平成24年1月17日(火曜日)10時00分~12時00分
文部科学省(中央合同庁舎7号館東館)3階講堂
能見会長、大塚委員、鎌田委員、草間委員、田中委員、野村委員
平野文部科学大臣、奥村文部科学副大臣、神本文部科学大臣政務官、森口文部科学事務次官、藤木文部科学審議官、戸谷研究開発局長、前川大臣官房長、加藤原子力損害賠償対策室長、篠崎原子力損害賠償対策室総括次長、田口原子力損害賠償対策室次長
松永内閣府原子力被災者生活支援チーム参事官
【能見会長】 それでは、時間になりましたので、第20回の原子力損害賠償紛争審査会を開催いたします。本日はお忙しいところお集まりいただきまして、大変ありがとうございました。
それでは、はじめに、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 それでは、資料の確認をさせていただきます。
お手元、座席表、議事次第がございますが、資料1といたしまして、昨年の12月26日の原子力災害対策本部決定が資料1でございます。それから、資料2といたしまして、今後の検討事項(案)という資料がございます。そのほか、参考資料1といたしまして、前回の議事録、それから、参考資料2といたしまして、緊急時避難準備区域の解除に係る復旧計画ということで、各市町村の、5市町村になりますが、その復旧計画、これはもうWebで公表されているものでございますが、一つにとじてございます。後ほどの議論の参考にということでございます。
それから、申しわけございませんが、座席表の日付のところで水曜日となっていましたが、火曜日の間違いでございますので、申しわけございません、訂正させていただきます。
それから、本日は、高橋委員、中島委員、米倉委員が、ご多忙のためご欠席でございます。
以上でございます。
【能見会長】 それでは、早速本日の議題に入りたいと思います。まず、警戒区域・避難指示区域の見直しの基本的な考え方というのが、昨年12月26日に原子力災害対策本部より決定されました。そこで、これを受けまして、内閣府の原子力被災者生活支援チームから、この説明をお願いしたいと思います。
それでは、お願いいたします。
【松永参事官】 原子力被災者支援チームの松永です。どうぞよろしくお願いいたします。
先月の21日に、区域の見直しの基本方針のたたき台についてご説明をさせていただきました。その後、今ご紹介のありましたように、12月26日に、原子力災害対策本部におきまして、正式に見直しの基本方針を決定いたしました。前回と説明が重複する部分が多々ありますが、その内容についてご説明をさせていただきたいと思います。資料1をごらんいただきたいと思います。
「はじめに」のところにありますが、昨年の3月11日に東京電力福島第一原子力発電所事故の発生以来、原子力災害の拡大防止のために、警戒区域及び避難指示区域を設定してまいりました。
丸1にありますように、避難指示というのは2種類あり、事故直後、避難指示を発出しましたが、また、事故の深刻化に伴い避難指示を拡大いたしまして、3月12日に原子力発電所の半径20キロメートルを避難指示区域に設定いたしました。さらに、同じ区域ですが、4月22日に、住民が一度に大量の放射線を被曝するリスクを回避することを目的にいたしまして、同じ地域を、原則立入禁止とする警戒区域として設定をいたしました。こちらの避難指示ですが、こちらは発電所のリスクに基づきまして、さらに事態が深刻化して、大量の放射線を被曝するリスク、これを回避するために、半径20キロということで、避難指示区域の設定をさせていただいたところです。
もう一つ、丸2にありますが、昨年の4月22日ですが、半径20キロメートルより遠い地域であっても、既に周辺の環境中に放出された放射性物質からの住民の被曝を低減するためという目的のもとに、累積線量20ミリシーベルトに達するおそれのある地域を、計画的避難区域ということで設定をしたところです。こちらは、既に放出された放射性物質からの被曝を回避するという目的の避難指示ということです。
(2)にありますように、こうした警戒区域、避難指示区域の設定というものは、住民、地域社会に多くの困難をもたらすものですので、原子力発電所の安全性の確認、放射線被曝の危険性の低下など状況に変化が生じた場合には、速やかに見直すべきものと考えております。
そこで、ステップ2の完了ですが、昨年12月16日、(3)にありますように、原子力災害対策本部におきまして、原子炉が安定状態を達成し、放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられる「冷温停止状態」の達成という目標が達成をされ、ステップ2の完了が確認をされたところです。
次のページにありますが、したがって、ステップ2の完了により、原子力発電所の安全性が一応確認されたということで、警戒区域及び避難指示区域の見直しに向けての具体的な検討をする環境が整ったという状況になったと考えております。
そこで、(4)にありますように、今後の具体的な検討を開始するに当たっての、国としての、まずは見直しに関する基本的な考え方を提示することとしたわけです。なお、見直しに当たって発生しうる諸課題への対応、それから、新たな区域の運用については、これは今後、県、市町村、住民など関係者との綿密な協議・調整を行いながら検討をするということを考えております。
基本的な考え方は示させていただいたところですが、具体的な区域の運用ですとか、諸課題への対応方法などは、これは綿密に県、市町村、住民などと協議・調整を行いたいと考えております。
3ページ目ですが、区域の見直しに当たっての共通課題に対する対応方針です。これは前回のたたき台には、こういう形では示させていただいていなかったところですが、区域に共通する課題につきまして、ここで整理をさせていただきました。(1)にあります、まずは住民の安全・安心の確保。それから、3点ほど、この共通課題ということで挙げさせていただいておりまして、2つ目が、徹底した除染の実施と子どもへの配慮、3つ目が、インフラ復旧、雇用対策、4つ目が、損害賠償の扱い、このような形で、4点整理をさせていただいているところです。
1つ目の住民の安全・安心の確保ですが、住民の帰還を進めるに当たりましては、住民の安全・安心の確保、これが最優先の課題であるということは言うまでもありません。その際、インフラの応急復旧や防災・防犯対策など物理的なリスクの排除のみならず、放射性物質による影響に対する住民の安全・安心の確保、これは帰還に当たっての大変重要な課題と認識しております。
前回もご説明させていただいたところですが、原子力安全委員会が、昨年の8月4日、解除に関する考え方を示しており、解除日以降年間20ミリシーベルト以下となることが確実であること、これを避難指示の解除の必須の条件という考え方を示しているところです。
さらに、内閣官房に設置されました放射性物質対策顧問会議の下に、「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」を設置しまして、丸4にありますように、国内外の幅広い有識者のご意見をお伺いしたところです。その結果といたしまして、年間20ミリシーベルト以下についての健康リスクについては、他の発がん要因によるリスクと比較しても十分に低いものであるとの評価が得られまして、今後、より一層の線量低減を目指すに当たってのスタートとして用いることが適当であるという評価が得られたところです。
それで、4ページ目ですが、こうした議論を経まして、政府は、今回の区域の見直しに当たっても、年間20ミリシーベルトを基準として用いることが適当であると言う結論に達しまして、この20ミリシーベルトでさまざまな避難指示の解除についての考え方を整理させていただいているところです。
しかしながら、放射性物質による汚染に対する強い不安感を皆様方が抱いていることは事実です。したがいまして、20ミリシーベルトが達成できれば、それで終わりということではありません。これを払拭するために、後ほど述べますような除染の徹底ですとか、さまざまな積極的な施策が必要であるということは、これは十分に私どもも認識をしているところです。丸6にありますように、現在、健康診断など健康管理の実施について、お願いをして、県を主体としてやっていただいているところですが、この直接の健康管理などの実施に加えまして、さまざまな対策、放射性物質の健康に関する住民に正しい理解の浸透をしていただくための対策、専門家がコミュニティレベルで住民と継続的に対話を行う体制の整備等々を実施することとしているところです。
4ページ目の(2)ですが、徹底した除染と子どもへの配慮です。まず除染の徹底した実施ということで、放射性物質汚染対処特措法に基づきまして、特別地域内の除染実施計画に基づいて、国が責任を持って着実に除染を実施いたします。
除染の実施に当たりましては、次のページにありますが、20ミリシーベルト以下の地域については、適切な優先順位をつけ、中間目標としての参考レベルを設定し、重点的かつ効率的な除染作業を行うこととしております。中間目標としての参考レベルですが、例えば、年間積算線量20ミリシーベルト近傍であれば、2年後にまずは10ミリシーベルト、さらに、それが達成されれば、次の段階として年間5ミリシーベルトという形で、参考レベルを設定して、除染作業を着実に実施していく、このような取組が必要であるということを丸2に書いております。
丸3子どもへの配慮です。やはり子どもは一般に放射線への感受性が強いということを考慮いたしまして、被曝線量の一層の低減に向けた対策を、子どもを優先して行っていくこととしております。具体的には、通学路、公園など子どもの生活環境について特に優先した除染を行うこと、さらには、これらの避難を解除する地域で、学校を再開する前には、除染等によって校庭・園庭の空間線量率を毎時1マイクロシーベルト未満を実現すること。それから、子どもの健康管理、被曝線量の測定、学校給食食材の放射性濃度測定機器の整備促進等々を実施するということにしております。
(3)インフラ復旧、雇用対策です。5ページ目の下段にありますが、住民が安全・安心に帰還するためには、国は、生活インフラや病院、学校などの公共施設の復旧・復興に向け、県、市町村のニーズを踏まえた上で、迅速に対応していくこととしたいと思っております。
また、丸2ですが、帰還した住民、避難の継続を余儀なくされている住民、いずれの方にとっても、雇用の確保をはじめとする生活の再建に向けた取組は、何よりも重要な課題です。安定した雇用の創出、居住の安定確保に向けて、積極的な施策が必要だと考えております。
次のページですが、これは賠償の扱いです。これは前回も賠償に関する論点についてご説明をさせていただいたところですが、被災された住民にとりましては、住民の早期の生活再建ということで、費用も必要です。そういう観点から、損害賠償については非常に強い関心を示されておりまして、当方、生活支援チームにも強い関心の声が寄せられているところです。つきましては、実際に必要な費用、例えば、迅速な支払いなども、東京電力任せではなく、国として積極的な関与を行うということが必要だと考えております。
丸2ですが、避難区域の見直しに伴う損害賠償の扱いにつきましては、当審査会において検討されるものですが、さらには、その他関係機関において検討される課題も多々あろうかと思います。避難期間の考え方、不動産・動産の価値の減少分の算定方法、長期間の避難や帰還が困難な場合の精神的損害の扱いなどについて、紛争審査会で検討されることが必要なもの、関係機関において検討されることが必要なもの、それぞれについてさまざまな議論が想定されるところですが、原子力紛争審査会におかれましても、その取り扱うべき内容につきましては、可能な限り迅速な検討をお願いしたいと考えているところです。
3ポツ以下が、区域見直しの具体的な考え方ですが、7ページ目から12ページまでに書かれているところにつき、ご紹介をさせていただきたいと思います。
まず、警戒区域です。先ほどご説明いたしましたように、避難指示区域としましては、原子炉の状況に応じて、半径20キロメートルで線を引いたのに加えまして、既に放出された放射性物質による被曝に起因する計画的避難区域の2種類がございます。最初のほう、炉の状況により、さらに追加的に大量に被曝するおそれがある半径20キロメートル圏内につきましては、計画的避難を設定したのと同じ日に、住民が一度に大量の放射線を被曝するリスクを回避するということを目的とし、立入禁止の措置として、警戒区域としての設定をさせていただいたところです。この区域は、罰則をもって立ち入りを規制するという規制でして、非常に強い規制を行わせていただいているところです。こうしたリスクが解消された時点では、基本的には解除の手続きに入るということが妥当と考えており、今回その準備にかからせていただきたいと考えております。これが(1)の基本的考え方です。
しかしながら、ステップ2が完了したということをもって、直ちに解除するということは適当ではないと考えております。発災以来、住民の立ち入りを制限して、避難をしていただいているところですし、4月以降は立ち入りを制限させていただいているところです。したがいまして、その状況としては、必要なインフラ調査などが一切できない状況です。このような区域ですので、住民の皆様が安全に帰還するためには、解除に先立ちまして、インフラなどの安全確認、それから、必要な応急的復旧などは必要不可欠です。それから、防災・防犯対策についても、関係者間で十分に調整する必要があると考えております。したがいまして、警戒区域の設定は、これらの準備が整ったところをもって、解除をしたいと考えているところです。こうした準備期間にはある程度の時間が必要だと考えておりますので、早ければ4月を目指して、大きく遅れない一定期間後に警戒区域の解除を実施する方向で、関係者との協議を開始させていただいているところです。
次に、避難区域の見直しです。8ページ目ですが、先ほども申しましたように、発電所からの半径20キロメートルの避難指示区域と半径20キロメートル以遠での計画的避難区域とを設定させていただいているところです。
今回、ステップ2完了に伴いまして、これらを一体として扱わせていただき、線量に基づきまして、避難指示解除準備区域、居住制限区域、そして、居住制限区域の中の帰還困難区域の3つに設定し直させていただきたいと考えているところです。本年3月末を目途として、新たな避難指示区域として設定することを目指したいと考えております。
まず8ページ目の丸1の避難指示解除準備区域です。基本的な考え方といたしましては、年間積算線量が20ミリシーベルト以下になることが確認された区域を「避難指示解除準備区域」として設定したいと考えております。
この区域につきましては、迅速なご帰還に向けての対応をいろいろと講じていきたいと考えている地域で、住民の一日も早い帰還を目指して、除染、インフラ復旧、雇用対策など、さまざまな支援策を実施していきたいと考えております。
それで避難指示の解除ですが、日常生活に必須なインフラ、生活関連サービス、これがおおむね復旧し、さらには、子どもの生活環境を中心とします除染作業が十分に進捗した段階で、県、市町村、住民との十分な協議を踏まえた上で、避難指示を解除したいと考えております。
解除に当たりましては、地域の実情を十分に考慮する必要があると考えております。(ⅱ)の下段ですが、解除を全地域で一律に行うということではなく、市町村との協議を通じまして、市町村が最も適当と考える時期に解除することとし、また、同一市町村の中であっても段階的に解除するということも認めるというような形で、十分に柔軟な対応をしながら、市町村とよく相談をした上で解除をしていきたいと考えております。
次に、この地域における立入規制などの区域の運用ですが、この地域は、先ほど20ミリシーベルトを下回っていることが確認されている地域ですので、非常に柔軟な対応をしたいと考えております。具体的には、主要道路における通過交通、住民の一時帰宅、公益目的の立ち入りなどは柔軟に認めることとし、また、次のページにありますように、例えば、工場などの事業所については事業所の再開、それから、農業者につきましては営農の再開、こういったことについても柔軟に認める方向で検討したいと考えております。
さらに、除染及びインフラですが、これも迅速に行うという形で、市町村とよく相談をしながら、住民の帰還のために必要な除染、必要なインフラの復旧などを迅速に行いたいと考えております。
最後に、局所的に線量の高い地点の考え方ですが、これは高線量地域、いわゆるホットスポット地域ですが、特定避難勧奨地点に相当するような地域が、この解除準備区域の設定された地域においても出てくる可能性がありますが、この地域につきましては、まずは優先して除染を実施するということとします。居住制限区域や特定避難勧奨地点を新たに設定するということはせず、除染をして十分に線量を下げる努力をすることによって、局所的に線量の高い地点があった場合でも、除染を行い十分に線量を下げた上で、一体として地域の解除をしていくこととしたいと考えております。
次に、10ページの居住制限区域です。年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがある地域、ここは引き続き避難を継続することをお願いする地域としまして、「居住制限区域」として設定をしたいと考えております。この地域については、やはり立ち入りを制限せざるを得ませんが、基本的には現在の計画的避難区域と同様の運用とし、例外的にはですが、住民の一時帰宅ですとか、通過交通ですとか、公共目的の立ち入りなどは認める方向で検討したいと考えております。
それから、除染及びインフラ復旧ですが、除染につきましては、計画的に実施したいと考えております。インフラ復旧・整備については、この区域はやはり一定程度線量が高い地域ですので、作業者の安全確保も十分に配慮しなければなりません。インフラ状況の調査を行うことに加えまして、復興プランを市町村におつくりいただいているところですが、この復興プランに基づき対応したいと考えております。さらには、特に住民及び市町村から要望が強い場所につきましては、特に迅速な除染の実施、施設の復旧・整備を進める方向で検討したいと思っております。
最後に、帰還困難区域です。11ページですが、居住制限区域の一部の地域には、放射性物質による汚染レベルが極めて高く、避難指示の解除までに要する期間が長期にならざるを得ない地域があります。このような長期間帰還が困難であることが予想される区域を、帰還困難区域として特定いたしまして、市町村や住民の方々と緊密な意見交換を行い、長期化する避難生活や生活再建の在り方、さらには、自治体機能の維持などについて、国としても責任を持って対応したいと考えているところです。
11ページ目の下段の区域の定義及び性格ですが、ここの地域はどのように定義するかということですが(ⅰ)にありますように、長期間、具体的には5年間を経過してもなお、年間20ミリシーベルトを下回らないおそれのある地域、これは現時点では年間積算線量が50ミリシーベルト超の地域と判断しておりますが、ここを「帰還困難区域」として設定したいと考えております。帰還困難区域につきましては、将来にわたって居住を制限することを原則として、少なくとも線引きをして5年間は固定をすることを検討したいと考えております。
ただし、11ページの(ⅱ)の下段にありますが、その場合でも、将来時点における放射性物質による汚染レベルの状況、関連する市町村の復興再生のためのプランの内容等々を踏まえまして、その取り扱いについては、市町村からの見直しの要求がありましたら、取扱いの見直しを行うことについての検討はしたいと考えております。
次に、12ページですが、立入規制など区域の運用ですが、まずこの区域は汚染レベルが非常に高い状況です。
したがって、区域の運用といたしましては、区域境界において、バリケードなどの物理的な防護措置を実施し、住民に対しては避難の徹底を求めるとともに、住民の一時立ち入りも例外的な措置として実施をする、非常に厳格な運用をしたいと考えております。
除染及びインフラについては、やはり高い線量の区域ということで、まずはモデル事業などを実施することが第一ということで、モデル事業の結果を踏まえた上で、協議の上に、対応の方向性を検討したいと考えております。
それから、不動産の取り扱いですが、帰還困難区域の不動産に取り扱いにつきましては、前回もご説明させていただいたところですが、具体的な結論、方向性はまだ固まっておりません。損害賠償上の扱い、各市町村の復興再生に関する考え方なども踏まえまして、今後、県、市町村、住民と密に意見交換を行った上で、帰還困難区域の住民に対する支援パッケージ全体の中で議論する中で検討を進めたいと考えているところです。
以上、まとめさせていただきますと、これまで、発電所が再度深刻な事態になり、大量の放射性物質が放出され、それを被曝するリスク、それから、3月以降に放出されてしまった放射性物質により被曝をするリスク、この2つに基づきまして、避難指示を出させていただいたところです。今回発電所自体が安定化をしたというところで、今申し上げました前者のリスク、発電所が再度深刻な事態になるというリスクがなくなったということで、放出された放射性物質に基づく被曝リスクに基づき3つの地域へ線引きをし直すという考え方をとらせていただくということです。
それで、今までは避難指示区域として、警戒区域、計画的避難区域があったところですが、今後は避難解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域として線引きをし直させていただきたいということです。
それぞれの区域に応じまして、例えば、区域の立ち入りや事業などの開始といった区域の運用や、除染、インフラ復旧など、支援策の内容それぞれについて、いろいろな対応をしていきたいと考えております。
例えば、立ち入りにつきいては、解除準備区域は柔軟に、居住制限区域は例外的に認める一方、帰還困難区域は非常に制限的な一時立ち入りとして、管理を行った上での立ち入りということにせざるを得ないとい考えており、また、解除準備区域などは、事業再開、営農再開などは柔軟に認めたいと考えております。
それから、除染・インフラ復旧については、解除準備区域につきましては、一日も早い帰還を目指し、除染・インフラ復旧を急ぐ地域です。他方、帰還困難区域につきましては、除染効果も限定的と考えられ、被曝防護の必要性もありますので、やはりまずはモデル事業を優先させていただいた上で、その後の対応を検討させていただきたいと考えており、インフラ復旧も、大規模な作業がなかなか困難ですので、除染効果なども踏まえた上での検討ということになると考えております。それから、被曝管理、放射性物質の拡散防止という措置も必要ですので、物理的防護措置を設定し、立ち入りの厳しい制限をお願いせざるを得ないと考えております。
やはり帰還困難区域につきましては、長期間帰還が困難ですので、それに対応した支援策、これは自治体の機能についての問題もありますし、住民の生活再建の在り方、こういった問題につきましては、やはり市町村とよく相談をした上で、住民の皆様方によく相談した上で検討したいと考えております。
いずれにしましても、これらの地域につきましては、市町村、県と十分に協議をした上で、どのような帰還への支援をしていくのか、さらには、避難先での支援にどのようにしていくのか、両方の支援について、原子力被災者生活支援チームとしては、万全を期していきたいと考えているところです。
以上、長くなりましたが、私のご説明とさせていただきます。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に対しまして、何かご質問、あるいはご意見等ございますでしょうか。
この損害賠償との関係をちょっとお伺いしたいと思うんですが、これからいろんな損害賠償の問題というのは、この審査会でもちろん検討することになりますが、今のこの新しい状況のもとで、これからどんな損害が問題となってくるかということを考えたときに、必ずしも不法行為といいますか、損害賠償としては説明しきれない、あるいは、それを超える問題がたくさん出てくるんだろうということを考えております。
そうなりますと、原子力損害の賠償ということではなくて、何か補償とか、そういうことをしなくてはいけない場面が出てくるかもしれないと思うんですが、損害賠償の扱いという、6ページのところで検討された際に、損害ではないけれども補償しなくてはいけないかもしれないというようなことで、何か少し問題意識を持っておられるのかどうかということをちょっとお聞きしたいと思いますが。
【松永参事官】 ご指摘のとおり、損害賠償の領域と、それから、それ以外の、国が本来行うべき支援策としての領域があると思います。その支援策の内容につきましては、補償という定義の解釈はいろいろとありますので、どういうものとするかいろいろな内容があろうかと思います。必ずしも損害賠償にはあたらない、いろいろな支援策、それから、住民に対する補償については、住民の皆様方、あるいは市町村の皆様方からも、問題として、提起をいただいているところです。それぞれについて、どのように損害賠償になじむのかということもありますし、支援策としてどういうことがあり得るのかということもあろうかと思いますが、これは市町村ともいろいろと相談をさせていただきながら、私どもも整理をしていきたいと考えております。
もちろん、損害賠償になじむことにつきましては、紛争審査会においてご議論をいただいた上で、私どもからも、あるいは文部科学省からご説明させていただくというような形になろうかと考えております。
【能見会長】 もう少し具体的なイメージを、これはほかの委員にもご理解いただくために、ほんとうに私が個人的に感じたことですけれども、例えば、さっきの居住制限地域ですか、これは5年ぐらいの間には20ミリシーベルトを切るであろうということですけれども、例えば、そういうところでも、5年たてば戻れるとはいえ、財産的な損害について、新しい生活を計画するので、すべて全額賠償してほしいというような問題というのは出てくるかもしれません。これも損害賠償として扱えるかもしれないけれども、境界線的な問題で、もしかしたら扱えないかもしれなくて、こういうときに、賠償としては扱えないけれども、ここら辺の連携の仕方が難しいんですけれども、政府が補償としては扱ってもいいと。ですから、仮に国がその分については全額賠償といいますか、買い上げるというようなことをしてくれると、審査会としても、賠償の問題に限定して議論がしやすいというようなことがあります。これは一例で、実際に損害賠償で扱えない問題かどうかは、まだ検討しなくてはいけませんが。
そんな一例とか、あるいは、雇用の問題といいますか、雇用が失われて、再就職のめどもなかなか、特に自分の住んでいる地域に近いところでの再就職は難しいと思うんですが、理論的には、これは中間指針でも書いたかもしれませんが、いつまでも永久に雇用を失ったことによる賠償というのが得られるわけでもないということがありますので、どこかではある終期というのは出てくるかもしれません。そのときに、賠償としては、今言ったように、終期の問題だけども、しかし、現実にはやはり自分の住んでいた近隣での再就職は難しいという状況があるときに、これも補償という形で対応してくれると、そうすると、審査会としては、損害賠償の問題は賠償の問題として淡々とできるというようなことがあって、そんなことを、今、1つの、あるいは2つの例として考えているところです。もし今の点も何かございましたら。
【松永参事官】 今の時点では、住民、それから、市町村からどのような要望があるかについて、詰めて議論をしている最中ですので、このような支援策をする予定ですと明らかにすることはできません。ご指摘のように、住民及び市町村にとってみれば、これからの生活再建はどうなるのか、その中で賠償はどうなるのかが未知数であり、今後帰還をする、あるいは避難を続ける上で、今後の生活再建について、どのような支援がトータルとして得られるかということについては、強い要請が寄せられているところです。
やはり住民としましては、どこの部分が賠償で、どこの部分が国の支援なのかによらず、いずれにせよ、トータルとして、どう生活再建ができるのかということが関心事項です。紛争審査会での賠償の議論と支援策の検討と、私どもも、両者同時に進む問題だと思っておりますが、賠償の議論も踏まえながら、市町村とよく相談をして、どういう支援策を講じるのかも含めて、政府内でも検討していきたいと考えております。
【能見会長】 6ページの、先ほどの(4)損害賠償の扱いの丸1というのは、あるいは丸2もそうかもしれませんが、まさにそういうことを念頭に置いた記載だということでよろしいんですよね。
【松永参事官】 そのとおりでございます。
【能見会長】 ほかに何かご意見等ございますか。
あともう1点、これは全体のスキームの中ではごく一部に関連する問題かもしれませんが、5ページの子どもへの配慮というところですけれども、4ページから5ページにかけて、子どもは放射線の感受性が強いことを考慮して、子どもに対しての優先的な対策をとるということが書いてある部分ですが、これは子どもというのは、胎児も含まれるということで、自主的避難のところなどでは、子ども・妊婦などに対して特に賠償の対象としているというようなことがあって、それとの関係を少し気にしているわけですが。妊婦の場合には、胎児が体内にいるということで、そういうのは含まれているという認識ですか。
【松永参事官】 放射線の感受性の強いという問題に関しましては、実は、前のページでございますが、低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループにおいて、いろいろな議論がありましたが、子どもの感受性についても、低線量についてどうか、高線量についてどうか、それから、胎児についてどうかということで、いろいろと議論があると考えております。
他方で、少なくとも胎児につきましては、お母様についての不安は非常に大きいところですので、胎児につきましても、科学的にはいろいろなことがありますが、やはり特別の配慮が必要ではないかということで、ここで整理をさせていただいているところです。
【能見会長】 繰り返しになりますけど、ここで子どもというときには、そうすると、胎児も含めて考えているということですか。
【松永参事官】 そういうことでよろしいかと思います。
【能見会長】 ほかに、何かご質問等はございますでしょうか。
【草間委員】 1つよろしいでしょうか。
【能見会長】 どうぞ。
【草間委員】 今の6ページのところですけれども、一応これは12月26日に基本的な考え方が示されたわけですけれども、今、ここの審査会に直接関連した事項として、6ページの丸2の後半にある、「可能な限り迅速な検討を依頼し、遅くとも避難指示区域の見直し実施までに」という、この実施というのは、具体的にいつごろというふうに考えたらよろしいでしょうか。今、これは基本的な考え方が12月26日に出されたわけですよね。だから、実際に、例えば、解除するに当たっても、さまざまなことをしなければいけないわけですよね。だから、そういった、実行が施行されめどが立った時期なのか、あるいは、こういう形で見直しを行いますという何らかの形の通達を出したときをいうのか、この時期をはっきりさせていただきたいんですけれども。
【松永参事官】 ここで避難指示区域の見直しの実施というところは、一応3つの地域に線引きをし直すことを考えておりますが、遅くても3月いっぱいで行いたいと考えておりますので、それまでの間に賠償指針を提示いただくことができないかお願いしたいと考えているところです。
【能見会長】 もしほかの委員からなければ、もう一つ。
この帰還困難区域のイメージなんですが、どのぐらいほんとうに困難なのかというイメージがなかなかつかみにくいんですけれども。現時点で50ミリシーベルトを超える地域というのは、これはいろいろな条件にもよるんでしょうけれども、5年たっても20ミリを下回らないおそれがあるというふうに考えておられる、そういう考え方を前提にしているわけですね。
【松永参事官】 そのとおりです。
【能見会長】 今、正確に放射線の汚染がどのぐらいなのか、すぐには私も思い出せませんけれども、例えば、こんな単純な計算ではないんだと思いますが、50ミリで5年たって20を下回らないということは、仮に100ミリぐらいあると、これはもう10年たっても戻れないとか、そういう単純ではないと思いますけれども、ですから、やっぱり相当長期にわたるということが予想されているということでよろしいんでしょうか。
【松永参事官】 はい。やはり線量が高い地域、年間50ミリシーベルトよりも高い地域については、むしろ物理的減衰、自然減衰については、より困難になる可能性があります。例えば、年間50ミリシーベルトで5年であれば、年間100ミリシーベルトであれば必要な期間は10年ではなく、もう少し長くなる可能性があるということです。
【能見会長】 ここら辺も、どういう形の賠償をすべきなのかというようなことに、この帰還困難区域のイメージといいますか、もうちょっと正確には、ほんとうに困難というのはどういうことなのかということが関係するので、ちょっとお伺いした次第です。
【松永参事官】 一般的にもうしまして、これは除染の基本方針のときにも示させていただいたところですが、今放出されている中で半減期が長いものは、いろいろありますが、放射性物質として量が多いものは、セシウム134とセシウム137です。134のほうは半減期が2年ですが、セシウム137のほうは半減期がたしか28年です。最初のうちは、セシウム134の、早く半減期が来るほうがどんどん減衰していきますので、急カーブといいましょうか、ある程度落ちていくのですが、後ろのほうになり、時期がたつとセシウム137のほうに引っ張られることになりますので、やはりカーブが緩やかになるため、線量の多い地域につきましては、より長い期間がかかる可能性が高いということです。
【能見会長】 ほかに、いかがでしょうか。
審査会といたしましては、こういう区域の見直しというのを、それを前提にといいますか、新しい状況になっているところでの損害賠償はどうあるべきかというのを、これから次の議題として議論するわけですけれども、その議論する前提として、この際聞いておきたいという点があれば、今、質問をお願いしたいというふうに思うわけです。
これは必ずしも賠償と直結する問題かどうかわかりませんけれど、さっきの20ミリを切るであろうということで、一番軽い程度のところの避難指示解除準備区域ですか、これの考え方は、現在、避難指示区域に指定されていて、将来、数年のうちでしたでしょうか、近いうちに20ミリシーベルト以下になるであろうと。
【松永参事官】 今時点で、既に20ミリシーベルト未満の地域となります。
【能見会長】 実際にこの避難指示が解除される時点というのは、先ほどの質問と関係しますけれども、それぞれの状況に応じて、地域ごとにばらばらになるわけですね。僕の理解が間違っているのかもしれないけど。例えば、ある地域は2年ぐらいで20ミリシーベルト以下になりそうだ、あるところは1年、もっと短い期間でなりそうだというときに、具体的に避難指示が解除される時点というのは、どこになるのですか。
【松永参事官】 避難指示解除準備区域は、線引きをさせていただく3月末の時点で年間20ミリシーベルト以下であることが確実な地域となります。
【能見会長】 そうか。もうその時点でね。
【松永参事官】 その時点で、一日も早く帰っていただくために、いろいろな作業をしていきたいという地域です。
今ご指摘あったのは、おそらく居住制限区域でして、この地点につきましては、やはり線量の程度が年間20ミリシーベルトであったり、年間40ミリシーベルトであったりということで、さまざまです。したがって、いろいろな除染などもしていく中で、その時点で年間20ミリシーベルトを切っていく地点が、増えていく形で、いわば虫食いといいましょうか、どんどんと解除地域が増える、居住制限区域から避難指示解除準備区域に設定し直して、どんどん減っていくというなイメージです。
【能見会長】 それで、そのとき減っていって、解除するというときに、これはやはり市町村単位とか、あるいはもっと細かい単位とか、その解除の仕方はどのようになっていくんですか。
【松永参事官】 避難指示解除準備区域でも書かせていただいていますが、避難指示解除準備区域自体も、市町村単位ということではなく、例えば、字単位とか、小字単位とか、大字単位とか、そういう形で線を引かせていただいて解除していということですので、市が全体として解除されなければならないということではありません。
【能見会長】 そうですか。わかりました。
これも我々が扱っている自主的避難の賠償の問題と少し関係する問題かと思いましたので。
ほかに、どうぞ。
【田中委員】 確認させていただきたいんですが、避難指示解除準備区域が解除された場合には、現存被曝状況に移行したという記述があるんですが、今、現存被曝状況については、自主的避難とか、そういう先月末に決めたこと以外は、賠償という形では補償は全くしていないですね。そういうふうに考えていくべきものと思うんですが、そこはどういうふうに。もちろん、解除されて、猶予期間というのは多分あると思うんですけれども、その後はそういう考え方でよろしいんですか。
【松永参事官】 賠償については、ご判断はお任せいたしますが、現存被曝状況という、線量も低い状況ですので、解除をしたところでは、そういう状況に移行すると思います。
【能見会長】 これはまさにこちらの審査会で検討すべき問題だと思いますけれども、今まで20ミリシーベルト以下の地域であっても、自主的避難の賠償という形での賠償というのは認めてきていて、今回解除されることになる区域、そこでの放射線量がどのぐらいであるのかとか、まずそういうことと関連して賠償を認めるべきなのか、ちょっと別な形の賠償を認めるのか認めないのか、そういうことをこれから議論していただくことになるのではないかと思います。
例えば、20ミリを切っても、20ミリに限りなく近いような地域などになると、どう考えるべきかとか、今まで子ども・妊婦だけに限定していたのがどうなるかとか、いろいろ問題がそこで出てくるのではないでしょうか。
まさにここでご議論いただきたいと思います。
ほか、よろしいでしょうか。それでは、この区域の見直しに関する基本的な考え方、また、原子力災害対策本部の考えている今後の検討課題につきましては、このぐらいにしたいと思いますけれども、どうもありがとうございました。
【松永参事官】 どうもありがとうございました。
支援策についても、私ども、迅速に対応していきたいと思っております。賠償につきましては、先ほど申し上げましたように、非常に難しい課題ということは十分承知しておりますけれども、ぜひ、迅速なご検討のほど、よろしくお願いいたします。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
それでは、次の議題に入りたいと思いますが、これが今後の検討課題ということでございます。これも一応論点をある程度大ざっぱにまとめたペーパーがありますので、事務局より説明をお願いいたします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 それでは、資料2の「今後の検討事項(案)」についてご説明をさせていただきます。
一番最初のところ、四角の下に書いてございますが、まずこの紙の中では、中間指針、それから、12月の中間指針追補、ここで今後検討することとされている事項を、以下にまとめたものでございます。具体的な指針の記述につきましては、最後の5ページ、6ページのところに抜粋という形で書いてございますが、そういったものをまとめて、この1ページ以下に書いてございます。
まず1番目といたしまして、政府による避難等の指示等に係る損害関係ということで、幾つか書いてございます。
まず(1)といたしまして、避難費用の終期等でございます。ここにつきましては、中間指針で、そもそも避難指示の解除から相当期間後に生じた避難費用は、特段の事情がある場合を除き、賠償の対象にならないとしているわけでございます。今、中間指針までの段階では、「相当期間」について、具体的に決めたものは、4月22日に解除されました屋内退避区域、これに関連いたしまして、相当期間を7月末まで、あるいは一部は8月末まででございますが、それを目安とするということで、屋内退避区域についてのみ、今、具体的な記述があるわけでございます。
これに加えまして、今後検討しなければいけないものとしまして、丸1でございますが、緊急時避難準備区域でございます。緊急時避難準備区域につきましては、昨年の9月30日に解除がされてございますが、今現在は、その後の相当期間の中ということでございますが、検討事項のところに書いてございます。緊急時避難準備区域の解除後の「相当期間」は、具体的にいつまでとするかという問題がございます。
これに関連いたしましては、参考資料2で、緊急時避難準備区域解除に係る復旧計画ということで、ここは先ほどの警戒区域と若干考え方というか、手順が変わってございまして、緊急時避難準備区域の場合は、この復旧計画をつくるのと同時に、緊急時避難準備区域の指示を解除いたしまして、今、この復旧計画に基づいて、インフラの復旧であるとか、あるいは除染というものが進んでいる格好になってございます。先ほど、被災者支援チームのほうから説明していただきました、警戒区域の見直しに当たりましては、これは避難指示解除準備区域にまず移行した上で、その後、インフラの復旧などが終わってから解除という手順が今説明されたかと思いますが、緊急時避難準備区域につきましては、計画をつくった時点で解除をして、その後、この復旧計画に基づいて、住民の帰還等が進んでいるという格好になってまいります。
参考2の復旧計画の中に、これは各市町村について書き方は違うんでございますが、帰還目標日のようなものが一応記述されていますので、そこだけ紹介させていただきます。これは通しページが入ってございますが、一番最初、南相馬市から入りますが、南相馬市につきましては、これは前書きの部分に相当いたしますが、通しページで2ページの下のほうのところに、「23年度末までに集中的に実施し、避難している市民の帰還をいっそう促すこととする」というようなことが書いてございます。
南相馬の次は、田村市の分が通しページで43ページからございますが、ここの通しページの48ページ、田村市の2ページ目でございますが、ここに上のほうに、帰還完了目標日ということで、「24年3月末までに完了できるよう本計画を推進する」という記述がございます。
それから、次が、川内村でございますが、こちらにつきましては、通しページの74ページに、右下のほうでございますが、(5)帰還開始時期と完了目標日の設定ということで、「24年2月から開始し、約2か月後の平成24年3月までに避難住民の帰還完了を目指します」というような記述がございます。
それから、続きまして、広野町でございますが、ここにつきましては、通しページの94ページに、帰還開始・完了目標というのが書いてございまして、こちらは「平成24年中に帰還完了を目指す」というような記述がございます。
もちろん、この計画の中には、これだけではなくて、病院や学校の開始のタイミングとか、そういったものが計画としてここに入っているということでございます。現実にそれがどういうふうに進んでいるかということについては、これからデータ等を整理して、お示しをさせていただこうと考えてございます。
以上が、緊急時避難準備区域の解除に係る相当期間の問題でございます。
それから、もとの資料2に戻りまして、1ページの下のほうから、丸2で、警戒区域及び避難指示区域の場合ということで、ただいま原子力被災者支援チームのほうから説明がありました、警戒区域あるいは計画的避難区域の見直しに係る問題がここに書いてございます。これから、2ページの上にございます、先ほど説明のあった「避難指示解除準備区域」、「居住制限区域」、「帰還困難区域」、こういった考え方に基づき、今後具体的な区域の設定がなされることになりますが、検討事項といたしまして、それぞれの区域につきまして、避難費用に係る賠償をどのように考えるかという問題がございます。
それから、次に、(2)の精神的損害の期間と具体的な損害額の問題でございます。丸1のところに、これは中間指針で、第2期といたしまして、事故発生後7カ月目以降1年までの6カ月、この期間について、必要に応じて見直すという記述がございます。この2期の期間は、検討事項のところでございますが、第2期の期間、今6カ月としているものを、期間そのものを見直す必要があるかどうかというのが、1つの検討課題になってございます。
その上で、丸2でございますが、第2期終了から終期までの期間としております、第3期の精神的損害の額の算定方法について、どうするかということでございます。丸2の2ページの下のところには、具体的な中間指針の記述が書いてございます。3ページの上のところでございますが、これはさらに今回の場合は、先ほどの新しい区域の設定とセットになってございますので、第3期について、その損害額をどのように考えるかという検討課題がございます。
それから、(3)といたしまして、営業損害の終期、これにつきましても、中間指針を策定する際のご議論で、何回かご議論をいただいたと思いますが、中間指針では、結果として、そこに書いてございますが、「現時点で全てを示すことは困難であるため、改めて検討することとする」ということにしてございます。さらに、ただし書きで書いてございますが、その検討に当たって、事業拠点の移転や転業の可能性を踏まえて、賠償対象となるべき期間には一定の限度があることや、さらに、早期に転業する等特別の努力、これを行った者が存在することに、留意する必要があるということが中間指針に書かれてございます。したがいまして、検討事項といたしましては、そもそも営業損害が賠償すべき損害と認められる期間をどのように考えるかということに加えまして、いわゆる「早期に転業する等の特別の努力」の場合について、どのように考えるかという検討課題があるということでございます。
それから、次の、(4)の就労不能等に伴う損害についても、営業損害と同じようなところがございます。中間指針の書きぶりは似たような格好になってございますが、検討事項といたしまして、そもそも給与の減収分等が賠償すべき損害と認められる期間をどのように考えるか。そして、これは「早期の転職や臨時の就労」ということになりますが、こういった特別な努力等の場合についてどのように考えるかというのが検討事項になってまいります。
次の4ページでございます。4ページは、中間指針の追補に係る損害の関係ということで、これも12月に指針を策定していただく段階でご議論いただきましたが、当面、自主避難等対象者のうち子ども及び妊婦については、本件事故発生から平成23年12月末までの損害として、損害額を示してございます。したがって、最後の3行のところになお書きで書いてございますが、「平成24年1月以降に関しては、今後、必要に応じて賠償の範囲等について検討すること」と指針のほうに書いてございます。したがって、これについてどのように考えるか。
以上が、具体的に今まで策定した指針に改めて検討すべき事項として書いてあることでございまして、そのほか、最後にその他と書いてございますが、現時点で審査会として、ほかに検討すべき事項があるかということで、一応例示として、この1月1日から除染に関する特別措置法が施行されてございまして、これについて内容については、一度環境省からも説明を受けたところでございますが、ここに関して、指針で新たに検討すべきことがあるかどうかというようなことがあると思われます。
資料の説明は以上でございます。
【能見会長】 それでは、ただいまの資料に基づきましてご議論いただきたいと思いますけれども、議論がいろんなところへ飛ぶ可能性はもちろんあると思いますけれども、一応順番に1からご検討いただければと思います。必要に応じてというか、それを議論するために、ほかの論点にも触れる必要があるということであれば、もちろん、それは構いません。
それでは、最初の1のところ、政府による避難党の指示等に係る損害関係ということで、緊急時避難準備区域が解除された後の相当な期間について、どう考えたらいいかというところからご議論いただければと思います。
若干議論を喚起する意味で、少し補足的な私の理解を申し上げますと、先ほどいろいろな市町村における復旧計画というのがございまして、復旧計画としては、何月何日までに完了したいという計画は書いてございます。
しかし、これはもちろんあくまで計画ですから、必ずしもそのとおりいくとは限らないし、また、そのとおりいかないというときにも、各市町村において、復旧のための準備の完成度、これは同じように進むとは限らず、あるところでは早く完了するかもしれないし、あるところはそれほど早く完了しないということもあったりして、かなりばらばらになる可能性もございます。そういうことも念頭に置きながら、相当な期間というのはどういうふうに定めたらいいのかというのが、ここでの問題ということになるかと思います。ということで、ご意見があればお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
これも、今までの考え方、今まで解除してきたところについての、屋内退避等のときにも考えた基本的な考え方ですが、やはり復旧状況を踏まえて、そこの住民が戻れるような状況になっているかどうかということが、おそらく実質的な基準だと思いますので、計画で3月31日までだというときに、そこで相当な期間が終了するというものではおそらくないんだろうと。
【野村委員】 計画は計画ですから、客観的に見て、やはりそれが実現しているかどうかということが重要だと思います。ただ、一方で、大部分の人にとっては、元の住居に戻れる状況にある場合には、それはそれでいいということでも、個々の家族によっては、もう少し考えなくてはいけないことがあるかもしれないですね。それはこの紛争審査会で議論するのか、現実に東京電力と被害者との間の賠償交渉のときに個別に対応してもらえばいいのかという問題ですけれども、いずれにしろ、やはり個別の事情というものも多少考えざるを得ないのではないかなと思のです。
【能見会長】 今の点はそのとおりでして、これは相当な期間というのを定めて、一応そこまでが避難に伴う賠償の終期であるというふうになったときにも、個別の事情でもって戻ることが困難である、例えば、仮に学校等は復旧していても、介護を必要とするような人がいて、介護施設等は復旧していないというような状況があれば、そういう人たちはやはり避難を続けざるを得ないということがあると思いますので。それは全くの個別というよりは、もうちょっとカテゴリカルな、ある種のグループの人たちについてという判断かもしれませんが、今のように相当期間といっても、そこですべてが打ち切られるわけではない、個別の事情が当然あるという前提で考えるということになると思います。
その上で、しかし、一応ここまでですよという期間を何らかの形で決めるかどうかということが問題となると思います。
大塚委員、何かございますか。
【大塚委員】 野村委員がおっしゃったことも、そのとおりだと思いますけれども、一方で会長がおっしゃったようなことになってくると私も思っているのです。結局、復旧状況を踏まえた上で決めたいところがほんとうはあるんですけれども、先ほどの話だと、3月末までにこれは決めないといけないということのようですので、そうすると、ある程度のところを、相当期間を、多分3月末からちょっとプラスするような――ちょっとというのは何カ月ぐらいかということを考えなくてはいけないんですけれども――形で決めるということにならざるを得ないのかなと思っておりまして、それが6月なのか7月なのかわかりませんが、3月末よりも少し後ろのところまでということを考えるのではないかというふうに思いました。
【能見会長】 3月末までに必ず決めなくてはいけないのかどうかというのは、必ずしもそういうものではないんだろうと思いますけれども。お戻りになってしまったんですけれども。今までもいろんな解除が行われてきたときに、相当な期間については……。すみません、今の点について、質問に答えてくれますか。
【松永参事官】 3月末の段階では、避難指示解除準備区域と居住制限区域と帰還困難区域の線引きを行うこととしております。避難指示解除準備区域は、3月末の時点では、まだ避難指示が続いておりまして、そこからインフラ復旧などが達成された段階で、何カ月かかるかはわかりませんが、そこで市町村と協議の上に解除がされることになります。やはりしばらくの期間避難指示が継続していた地域ということで、避難指示が現実に解除される地域は、市町村ごとによって、いろいろずれてくるということを想定しております。 他方、その上で、避難指示があった後に、どういった期間賠償が継続するのかということ、これは避難されている方々にとっては非常に関心の強い地域であることは事実かと思っております。具体的に何カ月かとか、そういうことはいろいろあろうかと思いますけれども、一応住民の皆様方の関心としては非常に強い地域ではないかと思います。したがいまして、私のほうからここでの決定について特にということではございませんけれども、住民からの関心としては、関心の強い事項でございます。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 今の話は、避難指示解除準備区域のお話なんですね。
【松永参事官】 おっしゃるとおりです。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 今の内容は、緊急時避難準備区域の話で。
【松永参事官】 緊急時避難準備区域につきましては、今回の区域見直しとは別に、もう既に解除している地域で、昨年9月の末に緊急時避難準備区域としての区域は解除しております。その後どれぐらいの期間が賠償の対象として相当な期間なのかという議論は非常に関心の強い問題かと思います。
【草間委員】 よろしいでしょうか。
【能見会長】 どうぞ。
【草間委員】 先ほど災害対策本部からご説明いただいた、今までやってきたものを解除しましょうという動きというのは、要するに、今までは緊急時被曝という形で、線源すなわち原子炉からの放射性物質の放出そのものがコントロールされていない状況下の対応があった。したがって、自主避難なんかも、そういった不安があるからという形で、賠償の対象にしたんだろうと思うんです。
今回、災害対策本部が新たにこういった解除の基準を出してきたというのは、要するに、今まで日本では経験しなかった、先ほどちょっと田中委員が言われた、いわゆる現存被曝状況に対してどう考えるかという形で出てきたんだろうと思うんですね。だから、そういう意味では、その賠償も、とりあえず緊急時被曝の段階のものについては、例えば終期を区切って、ここという形にして、次に、また、先ほど会長からもご質問あったように、賠償なのか補償なのかという、いろいろな問題が出てくるんだろうと思うんですけれども、現存被曝状況下のところについては、また今までの緊急時被曝とは違った形の考え方というのが入ってくるような印象を受けたんですね。だから、線源が、要するに原子炉そのものがコントロールされていないと考えていた緊急時被曝状況の時点の損害賠償と、それと、現存被曝状況という形で、今まで日本では一回も経験しなかったものに対して新たに賠償を考えるというのも1つのアイデアではないかなというのを今日聞きながら思ったんですけど、その辺は基本的な考え方としてどうなんでしょう。
【能見会長】 現存被曝状況のもとで、なお相当な放射線量があるというので、それを理由とする何らかの賠償というのがあるかという、おそらく問題なんだと思いますね。
【草間委員】 そうです。だから、そういう意味では、緊急時被曝についての賠償に関しては、一応終期というのをステップ2に移った段階をめどに、ステップ2移ってから直ちにというのではないんですけれども、そこで一応終期を判断し、次の段階として、現存被曝状況に対してどう補償していくかという仕組みがよいのではないかと思います。今までの考え方とは違う、精神的不安にしても、また違う意味の不安なんだろうと思うんですね。だから、別な裏づけでやっていかなければいけないということを考えると、ちょっと分けて考えたらどうかなと思ったんですけど。
【能見会長】 基本的な考え方は、私も今の草間委員のご意見と同じなんですが。今まで避難していて、これは爆発などが生じるリスクに対する避難ということで、それがなくなったので戻れますよと。20ミリシーベルト以下なので、一応戻ろうと思えば戻れる。だけど、なおそれなりの放射線量があるとなると、今までの避難指示等によって避難したことによる賠償とは違って、戻れるかもしれないけど、それなりにまだリスクはあるんだというふうに考えると、そこでの別の賠償というのがあり得る、それを認めるかどうか、あるいはどういう基準で認めるかというのは、この審査会でご議論いただくということになると思います。これはなかなか難しい問題であり、いろんな議論がこれから出てくると思いますけれども、だから、とりあえず避難指示が出ていて、避難していたことによる賠償と違う賠償なので、避難指示のほうは淡々というのは変ですけれども、解除された後、やはりどこかに相当な期間というのがあって、それが永遠に続いていくという問題ではない、そういうことだと思いますね。
ということで、3月31日までに決めなくてはいけないかどうかということについては、それはないと思います。
では、改めて、この相当な期間について、今、具体的にどのぐらいとか、そういうご意見はなかなか出にくいかと思いますが、基本的な考え方ということで、ご意見を伺えればと思います。
【大塚委員】 先ほど申し上げたことは、そうすると、実際の状況を踏まえながら検討したほうがいいのではないかというところがあると思いますので、具体的なデータを、3月以降になるかもしれませんが、出てきたところで、状況を見て判断するほうがよろしいのではないかと思いました。
【能見会長】 これ、復旧計画それぞれが完全に同じというわけではありませんけれども、目標が設定されているとすると、その目標が設定されたころに一体どの程度ほんとうに復旧しているのかというような状況も情報としていただいて、その上で、賠償についての相当な期間というのが判断されるべきである、というのが基本的な考え方ということでよろしいでしょうか。
それでは、緊急時避難準備区域については、とりあえずそういう基本的な考え方をもって考えていくということにしたいと思います。
しばらくまだ続くかもしれませんので、いていただいたほうがよろしいと思います。
警戒区域、それから避難指示区域の場合についてはいかがでしょうか。これが解除されて、新しい3つの区域の設定のし直しがなされるというところについてでございます。
これについては、いつまでという、この区域を設定するという、具体的にどの地域がどの区域に入るかはまた別として、区域を設定しますという見解が正式に示されるのはいつでしたっけ。それは3月31日ですか。
【松永参事官】 それぞれの区域の線引きを決めさせていただくのは、3月31日を目標にしております。
この3つの種類の地域があるということを12月26日に示させていただき、その上の具体的な線引きの目標期限が3月31日ということです。
【能見会長】 わかりました。
ということで、ある意味で、これも論理必然的に賠償が先に決まっていなくてはいけないというものではないと思いますけれども、審査会としては、具体的にどの地域がどこに入るかということをあまり気にすることなく、今は純粋に理論的な問題といいますか、損害賠償の問題として、それぞれの区域についてはどういう損害賠償があり得るのかということを議論することができる。ですから、できれば3月31日までにここは決めたいというところがあります。その上で、それぞれについてどんな問題があるかということをご議論いただければと思いますが。
今日のこの論点ペーパーはほんとうに大ざっぱにしか書いていなくて、皆さんのご意見が自由に出たほうがいいということで、少し大ざっぱに書いてあるわけですけれども、ここの問題に限らず、そういう意味では、いろんな問題、お気づきの点があればお出しいただきたいと思いますが。
例えば、避難費用等に関して、いろんなタイプの損害がもちろんここの区域の住民にはあり得て、避難費用に係る賠償、それから、精神的損害は、次の(2)に関係することかもしれませんが、あるいは、それ以外に財産的な損害の賠償ということも当然問題となるし、帰還困難区域、あるいは居住制限区域については、特に財産的な損害賠償をどうするかということは、結構大きな問題になると思います。しかし、避難費用についても、これもどういうふうに考えたらいいかということで、居住制限区域についても、5年近く戻れないという可能性があるし、帰還困難区域については、もっと長期に戻れないということですから、その間の避難費用についてどういうふうに賠償していくのか。今までのようにやっぱり毎月毎月かかった費用ということで賠償していくのか。あるいは、何か一括して賠償して、特に帰還困難区域の住民にとっては、むしろ一括して賠償をもらって、新たな生活をしたほうがいいということもあるかもしれません。ただ、これは避難費用だけの問題ではなくて、おそらく財産的な損害の賠償も一括で受けられるということが、そこでは必要になると思いますが、そういうふうにいろんな問題が関連してまいります。今日はほんとうにご自由に、どんな問題があるかということのご指摘をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
【田中委員】 先ほどの質問にも関係しますけれども、避難指示解除準備区域の場合は、現存被曝状況に入るわけですので、それは今の現存被曝状況と同じ扱いで、もちろん避難から戻るための猶予というのはあると思うんですね。ただ、インフラの復旧というのは、多分いついつまでに全部できるかというと、これまた災害復旧みたいなもので、宮城県とか岩手県と同じようなところもございますので、そこのところは原子力事故ということと少し分けておかないと、そこを分けておくべきかなと思います。一方、居住制限区域とか帰還困難区域は、これは明らかに放射線のレベルが高いというか、線量率が高いということで、こういう区域を設定されるので、ここについては、今回の事故に由来するものということで別途扱う。別途扱うというと変な言い方ですけれども、何かそこの割り切りが要るのではないか。
というのは、現存被曝状況というのは、今、環境省の指定ですと、福島県だけではなくて、102市町村が対象になるんですよね。逆に、川内村なんかは、今郡山に避難しているのですが、郡山のほうが線量率は高いんですよ。かなりの部分が。だから、そういうことも含めて、線量率で議論するのではなくて、ここはある種の割り切りというのか、区切りをつけたほうがいいように私は思うんですが。
【能見会長】 これは自主的避難のときにも議論されたことの、いわば延長線上の問題だと思いますが、自主的避難のときにも、これは、自主的避難をしている地域というのは、20ミリシーベルト以下の地域であり、にもかかわらず、子ども・妊婦については、放射線量の影響ということを考えて、賠償を認めようという考え方をとったわけですね。ですから、それと共通の問題があって、避難指示が解除されて、そこには戻って構わないんだということになったときも、一定の放射線量があるとすると、それについて、自主的避難の場合と同じような問題を考えるかどうかということなのではないでしょうか。それで、結論はこれから議論していただくとして、問題の性質としては同じではないでしょうか。それとも、そこは違うんですか、田中委員のご意見としては。
【田中委員】 自主的避難を一度決めて、今後はまた状況に応じて検討するということになっているから、どういうふうになるかわからないんですけれども、今、避難している状況の賠償がそのまま続くのかというふうに思う場合と、自主的避難に対して、ああいう形で大人と子どもと分けてやった場合と、そこは全く同じではないような気が私はちょっとしています。だから、そこはもう少し議論をさせていただくということをお願いします。
【能見会長】 そうですね。対象者とか、あるいは、賠償の中身は当然違っていると思いますので。
【田中委員】 それと、もう1点よろしいですか。
帰還困難区域ということになりますと、かなり長期なので、新たにどこかまとまったお金をもらって移ったほうがいいという、これは賠償の問題ではないんですけれども、そういう人も全部が全部ではないですけど、そういうこともあると思うんですね。だから、この帰還困難区域ぐらいになりますと、その前の居住制限でも、5年というのはかなり長いというのが一般的な感覚ですので、そこの扱いをどうするかというのは、ほんとうに一律にこの賠償の指針で決められるかどうか、現地の声もよくくんでいかないと混乱するのではないかという気がするので、ぜひその辺もご検討いただければと思うんです。
【能見会長】 私も、この居住制限区域、それから帰還困難区域等については、あるいは、避難指示解除準備区域でもあり得るかもしれませんが、特に居住制限区域、帰還困難区域においては、やはり戻りたいということを前提にして、これまでと同じように、戻れるまでの賠償というのを求めたいという人と、それから、ある意味でもう見切りをつけて、戻れない可能性がこれだけ高いのであれば、新しいところで生活を組み立てたほうがいいという判断をされる方、いろんな方がおられて、できれば賠償の仕組みとしても、そういう居住者の選択に応じた賠償が、うまくそういう仕組みがつくれるのであれば、それが望ましいのではないかというふうにも思うんですが、選択的な賠償というのがうまくできるかどうかというところは、これから議論しないと何とも言えないところがあり、ただ、基本的な私の考えとしては、そういう選択が認められるといいのではないかとは思います。おそらく田中委員も基本的にはそういうお考えですよね。
【田中委員】 はい。
【能見会長】 問題点としては、先ほどの居住制限区域ぐらいについて言えば、5年ぐらいで戻れるということになると、そこの財産についても、価値がゼロではないし、一定の価値がある。だけども、新しい生活をするとなると、その一部を賠償してもらうというよりは、もう全部を賠償してもらって、そのかわり財産等は賠償した側に移るのか、あるいは、ちょっと違う形があるか、よくわかりませんけれども、財産をある意味で放棄するというか、そのかわり全額賠償してもらって新しいところで生活をする。そういう賠償の選択がうまくできればいいんですけれども、今言ったように、居住制限区域で5年ぐらいは戻れないかもしれないけど、その後は戻れるとなると、財産的損害として全額請求できるのかという問題があって、そこは賠償でいけるところと、補償でないといけないところの線引きがここでも問題となってくるということで、先ほどちょっとお伺いした問題かなと思って。
それ以外に何か。
避難費用についてというのはちょっと気になるけれども、これはどうですかね。つまり、完全に移転してしまうということではなくて、やっぱり5年先でも戻れるんだったら戻りたいと。しかし、その間、居住制限区域、帰還困難区域はもちろんですが、避難せざるを得ないので、避難は続いていて、その避難している間の賠償というのが問題となり、これを今までどおり月ごとにどんどん発生するごとに認めていくというふうな考え方をとるか、あるいは、別な考え方があり得るのかということですけれども、どうですかね。
どうぞ、鎌田委員。
【鎌田委員】 この検討事項案は、基本的に中間指針で提示したものがいつまで継続的に適用されるか、特に終期はどうなるのかということを、避難費用、精神的損害、営業損害等々について一つ一つ検討すべき論点として挙げているんですけれども、今般、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域という新たな区域指定の考え方に転換したわけですから、中間指針がその新しい考え方のもとでどこまで適用され続けるかということも一つですけれども、同時に、新しい区域設定のもとで中間指針が継続的に適用される部分と、これを切りかえて、新しい区域の特性に応じた損害賠償の在り方を新たに設定しなければいけない部分というのが出てくると思うんです。先ほどの原子力対策本部のご説明の中に不動産・動産の損害賠償の在り方について検討してほしいという要望もありましたけれども、それは、特に帰還困難区域みたいなものが設定されると、中間指針で考えたのとは違う考え方のもとで、損害賠償について対応しなければいけないという新しい問題が出てきたんだということなので、1つは、ここに整理してあるような検討は必要ですけど、同時に、新しい区域設定のもとで、どういう損害賠償の考え方をして、現在の考え方とどのような移行の、あるいは接続の仕方をするのかという形で論点を再整理する必要もあるのだろうと考えます。
【能見会長】 ただいまのご意見は、まさにそのとおりだと思いますので。
おそらくそのときに、どういう枠組みで考えるかはともかくとして、やっぱり避難していることによる賠償とか、精神的損害、財産的損害、それぞれについて、従来の枠組みと同じでいいかどうかという観点での整理が必要だということですね。
ほかにご意見ございますか。
私も今の点は、(2)の精神的損害のところでもって申し上げようと思ったんですけれども、おそらくこの第2期をさらに継続するかどうかという問題ではなくて、まさに第3期ということなんだと思いますけれども、第3期のように、これをつくったときの前提とは少し違う状況が生じているかもしれませんが、いずれにせよ、避難指示解除ができるようになった地域と、なお居住制限という形で相当期間続く、それから帰還困難ということで、これはもうほんとうに長期にわたって戻れない地域がある程度わかってくるというもとでどう考えるかということですので、第2期の延長よりは、まさに第3回、新しい状況のもとでの賠償というのを考えようというのがよさそうだと思いますけれども。
【草間委員】 だから、最初に言ったように、中間指針で考えた第3期というのは、あるところで、中間指針のときは緊急時被曝、要するに、線源がコントロールされていない状況で、できるだけ迅速に賠償しましょうという形でアイデアを組んできたと思います。だから、中間指針で考えていた終期は、あるところでやっぱり区切りをつけて、それこそ今言ったように、個別の事情をかなり考慮しながらやっていかなければいけないということ等を考えると、今回現存被曝に移った状況で解除、あるいは帰宅困難区域というような形で、新たな対応が出てきたので、次の段階としてどう考えるかという形で考えたほうがよいと思います。
【能見会長】 そういう意味では、ここで出ている枠組みにはあまりとらわれないで、こうあるべきかということについてのご意見があればお聞きしたいと思いますけれども。
この新たな枠組みということで出てくる1つの問題は、一括して賠償するというようなものも組み込んでくるかということと、それから、先ほど申し上げたように、それを選択できるという形の賠償を認めるかというのが大きな問題のような気がするんですが、その点でも結構ですし、あるいは、それ以外の点でもお気づきの点があればと思いますが、いかがでしょうか。
【草間委員】 当然、同じ避難にしても、金額等ももう一度見直しということも出てくるんだろうと思うんですね。
【能見会長】 そうですね。その点も含めて見直したいと思いますが。
それでは、ほかの論点もすべて今の基本的なスタンスには関係しているので、ほかの論点についても、これから議論していただきますけれども、今のような大きなスタンスを前提にして、次の(3)とか(4)等の点についてご議論いただければと思います。
この営業損害の終期とか、あるいは就労不能に伴う損害の終期、この両者は似たような性質の問題ですけれども、これについて少しご議論いただければと思いますが、これはいかがでしょうか。
この点も先ほど私の問題意識は少しはご披露いたしましたけれども、就労不能のほうについて言いますと、一般論としては、仮にいろんな理由でもって不法行為で就職先が奪われて、就労不能の状態が続いているときに、その不法行為者に対して損害賠償を請求できる期間というのは、それはやっぱり一定の限度があって、永久に就労できないということを理由として就労不能の損害賠償を請求できるものではないという意味では、一般的に、ここに書いてあるように、どこかには終期があると思います。
しかしながら、営業と就労とどの程度同じなのか違うのかよくわかりませんけれども、就労というときに私が一番気にするのは、仮に福島県のこういう方が、東京だとか大阪へ行けば就職はあるじゃないかということで、そういう意味での就労可能性があるから、どこかで終期が来るんだというような考え方をしていいのか、あるいは、どこかへ行けというのではなくて、やはり福島県だったら福島県でどの程度就職の可能性があるかというような考え方をして終期というのを考えたらいいのか、そういうような問題が少しあるような気がいたします。そういう意味では、やはり今回のこの就労不能の問題というのも、今回の原子力事故のある程度特殊性というものを考慮しながら終期というものを考える必要があるのかなという感想を持っていますけれども、あくまでこれは非常に一般的な考え方で、そういう考え方でいいのかどうか。それからまた、仮にそういう考え方に基づいても、終期というのはどう考えたらいいか、さらに詰めなくてはいけない点があると思っております。何かこの点についてのご議論があれば。
それから、あわせて、特別な努力を行った者が存在することに留意するというようなことが中間指針で出ておりますが、これはいろんな含意がありますけれども、一方で、努力して就職ないし転業して、それなりに再生を図ることができた人がいるとすると、それとの関係で、あまり長期に賠償が続くというのはアンバランスではないかというようなニュアンスももちろんここには含まれているわけですが、こういった点をどう考えるかということですね。
それから、今の点と少し論点が違いますけれども、ほんとうに転業とか、あるいは再就職をしたというのと違って、アルバイト程度、ほんとうに臨時的な就職といいますか、仕事をして、そこで得た収入というのをどう扱うか。これはもうちょっとはっきり言うと、就労不能による損害賠償の中からそういうものは控除するのかどうかという問題もあり、これも以前においても少し議論していただいた点でございます。そんな点も、ここであわせて議論しなくてはいけないと思います。
ほかの点でももちろん結構ですけれども、どうぞ。
【大塚委員】 会長が今ご指摘いただいた論点のうちで、最初のものにつきましては、東京での就労可能性というのは、おそらくちょっと問題にしにくいと思いますので、やはり福島界隈での就労可能性というのを考えるのではないかと思いました。
それから、特別の努力について配慮する必要があるということは、中間指針にも書いてあるんですけれども、具体的にどのくらいのところまで入れていくのかというのはやや難しい問題でして、もう少し考えさせていただければと思っております。
【能見会長】 それでは、これについては、論点をもう少し整理した形で、ご議論していただきやすいような論点ペーパーを用意したいと思います。
4ページの自主的避難等に係る損害賠償、ここについてはいかがでしょうか。これは先ほど出てきた論点の幾つかとか少し関係する問題があると思いますけれども。昨年12月に、12月分については、一応自主的避難対象者というものを、区域を設定して賠償の対象にしてまいりました。今までの12月分につきましては、初期のころの原子力事故が拡大するかもしれない、爆発がまだ続くかもしれないということから避難されたという方、それから、少し落ちついてから、しかし放射線量がまだ高いというので避難された方、そういうものを特に分けずにといいますか、いつまでが初期でいつからが後期だと分けずに、12月分までの賠償として額を決めていただいたわけですが、今後、これを延長といいますか、12月以降になりますと、これは初期のころ爆発するかもしれないということで逃げたという要素は、もう考慮されないことになるので、専ら放射線量の問題としてここでは議論することになるかと思います。
そうなりますと、先ほどの避難指示区域の解除の問題と関係してまいりまして、解除されるということですから、20ミリシーベルト以下にはなるわけですが、なお放射線量が相当あるということで危惧を感じるという方の賠償というのをどう考えるかということとおそらく関連して考えなくてはいけない問題であろうと思います。そういう意味で、これ自体なかなか重いテーマなんですが、これも、基準はともかく、どういう考え方をしたらいいかということについてのご提言があればお願いしたいと思います。
どうぞ、大塚委員。
【大塚委員】 いろんな考え方があると思うんですけれども、前に追補で決めたところの議論との関係で申しますと、あのときは避難指示区域との関係での距離とか線量とかを、ほかにもございましたけれども、考慮して区域を決めたわけですけれども、今回、避難指示区域自体が3つに分かれて、徐々に解除されていくということを考えると、おそらく線量が一番重要な問題として残ると思いまして、1月以降も私は賠償をし続けるべきだと考えていますが、そのときには線量のことを中心に検討していくのが適当であると思います。先ほど草間委員がおっしゃったような、現存被曝のもとでの賠償というのを考えていくということになるのではないかと思います。
【能見会長】 あともう一つ、今の点は今の点で、そういうご指摘を検討したいと思いますが、地域の設定の仕方が、先ほど3つに区域を分けるということとの関係で、微妙に影響を受けるかなという気がしたんですが。
今まで自主的避難については、市町村ごとで比較的全体をまとまりとして指定してきたんですけれども、今度3つの区域というのが、これは市町村ごとではなくて、もっと細かい単位でもって指定されたり、あるいは解除されたりしてくるということになると、仮に自主的避難についての賠償を続けるにしても、全体ではなくて、放射線量が中心になるということもありますが、もう少し狭い範囲でもって考えなくてはいけないかもしれないということを、これはまだぼやっとした考え方ですけれども、そんなようなことをちょっと思っております。しかし、これも細かい範囲で決めていくというのもなかなか難しい問題があるので、どうしたらいいかなということですね。この点も何かご意見があれば。
今、結論めいたことは難しいと思いますので、思いつきといいますか、こういう点を検討してくれというご要望だけで構わないと思いますが。
それでは、今出たようなご意見といいますか、私の意見も含まれておりますけれども、そういうのに基づいて、もう少したたき台となるようなある程度の検討をするということでよろしいでしょうか。
【大塚委員】 1つ、別でよろしいですか。
【能見会長】 どうぞ。
【大塚委員】 最初のほうの議論で申し上げられなくてすみませんでしたが、この3つの区域、特に2つ目と3つ目の居住制限区域と帰還困難区域に残されている財産の扱いというのは結構難しいと思うんですけれども、ただ、先ほどの議論で1つだけ根幹的なことを追加しておくとすれば、居住制限区域は5年間は多分帰れないというところが多いんだろうと思いますけれども、そういうところでも多分5年間放っておくだけでも、財産的価値がほとんどゼロになるようなものもあると思いますので、居住制限区域においても、やはり全額賠償をして、かわりに財産放棄していただくということになると思いますけれども、ということも多分考えざるを得ないのかなと思います。今までいろんな事業をやられていて、5年間放っておくということは、もうその財産もほとんど意味がなくなってしまうというケースもかなりあるのではないかと思いました。
【能見会長】 どうぞ。
【松永参事官】 今のお話の中にありました居住制限区域は、年間20ミリシーベルトから50ミリシーベルトまで非常に幅があります。例えば年間20ミリシーベルト近傍のところですと、早期に減衰をして、また除染の効果などで帰れるようになるところはあります。他方で、年間50ミリシーベルトに近いところは、帰れるようになるまで5年間近く要する可能性があるのではないかと思います。
あと、もう1点、先ほどの議論の中で、市町村単位で解除をするかという話ですが、今までの警戒区域の設定も、必ずしも市町村単位ではなく、市町村の中で、南相馬などは警戒区域と計画的避難区域と、あと白地地域と分かれておりまたが、緊急時避難準備区域を解除するときは一斉に解除した、というものです。
【能見会長】 どうも補足ありがとうございました。
そういう意味では、この区域の設定につきましても、いろんな議論をもうちょっと詰めて検討していきたいと思います。
それ以外の問題も含めて、その他の点も含めてのご議論をいただきたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
これ、事実の問題として、いろんな検討をしなくてはいけない点がございますが、ここでは例として除染の問題が取り上げられていますけれども、これはどこに質問したらいいのかな。この特措法が施行されると、施行日以後の除染につきましては、この特措法で言及している除染については、原子力損害とみなすということですね。この特措法が施行される前にも、いろいろ除染は行われていると思いますが、これは特措法との関係はまずどうなるんですか。これはどなたにお聞きしたらいいのかな、特措法についての説明というのは。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 今、事務局として伺っていますのは、特措法施行前の除染についても、できる限り施行後と同じような扱いになるようにしたいということを伺っています。具体的には詳細検討中ということを伺っております。
【能見会長】 しかし、それは特措法自体は、原子力損害とみなすというような規定ですので、なかなか同じように扱うというのは難しいところがあるのではないかと思いますけれども。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 前に環境省がこちらに来たときに、委員の皆さんからご説明があったと思いますが、要するに、特措法につきましては、原子力損害賠償の範囲の中で除染をするというのがその趣旨であるというようなことをおっしゃっていたかと思いますが、そういう意味では、今既にやられたものについてどうするかということになりますので、確かにそういうはみ出した部分というのが出てくる可能性は否定できないということだと思います。
【能見会長】 ですから、特措法の施行前の問題と、それから、施行後であっても対象外といいますか、少なくとも特措法の対象外の問題というのはあり得るということですかね。施行後についても。それはあんまりあり得ない?
【田口原子力損害賠償対策室次長】 施行後も、理論的には当然あり得ると。特措法自体は、計画に基づいてやる除染についてというのが特措法の対象になっていますので、それ以外のところでやられた除染をどう考えるかというような外の問題というのは出てくる可能性はございます。
【能見会長】 例えば、個人がやはり計画は待っていられない、例えば計画がちょっと遅れているようなときに、待っていられないというので除染を率先してやっていくという場合があり得ると思いますが、そういうような賠償というのが主に、特措法の対象ではないけれども、この審査会の賠償の問題として議論されてよいということでいいですか。この特措法との関係ですけれども。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 そこは特措法自体の運用で、先んじて個人がやった場合、後で計画に書かれてどうなるかとか、運用上どうするかという問題がございますので、そこは確認をするようにしたいと思います。
【能見会長】 わかりました。
ただいま大臣がお見えになりましたので、一言大臣にごあいさつをいただければと思います。
【平野文部科学大臣】 改めまして、今回、文部科学大臣を拝命いたしました平野博文でございます。よろしくお願いいたしたいと思います。また、今日は第20回の会合だと、こういうことをお聞きいたしまして、改めて委員の皆様方に一言ごあいさつを申し上げたく参ったところでございます。
今回の原子力事故というのは、ほんとうに周辺住民の皆様方を含め、国民全体に広範な被害をもたらしている点は極めて残念でございますし、我が国の歴史上においても類を見ない、こういう状況でございます。したがいまして、審査会の委員の皆様方におかれましては、これまでほんとうにそういう状況の中での指針の策定に当たりましては、社会がほんとうに大きな重大関心を持っている中で、数々な難しい問題があったと私は察しいたします。多岐にわたるご検討をいただき、会長はじめ委員の皆様方におかれましては、見識と識見に基づいてのご判断、改めて私は敬意を表したい、このように考えているところでございます。
また、避難地域の地区の見直し後の賠償に当たっても、例えば、帰還が困難な地域の住民の方々に対する賠償の在り方、あるいは、非常に難しいそういう相関関係における問題があろうかと思っておりますが、委員の皆様におかれましては、引き続き大変なご苦労をおかけいたしますが、地域住民の方々のお声を十分にお聞きをいただきまして、また十分な審議、また迅速な、また公平な賠償にかかわる案件について、答えを、指針をよろしくお願いをしたい、これが私の一番のお願い事項でございます。
繰り返しますが、あくまでもやっぱり地域住民のお声を十分に聞いていただいてのご判断、審査をしていただきますことを重ねてお願い申し上げまして、まだ十分私も全体を承知しておりませんが、心から委員の皆様方にお願いをいたします。
よろしくお願いいたします。
【能見会長】 ただいまの大臣のごあいさつにありましたように、審査会としても、被災者の住民の賠償というものを、十分被災者の声を聞きながら進めていきたいと考えております。
その他の問題について、ほかにいかがでしょうか。
もう1点だけ、私のほうから感じたことは、今、ADRのほうも、申し立てもあり、また和解の仲介もある程度は進んでいるようですが、そちらでどういう問題にぶつかっているのかとか、こちらの審査会として新たに検討しなくてはいけない問題があるのかないのか、そういうのも適宜といいますか、ADRからの報告といいますか、状況を知りたいと思いますので、これもどこか適当な時期に、そんな遅くない時期に設定できればと思います。新聞などでもADRの状況などについて書かれたりして、必ずしも和解の仲介はそんなに進んでいないなんていう記事も出ておりまして、若干そこら辺も審査会としては危惧しているところですので、これもその他の検討事項ということで、今後扱っていきたいと考えております。
ほかに皆様のほうから何かございますでしょうか。
どうぞ、大塚委員。
【大塚委員】 先ほどの個人の除染については、また事務局からご説明があるんだろうと思いますけれども、現在でも個人の除染に基づいて生じた損害の賠償は、中間指針でもあまりはっきりした形では認められていなくて、どこにも出てこないということだと思うんですね。もちろん国がこれからおやりになると思うんですけれども、そんなにすぐに全部できるかどうかという問題も残念ながらあると思いますので。それで、ゴルフ場なんかについては既に訴訟が起こっているわけですけれども、審査会としても、その賠償については、もう少し考えてもいいのかなというふうに個人的には思っておりまして、個人的な意見ですけれども、申し上げさせていただきます。
【能見会長】 中間指針では、たしか財産的損害の賠償の中で、財産的価値が下がるのを防止するために除染をしたようなときには、賠償の対象に入ると書いてありますけれども、財産的損害と関係ない、例えば、自分の健康を危惧しての除染だとか、そういうことになりますと、財産的損害とは言えない可能性があって、そんなところがおそらく中間指針としては十分対応していなかったのかなと思いますので、これもあわせて検討していきたいと思います。
それでは、ほかに特にご意見がなければ、本日の議事はこれで終了したいと思います。どうも長い時間ありがとうございました。
今後の日程につきましては、それでは、事務局から説明をお願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 次回でございますが、日時、場所、調整中でございますが、福島県内で開催いたしまして、地元の避難区域の市町村からお話を伺うという機会を、少し長い時間をとって集中的に設けさせていただくことを今調整をしているところでございます。また正式に決まりましたら、お知らせいたします。
【能見会長】 ということでございます。
それでは、これで閉会いたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
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