平成23年6月20日(月曜日)15時00分~17時00分
文部科学省(中央合同庁舎7号館東館)3階講堂
能見会長、大塚委員、鎌田委員、草間委員、高橋委員、田中委員、中島委員、野村委員、米倉委員
笹木文部科学副大臣、清水文部科学事務次官、森口文部科学審議官、藤木研究開発局長、田中原子力損害賠償対策室長、篠崎原子力損害賠償対策室次長、田口原子力損害賠償対策室次長
加藤 原子力発電所事故による経済被害対応室審議官
須藤原子力災害対策本部原子力被災者生活支援チーム課長、廣瀬東京電力株式会社 常務取締役
【能見会長】 それでは、時間になりましたので、第8回原子力損害賠償紛争審査会を開催いたします。本日は、お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございました。
はじめに、事務局から配付資料の説明をお願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 お手元の資料を確認させていただきます。
第8回原子力損害賠償紛争審査会議事次第が1枚ございまして、資料といたしまして、資料1-1が、第二次指針追補(案)でございます。それから、資料1-2といたしまして、これは慰謝料に関する参考資料を用意させていただいてございます。資料2-1、これが「特定避難勧奨地点」の説明資料でございます。資料2-2、これも特定避難勧奨地点の損害例ということで、資料でございます。資料3といたしまして、これは東京電力の資料で、原子力損害に対する補償の取り組み状況等について。資料4、中間指針策定に向けた今後の検討項目(案)でございます。それから、参考資料といたしまして、前回の議事録をおつけしてございます。
なお、事務局のほう、本日、笹木副大臣、国会の関係で30分ほどおくれてこちらに参ることになっております。
以上でございます。
【能見会長】 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
最初の議題は、精神的損害の賠償額の算定方法についてでございます。前回の審査会におきまして、精神的損害額の算定に関して、避難場所による算定、対象者、算定期間などについて議論をいたしました。これを踏まえて、具体的な算定方法について、事務局に第二次指針の追補案という形で資料を準備してもらいました。本日は、この資料に基づきまして、議論を行った上で、可能であれば本日決定したいと考えております。
それでは、事務局から、最初に資料の説明をお願いします。この資料の中には、具体的な金額を空欄にしてありますので、これは後で私から補足したいと思います。
それでは、お願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 それでは、資料1-1でございます。東京電力福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第二次指針追補(案)でございます。
1ページ目の「はじめに」の1は、これまでの経緯を書いてございます。それから、2ポツ、これを受けまして、このたびの指針追補においては、損害額の算定方法等につき、その考え方を明示することとした。具体的には、「対象者」、「損害額算定の基本的考え方及び算定期間」、「損害額の算定方法」、「損害発生の始期及び終期」に関する考え方を明らかにするということでございます。
では、まず2ページ目でございます。第2の、避難生活等を余儀なくされたことによる精神的損害の損害額の算定方法でございます。
1、対象者。
(指針)
損害の賠償の対象者は、マル1避難及び対象区域外滞在を余儀なくされたことに伴い、自宅以外での生活を長期間余儀なくされ、あるいは、マル2屋内退避を余儀なくされたことに伴い、長期間行動の自由が制限されるなど、避難等により正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたって著しく阻害された者である。
2)上記マル1またはマル2に該当する者であれば、その年齢や世帯の人数等にかかわらず、避難等をした者個々人が賠償の対象になるということでございます。
それから、備考といたしまして、1ポツの最初のパラグラフは、指針の1を詳しく説明したものでございます。1のマル1またはマル2に該当する者は、対象区域から実際に避難した上引き続き同区域外での滞在を長期間余儀なくされた者、本件事故発生時に対象区域外に居り、同区域内に生活の本拠としての住居があるものの引き続き対象区域外滞在を長期間余儀なくされた者、及び屋内退避区域の指定が解除されるまでの間、同区域における屋内退避を長期間余儀なくされた者である。
但し、緊急時避難準備区域内に生活の本拠としての住居がある者であって、本指針が定められた日以降に同区域外に避難を開始した者(子ども、妊婦、要介護者、入院患者等を除く。)については、1のマル1の対象としない。
2)でございます。損害賠償請求権は個々人につき発生するものであるから、損害の賠償についても、世帯単位ではなく、個々人に対してなされるべきである。
また、年齢や世帯の人数あるいはその他の事情により、各避難者が現実に被った精神的苦痛の程度には個人差があることは否定できないものの、指針においては、全員に共通する精神的苦痛につき賠償対象とされるのが妥当と解されること、生活費の増加費用についても個人ごとの差異は少ないと考えられることから、年齢等により金額に差は設けないこととした。
続きまして、2でございます。損害額算定の基本的考え方及び算定期間、指針。
損害額の算定に当たっては、差し当たって、その算定期間を以下の3段階に分け、それぞれの期間について金額を算定することが合理的と認められる。
1、事故発生から6カ月間(第1期)
2、第1期終了から6カ月間(第2期)
但し、警戒区域等が見直される等の場合には、必要に応じて見直す。
3、第2期以降、終期までの期間(第3期)
備考といたしまして、1)第1で述べたとおり、第2次指針においては、損害額の算定方法として、宿泊場所等によって4類型に分けて算定する方法を含め引き続き検討することとした。
2)しかしながら、長期間の避難等を余儀なくされた者は、正常な日常生活の維持・継続を長期間にわたり著しく阻害されているという点では全員共通した苦痛を被っていること、また、仮設住宅等に宿泊する場合と旅館・ホテル等に宿泊する場合とで、個別の生活条件を考えれば一概には生活条件に明らかな差があるとはいえないとも考えられることから、主として宿泊場所等によって分類するのではなく、一律の算定を行い、相対的に過酷な避難生活が認められる避難所等についてのみ、事故後一定期間は滞在期間に応じて一定金額を加算することとし、むしろ、主として避難等の時期によって合理的な差を設けることが適当である。
3)本件事故後、避難等した者の大半が仮設住宅等への入居が可能となるなど、長期間の避難生活のための基盤が形成されるまでの6カ月間(第1期)は、地域コミュニティ等が広範囲にわたって突然喪失し、これまでの平穏な日常生活とその基盤を奪われ、自宅から離れ不便な避難生活を余儀なくされた上、帰宅の見通しもつかない不安を感じるなど、最も精神的苦痛の大きい期間といえる。
4)第1期終了後6カ月間(第2期)は、引き続き自宅以外での不便な生活を余儀なくされている上、いつ自宅に戻れるか分からないという不安な状態が続くことによる精神的苦痛がある。その一方で、突然の日常生活とその基盤の喪失による混乱等という要素は基本的にこの段階では存せず、この時期には、大半の者が仮設住宅等への入居が可能となるなど、長期間の避難生活の基盤が整備され、避難先での新しい環境にも徐々に適応し、避難生活の不便さなどの要素も第1期に比して縮減すると考えられる。但し、その期間は必要に応じて見直すこととする。
5)第2期終了後、実際に帰宅が可能となるなどの終期までの間(第3期)は、いずれかの時点で避難生活等の収束の見通しがつき、帰宅準備や生活基盤の整備など、前向きな対応も可能となると考えられるが、現時点ではそれがどの時点かを具体的に示すことが昆案であることから、今後の本件事故の収束状況等諸般の事情を踏まえ、改めて第3期における損害額の算定を検討することが妥当であると考えられる。
6)なお、屋内退避区域の指定が解除されるまでの間、同区域において屋内退避をしていた者については、避難及び対象区域外滞在をした者の損害額を超えない範囲で損害額を算定する。
3、損害額の算定方法。
(指針)
損害額の算定に当たっては、前記2で述べた第1期ないし第3期に応じて、以下のとおりとすることが考えられる。
1)第1期については、一人月額○円を目安とする。但し、この間、避難所等における避難生活を余儀なくされた者については、避難所等において避難生活をした期間は、一人月額○円を目安とする。また、屋内退避区域の指定が解除されるまでの間、同区域において屋内退避をしていた者(計画的避難区域から避難した者、及び緊急時避難準備区域から本指針が定められた日の前日までに避難を開始した者を除く。)については、一人○円を目安とする。
2)第2期については、一人月額○円を目安とする。
3)第3期については、今後の本件事故の収束状況等諸般の事情を踏まえ、改めて損害額の算定方法を検討するのが妥当であると考えられる。
(備考)
1)前記2の(備考)の3)で述べたように、第1期は特に精神的苦痛が大きい期間と認められる。このため、本期間の損害額の算定に当たっては、本件は負傷を伴う精神的損害ではないことを勘案しつつ、自動車損害賠償責任保険における慰謝料(日額4,200円。月額換算12万6,000円)を参考にした。本件事故により平穏な日常生活とその基盤が突如失われ、自宅から離れた不便な避難生活を強いられ、いつ故郷の自宅に戻ることができるのか判然としない不安感を覚えるなど大きな精神的苦痛を被ったことや生活費の増加分も考慮し、一人当たり月額○円を目安とするのが合理的であると判断した。
但し、特に避難当初の避難所等における長期間にわたる避難生活は、他の宿泊場所よりも生活環境・利便性・プライバシー確保の点からみて相対的に過酷な生活状況であったことは否定し難いため、この点を損害額の加算要素として考慮し、避難所等において避難生活をしていた期間についてのみ、一人月額○円を目安とすることが考えられる。
2)前記2の(備考)の4)で述べたように、第2期については、第1期に見られる突然の混乱等からは脱し、希望すれば大半の者が仮設住宅等への入居が可能となるなど長期間の避難生活のための基盤が形成され、避難生活の過酷さも第1期に比して緩和されると考えられる。そこで、民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部)による期間経過に伴う慰謝料の変動状況も参考とし、一人月額○円を目安とすることが考えられる。
3)前記2の(備考)の5)で述べたように、第3期については、そのいずれかの時点で避難生活等の収束の見通しがつき、帰宅準備や、避難期間に応じた生活基盤の整備など、前向きな対応も可能となると考えられるが、現時点ではそれがどの時点かを具体的に示すことが困難であることから、今後の本件事故の収束状況等諸般の事情を踏まえ、改めて損害額を検討するのが妥当である。
4)なお、損害額の算定は月単位で行うのが合理的と認められるが、これはあくまでも目安であるから、具体的な賠償に当たって柔軟な対応を妨げるものではない。
5)なお、屋内退避区域の指定が解除されるまでの間、同区域において屋内退避をしていた者については、避難及び対象区域外滞在をしていた者の損害額を超えない範囲で損害額を算定することとし、その損害額は○円を目安とするのが妥当である。
4、損害発生の始期及び終期。
(指針)
損害発生の始期については、個々の対象者が避難等をした日にかかわらず、原則として本件事故発生時である平成23年3月11日とする。
2)損害発生の終期については、基本的には対象者が対象区域内の住居に戻ることが可能となった日とすることが合理的であるが、対象者の具体的な帰宅の時期等を現時点で見通すことは困難であるため、なお引き続き検討する。
(備考)
1)対象者の損害発生の始期については、個々の対象者が実際に避難等をした日とすることも考えられる。
しかしながら、上記対象者が実際に避難をした日はそれぞれの事情によって異なっているものの、避難等をする前の生活においても、本件事故発生日以降は、避難後の精神的苦痛に準ずる程度に、正常な日常生活の維持・継続を著しく阻害されることによる精神的苦痛を受けていたと考えられることから、損害発生の始期は平成23年3月11日の本件事故発生日とするのが合理的であると判断した。
但し、緊急時避難準備区域内に生活の本拠としての住居がある対象者(子ども、妊婦、要介護者、入院患者等)であって、本指針が定められた日以降に避難した者については、当該者が実際に避難した日を始期とする。
2)なお、損害発生の終期については、基本的には対象区域内の住居に戻ることが可能となった日とするのが合理的である。しかしながら、実際の対象者の具体的な帰宅の時期等を現時点で見通すことは困難であるため、今後の本件事故の収束状況等諸般の事情を踏まえ、改めて具体的な終期を検討するのが妥当であると考えられる。
指針案のほうは以上でございます。
それから、お手元に資料1-2といたしまして、横長ですが、慰謝料に関する参考ということで、2枚の紙を用意させていただいております。1枚目は、身体的損害のない場合の慰謝料の判例でございます。それから、2枚目は、これは身体的損害等のある場合の慰謝料の判例ないしは基準でございます。
まず1枚目のほうを見ていただきますと、一番上は、産廃処分場火災事案ということで、これは業者が被告になってございまして、平成13年に起きた事案でございますが、避難した住民に一律10万円、その後3カ月間悪臭等に曝されて日常生活や農作業を強いられた住民に一律20万円という慰謝料が認められてございます。
それから、2番目は、これは長野の昭和60年に発生いたしました地滑り災害事案でございます。これは地滑りにより家屋が損壊等をして、死傷者も出ましたが、道路の管理者である、これは長野県になりますが、県の賠償責任が認められた事案でございまして、これは避難生活期間は、下に書いてございますように、1週間から3年9カ月まで多様なものもございますが、おおむね300万円から400万円の慰謝料が認められたケースがございます。
それから、3番は、徳島の擁壁崩落事案ということで、造成事業による土地を購入して建物を建築しましたが、擁壁が損壊して、建物が損壊するなどの事故が発生した事案でございまして、これについては避難期間8年で、300万円の慰謝料が認められてございます。
それから、4番は、これは長崎の地滑り事故による賠償事案でございますが、山腹に位置する道路が降雨のために地滑りを起こし、下にあった家屋を崩壊させた事案でございまして、これは避難期間7年7カ月でございますが、財物を喪失したことによる慰謝料が50万円、それから、仮設のプレハブ住宅に居住していた者に150万円ということでございます。
それから、5番目は、これは大阪の豪雨による水害事案、平野川水害訴訟でございますが、これは豪雨により床上浸水・床下浸水の被害が出た事案でございまして、これは市の賠償責任が認められて、床上浸水被害を受けた住民は一律30万円、床下浸水被害を受けた住民が一律10万円というケースでございます。
それから、6と7は、幾つかございますが、空港・基地騒音訴訟、あるいは、道路大気汚染・騒音訴訟、これが騒音のレベルとか道路からの距離に応じていろいろございますが、上の空港・基地騒音訴訟のほうは、月額2,500円から1万円程度一人ずつ認められてございまし、道路大気汚染のほうは、これも騒音レベルに応じまして、月額5,000から1万円、あるいは、一定の距離の居住者に月額3,000円という支払いが認められているものでございます。
それから、2枚目でございますが、2枚目は、まず上の2つには、交通事故による入通院の慰謝料ということで、基準が載せられてございます。1番目は、自賠責保険で、軽度(むち打ち症で他覚症状がない場合)の軽傷入院の慰謝料が日額4,200円というのが、これが国交省・金融庁の告示で定められてございます。それから、死亡した場合は350万円。
それから、2番目が、これが日弁連のほうの基準でございますが、後遺症の内容に応じて110万円から2,800万円までの慰謝料、あるいは、死亡時の年齢を勘案した慰謝料の基準が、下のマル1でいきますと、算定基準として2,000万円から2,800万円、あるいは、実際の判例では1,800万円から3,400万円というのがございます。
それから、3番目は、先ほどの長崎の地滑りの、こちらのほうは死亡による慰謝料のほうでございますが、800万円から1,000万円。
それから、道路公害、あるいは道路以外の公害・薬害訴訟にいたしましても、これは身体的健康への影響、あるいは死亡ということで、それぞれ、下のほうを見ていただきますと、数百万から4,000万ぐらいの慰謝料が認められているということでございます。
資料の説明は以上でございます。
【能見会長】 それでは、この慰謝料につきましてご議論いただきたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように金額が空欄になっておりますが、金額の適否についての議論は後回しにして、その前に、この追補案の考え方そのものについて、果たしてこれでいいのかどうかということをもう一度ここで議論し、確認をしていただきたいと思います。そういうことで、この基本的な考え方について、ご意見があれば伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
もし、今ご意見がなければ、基本的な考え方については、後でご議論いただいても構いません。とりあえずはこれでよろしいということでしょうか。
草間委員、どうぞ。
【草間委員】 この2ページの、(備考)の1)ですけれども、本指針が定められた日以降に同区域外に避難を開始した者で、括弧内で、子ども、妊婦、要介護者、入院患者等を除くとあるのですが、この「等」というのは、具体的にどういう方たちが入るかというのは明らかにしなくてよろしいんでしょうか。
【能見会長】 はっきりしているのは、子ども、妊婦、要介護者、入院患者ということだと思いますが、こういう人たちについては、緊急時避難準備区域であっても避難することが勧められているということで、本指針以後の非難であっても構わないわけですが、この「等」というのは、これに類するような者であれば同様に扱うという趣旨なんですが。
【草間委員】 多分、ちょっと想像するに、お子さんだけというわけにはいかないですよね。だから、お子さんがいれば親もという、そういう意味かなと思ったんですけど、そういうふうに思っていいんでしょうか。
【能見会長】 私としては、それも含めてもよいのではないかと考えています。ただ、ちょっと悩ましい点もあります。すなわち、ご家族全員というわけでは必ずしもなく、子供について行く必要のある家族ということになるかもしれません。お子さんなんかの場合にはどうしても誰かがついていかなくてはいけないでしょうから、そういう方も含めるという理解でいいかどうかをここでは議論していただきたいと思います。「等」の意味については、私はそういうこともちょっと念頭には置いておりました。
具体的な人の範囲については、もし今日あんまり議論がなければ、実際に指針を運用する際に解決してもらおうと思っていたんですけれども、今ご意見が出ましたので、むしろこの審査会ではっきりそれも含めていいかどうかを議論したいと思います。
今申し上げましたように、お子さんがひとりで避難するということは実際上あり得ないと思いますので、必要な家族というのがおられると思いますが、例えば、こういう言い方をしては、もしからしたら非難されるかもしれませんが、例えばかなり大所帯で、子どもの避難のためにはご両親だけで済むのを、例えば一家全員、たくさんの方が一緒に行かれるとかということになると、家族といっても全員入れていいかどうかというような問題が生じます。しかし、指針ではあまり具体的に書くこともできないので、ここには「等」としか書かなかったのです。ですけど、必要な範囲のご家族というのは入るのではないでしょうか。いかがでしょうか。
【草間委員】 わかりました。いずれにしても、お子さんだけというわけにはいかないので、その場合に家族といったときに、大変あいまいになってしまう感じがすると思うんですね。だから、ちょっと気になったんですけれども。わかりました。
【能見会長】 大塚委員。
【大塚委員】 別の件で質問で恐縮ですけど、6ページの7行目のところの、避難所等で避難生活をされている場合のことですが、一人月額○円を目安とすることが考えられるということですけれども、避難所等において避難生活をしていた期間についてのみということですけれども、これは一人一人考えるという趣旨と考えてよろしいでしょうか。
【能見会長】 もちろん、一人一人のつもりでしたけれども、ほかの考え方というのがあり得るのであれば検討しますが。
【大塚委員】 いや、若干作業が大変にはなると思いますけれど、それでできるのであれば、私もこれで異存はございません。実際にできるかどうかということが多少心配なので、お伺いしただけです。
【能見会長】 私も十分詰めていないところがありますので、もしこんな懸念があるということがあれば、おっしゃっていただけるとありがたいと思います。
【大塚委員】 そこは、実際に運用するときにどうかということが必ずしもよくわかりませんので、一応できるかどうかということをお伺いしたかったというだけでございます。
【能見会長】 わかりました。
他に、ご意見はございますでしょうか。
【草間委員】 ちょっと細かいので申しわけないんですけれど、3ページの期間で、ローマ数字3のの第3期以降とありますが、次のページの5)では、第2期終了後とありますので、だから、正確に言うと、第2期終了後、終期までというふうにしておいたほうが正確ではないかなと思ったんですけれども、いかがでしょうか。
【能見会長】 おっしゃるとおりだと思いますので、そういうふうに直したいと思います。
ほかに、細かいことでも結構ですが、いかがでしょう。
中島委員、どうぞ。
【中島委員】 先ほど草間委員のおっしゃられた2ページの備考の1)の最後の2行の「等」なんですけれども、念のため議論をしておいたほうが、その後の具体的な賠償のときに解釈の指針になればいいと思って、ここで確認させていただいたほうがいいと思っているんですが。
例えば、要介護者が入っていますから、その場合の介護者も当然入ると思いますし、あと、ここに列挙されていないものとしては、例えば身体障害者、あるいはそれ以外の障害者であって、付添人が必要である人などは、それも入るのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
【能見会長】 むしろ皆様のご意見を伺いたいと思いますけれども、私も個人的には、要介護者の場合には、やはり介護者が必ず必要だと思いますので、そういう方も入るだろうというふうに思っております。
それから、身体障害者の場合も、これもいろんなレベルがあるのかもしれませんが、おそらく一人だけの避難をしろというのは現実的でない場合があると思いますので、ケース・バイ・ケースで判断しなければならないところもあるかもしれませんけれども、「必要な」という要件が入るかもしれませんが、必要な付添人も含むというような理解が合理的だと思います。いかがでしょうか。
よろしゅうございますか。ほかに何か。
どうぞ、中島委員。
【中島委員】 あと、2ページの対象者ですが、今回はこの指針では入っていないと思われるんですが、これは専門委員の調査が必要かと思うんですが、この対象区域に住んでおられながら、介護を要する家族がいるために、自宅から動いていない方が一部あるというふうに聞いていますので、もしそういう方がおられるのであれば、今回は避難に伴う慰謝料ですけれども、避難しようにもできない方がもしおられたとしたら、それは、後でまたその慰謝料については追加して検討する必要があるのではないかと思います。
【能見会長】 指針の原案を考える際に、一応そういうことも検討いたしました。実際にどのぐらいそういう方がおられるのかということを正確に把握して、その上で判断したほうがいいだろうということで、ここには確かにおっしゃるように含まれておりませんけれども、今後の調査を待ちたいと思っております。
他にいかがでしょうか。
それでは、指針の考え方については、ある程度ご議論いただいたと考えます。また後からご発言をいただいても結構でございますが、ここで具体的な金額の案、これはあくまで案でございますが、申し上げたいと思います。
まず5ページから6ページのところで、特に備考のところに考え方が書いてありますように、こういった事項など、ここに書いてあるようなことを考慮いたしまして、5ページのローマ数字1の第1期についてのところですが、これは一人月額10万円を目安にするというふうにしたらどうかと思います。それから、避難所等にいた期間は、2万円上積みして、12万円でどうかというのが案でございます。
屋内退避につきましては、これはそもそも指示が出ていた期間というのが約40日間であったということを考慮いたしまして、そして、全体で10万円というのはどうかということでございます。
それから、ローマ数字2のところの第2期につきましては、これは月額5万円という案を提示したいと考えておりますが、いかがでしょうか。皆さんのご意見を伺いたいと思います。
今のような金額を出した、その根拠となる考え方は、この指針の中に、先ほど言った備考のところに書いてあるとおりでございまして、改めて繰り返しませんが、そこをご覧いただきながら、今のような案でよろしいかどうか、これをご議論いただければと思います。
では、皆さん、ご意見、いかがでしょうか。
なかなか金額というのは議論しにくいかもしれませんけれども、大体と言うと変な言い方ですけど、それなりに合理的な額であろうというご判断をいただいたと理解してよろしいでしょうか。
【高橋委員】 賛成します。
【能見会長】 どうもありがとうございます。では、金額につきましては、以上のように決定させていただきたいと思います。そして、先ほど若干修正する文章がございましたが、それを含めまして、必要な修正を加えた上で、本日の審査会としての第二次指針追補(案)の案を取って、追補を決定したいと考えております。
それでは、本指針の取扱いにつきましては、事務局のほうから説明をお願いいたします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 これにつきましては、第一次、第二次の指針と同じように、先ほどの修正を加えまして、案を取ったものを本日中に文部科学省のホームページに掲載したいと思います。
【能見会長】 ということでございます。
それでは、議題の2に移りたいと思います。特定避難勧奨地点の指定についてです。先週木曜日に政府から、特定避難勧奨地点の指定を行い、指定された場合には、その住民の避難を支援するという発表がございましたが、本日はこの問題に関して、原子力被災者生活支援チームにお越しいただきまして、説明をお願いしたいと思っております。
それでは、資料の説明をお願いします。
【須藤課長】 原子力被災者生活支援チームの須藤と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。座ってご説明させていただきます。
お手元の資料2-1をごらんいただければと思います。幾つかのつづりがございますが、3枚あけていただきまして、地図がございます。こちらをちょっとお目通しいただければと思います。計画的避難区域と特定避難勧奨地点についてという地図がございます。この地図の中の赤囲いのところ、こちらが今までご審議をいただいておりました計画的避難区域でございます。若干線量に波はありますけれども、面的に年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるという地点でございます。こちらにつきましては、生活圏全体が20ミリシーベルトを超えるということでございますので、まさに一律に計画的に避難をお願いをし、ほぼその避難が終了しているという状況でございます。
片や、この赤枠の外に幾つか赤い点がございます。年間積算線量が20ミリシーベルトを超える地点、この地図で言いますと、具体的には南相馬市で、飯舘村と接したところに1つございます。それから、伊達市で、飯舘村と近いところに2つ赤い点がございます。それから、伊達市で、左側のほうでございますが、赤い点がございます。これらの点は、面的な広がりを持っているわけではございません。さらに詳細にモニタリングをしますと、わりと近傍でも、50メートル、100メートル離れれば線量が低くなるという地点でございます。こういう地点が存在をしているというのがわかってまいりました。これへの対応につきまして、先週木曜日に発表してございますので、その内容をご説明いたします。
資料2枚目に戻っていただければと思います。1ページと書いてございます。年間20ミリシーベルト超線量地点に対する政府としての対応ということで、1つ目のポツに書いてありますのは、今お話を申し上げましたように、面的な広がりはないですけれども、20ミリシーベルトを超える地点があるというご説明でございます。
2つ目のポツで書いておりますのは、これがまさにスポット的なものでございますので、例えば、通勤で外出をする、買い物で外出をする、病院に行くということで外出をする、こういう普通の生活圏を維持している限りにおいては、20ミリシーベルトを超える懸念は少ないということで、下線がございますが、安全性の観点からは、政府として一律に避難を指示したり、産業活動を規制すべき状況にはない、このように考えております。
一方で、3つ目でございます。他方でということでございますが、こうした状況に不安を感じる住民の方々がいらっしゃるのは当然でございます。また、生活形態によっては、例えば、ご自宅でご商売をされているといったような場合には、20ミリシーベルトを超えるという可能性も否定できないということで、政府として対応を行うことが重要であると考えております。このため、こうした地点を「特定避難勧奨地点」として、そこに居住する住民の方々に対して、注意を喚起して、避難を支援、促進するという形でございます。一種の政府としての行う行為としては、注意喚起と避難支援の表明、2つの要素がございます。注意喚起と支援の表明という形でございます。なお、基準につきましては、年間20ミリシーベルト、積算で超えるという基準でございます。
具体的な仕組みでございますが、具体的な仕組みということで、1ページの一番下の(1)からございます。まず、文科省さんが行っております通常のモニタリングで20ミリシーベルトを超えるという地点が出てきましたら、付近を詳細にモニタリング調査をいたします。20ミリシーベルトを超えている地点があれば、知事及び市町村長に連絡をするという形でございます。
次のページ、2ページと打っているところでございます。(2)でございますが、現地対策本部、福島県、関係市町村で協議をして、除染が容易ではない20ミリシーベルトを超える地点を「特定避難勧奨地点」として住居単位で特定。住居単位で特定ということでございます。現地対策本部長が、当該市町村に文書で通知という形でございます。この除染が容易でないと申し上げますのは、何か化学的な手法とか生物学的な手法を使って大々的に除染をするということではなくて、例えば、雨どいの下だけちょっと高いとか、側溝がちょっと高いというような場合は、ふき取ったり、泥上げの掃除をすることで解消できるようなところもございます。こういった特異な点を除くということでございまして、Aさんの家、Bさんの家、家全体が超えているかなという場合には特定をするという形でございます。
市町村は、「特定避難勧奨地点」に該当する住居に対して、さまざまな情報提供をいたします。説明資料を添付して、個別に通知をするという形でございます。それから、市町村は、避難した世帯に被災証明を発行ということでございます。
ここであえて申し上げますと、まず地点というのは、当然ながら、市町村が特定しますので、だれがその地点に含まれるかというのは明確な形になっております。また、避難した方につきましては、被災証明を出します。特定避難勧奨地点に特定されたことによって避難したという趣旨の被災証明を出しますので、避難したという行為も対象者が明確になるということでございます。
それから、その下の2行は、政府としての意思の表明でございますけれども、妊婦さんや子どもさんのいる世帯については、特に避難を促していただけるように自治体と相談をしていくということでございます。
こういう地点でございます。線量が動いてまいりますので、解除についても柔軟に行うということをしております。
注で記載をしてございますのは、これはまさに例えばの例でございますが、20ミリシーベルトを超える地点、住居単位ではかっていったときに、例えば50世帯ほどの小集落があって、そこが超えている地点ですというときに、このうち20世帯が避難をして、30世帯が残るということは、政府としても想定をしている。一律に避難をすることではなくて、生活形態から避難をする、あるいは家族形態から避難をするという場合に、その避難した方に被災証明を出す。地点の特定は、こちらの50世帯に出すということでございます。基準につきましては、先ほど申し上げました、年間20ミリシーベルトということでございますが、当然ながら、例えば5軒並んでいて、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんと並んでいて、例えばA、B、C、Eさんが20ミリを超えて、Dさんが19.8だというようなときには、これは実務的には、当然、並びの中でございますので、例えば、今例で挙げましたDさんが19.8だというときには、これも特定をするというような実際の運用をするということでございます。地点を特定した上で、注意喚起と避難支援の表明をするという地点でございます。
さらに、クリップを外していただきまして、資料2-2でございます。こちらは、僭越ではございますけれども、どういった損害が考えられるかというものを、事務的に議論のたたき台として挙げさせていただいたものでございます。まず、避難する場合、避難しない場合ということ、それから、勧奨を受けている期間、勧奨の解除後ということで、記載をしてございます。これは他の計画的避難区域ですとか警戒区域等の、まさに避難している場合等の一次指針、二次指針を拝見しながら記載をさせていただきましたが、避難費用、それから、特に農家などいらっしゃると思いますので、営業損害、あるいは持ち家、住宅などの財物価値の喪失・減少、それから、居住者の方の検査費用、さらには、線量が高いということでの精神的損害、あるいは、賃貸住宅をお持ちの場合の財物価値の喪失・減少といったようなことが考えられるかと思います。
勧奨の解除後でございますけれども、居住者の帰宅費用、それから検査費用、以下、記載のとおりでございます。価値の喪失、営業損害といったようなことが考えられるかと思います。
それから、避難しない場合でございますけれども、避難しない場合にも、例えば農家等の場合、これはスポットが限定されておりますので、畑が大丈夫、田んぼが大丈夫というような場合、当然ございます。したがって、そういった場合、農作業を続けていくわけでございますけれども、こういった場合の営業損害、あるいは、残られた方についても、検査費用といったようなこと、それから、精神的損害といったようなことが考えられるかと思います。そのほか、一々ご紹介しませんけれども、こちらに記載のとおり、特に農家の場合には、営業損害、風評被害といったようなことも議論になるかと思います。
それから、当該地域での代表的な例かと思われますのが、一番下で記載してございます、例えば3世代同居をされている場合に、おじいちゃん、おばあちゃんは残って、若夫婦と子どもが避難をするというようなこと、これは制度的にも当然認められております。こういった場合に、生活費が増加するというようなことがあるかと思います。もちろん、金額の多寡、その他あるかと思いますけれども、あえて僭越で恐縮でございますけれども、この制度をつくりましたときには、政府としてやはり支援をしていくという表明と考えておりまして、こういった賠償についても、ぜひご検討いただいて、対象にお加えをいただければということで、あわせてお願いとご説明に上がった次第でございます。ありがとうございます。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
それでは、今の点について、何かご質問はございますでしょうか。
【高橋委員】 最後におっしゃっていただいたように、特定の方に勧奨するわけですから、それに伴う損失というのは我々のほうで考えるべき話だと思います。よって、今後指針に加えるということになると思うのですけれども、この辺については、そういう方向でよろしいんでしょうかということをお聞きしたいと思います。
【能見会長】 今ここに挙げられた問題すべてが指針で取り上げられるかどうかは、ここでまた検討しなくてはいけないと思いますが、例えば、今日はちょうど慰謝料、精神的損害について議論いただきましたけれども、まさにこういったものについて、この特定避難勧奨地点の居住者についても、精神的損害を賠償することになるのかどうかということをご議論いただければと思います。
私も基本的に、これは当然入ってくるんだと思いますけれども、まだこの制度自体が十分理解できていないところがありますので、これは質問ですけれども、住居単位で指定されるということなので、その住居については、1年間で20ミリシーベルトを超える住居であるということが前提なわけですね。それで、その避難との関係というのは、ちょっとそこら辺がよくわからなかった。ここの放射線はスポット的だから、必ずしも生活全般を通じて年間20ミリシーベルトを超える懸念はないということでしたけれども、例えば、ある人の住んでいる住居が特定避難勧奨地点に該当する場合には、スポット的と言っても、その人の生活している場所そのものが対象になるので、単に避難してもいいですよ、しなくてもいいですよというものなのかどうかがよくわからないんですけれど、そこはどうなんですか。
【須藤課長】 2点ご質問があったかと思うんですが、まず指定の基準でございますけれども、20ミリシーベルトが基準でございます。ただ、説明の中でも申し上げましたように、例えば、幾つかの住宅が連続している場合に、一まとめで見たときに、例えば5軒中1軒だけが超えていないというときには、実務的にはその1軒を含めて特定することが当然あり得る、こういう運用でございます。
これは生活圏としての考え方をとっているということでございまして、今、後段の質問とも重なってきますが、計画的避難区域の場合は、まさに生活圏、自分の住んでいるところ、買い物に行きます、通勤します、病院へ行きます、あるいはその他の用事を足します、お友達のところに行きます、こういったことが――もちろん例外は幾つもございます。域外に通勤しているとか、例外は幾つもございますが、面的な広がりの中で、いわゆる通常の生活パターンをしていれば、計画的避難区域であれば年間積算線量20ミリシーベルトを超える可能性が高いということだろうと思いますが、こちらはまさにスポット的でございます。数十メートル離れると線量が全然違うというようなこともございます。
したがって、すべて家に張りついて生活をしているわけではございませんから、通常の生活パターンの中で、通常の外出頻度等があれば、20ミリシーベルトを下回る可能性がある。したがって、生活形態によってと書きましたが、ご自宅でご商売をされているとか、わりとお宅で張りついていて、かつ、むしろご自宅周辺での屋外の作業が多い、例えば、いい例かどうかわかりませんが、庭先、店先に外へ出て働くことが多いというような場合がありますので、そういった場合には避難をしてください、避難をお勧めしますという形でございます。
この辺、面的な広がりを持つ計画的避難区域、通常に生活をしていれば20ミリシーベルトを超えるであろう区域と、お住まいそのものは高い線量であります、高い線量と言っても、今モニタリングで出てきておりますのは、20ミリシーベルトをわずかに超えるという地点でございますが、そういう、お住まいは超えているけれども、生活圏、通勤先、買い物、病院、こういったようなところは20ミリシーベルトにいっていないところという形で、制度の差をつけてございます。そういったことで、勧奨ということで、避難指示や勧告という形はとらないという制度を設けているというところでございます。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
【草間委員】 1ついいでしょうか。すごくわかり難いんですけれども。補償の羅列をしていただいていますよね。その中に検査費用なんて入っていたりするから、ちょっと疑問なんですけれども。生活実態を考えましょうということですので、居住係数なんかを考えて、20ミリを超えるか超えないかと判断するわけですよね。居住係数、要するに、どのくらいそこに滞在をするかというファクターを考えて、20ミリを考えるわけです。そのときに、今マスコミ等では、それぞれ個人が計測器を買って、測定が行われていることが報道されています。だから、どの測定値をもって、それで、どういう居住係数、ファクターを掛けて、20ミリであるということはだれが判断するんですか。避難勧奨にしても、避難によって大きな生活の変化が起こるわけですので、そういったことは、どの測定結果をもって、だれが判断するというのがちょっとわかりにくいんですけれども、その辺をちょっと明確にしていただきたいんですが。
【須藤課長】 こちらの例で記載をさせていただきましたとおり、まさに地点の特定は、空間線量からいたします。したがって、個々の生活形態を見てから特定するということではございません。年間積算線量がそれぞれの居宅単位で20ミリシーベルトを超えるというときに、まさに特定をするという形でございます。したがって、居住係数とか……。
【草間委員】 それは文科省の測定というふうに考えてよろしいわけですね。
【須藤課長】 測定は、公的機関ということになっておりまして、文科省さんが行う場合、それから、県が行う場合、市町村が行う場合がございます。いずれにいたしましても、公的なモニタリングをして、その結果で20ミリシーベルトを超えるという場合に、特定という形でございます。
その中で、まさに冒頭、この制度は注意喚起と避難の支援表明の制度だと申し上げましたが、あなたのお宅が20ミリシーベルトを超えていますという、まず注意喚起が、一種の特定する中で当然出てくるということでございます。それから、特定されたところについては、例えばですけれども、仮設住宅の用意をしたりとか、こういう行政としての支援措置を設けますという、こういう支援も表明するということでございます。したがって、今先生からご説明ありました、例えば居住係数をどうとか、そういうことではなくて、この地点それぞれのお宅が20ミリシーベルトを原則超えているというのをお示しするという制度でございます。
【能見会長】 田中委員、どうぞ。
【田中委員】 私もよくわからないんだけれど、この20ミリの基準が、現存被ばくの最高値なのか、避難区域の20から100の20なのかということなんで、素直に読むと、20から100の20だというふうに、だから最も低い数値ということに書いてあるんですけれども、それよりは、空間線量と言っているんですが、お宅といった場合に、家屋の中なのか、どこなのかというのもはっきりしないし、それによって多分倍ぐらい違ってくる可能性もありますし、実際に実線量というと、先ほど草間委員がおっしゃったように、個人の被ばく量をモニターしないと、なかなか特定できないということがあって、原則はやっぱり20ミリを超えないということを目的とするのであれば、20ミリを超えないような努力をするというか、やや中途半端だと思うんですよね、考え方の上で。確かに、無理に避難する必要はないと、私もそれは同意をするんですが、何となくそこのところが考え方の上で整理できていないなという感じがするんです。
例えば学校の場合は、16時間のうちで8時間学校にいるということで、屋内と屋外とを分けて評価しましたけれども、この場合はそういうことをしないということであれば、そういうことで、はっきりそこの基準を明確にしておかないと、言われたほうも、今後適用するほうも非常に混乱するんじゃないかと思うんです。私も質問しにくいんですけど。
【須藤課長】 まず考え方でございますけれども、先生おっしゃった後者の計画的避難区域を設定したときと同じように、20から100の中で一番低い線量の20ミリをとったという考え方でございます。
それで、ここでの計画的避難区域と同じ扱いをしないという一番のポイントは、まさに面的な広がりでございます。説明が重なって恐縮でございますけれども、計画的避難区域の中につきましても、それぞれ線量管理をして指定をしている、区域設定をしたわけでは当然ございません。これまでの積算線量と今後の積算線量の推計をして、年間20ミリシーベルトを超える、しかも、それが面的な広がりを持つ、すなわち、生活圏全体が20ミリシーベルトを超える地点について区域指定をして、それで一律に避難をお願いするという対応をしてございます。
こちらにつきましては、ボリューム感を含めてご紹介したほうがいいのかもしれませんけれども、数十世帯とか、あるいは、場合によっては数世帯とか、こういうまとまりで、まさにスポット的に高いということでございます。したがって、生活の中でさまざまなところに外出をされ、通勤をされ、さまざまな用事を足しにいくということでございますので、こちらは計画的避難区域とは異なって、まさに通常の生活パターンをしていく中で、20ミリシーベルトに達しないということでございます。
はかり方その他についてのコメントもございましたけれども、これは計画的避難区域と全く同じ発想でございます。外ではかって、かつ、16時間屋内、木造家屋にいて、8時間屋外作業をしてという前提で達する線量、その線量を基準に設定しております。
それから、今日はメーンの話題ではなかったのでご紹介いたしませんでしたけれども、当然ながら、この地域については、線量を下げる努力をするというのが最優先になろうかと思います。したがって、こういったところについては、例えば除染その他の方法をお示しする等のことをしながら、当然、線量を下げるための努力というのは並行して行っていく予定にしてございます。
【能見会長】 どうぞ、米倉委員。
【米倉委員】 行政的な施策についてはここでお話しすることではないと思っていますけれども、損害賠償という視点から考えますと、どのような形で住民に説明をされているのかというところだけ少しお伺いしたいと思います。
それは、このようにホットスポットと言われる部分は、その広がりがどの程度あるかによって、多分対応が随分違うんだろうと思います。放射線防護の原則というのは、まずそこに行かないで距離を離す、あるいは遮へいをする、あるいはできるだけ短い時間にするということですので、その地域にいらっしゃる住民の方々にとって、その場所を特定してあげて、そこにはできるだけ近寄らないようにしようということをするのが多分ベストだと思います。それから、その範囲が非常に狭いときには、そこはもう取ってしまう。いわゆる除染ですね。こういう2つの基本が必要になると思います。
行政としては、住民の方々に、ここはやはり危険なので近寄らないようにしたほうがいいですよということを言っておられるのか、あるいは、そういうことは一切言わないで、単に公表だけしておられるのか。それによって、多分、住民の方々の対応が随分変わってくるのではないかなと思うのですが、そこはいかがでしょうか。
【須藤課長】 まさに被ばく量は当然少なければ少ないに越したことはないということでございます。地点の特定は、まだしておりません。今週から来週にかけて行っていくということになろうかと思いますけれども、地点の特定にあわせて、生活上の注意等を当然させていただく予定にしております。浴びる量を減らすにはどんな工夫が考えられるか、それから、除染するに当たって、どんな注意があるかというようなところについては、当然ながら、情報提供させていただく。したがって、この制度が注意喚起と支援表明だと申し上げましたが、そういう、どうやって線量を下げるかというところについては、当然ながら、情報提供いたします。かつ、それだけでは不安だという場合も当然出てきますので、そういった場合には、避難先の手当て等のご支援をしていくという形になります。
それぞれのボリューム感でございますけれども、先ほど申し上げました何十世帯とか何世帯という単位で指定をされていくということでございますので、この制度のもう一つの特徴は、まさに個としての対応、それぞれへの対応をするという形になりますので、市町村として個別にきちんとご説明をしていくという形は当然とっていきます。
それから、今先生ご指摘ございましたけれども、どの地点が特定されたかということについては、当然ながら、例えばAさんの家、Bさんの家という公表ではないと思いますけれども、住所地等をお示しをして、この地点がホットスポットになっているということは、きちんと公表、ご説明をしていくという制度を想定してございます。
【能見会長】 なかなかこれは難しい問題をたくさん含んでいるように思いますので、今日、今ここですべて議論を尽くすことはできないと思います。継続的に審査会でもう一度議論して、必要に応じてまたご説明いただくということがあるかもしれません。
慰謝料についても、どういう考え方をすべきか問題を詰める必要があります。住居を特定避難勧奨地点として指定されても、先ほどのご説明だと、普通の生活をしていると20ミリシーベルトを超えないであろうということですよね。人は通常はいろいろ動き回っているから。したがって、住居で特定されても、子どもとか妊婦であるとかいう方でない限りは、避難することがそこでは要請はされないということでしたか。どういう言い方をするんですか。特定されれば、避難の勧めはするんですか、その地点の全員について。
【須藤課長】 まさに勧奨でございます。避難をするときには、当然支援をさせていただくという形でございます。
【能見会長】 そうですか。いずれにせよ、今まで議論してきた区域における避難をされた方については、精神的損害賠償をするといことで全く問題なかったと思うんですけれども、今回のは、ちょっと中間のグレーゾーン的なところもあるので、この審査会でもう少し議論しなくてはいけないだろうなという感じがいたします。
何か今の段階でもってぜひ聞いておきたいということがあればお願いしたいと思いますが、そうでなければ、次回以降、議論したいと思います。
【草間委員】 でも、先行して、この特定避難勧奨地点という形で、もう行くわけですよね。だから、今説明を伺いながらちょっと思ったんですけれども、要するに、ホットスポットという言葉は私はあまり好きではないんですけれども、あるポイントを対象にする場合に、あまりそこで生活の形態とか、そういったものというのは考えないで、空間線量をもとにして、少なくとも屋内、屋外で生活する時間くらいしかファクターとして入れていないというふうに考えてよろしいわけですよね。
いずれにしても、地点としては、この損害賠償云々の前にもう先行して、避難されているわけですよね。多分、そういう避難したらどうでしょうかと勧奨したら、住民の立場だったら、やっぱりこれは避難しなきゃいけないのかなという気分になるんだろうと思うんですね。
だから、そういう意味では、もう先行しちゃっているという点で私たちは考えなければいけないんじゃないかなということを思ったんですけど。だから、あまり生活スタイル、生活状況等は考えていませんとはっきり言っていただいたほうがいいと思うんですけど。空間線量と、少なくとも屋内と屋外にいる比率、それしか考えていませんと。先ほど病院に行きます、買い物に行きますという形だと、ほんとうにそれぞれポイントだからといって、個々の方たちの生活形態まで考えて20ミリ云々ではなくて、少なくとも基本的に家の中にいるかいないかの時間のファクターしか考えていないというふうに考えたほうが、私はすっきりするんですけど、そういう形で制度は進むのではないんですか。
【須藤課長】 私の説明が至らずに、申しわけありません。基準はあくまで年間20ミリシーベルトを超えるかどうかという基準でございます。その際の考え方の基準は、屋外8時間、屋内16時間という基準でございますので、これは計画的避難区域と全く同じでございます。
したがって、具体的に申し上げますと、計画的避難区域、それぞれ20ミリシーベルトを超える閾値がございますので、その基準を超えていれば指定をされたのと同じように、こちらも閾値を超えていれば指定をされるということで、ここは明確でございます。
で、先ほど来私がるる申し上げておりますのは、なぜ計画的避難区域は一律に避難をお願いをし、こちらは一律にお願いをしないかというと、まさにスポットなので、生活形態を考えるときに、みんなが20ミリシーベルトを超えるという生活形態ではないという政府としての考え方をご説明したものでございますので、指定の仕方については全く疑問がなく、20ミリシーベルトを超える地点という指定の仕方でございます。まさにスポットでございますので、それが計画的避難区域とは違って、区域的な広がり、何々町全体、何々町何とか地区全体という形ではなくて、字の中でもまだごく一部で高い線量になっている、この違いのご説明でございますので、先生ご指摘のとおり、基準は明確でございまして、20ミリシーベルトを超えるという基準でございます。
これは計画的区域でも同じですけれども、計画的避難区域ですべてのところで20ミリシーベルトを超えているわけではなくて、ちょっとそれより低いところは当然まざったりいたします。こちらの特定避難勧奨地点も、低いところがまざる可能性は当然ございますけれども、同じ考え方で、20ミリシーベルトを超えるという基準でやっているというところは全く一緒でございます。
あとは、一律に避難をお願いするかお願いしないかという形でございますけれども、先ほど来るる申し上げておりますように、生活形態上、避難をお願いしなくてもいい方というのはいるわけでございます。スポットでございますので。ただし、やっぱり実際20ミリシーベルトを超えるという方もいらっしゃるわけですので、この避難については、計画的避難区域と全く同様に、20ミリシーベルトを超える可能性があるということでございますので、当然ながら、私ども、行政的な支援措置、仮設住宅を用意するとか、そういうようなこともやっていくのと同じように、賠償についてもご配慮いただければというのが政府としての考え方ということでございます。一律に避難を、まさに指示するような形になるのか、注意喚起をした上で、ご自分の生活形態に合わせて避難を選択するかどうかというのをまさに選んでいくという形でございます。
実際に先行的に住民の方々のヒアリングをして意向をお聞きしているようなところは、それぞれ避難を選択される方、避難を選択されない方、まざっているのが実態でございます。やはり生活形態上、心配だと言って避難をご選択される方もいます。小さな子どもがいるから心配だという方もいますし、逆に、自分は自分の生活形態から見て大丈夫だ、ここに残って住むという方もいらっしゃいます。そこは実態に合わせて、注意喚起は当然ながらきっちりやらせていただきますけれども、それぞれの実態に合わせてご選択いただくという形でございます。
ただ、政府として、全くの自主避難ということではなくて、きちんと注意喚起をし、それから、避難をする場合に支援をしていく、政府として、行政として、きちんと関与をしていくというところが、この制度のもう一つの肝ということでございます。
【能見会長】 田中委員、お願いします。
【田中委員】 少し説明が丁寧過ぎるというのか、親切過ぎるというのか、割り切りが、要するに、先ほど言いましたように、空間線量で居住時間だけを考えているんだから、基本的には計画的避難区域と同じ扱いですと。広がりがあって、実線量がどうかというのは、それは実態のベースであって、もしそれを厳密に言うのであったら、個人線量計を着けていただいて、はかって判断するということになるので、それをやらないとしたら、最初の割り切りのところでやらないと、損害賠償という意味では少し混乱しそうなんですよね。だから、そこは親切というか、何というか、実際は20ミリ超えないでしょうというのが何となくベースにあるものだから、今のような説明で、少し我々が聞いていても混乱するということがあるので、そこはぜひ整理して、割り切っていただきたいなという気がするんですが。
【須藤課長】 地点の特定の仕方は、今ご指摘ございましたように、計画的避難区域と同じでございまして、年間20ミリシーベルトを超えるかどうかというのが最大の基準ということでございます。その後、地点的な広がり、地域的な広がりに違いがあるので、行政上の措置として、避難指示になるか、勧奨という形になるかの違いはございますけれども、特定の仕方については全く同じ考え方ということでございます。まさに今のご質問のとおりでございます。
【能見会長】 大塚委員、どうぞ。
【大塚委員】 ちょっと意見になってしまうところもあるので、コメントとして申し上げて、何か回答していただければありがたいと思います。
今のお話だと、特定の仕方というところだと、計画的避難区域と同じように考えるということなんだと思うんですね。賠償に関してです。しかし、指示をしていないという意味では、緊急時避難準備区域と同じようなところもあるものですから、賠償を考えるとき、どちらにしたらいいのかなというのが多分考えなくてはいけないところで、今ここで結論が出ることではないかもしれませんけど、私としては、そこが一番気になるところでした。
もう一つあるんですけど、今の点は、もしコメントいただければ。
【能見会長】 むしろ、コメントいただくのはいいんですけれども、それによって、こちらの態度は……。
【大塚委員】 そうですね。じゃ、もう一つ質問していいですか。
避難しない場合のところの、勧奨期間の最初のところに、居住者が農家などの場合における営業損害というのがあるんですけれど、これについては、さきほどの説明が少しよくわからなかったのですが、下のほうは風評損害になっているので、ここは風評損害以外の営業損害をおっしゃっているんですよね。どういう場合なのかというのを教えていただければと思います。これは、さきほどのお話だと、農地がホットスポットの場合ということでよろしいんですか。
【須藤課長】 すいません、ご質問が正確に受け取れているかどうか恐縮でございますが。まさに、恐縮でございます、風評被害というのは下だけ入れてございますけれども、正確には全部入れる可能性というのはあろうかと思います。
具体的に申し上げますと、例えば、ご自宅と農地がちょっと離れていて、農地のほうが大丈夫だというときに、ただ、ご自分で避難した、あるいは、ご自分で避難しなかったという場合に、そこの農地での当然風評被害的なものというのはあり得るかと思いますし、もっと申し上げますと、これはもうある意味二次指針までの間に入っているかもしれませんけれども、特定されなかった地点の近傍の農家ですね。
先ほど申し上げました字の中の一部が特定をされたりということがございますので、字の近傍の地点の農家、こちらは普通に農業をされるわけですけれども、そこで風評被害が発生する可能性もあるかと思います。この辺、作成の資料が至っておらなくて恐縮でございますが、そういった点もあわせてご検討いただければ幸いでございます。
【能見会長】 損害の例についての資料は、この審査会との関係で、いろいろ若干問題を引き起こすことになると思うんですね。まだこちらの審査会であまり十分議論していないものが先行して、先ほども草間委員のご意見がありましたけれど、これがひとり歩きされるというのはちょっと困るという感じがしています。
ただ、特定避難勧奨地点がこれから指定され、住民にはいろいろ説明することになるのでしょうが、損害賠償については説明はまだされていないんですね。この損害がどう賠償されるかどうかということについての説明というのは、どういうふうにされるつもりだったんですか。
【須藤課長】 恐縮でございます。賠償については、当然、こちらでご審査いただくということでございますので、それについて、今日、資料2-2としてお示しいたしましたのは、まさにこういうところが考えられるのではないでしょうかという意味でお示しをしたものでございまして、当たり前でございますけれども、これが対象になる、ならないということは一切お話をしてございません。
片や、事実関係だけを申し上げますと、発表のときには、当然、この賠償の問題というのは議論になりますというお話はさせていただいておりますし、かつ、この原発事故に伴う直接因果関係は、一般論としてはあると思われますということまではお話を申し上げてございます。
【能見会長】 それでは、まだいろいろご議論がおありかと思いますけれども、この問題は、実際にこの指定がされていくことになりますので、この審査会でも早急に議論しなくてはいけないと思いますので、引き続き議論していくということでいかがでしょうか。
(「はい」の声あり)
【能見会長】 それでは、これで、この件については議論を終了したいと思います。どうもありがとうございました。
【須藤課長】 ありがとうございました。
【能見会長】 それでは、議題3のほうに移りたいと思いますが、東京電力による仮払いの現状についてでございます。本日は、東京電力からご説明のためにお越しいただいております。原子力損害に対する賠償方針や、あるいは仮払いの現状についてご説明をお願いしたいと思います。
それでは、お願いいたします。
【廣瀬常務取締役】 東京電力の廣瀬でございます。本日は、審査会のこの場で私ども説明をする機会をお与えいただきまして、ほんとうにありがとうございます。能見会長はじめ、審査会の委員の先生方、文部科学省の皆様、政府の皆様、ほんとうに心より御礼申し上げたいと思います。
まず、それに先立ちまして、私どもの福島原子力発電所の事故によりまして被害を受けられた方はもとより、関係の皆様に対しまして、ほんとうに多大なるご迷惑をおかけしておりますことを、この場をかりまして改めておわび申し上げたいと思います。申しわけございません。
私どもといたしましては、一日でも早く被害を受けられた皆様にもとの生活に戻っていただけるように、今、事故の収束に向けて、福島原子力発電所のプラントそのものの安定化に向けて最大限の努力を行っているところでございます。
さて、こちらの審査会におかれましては、第一次指針、第二次指針をおとりまとめいただきまして、いわゆる補償の環境整備に大変ご尽力いただいております。この場をおかりして御礼申し上げます。被災者の方、被害を受けられた方々は、ほんとうにたくさんの数に上ると予想されておりまして、私どもといたしましては、策定いただいた指針に基づきまして、公正かつ円滑な補償に努めてまいりたいと考えておりますので、引き続きご指導のほど、よろしくお願い申し上げたいと思います。
また、そのために、現在、東京電力としましては、最大限のリストラ、合理化を進めているところでございます。そうした上で、被害に遭われた方々への補償を進めてまいりたいと考えておりますけれども、なかなか巨大な補償額に上るということが予想されますので、政府からご支援がない場合に、早晩資金がショートするなどのことによりまして、公正かつ円滑な補償ができにくくなるという可能性がございます。そうしたことから、6月14日に閣議決定されました、原子力損害賠償支援機構法案という法案を一日でも早く立法化していただくこと、また、原子力損害賠償補償契約に基づきまして、福島第一原子力発電所の政府補償金1,200億円に加えまして、第二原子力発電所に相当する分の政府補償金につきましても、早期に予算化をしていただきたいと願っているところでございます。
さて、今お手元に1枚紙をご用意させていただきましたが、ここからは私どもの取り組みにつきまして、簡単にご説明させていただきたいと思います。
まず、一番上にございますように、政府指示に基づきまして避難をされております皆様への仮払い補償金というのを、こちらの第一次指針が出る前の4月26日に、これは避難や屋内退避などによる損害への充当を前提にということで、当面に必要な資金をお支払いすることを開始しておりまして、ご存じのように、世帯当たり100万円(単身は75万円)をやっております。これは、避難されていらっしゃる方が、福島県内をはじめ、全国各地に広がっていらっしゃるということがございましたので、テレビや新聞やラジオなど、マスメディアをフルに活用させていただきまして、ご協力いただきまして、こういうことを始めたということをご通知差し上げるとともに、東京電力の社員みずからも延べ4,400人出ていきまして、1,400カ所の避難所に行きまして、そこでは説明会をやるなど、あるいは、書類の書き方をご説明するなどというようなことをやりまして、本日までに大体5万2,300世帯に現金のお振り込みをさせていただいたところでございます。すべての被災者にはまだ届いていないと思いますけれども、大体想定された世帯の数に近くなってきておりまして、最後の1世帯まで、これからも一生懸命やっていきたいと思っております。
次に、2段目の農林漁業者に関してですけれども、これは5月31日、政府等の出荷制限の指示にかかわる損害に対してご請求をいただいた金額の2分の1ということで、仮払いを始めさせていただきました。ここに関しては、一人一人の農家の方、あるいは漁師の方と一つ一つ交渉するというのは、またかなりの時間を要してしまうということで、農業協同組合様ですとか、あるいは漁業協働組合様のお力をおかりする、あるいは、県や市町村の自治体、それから関係団体の皆様のお手間をほんとうにおかりしておりまして、おまとめいただくのに多大なるご協力をいただいております。そうしたことによりまして、現在までに4団体に対して12億円のお支払いが済んだところでございます。
3段目の中小企業の方々ですけれども、これはいわゆる避難区域内で事業を営まれている中小企業の方々に対する営業損害に対しての仮払いですけれども、事故のあった直後の3月12日から5月末日までの分をまず、損害期間の営業損害といいますか、原子力発電所の事故がなかりせば得られていたであろう粗利益相当額の2分の1をお支払いさせていただいておりまして、6月10日より始めたところでございます。これは2億円ということでございます。今後も、指針に示された損害につきまして、適切な対応をまた進めていきたいと思っています。
次に、こうした補償を実施していく上で、私どもがとった体制につきましても簡単にご説明させていただきたいと思います。そこの2つ目の真ん中辺に絵がございますけれども、4月に、ここにあります福島原子力補償相談室という組織を発足させております。要員としましては、皆様からお電話でお問い合せをいただきますので、そこに対応するコールセンターに250名。それから、書類等をお送りしたり、受領したり、あるいはその審査をしたり、振り込みをしたりというバックオフィスの要員ですけれども、これが300名。それから、先ほど言いましたが、避難所等々へ出かけていって、実際にフェース・トゥ・フェースでご説明させていただく要員等が、福島県内に4カ所、あるいは関東地方の県庁所在地が専らですけれども、合計12カ所に400名の人を配置していまして、ほかに全体の管理を合わせますと、合計で1,000名の要員を投入してここまでやらせていただいているというところでございますが、今後ますます補償の量が増えてまいりますので、さらなる体制を強化していかなければいけないと考えております。
今現在のやり方は仮払いということで、損害の認定に関する審査とか必要な書類をできるだけ簡素化してやらせていただいておりますが、それだけ簡素化している中でも、5万2,000世帯に、100万円、75万円をお振り込みするのに1カ月を要しました。したがって、今後、補償が本格化してまいりますと、避難をされている皆様が、もちろん数も多くなりますし、事業者の方、個人の方、団体の方等々、たくさん多岐にわたりますし、損害の内容もそれぞれ複雑化していくということが考えられますので、もっともっと大きな体制で臨んでいかなければいけないだろうと考えております。
現在、私どもは人員のスリム化をやっていかないといけない中ではございますが、今のところ、この今現在の1,000名の数倍の数千名の規模で対応しなければ、とてもじゃないけれども追いつかないだろうということを考えておりまして、これぐらいですと、中規模の損害保険会社と同じぐらいの規模でやるということになってまいります。もちろん、同じくコストカットを今東京電力は最大限にやっておりますので、外部にこれを委託するというわけにもまいりませんので、何とか自前の人間で数千人規模の体制でやっていこうという準備を今しているところでございます。
最後に、私ども、この2カ月程度、補償をやっていく中で、いろいろ課題や難しいなと思われる点が幾つか出てきましたので、それについて、審査会へのお願いも含めまして、幾つかをお話し申し上げさせていただきたいと思います。
まず1つ目は、補償の定型化・定額化でございます。これは、我々が今やってきた仮払いの機会を通じて、補償のために必要なやり方であるとか、我々は全く素人でございましたので、今まさに勉強中でありますけれども、こうした整備をしていく上で、やっぱりこの多種大量の請求をこれから考えていきますと、迅速処理するために、第一次指針でお話がありましたように、補償の定型化あるいは定額化というのは相当必要だなというのを強く感じている次第でございます。今後の指針の中で、補償の種類に応じて定型化・定額化をお示しいただくなり、あるいは、ご推奨いただくなりできれば大変ありがたいなと一つ考えているところでございます。
2つ目は、これはもう既に議論として挙げられていただいているところだと思いますが、地震・津波による損害と原子力損害の切り分けについてであります。前回の審査会でもございましたですけれども、家屋や農業、商工業の施設などが、今般、まず地震があって、その後津波が襲ってきて、そうしたことによって直接受けた損害と、その後に放射性物質が飛んできたということによって原子力損害が発生したという、このことをどうやって切り分けていくのか、区別していくのかという、大変難しい問題だと思いますけれども、補償を進める上で避けられない論点でございますので、ぜひできるだけ早目に明らかにしていただければと思ってございます。
3点目は、いわゆる風評被害でございます。これも損害と原因との間で相当因果関係が大変認定が難しい部分はございます。また、大変議論のある論点だと思っておりますけれども、第二次指針で、事故との相当因果関係が認められる蓋然性が特に高い類型ということでおまとめいただきましたけれども、そのほかの部分については今後検討されるということで理解しておりますが、さまざまないわゆる原因競合というのが、ちょっと考えただけでもいろいろ浮かんでくるようなことがございますので、大変難しい点ではございますが、ここもさらなるご議論をよろしくお願いしたいと思っております。
4つ目はちょっと細かいお話ですけれども、第一次指針で損害項目とされた「営業損害」についてでございます。指針の記載ですと、営業損害として認められるいわゆる減収分は、本件事故がなければ得られたであろう売上高から、本件事故がなければ負担していたであろう売上原価を控除した額ということになっておりますので、いわゆる粗利益というふうに理解されるのが一般的だと思いますが、これですと、例えば長期休業――避難しているわけですから、長期休業などによりまして、実際には支払われていない賃借料であるとか、あるいは間接部門の人件費とかいうのが、そういったものが補償の対象に入ってまいります。これらは本来その賃借料をもらえなかった側の方の営業損害ということで多分出てまいると思いますし、あるいは、人件費をもらえなかった人たちの側から請求が来ると考えられますので、損益相殺の考え方で、こうしたものは営業損害の中から、補償の対象から控除すべきではないかと考えられますので、この点については再度ご確認いただきたいと思っています。
最後に、これまで審査会におきましておまとめする中で、ご被害を受けられたさまざまの業界の方、地方の方、地域の方からさまざまなご意見が述べられておりますし、今回、私どもにもこうした場を設けていただきました。今後も補償の当事者である東京電力といたしましても、円滑な補償を進める上で、できればまたこうした意見や質問を審査会にお伝えできる機会をちょうだいできればというふうにも考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上、補償を行う側の当事者の立場から、お願いも含めまして、幾つかお話しさせていただきましたけれども、改めまして、こうした機会をいただきましてありがとうございます。被害者の皆様に補償する上でも、今後とも審査会で策定いただいた指針にのっとって、国のご支援もいただきながら、公正・公平、かつ円滑な補償をしていきたいと思っておりますが、1つ私が今考えているに、補償を進めていく上で、審査会での指針と、それから、それをファイナンスする仕組みというのが車の両輪ではないかと考えております。実際は東京電力一社で、とてもではないですが、支えきれない額の損害が予想されているところでございますので、ぜひその両輪をしっかりしていただいて、私どもとしては、被害を受けられた方々に正面からしっかり向き合ってまいりたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
私からは以上でございます。ありがとうございました。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
それでは、委員の皆様からいろいろご質問等おありかと思います。
どうぞ、野村委員。
【野村委員】 仮払いの実施状況のところで、それぞれの項目について、損害の発生する期間と仮払いの金額とはどういう関係にあるのか、少しご説明いただければと思いますが。
【廣瀬常務取締役】 項目によって少しずつ違います。と言いますのは、請求書をいただいた段階で、例えば、農業・漁業の方が出荷制限で一番最初に請求書をお持ちいただいたのが4月28日でございましたので、その段階では、3月11日か12日から3月末までの分の出荷制限をまずお持ちいただいて、それに対してお支払いをしたケースもありますし、その後で、5月になってお持ちいただいた中には、4月末までのが入っておったケースもあります。
先ほども申しましたように、中小企業者の方々は、これは今度始めたばっかりでしたので、3月12日から5月末までということで、当然のことながら、請求が遅くなれば、それまでのがはっきりしておりますので、少し長くなってきておりますが、幾つか、そういうことで、いろんなケースがございまして、最初のやつはもうお支払いしている部分もございますし、2回目の請求が来るというようなことが出てきてございます。
【野村委員】 2回目以降請求する場合に、例えば1カ月分とか2カ月分とか、まとめて受け付けるとか、そういうことはされていないわけですか。
【廣瀬常務取締役】 今のところ、農協様、あるいは漁協様からは、これは県単位でおまとめいただいているので、それぞれのまとまる数は多いんですけれども、月ごとのイメージでご請求をお持ちいただいております。
【野村委員】 避難されている人たちについて、資料の表の一番上の世帯当たり100万円というのは、避難生活をしている期間とは関係がないということでしょうか。
【廣瀬常務取締役】 これは、そういう意味では、ここまでの分とか、明確にこの項目をということで言っておりませんので、多少説明の行き届かないところで、誤解が生じている可能性もあるかもしれませんが、いわゆるほんとうの仮払いということで、まだ指針も何も出る前に、とりあえずご用立てくださいということでお支払いさせていただいたものでございまして、そういう意味では、避難費用が入るかもしれないし、戻ってくる一時立入も入るかもしれませんし、精神的損害も入るかもしれませんし、そういうのをひっくるめてお支払いをしているということで。ただ、お支払いさせていただいたときに、万々が一100万円にいかない場合には精算させていただきますよということは申込書に添えてございます。
【野村委員】 どうもありがとうございました。
【能見会長】 ほかの委員の皆様は、いかがでしょうか。
【高橋委員】 約5万2,000世帯という話ですが、およそ何世帯のうちの5万2,000世帯、パーセンテージで言うとどのぐらいでしょうか。
【廣瀬常務取締役】 正直申し上げまして、住民台帳全部で正確な数というのは把握しきれておりません。途中の段階からいわゆる計画的避難区域というのが増えたということもございまして、おそらく5万4,000~5,000世帯ではないかと。大変申しわけないんですが、確定的にはわかりません。住民票を実際は入れていらっしゃらない方もおりますので、住民票だけ数えても多分合わないと思いますので、ただそのぐらいの数であろうということは想像されますし、間違っていないと思うんですが。そういう意味では、5万2,000世帯へ今お振り込みが終わったというのは、もうかなり部分は終わったというふうには認識しております。
【能見会長】 ほかにいかがですか。中島委員、どうぞ。
【中島委員】 今後の補償に向けた取り組みと課題の中の(3)の、いわゆる風評被害についてという部分については、先ほど指針では蓋然性の高い部分というところが二次指針で出ていますけれども、指針では出たけれども、なお東電側としては、それ以外の原因競合が考えられるというようなお話がさっきありましたが、もしそういうところが具体的に何かあったら、ご指摘をお願いしたいと思います。
【廣瀬常務取締役】 これは指針の中でも付記されているところでございますけれども、例えば、観光に対する風評被害であれば、そこにも記載されておりますけれども、東北自動車道は例えばとまってしまった期間があるとか、東北新幹線もとまったかもしれないとか、そういったようなものも、まさに幾つか思いつきですが、考えられると思いますので、原子力の損害がなかった他県で、比較が適当かどうかわかりませんが、例えば宮城県や岩手県の観光がどのぐらい落ちたんだろうかと、例えばそういうことを比較するというのも1つ手かもしれませんし、あるいは、阪神大震災のときの後に、このぐらいのことが起こったんだろうかと。これはあくまでもマクロの比較の問題だと思いますが、幾つかそうした手法があるのかなというのは、私ども勝手な話ですが、幾つか考えつくところでございます。
【能見会長】 観光等についてはそういう問題もあって、こちらでもいろんな調査をしたいと思っていますけれども、農家等の生産物についての風評被害については、相当因果関係がある蓋然性が高いという類型を審査会としては出したわけですが、これについては、仮払いで今後対応される予定ですか。
【廣瀬常務取締役】 していかなければいけないと思っております。ただ、極めて事務的な難しさとして、事故がなければ一体どれだけの量が、あるいは、どれだけの価格で販売できていたのだろうかというところの証明といいますか、そこの確定が、あんまり私どもから難しいことをお願いしてしまうと、こうした状況の中でそれを証明するのは非常に難しくなってしまいますので、仮払いということで、ある程度は簡単にして当面は済むのかもしれませんけれども、行く行くはどういう形でやるかというのは、ちょっと詰めていかなければいけないなと、私どもの宿題として考えているところでございます。
【能見会長】 もう一つ、今のと少し関係するのかもしれませんが、今までの仮払いも、営業損害の2分の1、それから粗利益相当の2分の1ということで、2分の1を限度に仮払いをしているということで、そのもとになっている考え方はどんなものなんでしょうか。
【廣瀬常務取締役】 正直申し上げて、仮払いをスピーディにやるというのが仮払いの肝だというふうに考えまして、細かくやればやるほど本払いに近くなってきて、そのかわり、100パーセントのお支払いということになるのかもしれませんが、そこをある程度えいやとやるというために、後でお返しいただくというようなことはできたら避けたいなというのが1つ。
それから、そうなりますと、一体幾つがいいのかというのは、正直申し上げて、何の根拠もないところですが、私ども参考にさせていただいたのは、JCOのときに請求額の2分の1というのが、ほんとうに唯一の例というのがございましたので、それをほんとうに参考にさせていただいて、各種、農業団体様等々と、こうしたことでやらせていただくのではいかがだろうかという交渉をさせていただいたということでございます。
【能見会長】 JCOの場合は、今回と少し違うと思うのですけれども。また、JCOのときには、損害賠償を請求した側と賠償する側の両者でかなり主張が食い違っていて、そういう中で2分の1の仮払いということがあったと思いますけど。今回は、ある程度、農協などを通じて、営業損害等について、大体このぐらいの被害があったんだという取りまとめがあります。そうすると、それは厳密な証明は確かにないんですけれども、そういうものについてまで、2分の1しか仮払いしない根拠が必ずしも明確ではない気がしますので、それで伺ったんですが。
【廣瀬常務取締役】 おっしゃるとおりです。根拠という意味では、特に明確なものがあるわけでなく、スピーディにやるということで、被災者の皆様にも少しご理解いただいて、そこでやらせていただいた、スタートを切らせていただいたということで、いずれ、当然、残りの2分の1をお支払いしないということではもちろんないものですから、とりあえずほんとうにそれでスタートをさせていただいたということでございます。
【能見会長】 ほかにいかがでしょうか。大塚委員、どうぞ。
【大塚委員】 今の観光業に関しては、第2次指針では、先ほどの原因競合とかのことも考えながら、福島県の観光業に関しては蓋然性が高いだろうという趣旨で出したんだと思います。それが1点と、それから、もう一つは、第一次指針の生命・身体的損害のほうで、避難をしている間に死亡してしまったり、傷害を負ったりした方などの問題があります。現在仮払いをしていただいていないものとして、例えば今の2つがあるんですけれども、これについては今後どういうふうにされるおつもりかということを教えていただきたいんですが。
【廣瀬常務取締役】 まず、こちらが責任転嫁するわけではないんですが、ご請求をまずはいただいていないというのが1つございますので、具体的に詰めて我々はまだ検討しておりません。もちろん、ご請求いただいたら、ほんとうに真剣に考えなければいけないところですし、そこは大きな課題だと思っておりますが、今のところまだご相談には至っておりません。
【能見会長】 どうぞ、大塚委員。
【大塚委員】 それから、3のところの、こちらの審査会に対する若干要望みたいな形になっていると思いますけれども、「合理的な」というのがわからないという趣旨のようですが、指針の書き方が具体的でないことに関して、何かお考えになっていることがもしあればお話しくださいますか。こちらのほうもいろいろ考えなくてはいけないのかもしれませんし、これから専門委員の方たちも含めて検討していくことになると思いますので。
【廣瀬常務取締役】 新聞報道等で合理的に説明できないというのは、おそらく損害額全体のお話をしてきているところだというふうに思っておりますし、私どもは一つ一つについて、先ほど幾つかお願い事は申し上げさせていただいたものの、特にそうした不便を感じているところはございません。ただ、まだ損害全体につきましては、今後7月の中間指針等々を待たないと全体がわかりませんし、なかんずく収束の時期というのが、これは私どもの責任でございますけれども、まだ経過の段階というところでございますので、そうしたことも含めて、合理的に全体を想定するのは難しいというのを幾つかの場所で申し上げたことはございます。
【大塚委員】 合理的にというのは、合理的な場合はというようなことが指針の中にあるので、それについて、それがわからないというようなご趣旨かと思いますので、そのことを申し上げたんですけれど。
私のお願いとしては、さっきの福島県の観光業とか、避難している間に生命・身体的損害を受けた人たちから、もし請求があったら、早目に対応していただくことが大変ありがたいと思っております。
【廣瀬常務取締役】 はい。
【能見会長】 他に。どうぞ、中島委員。
【中島委員】 今の損害の証明の話の一環なんですけれども、先ほど、例えば農業の損害については、果たして出荷してどのくらいの売れたかということがわからないので、そこの証明というのが難しいというご指摘があったと思うんですけれども。一次指針の総論の部分で、例えば前年実績から推定するという手法も記載してあると思うんですけど、そういうことは現場では考慮はされていないんですか。
【廣瀬常務取締役】 私どもとしては、そうしたお願いをしていかなければいけないというふうに考えております。
【能見会長】 他に、いかがでしょうか。
よろしゅうございますか。それでは、どうもありがとうございました。審査会としましては、ここで出た指針、これをできるだけ尊重していただきまして、かつ、また迅速に仮払いを進めていただければと思います。どうもありがとうございました。
【廣瀬常務取締役】 いろいろ勝手を申し上げましたが、申しわけございません。今後ともよろしくご指導いただければ。ありがとうございました。
【能見会長】 それでは、最後の議題になります。中間指針策定に向けた論点についてでございます。前回の審査会におきまして、あまり議論する時間がございませんでしたので、検討項目についてだけでございますが、引き続き資料を用意いたしましたので、これをご議論いただければと思います。
では、資料の説明を事務局からお願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 資料4の1枚紙でございます。基本的には前回お出しした資料と大きく変えてございませんが、2点変えてございます。
1つは、東日本大震災による影響という項目を、2ポツの営業損害の中に入ってございましたが、共通項目の中に入れてございます。
それから、同じく共通項目の中の一番上に、中間指針の位置付けという項目を入れさせていただいてございます。
あとは、すべて前回お出ししているものと同じでございます。
以上です。
【能見会長】 それでは、これについてご議論をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
先ほどちょっと大塚委員が言われた、避難中に亡くなられた方についてですが……。
【大塚委員】 あれは第一次指針に入っている。
【能見会長】 一は入っていますよね。
【大塚委員】 ええ、入っているんです。だからお願いしたんです。
【能見会長】 だから、ここで取り上げる必要はないんですね。あれはもう入っていますね。
【大塚委員】 はい、もう終わっているはずなんですけど。
【能見会長】 何か落ちている点とか、あるいは、書き方が十分ではないとか、そういう点がありましたら。米倉委員、どうぞ。
【米倉委員】 先ほどの特定避難勧奨地点のところでお話があったように、避難をするかしないかというのは、ある意味で個人に任される、そういう状況の中で、避難されない方へも何らかの損害が生じるのかなということを感じていました。そのときに少し議論があったように、今回、避難地域の中でも残られた方、いろんな理由があると思うんですけど、あるいは、取り残された方々、こういう方々への補償というのをどのように考えていくのかというのは、少し議論しておく必要があるかと思います。
【能見会長】 おっしゃるとおりですね。今の点につきましては、あるいは最終的な中間指針の中で書くよりも、もしかしたらもっと前にやらなくてはいけないかもしれませんね。いずれにせよ、少なくともこの検討項目の中には入れておく必要があるだろうと思います。
ほかに何かご指摘ございますでしょうか。もし、まだ頭出しの段階で、これから何度かもうちょっと資料を充実した形で用意してご議論いただきたいと思いますけれども、特に今の段階でご意見がなければ、このぐらいにしたいと思います。
それでは、どうもありがとうございました。本日の議事はこれで終了したいと思います。次回以降の日程につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 次回、第9回の審査会でございますが、7月1日金曜日を予定してございます。時間、場所については、また後日改めて正式にお知らせいたします。
以上です。
【能見会長】 それでは、これで閉会いたします。どうもありがとうございます。
―― 了 ――
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