波自身の影響だとか、地震自体での倒壊の影響だとか、それ自体は客観的な現象なので使いやすいような気もしますけど、これはそれなりに使われているんでしょうか。
【野山室長】 それは、まさしくそういう主張があれば、同時にそれなりに証拠も出てまいりますから、やはり地震の影響が大きい、津波の影響が大きいという心証がとれれば、仲介委員はその分やはり減らしているというところです。
【能見会長】 ほかにいかがですか。
どうぞ。
【草間委員】 この総括基準の決められた日にちが入っていないですけど、これはいつなんでしょうか。
【野山室長】 すみません、ちょっと資料がばらばらで申しわけないんですが、資料3-3という1枚紙に、平成24年8月24日決定というふうに入ってございます。分かりにくい箇所に書いてあって申しわけございませんでした。
【能見会長】 それでは、特にこれ以上この点について御質問がなければ、今の点についてはここまでとしたいと思います。まだまだ和解の方は大変でございますけれども、どうかよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
以上で本日用意した議題は終えたことになります。この後、先ほどお決めいただきましたように、食品の新基準の施行に伴う風評被害の調査というのが行われていくことになります。その中の、それについての議論もありましたように、何か、いろいろ先ほど決められたやり方で問題があるとか、あるいは、範囲がもうちょっと広げた方がいいとか、いろんなことが出てまいりましたら、またこれは適切な対応をしたいと考えております。そしてまた、この審査会に報告をして、御承認いただくという形になるかと思います。
それから、風評被害そのものとは直接関係はありませんけれども、避難区域の見直しの状況ですとか、あるいは避難住民の状況等につきましても、これもいろいろと新しいデータがそろいつつあるかと思いますので、また、これは次回以降、調べて、最新の情報を皆様にお伝えし、必要であれば議論したいと考えております。
ということで、今日の議事はおしまいですが、今後の日程につきまして、事務局から説明をお願いします。
ごめんなさい、ちょっと待ってください。どうぞ。
【中島委員】 前回、東京電力と経産省が指導して、東京電力の自主基準として報告を受けました財物の賠償基準については、この審査会が関与していない、あくまで自主基準ということで理解してよろしいんでしょうか。このまま黙って時間がたちますと、この審査会としては、あの自主基準を全て認めたと誤解されるおそれがあるのではないか。むしろ、あれは我々は関与していない状態でできた自主基準ですので、場合によっては、ADR等で不都合が出てくれば、その問題については、この審査会として議論をするという立場を留保するということを確認すべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
【能見会長】 前回の経産省で決めていただいた基準というのは、実際上、それに基づいて支払い等はまた行われていくんだと思いますけれども、あくまでこれは自主的な支払いの基準ということで、というふうに私は理解しておりますけれども。したがいまして、審査会がそれによって何か縛られるという関係にはなくて、審査会でもってあまりはっきり書いていないようなところをある程度具体化したというのが主だったと思いますけれども、しかし、もし何か不都合が出てくれば、かなり具体的な基準ですから、おそらく審査会で議論するよりは、あれに基づいてやっていくうちに、ADRのことに気がついて、問題点を発見するということはあるかもしれません。今、中島委員が言われたように、そういう場合には、改めて、審査会としてはこうあるべきだということを言うということはあり得ると思っております。
今の点について、もしほかの委員で御意見があれば。
大塚委員、どうぞ。
【大塚委員】 中島委員が言われるように、自主的な賠償基準の方に問題がある点があれば、紛争審査会の方で更に検討するという可能性があるということは、今会長もおっしゃいましたけど、確認をしておくことが必要だと思っております。
【能見会長】 今、直ちにということはありませんけれども、少しあの基準と、それから、審査会との間の整合性も含めて、また必要に応じて整理をしておきたいと思います。直ちに議論するかどうかは分かりませんけれども、財物基準の問題、それから、おそらく慰謝料の方が、もしかするともうちょっと問題があるかもしれないので、そんなところは少し検討しておきたいと思います。よろしゅうございますか。
それでは、日程の方をお願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 次回は、できますれば、先ほどの風評被害の調査の結果を御報告したいと思いますので、そちらの調査の進捗を見ながら、改めて御連絡をさせていただきたいと思ってございます。
【能見会長】 それでは、これで本日は閉会いたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
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