平成24年2月9日(木曜日)14時00分~17時00分
文部科学省(中央合同庁舎7号館東館)3階講堂
大塚会長代理、高橋委員、田中委員、中島委員、野村委員
奥村文部科学副大臣、神本文部科学大臣政務官、森口文部科学事務次官、藤木文部科学審議官、戸谷研究開発局長、田中総括審議官、篠崎原子力損害賠償対策室総括次長、田口原子力損害賠償対策室次長
廣瀬東京電力株式会社 常務取締役、須藤内閣府原子力被災者生活支援チーム参事官、大村環境省水・大気環境課大気生活環境室長
【大塚会長代理】 では、時間になりましたので、第22回の原子力損害賠償紛争審査会を開会したいと思います。本日は、能見会長が、校務でどうしても出席できないため、また、鎌田会長代理が、体調を崩されておりますので、会長のご指名により、僭越ながら私がかわりに議事の進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
はじめに、事務局から配付資料の確認をお願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 配付資料の確認でございます。
お手元に議事次第がございまして、そこに配付資料が書いてございますが、資料1が、東京電力からの資料で、損害賠償の状況について、それから、資料2が、これは原子力災害対策本部からの資料でございますが、緊急時避難準備区域解除後の現状について、それから、資料3が3-1から3-3までございますが、環境省からの資料がございます。それから、資料4といたしまして、主な論点(案)という資料を用意させていただいてございます。
それから、参考資料といたしまして、前回の議事録に加えまして、特に前回は地方公共団体からのお話をお伺いしましたので、その中の主なものを箇条書きに、参考2としてまとめてございます。それから、参考資料3といたしまして、これは前々回の審査会でご説明いただいたわけでございますが、原子力災害対策本部の避難区域の見直しに関する考え方がございます。それから、さらに、参考4といたしまして、これも低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ、内閣官房から、その報告書の概要について提出していただいてございます。それから、参考5といたしまして、これは環境省の説明のところの参考になりますが、除染と廃棄物処理に関する特別措置法の概要、これも以前環境省さんから説明いただいたものが、1枚参考でついてございます。以上でございます。不足等ございましたら、お申し出いただきたいと思います。
以上でございます。
【大塚会長代理】 よろしいでしょうか。
では、議題に入りたいと思います。本日は、まず、東京電力による賠償の現状につきまして、東京電力株式会社の廣瀬常務取締役から説明を伺います。
なお、前回の審査会では、東京電力が指針に明示されていないという理由で賠償請求に応じないという発言が複数の自治体からございました。その点も含めて説明していただければと思います。
では、よろしくお願いいたします。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 東京電力の廣瀬でございます。本日は、こうした機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
昨年の3月11日に、東京電力福島原子力発電所の事故を起こしまして、11カ月たっております。引き続き、大変多くの皆様に多大なるご迷惑、ご心配、ご不便をおかけしておりますことを、この場をおかりしまして改めましておわび申し上げたいと思います。本当に申しわけございません。
また、審査会の先生方の皆様には、昨年の8月5日の中間指針、それから12月6日の追補、さらに、その間たくさんのこの審査会でのご議論をしていただきまして、私ども、賠償を実際に進めている側としても、その賠償の基盤となる指針をお作りいただいて、大変感謝申し上げておるところでございます。
それでは、座ってご説明させていただきたいと思います。
お手元にございます、賠償の状況についてというところで、まずは、今の賠償の進捗状況についてご説明をさせていただきたいと思います。そこにございますように、ご存じのように、5月から、私どもは仮払いということで、個人向け、あるいは農業向けということで、何回かやらせていただいておりまして、トータルが約1,400億円に達しております。10月以降、本賠償と呼んでおりますけれども、いよいよ本格的な賠償が始まって、本日まで2,300億のお支払いを完了しておりまして、合計いたしますと、3,700億に達しているところでございます。
件数は、そこにございますように、トータルで8万6,500件が個人、さらには、事業用、特に農業や漁業ですと、まとめてJAで1つというふうに勘定しておりますけれども、そうしたことを数えて2万7,000件となっております。その中で、現在までに私どもで賠償の金額を算定いたしまして、それに基づいて被災者の方々と合意をしているという件数が、その下の段でございます。その差が、今、私どものほうで作業中の件数ということになってまいります。
続いて、私どもの賠償の体制でございますけれども、これは前にもお示ししておるところでございますが、1,000名でスタートして、現在は7,600名という体制でやらせていただいております。途中、10月に賠償を始めまして、10月、11月あたりになかなか処理が進まず、請求をいただいた件数が滞留するということがありまして、非常にご迷惑をおかけしたところがございます。12月ぐらいから体制を強化いたしまして、強化した結果、この7,600名になっているわけでございますけれども、その滞留分を一生懸命解消して、今日に至っているという状況でございます。
その辺、ちょっと詳しくご説明申し上げます。資料の裏をご覧いただきたいと思います。上の折れ線グラフですが、横軸に日付を入れております。ご覧になってわかりますように、これは1日あたりの処理として、私どもが書類を確認させていただき、いろいろな証明の書類等々を拝見しつつ、金額を計算するのですが、そうした確認作業が1日のうちにどれだけ処理ができるかというのが縦軸の値でございます。白丸が個人向けのご請求に対する処理数、それから、黒丸がいわゆる事業用ということで、法人様や、個人事業主様の処理数でございます。ご覧になっておわかりいただけるように、10月、11月がかなり低迷をしておりまして、この間に請求書がどんどん届いてきておりましたので、ここで滞留が発生しました。12月に入りまして、これではだめだということで、幾つかの改善をし、人を増員いたしまして、現在、個人向けは1日1,000件を目標に、それから、事業用は1日500件を目標にやっております。多少のおうとつはございますけれども、ほぼ12月の初めから2カ月にわたって、お正月のお休みはありましたけれども、それを達成できておりまして、現在のところ、私どものほうに請求書が届く件数と、それから、処理する件数が、ほぼイコールになっておりますので、そういう意味では、安定的な状態になって、今、進んでいるというところでございます。
それをもう少し詳しくご説明したのが、その下の棒グラフでございます。左側のほうが個人向けのグラフ、右側のほうが法人向けのグラフでございます。今申しましたように、12月の初めの時点で書類がたまってしまった部分が、その黒い部分でございます。個人で8,000、事業用で4,600件たまってしまいました。それを処理して、山を削っていくわけですが、当然、その間に新しく書類が続々と到着いたします。その部分が、真ん中のグラフの上に乗っている白い部分でございます。個人で言えば、約3万1,000件の書類が届いてきております。それを処理いたしまして、現在のところ、合計で5,000件を切る数にまでなってきて。これは当然しかかり中でございますので、これがゼロになるということはなかなかないですが、このぐらいのペースで進んでおります。なかなか難しいご請求もございますので、当然、時間のかかるものもありますし、スムーズに進むのももちろんございますが、そうしたことで、法人のほうも含めて、今のところ、いわゆる一時期言われた処理の遅れ、滞留ということに関しては、1つ山を越えられたのかなという状況にございます。
続きまして、先ほどお話がありましたように、前回、郡山で開かれました審査会におきまして、私どもに幾つかご意見やおしかりをちょうだいしております。特に、先ほどもお話ありましたように、東京電力の賠償は指針から一歩も出ない、指針に書いていないということで全然進まないというふうなお叱りを頂戴したということでございますが、そこについて少しご説明をさせていただきたいと思います。
まず、私どもの基本の考え方として、審査会で決めていただきました指針に基づいて賠償を進めるというのが、非常にたくさんのご被害者の方々に対して、公平で迅速な処理を進めていく中では、もう間違いなくこれは基本であるという考え方に立っております。
ただ、書いていないから全く受け付けないで門前払いをしているかということはなく、あくまでも指針というのは、いわゆる最大公約数的な、広く皆さんに適用されるものだというふうに理解しておりますので、個々の方はそれぞれのご事情があるわけでございますので、それを一つ一つできる限り聞いて対応していくということで、一つ一つの個々のケースでは、事情を踏まえてお支払いに至るケースも出てきております。
加えまして、もう少し広く、制度を見直して、広い方々にそれを適用するというような形で、少し私どもなりに見直させていただいたというのもございます。例えば、観光業の風評被害、これは、ご存じのように、中間指針では4つの県が対象というふうに明記されてございます。福島県、茨城県、栃木県、群馬県。その後、千葉県の観光業の方からご要望がありまして、私どもとしても、データを見させていただいて、その結果、千葉県全体ではないですけれども、千葉県の太平洋側で観光業を営んでいらっしゃる方々のデータからは、明らかにいわゆる風評被害が認められるということで、今、賠償の対象として進めておるというケースもございますし、また、これもご存じのことと思いますけれども、精神的損害について、中間指針では、第2期について、お一人あたり一月10万、12万が5万円にというふうに明記されてございますけれども、これは私どもの判断で、第2期については、引き続き10万円、12万円ということでやらせていただいているというような、そうした制度そのもの、基準そのものを見直したということもございます。
とは言いましても、私どものほうで全部ちゃんとできているかということでは全くなくて、たくさんのご批判、お叱りが寄せられていることからもわかりますように、私どもとしてなかなか全部うまく対応できていないというのも、事実だと認識しております。どうしても数をこなさなければいけないというのが少し先に立って、なかなかうまい対応ができていないというのもあると思っておりますので、その辺につきましては、引き続き、私ども、しっかり末端の人間まで含めて、社内徹底して、いわゆる親身、親切なご対応をしていかなければいけないということで、これからも一生懸命努力したいと思っております。
次に、まだ賠償を始めておりませんけれども、これから、今、新しく賠償を開始していこうという項目について、幾つかご説明させていただきたいと思います。
つい2日前、2月7日に、警戒区域内に残されている自動車に対する賠償の開始というのを発表したところでございます。いわゆる財物の中でも動産のほうに属しますけれども、自動車につきましては、多くの被害者の方々から、どうなっているんだ、早くしろというお声をいただいているところでございますけれども、まずその中でも、いわゆる自動車、四輪の自動車というところをスタートさせていただきました。ただ、二輪車であるとか、あるいはトラクターのたぐいの特殊な自動車につきましては、まだできておりませんので、これも順次やっていこうと思っております。
その次に考えておりますのが、地方公共団体の下水道事業でございます。これにつきましても、汚泥に対して線量の検査費用であるとか、汚泥の保管費用であるとかということの請求が、これまでもいただいてきておりますので、これについてなかなか開始ができなかったのですが、今、具体的な賠償の仕方を進めておりますので、これも近々スタートできるというような体制まで持ってきたところでございます。
それから、12月6日に追補でお示しいただきました自主的避難等の損害賠償でございますが、これは、ご存じのように、150万人という大変な量の賠償をしていかなければいけないのですけれども、これも関係の自治体、あるいは福島県さん、あるいは関係の省庁の大変なご努力、ご協力をいただきまして、何とかスタートが切れそうなところまで今きておりまして、3月中にも受け付けを始めて、できれば3月中にも一番最初の方は支払いがお届けできるように、今、進めているところでございます。当然、定型処理とはいえ、大量の業務がありますので、ここに向けて、今、7,600人に加えて、3,500人程度増員いたしまして、1万を超える体制で、専用のコールセンターであるとか、専用の部隊ということで、今継続している賠償とできれば混じらないようにして、これ単独で賠償を進められるような体制を今考えて、これも間もなく発表させていただけるところまできております。
最後に、これは、これから進めていく上で、今、私どもとして非常に悩ましく、難しいというふうに考えているところにつきまして、ちょっとお話をさせていただきたいと思います。
それは、先ほども出ました財物価値の喪失、もしくは減少に対する損害賠償でございます。先ほど動産のほうを始めつつあるというふうに申しましたけれども、残っている土地・建物等の不動産に関する評価の方法について、悩ましいというふうに感じております。不動産は、被害者の皆さんの生活基盤そのものですし、金額も大変高いものがございますし、規模も大きいですし、当然、対象となる数も多くいらっしゃいますので、今、そこの準備を進めて、新たに区分が見直される、4月に見直されるというふうに、今お聞きしていますけれども、帰還困難区域であるとか、そうした区域が見直される区域ごとに、財物価値の喪失・減少について、客観的な評価基準を作成したいとは思っているんですが、非常に難しいなと考えております。
と言いますのは、例えば、帰還がしばらく困難だろうと称される、いわゆる帰還困難区域にある不動産の場合は、おそらくこれはしばらく使えないということで、全損的な対応をしていかなければいけないとは考えておりますが、その場合の評価の方法、これも幾つかの方法があるとは思いますけれども、どうした方法でやるのが、私どものほうから、これでやりますというのをお示しして、ご納得いただけるのかどうかというのもございますので、そうしたことが1つ悩ましいなと思っております。
さらに、もっと悩ましいのは、いわゆる避難指示解除準備区域という、一番線量の低い区域の中に存在する不動産の場合だと思っております。と言いますのは、ここはおそらく、もうこの4月にも帰還できるような住宅もございますでしょうが、まだなお二、三年除染をして、その後に帰れるという住宅も当然あると思います。この場合、その二、三年待てないとおっしゃる方がおそらく出ていらっしゃるだろう。そうした方に対して、本来であれば、この区域というのは、除染をして、除染が終われば住めますよという区域だというふうに私ども認識しておりますけれども、それでも、2年、あるいは3年でも、あるいは1年でも、どうしても待てない、新たなところに行って、引っ越して新しい生活をとおっしゃる方は当然いらっしゃると思いますし、そういうご希望も極めて真っ当なお話だと思いますが、そうした場合に、この家屋の現時点での損害賠償というのは一体幾らになるんだと、ここは非常に悩ましいなと思っております。
できれば我々としても、そうしたこともお示しして、待たれるのか、あるいはお待ちにならないのかということも判断できるような形にしていきたいとは思っておりますが、ただ、なかなかこの区域についての不動産の価値の評価というのは難しいなと思っておりますので、こうした点について審査会でご議論いただいて、何らかのご示唆をいただければ大変ありがたいと思います。
また、一部で、国のご判断によって土地の買上げであるとか借上げだとかといったような報道も見受けられますけれども、こうした場合に、私どもの賠償と国の政策的なご判断による対応との整合も図っていかなければいけないと思っておりますので、これについてもご示唆いただければありがたいと思っております。
いずれにしましても、まだまだ、大変申しわけないことでございますけれども、損害は続いておりまして、損害賠償もまだまだ本当に先の長い道のりだと思っておりますので、これからもしっかりやっていきたいと思っておりますけれども、引き続きご指導いただければと思っております。
私からは以上でございます。
【大塚会長代理】 どうもありがとうございました。
では、ただいまのご説明に対しまして、ご質問、ご意見がございましたら、お願いいたします。
では、野村委員、お願いします。
【野村委員】 2点お伺いしたいと思います。1つは、例えば個人ですと、損害賠償として既に3万件が合意済みであるということですけれども、その損害の内容は具体的にどのようなものなのでしょうか。例えば、働いて得られていた収入が失われたというものなのか、避難に基づくものなのか、いろいろあると思うのです。先ほどのお話を聞いていますと、例えば、警戒区域内に放置された自動車について、近々始められるというようなことで、そうすると、ある程度、東電のほうで受け付けられるものを限定的に示しているのか、とにかく受け付けるものについて、被害者からは自由に出していただいて、東電がある程度、自動車の例のように、処理する方針が固まったものを次々処理していくということなのでしょうか、その辺について少しお伺いできればというのが1点です。
それから、もう1つは、遅延損害金についてどのように扱っているのかということについて、ご説明できることがありましたら、ご説明いただければと思います。
【大塚会長代理】 2点お願いいたします。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 1つ目の、前半のほうの、例えば個人の3万件の方々のご請求の内訳でございますけれども、当社の請求書類は大変厚くて、とてもこんなの普通の人では書けないというご批判をいただきましたけれども、逆に言いますと、私どもとしては、全部、精神的損害、就労損害、避難費用、避難している間の宿泊費というものを、全部お示ししたということもございまして、厚くなってしまったというのもあるんですけれども。そうしたことから、当該の項目については、当時は中間指針でスタートしましたけれども、中間指針に網羅されている項目についてはすべて、そういう意味では開きましたので、それぞれ人によって、就労されていて、就労の機会がなくなった方は、当然、就労損害を請求できるようなことになっておりますので、それをご請求いただいておりますし、そうしたものがない方は、精神的損害であるとか、避難費用だけの場合もございますし、お医者さんに行かれた方、お医者さんに行って、その往復に交通費がかかった方等々、それぞれかなり細かく項目がございますので、手元にどれがどれだけというのはございませんけれども、それこそお一人お一人によって全く違います。かなりフルにいろいろなものをご請求いただいている方もいらっしゃいますし、逆に、年金で生活されている老人、お年寄りの方ということですと、やはり項目は少なくなっているというのが一般的にございます。
それから、自動車の賠償につきましては、これは一昨日始めたばっかりでございますけれども、ここは、まずは警戒区域の中に残されたままの自動車、あるいは、外に持ち出すには線量が高くて持ち出せないという車をまず対象にして、その車を廃車届けをしていただいて、それに対して、いわゆる全損扱いで、その車の代替できる価格ということでお支払いをするということで始めたところでございますので、基本的にそうした対象に限ってはおりますけれども、そうした対象の方がお申し込みいただけるようになっております。
それから、遅延損害金というのは、こちらが遅くなった場合に加えるという意味でございましょうか。
【野村委員】 学問的には、不法行為時から遅延損害金は発生するとされています。通常ですと、不法行為時、多くの場合には、損害の発生時点と同じことになりますが、期間によって算定されるものとか、損害の種類によって、いろいろ難しいものがあるとは思います。つまり、損害項目によって遅延損害金の発生時期はいろいろだと思うのですけれども、その辺について、どのようにお考えになって、処理されているのかということです。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 遅延損害金という項目で賠償しているということはございません。ご存じのように、本賠償が始まったのが9月、10月ぐらいからでございましたので、まず第1期として、仮払いはもちろんさせていただいておりましたけれども、本賠償ということでは、3月11日から8月31日までの部分を第1期として、その間の損害賠償を9月ぐらいから始めて、現在は9、10、11月の分を始めて、間もなく12、1、2月の分を始めようということで、それぞれ多少の遅れはございますけれども、賠償算定期間に対応して、その間に発生した損害について、若干後追いになっておりますけれども、賠償していくというスタイルでやらせていただいております。
【大塚会長代理】 よろしいですか。
【野村委員】 はい。
【大塚会長代理】 今のは、そうすると、しかし、第1期でまだ滞留しているものは残っているわけですよね。難しいものであれば、第1期のものもまだ残っているものはあるわけですね。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 はい。まだあります。
【大塚会長代理】 ほかにはいかがでしょうか。
中島委員、お願いします。
【中島委員】 先ほど悩んでおられるとおっしゃった不動産の物損の問題なんですけれども、こちらで仮に議論をするとなると、前提となることをお伺いしたほうがいいと思うんですけれども。突飛ですが、理論的には、全損として不動産を賠償されると、不動産の所有権が東電に移ってしまうという問題がありまして、東電としては、そういうおつもりがあるのかどうか。まず前提として、その辺をお伺いしたほうがいいと思うんですが。
【大塚会長代理】 では、お願いします。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 おっしゃるとおり、帰還困難区域等々で、しばらくもうお使いになれない、あるいは、10年後に使えるようになったとしても、相当な毀損が認められるというものに関しては、当然、全損でいくことになるかもしれないと考えております。その場合に、私どもとしては、できれば所有権は移転せずに、所有権は残して、そのままお持ちいただいて、ただ、その間ずっと固定資産税等々がかかってしまうということに対しては、これは行政のほうとも何らかの対策をしなければいけないとは思っておりますけれども、その辺は行政のお力もかりて、できれば、その間かからないようにして、もし、10年、15年たって、除染が進んで、線量が落ちて、帰れるといったときに帰っていただくことになるかならないかというのは、ご判断はお任せするような、そういったような形がよろしいのかなとは考えております。まだ決定はしておりませんけれども、そういう方向かなと。逆に、所有権を移転してしまいますと、私どもとしても、当然、虫食いになっていくと思いますので、そこの扱いについても非常に難しいものがあるなと思っています。
【大塚会長代理】 所有権の点は、東電のほうで考えることでもあると思いますし、この紛争審査会でどこまで考えることができるかというのも、検討したいと思いますけど。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 そうですね。
【大塚会長代理】 中島委員、続けて何かございますか。よろしいですか。
【中島委員】 すみません、今の。
【大塚会長代理】 どうぞ。
【中島委員】 所有権をもとの所有権者に残したまま、一応全損か、それに近い、例えば90%の賠償という形をとって、将来の値上がり分を残り10%に含むという形で所有権は残すと。問題は、固定資産税がその後ずっと名義人に残るという問題は、これはむしろ国税とか行政上の対応が今後必要だというふうに伺ってよろしいですか。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 はい。
【大塚会長代理】 では、ちょっとお伺いします。2点お伺いしたいんですけれども。
1つは、自治体のほうからご議論があったかと思いますが、今、精神的損害と生活費の増加費用を一体とした形で中間指針が示していることとの関係で、生活費がかなりの額になる場合に、東電のほうで、そこは精神的損害が入っているから、そこで済みだというような対応をされているというご意見が結構出ていたようですが、中間指針では、生活費が高額になった場合には、必要かつ合理的な範囲でではございますが、生活費の実費が賠償すべき損害と認められるというふうに言っておりますので、生活費の増加は精神的損害に入っていると言いきられると、それはちょっと中間指針と違うものですから、そのような対応をぜひしていただければと思います。
それから、もう一つ、こちらは質問ですけれども、営業損害の賠償というのはあまり進んでいないというふうに伺っているんですけれども、それは何か理由があるのでしょうか。その辺を説明していただけるとありがたいんですが。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 1つ目の、これはご質問ではなかったとは思いますけれども、現在、私ども、日常生活に必要不可欠な、いわゆる家財道具であるとか、家電製品、いわゆる大物の家電製品で、持ち出すことができないようなものについては、賠償の対象としております。例えばテレビであるとか、スタッドレスタイヤであるとか、そうしたものについては、もちろん全部が全部書ききれるものではなくて、当然、書いていないもので、またご相談ということは残るんですけれども、ホームページにも載せさせていただいております。
あと、日用品であるとか、それから光熱費の増加分といった難しい問題はありまして、これらは基本的にはお受けできない部分に入るのかなとは思いますけれども、その辺も事情はよく相談させていただくということで、紋切り調でお断りされたという声は私どものほうも聞いておりますので、そうしたことのないようにしていきたいと。
【大塚会長代理】 光熱費の増加も、もしかなり高額になれば、ぜひお支払いいただけるとありがたいと思います。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 そうですね。
それから、2点目は、これは、営業損害というのは、お配りした部分の法人・個人事業主・団体の2万7,000件請求をいただいていて、1万5,900件が終わっているという、この部分だということであれば、私どもとして、特にマクロ的に遅れているという認識は持っておりません。先ほどもお話ししましたように、1日500件ずつぐらいできております。
ただ、やはり非常に難しいケースがあるのは事実でございます。ご商売の中身にもよりますし、私どもも、こういうご商売で、こういう損害が出ているのかというのを、まさに全然想定をしていないようなケースもありますし、書式もございませんので、逆に言うと、フリーフォーマットという、それはそれで1つの書式なんですけれども、その他属せざるみたいなフォーマットをお使いになってご請求をいただいているケースがありまして、そこについては確かに、もう本当に一つ一つ全部解読しないとわからないようなケースがございますので、時間がかかっているケースは、確かに個人事業主系であるのは事実でございますけれども、むしろ逆に、30キロ圏内で営業ができない部分とか、あるいは作付制限があったとか、風評被害だとか、出荷制限だとかといった、この中でも比較的定型的なものについては、普通に進んでいるという認識でおります。
【大塚会長代理】 ついでで申しわけないですけど、就労不能のほうの休業損害もあまり進んでいないじゃないかという指摘があるかと思いますけれども、自治体からのご意見を見ていると、やはり精神的損害というか、生活費の増加も含めてですけれども、そのところに非常に重点がいっているというか、脚光が浴びせられていて、営業損害とか就労不能の休業損害とかというところはあまり払われていないのではないかと思われるところもあったんですけれど、就労不能のほうの休業損害はどうでしょうか。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 ここに手元に数字がございませんけれども、就労損害は、こういう言い方をすると誤解が生ずるかもしれませんが、比較的わかりやすい損害です。したがって、元お勤めになったところから給与の証明がいただければ、比較的難しいことではないと思っております。ですから、そうした書類をお届けいただければ、就労損害について、特に遅れるという原因は見当たりません。
強いて言えば、事業主様のほうから請求がある場合で、雇用者か被雇用者かどっちかというのがあって、これは両方で来てしまうとだぶってしまいますので、強いて言えば、そこのチェックといいますか、確認が必要だというのはありますけれども。
【大塚会長代理】 はい。
【田中委員】 ちょっと教えていただきたいのですが、前からここの議論になっているんですが、何らかの就労利益があると、それを賠償額から減らすという問題があって、これは労働意欲をそぐという、首長さんからも強い要求があったんですが、この辺の扱いについてはどのように。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 これは私どももたくさんそうしたお声をちょうだいしておりまして、これは、こういう言い方をしてはいけないんですが、指針に事故前の就労の給与等から事故後の就労によって得られた給与等を引くというふうに書いてあるのを、それを比較的厳格に運用するとそういうことになるんだろうなということはございます。
今、私どもがとっておりますのは、就労意欲については、確かに、働いても働かなくても同じ金額しかもらえないということになってしまいますので、できれば新しく就職口を見つけるためにリクルート活動をしたときの諸費用ですとか、あるいは、そのために新たな何らかの機材が必要だとか、それは持ち出せないんだとかといったような追加的な経費についてはお受けいたしておりますけれども、給与なり収入そのものは、今のところ、もとあった収入から、この期間に別のところで新たな収入があった分については、差し引かせていただいています。ここは本当に難しい問題だと思います。
【大塚会長代理】 その点は、中間指針にも、特別な努力をした場合には控除しないということを書いてありますので、我々もまた検討しなくてはいけないかと思っているんですけれども、あまり厳格に、今おっしゃったように、対応されないほうがありがたいところはございます。
では、高橋委員、お願いします。
【高橋委員】 その点について、どのぐらい収入について捕捉されるようなご対応をとられているのですしょうか。新しい収入について。これは申告制ですか。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 そうです。申告制です。もともと申告制です。
【高橋委員】 申告されたものについてのみということですね。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 引かせていただくと。そのときに、その就労のために要した追加的な費用については、別途、出たお金を出された側については賠償するというスタイルでやらせていただいています。
【高橋委員】 わかりました。どうも。
【大塚会長代理】 よろしいでしょうか。
では、ありがとうございました。東京電力におかれましては、ただいまの委員の意見を踏まえて、被害者の立場に配慮して、迅速な賠償に努めていただきますよう、改めて要請いたします。では、どうもありがとうございました。
【東京電力(廣瀬常務取締役)】 どうもありがとうございました。引き続き、よろしくご指導お願いいたします。
【大塚会長代理】 では、次の議題に移ります。議題2でございます。この議題は、議題4の論点ペーパーの中の、緊急時避難準備区域の解除後も、避難費用とか精神的損害が認められる「相当期間」の検討のために用意したものでございます。これまでの審査会では、復旧計画だけでなく、実際のインフラの復旧状況などを見て決める必要があるという意見が大半であったと思いますが、この緊急時避難準備区域解除後の現状につきまして、内閣府の原子力被災者生活支援チームから説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【内閣府原子力被災者生活支援チーム(須藤参事官)】 どうぞよろしくお願い申し上げます。座って説明をさせていただきます。
それでは、お手元の資料2に基づきまして、原子力被災者生活支援チームから、緊急時避難準備区域解除後の現状について、ご説明をさせていただきたいと思います。
まず1ページおめくりいただきまして、緊急時避難準備区域の性格についてでございます。重ねてのご説明で恐縮でございますが、緊急時避難準備区域は、東京電力福島第一原子力発電所の原発がまさに不安定だと、その状況から、原発から一定の距離、すなわち20キロから30キロの地帯でございますけれども、それを一定の距離を確保するために、立退き又は避難準備を求めていたということで、この立退きにつきましては、復習になって恐縮でございます。子ども、妊婦、それから要介護者、入院患者さんなどが該当いたします。又は避難準備を求めていたということで言いますと、大人の男女、妊婦さんを除きますけれども、こういった方々は、避難準備を求めていたということで、当然ながら、居住を続けていただいても結構ですと、こういう地域でございます。また、20キロから30キロ圏内でも線量が高い地域、具体的には年間20ミリシーベルトを超える地域につきましては、計画的避難区域として設定をしてございますので、この区域については、20ミリシーベルト以下の地域が該当していたということでございます。
2つ目のポツで、「本区域を設定した背景から」と記載をしてございますが、この区域は、原発が不安定だと、東京電力福島第一原子力発電所で不測の事態が起こり得るという、そういう理由から、区域全体の指定があったものでございます。解除につきましても、区域全体を一体的に取り扱うということにして、この区域はまさに一括して解除されたという特徴がございます。ここには記載がございませんけれども、意味合いとしては、この区域の設定によりまして、先ほどご紹介をしましたように、立退きを求められる方々がいらっしゃる、あるいは仮設住宅を建てられない、学校をあけられない、こういう規制がございましたので、まずはこの規制を解除するという意味合いを持ったものでございました。
1ページ目の下の欄には、その過去の経緯を記載してございます。7月19日に「ステップ1」が終了して、20キロから外への影響は可能性が低いということで、これらも受けまして、さらにモニタリングと復旧計画の策定を待って解除をしたという状況でございます。
2ページ目でございますが、では、実際の帰還状況がどのようなものであるかということでございます。区域解除後に、区域全体で、差し引きはございますけれども、正味で約1,900名の方が純増して帰還をされています。現在、3万2,700名程度の方が区域内に居住していると認識してございます。震災前に比べますと55%の水準、逆に言いますと、45%の方がまだ避難を続けていらっしゃるということでございます。
避難者数でございますが、大きな市でございますので、南相馬市の1万6,400人が一番多うございますが、合計しますと約2万6,300人という状況でございます。
それから、今回のまさに趣旨だと思われますが、復旧計画において、各市町村、どんな帰還目途を定めているか、あるいは、実際にどういう状況になっているかということでございます。
順に追っていって恐縮でございますが、帰還目途につきましては、南相馬市は、解除後、順次帰還が始まっております。
それから、田村市につきましては、本年3月末までに生活環境を整備して、それから順次帰還をしていこうと、こういうことでございます。
川内村につきましては、復旧計画では2月から帰還を開始、3月末までに帰還ということになっておりまして、これに合わせまして新聞報道等をされておりますが、1月31日に村としての帰還宣言をされ、今月に入って、戻れる人から順次帰還ということになってございます。
広野町につきましては、復旧計画では本年12月までの帰還ということの記載がございます。なお、広野町につきましては、先に役場が帰るということで、3月1日に役場機能を復帰する予定として聞いてございます。
それから、一番最後の楢葉町でございますが、ここは若干特殊性がございます。緊急時避難準備区域が町の中にございますが、お住まいになられていた方は数十名程度でございます。それから、警戒区域を通らないと入れないというような区域もございますので、この区域につきましては、住民の帰還を促さないと。逆に言いますと、その他の地域が警戒区域でございます。楢葉町は警戒区域が大部分でございますので、警戒区域に合わせた形で住民の帰還が進められるということでございます。この町については、工業団地だけ再開をするということをしております。
学校につきましてでございますが、右側の欄でございます。南相馬市は、昨年10月以降、徐々にですが、再開を始めております。
田村市については、まだ未定でございまして、今後PTA等に説明をされていくということでございます。
川内村は、帰還に合わせまして、本年4月から再開予定。
広野町は、今年の2学期から再開予定ということになってございます。
続きまして、3ページ目でございます。帰還状況についてで、具体的に学校等、記載をしております。
まず学校、保育園、幼稚園でございますけれども、再開がされておりますのは、今のところ、南相馬市内だけでございます。保育所が21カ所中3カ所、幼稚園が11園中3園、小学校が12分の6、中学校が7分の2、高校が4分の2、このような状況でございます。再開時の数字でございますが、小学校で4割弱、そのほか記載のとおりでございます。再開時はこのぐらいで、徐々にですが、戻り始めているという状況でございます。
それから、病院、福祉施設でございますが、南相馬で5つ、広野町で1つの病院が再開をしてございます。ただし、これも前回もいろいろお話が出ていたかと思いますけれども、ご苦労がある中での再開ということでございまして、医療関係者の不足といったようなところが課題になっております。
インフラにつきましては、JR常磐線が、南側で久ノ浜から広野駅、北側で原ノ町から相馬駅、開通してございますが、当然、中の区域が抜けていたり、あるいは津波の被害等もあったりいたしまして、通しでの運転ができていないという状況でございます。それから、緊急時避難準備区域内では、応急仮設住宅建設が解除されましたので、一部入居が始まっているということでございます。
企業・事業所につきましては、ここに記載のとおり、金融機関等が再開を始めているという状況でございます。
肝心の今後の帰還の見通しでございます。4ページをごらんいただければと思います。
まず、インフラの復旧でございますが、これは応急復旧を含んだという形ではございますけれども、おおむね3月末ぐらいまでにはめどが立つという見通しでございます。
インフラ復旧に伴いまして、今後は各市町村の学校の再開ですとか、こういったことに合わせて帰還が進む見通しと思っております。帰還した後も、住民向けのサービスの本格的な再開、あるいは除染、緊急時避難準備区域は住み続けてもいい区域でありますので、お住まいになりながらの除染という形が続いていきますが、こういったことには一定の期間が要するというように思っております。
帰還後に必要となる生活環境の整備でございますが、先ほどインフラおおむね完了と申し上げましたが、津波被災地域はまだ終わっておりませんので、こうした地域のインフラ復旧、住宅整備、あるいは、戻る際の基盤となる雇用の確保、公共機関、生活道路の整備などの交通手段の確保、これは生活圏が変わっておりますので、こういったことが必要になります。それから、除染といったようなこと。これは当然、行政的な措置として、全力で取り組んでいきたいと思っております。
解除のときも一括ということでございまして、もちろん、各市町村それぞれ重点を置かれているような対応に差はございますけれども、帰還の環境という意味では、ほぼ同じような状況の中で進められているというように理解をしております。
それから、5ページ目でございます。帰還した住民が抱える不安についてということでございます。これはまさに前回の郡山での審査会での大きな論点の1つだったかと思います。これにつきましても、確かに私どもも日々のおつき合いの中で聞いておりまして、緊急時避難準備区域に早期に帰還した住民は、避難している住民と同様に、不自由な生活による不安を抱えていらっしゃるというのが現状であると認識をしてございます。
帰還住民が抱える不安の例ということでございます。
1つは、生活の基盤となる医療スタッフの関係、これの不足、あるいは、その他、休日・夜間の診療体制のことなどの不安がございます。
それから、戻って仕事が確保できるんだろうかという不安。
それから、さらに、警戒区域設定に伴う生活圏の大幅変更。今まで行っていたお店に行けない、今まで通っていた経路で通えない、こういったことに伴うさまざまな苦痛がある。
それから、通勤、通学、買い物等に必要な交通手段の確保。
それから、営農に対する不安。これは営業補償的な側面もあるかもしれませんけれども、聞いておりますのは、まさに丹念に何十年もかけてつくり上げてきた土、土壌が使えなくなる、そういったところについての精神的な不安、損害ということについての言及がございます。
それから、一番最後は、現場でも聞く声ですので、あえて掲げさせていただいておりますが、帰ることで精神的損害の対象外となるということについての金銭的な不安というのも聞こえてくるところでございます。
それから、最後、6ページ目は、事務局のほうでも別途整理をされていたようですので、重なってで恐縮でございますが、前回の郡山での審査会の中で、今日挙げられております論点に係わるもの、特に賠償の終期、それから、早期帰還に関する意見をまとめてみたものでございます。
上2つにつきましては、終期を明確化してほしいというご要望。それから、その終期について、早目に決定をしていただければというご要望を抜き書きさせていただいております。
それから、3つ目から5つ目の丸でございますが、これは、戻った人、早期帰還した人への賠償、これはご意見が強かったかと思います。この中には、追っていただきますと、戻った人が損をしない補償も十分検討してほしいというようなご要望、それから、賠償が出ないとなると、避難を続けている、応急仮設住宅、アパート、親族宅にいたほうがいいというようなご意見、こういったようなことについてのご指摘がございます。
それから、6つ目の丸、下から2つ目の丸でございますが、こちらにつきましては、終期を各自治体ごとにどうするかという議論とも重なってくるかと思いますけれども、それぞれ帰還に向けた準備を進めているということで、こういったところとの自治体の整合性もぜひ検討してほしいということで、これは終期については、今の帰還という意味で見ると、似通ったような状況にあるというようなところもございますので、終期について、こういうご要望があったと理解をしております。
それから、最後は、避難できなかった人、避難したくても避難できなかった人の精神的ケアについてのご要望を記載させていただいております。
以上、雑駁ではございますけれども、私どもが特に地元とおつき合いをさせていただく中でお聞きしている声、今の賠償審査会の声とも重なるものがございますので、改めて掲載をさせていただきました。
ご説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【大塚会長代理】 どうもありがとうございました。
では、ただいまのご説明に対しまして、ご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。
いかがでしょうか。
じゃ、私から1つ。2ページの下に書かれているように、帰還の目途について、各自治体でかなり分かれてはいるんですけれども、ただ、状況がそれほど変わらないというご指摘も先ほどなさったかと思いますが、その辺の関係について、どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、教えていただけますか。
【内閣府原子力被災者生活支援チーム(須藤参事官)】 それぞれ、この帰還ということについての意味合い、各復旧計画、個別市町村ごとにつくられておりますので、若干意味合いが違っているところがございまして、まさに戻れるところから戻っていくという意味で書かれているところと、みんなで帰ってくるという、そういうまさに帰還完了的な意味合いを強く持たせて書いているところがあるかと思います。
その意味では、帰っていただける環境をつくっていく、これは私ども行政としてもっともっと努力しなければいけないところは、率直に言ってたくさんあるかと思いますけれども、各市町村とも、それぞれまさに今全力で取り組まれていて、そういう帰るという意味においては、環境が整いつつある、揃いつつあるということでございますが、それぞれ重点は違いますし、今会長からご指摘ございましたように、実際に帰っている数は違うわけでございますので、そういう違いはございますけれども、帰れる、あるいは帰る環境という意味で、揃っている意味があると、そういう意味で申し上げたものでございます。
【大塚会長代理】 ありがとうございました。
田中委員、お願いします。
【田中委員】 4ページの注書きなんですが、原則的なことを言うと、これは帰って住んでいいところですから、除染作業と並行して帰還するというのが普通の考え方だと思うんですが、生活圏の除染をしてからでないと帰らないとか、帰るというところとの、そこはどの程度許容できるかというのは、多分、賠償の在り方とかなり関係してくるのではないかと思います。あくまでも住民とか自治体の判断で帰る帰らないは、それは別にいいと思いますが、賠償がそこに絡んでくると若干ややこしいなということで、前回の首長さんの郡山での発言の中にも、そのあたりは今後少し整理していく必要があるんだと思うんですが、そちらではどんな考え方でしょうか。
【内閣府原子力被災者生活支援チーム(須藤参事官)】 まさに問題意識は同じでございまして、私どもは、今帰れる状況、住める状況ではございますので、そういった方々への生活環境の整備、これは当然全力でやらせていただければと思いますし、これはまさに市町村長の皆様もおっしゃっていたかと思いますけれども、やっぱりゆっくり帰るという方々もいらっしゃるわけでございますので、こういった方々への避難の継続、これについての支援策というのは常に視野に入れながらやらせていただいているという状況でございます。
すみません、あまり答えにならないんですけど、これはなかなか回答が難しいところだと思いますけれども、当然、それぞれ住民の皆様もいろんなお考えがございますので、そこの価値観が異なるというのは前提としながら、ただ、帰りたいという方も当然いらっしゃいますし、あるいは、帰っていただける環境を整えていくということでの行政的措置は惜しまないということで対応させていただいております。
【大塚会長代理】 よろしいですか。どうぞ、続けて。
【田中委員】 少しあいまいで、多分、一応帰っていただいて大丈夫ですよという判断をしたときに、賠償の終期の問題とか範囲の問題が出てくると思うんですね。ここの住民の判断で、ゆっくり帰りたいからということで、賠償が継続するかどうかというのは、多分、賠償の問題としては少し議論をしなければいけないんだろうと、素人ながらそう思います。
ただ、もちろん、生活環境を整備するというのは、また別の視点だと思いますので、それはそれで大変ですけれども、そういう点で、これはこちらの主題ですね。
【大塚会長代理】 ええ、これから我々が考えなくてはいけないことだと思います。
【内閣府原子力被災者生活支援チーム(須藤参事官)】 まさにそういう意味で言いますと、帰るときの判断材料の1つとして、やっぱり賠償というのがあるという側面もあろうかと思いますので、そういうことで、ここで記載をさせていただきましたけれども、終期を明確化、あるいは早目に終期を決定していただければと、こういうご要望が出ているのではないかと思っております。
【大塚会長代理】 どうもありがとうございました。
では、高橋委員。
【高橋委員】 2ページの一番下に、住民の帰還を促さないという自治体がおられて、学校の再開についても線が引いてあります。実際上、学校の再開の予定をされていないということの具体的な理由というのは、どういうところにあるのでしょうか。
【内閣府原子力被災者生活支援チーム(須藤参事官)】 結論から言うと、この区域には、小さな集落ですので、ここだけで自治体が運営できるわけではございませんし、先ほど申し上げましたように、警戒区域の中を通らないとそこの集落に行けないというような地域もございますので、その意味では、ほかの警戒区域と一体的に復旧をし、帰還を促すというのが、楢葉町の方針でございます。
【高橋委員】 わかりました。
【大塚会長代理】 では、もう時間も押しておりますので、よろしいでしょうか。
【内閣府原子力被災者生活支援チーム(須藤参事官)】 ありがとうございました。
【大塚会長代理】 では、どうもありがとうございました。ただいまの説明とか質疑を踏まえて、後の議題4の議論をしたいと思っております。
では、次に、議題3に移りたいと思います。除染の現状についてでございます。環境省から、説明をお願いいたします。除染につきましては、以前にも原子力災害対策本部及び環境省から説明を受けましたが、当時は、まだ除染が本格的に始まっていませんでした。また、除染についての特別措置法がございまして、賠償についても法定されておりますところから、そもそも審査会で新しい指針をつくる必要があるかどうかという問題もございます。この問題についても、ご説明を伺って質疑をした後、議題4の論点ペーパーで改めて議論したいと思っております。
では、環境省から、お願いいたします。
【環境省(大村室長)】 環境省の除染を担当しています大村でございます。
それでは、資料に沿ってご説明をさせていただきます。
まず資料3-1でございます。これにつきましては、今ご案内のありました特措法ができました後の歩みをまとめております。まず基本方針の閣議決定というのを11月11日にしておりまして、これは除染でありますとか、廃棄物の処理の方針、基本的な方針を閣議で決めたということでございます。そして、11月18日に、環境省を中心として、実際に実施をしていく体制が確立されました。それから、年末でございますが、12月14日に、具体的に地域の指定、あるいは処理の基準、こういった法律を実際に施行するにあたっての必要な道具立てというものをつくっていったということになります。
具体的には、除染で言いますと、2つ地域がございます。除染特別地域と重点調査地域というものでありまして、除染特別地域は国が直轄で除染をするものということで、後でご説明いたしますが、警戒区域と計画的避難区域、これを直轄でやるというふうに決めたわけでございます。重点調査地域のほうは、市町村に計画をおつくりいただいて、除染を進めていくという地域でございますが、ここは基本的に追加被曝線量が年間1ミリシーベルト以上の地域ということで、基本方針で決めて、具体的な基準を決めたところでございます。廃棄物につきましても、国で直轄でやるところは、警戒区域と計画的避難区域ということで進めております。
予算措置につきましては、3次補正で、国直轄のところは1,500億円、地方分が約1,000億円という予算手当てをいたしまして、1月1日から特措法の全面施行を迎えることになったということでございます。1月1日にあわせまして、環境省で福島環境再生事務所というものをつくりまして、実際に除染、あるいは廃棄物の処理を進めていく体制を整えたということでございます。
具体的には、まず国の直轄除染事業でございますけれども、これは国の除染の実施計画の策定ということをして、除染を進めていくということになります。市町村のほうも、同じように、市町村で除染計画をつくっていただくということになりますけれども、これが本格的に除染を進めるのは、そういった計画をつくった後ということになってまいります。
それから、そのために24年度の予算要求約4,500億円をしているということでございますけれども、これはまだ当面の措置ということでございますので、また必要になれば予算要求をしていくという性格のものでございます。
平成27年に書いてございますが、中間貯蔵施設、これは除染で出た廃棄物、あるいは土壌等を、福島の県内に限ってということでありますけれども、そこから出たものを運び込むものをつくっていくということにしておりますが、それまでの間は仮置き場に置くということになってございます。
一番下に除染の目標と書いておりますが、これは基本方針の中で位置づけをした除染の目標でありまして、国により本格除染をやるところは、基本的に警戒区域と計画的避難区域ということでありますので、多くのところが年間20ミリシーベルト以上の地域、ここにつきましては、20ミリシーベルト以上の地域を段階的に縮小するという目標を掲げております。それから、市町村が計画をつくって除染を進めていくところにつきましては、20ミリシーベルト以下ということでございますので、そこにア、イ、ウと書いておりますけれども、長期的に1ミリシーベルトを目指す、あとは中間的にこういった目標を置くということで進めています。一部、直轄地域の中でも20ミリシーベルト未満の地域はありますので、その地域につきましては、この目標が適用されるということでございます。
ただし、直轄地域の中で非常に線量が高い地域がありますが、そこ以外の地域は、平成26年3月までに、生活圏につきまして一通りの除染を行っていくという目標を立てているところでございます。
次に、資料3-2に移らせていただきます。3-2でございますが、具体的にどういう地域を地域指定したかということでございまして、国の直轄でやる除染特別地域につきましては、先ほど申し上げたとおり、警戒区域と計画的避難区域でありますが、楢葉町につきましては、町の域全体ということでございます。これは、警戒区域の外側にある一部の集落等につきましては、アクセスが警戒区域を通らなければ到達できない等々の理由がございまして、そこは全域を対象としたというところでございます。
それから、汚染状況重点調査地域でございますけれども、これは全体で102の市町村を指定いたしまして、福島県については、40の市町村が該当しています。この地域につきましては、今後、市町村のほうで調査等をされて、具体的に除染をする地域を絞っていって、その中で除染をする法定計画をつくっていただく。それに対して、国が財政的支援をしながら除染を進めていくということになってございます。現在、いろんな市町村で計画づくりが、策定がされています。ちなみに、福島県の一部の市、例えば福島市でありますとか、二本松市、郡山市といったところでは、既に計画をつくって除染が始まっておりますけれども、これは原災本部の緊急実施措置に基づいてやっておりますが、いずれ国のほうで地元のほうに移管をするということになります。
続きまして、次の資料でございますけれども、いわゆる除染のロードマップと言われているものについてご説明いたしたいと思います。
これは警戒区域と計画的避難区域の除染の工程をお示ししたというものでございます。この地域につきましては、具体的に国が――環境省がということでございますが、除染の実施計画をつくっていくということになります。除染の実施計画は、除染する場所、除染をする時期、方法、こういったものを記載する法定文書でありますけれども、これに従って除染を行っていくわけでありますが、実際に除染をする場所を決めたり、あるいは、その時期を決めたり、こういった作業は、実は避難指示区域の見直しといった作業、あるいは復旧計画の策定の作業、あるいは賠償の考え方、こういったものと非常に密接につながっていくということもございますので、環境省ひとりでやっていくわけにはまいらないということで、まずは環境省としての考え方をお示しをして、具体的にこの考えを示しながら、市町村と緊密にお話をしながら、また関係の各省とお話をしながら、具体的な計画をつくっていくための、いわば基本的考え方としてお示しをしたというものでございます。
くっていただきますと、表と基本的考え方がございます。
まず工程表でございますけれども、まず特別地域内除染実施計画、これは国がつくる計画ということでございますが、一応3月末を目途としてつくっていこうと考えております。これは避難指示区域の見直しというものが3月末を目途としているということにも関係してきますので、一応3月末を目途につくっていくということにしております。ですから、その間、市町村等といろいろ協議を進めて、具体化を図っていくということでございます。
一方で、内閣府が実際にモデル事業というのをやっています。これは除染の技術手法についての実証、どのぐらい除染ができるか、そのときの方法は何かということを詰めていただいておりますけれども、これは今続いておりまして、この成果を計画づくりに生かしていこうということになっております。
それから、高線量の地域、非常に線量の高い地域では、そもそも除染の作業が安全にできるのか等といった問題もありますので、ここについては、環境省が引き続きモデル事業をやっていくということにしております。
本格的な除染は、除染実施計画ができてからということになりますが、その間、やはり除染を進めていかなければいけないということもありまして、先行除染ということを考えております。これは役場とか公民館、こういったところは除染のための拠点になるというようなところでございますので、こういったところ。それから、例えば常磐道のような共通的なインフラ、こういったものついて先行的に除染を進めていくということで、今、準備を進めておるところでございます。
それから、本格除染ということでございますが、基本的考え方の下に、本格除染に書いておりますけれども、主なプロセスとして、まず除染を実施する土地の関係者の把握というものをしなければなりません。その方々に説明会を行って、建物等への立入りの了解をいただくということになります。実際に除染の方法を確定するためには、建物等への立入りとかをやらなければなりませんので、そのためにもご了解は必要ということになります。それから、その了解が得られれば、モニタリングとか建物の状況調査をしまして、除染の具体的な計画ができる。それから、その情報をもとに、土地の関係者、所有者等に対して、除染の同意をちょうだいしてまいるというようなプロセスを踏んでまいります。
実は、このプロセスがかなり時間を要するということもありまして、一部のところでこれを先行してやっていきたいと考えてございますけれども、いずれにしても、実際に除染の作業が開始できるのは、この除染同意が得られた後ということになります。そういうことを考えますと、この本格的除染のチャートを見ていただくとおわかりになりますけれども、具体的なそういった関係の確認、把握、それから同意の取得ということをやりますと、現実的に除染の作業が開始されるのは夏ぐらいであろうと想定をしています。
一方で、除染を進めるためには仮置き場をつくらなければならないということで、仮置き場については、2月、3月から着手をしていきまして、順次進めていくということになります。
次に、くっていただきますと、新たな避難指示区域ごとの除染の工程ということがございます。先ほどのお話にもあったかと思いますが、12月26日に新たな避難指示区域の見直しについての基本的考え方というものが出されて、3つの地域に区分をして考えていくという基本的な考えが示されているところでございます。3月になりますと、この考え方に沿って区域の見直しが行われるということを想定いたしまして、その3つの区域ごとの除染の工程というものを、私どもの考え方をお示ししたということでございます。
例えば、20ミリシーベルト以下となることが確実となると見込まれる地域について、避難指示解除準備区域ということでございますが、ここについては、まずは高い線量のほうから優先的にやっていこうということで、10~20ミリのところの区域について先行的にやって、24年中、12月末までに終えることを目標とする。それから、順次5~10の地域を24年度内、それから、1~5の地域を平成25年度内に行う、そういった目安の考え方をお示ししたところであります。
それから、居住制限区域となる地域、これは20~50ミリシーベルトというところでございますけれども、ここにつきましては、現在避難を余儀なくされているというところでございますけれども、ここについては、最初の避難指示解除準備区域というところは少し遅れて始まりまして、平成25年度までに一通りの除染を終えるというようなことを考えております。
それから、帰還困難区域となる地域、これは50ミリシーベルト以上のところを念頭に置いておりますけれども、これはモデル事業をやって、具体的に除染がどこまでできるのかということを検証しながら、その結果を待って、具体的な検討を行うということにしてございます。
一番最後の図3でございますが、これは先ほど中でも申し上げた除染工程のプロセスということで、こういう手続きを踏んでいくということでございます。すみません、1点訂正をさせてください。土地の関係の把握というのがありますが、6万人の世帯ということになっておりますけれども、これは6万人というと、この地域全体の世帯数でありまして、実際に除染を行う地域の世帯数で言いますと、おそらく3万世帯ぐらいであろうと考えておりますので、1点訂正をお願いいたします。
以上のように基本的考え方をお示しをして、これから市町村等と具体的に協議をして、最終的には、その協議の結果が具体的なそれぞれの地域ごとの除染実施計画に結実をするというふうに考えております。
1点お話をしておかなければならないのは、除染というものは、ある程度まとまった地域を一体的にしなければいけないということです。例えば、隣接する2つの家があって、片方の家は除染するけれども片方はしないということになりますと、除染した側の家の線量が下がらないということになりますので、ある程度地域をまとめてやっていかなければいけないということもありますので、ここは市町村とよく調整をしながら、まとまって順々にやっていくようなことを、きちんと絵をかいていかなければいけないということでございます。
それから、もう1点申し上げておかなければいけないと思ったのは、除染は、何回もやればどんどん線量が下がるというものではございません。一定の技術的なことをやると、それ以上なかなか下がらないということもございます。したがって、例えば、20~50のところで除染をするといって、20ミリ以下を目指すわけでございますけれども、一挙に長期的な目標と言っているような1ミリに下がるということではなくて、ある程度合理的な範囲での除染をすれば、それ以上やってもなかなか下がらないということですので、そこで一定の除染の効果を得たと考えるものだというふうに理解をしております。
以上でございます。ありがとうございました。
【大塚会長代理】 どうもありがとうございました。
では、今のご説明につきまして、ご質問、ご意見等はございますでしょうか。
田中委員、お願いします。
【田中委員】 本格除染に先立って、いろんな課題、今5つ挙げられていますが、住民の説明会とか、いろいろ。除染の同意を得るという中で、賠償という観点から言うと、除染に伴う財産の損害についての補償をぜひすべきだというのが、前回、郡山での首長さんからもたくさん出ていました。特に森林なんか、大きな木材とか、そういうものについての、そこが補償されないと、多分、首長さんだけの意見ではなくて、個人の方もなかなか同意できないという状況にあるんだと思うんですが、そのあたりの考え方を少しお聞かせいただきたいなと。
【大塚会長代理】 今のは、森林を切らなくてはいけないとかという話ですか。
【田中委員】 要するに、家の周りも森林が、杉林とかなんかがありますと、そういうのを切らないと除染できないというのがかなりありますので、そういうことですね。
【大塚会長代理】 お願いします。
【環境省(大村室長)】 ありがとうございます。
まず除染という言葉の定義でございますけれども、基本的には、財物の損壊を伴わない作業ということが基本的な考えにはございます。つまり、建物とか、農地でありますとか、森林を損壊しないできれいにするというのが基本的な考えでございます。
ただし、例えば、庭の土壌とか芝生、あるいは駐車場の砂利とか、そういった除去しないと線量的には見込まれないという場合に限っては、原状回復措置、例えば客土をしますとか、あるいは芝を張りかえるですとか、あるいは道路を再舗装する、こういったものを伴う除染を行うことは、もちろんございます。これは除染の費用の中に勘定しているところでございます。
同様に、例えば、立ち木に関する除染作業においては、基本的に枝葉の除去等の措置を行うというのは通常でございますけれども、例えば、除染特別地域、直轄地域のように、一定程度の線量が高いところで、木の伐採を行わないと線量の低減が見込まれないというような場合に、やはり真に必要である場合には、補償を伴う除染というものを行うこともございます。補償の範囲とか、補償額の考え方については、現在検討を行っているところでございまして、年度内に結論を得たいというふうに考えているところでございます。
【大塚会長代理】 どうぞ。
【田中委員】 これをかなり前広に補償しないと、畑も田んぼもそうですけど、客土をするとかと言っても、実際の除染はできない、実際の効果が上がらないと思いますので、そこをきちっとやっぱり補償するというか、もとに戻すという。と言っても、実際、客土をすると言っても、今、実際には、客土するものがないんですよね。森林の枯れ葉もないし、わらも使えないし、家畜のふんも使えないという状況ですから、そういうことを含めると、いろんな意味で幅広くその補償というのを考えていかなければいけないんですが、それを除染でやるのか、賠償でやるのか、そこは非常に難しい問題はあると思いますけれども、実質的には、除染をするというのは、そういうことを抜きには、多分、住民の合意も得られないと思いますので、そこをよく前向きに幅広くご検討いただいたほうがいいのではないかと思うんですが。
【大塚会長代理】 今のはご意見かもしれませんけど、何かコメントいただくことがございましたら。
【環境省(大村室長)】 今のご指摘も踏まえて、検討してまいりたいと思います。
【大塚会長代理】 では、中島委員、お願いします。
【中島委員】 今の田中委員の質問の延長の問題なんですけど。先ほどのご説明ですと、除染費用に含まれるものとしては、その財物を破壊しなければ除染ができないと合理的に認められる範囲では、その財物の毀損分も除染費用に含まれると、こういうご説明だったんですけど、具体的には、例えば、破壊しなくても20ミリにはなる、破壊すると5ミリに下がるというような場合も当然出てくると思うんですけど、どのくらいの線量に除染することを目標に、その破壊が合理的であるというふうに考えておられるのか。ちょっと細かいんですけど、そのあたりの基準はお持ちなんでしょうか。
【大塚会長代理】 いかがでしょうか。
【環境省(大村室長)】 ありがとうございます。
除染の目標等の基準ということだと思います。今、私もそれを設定するのが非常に難しいというふうに考えておりまして、それは実際に建物の材質でありますとか、置かれている状況でありますとか、周囲の線量でありますとか、それによってかなり異なってくると思っておりまして、あらかじめここまで除染をするということは、非常に決めにくい状況にございます。
究極的に除染の目標ということで言いますと、長期的に1ミリを目指すということでございまして、例えばいつまでに5ミリにならなければいけないとか、そういう目標は今のところないわけでございますので、除染については、合理的な範囲で除染をして、そこで一通りのことをやれば、到達したところが合理的な範囲という、説明は難しいんですけれども、そういうふうに考えております。
その合理的な範囲として、具体的にどこまで考えるかということでございますが、これは実際に今除染のモデル事業をやっておりますので、除染の努力と効果をグラフに書いていきますと、やっぱり一定のところで頭打ちになってくるということもあります。そういうことと、それから、それによって建物等がどういう影響を受けるのかというようなことも考えながら、一定の合理的範囲を決めていくんだろうというふうに思っております。ですから、モデル事業の結果を見ながら、具体的に除染の範囲を決めていくということになるかと思います。
【大塚会長代理】 よろしいですか。
では、田中委員、どうぞ。
【田中委員】 今日の配付資料の参考4にもありますけれども、当面、年間10ミリシーベルト、2年間ぐらいで達成して、その後、5ミリを目指すとか、そういう一応国の1つの方針が出ているんですけれども、私はこれでいいと思うんですけれども、そのことと、それで、住民の方がそれで納得できるかどうかというのは、非常に難しいところがあります。でも、やってみなければわからないというのでは、ほんとうは困るんですよね。ここまでやろうということを、ある程度合理的に、ここまでならできるということをはっきり言わないと、メッセージを送らないと、住民の方から見ると、1ミリにしなさいという要求も出てくるし。だから、そこはあんまりあいまいにする必要はないんだと思います。モデル事業でというと、モデル事業自身が線量低減の目標をどこまでというのをやっていないですよね。だから、そういうことを含めて、もう少しきちっとやっていかないと、賠償との関係をどういうふうに見るのかというのは、非常に面倒なんですけれども、どう考えるのか、そこを明確にしないと、いつまでもこのタイムスケジュール、工程表というのもなかなか達成できないのではないかと思います。可能な範囲とは何を意味するか、どのようなことかをはっきりさせるべきと思います。
それから、除染ができないかもしれないから言わないというのではなくて、除染をやってみて、ここは難しいですねということが、やっぱり住民の方が自分で納得できるようなプロセスというのが要るわけですね。そういう意味で、国がやるから、あとは住民は無関係ですというのではなくて、やっぱり住民参加型でやらないと、ここはもう最後までそういう問題を残すのではないかと思いますので、余計なことですけど、申し上げておきます。
【大塚会長代理】 どうぞよろしくお願いします。賠償と関係する範囲でお答えいただければ結構です。
【環境省(大村室長)】 除染をやった、どのぐらい差があるかについて、なかなかその確率はあるんですけれども、なるべく住民の方にわかるような形でお示しをしていきたいというふうには思っておりますし、工事の発注でも、そういったことに心がけてやっていきたいとは思ってございます。
【大塚会長代理】 私からも質問しますが、田中委員の前のご発言とちょっと関係しますけれども、立ち木とかを切らないと除染できないケースの立ち木の伐採について、補償するということで進めておられるようですけれども、それが今回の我々の今検討している原子力損害のほうの賠償の範囲に入るかどうかという問題とか、あるいは、除染の間に生じている営業損害、除染の間、土地を使えないので生じている営業損害は、こちらのほうの損害賠償に入るかどうか、幾つか除染との関係で損害賠償について考えなくてはいけないかもしれない点はあるかと思いますけれども、環境省のほうでもしそういう点に何か気づいておられましたら、ここでお話しいただけるとありがたいんですけれども、いかがでしょうか。
【環境省(大村室長)】 除染、例えば、立ち木の補償といったことにつきましては、これは除染の特別措置法の措置の範囲としてやるものでございますから、当然、その特別措置法の精神によって、それは賠償の範囲に入るというふうに考えてございます。
営業損害等につきまして、まだ私どものほうで具体的にどういうふうに考えるのかは、考えているわけではございません。
【大塚会長代理】 ほかに何か、こちらのほうで考えたほうがいいようなことで、何か気づいておられましたら。
いや、特にないようでしたら結構です。よろしいですか、ほかに。
じゃ、どうぞ、中島委員。
【中島委員】 今の大塚先生の質問の延長なんですが、今までのご説明で、ちょっと確認なんですけど。除染費用に含まれる、財物を破壊した場合のものも、合理的であれば、その追加的費用は除染費用に含まれるということですが、破壊後、修復する費用は含まれないということなんですね。それは、当然、もう除染費用でなく、こちらで賠償として検討しなければいけないという理解でよろしいんでしょうか。
【大塚会長代理】 いかがでしょうか。何ですか。例えば、若干建築物みたいなものを壊さなくてはいけないようなことを考えればいいですか。木とかは、修復もなかなか難しいかもしれませんけど。
【中島委員】 具体的には、新聞にも出ていましたが、農地ですと、表面の土をひっくり返しているわけですね。具体的な作業では、ひっくり返した後は大変なでこぼこになって、ならすのにお金がかかる。さらに、土が大事ですので、その手入れ、もとの土に戻すために、さらに追加の費用がかかる。もとの原状に戻すためには、除染プラス追加費用が要ると。このあたりが除染費用に含まれるのかどうか。含まれないとしたら、逆に、賠償の対象として検討しなければいけないのかということでございます。
【大塚会長代理】 いかがでしょうか。
【環境省(大村室長)】 先ほど少しお話をいたしました原状回復に類するようなこと、例えば、表土をはいだ後の客土でありますとか、芝を取った後の張りかえでありますとか、あるいは、道路の上を削ったりとかする場合もありますので、その場合の再舗装ですとか、そういうものについては、除染の中に勘定はしております。
ただ、そのほかにいろいろなものが出てくるのかもしれませんけれども、そこについては、また今後いろいろ考えていかなければいけないのかなとは思っておりますけれども、当面、やはり基本的には財物損壊を伴わない程度のものを除染というふうに考えておるものですから、あまり広く考えるということではないのかなと思っております。
【大塚会長代理】 よろしいですか。どうぞ、田中委員。
【田中委員】 財産の損壊を伴わない除染というのは、私は不可能だと思いますね。だから、そこのところはやっぱりきちっと割り切って、きちっとした線を言っておかないと、いずれやっぱり問題を残して、今度は損害賠償という形で、個別の損害賠償がどんどん出てくることになると思うんですね。そういうふうになるのはたまらないですから、やっぱりそこは補償すべきと思います。そもそも特別措置法の中では、除染に伴うものは全部損害賠償の範囲と含めているんですから、そこを上手に利用して、全体としてやっぱり除染、例えば、さびたトタン屋根についたセシウムは取れないんですよ。それだったら、もうはがして、新しい屋根にやったほうがはるかに安くできるんですが、それが除染ではないとか、そういうことを個別に言うと、いっぱい出てくると思うんですね。だから、そういうものは、一々後で損害賠償という形で出されても大変困るんですよね。だから、そこは除染の範囲でやっていただくほうが、私は合理的ではないかと思いますので、ぜひそういう方向でお考えいただきたいと思いますが。
【大塚会長代理】 今のことも入ることになっているわけですね。先ほど、今のような例で。
【環境省(大村室長)】 屋根の部材は入っています。
【大塚会長代理】 だから、除染のときの営業損害だけは必ずしもまだ決まっていないようでしたけれども、ほかは入るという、ここで今議論したものも入るということだったと思います。
よろしいでしょうか。ちょっと時間がなくなってきて恐縮ですが。
では、どうもありがとうございました。除染につきましては、次の議題で改めて議論します。ご苦労さまでした。
では、議題4、指針策定に向けた論点についてに移りたいと思います。前々回の審査会で、今後の検討課題についてご議論いただきましたけれども、本日は、それをさらに具体的な論点として記した資料が用意されております。この資料は、能見会長が事務局に指示してまとめられたものでございます。前々回の審査会での委員のご意見だけではなくて、前回の審査会におきまして地方自治体から挙げていただきました課題も考慮してまとめられております。まず、事務局から資料を説明してください。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 それでは、資料4、主な論点(案)でございますが、順次説明をさせていただきたいと思います。
まず1でございます。政府による避難等の指示等に係る損害関係ということで、まず一番初めに、避難費用の終期の問題がございます。一番最初に書いてございますが、中間指針では、避難指示の解除から相当期間経過後に生じた避難費用は、特段の事情がある場合を除き、賠償の対象にならないとされてございます。この「相当期間」につきまして、中間指針におきましては、屋内退避が解除になった区域等について、23年7月末まで、あるいは同年8月末までということで書いてございますが、今後定める指針におきまして、次にあります緊急時避難準備区域その他について、この相当期間をどうするかという問題がございます。
それで、小さな字で注で書いてございますが、「避難費用」について確認をさせていただきますと、中間指針におきましては、避難費用としまして、まず一番最初に、交通費、家財道具の移動費用、それから宿泊費等、さらには生活費の増加費用とされてございまして、生活費の増加費用については、先ほどもご議論ございましたが、原則的には精神的損害と合算するんですが、特に高額の生活費については、別途、必要かつ合理的な範囲において、賠償すべき損害と認められるということが書いてございます。
そこで、まず緊急時避難準備区域の場合でございますが、これは先ほど被災者支援チームのほうから説明がございましたように、9月30日に一括で解除の指示がなされてございます。それで、これにつきまして、1ページ目の一番下から始まりますが、論点といたしましては、この帰還完了を目途としているのが、3月末というところもございますし、あるいは、復旧計画があるわけでございますが、そうではないところもある。そういう中で、具体的に、この緊急時避難準備区域の解除後の相当期間をいつまでとするか、あるいは、現時点でその相当期間を示すことが可能かということが、論点としてございます。注で書いてございますのは、先ほどこれも説明のございました楢葉町については、そもそも帰還を求めないということになってございます。
それから、さらに、丸2でございますが、警戒区域と避難指示区域の場合ということで、昨年の12月26日に、この警戒区域・計画的避難区域の見直しの考え方が策定されてございますが、この後、「避難指示解除準備区域」、「居住制限区域」、「帰還困難区域」という、新たな区域が今後設定される予定になってございます。
その中で、論点でございますが、この「避難指示解除準備区域」、「居住制限区域」、「帰還困難区域」、新たに設定される3つの区域について、現時点で解除後の「相当期間」を示すことが可能か。あるいは、示す場合については、具体的にいつまでとすべきかというのが1つ目でございます。
さらに、これら区域それぞれ性格がございます。「避難指示解除準備区域」は近い将来解除されると見込まれる、「居住制限区域」は最長で5年間は解除されない、「帰還困難区域」は少なくとも5年間は解除されないという考え方になってございます。これをどう考えるかということでございます。
さらに、「帰還困難区域」と「居住制限区域」につきましては、解除まで相当の年数を要することが見込まれてございます。こういった区域について、そもそもこういった長期間について、「相当期間」経過前の全期間の避難費用の実費という形で損害を認めることとするか否かという問題がございます。
さらには、こういった避難者の中には、帰還を断念して移住するという場合もございますが、移住した場合は、その時点が避難費用の終期になるのかどうか。さらには、移住したか、避難したかというのを、そもそも区別することが可能か、あるいは適当かという問題がございます。
さらに、3番目には、特定避難勧奨地点でございますが、先ほどの昨年の基本的考え方の中には、「特定避難勧奨地点についても、その解除に向けた検討を開始する」というふうにされてございますので、3ページの上になりますが、これにつきましても、解除後の「相当期間」を現時点で示すか、示すとすれば、具体的にどうするのかという問題でございます。
それから、(2)といたしまして、避難費用と期間は一体と考えられるわけでございますが、精神的損害の期間と損害額の問題がございます。これは大きく2つございまして、まず1つ目は、精神的損害の第2期の期間の問題でございます。3行目から書いてございますが、中間指針におきましては、これは一番下のほうを見ていただきたいのですが、「その期間は必要に応じて見直すこととする」と、第2期の期間でございますが、とされてございます。ここで、論点といたしまして、この第2期の期間をどうするかということでございますが、先ほどの基本的考え方の中では、本年3月末を目途に、現状の避難区域を見直して、新しい3つの区域に分けるということになってございますので、第2期を本年3月末まで、あるいは、その区域の見直しまで延長して、4月から第3期ということで検討してよいのかどうか。さらに申し上げますと、新しい3つの避難区域の前に解除になっている「緊急時避難準備区域」についてどうか、あるいは、「特定避難勧奨地点」についてどうかという問題がございます。
それから、2つ目でございますが、これが一番大きな課題と認識してございますが、第3期の精神的損害、これは第2期の終了後、終期までの期間の損害額の算定方法でございます。中間指針におきましては、3ページの下のほうに書いてございますが、中間指針の策定時では具体的に示せないということで、「改めて第3期における損害額の算定を検討する」ということとしてございました。
そこで、4ページでございますが、これについても、さまざまな論点がございます。
まず、基本的には、この第3期の期間における損害を、3つの新しく指定される区域それぞれについて具体的にどういうふうに考えるかという問題がございます。そこに少し注書き的に書いてございますが、新たな区域が設定されたことによって、中間指針では「引き続き自宅以外での不便な生活を余儀なくされていることによる精神的苦痛」、それから、「いつ自宅に戻れるか分からないという不安な状態が続くことによる精神的苦痛」というのを主な精神的損害の要素としてございましたが、これに、この避難区域の見直しというのがどのような影響があると考えられるのかということではないかと思います。
次でございますが、これはその他の「緊急時避難準備区域」、「特定避難勧奨地点」につきましては、先ほど第3期ということで考えるかどうかという問題もございますが、その場合、具体的にどういう損害額をどのように考えるかということでございます。
それから、全体的な問題として、第2期までと同様、避難費用のうち生活費増加分というのを、この精神的損害の中に合算するということでよいかどうか。
さらには、月当たりの金額で示すのか、一括の金額で示すのかという問題もございます。例えば「帰還困難区域」につきましては、区域が設定された時点で、少なくとも5年間は帰還できないという考え方が明らかになっているわけでございますが、このような場合に将来の分も含めた一括の賠償を考えることができるのかできないのかという問題がございます。
さらには、解除後「相当期間」内に避難者が帰還した場合、これは先ほど少しご議論いただいた問題だと思いますが、避難費用と同様、帰還した時点を終期としてよいかどうか。括弧内で書いてございますが、早期に帰還した者が不利にならないようにすべきとの要望はあるが、帰還した後は避難しているとは言えない点、これをどう考えるのか。
それと関係いたしまして、区域が解除されて帰還した後の損害、これをどう考えるのか。括弧で書いてございますが、財産的損害の賠償等とは別に、慰謝料として示すべきものはあるのか、また、中間指針で認められた自主的避難等に係る慰謝料との関係はどうなるかというような論点がございます。
続きまして、営業損害の終期でございます。営業損害の終期につきましては、中間指針におきましては、4ページの下の数行が全部そうでございますが、「基本的には対象者が従来と同じ又は同等の営業活動を営むことが可能となった日とする」ということでございますが、下から3行目でございますが、「一般的には事業拠点の移転や転業等の可能性があることから、賠償対象となるべき期間には一定の限度があることや、早期に転業する等特別の努力を行った者が存在することに、留意する必要がある」とされてございます。
そこで、論点でございますが、まず終期についてということですが、この営業損害が賠償すべき損害と認められる期間の終期を具体的にどういうふうに考えるか。指針で具体的な終期、例えば、事故発生から何年間というような形で示すことが可能なのか。それとも、中間指針で示したような一般基準にとどめて、あとは個別に具体的な状況に応じて判断することとするかという問題がございます。
以下の3つは、仮に具体的な終期を指針で示す場合、まず1つ目でございますが、区域や業種、それぞれ類型に応じた具体的な終期を示すのか、あるいは、これは被害者が、時間がたって営業を再開する場合、あるいは拠点を移転したり、あるいは倒産・廃業、そういったさまざまな行動を選択されることになりますが、それに応じて示すのか、あるいは、被害者がとった行動によらずに一律に示すのかという問題がございます。例えばとして書いてございますが、従前の営業を休止・断念したことによる損害の終期と、帰還して従前の営業を再開した場合に生じ得る損害の終期、これは一緒に考えるのか、別に考えるのかというような問題がございます。
それから、3つ目でございますが、これは中間指針の議論のときにも一度お示しをしてございますが、例えば、土地収用における損失補償基準というものがございますが、これが1つの参考としては使えるのではないかと考えられますが、そもそも不法行為によって生じた損害ということで、土地収用とは異なるということをどういうふうに考慮していくかということでございます。
さらには、最後でございますが、終期が来るまでの間に、これも先ほどご議論いただきましたが、臨時の就労、転業・転職等によって生じる収入をどう考えるか。損害額から控除するか否かという問題がございます。
この最後の問題に関連して、丸2の「特別の努力」というのがございますが、中間指針では、先ほど丸1のところでも書いてございましたように、「早期に転業する等特別の努力を行った者が存在することに、留意する必要がある」という記述、それから、「高齢者、農林漁業者等の転職が特に困難な場合や特別の努力を講じた場合等には、特別の考慮をすることとする」というふうに書かれてございます。こういった早期に転業する等、特別の努力を行った者について講じる具体的な考慮、それをどうするかというのが、2つ目の「高齢者、農林漁業者等の転職が特に困難な場合」と両方についてあるということでございます。
それから、5ページの一番下のところからは、就労不能等に伴う損害の終期ということで、これも営業損害とほぼ同じような終期と特別の努力の問題がございます。
6ページの丸1の終期につきましては、これは1行目から始まりますが、「基本的には対象者が従来と同じ又は同等の営業活動を営むことが可能となった日とすることが合理的であるが」、これは下から4行目でございますが、「一般的には、就労不能等に対しては転職等により対応する可能性があると考えられることから、賠償対象となるべき期間には一定の限度があることや、早期の転職や臨時の就労等特別の努力を行った者が存在することに留意する必要がある」と、中間指針ではこのように書かれているわけでございます。
したがって、ここの論点といたしましては、先ほどの営業損害とほぼ同じでございますが、そもそも終期を具体的に設定するのか、それとも、一般基準にとどめ、特別対応とするのかという問題。
終期を具体的に示すときに、区域や、これは正規・非正規など雇用の形態がございますが、そういった類型に応じた終期を示すのかという問題がございます。
ここでも、土地収用の損失補償基準、あるいは雇用保険制度が参考になるのではないかと思われますが、これも不法行為によって生じたものである。あるいは、雇用保険の場合は、趣旨が賠償とは違うということもございます。こういったことをどう考慮するのか。
最後のところも同じでございますが、終期の到来までの間の転職や臨時の就労によって生じる収入を損害額から控除するか否かという、営業損害と同じ問題がございます。
「特別の努力」につきましても、中間指針では、「一般的には、就労不能等に対しては転職等により対応する可能性があると考えられることから云々」とございます。この「特別の努力」の部分が、営業損害と同じように、次の7ページの一番上のところにございますが、考慮する「留意」の具体的内容を示すことができるかどうかということがございます。
続きまして、7ページからは、2の自主的避難等に係る損害関係。ここについては、皆さん記憶に新しいので、細かく説明いたしませんが、先般の中間指針追補の自主的避難等対象者でございますが、これに係る賠償の期間を、当面、平成23年12月末までの損害として示していたところでございます。さらには、指針に、「24年1月以降については、今後、必要に応じて賠償の範囲等について検討することとする」となってございます。
そこで、論点でございますが、24年1月以降の賠償の範囲について、どういうふうに考えるかという問題がございます。一応、1月以降のものとして考えるときに、参考となるものとして、そこに昨年の12月に、これは内閣官房のほうの低線量被曝のリスク管理に関するワーキンググループの報告書というのが取りまとめられてございますが、これを参考4でつけてございますが、これの概要をつけてございます。こういうものがあるというのをどう考慮するか。
それから、2つ目でございますが、この1月以降の賠償の範囲でございますが、線量の状況に応じて個別具体的に判断するのか、あるいは、中間指針の追補と同様、原則として賠償対象とする範囲を指針で示すことができるのか。仮に対象範囲を示すことが可能であるとしても、今、現時点で示すことができるか、あるいは、もう少し今後の線量の状況を考慮してから示すべきなのか。
次の論点といたしまして、対象者でございますが、これは先ほどの避難指示の対象者が解除されて帰還した後について、帰還場所によって同じ問題として扱うべきかどうか。
さらには、損害額につきまして、次の7ページの一番上でございますが、具体的に損害額をどうするのかという問題がございます。
それから、8ページから3でございますが、財物価値の喪失又は減少についてということで、中間指針では、一般的に、そこに1行目の後ろから始まりますが、「現実に価値を喪失し又は減少した部分及び必要かつ合理的な範囲の追加的費用が賠償すべき損害と認められる」という記述になってございます。
論点といたしまして、財物の賠償に関しては、まず、価値の高い不動産、これは先ほど東京電力さんからのお話の中でも出ましたが、これについて、価値の変動する不動産に関して、実際に売買できなくても請求時点で客観的に価値が下落していれば、請求時点の価値減少分が賠償の対象となると考えてよいのかどうか。
その場合、賠償後に除染等によって当該不動産の価値が回復した場合、その価値回復分を精算する必要はないのか。あるいはまた、その場合の除染費用というのは賠償の対象となるのか。
さらに、3つ目でございますが、これも先ほどご議論があったところでございますが、避難指示等区域内の財物の価値の評価に関して、審査会としてほかに何が検討できるのかということで、例えば、区域によっては、その区域内にある不動産の減価率を一律に一定で推認することが可能かどうか。先ほど全損という話もございましたが、ということについて、論点として挙げさせていただいてございます。
それから、最後、その他のところは、除染のところを中心として書いてございますが、先ほど環境省から説明がございました特措法に基づく除染というようなものが行われている中で、9ページに論点が2つ書いてございます。
その特措法が施行される中で、除染等に関して、賠償の範囲について審査会で検討する必要がある事項というのは何かという話がございます。
その中の1つでございますが、除染に伴う財物損壊等の損害、立木、例ということで先ほどご議論していただいたものですが、これは賠償の対象と考えてよいかということを、とりあえず除染に関して2つ論点を挙げさせていただいてございます。
最後のところは、その他、自治体の損害等既に中間指針で示した事項もございますが、前回の審査会のヒアリング等を踏まえて、現時点で審査会として検討すべき事項があるか。ここはちょっと訂正させていただきますのは、このヒアリングのあとの別紙というのは、参考3のことでございます。前回のヒアリングの中から、主なものを箇条書きにした。詳しくは議事録の中に書いてございます。
一応最後のところに参考といたしまして、これは中間指針で今後検討することとされている事項というのを抜粋して、そのまま張りつけてございます。
資料の説明は以上でございます。
【大塚会長代理】 どうもありがとうございました。
では、ただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見等はございますでしょうか。一つ一つやっていったほうがいいかと思いますけれども、何か最初に全体に関することでもございましたら。
では、中島委員。
【中島委員】 この論点の中に含まれていないようにも思うんですが、先ほどの廣瀬常務の指摘で気がついたんですけれども、前回の郡山でも多くの首長から指摘された、避難後の労働で得た収入分が賠償額から引かれるという問題について、大塚委員のほうから、特別の努力であれば引かなくていいのではないかというご指摘があって、我々も多分ずっとそう思っていたと思うんですが。今、改めて指針を見てみますと、給料の減収分、この「特別の努力」という言葉は、論点に今整理されましたように、終期の切り方についての基準としての留意点として使われているだけで、減収分の計算では「特別の努力」という視点を入れていなかったと思うんですね。ということに気がついたんですが。
例えば、8)就労不能に伴う損害の備考の……。
【大塚会長代理】 何ページかお願いします。
【中島委員】 この冊子ですと、27ページの6)です。6)では、給与等の減収分は、原則として、就労不能等となる以前の給与等から就労不能等となった後の給与等を控除した額であると。
「特別の努力」というのは、その後ろの1枚めくっていただいて、8)の、損害の終期を切る際の留意点としてだけ入っていまして、さっき廣瀬常務も、たしか中間指針では引くとなっているじゃないかという指摘だったと思うんですが、これが根拠になっているとすると、ただ、我々はこれを議論した際、避難先で働いた場合の給与というのはあんまり想定していなかったと思うんですが、だとすると、「特別の努力」という概念は、もともと判例では、こういうのを引かないときの例外として言い出されたと思うんですけど。だとすると、6)のところにも、控除する例外として、「特別の努力」というのをつけ加えてもいいのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
【大塚会長代理】 今すぐ決めてしまうわけにはいきませんが、そういう論点があるということは十分に認識して、検討していきたいと思います。おっしゃるように、昭和56年の最高裁判決は、まさに6)のようなことについて、特別の努力を言っておりますので、この点については検討していくべきかと思います。
【野村委員】 今のところですが、この読み方なのですけれども、給与等の減収分というのは、職が変わらない場合のことですよね。
【大塚会長代理】 そうですね。
【中島委員】 そういう想定だったと思うんですよ、我々は。
【大塚会長代理】 減収分ではないですね。
【野村委員】 ですから、むしろそのところで、給与は給与としてもらっていながら、ほかに収入があったときどう考えるかという問題としてとらえるのだとすれば、むしろここでは全く触れられていないということではないかと思うのですが。
【大塚会長代理】 では、6番とは別のところで、どこに係るかということも含めて検討していったらいいということではないでしょうか。ほかにはよろしいですか。
私のほうから、全体との関係で、事務局にお願いというか、お伺いですけれども、前回、自治体の首長さんから出ていたご意見で、別の資料でまとまっているものが全部この主な論点に入っているとは必ずしも限らないかと思うんですけれども、それについての扱いをぜひ検討していただきたいと思うんですけれども、何かお答えいただくことはございませんでしょうか。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 前回の自治体からいろいろ出た話につきましては、これは能見会長ともご相談をさせていただきましたが、現在の指針の解釈の問題であったり、あるいは、実際、賠償の現場の運用の問題であったりするものもございますので、主なものとして、別途、参考2にさせていただきましたが、先ほどの、例えば早く帰った人が損をしないようにとか、あるいは今の就労意欲に関するもの等々、指針で検討しうるものについては一応入れたつもりでございますが、そこは今日のご議論で最後に、現時点で審査会として検討すべき事項があるかということで、この場で挙げていただければ、どんどん論点には追加していくということで資料はつくらせていただいてございます。
【大塚会長代理】 では、そのように扱わせていただきたいと思いますし、仮に、今までの指針の中に入っていても、わかりにくいものは、Q&Aとかをおつくりいただくとかということも、ぜひご検討いただければと思います。
では、まず1番の、政府による避難等の指示等に係る損害関係でございますが、避難費用の終期等でございますが、この緊急時避難準備区域の場合について、何かご意見ございませんでしょうか。
【高橋委員】 私としては、市町村ごとに、きちんとした基準を決めて、明確な形で「相当の期間」というのを判断するほうが、指針の性格上に照らすとよろしいのではないかなと思います。ただし、楢葉町は、先ほどお聞きしたように、例外のようで、警戒区域と計画的避難区域と一体という話は、合理的な判断であれば、そのような形で取り扱うのがいいのかなと思いました。
ただ、市町村ごとに差を設けるかということですけれども、楢葉町に見られますように、各自治体、状況が違いますので、やはり地方公共団体のご判断をある程度尊重しながら、市町村ごとに合理的な範囲というのを決めていくのがよろしいのかなと私は思います。
【大塚会長代理】 ありがとうございます。
いかがでしょうか。
【野村委員】 よろしいですか。
【大塚会長代理】 野村委員、お願いします。
【野村委員】 今の高橋委員のお考えのとおりだと思います。ただ、市町村によって、インフラの復旧の状態について、帰還の時期との関係で、ちょっと判断が違っているのかなという気もしまして、その辺が、同じような復旧でありながら、一方では帰還時期を必ずしもその時期としていない場合のように、自治体によって、帰還の時期について、その前提条件にずれがあると一律に扱うことがどうなのかなという気がするのです。基本的には、市町村によって異なるということで、やむを得ないのではないかとも思っています。ただ、その「相当期間」をどのぐらいのアローワンスを決めるのかということについては、市町村全体としての問題もありますけれども、例えば、世帯によっては、高齢でそう簡単に帰れないとか、いろんな個別の事情はやっぱり考慮せざるを得ないのではないかと考えますが。
【大塚会長代理】 これは、他方で、自治体によってあまり変えないでほしいという意見もあるようでして、それについてどのぐらい配慮する必要があるのかという問題もあるかと思います。
ほかにご意見ございましたら。
野村委員の今のご発言ですと、一人一人によって変えていくというような感じに。
【野村委員】 いや、そうではなくて、ある市町村としては、例えば、復旧ができて帰れるという状況になったときから、1カ月とか2カ月とか、合理的な期間内に戻るというのは、一応一律に全員に適用されると思います。ただ、場合によっては、高齢者で、今は帰れる状況にないとかいうような個別の事情があれば、それは多少アローワンスというか、もう少し長い猶予期間が認められてもいいのではないかという、例外的な扱いということですね。
【大塚会長代理】 わかりました。
【高橋委員】 すみません、丸2に行っていいですか。
【大塚会長代理】 では、次に行きましょう。では、警戒区域と計画的避難区域の場合のほうに移りたいと思います。
どうぞお願いします。
【高橋委員】 私、ここについては根本的な疑問があって、我々が当初想定していた場合としては、ある種、典型的な避難ということを考えていたと思います。しかし、大分状況が変わってきまして、例えば5年というようなことがもう明確な地域が出てきて、それについてどう考えるのか。さらに、5年ということではなくても、少なくとも5年に近い形で帰れないということがわかっている地域がある。そうすると、そこはもう避難というか、そこでの生活をどうするのかと問題になると思います。そこできちんとした生活を営むために、どのぐらいの賠償が必要なのかということになってきて、あまり避難という形で考えていいのかなというのが、私としては疑問であります。そういう意味では、全体としての不動産の問題も含めた形での総合的な賠償の在り方というのが、長期帰還困難区域もしくは居住制限区域の課題としては考えるべきではないかなと思った次第です。その辺は、ほかの先生の意見もお聞きしながら検討しなければいけないと思いますが。
【大塚会長代理】 生活の保障という形のようなことになってくるかと思いますけれども、そういう議論を、特に帰還困難区域の方については検討すべきではないかというご意見でございます。
これが今までの積み上げの考え方とどういうふうに整合させて検討するかということを考えないといけないかと思いますけれども、普通の避難とは違うんじゃないかというお考えだと思いますけれども、いかがでしょうか。
中島委員、お願いします。
【中島委員】 高橋委員もおっしゃっていたように、避難でなくても、移住を前提とした生活保障ということになると、その場合、土地も同じように考えなくてはいけないと。残された土地との整合性も考慮することが可能なのであれば、それがいいと思うんですが。という感じがします。
【大塚会長代理】 残された土地というのは、さっきの100%全損と考えるかどうかとか、その辺の話でしょうか。
【中島委員】 典型例はそうなると思います。避難も、生活保障で、移住を前提とした区域ということになると、多分、地域的には土地は全損とも考え得る地域と一致すると思うんですが。
【大塚会長代理】 そのときは、理論的な話としては、全損としての土地の価格と、新しい生活保障の賠償との関係というのは、どういうふうになるかも考えないといけないかもしれませんね。
【中島委員】 そうですね。難しい。
【大塚会長代理】 高橋委員、お願いします。
【高橋委員】 必ずしも移転を想定したというつもりではありません。私の場合は。ですから、当然、移転された方については、その不動産といいますか、土地を含めた形での、いわゆる生活についての賠償。生活保障と言うと、また憲法上いろいろと誤解を生ずる余地が出てきてしまいますので、生活ということについて視点を置いた賠償の仕方ということで考えるべきであろう、という趣旨です。
ただ、それには、二通りあると思います。不動産のことについては、また後で私の考えについては申し上げたいと思います。
【大塚会長代理】 今の点も非常に大きな論点だと思いますので、ぜひ検討を進めていきたいと思いますが、ほかに何かございますか。
今の点も議論しなくてはいけないと私も思っていたんですけど、もう一つの問題として、若干関連はするかもしれませんが、少し違う問題かと思うのは、先ほど来も出ていたところですけれども、定期金賠償のような形を、特にこの精神的損害について続けていくことが、若干負の作用を生み始めているところがどうもあるようで、1つは、労働意欲との関係の問題で、先ほど中島委員がおっしゃったこととも関係するんですけれども、もう一つは、早く帰還することをそれが阻むというか、妨げるような理由になっているのではないかということがあって、定期金賠償は、他方で、一度にたくさんもらうと使い込んでしまうかもしれないので、それを防止するというメリットもあることはあると思うんですけれども、ずっと定期金賠償の形を続けるのが適当かどうかというのは、少し考えてもいいかなと思っています。
特に5年間帰れないということがほとんど明らかになっているようなところですと、むしろ5年間分か、もうちょっと多いのか、その辺もちょっと考えなければいけませんが、まとまった精神的損害とかということを考えるかどうかというようなことも検討しなければいけないのではないかなと思います。
それは私の意見ですけど、いかがでしょうか。
【中島委員】 その範囲は問題だと思いますが、明らかに5年、あるいはそれ以上の区域というのは、先ほどの除染計画を見ても、そのうち明らかになって、環境省モデル事業の地域はそうなるのではないかと思うんですが。その地域については、少なくとももう一時金、一括払いでないと、デメリットもあるかもしれませんけど、そちらのメリットのほうが大きいのではないかと思います。
【大塚会長代理】 多分、一度にもらったほうが、いろんな新しいことをされようとするときにメリットもあるんじゃないかという感じもいたしますけれども。
田中委員、お願いします。
【田中委員】 それも人によるところがありまして、新たな場所を見つけて、新たな土地で新たな生活を始めるという場合には、一時金的なものでもらうほうが多分いいというところもあるかと思います。
それで、もう一つ、実態として、5年もし使わない田畑であれば、それをもう一回復活させるのはほとんど不可能になります。家だとか、それだけではなくて。実際、言ってみれば、1年休耕田になるといっただけでも、とてもこれは戻すのは大変だなと思いますし、2年、3年ぐらいだったらまず不可能だというのが、現地の農家の人のお話ですから、そういうことも考えると、そこは住民一人一人の考えを、いろんな要求が出てくると思うので、それをうまくくみ上げるような賠償ができれば一番いいなと思いますが。大変難しい話ですけれども。
【大塚会長代理】 いかがでしょうか。
【高橋委員】 今のお話は、農地としての価格が、要するに評価できなくなるということをご示唆されているのでしょうか。つまり、山林みたいな話の評価になってしまうというふうにとらえればよろしいのか。その辺がよくわからなかったのですが、教えてください。
【田中委員】 農家とか、牧畜もそうだと思いますけれども、そういうところは、生活の基盤が、その土地が使えない限りは、仮に帰ったとしても生活ができないわけで、その辺の判断を含めて、トータルで、ある場合には、もう無理だから、どこかよその土地に土地を求めて生活をするというようなこともあるだろうし、いや、どうしても何とか頑張っていくという、特にお年寄りの場合は、とにかく帰りたいという希望が強いですから、そういうことも含めてどう考えるべきかというのは、大変難しい問題だなという感じはします。
ただ、それが、全部が全部もう土地を放棄するというのであれば、それも1つのさばき方ができるのかもしれませんけど、虫食い的に、私は残るとか、私はやるということになると、その土地をどう扱うかということだって、いろいろ。先ほど東電では、所有者に所有権を残すというようなことをおっしゃっていましたけれども、そういうことを含めて、少しきめ細かく考えないといけないかなという感じはしています。
【大塚会長代理】 私のさっきの発言はむしろ精神的損害の話でしたので、今の農地の件は、財物とか不動産が全損として100%損害というふうに考えるかどうかというさっきの話との関係で、ぜひ検討を進めたいと思いますし、そのとき所有権をどうするかというのは、また考えなければいけないと思いますけれども、所有権の話は後で考えてもいい話かなと思いますので、特に農地について、今の田中委員の話は、5年も使わない土地は、やはり価格はゼロになっていると思ったほうがいいんだというふうに私は受け取りました。
高橋委員、お願いします。
【高橋委員】 順番にやっていきたいと思いますが。
特定避難勧奨地域については、これはもうピンポイントですので、「相当の期間」は明確に示されるのではないかなと思いました。
それから、もう既に精神的損害の話になっているのですけれども、期間については、もうこれは、ここに書いてあるように、第3期というのを新しく設け2期と3期を画するというのが適当ではないかなというふうに思います。
ただ、特定避難勧奨地域はどうか。そこはよくわかりません。ちょっと別の取扱いができるのかなというふうに思いました。
以上です。
【大塚会長代理】 精神的損害は、さっきの生活との関係のお話をされたので、それとの関係で言っただけです。すみません。
精神的損害についての最大の問題は、3ページの丸2の問題で、第3期の損害額の算定方法、あるいは算定をどうするかという問題がございますが、具体的に言えば、第2期に関して、中間指針では5万円としたのですが、東電のほうで10万円払っているわけですが、第3期とするかどうかということも検討したほうがいいんですけれども、仮に第3期にした場合に、そのときの損害額をどうするかということは検討する必要がございますが、これについては何かご意見がございますでしょうか。
高橋委員。
【高橋委員】 先ほども申し上げましたけれども、この点について避難費用のうちの生活費増加分という形でとらえるのがほんとうにいいのかどうかということは、そろそろ考えたほうがいいのではないかなと思っています。そういう意味でも、全体として、定期金賠償の形ではなくて、しっかりとした生活の基盤のためにお支払いするという考え方で払っていくというのも1つの考え方なのではないかなと思いました。
【大塚会長代理】 それは私もそのとおりですが避難指示解除準備区域あたりだと、ひょっとすると、一括金のほうに転換しにくいかもしれませんよね。そこはどうでしょう。
【高橋委員】 これはまさにそのとおりだと、ご指摘のとおりだと思います。
【大塚会長代理】 そのときは、5万円というふうに第2期はしてしまっているんですけど、第3期はどうするかという問題が発生するかということなんですけどね。
どうぞ、よろしく。
【高橋委員】 ただ、お帰りになることができるということですよね。いや、解除準備地域でしたっけ。
【大塚会長代理】 だから、20ミリシーベルト以下にもう少しでなるだろうというところですね。今の警戒区域の中で一番シーベルトが低いところです。
【高橋委員】 なるほど。
【大塚会長代理】 田中委員。
【田中委員】 それは20ミリシーベルトが条件ではなくて、要するに、サイトの状態がステップ2を達成したことによって解除されていて、かつ線量が20ミリシーベルト以下ということですから、逆に言うと、川内とか、そういう外のほう、広野とかというのは――広野はそうでもないかな、郡山とか、あっちよりも線量は低いわけですから、そういうことを含めて整合性がとれないと、今度は逆に、中のほうの問題にも遡及するような気がするんですよね。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 よろしゅうございますでしょうか。
【大塚会長代理】 どうぞ、お願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 参考3に、今の新しい区域の考え方、これは前々回の審査会で説明いただいたものでございますが、つけてございます。ここの8ページから、それぞれの区域の基本的考え方が書いてございます。8ページに避難指示解除準備区域、それから、10ページに居住制限区域、11ページに帰還困難区域、それぞれございますので、ご参考にしていただきたいと思います。
【大塚会長代理】 ありがとうございます。
今、田中委員がおっしゃった件は、100%理解できなくて申しわけないですけど、ステップ2はいいんですが、避難指示解除準備区域は20ミリシーベルト以下なんですが、もっと中の部分との関係がというのは、どういうことでしょうか。
【田中委員】 私が説明するより、事務局が説明したほうがいいと思うんですが。
【大塚会長代理】 いや、内容はある程度わかっていますけれども、さっきおっしゃったことはどういうことですか。
【田中委員】 つまり、被曝線量で避難準備区域に該当しているのではないということなんです。
【大塚会長代理】 ただ、そこはどうですか。20以下と20~50というふうにはなっているのではないかと思うんですけれども。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 区域の線引きの考え方は、そうでございますね。20ミリシーベルトを超えるおそれのないところについて、避難指示解除準備区域ということで、これは基本的考え方のところにございますが、現在の避難指示区域のうち、年間積算線量が20ミリシーベルト以下となることが確実であることが確認された地域を、避難指示解除準備区域に設定するという考え方になってございます。
それの大前提として、田中委員がおっしゃったように、この一番上のところに書いてございますが、ステップ2の完了によって、避難指示区域を見直すということがございます。
【大塚会長代理】 どうもありがとうございました。
ということで、特に避難指示解除準備区域のようなところで、もし今までの一月当たりというのを続けるとするとどうなるかということが問題になるんですけれども、先ほど高橋委員が言われたように、もうそちらのほうも一括金にしてしまうという考え方も、あるいはあるのかもしれません。
【高橋委員】 ただ、内閣府のご提示していただいた資料を見ますと、先ほど申し上げましたように、終期がある程度見えるところがあるので、そこは別の形でやられてもいいと思いますし、それをまとめてお払いするということもあり得るかもしれません。
【大塚会長代理】 そうですね。そこは両方考え方があるということだと思います。
精神的損害について、もう一つの論点で、先ほど高橋委員が言われた、生活費の増加分と合算することをどうするかという問題がございますが、これについてはいかがでしょうか。
中島委員、いかがでしょうか。
【中島委員】 私も、筋としては、高橋委員の言われるとおり、本来、生活費の増加分は、財産損害の性質を持つものであるものを、早期の賠償を促進するという意味で、精神損害に入れて、あえて先行させたという趣旨もあったと思いますので、今度区割りが変更するのを機会に、実際の財産損害に切り分けるということも、1つの考えかなと。そうすると、精神損害がより純粋な形になるので、もう一度そこで仕切り直しがしやすくなるのではないかという気がいたします。もっと言うと、計算しやすくなるということが言えるのではないかと思います。
【大塚会長代理】 その場合に、生活費の増加分は、実費ということになりますでしょうか。どうでしょう。
【中島委員】 確かにそうですね。実費となると、最初に懸念した問題、賠償が遅れるという問題がまた出てくるということも言えるかもしれません。
【大塚会長代理】 ただ、他方で、生活費の増加分がかなり多いということであれば、別にするという考え方もあると思いますが、ここも、今のようなことを考えて検討するということですかね。
田中委員。
【田中委員】 実際、その生活費増加分というのを切り分けて個人がいろいろ算定するのは、大変難しいような気がするんですが。そうすると、一人当たり幾らとか、そういうことにするんでしょうか。
【大塚会長代理】 いや、そこをどうするのかなということですが。今まで精神的損害と生活費増加分を合わせて幾らとしていたのを分けると、そのときの額をどういうふうにするかということを考えないといけませんね。もし一律の額にするのであれば、基本的には一律の額にするのであればという意味ですが、例外はもちろんあり得ると思いますけれども、額をどうするかということも考えなければいけないかと思います。
【中島委員】 確かに、そこまで突き詰めますと、切り分けると、非常にそこが、二重生活による増加というのをさらにどう考えるかとか、いろんな問題が全部そこの中に入ってくるという問題が出てくるかもしれませんね。
【大塚会長代理】 いずれにせよ、生活費の増加分の相当な高額になれば、別に請求できることになってはいるんですが、それだけで十分かどうかということを引き続き検討したいと思います。
4ページの上から5つ目のポツですけれども、解除後「相当期間」内に避難者が帰還した場合、避難費用と同様、帰還した時点を終期とすべきかという論点がございますが、これについてはいかがでしょうか。
【田中委員】 よろしいでしょうか。
【大塚会長代理】 どうぞ。
【田中委員】 これについては、早く帰った者が損をするというような意見もありましたので、終期というのをある程度決めておいたほうが、混乱がないような気がするんですね。早く帰った方は、自助努力というか、そういうふうにしたほうが、個人的には、おさまりがいいような気がしますけど。
【大塚会長代理】 早く帰った人が損をするというのと、これが帰ることを妨げるような要因になってしまうのはどうかというような問題と、両方あるかと思います。ほかにも、いかがでしょうか。
【高橋委員】 私は、やっぱり早く帰られた方は、それなりにその地域で生活再建、さらにいろんなご苦労をされていますから、もうそこは等価とみて構わないのではないかと思います。
【大塚会長代理】 そうすると、一律に終期を決めていいという、そういうご意見ですよね。
【高橋委員】 一律に決めて、もうそれでお支払するということでよろしいかと思います。
【大塚会長代理】 よろしいですか。
それから、これは結構細かい問題で、大変な問題かもしれませんが、区域が解除されて帰還した後の損害についてどう考えるかということでございますが、慰謝料として示すべきものはあるか、それから、中間指針追補で認められた自主的避難等に係る慰謝料との関係はどうなるかでございますが。
【高橋委員】 いずれにせよ、まだ比較的線量が高い地域にお戻りになるわけですので、妊婦と子どもの方については、同じような考え方をとってもいいのではないかと思います。妊婦と子どもさんのみについて、同じように考えればよろしいかと思います。
【中島委員】 そうすると、その考えは、確認ですけど、自主避難しなくて残った家庭も支払いの対象としたというのと同じ考えになりますね。
【大塚会長代理】 高橋委員、どうでしょうか。
【高橋委員】 そうですね。
【大塚会長代理】 ここは細かい話になるので、もうちょっと先に検討してはいかがかと思っておりますが。今の高橋委員のご意見は、自主的避難のときの基準と同じように考えるというふうに考えてよろしいですか。帰ってきた方は、およそすべてということでしょうか。それとも、自主的避難の基準に当てはまるようなものだけということでしょうか。
【高橋委員】 ご趣旨をもうちょっと明確にしていただければありがたいのですが。
【大塚会長代理】 具体的には、線量とか、避難区域のコアの部分からの距離とか、そういうものを考慮して、自主的避難等の慰謝料を払うべきかどうか決めましたが、その点については、ここの場合はどういうふうにかかわってくるかということは、何かお考えですか。
【高橋委員】 その辺は少し留保させていただいて、ゆっくり考えたいと思います。
【大塚会長代理】 どうもすみません。ちょっと細かい話で恐縮です。
では、その点はまた検討していきたいと思います。
【田中委員】 12月の追補で対象になった方の中で、この避難区域に住んでいた方はいますよね。その方にはお支払いしているんでした?
【大塚会長代理】 事務局、お願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 12月の指針の追補の実際の賠償金の支払い自体は、先ほど廣瀬常務からもお話がありましたけど、まだ始まっておりませんが、指針の対象としては、自主的避難対象区域というのを決めましたが、これは避難区域は含まれていませんので、避難区域に滞在していた方も賠償の対象となるということで出てきていますので、払われるということになります。あるいは、早期に帰った方ですね。という位置づけになります。
【田中委員】 それから、避難していた人はどうでしたっけ。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 避難していた人は、避難している間は、そこにいないわけですから。
【田中委員】 例えば、郡山とか、茨城に行った。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 それは対象になります。
【田中委員】 だから、一度払われているという考え方でいいわけですね。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 そちらでも払われているという。
【田中委員】 そうすると、先ほど高橋委員がおっしゃったのは、さらにそれに上乗せするということ?
【高橋委員】 いや、上乗せはちょっと。ないとは言いませんが。
【田中委員】 はい。
【大塚会長代理】 上乗せは考えておられないということですが、その点は引き続き検討していきたいと思います。
では、(3)の営業損害の終期でございますけれども、終期を示すことは可能かとか、一般的基準にとどめ、あとはそれぞれの個別具体的に判断することとするか、あるいは、区域ごととか業種ごとなど、類型に応じた具体的な終期を示すこととするか、この辺はいかがでしょうか。
【高橋委員】 今日はご出席の人数が少ないので、インテンシブな議論をしなければいけないので。
さっきの上乗せもあり得るかなという気もします。そこは訂正します。
【大塚会長代理】 はい、そこはやや細かい話なので、また検討することにします。
【高橋委員】 それから、ここは、1つは、損失補償基準をベースにしながら、損害賠償であって、突然来るということを視野に入れて、より長目に見るという形で基準を決めるというのは、1つの考え方かなというふうに私自身は思います。
【大塚会長代理】 それだと、期間を決めるとかいうことになると思うんですけれども、ただ、まだ除染も終わっていないですし、放射性物質の問題が残っていることを考えると、最低限ここまでというふうな形で決めることになるかなと私自身は思っていますけれども、完全にここで切るということは言えるのかどうかというのが、なかなか難しいのかなという感じもしますが。
【高橋委員】 全くここはそういう処理で結構だと思いますけど。
【中島委員】 私も、まだ除染の状況がはっきりしないので、今すぐに営業損害の終期というのは、今一律に決めるのは難しいように思いますけど、もしこの先、切る時期が、決める時期が来たとしたら、さっき高橋委員がおっしゃったように、この損失補償基準とは少し違う――損失補償は事前に交渉があって、公用収用するというプロセスをとるのに対して、今回は突然来たわけですから、事前の交渉過程がないという意味では、損失補償基準よりも長くしないとまずいのではないかと思います。
【大塚会長代理】 田中委員、お願いします。
【田中委員】 居住制限とか帰還困難区域は、いつ帰れるかわからない状況ですから、その区域の中での営業という意味では、終期はなかなか決められないと思うんですが、逆に、そういうことで、個人でも同じですけれども、もう営業をここでやめるという判断をしたときの賠償というのも、あわせて考えておいたほうがいいのではないかという気がするんですが。
【大塚会長代理】 そうですね。倒産とか廃業とかということですよね。
【田中委員】 ええ。
【大塚会長代理】 この場合には、ほかの場合よりも決めやすいのではないかということかと思います。
これについても引き続き検討していきたいと思いますけれども、先ほどの話ともちょっと関連しますけれども、終期到来までの間に臨時の就労、転業・転職等によって生じる収入をどう考えるかということがございますが、そのあとの特別な努力の問題も含めて、この点について、さらにご意見ございましたら、お願いします。
中島委員の先ほどのご発言ですと、ここは修正は必要は少ないということなんでしょうか。
【中島委員】 ええ、修正は、必要は少ないように思います。
【大塚会長代理】 もっと別のところで検討したほうがいいということですか。
【中島委員】 別のところで。
【高橋委員】 それはどういう形で配慮するということになるのでしょうか。ちょっと教えていただけますでしょうか。
【大塚会長代理】 中島委員、お願いします。
【中島委員】 この主な論点のポツの1つ目という問題ですね、今、高橋委員のおっしゃられた。
【大塚会長代理】 そうですね。中島委員のご議論は、終期の問題ではなくて。
【中島委員】 さっき私が申し上げたのは、ここでの終期の問題ではなくて、損益相殺の控除の基準として、特別の努力というものを1つ加える必要があるのではないかということでしたので。
【高橋委員】 はい。
【大塚会長代理】 この終期の問題として、ここの転職・転業する等、特別の努力を行ったということに関して、前回、自治体からのご議論はあったんでしょうか。終期の問題ではないような気もしますが、いかがでしょうか。事務局、お願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 前回から、参考2のほうにどれくらい細かく書いてあったかはあれですが、ある程度はっきりさせてほしいというご議論はあったかと思いますけれども、むしろ営業損害につきましては、もとに戻るまで相当時間がかかるので、きちんとそれまで面倒見てくださいという意見が非常に多かったということでございます。
それから、終期の意味ではそういうことで、それとは別に、労働意欲等との関係で、現在の臨時の就労とか、あるいは早期に移転をして営業している場合の収入が控除されるのはおかしいというか、非常に不公平感が出てくるというようなことは、複数の自治体の方から発言がございました。
【大塚会長代理】 ここは、先ほどの東電の話ですと、3カ月ごとぐらいに営業損害は払っているので、被災者、あるいは避難者の方たちは、それほど営業損害に関してはお困りになっていないような感じのお答えでしたけれども、そこはどういう理解になりますでしょうか。それでよろしいんでしょうか。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 そこは事務局としても調査したいと思いますけれども、要するに、営業損害とか就労不能損害については、あまり今の終期の話とか、そういうので、払われていないという話はなかったんですが、一方で、精神的損害のほうで、これがないと生活に困るとか、そういう話が一方で出ていたので、逆に言うと、そういうものが払われていないのかなと思われる面もあるので、そこは事務局のほうで調査をしたいと思います。
【大塚会長代理】 ぜひよろしくお願いいたします。
就労不能等に伴う村外の終期につきましても、類似の問題がありますけれども、これも基本的には同じように考えていけばよろしいのではないかと思います。
【高橋委員】 先ほど、ちょっと戻るのですけど、私自身は、多少、現在の賠償が払われている中で、ほかの形である種収入が認定されたときに引かれてしまうということについては、例えば、一定額は機械的にそこから除外するとか、そういう画一的な――特別の努力というやり方もあるかもしれませんけれども、もうちょっと一定額について控除するみたいな、定型的な措置もあってもいいのかなと思いました。
【大塚会長代理】 そうですね。だから、それは、先ほど全体について中島委員からご指摘があった点でして、ぜひ検討すべき点だと思います。
私自身、この点について意見が固まっているわけではないんですけど、問題提起として申し上げておくとすると、この就労不能の休業損害なんかについても、ひょっとしたら定期的に払っているよりも、一括で払うことも考えたほうがいいのかもしれないというところもございまして、これも今の労働意欲の問題とも関連するところがあるかもしれませんけれども、定期的に払うことによる若干のマイナス点というのもあるのかなというふうに思います。
ただ、もちろん、一定の期間分払って、それでおしまいとするわけではなくて、最低限の期間を決めてというようなことになると思いますので、避難者の方にはあまり不都合がないようにしたほうがいいと思っているんですけれども、定期的に毎月という形で休業損害についても払うのをいつまでもやっているのが果たして適切かどうかというのは、少し考えたほうがいいかなと思っているところもございますが、ご意見がもしあったらありがたいですけれども、いかがでしょうか。
ちょっと具体的に言うと、例えば、同じようなことではもちろんないんですけれども、メキシコ湾の油濁の2010年の被災者に対する賠償の仕方というのは、2年分の休業損害とか4年分の休業損害をあらかじめ払ってしまうというような方式をとったわけですけれども、メキシコ湾の油濁の場合は、払って、そこで請求権放棄を求めましたので、私はそんなことを申し上げているわけではなくて、そういうことではないけれども、一定の推定されるような営業損害の年とか月日というのがもしある程度決まるのであれば、むしろ一括して払ってしまって、それを超える場合には、また別に請求できるように、これも指針のほうで考えていくというような考え方が参考になるのではないかと思います。一月ごとに払っていくのが果たして適当かどうかというのに多少疑問を持っているものですから、申し上げたということでございます。
引き続き検討していければと思います。
【高橋委員】 この終期というのは、場所によって一律なのでしょうか。
【大塚会長代理】 いや、そうではないんですよね。ただ、ある程度の年数の損害と推定する方法はないかと個人的には思っているということです。
では、7ページ、2の、自主的避難等に係る損害関係についてに移りたいと思います。平成24年1月以降の賠償の範囲等について、あるいは損害額についてというところでございますけれども、これについてはいかがでしょうか。
高橋委員、何かございますか。
【高橋委員】 なかなか厳しい問題提起を指摘されましたが、やっぱり状況が変化してきていて、収束の方向に行っておりますので、地域を見直すということはあるのかなと思います。そこはやはり全部を一律に切るということもあるかもしれませんが、そこは地域ごとに少し精査している必要があるのかなというふうに、私自身は思っております。
【大塚会長代理】 この問題に関しては、避けて通れないところがございまして、自主的避難等に係る損害に関して、今年の1月以降も認めるとすると、やっぱり線量を中心にして見ていく必要があるかなというふうに個人的には思っていますが、それについてどう考えるかということもぜひご議論いただくといいと思いますけれども、いかがでしょうか。
【高橋委員】 線量は見ますから、やはり同じ考え方で、市町村を中心に考えるのがよろしいのではないでしょうか。
【大塚会長代理】 私もそれでもいいと思っているところもあるんですけど、1つの市とか町とか村の中でも、かなり線量が違う場合にどうするかということを一応考えないといけないのではないかと思うんですけれども、それはどうお考えですか。なかなか難しいことを聞いていて、申しわけないんですが。
田中委員、お願いします。
【田中委員】 この低線量リスクのワーキンググループの報告でもそうですけれども、今ここの範囲ですけれども、現存被曝状況については、一応線量で損害をはかるというか、それを賠償するということ自体が、考え方の上で、やっぱり少し合わないんだと思うんですよ。整合性がとれないと思いますね。だから、そこをきちっとしておかないと、どこまでやったら、いつまでやったらということが出てくると思います。
極端を言いますと、特定避難勧奨地点あたりですと、20ミリぎりぎりのところもあるんです。でも、特定避難勧奨地点の家として指定されていないから、そこはもう何の補償もないんです。でも、20ミリに近いからといって避難している人もいるし、逆に、限りなく1ミリに近くても、今、一応そういうところもありますので、そこを線量で何かするというのだと混乱するのではないかと思います。その尺度というのは、私は賠償にはあまりそぐわないと個人的には思いますけど。
【大塚会長代理】 12月までに賠償したときは線量だけではなかったんですけれども、避難区域からの距離等々も含めて検討したわけですが、今回、避難区域に関して、3つに分かれるということなので、避難区域からの距離というのは、なかなか使いにくくなるのかなと思っています。
具体的には、例えば5ミリシーベルトとかという話になりますけれども、たしかこのワーキンググループの見解は出てはいるんですけれども、一方で、放射線管理区域という、5ミリシーベルトというのは、3.11の前からあったものなので、それを使えるかどうかということが問題になるのではないかと思います。ただ、田中委員がおっしゃっていることも前からお伺いしているところで、そこは考え方が分かれると思いますので、引き続き検討していくべきものと考えているところです。
【田中委員】 私の理解では、要するに、事故当初においては非常に情報が不足していて、住民は不安感というか、そういうことがあったということが、まず大前提として、自主避難を認めていたと思います。その後、線量のところが情報がはっきりしたというところ、それから、国の指示もはっきりと、現存被曝状況と避難区域の状況というのも分けたというところで、もうそこは一応ある種の決着がついていて、かつ、そうは言うものの、妊婦とか子どもについては、ある程度そこは避難しているというのもわからんこともないからというので考慮したと思うので、被曝線量をベースにしてこれを考えていたというふうには、私は理解していないですね。
【大塚会長代理】 その妊婦とか子どもについては、健康被害の不安に関しては、私は変わらないのではないかと思ってはいるので、そこをどう見るかということかと思います。
もう時間も少なくなってきましたので、最後の3の、財物価値の損失又は減少等についてでございますけれども、これについてはいかがでしょうか。
【中島委員】 先ほど高橋委員が、これについて何かご意見があるという話で。
【大塚会長代理】 では、お願いします。
【高橋委員】 いや、私自身は、まず使えなくなるのならば、それは全損に近いのかなと。かなり長い間ですね。というのは同じだと思うんですけど。ただ、やっぱり使えないということは、ある種、その期間があるわけで、その期間の利用価値に掛けて、あと、減損分というのが不動産のマイナスなのではないかなと思っていまして。ですから、全損を原則にするというのはどうなのかなというふうに、私自身は思っていましたということなんですが。
【大塚会長代理】 それは、帰還困難地域についても、全損を原則とするのはどうかなということですか。区域によって分かれるかと思うんですけれども。
【高橋委員】 ですから、私も区域によって分かれると思います。
帰還困難区域は、全損ということで、やむを得ないのではないでしょうか。ただ、その場合の所有権帰属については、ちょっと明確にしておかないといけないと思います。
【大塚会長代理】 そうですね。それは検討しなくてはいけないですね。
その点はよろしいでしょうか。
居住制限区域をどうするかということが次に問題になると思うんですけれども、何かご意見はございますか。
【高橋委員】 ここら辺が、私が今申し上げていたことです。
【大塚会長代理】 そうすると、例えば、どういうふうに考えていくということになるんですか。全損というのは。
【高橋委員】 最長5年であれば、5年掛ける3%、あと、実際上の価値想定下落分であろうと思いますけど。
【大塚会長代理】 ごめんなさい。3%というのは何の数字ですか?
【高橋委員】 例えば、ですから、利用可能性ですね。
【大塚会長代理】 利用可能性が3%? 3%減るということですか。
【高橋委員】 いや、土地の価値で、例えば不動産であれば、10%とか言いますよね。ああいうのを少し考えると。本来利用すべきものがあれば、その利用価値を考えて、あと、実際終わった場合の価値下落分ですね。例えば、住居が汚染されているというスティグマがあれば、その部分をお払いするということになるのではないかと思いますが。
【大塚会長代理】 はい。
中島委員、何かございませんでしょうか。
【中島委員】 価値の減少をどういう観点で見るかという、高橋委員のご意見も、そういうことになるのではないかと思うんですが。ちょっと理解ができていないんですが、私の理解では、高橋委員の意見と同じで、不動産評価の収益還元法的な発想で、使用収益の何年分という考え方で価値の減損を考えるならば、今まで解除して帰れる地域も、使用できなかった間がその価値減損分だと。将来的に相当、一世代ぐらい使用できない、しかし、所有権は残すということであれば、その一世代分の、どこまでの使用収益の年限と見るか、使用収益の何年分というふうな考えで計算するならば、そう矛盾はないのではないか。
これを逆に、実務的によくわかりませんが、固定資産税評価額のようなものを基準にしますと、例えば、例を挙げると、農地なんかは、時価が非常に安いわけですね。しかし、使用収益は上がっているというところをどう評価するかという問題も出てきますので、あくまで時価をどう見るかの定義にもよると思いますし、使用収益を、その価値減損分に反映と見るという考え方だと高橋委員のご意見は理解したんですが、私も同じでございます。
【高橋委員】 ほぼ同じということです。
【大塚会長代理】 そういう意味では、交換価値だけではなくて、使用収益分を見るという、そういう方向性が、今日はそれなりに賛同が得られたということかと思います。
一応最後まで行ったかと思いますけれども、本日のご議論につきましては、能見会長に報告いたします。その上で、次回の資料作成等について、事務局に指示があると思いますので、よろしくお願いいたします。
本日の議事はこれで終了にいたしたいと思います。どうもありがとうございました。
今後の日程について、事務局から説明をお願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 次回でございますが、2月17日を予定してございます。時間、場所については、後日公表させていただきたいと思います。
―― 了 ――
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