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原子力損害賠償紛争審査会(第24回) 議事録

1.日時

平成24年2月23日(木曜日)20時00分~22時20分

2.場所

文部科学省(中央合同庁舎7号館東館)3階講堂

3.議題

  1. 指針策定に向けた論点について
  2. その他

4.出席者

委員

能見会長、大塚委員、草間委員、高橋委員、田中委員、中島委員、野村委員、米倉委員

 文部科学省

神本文部科学大臣政務官、森口文部科学事務次官、藤木文部科学審議官、戸谷研究開発局長、田中総括審議官、篠崎原子力損害賠償対策室総括次長、田口原子力損害賠償対策室次長

5.議事録

【能見会長】  それでは、時間になりましたので、第24回原子力損害賠償紛争審査会を開催いたします。本日は、お忙しいところ、お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
 はじめに、事務局から資料の確認をお願いいたします。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  資料の確認をさせていただきます。
 議事次第のほかに、資料は、資料1、1つでございます。指針のイメージ(案)ということでございます。それから、参考資料といたしまして、前回の議事録、参考資料2として、後ほどご説明いたしますが、自主的避難等対象区域等の放射線量データ、それから、参考3といたしまして、居住不能・転居を余儀なくされた場合等の慰謝料の裁判例を表にしてございます。
 それから、委員の皆様のお手元には、これまで配付した委員会の資料の中から、参考となるようなものをまとめて、参考資料リストということで机の上に置かせていただいてございます。
 以上でございます。

【能見会長】  では、早速本日の議題に入ります。
 前回の審査会で既にある程度はご議論いただきましたけれども、その議論を反映させて、指針のイメージという形で本日の資料がつくられてございます。これをもとに、最終的な指針案に向けての議論を続けていきたいと思うわけでございます。ただ、何分資料が長いので、議論の効率なども考えながら、少し項目別に説明をしてもらって、そこで議論すると。今までは全体すべてを先に説明した上で、私のほうで適宜区切って議論してまいりましたが、説明自体を少し分けて説明していくという形にしたいと思います。
 それでは、最初に、全体の構成と、「第1 はじめに」の部分について説明をお願いします。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  それでは、資料1でございます。これは、タイトルは、政府の避難区域等の見直しに係る中間指針第二次追補というタイトルにしてございます。それのイメージの案でございます。
 全体の構成でございますが、1ページから2ページのはじめにかけて、「はじめに」ということで、避難区域等の見直し等の現状ということで、今までの経緯みたいなものを書いてございます。それから、基本的考え方がございまして、そのあと中身に入っていくという構成になってございますが、一番最初が、今までの資料とつくり方の順番が変わってございますが、まず、「政府による避難指示等に係る損害について」ということで、避難指示区域をまず頭に持ってきてございます。その下に書いてございますが、「避難指示解除準備区域」、「居住制限区域」、「帰還困難区域」、今後見直した後の区域を書いてございます。その避難指示区域の中の損害項目として、3ページに、丸1避難費用、丸2精神的損害、それから、5ページの丸3に、財物価値の喪失又は減少ということで、不動産の損害についての考え方、それから、6ページからは、旧緊急時避難準備区域、既に解除になった緊急時避難準備区域の話、7ページについては、特定避難勧奨地点について書いてございます。その上で、7ページの終わりのほうから、これは政府による避難等の指示等があった対象区域という書き方になってございますが、営業損害と就労不能等に伴う損害が、7ページ、8ページ、9ページの頭にかけてございます。そこまでで避難区域の話が一応終わりまして、9ページには、第3として、「自主的避難等に係る損害について」、さらには、第4といたしまして、「除染等に係る損害」についてという形で全体の構成になってございます。
 それで、1ページに戻っていただいて、「はじめに」でございますが、最初の(1)は、現状、経緯が書いてございますが、1つ目の丸で、「中間指針」が8月5日に決定されたわけでございますが、その際、最後の3行になりますが、「避難区域等の見直し等の状況の変化に伴い、必要に応じて改めて指針で示すべき事項について検討する」ということがまず第1でございます。
 それから、2つ目の丸のところでございますが、9月30日に、まず緊急時避難準備区域が解除されたということ、それから、その次に、12月26日に、既に何回かご説明させていただきました、避難区域の解除の考え方が原災本部で策定されたということで、これが3月末を一つの目途に新たな避難指示区域を設定することが予定されているということでございます。
 それから、3つ目の丸は、12月6日に決定していただきました「中間指針追補」の話が書いてございます。
 それを踏まえた上で、今回の指針の「第二次追補」の基本的考え方といたしまして、全部で3つ書いてございます。
 1つ目につきましては、これまでも指針で明記したわけでございますが、中間指針で今後の検討事項とされていたもの等について、現時点で示すことが可能な範囲で考え方を示すというのが1つ目。
 それから、2つ目は、最終的には個々の事案ごとに判断すべきものであるけれども、紛争の解決を促すため、賠償が認められるべき一定の範囲を示すというのが2つ目。
 それから、3つ目でございますが、これも中間指針、あるいは第一次追補で明記されていることでございますが、前半は、この指針で対象とされなかったものが直ちに賠償の対象とならないというものではなく、個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められることがあり得るということをまず書いた上で、そのあと、ブラケットになってございますが、今回、地方公共団体等のヒアリングからも、東京電力のほうのより柔軟な対応というのですか、そういうのが求められる状況があるということを踏まえまして、ここに書いてございます、【その際、例えば、これらの指針に明記された損害以外にも、当該損害に準じて認められるべき損害があれば、その内容に応じ、指針に明記された損害が賠償対象とされた趣旨を踏まえて全部又は一定の範囲を賠償の対象とする等、合理的かつ柔軟な対応が求められる。】というフレーズを挿入してございます。
 とりあえず、まずここまでの説明ということで。

【能見会長】  それでは、ただいまの範囲のところまででご議論をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 ここはそれほどご異論はないかと思いますけれども、基本的な考え方のところで3つの丸がございますが、それの3番目あたりが、実質的な内容についてはともかく、あるいは表現等について、多少ご意見がある方がおられるかもしれません。
 いずれにせよ、ここでの主たるねらいは、指針に記載されていなくても、この審査会としては、それは賠償を否定するという趣旨ではなくて、個別的な事情のもとで相当因果関係のある損害として賠償の対象になり得るんだということをはっきりさせるということでございます。今説明にもありましたように、この括弧の中は、指針に書いていないと、今まではとかく賠償が否定されがちなところがあるけれども、少し割合的なというんでしょうか、全額ではなくても、部分的な損害の賠償も、場合によっては――これも常に部分的な賠償でいいと言っているわけではありませんが、状況に応じて、部分的な損害ということも考えることもできるのではないか。それによって、指針に書いていない損害について、一層賠償が促進されるということがあるのではないかということから、この括弧書きの中を記載してはどうかというのが1つの案でございます。これはあくまで括弧の中に入っていますように、これをとるかとらないかということを皆さんにご議論していただきたいということです。
 多少心配としては、かえってこういうことを入れると、本来であれば、指針に書いていなくても個別的な事情のもとで全部の損害を賠償すべき場合だというときにも、割合的な賠償ということになってしまうという危険がなきにしもあらずなので、そこら辺をどう考えるかですかね。
 何かご意見があれば。これは、おそらく中身については、それほど皆さんご異論ないと思いますので、表現だけの問題かもしれません。
 中島委員、どうぞ。

【中島委員】  今、会長の指摘された点ですが、このレジュメの2ページの上から6行目の、全部又は一定範囲の賠償という表現にかかるところかと思いますが、普通は、「全部又は」という場合は、「全部又は一部」という言い方をすると思うんですが、ここをあえて「一部」と言わずに、「一定の範囲」という表現を使ったのは、趣旨が、その時点で認められる、一応確からしいと認められる損害の一部の支払いを正当化するものではなく、一応認められる範囲があったら、その範囲の賠償を促進するという趣旨で、全損害が確定しなくても、その一部の一応確からしい範囲を払うべきであるという趣旨で、「全部又は一部」とせずに、「全部又は一定の範囲」としているということをここで確認してはいかがかと思います。

【能見会長】  なるほど。
 多少新しい論点かもしれません。必ずしもそこまで十分詰めた上で「一定」という言葉を使ったわけではなかったんですが、今おっしゃった点も確かにあり得る問題なので、そういうこともここで了解できるのであれば、そういう意味でこの言葉を使っているんだという理解を共通の理解とした上で、このブラケットを使うということも考えられると思います。今日ここで決めなくてはいけないということではありませんが、今ご意見があれば、伺っておきたいと思いますが、いかがでしょうか。今の中島委員のご意見も含めて。
 よろしいですか。それでは、これについては、今の中島委員の趣旨も、おそらくその趣旨については、皆さんあまり反対はないかもしれませんので、その趣旨が明らかになるためには、より適切な表現があるかどうかも含めて、検討させていただくということにしたいと思います。
 それでは、次の部分ということで、これは、第2の政府による避難指示等に係る損害のうち、(1)の避難指示区域の部分について説明をしてください。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  それでは、2ページの(1)でございます。まず2ページのところは、それぞれ3つの区域についての説明でございますので、省略させていただきます。
 それで、3ページでございます。3ページのまず丸1の避難費用のところでございます。とりあえずブラケットで囲って、賠償すべき避難費用及びその損害額の算定方法は、【当面は、引き続き中間指針で示したとおりとする。】というブラケットの中身にしてございます。
 その下の3つ※印がございますが、ここで検討事項、検討課題ということで並べてございます。
 まず1つ目は、引き続き「避難費用」として賠償の範囲を示すことでよいかということでございます。と言いますのも、移住して新たな生活を始めるという方もいらっしゃる。そういった場合の、例えば生活費増加分、こういったものも含まれると理解してよいか、これが1つ目でございます。
 それから、2つ目でございますが、これは、引き続き、避難費用のうち通常の範囲の生活費増加分は、精神的損害と合算するという考え方でよいか、というのが2つ目でございます。括弧書きの中で、これは中間指針の中で既に明記されていることでございますが、特に高額の生活費増加分については、実費を賠償対象とするということで、中間指針で既に書いてございます。
 それから、3つ目でございますが、その他の避難費用、これは主として宿泊費になるかと思いますが、これについて、当面は引き続き、必要かつ合理的な範囲の実費を賠償とすることでよいか、ということでございます。当面の後でございますが、特に今後、避難の長期化、あるいは移住が想定される帰還困難区域、あるいは居住制限区域については、避難費用を実費賠償し続けることが適当なのか、それとも他の損害等も含めて一括して賠償するというのも考えられるか、というのがこれまでのご議論でもあったかと思います。
 それから、2つ目でございますが、中間指針において特段の事情がある場合を除き賠償の対象とはならないとされている「避難指示の解除からの相当期間」でございますが、これはブラケットで数字も書いてございませんが、【当面は、○カ月を目安とする。】ということで、今、この案を出してございます。
 1つ目の論点といたしまして、避難指示区域については、これは昨年の原子力災害対策本部決定で、インフラや生活関連サービスがおおむね復旧し、子どもの生活環境を中心とする除染作業が十分に進捗した段階で、県、市町村、あるいは住民との十分な協議を踏まえた上で、避難指示が解除されるという考え方になってございます。それから、一方で、現時点では解除された区域はないわけでございまして、今後、実際の状況を見て個別具体的に判断する必要もあるということでございますので、現時点では当面の目安として、ある一定の期間を示すこととしてよいか。具体的に、どのくらいの期間にするかという問題がございます。
 それから、2つ目でございますが、その中で、早期に帰還した方に関して、これについて、実際にいつ帰還したかどうかを客観的に認定することが困難である。というのは、帰還の直前にはいろいろ出入りも自由になったりするわけでございますので、そういうことから、1つの考え方としては、「解除後相当期間」までは一律に避難費用及び避難に伴う精神的損害の賠償対象とすることが考えられるのか。あるいは、もう一つの考え方として、早期に帰還した者へは、帰還時点から相当期間経過までの間に、別途何らかの賠償を認めることが考えられるかという論点でございます。これは、このあとの精神的損害にも関係することでございます。
 それから、3ページの下から、精神的損害の項目になりますが、これにつきましては、まず1つ目としまして、中間指針で「第2期」については、事故後1年ということで書いておったわけでございますが、必要に応じて見直すということでございました。それを、これは前回までのご議論でもご異論がなかったので、ブラケットで囲っていません。本年3月末(又は区域の見直しの時点)まで「第2期」を延長して、「第3期」の開始を、本年4月(又は見直しの時点)からを「第3期」とするという案にしてございます。
 それから、2)でございますが、これは具体的な算定方法について、これは今とりあえずブラケットで、【引き続き中間指針で示したとおりとする。】ということで、とりあえず仮置きをしてございますが、次にあるような2つの論点がございます。
 まず1つ目は、中間指針では、その精神的苦痛でございますが、括弧の中で囲ってございますが、主として「自宅以外での生活を長期間余儀なくされ、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたために生じた精神的苦痛」及び「いつ自宅に戻れるか分からないという不安な状態続くことによる精神的苦痛」、この2つを賠償すべき損害として認めているわけでございますが、第3期においても同じ考え方でよいのか。あるいは、帰還困難区域など、区域ごとの違いがあるのか。さらには、移住した場合の精神的損害をどのように考えるか。括弧の中で例として挙げてございますが、例えば「従来の生活全体が一挙に失われたことに対する賠償」、あるいは「自宅に戻ることを断念したことに伴う精神的苦痛」、こういったものが認められるのかどうかということでございます。
 それから、3つ目のところは、先ほど避難費用のところで出てきたものと同じでございまして、「避難費用」のうち通常の範囲の生活費増加分は、精神的損害と合算することでよいかということでございます。
 それから、3)でございますが、これは、第3期の精神的損害の具体的な算定に当たっては、以下のとおりとするということで、それぞれ今、区域ごとにア)、イ)、ウ)について、書き方の案がブラケットの中に入ってございます。まず避難指示解除準備区域につきましては、月額○万円を目安とするという書き方、それから、居住制限区域につきましては、これは2つ案が書いてございます。案1は、月額で示すやり方、案2は、一括で目安を示して、解除までの期間が長期化した場合は、帰還困難区域の額を超えない範囲で、期間に応じて追加するというものでございます。それから、帰還困難区域につきましては、一括で目安の額を示すというような書き方を、とりあえずブラケットの中で案として書かせていただいてございます。
 ここにつきましては、論点といたしまして、まず、避難指示解除準備区域でございますが、ここについては、比較的近い将来に解除が見込まれることから、これまでと同様に月単位ということでよいのか。
 それから、次の帰還困難区域につきましては、解除まで少なくとも5年以上という長期間にわたることから、一括金として算定することとしてよいか。
 さらに、同じく帰還困難区域については、これは前回ご議論があったと思いますが、一定の期間帰還できないことから、避難費用の一部と精神的損害にとどまらず、異なる損害項目を一括して賠償すべきか。その場合、それぞれの損害項目、ここは括弧の中に書いてございますが、避難費用から営業損害、就労不能までございますが、そのうち、一括の賠償が可能な損害は何かという論点でございます。
 それから、順番は逆になりますが、居住制限区域についてどう考えるかということで、これは、避難指示解除準備区域のほうに合わせて月額にするのか、むしろ帰還困難区域のほうに近い形で、帰還困難区域よりも少ない額の一括金を算定した上で、解除までの期間が長期化した場合に追加をする。ただし、帰還困難区域の額を超えないようにするというようなことが考えられるか。
 最後から2つ目でございますが、いずれにしても、避難を継続する場合と移住する場合とで、賠償の額や方法等に差を設けないことでよいのかということでございます。
 最後は、以上を踏まえて、それぞれ具体的な額をどうするかということでございます。
 それから、4)でございますが、第3期の損害について、月額を目安に算定する場合には、避難指示等の解除から相当期間経過後に生じた精神的損害は、特段の事情がある場合を除き、賠償の対象とはならない。これは中間指針と同じ考え方をとりあえず書かせていただいております。
 以上が、避難費用、精神的損害でございまして、その次からは、丸3の財物価値の喪失又は減少。これは中間指針では、財物価値の喪失又は減少について、実際に喪失した価値を賠償の対象とすることということでございましたが、ここは2つ書いてございます。
 不動産につきまして、まず1)の、帰還困難区域の不動産についてはどう考えるかということで、前々回、東京電力のほうからもご説明の中にございましたが、当該不動産の価値が本件事故発生直前の時価を基準として100パーセント減少(全損)したものと推認して、事故直前の時価の全額を賠償対象とするという形で書いてございます。
 それから、2つ目でございますが、居住制限区域内の不動産でございますが、これにつきましては、ブラケットが二重にかかってございます。相当期間にわたり使用等ができないことから、当該不動産の価値が、本件事故発生直前の時価を基準として、ブラケットがありますが、ある程度何割という具体的な減少率を推進するのか、あるいは、それはせずに、単に不動産ごとの個別具体的な事情を踏まえて賠償額を算出することが考えられるということにとどめるのか。この2つの書き方が、2つのブラケットで書いてございます。
 ここの論点といたしまして、まず、同じ区域の中でも線量の水準に相当の幅がございます。
 それから、2つ目でございますが、価値の変動する不動産に関して、実際に売買していないものであっても、請求時点で客観的に価値が下落していると評価することができる場合は、請求時点の価値減少分を賠償の対象としてよいかどうかという問題。
 それから、請求時点で除染等によって当該不動産の価値が回復することが見込まれる場合は、その価値回復分を考慮することが考えられるのか。また、その賠償後に、考慮しない場合ですが、不動産の価値が回復した場合、その価値回復分を清算するというようなことは考えられるのかどうかという論点がございます。
 以上が、避難区域に関する3つの損害項目それぞれについての指針のイメージということでございます。

【能見会長】  それでは、ただいまの範囲について、またご議論いただきたいと思いますが、今の説明の中にもありましたように、いろんな損害項目が相互に関連するようなところもございます。避難費用、精神的損害、それから財物価値の喪失・減少による損害などですが、そういう意味で、相互の関連などもあわせてご議論いただければと思います。
 それでは、どなたからでも、ただいまの範囲につきまして、ご意見ございましたらお願いいたします。
 すみません、私がこういうことを聞くのもあれかもしれないけれども、避難指示解除準備区域の定義自体は、ここの問題ではありませんけれども、この定義といいますか、ここに書いてある意味の、例えば、避難指示解除準備区域の意味を確認しておきたいんですが。年間積算線量が20ミリシーベルト以下になることが確実であることが確認された地域というのは、いつまでのタイムスパンの中で、この年間積算線量が20ミリシーベルト以下になるというふうに見るのかという、その時間のスパンですが、これは1年以内にということなんですか。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  そうでございます。年間の積算線量でございます。解除時点で、年間の積算線量が20ミリシーベルト以下と。

【能見会長】  それでは、この3つ、居住制限区域、帰還困難区域の定義は、ここに書いてあるとおりですが、それを前提として、この審査会では損害賠償の在り方を議論せざるを得ないと思いますので。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  すみません、今、ちょっと言い方を間違えました。解除時点ではなくて、区域の設定時点です。

【能見会長】  いずれにせよ、2年後ぐらいには、年間20ミリシーベルトを切るだろうというのではなくて、区域を設定した時点でということですね。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  はい。

【能見会長】  で、1年以内。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  年間の線量です。

【能見会長】  そのときの1年。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  ええ、そこから1年の。

【能見会長】  年間の積算線量ということですね。
 避難費用等についていかがでしょうか。どうぞ。

【高橋委員】  前回も申し上げましたけれども、多分、近く解除が見込まれるような避難指示解除準備区域については、避難費用という形で、今までどおりの考え方を延長してやられるのもいいと思います。しかし、帰還困難区域もしくは居住制限区域について、私は避難という形でお払いするということを続けるのについては、別の考え方をそろそろしたほうがいいのではないかと思っています。そういう意味では、一定期間、2年なら2年、3年なら3年という、新しい生活をお始めになる必要がある、そういう事態に立ち入ったわけですから、それを正面からとらえて、これを一括して、避難と言わずに、そういう新しい生活にかかる費用を一括してお払いする。その場合には、避難費用と精神的損害賠償が項目の対象になると思いますけれども、そういう形で一括してお払いするのも1つの考え方かなと思っています。
 以上です。

【能見会長】  ほかに、関連していかがでしょうか。これは、今、3ページの丸1、1)の3つ目の※印のところに関連するわけですね。
 多少今のお考えをもう少しはっきり理解しておきたいという趣旨でご質問いたしますけれども、1つは、単なる考え方の問題といいますか、避難というよりは、もう生活を再建するための、そういう場所というのか、居所というのか、そういう考え方でいくべきだという考え方の問題と、それから、もうちょっと実質的には、具体的に金額がどうなるかというところにも関係するのかもしれませんし、あるいは支払いの仕方、例えば、避難費用でいくと、今までは毎月毎月支払ってくるという形をとっていますので、それを一括で賠償請求できるようにするというところに最大の目的があるのか、幾つか関係する問題がありそうなんですけれども、高橋委員の場合には、どこら辺に重点が。

【高橋委員】  ですから、個々の実費で毎月毎月お支払いするというやり方がほんとうにいいのかどうか。新しい生活に必要な、新しい住居の確保であるとか、さらには、ふさわしい生活の確保のためにはどれぐらい要るのかということをきちんと考えた上で、一括してお支払いするというのがよろしいのではないかという、2つの意味があると思います。

【能見会長】  ほかに、関連して。野村委員、どうぞ。

【野村委員】  今の高橋委員にちょっと質問したいのですけれども、その一括ということばの意味は、これで一応損害賠償としては全部清算ができて、あと、本人が移住して新しい生活をつくるか、あくまでも仮の住まいとして、いずれは戻れる状況になったときに戻るかというのは、もうそれは本人の自由であって、そのときにいろいろな損害の賠償はもう考えないという趣旨と理解してよろしいのでしょうか。

【高橋委員】  私の場合、移住は考えていませんせした。ここ3年なら3年という話を考えています。

【野村委員】  そうすると、例えば、3年たって、そのときの状況で、また改めて考えるということになるわけですか。

【高橋委員】  移住の話は、やはりまた移住の話で、きちんと考えるべき話だろうと私は思っています。ここの場合は、一応避難費用のお話として、避難費用にかわる新しい生活費用の増加分の話を考えているというふうに、今は考えております。

【草間委員】  ちょっとそれに関連してよろしいでしょうか。

【能見会長】  では、先に草間委員、それから大塚委員。

【草間委員】  その避難と移住を分けて考えたらどうでしょうか。今ここに3つの区域が示されているわけですけれども、避難指示解除準備区域については、避難という形で考え、居住制限区域については、どちらにするかは難しいと思うんですけれども、帰還困難区域については、少なくとも5年以上避難をしていただかなければいけない。避難といったときに、5年以上の避難というのは、通常かなり長いと思う。だから、帰還困難区域については、移住というような形の新たな概念を入れたらどうでしょう。避難という形でやると、例えば、精神的な損害ですと、既に定義されているわけですので。警戒区域については、移住というような概念を1つ入れたらどうかなというのは、私もそれについては賛成です。3つの区域のうちの避難指示解除準備区域については、避難という形で損害賠償していくということになるんだろうなと思います。
 そのときに、避難指示解除に関しては、年間20ミリシーベルトのという形で線量が示されているわけですけれども、線量だけではなく、インフラ等が十分そろったときに解除というような形で考えているわけですよね。インフラといったときに何を考えるか。一番基本的なのは、特にお子さんの学校の問題があるんだろうと思うんですね。インフラの準備状況等が、今この避難指示解除準備区域でどのような形で考えられているかというようなのを、データを示していただければと思います。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  3ページに書いてございますように、具体的にどこで解除されるというよりも、まず、インフラや生活関連サービスがおおむね復旧して、それで、子どもの生活環境を中心とする除染作業も終わった、その段階で、さらに、県、市町村、さらには住民との協議を踏まえた上で、もう解除しても大丈夫だよねということになったら解除しますということでございますので、そういう意味では、解除された時点では、すぐにというのをどれぐらいかというのが多分問題になると思うんですけれども、帰って生活をすることができるという考え方で今やろうとしているということでございます。

【草間委員】  分かりました。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  ただ、そこに書いてございますように、実際、まだ解除されたものがあるわけではございませんので、決め打ちということではなくて、目安とかいう形でする必要はあるのかなということで、今のような書き方になっています。

【能見会長】  では、大塚委員。

【大塚委員】  最初の高橋委員のご意見に賛成なんですけれども。一括の対象はどこまでかという問題はあると思いますが、避難費用と精神的損害になると思っています。
 ただ、宿泊費等をどうするかというのは、ちょっと考えなくてはいけないところで、それは一括にするのか、宿泊費等は別の考え方もあり得ると思っていまして、それはどういうことかと言うと、建物の所有者であれば、財物の、建物の財産の価格賠償のところに宿泊費等が入ってくるのではないかというのが1つございまして、もう一つ、賃借人の場合はどうかということが問題になると思いますけれども、賃借人の場合は、賃料の増加分をいつまで払うかということを考えることになるかと思います。そこは一括してしまうと、しかし、それは、その分額を増やさなければいけないということになると思いますけれども、別にするのであれば、そういう建物の所有者であれば、財物価値のほうに含めることになると思いますし、借家の方であれば、何年か分を家賃の増加分がもしあるとすれば、そこを払うというようなことになるのではないかと思っています。
 ほかにもいろいろありますけれども、とりあえずその点について申し上げます。

【能見会長】  ほかにいかがですか。
 少し細かい問題になって、分かりにくいところがあるかもしれませんけれども、少し整理いたしますと、特に帰還困難区域について考えるほうが分かりやすいと思いますが、ここでの賠償というのは、毎月毎月幾らというのではなくて、一括の賠償をしたらどうかというのが一番中心的なご主張だったと思います。そのねらいは、あるいは人によって微妙に違うかもしれませんが、毎月毎月避難していて、その間かかる費用を賠償するというよりは、いろいろ生活の再建などが必要になってくるだろう、場合によっては移住という形の新しい生活をしなくてはいけない、そういうときに毎月毎月の賠償しかもらえないということになると、なかなか新しい生活も構築することは難しいので、むしろここは一括して賠償するという考え方を導入したらどうかというのが、おそらく基本的な考え方かと思います。
 その上で、少し細かい話になりますけれども、じゃ、一括で賠償するといっても、一体何を、どういう損害を一括で賠償するのか。今まで避難費用とか、精神的損害とか、財物価値の賠償とか、幾つかの項目で損害賠償を考えてきましたが、これらについてすべて一括の賠償――項目上、当然一括賠償というのもあるかもしれませんが、毎月毎月賠償してきた避難費用と精神的損害が一番扱い方が違ってくることになると思いますけれど、これらを一括賠償するのかということですね。財物価値の賠償の場合は、当然、これはむしろ一括賠償なんでしょうけれども、それとの関係で、今、大塚委員から、宿泊費などの賠償は、今まで避難費用ということで賠償してきたわけですが、実費で賠償してくるという扱いをしてきたわけですが、一括で財産的な損害、特に家屋等を所有している方に一括で財産的損害を賠償すると、宿泊費の賠償というのは、その中に含まれることになるので、少なくとも土地・建物の賠償がされた時点以降は、宿泊費という項目はなくなるのではないかというご指摘だったと思います。
 ただ、確認ですけれども、賠償が実際にされるまでは、宿泊費というのは、当然、賠償の対象になるということですね。

【大塚委員】  そうです。

【能見会長】  少し細かい話ですけれども、そのような議論がされてきたところですが、何かさらにつけ加えるべき点があるかどうか。
 今、帰還困難区域について、分かりやすいのでその話をいたしましたけれども、やはり難しいのは、居住制限区域のように、もしかしたら3年ぐらいで戻れるかもしれないし、戻れないかもしれないし、何分不透明なところが大きい、こういうところでの一括賠償という考え方をどうするか。
 ここも、あるいは前回は議論があったかもしれませんが、居住制限区域等の避難されている方でも、戻ることをあきらめて、新しい生活をしたいと考える方も当然おられる可能性があるので、そういう方について、やはり毎月毎月の賠償ではなくて、一括の賠償を認めるというのはあり得る考え方であると。ただし、ここは毎月毎月の賠償でいくべきなのか、一括の賠償でいくべきなのか、あるいは、選択という形でもって、どちらか選べるというようなことが技術的にも可能――これはなかなかテクニカルな問題はいろいろあると思いますが――なのか、そういう点を詰めなくてはいけないのかという気がいたします。
 この点について、何かご意見があれば。では、大塚委員。

【大塚委員】  4ページの3)のイ)のところのお話ということになるのではないかと思って伺っていたんですけど、仮にそうだとしますと、案2のほうがいいかなと思っていまして。選択というのもちょっと考えてもいいかなと思いますけれども、実際上どのぐらい可能なのかということが私にはよく分かりませんので、そこは事務局とかにも伺いたいところでもございますが。一括だとすると、居住制限区域については、解除期間がもしかして長くなることもあるので、その場合には、追加するということが必要ではないかと考えています。
 以上です。

【能見会長】  今、議論が、4ページの3)のところ、イ)の居住制限区域に住居を有する対象者についての精神的損害の賠償ですが、案1というのは、毎月幾ら払うというタイプで、案2というのは、一括で賠償するという考え方です。おそらく金額的には、帰宅困難区域に住居を有する対象者について、一括で幾らという賠償をするとなると、それとの比較で、居住制限区域に住居を有する対象者については、それより少ない――どのぐらいの額になるかは、これから検討することになると思いますけれども――金額が一括の賠償として認められると。
 ただ、これは、5年以内には戻れるという、言い方は正確ではないかもしれませんが、居住制限区域というのは、5年ぐらいの間には戻れるだろうという前提で考えていますので、実際もっと長く、簡単に言えば、5年以上戻れないという状況が続けば、賠償額を増やさなくてはいけないということになります。おそらく賠償額を増やすというときに、大塚委員のご趣旨もそうだと思いますが、帰還困難区域の居住者に、あるいは、そこに住居を有する者に対して賠償した場合の一括賠償の額に合わせるということになるんですかね。

【大塚委員】  合わせるっていうご趣旨がよく分からないですけど。合わせるというのは、対応させて額を決めるというご趣旨ですか。

【能見会長】  対応といいますか、具体的な事例の金額を言うのは、ひとり歩きするから……。

【大塚委員】  もし5年になったらとかいうことですか。

【能見会長】  ええ、そうですね。

【大塚委員】  そういうことになると思います。

【田中委員】  この居住制限区域というのは、どういう住民の方が、一人一人どういう反応をするかが予測がつかないのですが、もう完全にあきらめるといった場合にはどうするかというと、いや、5年以内であれば待つという方と、二通り出てくるような気がするんです。
 待つ場合には、とりあえず2年分払って、また延びたら、その分を払うとかという一括払い方式がいいような気がするのですが、もう一切放棄しますといった場合には、帰還困難区域と同じ扱いができるのか。私はしたほうがいいと思いますが、その辺は少し明確にしていただければと。

【能見会長】  そうですね。
 まさにご指摘のような、居住制限区域に住居を持つ方の選択肢として、もうそこには戻らないというときに、帰還困難区域と同じような賠償を求めることができるかどうかということですね、簡単に言いますと。それとも、帰還困難区域よりは少ない金額しかとりあえずもらえなくて、さらに帰還が延びて、戻れない状況がさらに続いたときに初めて追加分がもらえるというようにするか。そういったご指摘だったと思います。
 どうぞ、中島委員。

【中島委員】  今の田中委員のご意見をさらに広げる考え方なんですが、一括支払いするのであれば、少なくとも避難費用に関しては、帰還困難区域と居住制限区域は同格にすべきではないか。一括支払いする前提としては、もうある程度移住を考えている、あるいは、それに近い考え方だとみなすという考え方も背景にあると思いますので、少なくとも避難費用、すなわち移住費用に関しては、居住制限区域か帰還困難区域では違いはないのではないかと思います。
 ただ、先ほど大塚委員が指摘された4ページのほうは、これは精神的損害ですので、居住制限区域は、まだ帰れるかもしれないという地域ですから、精神損害については、少し差があってもいいかもしれないですが、避難費用あるいは移住費用としての一括支払いということであれば、この居住制限か帰還困難かで金額を分ける必要はないように思います。
 結果的に、早く戻っても、移住費用に変わりはないように思うんですけど。精神損害は違うかもしれませんけれども。同額にしたほうがより実際的ではないかという理由も含めて、そういうふうに考えますが。

【能見会長】  今の場合、避難費用としてお考えになっている損害の中身は、純粋精神的な損害の部分は除くとすると、宿泊費とか、あるいは、さらに別な場所に移動するというときの移動費とか、そういうものですか。

【中島委員】  実際の宿泊費は若干の違いは出るかもしれませんけれども、そこはかなり個別的な差が大きくて、類型化して区別を設けるほどの根拠になるのかどうかがちょっと疑問なんですが。

【野村委員】  よろしいですか。

【能見会長】  どうぞ、野村委員。

【野村委員】  一括支払いで、避難者が他に移住するつもりか、元の住居に戻るつもりかというので、選択ができるというのは、基本的な考え方としてはいいと思うのですけれども、それを金額にどういうふうに反映させるかというのはなかなか難しいと思うのですね。
 例えば、今の中島委員のように、居住制限区域の避難者で他に移住を希望する者に帰還困難区域の人と同じ高い金額を払ったときでも、3年ぐらいでその地域が解除されたということになったときに、幾ら移住したといっても、戻るのは自由ですよね。

【能見会長】  それはそうですよね。

【野村委員】  だから、そうすると、そこでアンバランスに対する不満みたいなものが出てくる可能性があるのではないかと思うんですね。だから、一括賠償するときの算定の基礎というのが、基本的に避難費用の何年か分を積み上げていくようなイメージでいると、居住制限区域の場合には、3年で解除されるのか、5年で解除されるのか、その辺が不確定なので、なかなか難しいのではないかと思います。僕も自分自身の考えがなかなかまとまらないのですけれども。

【能見会長】  今の問題は、おそらく、そもそも毎月払うか一括で払うかという問題と直結していて、居住制限区域について、帰還困難区域の場合ほどではなくても一括賠償するとなると、その金額自体が、予想外に早く居住制限区域の制限が解除された場合に、多すぎることにならないかという問題がやっぱり生じるということですよね。
 それが、さらに居住制限区域において……。これは、移住を選択されるという方の場合は、また別の問題なのかな。しかし、それも含めて、なかなか難しい、いろんな考慮をしなくてはいけないということになります。
 どうぞ、米倉委員。

【米倉委員】  もちろん、この中で、居住制限区域というのが一番人による差が出てくる部分だと思うのですが、帰還困難区域であっても、やはり自分たちは戻りたいんだという意思を持っておられる方もいらっしゃると思うんですよね。そういうことを考えると、私は、このイ)とウ)、居住制限区域と帰還困難区域を単なる線引きだけで決めてしまうというのは、やっぱり非常に難しいのかなというふうに感じています。
 それから、その一方で、このどちらの場合でも、もう新しい生活を始めると言われる方に対しては、やはりある一定の金額をお払いして、新しい生活を始めてもらうというのも、これは選択肢としてあるのではないかなと思います。その金額は非常に難しいというお話ですけれども、その姿勢はやはり必要かなと感じます。

【能見会長】  大塚委員。

【大塚委員】  いろいろなご意見が出てきたと思いますけれども、移住をするかしないかの選択によって額を変えるのはやめたほうがいいとは思っていて、そこは同額にしないと、そこはどうされるかはご自身のご判断ですので、人によって移住するかどうかで変えるというのは、多分やめたほうがいいかなという感じはしています。
 結局、そうした移住の費用をどういうふうに考えるかという問題は残るんですけれども、避難費用としては、宿泊費等がメインだと思うんですけれども、それに何かプラスするかどうかとか、どういうところをプラスしなければいけないかということを検討したほうがいいかと思っていまして、中島委員に伺いたいところでもあるんですが。
 それから、もう一つつけ加えておくと、一括賠償というときに、何を損害項目として考えているかが人によって違っているかもしれなくて、そこが錯綜するとまずいかなと思いました。5ページの3行目、4行目に書いてあるものの中で、精神的損害と避難費用の一部が一括の賠償の対象であると私自身は思っていまして、そこがもし人によってずれていると、議論が錯綜するかと思いました。

【草間委員】  よろしいでしょうか。

【能見会長】  では、先にどうぞ、草間委員。

【草間委員】  私は、帰還困難区域は5年以上ですので、移住というような概念を新たに入れて、避難費用と精神的損害というような形ではなくて、仮に金額を算定するときは、そういったものを参考にするかもしれないんですけれども、別な組み立てで。5年以上の場合には、5年間避難というのは、やっぱり人の生活を考えたときに、なかなか避難という概念とするのは難しいので。
 居住制限区域については、具体的にここに入る方たちってどのくらいなんでしょうね。多分、災害本部がこういった区域を出したときに、この居住制限区域については、いずれにしても5年以内に戻ることを前提にして、決めているんだろうと思うんですね。だから、そういう意味では、もしあまり多くなかったら、一本にしてしまうというよりも、2つに分けるということは技術的にかなり難しいんですか。月額で決める方もいたり、あるいは、もう居住制限区域でも移住したい、新たな生活を始めたいという方については、移住という形で支払ってしまうというのも、1つのアイデアだと思うんですけど。

【能見会長】  それでは、アイデアとしては、前回、あるいは、私は欠席していましたけれども、もう一回前に意見は出てきていると思います。ただ、それは技術的に、賠償の仕方として、うまくそういうのがつくれるかどうかというのは、まだ検討途中で、ほんとうにうまくいくのかどうかよく分からない。ただ、そういう考え方は、おそらく居住制限区域については、選択によって、いろんな人たちがいるので、その人たちの希望に合うように、うまくつくれれば一番望ましいだろうとは思っております。
 大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】  草間委員の最初のほうのことについてちょっと申し上げておきたいんですけど。
 私も、帰還困難区域は、ほんとうに一括でいいというふうに前回もちょっと申し上げてしまったんですが、その後少し考えてみたところ、大きい建物とか土地を持っている人と、そうでない人は、やはり違いがあるし、営業損害についてもやはり違いがあったり、就労不能損害についても違いがあるものですから、ここは一括にはできないというふうに、その後考え直しておりまして、そういう意味で、避難費用と精神的損害だけかと思っておりました。

【能見会長】  ただ、財産的損害の賠償は、宿泊費の問題を入れなければ、どっちみち一括になるしかないのではないですか。

【大塚委員】  ええ。それは、だから、各自一括一律というのか。一括一律というふうにはできないという趣旨です。

【能見会長】  そうですね。
 今、一括ということの意味について、できるだけ共通な理解を得ようということで、いろんな議論が出ておりますけれども、先ほど草間委員が言われて、ほかの委員も賛同はされていると思いますが、帰還困難区域について一括賠償というときに、精神的損害の賠償だけでなくて、避難費用として、大塚委員が言ったように、プラスアルファとして何が入ってくるかよく分かりませんけれども、例えば、宿泊分、あるいは生活費増加分は、慰謝料の中に今まで入れているので、それをプラスアルファ要素にしていいかどうか分かりませんけれども、精神的損害の額プラス何か別な損害の額も含めて一括賠償にするという考え方はあり得ますね。その際、したがって、どういう要素が、あるいは、どういう損害項目がさらにプラスアルファされて、一括賠償の額を構成するのかということを少し明らかにするということが必要になってくるんだろうということでした。
 どうぞ、田中委員。

【田中委員】  今の、多分、一括になるときのお金の算定の仕方のベースなんですけれども、現在は避難費用と精神的損害というのを月々払っていますね。帰還困難区域というのを5年とすると、それを5年分をまとめるという形の一括というのを仮にすれば、そうすると、月々もらうのではなくて、とりあえず一括でもらうことによって、まとまったお金でいろんな生活の選択肢が広がるというようなことで、そんなことをされたらいかがかなというふうに思ってはいるんですけど、大体ベースはそういうことになるんでしょうか。

【能見会長】  微妙に違うのではないかと。仮に毎月毎月幾らぐらいというのを想定して、帰還困難区域というのは、最低でも5年間は戻れないというので、5年分を計算して、それを一括賠償しましょうという考え方をとると、それも1つの出発点としてあり得るんですけれども。ただ、帰還困難区域が実際には5年以上戻れないという人もかなり多く出てくるであろう、相当長い期間戻れない人たちも出てくるので、5年分だけだというと、少し少ないということになる可能性があるんですね。そこで、5年分の計算よりは少し多目に賠償するという方法があり得るだろうかということが、おそらく皆さんの意見の中には少しあって、それを精神的損害プラスアルファの項目で何か考慮できるものはないだろうかと、そんなことが1つ問題点としてあるのではないでしょうか。

【田中委員】  なるほど。

【能見会長】  あと、もう一つは、仮に、最低水準ということになると思いますけれども、帰還困難区域に住居を持っている人については、5年分をとにかく一括賠償するんだと。実際には、しかし、そこの地域はもっと長く戻れないかもしれないし、あるいは戻れるかもしれないし、やはりそこにもいろんな多様性があるので。ただ、審査会は、これも何度もご議論いただいておりますように、私も申し上げていますが、類型化できれば、もちろん類型化しますけど、ある程度一律の基準を設けますので、審査会で示す金額というのは、そういう意味では、やはり最低のというんですか、一応共通の損害ということになるので、帰還困難区域について、慰謝料を一括賠償するといっても、その額を超える慰謝料の額というのが、ADRのほうでもって追加で認めるということは十分あり得るのではないかと思います。
 そういうことで、今のように、追加分はADRのほうで、帰還困難区域と言っても、さらにいろんな状況に違いがあるので、それを考慮して上乗せ分を認めるけれども、審査会としては、共通ので、最低限のことになるかもしれませんが、その賠償を認めるんだという考え方をとるということはあり得るかもしれません。そうすると、さっき5年分よりは少しプラスアルファのものを認めるというような考え方は1つあるということで示しましたけど、そこまで考慮しないでも、もう単純に5年分でいいんだという考え方もあるかもしれませんね。
 なかなか複雑な難しいいろんなことを考慮しなくてはいけない点があるので、議論が一層複雑になっておりますけれども、何かこの際検討しておくべきだという点があれば、追加でもご議論いただければと思います。
 大塚委員。

【大塚委員】  細かいことですけど、先ほど会長がおっしゃった、精神的損害にプラスして何かというのは、先ほどのご議論の中で出てきたものとしては、移住の支度金とか、借家の場合の家賃の増加というのを入れたらいかがと思いました。
 以上です。

【能見会長】  なるほど。
 どうぞ。

【高橋委員】  私は別に、先ほど申しましたように、移住、要するに、戻ってこられない方と、将来的に戻ろうという方について、基本的に差をつけないほうがいいと思います。よって、大塚委員の考え方に賛成でありまして。ただ、5年なら5年という、人生の中でも、特に5年というのは非常に長い期間ですから、その長い期間について新しい生活を余儀なくされることについてのまとまった、いわゆる生活費に対する賠償といいますか、という形でお払いするのが良いと思うということです。
 今までの慰謝料の5年分というのは、横ににらんだ目安にはなると思いますけれども、そこは別の尺度でもう一回はかり直したほうがいいのではないかなと思います。当然、高い低いという比較はあると思いますけれども、個別の項目を積み上げてどうかというのではなくて、そういう視点から、新しい生活を5年間されるだけにふさわしい――財物的な価値とかは、別ですが、そういうものを再スタートされるにふさわしい一括賠償の在り方を考えるのが良いのではないか、と私は思っております。ですから、あんまり細かく算定するのはどうかという疑問をもちます。

【能見会長】  では、非常に端的に伺いますが、5年分積算でいくよりは多くなりそうなんですか、少なくなるというのは、言い方は難しいかもしれませんが。

【高橋委員】  いや、そこは、ですから、例えば、過去の損失補償の実例なども見ながら、損害賠償であるということで、当然上積みになるはずですので、そういうものを過去の実例と比較しながら考えていくべきです。ただ、それにふさわしい資料がまだ出てきておりませんので、そこはまだ分かりません。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  もしあれでしたら、参考資料3に、これは裁判例でございますが、6つぐらい挙げてございますが、一番上は最近の判例でございますが、ダムの亀裂で仮設住宅に移転したケース、それから、あるいは、住宅が、地下壕が崩れて陥没して、市営住宅やマンションに転居した事案、あるいは、擁壁が崩落して別のところに生活をしていたというような幾つか事例が、これは裁判例でございますので、備考のところに、請求額と、それから、実際判決の、これは精神的損害の部分のみでございますが、慰謝料の金額がございますので、参考にしていただければということで用意をさせていただきました。

【能見会長】  どうぞ。

【高橋委員】  すみません。これは、でも、どのくらい期間、居所を移動されるのを余儀なくされたかというところまでは出ていないような気がするのですけど。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  この期間については、実際どれぐらいかというのは必ずしもはっきりしなくて、事故が起こって、それぞれ最終口頭弁論までの金額ということで判例が出ておりますが、ざっと、一番上の1番が、そういう意味では、事故から最終口頭弁論まで、その期間は3年ぐらい。それから、2番目が、これが7年ぐらい。それから、3番目が、大体8年ぐらい。それから、4番目のところは、既に転居するまで6年間にわたりというのが書いてございます。それから、5番目の地滑りは、これはいろんなケースがございまして、1週間から約4年まで、いろいろございます。それから、最後の地滑りは、ちょっと古いのであれですが、これも7~8年ということでございます。

【能見会長】  この資料も、ここで認める慰謝料というものも裁判所が認めるのであれば、どのぐらいのものを認めるかというのをはた目でにらみながら、指針としての額を出すわけですが、ただ、やはりなかなか慰謝料が難しいと思いますのは、1つは、裁判においても、慰謝料というのは、かなり裁判所の裁量――自由にやるというわけではありませんけれども、裁判所の裁量的な権限のもとで行われており、審査会というのは、そういう権限があるわけではないので、先例みたいなものがあれば、それに従いますけれども、なかなか先例がないところでもってどういうふうに決めたらいいかというのが、根本的な問題として1つございます。
 それから、これは、先例といいますか、似たような事例との関係で、私もどういうふうに比較したらいいか十分に経験がなかったんですが、従来の住まいを失って別なところに居住しなくてはいけないというような状況が長く続いたというところで、似ているということなんですけれども、もしかすると、今回の原子力損害の場合との違いの1つとしてというか、原子力損害の場合の1つの大きな特徴として、地滑り等ですと、今までの家屋にはもちろん住めなくなるけれども、おそらくすぐ近くの、どこか今までと同じような環境の、自分の村だったら村の中でもって新しい住居を探すことができるかもしれない、あるいは、そういう場合が多いのかもしれないんですが、帰還困難区域の場合は、もう全く自分の村等には戻れないという状況になりますので、そういう点では、転居を余儀なくされたというときの転居先の遠さというんでしょうか、従来の住んでいるところとの違いというものが非常に大きいということがありますので、そういう要素は、慰謝料の額を決めるときには、やっぱり加算要素として考えるべきではないだろうかということを、今見て思いました。これも、出てくる資料をもう一回精査して、ここではどういう要素が考慮されているか、もう一回検討しなくてはいけないと思いますが、とりあえずちょっと思った次第ですね。
 どうぞ、高橋委員。

【高橋委員】  まさに会長のおっしゃるとおりだと思います。新しい生活をつくり出すという意味では、確かに、今おっしゃるように、地滑りとは大分違います。あと、これも損害賠償事案ですけれども、そういった意味では、こういう事例を横目ににらんで、多少の上乗せというのはあり得るのではないかと思いました。

【能見会長】  田中委員、どうぞ。

【田中委員】  一括ということで、移住ということが中心に議論されているのですが、今回の場合、帰還困難区域といえども、いずれは線量が下がった時点で戻れるようにするということが、多分、1つの政策の方針だと私は理解しているんですね。ですから、そうすると、仮に5年後に戻るということで、ずっと避難して待つという場合には、やっぱり避難費用とか精神的損害というのはかかるわけで、それが幾らになるか分かりませんけれども、それが維持できない、一括払いだと低くなるというのでは、多分、おさまらないのではないかという気がするので、そこは、そういう避難して5年間待つというところの費用が多分ミニマムのような気がするのですが。

【能見会長】  重要なご指摘だと思います。計算上、毎月幾らぐらいというのから出発して計算していったときに、それで5年分の慰謝料なり損害賠償の額を下回るということはない。

【田中委員】  ええ。

【能見会長】  選択によって金額が違ってくるというのも、なかなか適当かどうか難しい問題があるので、できれば、どちらでいっても同じような金額になるというのが一番望ましいのではないかというふうには思いますけれども。これも、技術的にそういうのがうまくできるのか、それはさらにもうちょっと検討したいと思います。基本的な考え方として、今の田中委員のようなご指摘は重要かと思います。

【野村委員】  その一括の賠償の金額の中に、営業損害とか就労不能というのを含ませるとすると、移住の場合だと、かなり違った考え方になり得ると思います。ただ、ここで、この2つについては、多分、金額は示せないですよね。

【能見会長】  そうですね。

【野村委員】  だから、除かざるを得ないということなのですけれども。多分、まとまったお金が欲しいということであれば、ほんとうは営業損害とか就労不能についてもある程度の金額をまとめて払ってもらうというほうが、生活を再編成するには多分プラスになると思いますね。ただ、金額はもちろん指針では示せないので、基本的な考え方、すなわち、そういう一括賠償が可能なような考え方をうまく示せれば、ほんとうは一番いいのかなと思うんですね。
 ただ、今やっている仕事はもうやめて、新しい仕事をするというときに、従来の死亡事故の逸失利益みたいな計算で、平均寿命で計算するというようなわけにはおそらくいかないと思うので、その辺の考え方がなかなか難しいのではないかなと思うのです。

【能見会長】  就労不能と営業損害については、また後でもう一回議論したいと思いますけれども。
 例えば雇われていた人、そういう意味では、就労、その職を失ったということによる損害、これはもちろん賠償の対象になっておりますけれども、これは、帰還困難区域であるから一括賠償するということに直ちに直結する問題なのか、そこに商店みたいなものを持っていた人が戻れないということになると、これはもう戻れないということを前提にして一括賠償――この場合ですと営業損害ですけど――を認めるということになるんでしょうけれども、就労不能の場合には、常にどこかで働くという可能性は存在していて、そうすると、就労不能損害の終期というのを、一体いつごろまでそういう就労不能損害というのを賠償するのかという問題の中に吸収されるような気もする。帰還困難区域だからといって、特別扱いになるのか、ならないのか、その点、まだ十分私も詰めていませんけれども、そんなことを考えなくてはいけないのかなというふうに思いました。
 ただ、精神的損害の問題とは一緒にしないで、とりあえずは精神的損害、あるいは避難費用について、仮に一括賠償するんだとすれば、どういう賠償をしたらいいのかということに限定したほうが、問題が比較的分かりやすくなりますので、できればそうした上で、営業損害、就労不能損害についても考えていくということでいかがでしょうか。

【野村委員】  はい。

【能見会長】  かなり問題は、今いろんな考え方をご議論いただきましたが、幾つかまだご議論いただいていないものとしては、3ページの避難指示等が解除された後の相当な期間の問題、それから、仮に相当な期間というのがどこかで設定されるとすると、相当期間内に早く戻ってくる人、それから、戻るのが少し遅い人、そういう人たちによって賠償の中身などが違うことになるのか、あるいは同じようにそろえたほうがいいのか。政策的には確かにそろえたほうがいいということなんでしょうけれども、ここは、前にも申し上げましたが、政策はもちろん考慮はいたしますけれども、損害賠償として説明できるかということが重要ですので、そういう観点からどういう考え方ができるかということについても、ご意見を少し伺わせてもらえたらと思います。
 今までも皆さんは、早期に帰還した者と帰還が遅れた人との間で、賠償に差はないほうがよろしいということで今まで議論はされてまいりました。あと、どういう理屈づけをするか、どういうふうに説明するかということだけの問題かもしれませんので、そこは任せるということなのかもしれませんが、もし何かご意見があれば、もう一度伺っておきたいと思いますが。
 3ページの丸2のちょっと上の※印のところでは、考え方として2つほど書いてあって、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、先ほど説明の中ではそういうふうに説明してもらいましたが、早期に帰還した者に関しては、実際にいつ帰還したかどうかを客観的に認定することが困難であるということを理由に、一律に賠償する。早く戻った人も、遅れた人も、同じように賠償するというふうにするか、あるいは、早期に帰還した者については、避難費用の賠償ということは論理的には考えられないので、そこで、ちょっと別な考え方を持ち込んできて、例えば、早く戻った人はそれなりに苦労が多いだろうということで、そういう生活の不便とかいう考え方を持ち込んで、賠償を認めるということで、避難を続けている人と早期に帰還した人との間で、結果的には賠償の額についての差を設けない、そんな考え方が一応ここには2つほど考えられ、示してありますけれども、何かご意見があれば。
 大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】  あまり大したことは申し上げられないんですけれども、前者のほうで仮に考えてみた場合ですけど、この「解除後相当期間」までは一律に払うということを仮に考えてみた場合ですが、今の中間指針でも、大量の請求を迅速に処理するために合理的な算定方法を用いるというのはありますので、それとは多少違うんですけれども、もし解除後相当期間というのがそれほど長くないのであれば、大量処理のために、被害者の利益になるように、後ろでそろえるというような、相当期間たったところでそろえるというような考え方はとり得るのかなと思いました。

【能見会長】  分かりました。
 それでは、特にご意見がなければ、今まで出てきた意見をもう一回整理し、ただいまの大塚委員の意見も含めて、検討してみたいと思います。
 大体議論したと思いますけれど、これ、何か落としたのはありますか。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  大丈夫だと思います。

【能見会長】  大丈夫でしょうか。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  はい。

【能見会長】  それでは、財物価値の喪失とか、5ページですか、これはまだご議論いただいていませんが。今回少し整理して書いてあるのは、5ページの丸3の財物価値の喪失又は減少のところの1)のところは、大体こういうものだったと思いますが、2)のところで、こんな考え方を、皆さんのご意見の中に出てきたものを少しまとめてはみました。しかしながら、この○割減少したものというふうに推認するかというところも、線量が違うということがあって、なかなか難しそうな気もするので、どうしたものかといったところが問題点の1つかと思います。
 これも何かもしご意見があれば。大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】  ここに書いてあること、疑問点になろうと書いてあるところとは関係なくて申しわけないんですけれども。
 事故発生直前の時価を基準にするというところですが、これは、例えば、普通の自動車で事故に遭って、買ってから2年ぐらいの自動車で事故に遭った場合に、この時価というのは、2年後中古の車の時価ということになりますけれども、同時に、それは、ほとんど同じ車種の2年物の車を買うのと同じ額ということになって、大体それで調達できるということになるかと思いますけれども、古い建物の場合、時価はそれほど高くなくて、だれもそこに新しく住もうとは、市場価値としては思わないけれども、そこに今まで住んでいた方は、ずっと平穏にというか、快適に居住できるというような場合もあって、再調達価格という考え方を入れないと、この時価というのが非常に低くなってしまうと問題があるのかなと思っていまして。この時価の判断基準ということだと思うんですけれども、同程度の建物を、もちろん中古でということですけれども、再調達できる程度の価格というふうにしないと、二束三文になってしまう可能性が高いかなと思っていまして。そういう古い建物にあまり人が住もうと思わないかと思うものですから、そういうことは注意しておいたほうがいいかと思いました。

【能見会長】  分かりました。単に交換価値というか、売却の価格ではなくて、再調達の価格というのも考慮したほうがいいのではないか。

【大塚委員】  はい。

【能見会長】  これは、私も不勉強で、そこまで勉強していませんけれども、損害賠償の一般理論でも言えることですか。それとも。

【大塚委員】  あまりちゃんと議論していないような気がするんですけれども、今の車のような例だったら、ほとんど同じ額で再調達できるというのが基本になっているのではないかと思うんですけれども。むしろ先生にお伺いしたような話で申しわけありませんが。

【野村委員】  車はちょっと違うと思います。

【能見会長】  どうぞ、野村委員。

【野村委員】  多分、車は全損になってしまえば、中古市場が存在するので、実質的に、再調達価格なっていると思うのですけれども、普通は修理して使っていることが多いわけですよね。そうすると、修理の費用は払われるけれども、一たん事故に遭った車というのは価値が下がっていますから、その部分は、多分、普通は賠償されていないのではないかと思います。

【大塚委員】  これは全損ですから。全損の話をしています。

【野村委員】  これは全損と考えるということですか。

【大塚委員】  いや、全損と書いてありますから。全損の話をしています。

【能見会長】  野村委員が言われたのも一般論としてもちろんあるんですけれども、そのものの価値を賠償するというときに、どういう基準で賠償するかというときに、再調達価格という考え方があるんですかという問題ですね。私も不勉強であんまり。
 中島委員、どうぞ。

【中島委員】  中古車ですと、中古車市場という市場が存在するので、再調達価格というのは計算の資料はあるんですけど、実際は、例えば市場が存在しないもの、あるいは特定性が強くて再調達という観念をなかなか入れにくい、不動産なんていうのは、特に中古の家はそういうことがあるかもしれませんけど、そういう場合は、考えは再調達なんでしょうけれど、実際の計算方法をどうするかは非常に難しいと思うんですが、そこではやっぱり収益性を積算して現在価値で引き直すという、収益還元法的な手法を入れざるを得ないのではないか。特に、それはまた収益性を幾らと見るかによるんですけど。
 具体例でありますと、例えば、農地なんていうのは、取引が制限されていますけれども、その収益性をどう見るかですけど、そこに補助金も収益と見るかどうかという問題がありますが、そういう収益を足した分の何年分という計算によらざるを得ないのではないか。問題は、そのとき中間利息を何パーセント引くかとか、技術的な問題はありますけれども、そういう観点を入れざるを得ないのではないかなと思います。

【能見会長】  分かりました。
 いずれにせよ、ここでは価格というときに、その価格をどう考えるかという問題で、大塚委員の問題提起から始まりましたように、単なるそれの交換価値という売却価格、それがもちろん一般的な考え方ではあります。それを基準にするというのは一般的な考え方ですけれども、そういう交換価値が非常に低いものであっても、そこに住んでいる人にとってはそれなりに利用価値があるといいましょうか、ある意味で主観的な利用価値みたいなのを考慮するということなんですかね。いずれにせよ、そういう点も考慮して、この価格についてどういう考え方があり得るかをもうちょっと検討しろということかと思いますので、少し調べた上で、さらに検討したいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、ほかになければ、次の……。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  6ページからの。

【能見会長】  6ページからのがね。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  6ページの旧緊急時避難準備区域と、7ページの特定避難勧奨地点について説明をさせていただきます。
 まず旧緊急時避難準備区域でございますが、昨年の9月30日に解除してございます。そこで、避難費用のほうは丸1でございますが、引き続き中間指針で示した算定方法でとするということで、そこに記載してございます。
 それから、問題は、次にございます、解除後の相当期間を、ブラケットで囲ってございますが、【本年○月末とする。】というようなことになってございますが、これを具体的にいつまでとするかというのが、1つ目の※印でございます。
 それから、2つ目の※印といたしましては、先ほどの早期帰還者の問題と同じでございますが、こちらのほうは既に昨年の9月30日に解除されてございますので、もう既に数カ月が経過している中でどう考えるかという問題ではないかと思います。
 それから、精神的損害につきまして、この区域見直し後と申しますか、第3期の損害額を具体的に月額幾らにするかという問題がございますが、1つ目の※印で書いてございますように、既に解除がされており、「いつ戻れるか分からないという不安な状態が続くことによる精神的苦痛」については他の区域と異なるということをどう考えるかということではないかと思います。
 それから、7ページの特定避難勧奨地点でございますが、特定避難勧奨地点につきましては、まず前回、田中委員からご質問がございましたが、これにつきましては原子力災害対策本部のほうに確認をしてございまして、今後の解除の見通しでございますが、今後、1年間の積算線量が20ミリシーベルトを下回る水準まで線量が下がっていることが確認できた場合は、県、市町村と協議を行った上で、解除をするという方針であるというふうに伺ってございます。さらには、実際解除のタイミングでございますが、これから3月末を目指して避難区域の見直しが行われるわけでございますが、その後、順次、この特定避難勧奨地点の解除について検討するということと聞いてございます。
 この特定避難勧奨地点につきましても、避難費用につきまして、まず当面は、ブラケットで囲ってございますが、【引き続き中間指針で示したとおりとする。】ということで、とりあえず今書いてございます。
 それから、2つ目につきまして、これは解除後の「相当期間」でございますが、これをどうするかということでございまして、1つ目の※印にございますように、これは比較的狭い地区を対象としておりますので、広範囲にインフラ等に支障が生じているわけではないということも考慮した上で、相当期間を決めるということではないかと思ってございます。
 ここにつきましても、相当期間前に早期に帰還した者の問題はございます。
 それから、精神的損害につきまして、まず算定方法は、【引き続き中間指針で示したとおりとする。】ということで、ブラケットで書いてございます。
 さらには、損害額について、【一人月額○万円を目安とする。】ということでございますが、ここにつきましても、比較的狭い地区が対象であり、広範囲にインフラ等に支障が生じているわけはないことをどう考えるかというのが、同じことがあるということでございます。
 とりあえず、この2つの避難区域、地点について、以上でございます。

【能見会長】  それでは、今のところでご議論いただきたいと思いますが。
 この相当な期間については何回かご議論いただいておりまして、皆様もご意見は今までいただいていますけれども、さらにつけ加える点があればお願いしたいということでございます。
 ここでも、インフラなどの復旧というのがどの程度ほんとうに行われているのかということがもちろん一番重要な問題であり、そういうものが復旧している、あるいは復旧することが確実であるというところが、おそらく1つの期間を考える基本的な視点だということになるかと思います。それと、各市町村庁等においてばらばらに考えるのか、それとも、ある程度共通に考えることもできるのか。
 これも今までご議論いただいたところでございます。ただ、比較的、その相当な期間というのを長目にとれたというんでしょうか、長目というのはどのぐらいの長さか、これは人によってまた違ってくるところでありますが、長目にとるならば一律といいますか、大体この辺ならばインフラが整っているということが見込まれるだろうという期間を考えることもできるだろうというようなご意見もいただいたところです。
 今日は具体的にいつまでということまではお決めいただく必要はないかもしれませんけれども、何か考え方が、あるいは考慮すべき点があれば、ご議論いただけると思います。
 中島委員。

【中島委員】  ちょっと前提に誤解があるかもしれないんですが、この特定避難勧奨地点、ホットスポットですね。この地点の解除に当たっても、3ページにあるような慎重な手続、すなわち、除染作業が十分に進捗した段階で、住民との協議を踏まえて解除されるという手続が踏まれるということでしょうか。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  はい、そのように聞いてございます。その前に、まず1年間の積算線量が20ミリシーベルトを下回るということを確認して、それから、県、市町村と協議を行った上で、実際に解除を行うということだそうです。

【中島委員】  そうだとすると、やはりその相当期間の単位、対象となる地域は、その手続を踏んだ単位というか、市町村の単位にならざるを得ない?

【田口原子力損害賠償対策室次長】  すみません、よろしいですか。
 市町村というよりも、これは地点数が全部で260地点ということでございまして、市町村単位というよりは、それぞれ個別の住宅単位で指定をされてございますので。ただし、解除するときは、当該市町村とも協議をするということでございます。

【能見会長】  今、中島委員は、特定避難勧奨地点に限定してのお話だったんですか。

【中島委員】  はい。

【能見会長】  それだと、今の理屈になるかと思いますね。

【中島委員】  はい。

【能見会長】  あと、皆さん、まだ十分そこまで議論するだけの説明が行われていないということで、ご発言がまだ多くはないかもしれませんが、具体的に第3期の損害額をどのぐらいにするかということについても、いろんな論点があるかと思います。仮に、これは緊急時避難準備区域なわけですが、今まで中間指針としては、第2期の額が月額5万円で、ADR等によって5万円加算されている状態がございます。ただ、この緊急時避難準備区域については、解除がされて、相当な期間をどうするかというのが現在問題となっているところですので、そういうところにおいてはどういう金額を考えたらいいのかという論点でございますね。
 これも、ただ可能性として幾つかの考え方だけ挙げますと、いや、ここもADRのを取り込んで、5万プラス5万、10万でいくべきだというのが1つの端にあり、それに対して、いや、これは、この区域の指定が解除された相当な期間が問題となっている状況で、戻ることがもう前提になっているわけですから、そういう意味では、5万プラス5万ではなくて、5万円でいいのではないかという考え方。あるいは、さらに少ない金額というものももちろん考えられなくはなくて、これはほんとうに1年以内ぐらいに戻ることが考えられている地域なので、さらに少なくするという考え方もあるかもしれません。そういう意味で、この損害、月額幾らにするかという点についても、具体的な金額というよりは、考え方があれば、ご議論いただければと思います。

【高橋委員】  最後の会長のおっしゃったADRのところをどう見るかで、やっぱり大分違ってくるのかなという気がします。

【能見会長】  そうですね。

【高橋委員】  1つの考え方は、ADRを踏まえて実質見るのか、それとも、やはり審査会の考え方は考え方として、プラスアルファの部分は、それは当事者の合意というふうな形で見るのかということはあると思います。私は、その話を抜けば、ここは、ペーパーに書いてありますように、既に実際上解除されていて、不安という点でも、著しく軽減されている部分があるので、そこの部分は減額するのが論理的な筋である、と思っています。
 以上です。

【能見会長】  はい。
 先ほど意見が出なかったので、私からも特に発言いたしませんでしたが、実は、4ページの居住制限区域に住居を有する対象者について、月額で考えていくという第1案になりますと、ここでも幾らにするかという問題があって、そちらのほうですと、この旧緊急時避難準備区域とはやはり違って、まだ相当な期間戻れない、場合によってはかなり長期に戻れないということがありますので、ここは状況があんまり変わっていないという意味で、こちらについても、中間指針では5万でしたけれども、ADRの考え方をいわば取り込む形で、10万で考えるというのが選択肢としてはあるところですね。しかし、それと比較すると、今、高橋委員がおっしゃった6ページのところは、戻れることが前提となっているので、そこまでしなくていいかもしれないという考え方だと思います。
 どうぞ、大塚委員。

【大塚委員】  高橋委員のおっしゃったのと結論は同じですが、居住制限区域については、センターのほうの、不安がむしろ増すとかということも、もし解除がまだ全然分からないという状況だと、あると思いますので、10万でいいと思うんですけれども、今の緊急時避難準備区域については、もう解除されることが明らかになっていますし、あと、避難指示解除準備区域をどうするかというのはちょっと考えなくてはいけないと思うんですけれども、解除されることがもう明らかになっていて、それに伴う不安というのが減っているという点は考慮してもいいのかなと思います。そうしないと、公平という観点からはなかなか難しいことになるのかなという感じはいたします。

【能見会長】  今のは避難指示解除準備区域の話ですね。

【大塚委員】  緊急時も両方です。

【能見会長】  緊急時も同じですけど。

【大塚委員】  避難指示解除準備区域を緊急時避難準備区域と全く同じ額にするかどうかは、ちょっと検討していただいたほうがいいと思いますが、ここは、どういう状況の違いがあるかも、少し事務局にお伺いしたいところもあるんですけれども。

【能見会長】  今、回答を求めますか。

【大塚委員】  では、お願いします。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  今の状況について申しますと、避難指示解除準備区域は、まだ警戒区域の中にございますので、完全に立ち入れない状態になっていると。
 それから、緊急時避難準備区域については、もともと子どもとか、避難することが大変な方以外は、避難を必ずしも求められていないため、滞在している方もいらっしゃるという状況で、しかも、区域への出入りは自由になっている。さらに、避難指示ももう既に解除されているという状況でございます。

【大塚委員】  避難指示解除準備区域は、解除の見込みというのをちょっと詳しくお伺いしたかったんですけど。避難指示解除準備区域の解除の見込みについて、ちょっとお伺いしたかったんですか。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  見通しそのものについて、今ここで申し上げられません。考え方といたしましては、前に書きましたように、もう既に避難指示解除準備区域になった時点で、20ミリシーベルト/年を下回っておりますので、あと、そこからインフラ復旧なり、あるいは学校等の除染、それをして、自治体、住民と協議した上で解除するという段階でございます。
 したがって、緊急時避難準備区域の場合は、まず解除してからインフラの整備なんかをしていましたので、単に解除のタイミングだけで状況の違いを判断するのはできませんが、ただ、緊急時避難準備区域は、もともと指定された段階から出入りが自由であったのに対して、避難指示解除準備区域のほうは、まだ今、現時点も基本的に警戒区域の中にあるので、立ち入り等もできないという状況になっているということです。

【大塚委員】  分かりました。

【能見会長】  ここはとにかくまだ戻っていない状況なので、抽象的には、インフラが整備されて、かつ、県、市町村、住民との十分な協議を踏まえて、具体的な避難指示が解除されるということにはなってはおりますけれども、とにかく、よく分からないところはまだ多々あると。早晩戻れることにはなってはいるけれども、そういう意味では、戻れるという点だけをとらえると、避難指示解除準備区域と旧緊急時避難準備区域とは似たところはあるけれども、ほんとうに同じかどうかというのはよく分からないところがあるということですよね。それはもうちょっと検討した上で、月額幾らにするかということも考えたほうがいいということだと思います。
 それでは、ほかにご意見がなければ、次の項目、営業損害以下ですか。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  7ページの下のところでございますが、丸1の営業損害と、その次の8ページの丸2の就労不能等に伴う損害ということでございます。ここにつきましては、指針の書き方の案のようなものを、ブラケットがもう全体にかかってございますが、書いてありますので、読ませていただきます。

 【本件事故により避難等を余儀なくされた事業者への影響等にかんがみれば、少なくとも現時点で具体的な目安を示すことは困難であり、当面は、個々の事情に応じて合理的に判定することが適当である。その際には、基本的には対象者が従来と同じ又は同等の営業活動を営むことが可能となった日を終期とすることが合理的であること、一方、被害者の側においても、本件事故により生じた損害を可能な限り回避し又は減少させる措置をとることが期待されていること、一般的には事業拠点の移転や転業等の可能性があることから賠償対象となるべき期間には一定の限度があることや、例えば土地収用における損失補償基準を参考にすることも考えられるが、本件事故とは異なる面もあること等に留意するものとする。】ということで、ここに書いてありますのは、やはり今、現時点で営業損害の終期を決めるのはかなり無理があるというか、今までのご議論も踏まえますと、難しいということなので、さはさりながら、終期は存在するんだということは明記をしておくということになってございまして、※印のところに、これでよいのか、この他に現時点で示すべき考え方はあるのかということになってございます。
 それから、2つ目、2)でございますが、これは臨時の営業等の収入を控除するかどうかという問題でございますが、ここについてもブラケットで書いてございますが、【早期に転業・転職や臨時の営業・就労する等特別の努力を行った者については、かかる特別の努力で得た利益は一定程度損害額から控除しないなど柔軟な対応が求められる。】というような考え方でよろしいか。あるいは、さらに、「特別の努力」や「柔軟な対応」の具体的内容、例えば、損害額から控除しない場合を特定する、あるいは、その期間、金額など、こういったものを指針で示すことが可能かどうかという論点でございます。
 それから、次の丸2の就労不能に伴う損害も、基本的には先ほどの営業損害と同じことが書いてあるのが案2でございまして、案1のほうは、就労不能のほうが一般的に終期が短いと考えられますので、例えば、【原則として、本件事故発生から○年とする。】というふうに書くというのが案1、それから、営業損害と同様に書くというのが案2になってございます。それが9ページの上の※印に書いてございますが、土地収用における損失補償基準等の例を見ても、営業損害に比べれば終期は短いこと等から、現時点で具体的な目安を示すことができるのかどうかということでございます。
 それから、2つ目の臨時の就労等の控除については、先ほどの営業損害と同じような表現になってございますが、その考え方でよいのか。さらに、営業損害と同様に、具体的な内容として示すものがあるかどうかというのを、論点として挙げてございます。
 以上です。

【能見会長】  それでは、ここについてご議論いただきたいと思いますが。
 終期があるということについては、一応そういうものがあるんだということは、やっぱり書かざるを得ないのかなという気がいたしました。就労不能のほうが分かりやすいので、どちらが分かりやすいか、人によって違うかもしれません、私にとっては、就労不能のほうが分かりやすいので、それを例にして説明いたしますと、交通事故などで後遺症が残ったりするのとは違って、就労のチャンスがあれば、そこで働くということがやはり期待されるので、そういう意味では、事故時の仕事が失われたということで、永久に就労不能による損害の賠償は請求できるというものではない、どこかにやっぱり終期というのがある。
 ただ、その終期というのをどういう基準で、どういうふうに考えたらいいかというのが難しい問題で、私が難しいと思うのは、前回も申し上げましたけれども、今回の事故というのは、非常に広範にわたって放射能汚染等によって仕事が失われているという状態があるので、同じような地域において、つまり、新しい仕事を探すにしても、東京とか大阪に行けというのであれば、これは幾らでも仕事はあるのかもしれないけど、そういうことを理由として終期を決めるというのはやはり適当ではないだろう。やはり少なくとも福島県ぐらいですかね。自分の住んでいる、あるいは仕事をしていたのと似たような環境のもとでの就労可能性というのを考えなくてはいけないのではないかというふうに、個人的には思います。
 そのためには、やっぱりもう少し就労の可能性というのはどういう状況になっているかというのをちょっと調べたほうがいいのではないかという気もして、これも私の個人的な意見ですけれども、そういうのを踏まえた上で、例えば、8ページに書いてある案1であれば、原則として何年とかいうのも考えるし、あるいは、第2案についても検討するというほうがいいのではないかと思いますが。私の意見でございます。
 ほかに何かご意見があれば。大塚委員。

【大塚委員】  質問とかもあったので、最初に申し上げさせていただこうと思ったんですけれども。
 これは、まず考え方として、終期という言い方をするのが適当かなと個人的には思っているんですけれども。むしろ何年と推定するとか、そういう考え方をとれないかなとも思っていまして。だから、もちろん反証があれば、それより長くということもあると思いますし、短くということもあるかもしれませんけれども、終期という言い方は、必ずしもなじまないのかなという気がしています。それが1点です。
 それから、例えば、案1で、仮に原則として何年とした場合に、例は多分非常に少ないんだと思うんですけれども、同じ仕事にもう戻っていらっしゃる方が仮にいるとして、その方については、これはどういうふうに扱うのかなというのがよく分からなくて。「何年」と書いたら、それは、例えば、仮に半年でもとに戻られても、何年分はもう払うという、そういう考え方も十分あり得ると思いますので、そういうことも含んでのことかというのがお伺いしたい点です。
 それから、もう一つ、先ほど野村委員のおっしゃったことともちょっと関係するんですけれども、帰還困難区域の方について、何か特別のことを考えておいたほうがいいかどうかというのは、ちょっと考えたほうがいいかなと思っていまして、帰還困難区域の方について、ほかの居住制限区域等々の方と同じように考えたほうがいいのかどうかというのは、ちょっと検討が必要かなと思いました。
 それから、もう一つ、先ほど会長がおっしゃったのと同じように、もし案1のようなことを考えるのであれば、もうちょっと調べたほうがいいと思っていまして、例えば、業種とか、地域とか、企業の規模とか、その事業自体の再開の可能性がどうかとか、そういう幾つかの要素でデータを調べていただいて、数字を出すようなことを考えたほうがいいかと思います。これは事務局に大変なことを申し上げているのかもしれなくて、すみませんが、そのように感じました。
 以上です。

【能見会長】  今の大塚委員のご発言の中の、原則として何年として定めたときに、それ以前に戻っている場合はどうかというのは、これは、そのちょっと前にある、現在の文章で言えば、「特別の努力」で得た利益に関連する問題なのではないでしょうか。
 例えば、仮に事故発生から2年とか3年とか期間が定められているけど、非常に早く、6カ月ぐらいで戻れる状況の場合、そこで仕事をしたいというのは、相当大変な困難な状況のもとで努力したということが言えれば、それは控除しないということになって、したがって、何年というところまで――それが続くかどうか、1つの問題ですけど、一応そこまで認めるということになるのではないかと思いました。

【大塚委員】  はい。

【能見会長】  それと、もう一つ、何でしたっけ。

【大塚委員】  推定ということはどうかという話と、あと、帰還困難区域のところをどう扱うかという問題です。

【能見会長】  それは、私もどういうふうにしたらいいか、考えがよくまとまっておりませんけれども、何か少し考え方の示唆をいただければ。特別に扱うというのは、どういうふうに特別に扱ったらいいかということについて、何かお考えはありますか。

【大塚委員】  この就労の損害の期間というのがどのぐらいが相場かというのは、私、よく分からないものですから、一概に言えないんですけれども、かなり長目の期間をとることがもし可能だとすれば、帰還困難区域も、しかし、これも全員というわけではないので、先ほど田中委員のご意見等もあったので、よく考えないといけないと思ってはいるんですけど。帰還困難区域の方のほうが、むしろ就労不能損害も一括して払ったほうが――何年か分ということで、かなり長目のほうがいいと私は思っていますけれども、払ったほうが、新しく移住して仕事につかれるときには、むしろご本人にとっていいかなという、先ほど野村委員がおっしゃったような考え方もあるかなと思いました。

【能見会長】  終期が非常に長い場合に、毎月毎月、こっちは就労不能は年ごとにいくんですかね。ちょっとはっきりしませんが。いずれにせよ、終期が非常に長いときに、一定期間ごとに就労不能損害を賠償するよりは、一括に賠償したらということですよね。

【大塚委員】  はい。

【能見会長】  少し検討させてください。
 ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。

【中島委員】  営業損害や就労不能損害については、観念的に終期が必要だということは、そのとおりだと思うんですが。特に福島の市長さんの発言では、終期がないと、働かないほうが得じゃないかということになって、いわばモラルハザードのような指摘もありましたので、観念的には終期というものを観念する必要があるとは思うんですが。
 しかし、他方、先ほどの避難指示区域の解除に当たっては、インフラや除染作業、住民の意見を聞いてから解除し、そこから相当期間は補償する。こういうかなり慎重な手続が踏まれるのに対して、営業損害と就労不能損害については、この慎重な手続の保証がないというか、そういう意味では、会長おっしゃるように、調査するなりすることを前提にして、やはり案2のような考えにならざるを得ないのではないかなと思います。

【能見会長】  どうもありがとうございました。
 ほかによろしいですか。
 それでは、ただいま出てきたような意見をもとにして、もうちょっと案を練りたいと思います。

【高橋委員】  すみません。

【能見会長】  どうぞ。

【高橋委員】  1点、やっぱり特別な努力というのが、私はかなりハードルが高いような気がしています。こういう状態で早期に転業したり臨時に営業すること自体、かなり一生懸命努力されていることの結果なのですから、「特別な」というのではなくて、「等の努力をする」ということでいいという気がしております。個人的な意見です。

【能見会長】  分かりました。私も気持ちとしてはそうなんですけど、何か適切な言葉があればなというふうに思っているところであります。では、これも少し検討させていただければと思います。
 ほかに、この項目についてよろしいでしょうか。
 それでは、最後の、自主的避難等に係る損害についての説明をお願いします。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  9ページ、まず第3の、自主的避難等に係る損害でございます。これは論点だけ3つ書いてございます。
 まず1つ目のところは、ステップ2が終了し、さらに、避難指示解除のプロセスが進みつつある中で、本年1月以降の損害の有無及び額をどのように考えるかというのが1つ目。
 それから、2つ目につきましては、賠償対象とする場合、その範囲とかを指針で示すことが可能かどうかという話。
 それから、3つ目につきましては、これは先ほどの避難区域の住民が帰還後、帰還場所によっては同じ問題として扱えるかどうかということでございます。
 前回、高橋委員のほうからございました宿題として、参考2に放射線量のデータ、短期間でございましたので限りがございますが、一応説明させていただきますと、まず1ページ目と2ページ目のところには、これは福島県の災害対策本部が発表してございます。これは自主的避難等対象区域ですので、これは一番後ろに地図がございますが、この青い区域の範囲の内側ということで出ているデータを書いてございます。これは縦に、3月31日から、それぞれ月末のデータをとってございまして、2月だけは2月16日のデータということになってございますが、それぞれ市町村別に分けてございます。これを見ますと、それぞれ3月31日、あるいは8月とか9月に比べますと、線量はおおむね下がっておりますが、逆に、あまり下がっていないところもございますし、あるいは高いところ、低いところというのがいろいろ様々ございます。それは、同じ市でも高い低いがございますし、市町村ごとに大分違うというのもあるというのが1ページ、2ページでございます。
 それで、3ページ目でございますが、3ページ目は、自主的避難等対象区域と、あと、その内側にあります、既に解除されてございます旧緊急時避難準備区域の市町村のデータを、これは8月~9月の時点のデータと2月22日の時点、8月~9月はメッシュ調査をやっているので点数が多いんですが、9月~10月は若干データの点数が少ないところもございますが、それぞれ左側に8月~9月の線量の上位10点、下位10点、それから、右側に、2月22日の時点の上位10点、下位10点をとってございます。これで、左側と右側で当然下がっておるわけでございますが、それぞれの市内でも、高いところ、低いところ、相当差があって、さらに、例えば、自主的避難等対象区域の内側にある旧緊急時避難準備区域のほうが高いかというと、必ずしもそうではなくて、内側にあるからといって線量が概してその外側より高いかというと、そうではなくて、低いところがあったり、高いところがあったりという格好になっています。
 それから、4ページ以降は、これは福島市と伊達市と郡山市について、モニタリングポストのデータを、それぞれの市町村の災害対策本部のデータでございますが、2月17日時点でプロットしてございます。例えば、1ページ目の福島市を見ていただきますと、左のほうには非常に低いところもございますし、ちょうど市の市役所のあたり、1マイクロ/時を超えているところもございますし、そのすぐ隣ではまた0.3ぐらいしか出ていないということで、単に地域的な問題だけではなくて、もうほんとうにすぐ近くでも高かったり低かったりしているというのが、次の5ページの伊達市もそうでございますが、ここは特定避難勧奨地点がございますので、それの近傍のところは色を変えてございますが、特定避難勧奨地点の近傍でも、高いところがあったり、低いところがあったりということで、なかなか千差万別といいますか、ばらばらのデータになって、それは次の郡山についても同じでございます。
 さっと、資料はそんな感じになります。
 それから、9ページのほうに戻っていただきますと、第4の、除染等に係る損害でございますが、ここについては、9ページの下のところにブラケットで案文を書いてございます。【本件事故に由来する放射性物質に関し、必要かつ合理的な範囲の除染等を行うことに伴って必然的に生じた追加的費用、減収分及び財物価値の喪失・減少分は、賠償すべき損害と認められる。】というようなことを書いて、次の10ページのところに論点として書いてあります。
 これは法律の名前が長いので、非常に長くなっていますが、特別措置法の44条で、これは前にも環境省から説明していただきましたが、原子力損害として、事業者の負担で実施されると規定されておりますが、最後の4行目の右側から始まります。特別措置法に基づく措置に直接要する経費のみならず当該措置に伴う財物損壊や営業損害等を含め、同法44条の対象となるか否かに関わらず、先ほどの9ページの下のところの考え方に該当するものは原子力損害として賠償の対象としてよいかということで、特措法の運用とは個別に、9ページにあるようなものを賠償の対象とするという一般的な考え方を書くということでいかがかと思ってございます。
 説明は以上です。

【能見会長】  それでは、ここについても、ご意見があれば伺いたいと思います。
 今までも何度もご議論いただいていて、ある意味で考え方の違いというのが少し明確に分かれているところでもあり、しかし、何か歩み寄りができないかというようなことも考えているところですけれども。問題点としては、そもそもこの自主的避難等に係る損害について、認めるか認めないのか、認めるとすれば、何かその認める際の基準というのはあるかどうかというようなところが問題になるかと思います。その2つをクリアした上で、損害額をどうするかという、そういう論理構造になっていると思いますが。今までのご議論の中では、認めるか否かというところで意見が対立しているという状況かと思います。何か新しい考え方、あるいは、どういうふうに処理したらいいかということについて、ご意見があれば伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それぞれ皆様のご意見は既にもう十分出ているということなんだとすると、どういう処理を審査会としてするかということになるので、前回も少し申し上げましたけれども、できるだけ避けたいけれども、場合によっては多数決ということもあるかもしれない。別にそれを望んで言っているわけではございませんし、また、そのときにも、委員の皆さんがやはり自由に発言できるということは重要なことなので、こんなことを別に今詰めて考えていたわけではありませんけれど、万が一多数決で決めるというときにも、皆さんにここで挙手をしてもらうとかいうことをするわけではなくて、もしかしたら投票というようなこともあるのかもしれません。それは、ほんとうに最後、やむを得ない場合にどうするかということの問題ですけれども、それ以前の問題として、何かもう少しこの問題を一歩進める議論ができるかどうかと。
 中島委員。

【中島委員】  この自主的避難の損害についての今後の指針をどうするかという件については、心理的不安を重視するという考え方と、もうある程度ほかの機関で基準も出たところであるから、心理的不安ということはもう払拭されたと見ていいのではないか、こういう両方の考え方が、今、この審査会の中で出ているというふうに理解しておりますけれども。
 折衷案的で恐縮なんですが、ここは考え方としては、風評損害と似たような状況にありますので、風評損害に関する一般的な指針、あれを一般的な基準としてここで掲げてはどうかという案ではいかがでしょうか。

【能見会長】  あるいは、中島委員が言われることを先取りして、違うことを言ってしまうかもしれませんけれども、指針としては、例えばですけど、一定の放射線量があるために心理的不安を感じることが合理的と認められる場合には、賠償を認めるというふうにして、具体的にだれが、あるいは、どの地域がそうかということまでは言わない。そこは大変申しわけないことになるかもしれないけれども、ADRのほうで判断してもらうということですかね。

【中島委員】  おっしゃるとおりです。

【能見会長】  そういう考え方もあるかもしれませんね。

【草間委員】  すみません、質問させていただいていいでしょうか。
 一定の線量以上の場合には、放射線リスクに対する不安があるというふうに解釈しましょうということになると、ここである線量を提示するということになるんでしょうか。

【能見会長】  それは、私は、仮にADRのほうに任せるにしても、一定の線量を示したほうがいいとは思いますけれども、そこは線量を示さないという方法もあるかもしれません。そこはもっと抽象的にして、線量を中心にして考えるけれども、不安を感じるのが合理的な線量があると認められる地域については、自主的避難についての賠償を認めるという。
 それは何が不安を感じる合理的な線量かということについては、指針でもって全く手がかりになるものに触れないというのは無責任な感じもするので、何かもうちょっと認められればいいと思いますけどね。例えば、12月までの自主的避難について認めた地域のを参考にしてとか、それは全く今思いつきですけど、何か手がかりになるものに触れたほうがいいとは思いますけれども、具体的な線量に触れないということもできるかもしれません。

【草間委員】  例えば、今、様々な解除の基準等は、国は今のところ年間20ミリシーベルトというのを1つの基準にしているわけです。いずれにしましてもリスクですので、だから、そのリスクに対して心理的不安をどう考えるというのはなかなか難しくて、国が出している20ミリシーベルト以外の数値をここで新たに考えましょうというのは、これは、要するに、リスクを受け入れるか受け入れないかの問題ですので、大変難しいと思うんですね。だから、私は、ここの審査会の中で、その心理的な不安を線量で示したときに、その20ミリシーベルト以外の数字を示すというのは、説明責任の点からも難しいのではないかなと思います。

【能見会長】  どうぞ、高橋委員。

【高橋委員】  もともと先の自主避難の実施案は、別に線量だけで決めたはずではなくて、ヨウ素剤の配布であるとか、避難者の実際の地域的な分布であるとか、いろんなことを総合衡量して地域的な割り振りを決めたはずです。ですから、今回、仮に、場合によって合理的と認められるような場合については、賠償の可能性があり得ると書く場合でも、別に線量だけで決めるという話には絶対ならないと思います。
 ただ、その場合の基準として、今言った基準、ですから、周囲における避難の方の割合であるとか、それ以外に、線量も1つの基準になるかもしれませんけれども、場合によっては、そういうことも可能性としてあるということを書くということも、1つの選択肢としてはあるかもしれません。

【能見会長】  今までの、12月まで認めてきたときの基準をそのままあれで使うということですかね。あれですと、いろんな要素を考慮してということなので、線量だけではないので、それを基準にして判断してもらうという。
 米倉委員。

【米倉委員】  多分、私だけ、前回出ていませんので、意見を述べていないと思うので、今のことを踏まえて、少し考えを述べさせていただきたいと思うんですが。
 私もやはり、現在政府が決めている基準は年間20ミリシーベルトと、それから、もう一つは、特措法で除染をしていく区域として1ミリシーベルトというのが出ましたけれども、それだけです。その間については、何らかの別の基準があるわけではない状況です。皆さんの感じておられる不安感というのが、もちろん線量もあるんだけれども、それだけではない。どんなに低くても怖いという方ももちろんいらっしゃる。そういう状況の中で、ここで新たに何か別の線量が出てくるというのは、さらに混乱を招くのではないかなということを非常に懸念します。
 それと、もう1点は、この自主的避難に対する賠償を認めたときに、2つのシナリオがありました。当初の1カ月と、それから後は明らかに違うという考えを入れたわけで、その考え方が12月と今と何が変わったのかということを考えると、そんなに大きな差はないのかもしれない。だけど、これから永久にそれが続くわけではないということを考えると、やっぱりあのときに考えたいろんなファクターを考慮した上で、個別に判定するというところぐらいにしか落ちつかないのかなというのが私の考えです。

【能見会長】  田中委員。

【田中委員】  私、電車で帰らないといけないので、発言させていただきますけれども。
 私は前回申し上げましたけれども、今日のデータでも分かりますように、空間線量率で被ばく線量を捕捉することはできない。もしやるんだったら、個人被曝線量計をつけてやって、それこそ20ミリを超えるのだったら、それは何らかの対応をしなければいけないし、10ミリを超えればとかというのもあるかもしれない。今、私は、草間委員とか米倉委員と同じで、やはりここで新しい線量を入れた途端に、ものすごい混乱が起こるだけだと思うんですね。これ、時間がたったからといって、じゃ、空間線量率が変化するかというと、そういうこともそんなにないですから。だから、そういう地形の特質とかなんかによって変わりますので、そういうものを基準にして賠償までもやるのかというのは、私は大変疑問に思います。
 それから、もう1点、4のほうですけれども、これは非常にいいことを書いていただいて、前々回でしたか、特措法の範囲内でやはり除染に伴う物財の補償は入れてくださいというふうにお願いしたので、それがこういう形で入っているというので、私は非常にいいと思いますし、それを入れていただいて感謝しています。

【能見会長】  いろんなご意見が出たと思いますが、なかなか扱い方は難しいんですけれども、私もやっぱり12月までの段階と今と違うのかと言われると、そんなに状況は違っていないので、直ちに賠償を否定するという結論は当然には出てこないんだろうという気がするんですね。ですから、むしろそれをどういう基準でどういうふうに説明するかというところで皆さん苦労されているというふうに、皆さんも全く同じご意見かどうか分かりませんけれども、そんな感想を持ちます。
 私、個人的には、ほんとうはもう線量で――ひとり歩きするので適当ではないというご意見はありますけれども――決めてしまって、その線量が測定できるところはもう賠償の対象にするというのが一番簡単だと思いますけれども、なかなか技術的にも難しいのではないかというご指摘もあり、さらに検討しなくてはいけないところがあるようには思います。
 いずれにせよ、もし大まかな方向で、賠償することはいいのだけれども、いつまでという問題もあるし、それから、さらに、どういう基準というのも、線量以外の基準というのがあるかということもさらに検討しなくてはいけないと思いますので、これについては再検討したいと思いますが、何かほかに追加でご意見があればどうぞ。
 大塚委員。

【大塚委員】  会長がおっしゃったように、それほど状況が変わっているとは思えませんので、特に自主的避難者の方に帰ってこないといけないという状況になったのかと考えると、あまり変わっていないのではないかと思っていまして、そういう意味では、賠償を続けたほうがいいと思います。12月までのときに決めたような要素を幾つかもう一度挙げるということは、私も別に反対ではなくて、それはそれで1つの方法かなと思っています。
 20か1かという議論については、紆余曲折の末そうなっているというふうに私は理解していまして、食品の最初のときも、5ミリシーベルトを基準にして考えて、それからまた1になったとか、除染のときも、一たん5ミリシーベルトを考えて、1ミリシーベルトになったとかという紆余曲折を経ていますので、20か1かしかないとかいうことでは必ずしもないと考えてはおります。
 あと、もし9ページの青で書いてあるものの2つ目の※印の4行目については、個別具体的に判断するというような議論を仮にするとすれば、当事者同士の協議等によりというのは、これは当たり前のことなので、わざわざ書くというのはどうかなと思いました。
 以上です。

【能見会長】  どうもありがとうございます。
 ほかにご意見ございますでしょうか。全体にわたっても結構ですが。よろしゅうございますか。
 それでは、大分時間も超過いたしましたけれども、本日の審議会はこれで終了したいと思います。今日のご意見を踏まえて、また次回、案を練ってまいりたいと思います。
 それから、次回のアナウンスをお願いします。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  次回でございますが、3月8日木曜日の14時から17時を予定してございます。場所は、この場所になります。
 以上です。

【能見会長】  それでは、これで終わります。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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研究開発局原子力損害賠償対策室

(研究開発局原子力損害賠償対策室)