平成23年5月16日(月曜日)15時00分~18時00分
文部科学省(中央合同庁舎7号館東館)3階講堂
能見会長、大塚委員、鎌田委員、草間委員、高橋委員、田中委員、中島委員、野村委員、山下委員、米倉委員
笹木文部科学副大臣、林文部科学大臣政務官、清水文部科学事務次官、森口文部科学審議官、土屋大臣官房長、藤木研究開発局長、田中原子力損害賠償対策室長、篠崎原子力損害賠償対策室次長、田口原子力損害賠償対策室次長
加藤 原子力発電所事故による経済被害対応室審議官
渡辺大熊町長、遠藤川内村長、田子全国商工会連合会副会長、青山日本商工会議所理事、瀬戸全国中小企業団体中央会理事・事務局長、河本全国石油商業組合連合会専務理事、馬場全国農業協同組合中央会農業対策部長、吉田全国漁業共同組合連合会代表理事専務、郡山全国食用きのこ種菌協会会長
【能見会長】 それでは、時間になりましたので、第4回原子力損害賠償紛争審査会を開催いたします。
本日は、お忙しいところをお集まりいただきまして、大変ありがとうございました。
初めに、事務局から配付資料の説明をお願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 事務局でございます。配付資料、お手元の資料を確認させていただきます。
1枚目に議事次第がございますが、ここに配付資料として、資料1-1から3-3まで、さらには参考資料として2種類添付してございます。資料1-1から1-8は、今日、ご説明いただく関係団体等の被害状況の説明の資料でございます。それから、資料2が、これ1枚紙になってございます。後で議事が進みました際にご確認をいただいて、不足がございましたら、事務局のほうにお申し出をいただきたいと思います。
なお、本日、文部科学省からは笹木副大臣、林大臣政務官、出席をいただいてございますが、笹木副大臣におかれては、17時半ごろ、公務のため退席いたしますので、あらかじめお伝えしておきます。
以上です。
【能見会長】 それでは、早速、本日の議題に入ります。
まず、第1の議題でございますが、被害等の現状についてでございます。
最初に、警戒区域への一時立入りについて、概要の説明をしてもらいました後に、福島県の関係市町村や関係団体から、順次、質疑を挟みながら、ご説明をお願いしたいと思います。
それでは、最初に原子力災害対策本部からお願いします。
【原子力安全・保安院原子力災害対策本部(石川課長)】 原子力被災者生活支援チームの石川と申します。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、早速、ご説明に入らせていただきます。
お手元に、横長の資料1-1という資料がございます。「警戒区域への一時立入りの概要」ということでございまして、お時間5分とお伺いをしておりますので、なるべくポイントで、ご説明を申し上げたいと思います。
1枚めくっていただきまして、「警戒区域への一時立入りについて」ということでございます。既にニュース等でもご存じの部分もあろうかと思いますけれども、警戒区域の被災者の方々におかれましては、事故発生時に非常に緊急に避難をされたということなどもあり、必要な物品等が持ち出せなかったといったような方が大半でいらっしゃって、自宅などへの一時立入りの強いご要望があるということでございます。
他方、4月22日には、東京電力福島第一原子力発電所から半径20キロ圏内を警戒区域に設定したということでございまして、法的には、この地域が立入禁止になったということでございますので、そういった中で、安全を十分に確保した上で、安全確保が大前提でございますけれども、その上で、同区域への一時立入りを実施するということで取り組ませていただいているということでございます。
最後、次のマルでございますけれども、具体的には、原子力災害対策本部長が定めた一時立入りに関する許可基準というのがございまして、これに基づいて市町村長が許可をするわけでございますけれども、2つの種類、類型でございまして、マル1が、警戒区域内に居住しておられた方でいらっしゃって、当面の生活上の理由により一時立入りを希望しておられる方というようなことでございます。この場合でも、こちらにちょっと書いてございますけれども、原則1世帯1名というようなことでありますとか、安全確保の観点から、15歳未満のお子さまの方とか高齢者の方などについては対象からは外させていただくというようなことにしているということでございます。
また、「立入ができなければ、著しく公益を損なうことが見込まれる者」という類型を設けておりまして、これは、例えば、町役場の方が役場のさまざまな住民票等の書類を取ってくることが必要になるとか、そういったような場面を想定しているものでございます。
1ページめくっていただきまして、2ページ目でございますけれども、こちらはもう十分、皆様方もご存じのところでございますけれども、20キロ圏内ということで、この20キロの内側のところが対象になるということでありまして、居住しておられた方は約7.8万人いらっしゃるということでございます。
その次のページ、3ページ目でございますけれども、一時立入の許可基準ということでございますが、ポイントだけ書かせていただいておりますけれども、安全確保の観点から、発電所から半径3キロ圏内については立入りからは外させていただくということでございまして、これは3キロというのは、発電所のほうに万一の事態が発生した場合に非常に危険があるということで、こういったサークルを設定させていただいているということ。また、高い空間線量等が認められるケースはリスクがあると。また、津波の被害等があって、例えば、道路が非常に壊れているとかということで、危険があると思われるような区域については立入りからは外させていただくと。また、1回当たりの線量についても、1ミリシーベルト以内というふうなことで上限を設けさせていただいているということでございます。
また、立ち入る際の装備でございますけれども、原子力安全委員会の助言なども踏まえまして、個人線量計をつける、また、タイベックススーツを着る、マスクなどをつけていただくといったようなことをしていただくということでございます。
また、20キロ圏内から外に出る際に、スクリーニングということで、線量上問題がないかと。汚染といいますか、線量上問題がないかということを確認をさせていただいて、もし上回っている場合には、その除染を行わせていただくというようなことでございます。
また、安全確保の観点から、5時間を基準として、自宅への立入時間を2時間にするなどといったようなやり方をさせていただいているということ。
また、一時立入者との連絡手段の確保ということで、不測の事態、緊急事態なども想定をして、衛星電話ですとかトランシーバー、拡声器等の連絡手段を確保しているということでございます。
次のページをごらんください。4ページでございますけれども、こういった考え方の整理のもとに、現地の対策本部と市町村の方々、また福島県の方々などが、かなり細かいご相談もさせていただいた上で、実施をさせていただいているということでございまして、住民の立入りということで、5月10日から、まず川内村を最初に、ここに書いてあるような、10日、12日に立入りをしていただいたと。また、葛尾村のほうが、やはり同じ12日に立入りをされたということであります。さらに13日には、福島県において、いわゆるコールセンターというものを立ち上げていただきまして、住民の方々、特に県内のみならず、県外に避難されている方も一時帰宅の、一時立入りのご要望がありますので、ここでそういう要望を集約していただくという予定でございます。その上で、またさらに、より人数、各市町村が、順次、準備整い次第、一時立入りを実施していただくということでございます。
ちなみに自動車の持ち出しについても、非常にご関心が高い、ご要望が強い分野なんでございますけれども、こちらについては、通常の立入りと同時に実施をしますと、非常に、やや混乱したといいますか、混合した状態が発生して、安全確保上も必ずしも十分ではないということでございまして、自動車については、別途、自動車の持ち出しに集中した形での立入りというのを5月下旬以降に実施する方向で準備中と。
また、ペットについてもどうするかということでございまして、こちらについては、環境省さん中心でご努力、取り組んでいただいておりますけれども、一時立入りの際に屋外にペットを係留していただいて、翌日には、専門家の方が立ち入って保護するというようなオペレーションをやるということになっております。
5ページ目でございますけれども、今申し上げたようなことの具体的な絵として、ちょっとお示しをしておりますけれども、住民の方については、この一番左側の避難所や避難先、県外をもちろん含むわけでございますけれども、そちらから、いわゆる中継基地点、20キロ圏のすぐ外側ぐらいのところにある中継基地点までお集まりいただくわけでございますけれども、これは国が確保したバスに乗ってきていただくケースもございますし、住民みずからの手段でいらっしゃるケースもありますし、また、市町村がいろいろお持ちのバスとかの手配などをされるケースもあるわけですけれども、いずれにしても、そこで移動等のためにコストが発生する。また、左の下に書いてございますけれども、その日のスタートが早いために、前日に到着している場合に宿泊をされるとか、また、天候等が悪化した場合には、立入りが延期されるケースもございますので、その場合には宿泊の必要などがあるということも発生しますので、そういった経費が発生をするということでございます。
それから、中継基地から、この警戒区域内に入る場合には、これは専用のバスというのを用意を、これは現地本部、国のほうで用意をしておりまして、これは通信手段の確保ですとか、また、バスのシートにも全部、いわゆる養生といいますか、シートカバーのようなものをして、毎回、それを取りかえるとか、そういったような、やや安全等々の特別の措置を行っておりますので、専用バスでパトカーの先導のもとに行き来をするというようなやり方をさせていただいております。
その次のページでございますけれども、具体的に、こういった事業、立入りをしている際に、ここに最初のところに書いてございますような移動手段の確保といったようなことで、避難所と中継基地の間、また中継基地と立入り先の間などについての移動手段の確保、またスクリーニングを行う際のさまざまな施設など、サーベイメーターの確保ですとか、テントですとか、そういったようなものの確保、また、立ち入る方の線量管理、線量計でありますとか、いわゆるタイベックススーツ、靴カバー、マスク、手袋といったようなもの、また通信手段等々といったような形を確保いたしまして、かなり大規模なオペレーションで実施をしているということでございます。
それから、最後に7ページ目でございますけれども、公益目的の一時立入りということでございまして、これは先ほど申し上げたように、この下に書いてあります実施事例のところにあるように、例えば、地方の法務局の方が不動産登記の事務のための帳簿の持ち出しをされるとか、町役場が書類を持ち出されるとか、また、地域にとって非常に重要な企業が、工場などから図面や金型などを取り出されるとか、そういったようなケースがあるわけでございますけれども、こういった場合においても、住民の立入りと同様な安全確保とか、それからスクリーニングということが必要になってまいります。したがいまして、市町村のほうの方々が、実際に入られる方が、現地本部ともご相談の上で、放射線防護のために必要な装備の確保や計画の策定といったようなことをされた上で、車両なども確保した上で入られているということでございます。線量計などをお持ちでないケースなどがありますので、そういった場合には、現地本部などが持っております線量計とかサーベイメーターなどをお貸しして、使っていただくというようなケースもあるというのが、今行っている状況でございます。
短くて恐縮ですけれども、ご説明、以上とさせていただきます。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
それでは、今の説明に対して、何かご質問がございましたら、お願いいたします。
ちょっと1点だけ、損害の発生というか、費用の発生との関係で伺いますが、遠方から来られて、宿泊する必要があるという方々がおられる場合に、その場所等の便宜は図られているんですか。それとも、ご自分で皆さんが探すんですか。
【原子力災害対策本部(石川課長)】 従来、現時点でそこまで、例えば、ホテルの確保等といったことまでは、私ども、今、準備はしておりませんので、正直申しますと、いらっしゃった方に準備をしていただくということだと思うんですが、先ほどご説明しましたように、正直言いまして、先週これ始まって、まだ小規模に始まっておりますので、今後、人数の、やや人口の多い市町村が始まったりする際に、そういったような宿泊先の確保なども含めて、手配なども、こちらとしても考えなければいけなくなるケースもあろうかと思います。それは今後の検討課題ではないかと思います。
【能見会長】 ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。
【草間委員】 今、150人ぐらいの方たちが一時立入りで入っておられるわけですけれども、線量計の記録等はきっちり残していただいているでしょうか。検出限界以下の場合でも、きっちり残していただいているかどうか、その辺、ちょっとお伺いしたいのですが。
【原子力災害対策本部(石川課長)】 ええ。現地において、その一人一人についてチェックをして、数字をチェックした上で、どれぐらいの数字だったかというのは記録しておりますので、そこはしております。
【能見会長】 山下委員、どうぞ。
【山下委員】 一時立入りの準備の段階で、これから人が増えていきますと、当然、緊張した中で入るわけで、救護というか、医療のそういうバックアップの面のお考えはいかがなんでしょうか。
【原子力災害対策本部(石川課長)】 現地にも、医療関係の医師の資格を持っておられる方が、この中継地点に待機をしておりまして、もし、ご気分が悪くなった方などがいらっしゃった場合には、すぐに対応できるようにということはさせていただいております。初日、5月10日に立入りされた際は、ちょっと蒸し暑かったこともあって、3人ほどの方がやや気分が悪くなったということで、行って、戻ってこられて、それをおっしゃられました。お医者さんの方が、すぐ対応されまして、幸いにも軽くて、その場で大体、気分は治りましたということでございますけれども、おっしゃられますように、そこのところの対応は非常に重要だということではございまして、現地の本部長のほうから、地元の医師会なども含めまして、ご協力を要請、お願いを申し上げているところでございます。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
それでは、これで今の点についての説明、質疑応答は終わりたいと思います。
次に、福島県から、大熊町の町長、それから川内村の村長が来ておられますので、お二方にご説明をお願いしたいと思います。
【大熊町(渡辺町長)】 福島県の大熊町です。3月11日の震災後、原子力災害等で1万1,500人の全町民が、いまだ避難生活を余儀なくされております。この間、多くの皆様よりいただきましたご支援、ご厚情に改めて厚く御礼を申し上げます。
【能見会長】 どうぞ、お座りください。
【大熊町(渡辺町長)】 はい。
私たちは東京電力の原子力発電所建設以来四十数年、事業者の安全操業、国の徹底した管理のもと、日本のエネルギー産業を支えているという自負心を持って、国のエネルギー政策を支援してまいりました。
福島第一の1号機から4号機が所在している当町といたしましては、事業者の安全管理、国の検査、監督の状況を、安全協定に基づき、住民目線での監視をしてまいりましたので、今回の結果については、まことに遺憾であります。
3月11日には、津波により、町としまして、海岸線から3キロ以内の住民を避難させました。3月12日には半径10キロ圏外へ避難指示があり、ほぼ10キロ圏内に全町民が生活しておりましたから、3月12日15時には全町民1万1,500人が避難をいたしました。
避難当初は田村市さんに対策本部を立ち上げ、約6,000人が田村市周辺の避難所でお世話になりました。その後、田村市さん自体も一部の地域が20キロ圏内に含まれたことや、事態収拾が長期化することを予測し、4月5日には会津若松市にお世話になり、大熊町会津若松出張所を開設いたしました。
3月11日の津波では、8人が行方不明、建物の損壊が30件と、津波の被害といたしましては、他の被災された地域と比べましては少ないほうでした。現在では、町民1万1,500人のうち約4,000人が会津若松市周辺に避難しており、そのほかの福島県内に2,300人、県外に約5,000人、まだ連絡のとれていない方が170人で、安否については現時点では98.5%が確認されております。
現在の会津若松市周辺における避難状況ですが、二次避難場所として提供いただいております旅館、ホテルなど、約81カ所に4,000人が分散しております。大熊町は直接、他町において仮設住宅などを建設できないため、福島県が町にかわって県内の借上住宅約690戸、仮設住宅710戸の枠をいただき、順次、申込みを受け付け、移動が始まったところでございます。
ただ、仮設住宅につきましては、建設が始まった段階で、まだ用地の決まっていない部分もあります。幼稚園、小学校、中学校は、廃校を利用させていただき、分校として開校いたしました。このことにより、今後約1,000名程度、会津若松周辺で生活したい人が増えるのではないかと予測しているところでございます。
住民の思いは、何といっても原子力災害の事態収拾であります。収束プログラムは公表されましたが、いつ収束し、いつ、どのような形で戻れるのか、それぞれの思いで予測しておりますから、確固たる町全体としての収束・復興プログラムが示しにくい状況であります。大熊町は1つであり、全員が大熊町に戻るんだという意思のもとにメッセージを出しておりますが、分散している状況から情報が伝わりづらいのが現状であります。
原子力災害の賠償につきましては、大きく2点を踏まえた対応をお願いいたします。
第1に、仮払いを含めた早急かつ長期的展望に立った継続的な賠償をお願いしたいということです。第2に、精神的負担に対する賠償をお願いしたいというものもございます。
1点目について言えば、3月11日以前の町民の暮らしに戻ることを大原則として考えております。これらを踏まえて、まずは事態が収束し、大熊町に戻り、もとの生活を取り戻すまで、つまり戻った後、軌道に乗るまでをしっかりカバーした長期的展望に立った補償システムを早急に構築していただきたいと思います。しっかり示していただくことが、住民の安心感の確保につながると考えております。
他方、現実問題として、事業者や住民は日々の資金繰りに困っている状況にあります。補償システムの構築を待つことなく、事業者や住民に対する早急な仮払いをお願いいたします。
事業者に対する賠償は、農業、漁業、畜産業、製造業、サービス業の全事業者に対する、しっかりとした賠償が重要と考えております。当面の生活資金としての仮払いは各世帯単位で行われておりますが、事業者も当面の資金繰りや該当地域以外の従業員の人件費の支払いなど、事業の存続に直面しております。そうした中で、補償のシステムを構築し、月単位での仮払いを、ぜひお願いしたいと思います。
無利子の特別融資制度も用意していただいておりますが、どの程度補償されるのか、補償のシステムが明確になりませんと、安心して融資を受けられないという意見が多くございます。
具体的な例を幾つか申し上げます。
大熊町の特産品であるナシについてお話ししますと、ナシの木は、1年間手入れをしないと、病気や害虫の被害により再生不能になる可能性があります。そうなりますと、永年作物ですから、再開するためには、1度木を伐採し、底土を改良して、新たな苗木を植えまして、5年ぐらいから収穫ができましても、現状のとおりの収穫量に回復するには15年ほどかかります。また、生産用機械につきましても、長く置きますと再度使用することができません。これらをすべて勘案しますと、総額、1ヘクタール当たり6,000万から9,000万ぐらいになります。
また、当町には発電所から3キロ以内に5つの化学工場があります。そのうちの殺虫・病害防除等の製造企業は生産拠点を大熊に集約しており、会社の存続にかかわる状況にあります。1億円する日本に1台しかない製造機械や、たばこ栽培用の消毒剤の在庫が10億円分残したままになっており、持ち出すことができません。長引けば、他の地域へ工場移転も考えなければならず、用地の確保ができても、操業まで数年かかりますと、取引先離れや経営形態についての不安など、多くの問題が生じます。
このほか、キウイフルーツの生産、ヒラメの養殖場、サケのふ化場や個人商店に至るまで、全事業者が被害を受けております。まずは、早急な仮払いをお願いしたいと考えております。
また、住民に対しても、今後、借上住宅、仮設住宅の利用となりますと、生活費用も必要となりますので、生活資金としての仮払いを3カ月程度単位で継続をしてほしいと、そんなふうにも思っております。
次に、2点目の精神的負担に対する賠償ですが、収束の見通しがなかなかつけられない中、ふるさとを離れ、いつまで避難していなければならないのか、この先の見えない不安に町民は苦しんでおります。特に高齢者、病人にとっては不自由な生活を強いられております。この長期的な避難生活からくる町民の精神的負担に対し、十分な賠償をお願いしたいと考えております。
また、避難住民を受け入れていただいた自治体には深く感謝しておりますが、受入れに際しましては、実質的な費用負担が伴ってまいります。私どもがお世話になっている会津若松市では、12万6,000人の人口に4,000人が増えるわけですから、3%を超える人口増となります。ごみ、水道、下水道などの生活環境面などの応分の負担についても考慮願いたいと思っております。
また、会津若松周辺は、温泉と鶴ヶ城を中心とした歴史のまちでもあります。今回の事故による風評により、修学旅行や利用客のキャンセルが相次ぎ、主要産業である観光業が深刻な打撃を受けていると聞いております。損害賠償の範囲を検討することに当たっては、こうした受入れ自治体の配慮もあわせてお願いします。
以上、雑駁ではありましたが、現状について説明させていただきました。
繰り返しになりますが、事態が収束し、大熊町に戻り、もとの生活を取り戻すまで、つまり戻った後、軌道に乗るまでの長期展望に立った地域全体の復興に要する費用も含めた補償システムを構築していただきたいと考えております。そして、タイムリーに、継続した仮払いを実施することが、住民の安心につながると思っております。
多くの関係者の方々のご支援をいただきながら、何とか復興への道を歩んでいきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
では、引き続き、川内村村長、お願いいたします。
【川内村(遠藤村長)】 川内村の村長の遠藤雄幸といいます。このような機会を与えていただきまして、ほんとうにありがとうございます。
先ほど、一時帰宅について説明ありましたけれども、あえてつけ加えさせていただきますと、透明の70センチ掛ける70センチのビニールの中に、どんなものが持ち出されたかといいますと、実は、その家の位牌とか遺影なんかも、その中に入っておりました。さらには、もう持ち出す時間がなくてですね。なぜ、その時間がなかったかといいますと、ひょっとしたら、もう戻れないんじゃないかというようなことで、ビデオを2時間、泣きながら回していたと。で、持ってくるものもほんとうに少なかったというような話をされていました。それから、子どものリクエストが多くて、若い2人が自分のものを袋に入れるスペースがなくて、子どものだけでいっぱいになったというようなことで、非常に私も、そのような光景を見たり、お話を聞いて、胸が熱くなったというようなところであります。
このような機会でありますんで、その現状、現場の実情をお話しさせていただければなというふうに思います。私からは4つの点でお話をさせていただきたいと思います。
川内村は今、20キロ圏内の警戒地域と、それから緊急時避難地域の2つの地域に分断されております。一時帰宅は、その警戒地域の住民でありますけれども、そこに、1つの線によりまして、非常に住民感情が複雑に入りまざっております。
そういう中で、まず1点目は風評被害なんですが、私の村は畜産業、酪農がとても盛んなところでありまして、20キロ圏内においても、70頭から75頭の牛が飼育をされております。すべて、この辺は殺処分になります。実は一時帰宅のときも、そういうような牛の状況を見るために一時帰宅をしたというようなことを酪農家の人たちから伺っています。中には、もう既に亡くなって、牛舎の中で死んでいたと、とても見ることができなかったというような話をされております。
加えて準備区域ですけれども、ここは何とか飼育ができる、ある程度、自由度が高まって飼育ができるというところです。警戒区域1本で、実は200メートル先の牛が殺処分、手前の20メートルのところの畜産農家が飼育が可能な地域になるって、こういう現状が2つに分かれているというところをご理解いただければなというふうに思います。こういう中には酪農家がおりまして、乳を搾りながら、すべて捨てております。こういう作業を緊急時避難地域の酪農家はしております。
特に、今後、牧草をどの程度まで食べさせていいのかという不安があります。放射線レベルが、正確なポイントで、これから測定する中で、ほんとうに近くの牧草を食べさせていいのか、あるいは食べさせることによって、将来、風評被害が見舞われていくんじゃないのかというような不安の中で、実は今、酪農家は細々ながら、何とか飼育をしているというようなところもございます。
それから、もう一つ、私のところは森林王国と言われた、かつて王国と言われた地域があります。現在でも1億1,000万から1億3,000万の事業をこなしておりまして、とても村の今後の村づくりをする上で、やはり森とどうかかわっていくかということが、とてもそのキーワードでありまして、ですから、今のような状況の中で、将来、木材として、用材として売ることができるのかということが、とても心配です。
例えば、今、公有林が約7,000ヘクタールございます。これもすべて手をかけながら、用材として市場に出していたというような経過もございます。10年後、20年後、ほんとうに川内村のスギやヒノキが用材として求められることができるのか、あるいは放射線をかぶった材料が評価されるのか、この辺も非常に風評被害といいますか、心配なところです。
今、さらにバイオマスエネルギーとして、いろんな事業を展開しておりました。例えば、カーボンオフセットやJ-VERなんかの契約も進めようとしておりました。燃やすことによって、ほんとうに残った灰に放射線の影響はないのか、この辺も非常に心配なところでありますんで、ぜひ、その賠償の対象にしてほしいなというふうに思っております。
2点目は、先ほど大熊の町長からもお話ありました、精神的な損害であります。先ほどの牛の場合も、家族同様に育ててきた。確かになりわいの糧としてはいましたけれども、酪農家にとりましては、やはり家族の一員であるというふうに考えています。ですから、それを見殺しにするわけですから、この精神的なダメージははかり知れないだろうというふうに思います。
さらに、子どもは全村、郡山市に避難をしております。それから県外にも避難しておりますけれども、郡山市内に避難している子どもたちの例をとれば、市内の空き教室に子どもが入学をしておりますが、しかし、新聞報道にもありますとおり、屋外での運動ができないというような状況にございます。ご存じのように校庭や公園が放射線の影響を受けて、子どもたちを遊ばせるような環境ではないということで、保護者も、そして学校側も、実は心配をしていると。現実的に郡山市内は、グラウンドの土の表面を剥いでいるというような状況でありまして、これはただ単に郡山市だけの問題ではなくて全県的な、教育の現場では、まさに翻弄されているというような事実でありまして、こういう子どもたちの精神的なストレスも、当然、損害賠償の評価になっていくんだろうというふうに思います。
こういう風評被害、それから精神的な被害というのは、今回の原子力被害の最たるものではないんでしょうか。こういうところを、ぜひ、委員の皆さんには、しっかりと、その評価をしていただきたい。ただ単に画一的な線引きで、あるいは数字にあらわれないというところで評価をされないということはあってはいけないなというふうに思っております。
それから、3つ目。私のところの川内村は、富岡町の避難先になりました。12日に富岡町の町民が約6,000人、3,000人の川内村に避難をされてきました。が、しかし、原発の状況、さらには燃料の枯渇、そして、最もその情報の手段として使われていた電話が不通になってしまった。さらには、村内に1カ所しかなかった診療所が、先生の疲労で閉鎖をしなければいけない。こういう中で、富岡町民を受け入れて、炊き出しをしたり、物資の搬入ができる。そのときに屋内退避の指示が下されました。屋内退避で、どうして富岡町民のお世話をしていくことができるのかというようなことで、実は16日に自主避難しようということで、村民、そして富岡町民を含めて、郡山のほうに避難をしたところであります。
これは、1つは川内村の例でありますけれども、実は福島県は、区域の中には、自主避難しようか、あるいはとどまるかというようなところでは、非常に判断を迷っていたというような自治体がございます。踏みとどまっても、多分、今、現実的にこの30キロ圏内の近くにいる町村の人たちは不安でいっぱいなんだろうというふうに思います。どうか、この辺の自治体のありようも評価をしていただければなというふうに思います。
4つ目は、双葉郡全体の復興の問題であります。先ほど、原発の立地町である大熊町の町長もお話しされたように、不安の中で、いつ帰れるかわからない。こういうところは、まさにストレスなんです。それで自治の崩壊につながっていくんではないかって、とても心配しております。その土地に人間が住まない。これでほんとうに自治が運営できるのか、あるいはコミュニティが形成されているのか。将来、例えば、最初の1年、2年はいいでしょう。これが3年、4年、5年となれば、私は自治の崩壊につながっていく、そんな気がしてなりません。こういう現場で、実は首長が、日々さまざまな判断をしていかなければいけないというのが、今、避難生活をしている現状であります。ですから、結構に向けて、やはり短期だけではなくて、中長期的な損害の補償は、これはもう必ず必要だなというふうに思っております。
範囲、それからその額の確定においては不確定な部分もあろうかと思いますけれども、どうか幅広く、そして長期的な視点に立って、ご判断を願いたいなというふうに思っております。
そのところに人が住まない。これはやはり住むことができない、大きな、これからの自治を預かる立場としては問題だなというふうに思っております。
以上です。
【能見会長】 どうもありがとうございました。
それでは、委員の皆さん、何かご質問がございましたら、お願いいたします。
【田中委員】 先月の一次指針で、精神的損害というのを補償の対象にすべきだというふうに私どもは出したわけですけれども、今、具体的にいろいろお聞きしまして、特にその中での、この精神的な損害をどういう形で補うかというか、そこのところが、ぜひお聞かせいただきたいのは、お金だけじゃないような気がするんです。前回も議論していますが、放射線というものに対する、いろんな精神的ストレスというのも相当大きくて、これはお金だけでは、多分、解決できないようなところもありますので、そういったことについても、具体的に、今後、国のほうで対応すべきことのようにも思いますが、そのあたりについてのご意見をお聞かせいただけますでしょうか。
【川内村(遠藤村長)】 一次指針の中で、風評被害、それから精神的な損害について検討する余地があるという文言がありましたよね。僕は非常に正直がっかりしました。実存する部分については、すべて、ある程度……。ある程度って、納得する程度で、私は網羅されているというふうに思いましたけれども、この精神的な部分、それから風評についても、二次指針では、きちんと文言として加えられるというふうに期待しておりますけれども、一次指針では、非常にその部分ががっかりしました。こういったところを、どう数字であらわしていくかというところは、やっぱり専門的な立場の人たちが、当然、相手は東京電力、民と民との交渉になると思いますけれども、しっかりと、その辺は評議をしていただけるというふうに期待をしております。ですから、ぜひ、僕や大熊町長だけではなくて、現場で、まして行政のトップというわけではなくて、住民の人たちから直接お話聞く機会もあれば、また違った評価の仕方もあるのかなというふうに思います。
【能見会長】 今の質疑応答とも関係いたしますけれども、精神的な損害の賠償というのは、非常に大きな今回の項目だと思います。この種の損害を賠償していくという大きな方向は委員の中で共通した意見だと思いますけれども、今日の話を伺っていて私が1つ感じた点がございます。 それは、精神的な損害の中にも、いろんなタイプというんでしょうか、今日もペットを失うことによる精神的損害とか、あるいは先ほど子どもの精神的損害の特殊性という話もされまして、こういういろんな特殊といいますか、ある程度は類型化できるけれども、ごく普通の避難をしていることによる不便からくる精神的損害以外のいろんな精神的な損害があると思いますので、もし、お二方、精神的損害について、こういう点を強調したいということがございましたら、先ほど既に、ある程度、話を伺いましたけれども、さらに何かあれば、補足していただけるとありがたいと思います。これこそほんとうに避難されている皆様が一番切実に感じる点だということがあれば、お願いします。
【大熊町(渡辺町長)】 私たちも、今、現在はホテル、旅館等に一時受入れをされていますが、最初の1カ月間くらいは、体育館の中で生活をいたしました。そうしますと、ほんとうにちょっとした些細なことでもって、すぐトラブルが起きたり体調不良を来す。そうすると、精神的にいろいろ疲れた人が、夜、徘徊なんかすると眠れないとか、こういういろんなことがありました。確かにお金だけではかえられない面もありますが、何とか、そういう点を、現場の姿というのを実際見ていただいて、それがどういうような形で救われるのかなと。生きがいもあるでしょうし、確かに希望を持たなきゃならないというのもあるんですが、先が見えないし、いつまでこういう生活続くんだというだけでも、ものすごい精神的に苦痛になるわけです。我々、現場を預かる者として、川内村長さんと同じなんですが、いつ帰してくれるんだとか、正確な情報が欲しいんだとかって、いろいろ要望がありましたが、これらを何とか救ってあげたいといいますか、何らかの形で、やっぱり面倒見てあげたいなと、そういう思いは大変強いところであります。
【川内村(遠藤村長)】 ほんとうに困難なといいますか、避難生活に耐えるのは、ただ単に体を維持するために食料が満たされているとか、それから生活用品が充足されているだけではないなと思います。やはり最も大切なのは、その先にある光が見えない。これが一番、言いかえるならば、希望といいますか、そういったものがないと、避難生活には耐えることできません。こういう希望とか暗やみの中の光をどう数字であらわすかというのは、私には今そのすべはありませんけれども、委員の皆さんだったらば評価をしていただけるんではないかなというふうに思います。
【能見会長】 ほかの委員の皆さん、いかがですか。大塚委員、どうぞ。
【大塚委員】 福島県さんにさっきナシの話をしていただいた件について、ちょっと細かいですが、お伺いしたいんですが。
1度やめると再開に5年とか15年とかかかるというお話なんですけれども、これは他方で別の方法として、例えば、作付をやめるのではなくて、土壌改良に関して、政府のほうが何か指針を出していただいて、土壌改良の賠償をもちろんするということで、作付を続けていただくという方法も場合によってはあるかもしれませんけど、もちろん土壌改良についての賠償というのは、しないといけないと思っているんですが、そういう方法というのは、現実的には可能なのか。もちろん30キロ圏外の警戒区域外のところの話で、今後、もし放射性物質が、また何か出てくるようなことがあると、またちょっと違ってくると思うんですけど、今の程度であった場合に、そういう方法というのは可能かどうかというのを、ちょっとお伺いしたいんですけど。
【大熊町(渡辺町長)】 植えかえるというのは、今、成木になっております。もう何十年とたっておりますので、それが1年間放置された場合、虫等に遭って、虫に回されて、枯れるといいますかね。あと剪定とか病害虫の消毒しないと、そのまま放任させておきますと、1年とか1年半になると、もとに戻るというのが不可能というか、そういう事態になるわけです。ですから、そうすると、もう一回、伐採して植え直すというような作業を余儀なくされるというと、先ほど話したように、一からやり直すというと、1年……、植えてから5年とか、1年前の収量を上げるには10年とかという、そういう長期スパンになると、そういう心配があるわけです。
【大塚委員】 警戒区域外の話だと思うんですけれども、そうすると、1年間放置しないような方法があるかということなんですけど、土壌改良とかをして、1年間放置しないようなことは、方法としてはあり得るのかどうかを、お伺いしておきたいんですが。
【大熊町(渡辺町長)】 そうですね。早く避難解除になって、帰って作業ができるようになれば、それも可能なんですが。ですから、一日も早い事態の収束を願っているところでございます。
【大塚委員】 警戒区域内の話を。
【大熊町(渡辺町長)】 警戒区域内です。
【大塚委員】 そうですか。はい。わかりました。
【能見会長】 ほかによろしいでしょうか。
本日は、どうもありがとうございました。いろいろ参考にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
【大熊町(渡辺町長)】 どうもありがとうございました。
【川内村(遠藤村長)】 どうもありがとうございました。
【能見会長】 それでは、引き続きまして、関係諸団体からの説明をお願いしたいと思いますが、最初には商工関係の団体ですか。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 最初は、全国商工会連合会からでございます。よろしくお願いいたします。
資料でございますが、ちょっと順番が違っておりまして、資料1-3でございます。
【全国商工連合会(田子副会長)】 私は中小企業・小規模事業者の被害状況の現状について、説明させていただきます。ご紹介いただきます福島県商工会連合会の田子といいます。また、全国連の副会長も仰せつかっております。そういう立場から、今日はお話しさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
私の地元の福島県はもちろんのことですが、周辺部及び全国各地に風評被害が拡大しておりまして、商工会の会員であります中小・小規模企業者が苦境に立たされている現状を理解していただきたいと思います。
資料1ページをごらんいただきたいと思いますが、全国には1,719カ所の商工会があります。加入数は約90万、福島県の場合は89の商工会員でありまして、2万4,000の会員であります。計画避難区域及び緊急時避難準備区域には12の商工会がありまして、約3,000名の会員企業がありまして、そのほとんどが中小零細企業であります。
それから、資料3ページをごらんいただきたいと思いますが、福島県においては、風評により、産品・事業者が敬遠され、受注が激減しております。茨城、栃木、千葉など、一定基準以上の放射性物質が検出された地域においても同様の被害が生じております。海外からの風評被害により、観光業や輸出関連事業を中心とした、北海道から沖縄まで全国で被害が生じております。
次に、資料4ページをごらんいただきたいと思いますが。福島県においては、産品の風評被害、そして事業者の風評被害、風評被害による物流の阻害、そして観光への風評被害によって、中小・小規模事業者は大きな被害を受けております。トラックが来ないため、原材料が入手できない、製品が出荷できないといった物流に関する風評被害も営業損害に含まれるべきだと考えております。
また、福島近隣地区の風評被害の現状でありますが、ここは資料6ページをごらんいただきたいと思います。茨城、栃木、千葉などの関東8県においても、放射性物質の検出などが報じられることにより、福島県同様、県自体のイメージの低下につながっておるということであります。
その他の風評被害のことでありますが、7ページに記載されているとおり、原発から遠く離れた北海道から九州に至るまで、日本全体の領域において風評被害が発生しております。特に観光業においては、外国人旅行者の激減、輸出関連産業の海外の顧客離れ、そういうことが深刻な状態に陥っております。外国からの風評被害は、全国の事業者に対して絶大な影響を及ぼしており、国内の消費者、事業者による風評被害と同様に扱うべきではないでしょうか。
また、風評被害以外の間接損害についてでありますが、8ページにお願いしたいと思います。指示・制限地域内における顧客がある事業については売掛金が解消できなかったり、受注が激減するといった風評被害以外の、いわゆる間接被害が発生しております。一次指針では、間接被害についても検討するべきだと言っておりますが、今後、確実に検討していただきたいと思います。
次に、放射能の検査に係る費用であります。資料9ページをごらんいただきます。
製造業を中心に、顧客から放射能物質の検査や、汚染されていないことの証明を求められており、費用が中小企業の大きな負担になっております。海外だけでなく、国内の取引先から検査を要求されることもあるということでありますので、さきに述べたとおり、海外か国内を問わずに、検査指標の設定をすべきであると考えております。
移転の追加的費用についてでありますが、中小企業が雇用などを守るために、指示・制限区域内から事業所や工場を移転する際には、土地や機械の不足など、大きな費用が発生し、企業の大きな負担となっているため、営業損害として認めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、避難指示等の解除後に、事業に必要な資産をもとの場所に戻すための費用についても含まれるべきであると思います。
確認事項でありますが、不動産や機械設備が一定期間使用できなかったといった財産価値の喪失については、一次指針においては明示的に書かれていないが、このようなことをどう扱うのか、商品と同じ扱いにしてよいのではないかと思っております。
その他の件でありますが、一次指針においては、営業損害など継続的に発生し得る損害の放棄、ページ、3ページですが、事業の廃止や倒産に至った場合の損害などの算定方法について、財物が商品である場合には、価値の損失または減少については、蓋然性の高い状況に想定できない場合の手法について今後検討するとされていますが、どうなのでしょうか。二次以降で検討するのであれば、積み残しリストを作成したほうがよいのではないかと思います。
審査会についての要望でありますが、説明したとおり、原発事故の現状は非常に広範囲に及んでおり、中小・小規模事業者は苦境に立たされております。審査会においては、本日、説明した風評被害や、その他損害の認定に当たり、地域、業種、被害内容について、できるだけ広い範囲で認めていただき、かつ迅速に補償されるように審議をお願いしたいと思います。
また、一次指針で検討課題となっておりました精神的損害や事業の廃止、倒産に至った場合の損害等の算定方法について早急に細部を詰めていただき、一刻も早い中小企業の補償を受けられるようにお願いしたいと思います。
今まで農業関係、漁業関係ばかりマスコミに取り上げておりまして、我々も行動を起こしておるわけですが、ようやく中小企業の損害等について、皆様から、こういう場をいただいたことを感謝申し上げたいと思います。また、国会の先生なども、中小企業を、この前の予算委員会で初めて取り上げていただいたものですから、我々も安堵の気持ちを持っているところでありますが、その期待にこたえられるような、どうぞ二次指針を出していただければと思っております。
私も体にむちを打って、16日間、福島県内をすべて被害の状況を視察、見舞いに歩いてきました。現場を見ますと、ほんとうに悲惨な状態であります。この状況を、まずもって、少しでも安堵の気持ちに持っていかれるように、私が一生懸命、皆さんとともに頑張りたいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
以上であります。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 続きまして、日本商工会議所でございます。では、お一人残っていただいて、質問は後でまとめてお願いします。資料は、ちょっと資料番号を打ってないのですが、一番厚みのある、横長の資料でございます。
【日本商工会議所(青山理事)】 日本商工会議所でございます。こうした機会を設けていただきまして、ほんとう、感謝申し上げます。
お手元の資料、資料番号を振っておりませんけれども、この資料に基づきまして、ご説明させていただきます。座って説明させていただきます。
お開きいただきますと、2ページ目に、構成というものが書いてあります。大きく3つに分かれております。1つ目が、指示・制限等の対象区域の被害、それから2つ目でございますが、福島県における被害、3つ目でございますが、全国における被害、参考としまして、一番最後に、私ども日本商工会議所が4月26日に大臣要望として提出しました「原子力発電所事故に関する要望」を添付させていただいております。これに基づきまして、説明させていただきます。
まず、3ページ目でございますが、ごらんいただきますと、実は、この30キロ圏内、一部20キロ圏内を含む南相馬市というところでありますが、こちらを管轄地区とします原町商工会議所という商工会議所がございます。地域の中小企業からは、下段にありますマル1、マル2、マル3などといった声が非常に多く出ております。
この地区の商工業者数ですが、約2,500でございます。中小企業者が、そのうち2,540、そのうちのほとんど、約8割が小規模事業者、おおむね従業員5人以下の小規模事業者というような構成でございます。
次、4ページをお開きいただきたいと思います。ここから具体的な営業損害について、お話をさせていただきます。
4ページのマル1にございますとおり、実は原発事故で売上ゼロにもかかわらず、家賃、人件費、減価償却、金利などの固定費がかかっているんだというような声が非常に多うございました。また、売上げがある場合でも、その減少額でございますが、例えば、マル2のとおり、1億円を超える、マル3では四、五千万円に達するなどといった、具体的な損害額も声として上がってきております。
特に、ここで強調させていただきたい点でございますが、この損害が既に長期にわたっております。2カ月たちました。今後も長期化が見込まれておりますので、これを踏まえますと、固定費は損害であるというふうに私どもは認識しております。第一次指針におきまして、営業、取引等の減収分は、「売上高-売上原価」(逸失利益)としておりますが、家賃、人件費、減価償却費、金利などの固定費は営業損害というようなことでありますので、何とぞ、これを明確にしていただきたいというふうに思っております。
続いて、5ページでございますが、ここは従業員の維持に関する追加的費用の発生に関する3つの事例を取り上げさせていただきました。これらも営業損害として整理していただく必要があろうかというふうに思っております。
6ページでございます。営業拠点の移転に関する事例でございます。
移転は、移転そのものの費用だけではございません。新たに土地とか建物、代替設備の購入も営業損害に係るというふうに思います。また、仮にもとの場所に行って再スタートができるというふうになってまいりましても、そのための費用がかかってまいるということでございます。
7ページでございます。7ページは、物流の停止、金融など公共サービスの機能によって逸失利益をなくしたというような事例でございます。また、これに係りまして、これに関して、非常に交通費、ガソリン代の経費というものが追加的にかかっているというような声が出ております。
8ページに移らさせていただきます。
そのほかにも、いろいろな方法、多種多様な損害事例が見られます。例えば、動産、不動産を問わず、そういうものが使用できない。それに関して、それに係る売上とか費用の発生、また納入する商品の検査費用とか除染費用、そういうものもかかっているということをご認識賜れば幸いでございます。
続きまして、9ページでございますが、福島県における被害でございます。
この大きく太字で書いておりますとおり、福島県内全域で、直接・間接の被害、風評被害等の損害が広範に発生し、また、それが継続しているというようなことを申し上げたいというふうに存じます。
マル1にありますとおり、論議に時間をかけ過ぎて、このままでは企業がもたないという声も出ております。
それから、マル4にありますとおり、原発事故による売上減、取引停止などの営業損害は甚大だというような声も非常に多く出ておる次第でございます。
10ページに移らさせていただきます。10ページは、これは警戒区域の事業者と取引がある場合、また、出荷制限にかかわる品目を扱っている場合などの直接・間接の被害でございます。
マル2をごらんいただきますと、得意先が20キロ圏内にあり債権回収の見込みが立たず、あきらめていると。全農と取引があったが、激減していると。こういうような声も寄せられております。
それから、11ページでございますが、こちらは風評被害でございます。「フクシマ」というふうに片仮名で書かさせていただきましたが、「フクシマ」というだけで取引が拒絶されるということが起きております。これに伴って追加支出を余儀なくされているということで、これも継続的な損害をこうむっているというような事例でございます。
一番下のマル5でございますが、中国向けの輸出もストップしていると。このままだと従業員が7人いるけれども、雇用を継続できないという声が寄せられております。
続きまして、12ページでございます。同じように風評被害でございます。こちらでマル9というものをごらんいただきたいと思いますが、福島ナンバーの車が売れないというような声でございます。
それから、マル12でございますが、放射線が0.3マイクロシーベルト以上ある金属を引き取ってもらえなくなった。洗浄作業が必要になったというようなことでございます。
それから、13ページをごらんいただきますと、同じく風評被害でございますが、この20番をごらんいただきますと、福島県に在住あるいは事業所を所有する者は皆ことごとく被災者であるという認識のもとに対策をとっていただきたいというような強いお声をちょうだいしております。下の段をいっていただきますと、取引の拒絶、キャンセルなどの営業損害は多種多様にわたっております。このことを十分ご認識いただければと思います。当然ながら売り上げ減少が甚大であるということでございます。
14ページでございます。14ページは物流の障害による被害でございます。実は国内の物流業者が被災地域への輸送を拒否するというような事例が非常に起こっております。これに基づきまして追加的な費用が発生しているということです。
マル2をごらんいただきますと、静岡の現場に家具を発送したところ、運送会社のトラックが立ち入りを拒否された。やむなく他県ナンバーのトラックに積みかえて納品したというようなことでございます。
15ページでございますが、ここからは観光に関する風評被害でございます。外国人観光客がゼロとなり、国内観光客も激減。休業状態で事業継続の瀬戸際に立たされているというような非常に強い危機感が寄せられております。
マル1をごらんいただきますと、3月11日から4月10日までの1カ月間の売り上げは前年比79%の大幅減少であるというようなことです。
マル3をごらんいただきますと、震災後、4~5月に入っていた予約がすべてキャンセルになってしまったというような事例もございます。
16ページ、17ページでございますが、同じように観光に対する風評被害でございます。
マル7でございますが、4月の行事予約はすべてキャンセル。ドライバーの人件費を捻出するのも容易ではないというような切実な声でございます。
それから、17ページでございますが、これは放射能汚染の検査による損害でございます。
マル1に書いてありますとおり、実は検査費用は1回3万円、工場は3カ所で週9万円かかる。もう既に40万円以上を支出しているというようなこと。
マル3には、アメリカ、中国などへ輸出商品が今は一切受け付けられないというような酒造会社の声も出ております。
続きまして、18ページでございます。同じように放射能検査の事例でございます。
それから、19ページは、その他ということでございますが、これをごらんいただきますと、マル1に中国人研修生が35名いたけど、16日に帰国したままというようなことでございます。
マル2、リースをしようとしても、福島の企業はリースではなく買い取りを要求されるというような案件も出ております。
続きまして、20ページをごらんいただきたいと思います。3番目でございますが、全国における被害は大きく4つにまとめさせていただきました。1つ目は、今回の事故による被害は全国に及んでいるという点。2つ目は、福島県内と同様の損害類型が全国で生じているという点。3つ目は、海外取引上の障害の発生事例は顕著であるという点。4つ目でございますが、先ほども観光客に触れましたが、特に外国人観光客の激減による損害が深刻であるというような点を強調させていただきたいと思います。
具体的にご説明させていただきますと、21ページ、直接・間接の被害でございます。警戒区域内に生産拠点とか取引がある場合は非常に深刻でございます。
マル1の事例でございますが、外注先に金型を預けて製造していただいておりましたけれども、人が立ち入れないので金型を返してもらえない。やむを得ず新しい金型をつくった。このつくった代金が数百万かかったというようなものでございます。
22ページをお開きいただきたいと思います。こちらからは外国人の帰国や海外取引上の損害に対する被害でございます。
マル1をごらんいただきますと、日本語専門学校。これは東京の事例でございますが、大多数の在校生、新入生、合計約190名が一時期国かキャンセルで帰ってこないというような話をちょうだいしております。
23ページも同様のものでございます。いろいろな多種多様な損害が出ているということをご承知いただけるかと思います。
続きまして25ページ、飛ばさせていただいて恐縮でございます、25ページをお開きいただきたいと思います。25ページは観光に関する風評被害でございますが、外国人観光客の激減は特に深刻でございます。
マル2をごらんいただきますと、日光は原発から130キロ離れておりますが、外国人観光客がゼロになったというような話も出ております。特に大手旅行代理店のツアーがすべてキャンセルになっていると。老舗ホテルが30億円の負債を抱えて倒産に追い込まれた。こういう事例も発生いたしました。
続きまして、27ページをごらんいただきますと、こちらはご承知のとおり、各国の日本渡航に関する勧告等の状況を簡単にまとめさせていただきました。ここに示しておりますのは、いずれも我が国にたくさんおいでになっている観光客の国々でございます。こうした勧告等の状況がございまして、3月の訪日外客数は前年同月比で50%減というようなことになっております。
以上の点でございますけれども、最後に、第二次指針の策定に向けて3点お願いしたいと思います。
1つは、被害が長期化しているという点でございます。一言で2カ月と書いておりますけれども、中小企業にとっては非常につらい2カ月でございました。致命的なダメージが来ております。特に家賃や人件費などの固定費を損害とする必要があると再度お願い申し上げたいと思います。
それから、第2でございますが、被害が多種多様にわたっているということでございます。この資料は私どもが最近まで、直近まで調べ上げたものでございましたけれども、これ以後もいろいろなタイプのものが出てくるかと思います。こうした事例を、また私ども交付させていただきますけれども、今後出る事例に対しても対応できるような策定をぜひともお願い申し上げたいと思っております。
それから、第3点でございますが、風評被害についてでございます。この資料でも風評被害という言葉を使っておりますが、因果関係が明らかな直接・間接の被害と同じ実害ととらえたほうが正確ではないかと私どもは考えております。海外取引の障害や外国人観光客の激減の要因は、うわさではなく諸外国政府の対応によるものと思っております。
本日ご出席いただきました委員の皆さんにおかれましては、二次指針の策定に当たりまして本日ご説明いたしました中小企業の被害の状況を踏まえまして十分ご審議いただきますよう改めてお願い申し上げまして、商工会議所の説明を終わらさせていただきます。
ありがとうございました。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 続きまして、全国中小企業団体中央会、お願いいたします。資料は1-4でございます。
【全国中小企業団体中央会(瀬戸理事・事務局長)】 全国中小企業団体中央会でございます。本日はこのような発言の場を設けていただきまして、まことにありがとうございます。それでは、座って説明をさせていただきます。
私どもの資料でございますけれども、「中小企業の被害の現状について」ということで銘打ってございます。私ども中小企業団体中央会、皆様方、商工会、商工会議所はよくご存じかと存じますが、中央会組織というものについて、ぜひご理解を賜りたいと思いまして、2ページのところにその組織を書かさせていただいております。私ども全国中小企業団体中央会のもとに各都道府県中央会が1つずつございます。そこに連なっておりますのが各経営者の方々で組織をし、その組織を通じた中小企業の振興・発展を図る、こういうことでございます。商工会、商工会議所さんは個別の企業への支援、私どもは、ここに掲げてありますような組織を通じましての中小企業支援ということでございます。全国で約3万組合がございます。そして、私ども直接の会員となっております全国地区の協同組合等が約380団体ございます。そこに加盟されております中小企業者の方は約300万社ということでございます。
3ページになりますけれども、支援体制ということでございまして、私ども全国中央会には指導員・職員が44名、そして都道府県中央会には指導員・職員が約1,000名ということでございまして、ここに掲げてありますような支援を行っているということでございます。
協同組合のイメージということでございまして、組合員企業が連携・組織化を図りまして、共同仕入れでありますとか、共同生産・加工、あるいは共同販売・共同受注というものを通じまして、個々の中小企業者の経営の発展に努めているということでございます。後ほどご発表があるかと思いますが、全国石油商業組合連合会さんも組合組織の1つということでございます。
5ページ目でございますが、福島県におきます30キロ圏内に組合事務所が所在する組合及び組合員企業というものを掲げてございます。
組合数といたしましては58組合。この別紙で1枚つけさせていただいておりますが、個別の組合はこちらのほうをごらんいただければと思っております。福島県内に組合事務所が所在しておりますのが693組合、それに対しまして30キロ圏内が58組合ということでございまして、8.4%ということでございます。
この58組合のうち30キロ圏内において事業所がある組合員数ということでございますが、1,458社、福島県内に所在いたします企業は7万2,856と、これは総務省統計でございますが、これに対する比率が2.0%ということでございます。
3ポツに書いてございますのが、上記58組合以外で30キロ圏内において事業所がある組合員数、すなわち所属する組合の事務所は30キロ圏の外ではあるものの、30キロ圏内に組合員としての中小企業者がいらっしゃる事業所というものが約6,000弱という数字があるということでございます。
その下の主な原子力災害に係る事業損害の状況ということでございます。私ども、個別企業におきます被害状況等々につきましては、先ほどご発表のございました全国商工会連合会、あるいは日本商工会議所さんの個別企業の被害状況等々の認識につきましては同一でございます。
私ども、先ほど申しましたとおり、組合組織というものを支援対象としております。この組合におきます被害状況ということで、1つが協同組合サンプラザという組合組織、共同店舗がございます。これは9ページのところに、その概要を記載させていただいております。中小商業者の方々がお集まりになりまして共同店舗というものを運営し、その中でご商売をされているということでございます。9ページにございますとおり、年商が約6億2,600万というものがありましたが、この震災のために震災以降は休業状態ということでございます。
それから、もう一つが富岡地区製材協同組合。これも10ページのところに、その概要を記載させていただいております。双葉郡の富岡町にございます。これは共同生産を行っておりまして、その組合としての売上高が約3,000万円ということでございますが、避難指示のため共同施設が停止ということでございます。そこで材料を提供しております組合員も事業活動停止ということで、10ページにも書いてございますとおり、組合員企業5社も同時に休業という状況ということでございます。
それから、間接被害でございますが、協同組合いわき水産加工センターからの報告によりますと、納品と今後の取引を取引先から断られた。あるいは相馬市の広告代理業におきましては、売り先が南相馬市、浪江町、富岡町の業者が多く、売掛金が回収できない状況である。仕入れ先の支払いに追われているという状況でございます。
それから、これもいわき市でございますが、コンクリート圧送工事業ということでございます。県外で工事を受注しようとしておりますが、福島というだけで敬遠をされてしまうという報告がなされております。
それから、7ページでございますが、これは福島県以外の県の状況ということで記載をさせていただいております。
四国のタオル、愛媛県でございますが、組合員がイタリアに輸出をした際、イタリア税関で放射能汚染の疑惑でストップがかかってしまった。現地の輸入代理店経由で放射能検査を依頼して税関を通過できましたが、新たな販路開拓先の初出荷という状況で、今後のことが非常に危惧されるということでございます。
それから、高知県の自動車リサイクル協同組合におきましては、輸出車両におきまして放射能検査が求められて、1台当たり4~5万円の検査費用が実際にかかっているということでございます。
それから、岡山県から2つございますが、精麦、青果卸売業それぞれ、茨城県産の原麦が出荷停止になっていると。茨城県産で製造した製品は納入先より事前拒否されている。あるいは風評被害によりまして群馬県産の生しいたけが販売できなくなっているというような報告もされております。
それから、同じように、下の8ページでございますが、宮城県の漬け物、あるいは山梨県の甲府市からも、このような被害状況の報告がなされております。
それから、その他でございますが、田村市の縫製業におきまして、取引先のスポーツメーカーから福島県内の製造品は嫌われるため、旅費・宿泊費をかけて県外への工場移転を検討しているというような状況でございます。
先ほど商工会、商工会議所さんからもるるご指摘がございました。やはり風評被害、間接被害というものが全国に及んでいるということでございます。必ずしも福島県、あるいはその周辺の県だけではないということにぜひご理解を賜りまして、中小企業の損害賠償等々につきまして、ぜひご理解を賜れればと思っております。
以上でございます。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 あともう一つ、次、全国石油商業組合連合会、お願いします。資料は1-5でございます。1-5と番号を書いてないのですが、白い横長の紙でございます。
【全国石油商業組合連合会(河本専務理事)】 ご紹介いただきました全国石油商業組合連合会の河本でございます。ガソリンスタンド業界の団体でございます。
おそらく、震災直後からガソリンスタンドに並ぶ車の列というのがテレビ等で相当報道され、また、被災地における灯油がなぜ来ないんだということで皆さん方に相当怒られたということもあって、石油の重要性ということから呼ばれたんだろうと思っているわけでございますが、資料を見ていただきますと、2ページでございますけれども、主要被災地におけるSS被害状況ということでございまして、これは原発だけではございませんで、福島県の下に37というのがございますが、被災関係4,500のガソリンスタンドのうち1,100、4分の1から5分の1が全壊、浸水、破損ということで津波と地震でやられてしまった。そのおかげで車の列が並んで大問題になって、緊急車両と一般車両の取り合いになって大変大きなことになったわけでございます。
3ページでございますけれども、この地図にございます数字はガソリンスタンドの数でございまして、こういう形で存在しておったということでございますが、南相馬と広野町につきましては、一たんは出ていったわけでございますけれども、その後の要請でまた戻ってまいりましたということで、当初は48でしたけれども、今は37が休業中ということになってございます。
そこで5ページでございますけれども、緊急時避難準備区域に所在しているSSのケースということで、先ほど申し上げました南相馬市、この販売実績というのが数字でございますが、これはある1つの事業所の例を土日にかけまして収集いたしまして、どのぐらい減ったのかなということの数字を載せてございます。以下同様でございますけれども、戻ってきたのはいいんだけれども、一部の住民も戻ってきておられるんですけれども、やっぱり取引先企業の撤退、通行車両の減少ということで、このぐらいの数字が1年前に比べて減っているということをお示ししたくて数字をつくってきたわけでございます。
6ページが規制区域の近隣にあるSSということでございまして、当初の2ページのところに絵がありましたけれども、小野町という、3ページでございますが、左下のほうにぐるっと丸めてある地域がございます。この地域を見てまいりましたところ、やはり通行車両や県内外からの観光客の減少で、このぐらい販売数量が減っているということでございました。この辺はリカちゃん人形の製造工場見学というのが大変大きなところでございまして、この影響が大きいことと、滝根鍾乳洞というのがございますが、これについての来県客が非常に減ったということで、半分ぐらいが販売数量が減少しているということでございます。
それから、7ページでございます。今度は規制区域から遠く離れているSSのケースということで福島県の郡山でございますけれども、この辺も実は調べてまいりましたら、放射線量のモニタリングで20~30キロ圏よりも放射線量が多いと。0.9マイクロシーベルトで川内村の倍ぐらいあるということがオープンになっているわけでございます。そうなってまいりますと、例えば三菱電機郡山支店とか、ミサワホームというところの支店が撤退をしておりまして、規制区域の外なんでございますけれども、その結果、例えばガソリン、軽油・灯油が減っているということでございます。
8ページが今度は福島県のいわき市でございまして、これは取引先が逆に規制区域内にあるということで入れないということで、軽油・灯油の販売が不可能になってきたということでございます。あるスタンドの販売実績を見ますと、軽油については53%の減、灯油については8割の減というところで、入れないものですから売掛金の回収もできずにいる、こういうことでございます。
9ページは、もっと遠くの茨城県の大洗。ここは第一原発から130キロ離れているんですけれども、やっぱり同じように観光客が減少しておりまして、国営ひたち海浜公園、茨城の空港、有名な茨城空港でございますけれども、今や半分以下になっていると。筑波山、大洗水族館は、このような状況でございまして、それに伴って販売実績が減少しているということで間接被害ではないかなと思っております。
私どももやっとデータを収集したところでございまして、これから、また皆様方のご支援を得てサポートしていただければありがたいと思ってございます。
ありがとうございました。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 ここで商工関係が一段落いたします。
【能見会長】 それでは、ここが1つの区切りだそうですので、ご質問等ございましたら、お願いいたします。
はい、どうぞ。
【草間委員】 今、放射線あるいは放射能測定に1回に3万円から4万円かかると伺って大変びっくりしたのですけれども、風評被害を防ぐためには放射線が測定できるという、この特徴を活用するというのが大変重要だと思います。測定のときに、きっちりトレーサビリティのとれた計測機器ではかって、それぞれ環境試料についてはどういう形で採取し測定するかという手順等は、原子力安全委員会から出されました環境モニタリング指針というのがあるわけですので、きっちりそういったマニュアル等に沿って測定されたデータをもって判断していくということが大変重要じゃないかと思います。
さっき検査費用が3万円から4万円もかかるということで大変びっくりしたんですけれども、こういった事故が起こる前の測定する施設としましては、各都道府県には環境センターがあって、それぞれそういったところで測定されてきました。あるいは、全国的な大きなものとしては日本分析センター等があるわけですけれども、サーベイメーターを持っていって簡単に測定しました、だから幾らですというような数値が、マニュアル等、あるいは規定に沿わないで測定されたものが公表されていってしまうと、ますます風評被害が広がっていってしまうように思うんですね。だから、行政ではこういった測定機関がどのくらいの数あるかということをどれだけ把握しているかちょっとお聞きしたいんです。
【全国中小企業団体中央会(瀬戸理事・事務局長)】 その件につきましては、この情報をいただきましたのが、わりと震災直後的なタイミングのところがありまして、まだ検査機関というものが明確に把握されてないという面もあったかと思います。これから私どものほうも検査機関等々につきましての情報提供、中小企業社への情報提供等々につきましては、しっかりやっていきたいと思っております。
【能見会長】 ほかに。
【中島委員】 日本商工会議所の方に質問させていただきたいんですが、レジュメの4ページの営業損害のところなんですが、一次指針においては逸失利益の計算方法が売上高から売上原価を引くとなっていて、ここの指摘があるんですが、一次指針では正確に言うと払わなくてもよくなった原価を引くという表現だったと思うんです。ですから、ご指摘のような支払いが継続しているような経費は引かないという表現だったと思いますので、そこは認識していただいたほうがいいのではないかと思いました。
【日本商工会議所(青山理事)】 ありがとうございました。そういうような解釈ということで承知いたします。
【中島委員】 それと、ついでにもう1点なんですが、これは零細企業の方の専従者控除の点でちょっとお話を伺ったところでは、だんなさんが社長で奥さんが専従者になっているような零細企業では、売り上げが500万で、奥さんの給料が専従者控除として例えば200万控除が認められると、税務申告する所得が300万になる。これは控除という形をとっているんで経費という性質がはっきりしないんだけれども、ここはやはり損害、奥さんは従業員じゃないので失業手当も出ないとなりますと、専従者控除の部分が盲点ではないかという指摘も受けたんですが、ここのご指摘ということであれば、このご指摘は意味があるのかなと思ったんですが、いかがでございましょうか。あるいは、会長、いかがでございましょうか。
【能見会長】 お願いします。
【日本商工会議所(青山理事)】 ご回答させていただきます。ここの人件費でございますが、私どもの認識としましては、この事故が起こらなければ、人件費は余計に発生しなかったという基本的な考え方がございます。今、先生ご指摘のようなものが、私ども、そこまで具体的に深堀りして調査はまだ行き届いておりませんので、今後、そういうところも詰めて調査させていただき、発表の機会がありましたら発表させていただきたいと思います。
【能見会長】 この審査会としては、今のような実体調査に基づきまして、余計にかかったコストがあるとか、実質的に損害とみるべきものがあれば、賠償の範囲に入る可能性が出てくると思います。
ほかにご意見等ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
商工業につきましては農業被害と比べると、我々が集めた情報が不十分でありまして、そういう意味では今日は大変貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。これを参考に、この審査会でも被害に対する賠償が十分できるように検討したいと思います。どうもありがとうございました。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 では、全国農業協同組合中央会、お願いします。
【全国農業協同組合中央会(馬場農業対策部長)】 それでは、全国農業協同組合中央会の馬場と申します。お手元の資料でいいますと、右肩に1-6と小さな数字で書いてあるA4の縦の資料に基づいて、ご説明なりご報告をさせていただきます。
我々JAグループ、被災者であります農家、あるいは畜産農家の代弁ということにはなかなかまいらず、本人のその気持ちまでは言い尽くせませんが、10分間の間で関係団体として委員の皆様に農畜産物の損害の状況をご報告し、意見を述べさせていただきたいと思います。
資料をめくっていただきまして、3ページにその状況を載せてございますが、原発の事故発生以降、2カ月が経過いたしました。出荷停止、あるいは出荷停止によって出荷できない農家は収入が全くゼロという状況でありますが、加えて、ここにありますように出荷制限以外の品目でも作物を市場に出荷しても価格が大幅に下落して収入が激減すると。ここではキュウリとかネギ、出荷制限されてない品目でありますが、まさに価格の下落による収入減という状況が続いています。
農家は、ご案内のとおり、販売代金から費用を引いて、そして月にかかりそうな費用を置いておいて、それで生活をする。まさに販売代金が生活の糧になるわけですが、このように価格が下落してしまいますと、即生活そのものが脅かされるという深刻な損害ということになってございます。ここでは福島のみならず、出荷制限になった県の出荷制限となっていない品目。それだけではなくて、葉物のほかに果菜類、根菜類等の価格の下落というのが見られます。また、近隣であります埼玉県でも同様の動きが見られるところでございます。
めくっていただきまして4ページでございますが、野菜に限らず、果物、それにここにありますが、肉も価格が下落しているということで、4ページでは福島なり茨城の和牛の例を出してございます。こうした農畜産物、さらには次の5ページでありますが、食用ではございませんけど、花についても野菜と同様に広範な品種において価格が下落してます。加えて、これは埼玉なり千葉の例でございます。次の6ページも埼玉なり千葉の例でございますが、埼玉は野菜等の出荷制限になっていません。それでも同様に農畜産物の価格が下落していますし、千葉も出荷制限は一部の市町村になっていますが、県全体として価格が下落していると。こういう状況があり、近隣の県においても農畜産物それぞれ下落しているという実害が生じているところであります。
また、7ページには返品、あるいは取引拒否の事例というのを出してございます。そこに農産物あるいは畜産物の一部の量販店や契約先から返品、あるいは契約の取り消し等が広範に発生しているという状況を聞き取りの結果、載せてございます。一番下の黒ポツにあるとおり、九州や北海道で製造されたLL牛乳を海外へ持っていこうとしたわけでありますが、現地において受け取りを拒否されるというように、まさに全国、日本の農産物、畜産物のこうした状況が報告されています。
また、8ページでありますけど、飼料作物は出荷制限というよりも利用制限という形で、これも乳用牛あるいは肉用牛への給与を自粛するというような指示、県が自粛の指導をしています。県は、そこにあります福島、茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉となっています。現在のところですね。
飼料作物は、結局自分のところで作付して、それを自給して食べさせているのを制限しろということでありますから、外からまた持ってこないといけない。費用がかさむ。購入費用分が実損として現実に畜産農家に出てきているということでございます。
9ページ、福島の葉たばこの例を出しておりますが、ここでは県で農作業の自粛要請というのが3月25日以来ありました。そうした中で、たばこの作付適期、定植適期を逃してしまったということで、避難指示地域を含む県下全域で本年産の生産を行わないということを決定をしたということです。県下全域において本年産の生産を行わないということを決定したということで、その経過なり理由については9ページで説明をしているところでございますが、いずれにしても、作付制限なり作業の自粛に伴って損害が発生しているというような事例であります。
以上、あらゆる方面で実損が生じているわけでありまして、1ページに戻っていただいて恐縮であります。1番で「原子力災害による農畜産物の損害の範囲」ということを言ってございますが、今見ていただきましたように、品目については出荷制限品目にかかわらず、飼料作物、たばこ、花など非食用も含めて、範囲は農畜産物全体にすることが必要だということ。
さらに、次に地理的範囲についてもですが、出荷制限県、あるいは市町村に限らず、いわば放射能物質が付着あるいは汚染されていると消費者あるいは市場関係者等が判断して、その農畜産物を避ける、あるいは回避するという、その実態が結果として価格を下落させているわけでありますから、その実態を踏まえて広く設定することが必要だと考えます。括弧に書いてますが、先ほどありましたようにLL牛乳のように全国域で輸出の農産物についても影響が発生している状況にあります。
また、時間的範囲についても、事故の収束後も損害が確認された場合は対象とするなど、十分な期間とすることが必要と考えます。
2番の「作付制限等による損害」ということでありますが、ここで国の区域指定で作付が制限されているというのは明確でありますが、そういう区域設定のせいで、いわば実際に営農ができない、作付不可能だということになっている作物がございます。例えば緊急時避難準備区域における米は作付制限なんですけど、それ以外の野菜等が実際に営農できないという状況の中での損害、これも損害の範囲だということであります。
また、2つ目の黒ポツですが、地方自治体や生産者の合理的な判断に基づいて行う作付自粛、これについても実損、損害とすることが必要だということで、先ほど見ていただきました福島の葉たばこの例がまさにそうでありまして、県の農作業自粛の要請に基づいて作期が喪失されたということで作付中止を生産者団体として決定したということでありますが、これについても対象とすることが必要だということでございます。
3番の「手続きの簡素化と早期支払い」でありますが、とりわけ福島の避難をされている地域の被害者の方々、農家の方々、先ほどありましたけど、あちこちの避難所に行かれておられます。また、農業者は高齢者も大変多いということで、そういう損害の実態を示すような書類を準備するのもなかなか困難であります。本来は避難されている各農家を回って、東電が1人1人を調査して補償していくというのが本来の筋ではないかと私は思いますが、それでも時間がかかってしまいます。そういう面ではJAグループ自体も、現地のJAも被害を大変受けているところではありますが、JAグループとしては行政と連携しながら被害の取りまとめをしているという状況で、それもこれも農家が早急に賠償支払いを受けて生活の足しにするというか、安定させるに資したいという思いからであります。そういう面からも、ここにありますが、請求に係る書式、あるいは手続は徹底して簡素化していただいて、賠償金を仮払いを含めて早期に支払いをいただきたいということでございます。
また、4番でありますけど、「新たに発生する課題への対応」ということで、原発事故そのものは収束していない、息はとまっていない。そんな中で農業は、これから米、あるいは野菜・果樹等の収穫・出荷の時期を控えています。ナシの話も先ほどありましたけど、その時期を逃すと、その1年、あるいは長きにわたって影響が出てしまう。そういう新たな想定もしてなかった損害が発生する可能性もございます。
2ページのところに行きますけど、ここに書いていませんが、例えばお茶が先般、神奈川県で一部自粛ということになりましたが、この時期はお茶の新茶のまさにシーズンで、1年間で一番、収穫の最盛期であって、しかも稼ぎ時、この時期に自粛という大変な状況になっているわけであります。
また、ここに書いてますが、農家の中には国からの交付金と、それから販売代金と合わせて収入、所得を得ているという農家が多くございます。そういう面では当然、交付金も損害として認めるべきだという意見もありまして、いろいろな問題がこれからも出てくるかと思います。そういう面では、二次指針も早期に出していただきたいということとあわせて、必要に応じて指針の追加なり見直し等が必要ではないかと考えます。
最後のところは、指針の内容の解釈とか、具体的な適用に対する照会なり相談の窓口を設けていただきたい。何度も言いますけれども、原発の収束と合わせて、迅速かつ万全な賠償金の支払いに、ぜひとも委員の皆様のご尽力をいただきますよう重ねてお願い申し上げて報告とさせていただきます。
ありがとうございました。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 続きまして、JFさん、お願いします。
【全国漁業協同組合連合会(吉田代表理事専務)】 全漁連の専務の吉田でございます。座ってご説明させていただきます。
資料は1-7というA4の横書きのものでございます。これに沿って、ご説明をさせていただきたいと存じますが、まず最初に、「総論」と書いてございますけれども、この間の若干の経緯と、今の漁業者の置かれている不安な、あるいは不安定な状況というものを少しお話をさせていただきたいと思います。
ご存じのように、4月2日に高濃度の汚染水が流れております。国の基準の2万年分に相当するものと言われておりますし、また、その後に高濃度の汚染水を移すためということで人為的に1万トン以上の汚染水が放出されました。私どもは、これを受けまして、東電の会長、それから4月27日には菅総理にもお会いして、汚染水は三度流してほしくない、万全の手だてをしてほしいということをお願いし、東電も最善を尽くす、総理もみずから語って、そういうことは二度と起こさせないようにということで、私ども、ある程度やっていただけると思ったんですが、ご承知のとおり、5月11日に三度目の流出があった。これもシルトフェンスの外にセシウムが1万8,000倍という、かなりのことになっております。
私ども、大量放水があったときから、この水はどこに行くんだろうということで、最終的には河川を通じて、あるいは直接海ということで漁業者がこの被害を受けるんじゃないかと不安を持っておりましたけれども、いまだに福島原発の中には、報道されておりますと9万トンの汚染水がある。これがいつどういう形で私どもに降りかかってくるかということを漁業者は非常に恐れております。したがって、まだ全く収束とも思っていないし、安心もできてないという残念な状況でございます。
それから、この中段以降に書いてございますけれども、福島原発の前浜、それから沖合、ここは福島や茨城や地元の漁業者にとっては生活そのものでございます。この沖合は、ご存じのとおり世界の三大漁場、常磐・三陸沖ということで、黒潮に乗って5月以降になりますとカツオが北上してまいりますし、また、秋になりますとサンマが南下をしてくる。また、イワシ、サバを含めまして、大変豊かな漁場でございます。こういった状況が続きますと、さまざまな漁業にとってどういう影響を与えるのかということで漁業者の不安は尽きないということでございまして、これまで発生しました直接被害、また間接的な被害を含めまして万全の補償体制をとっていただきたい。私ども、もちろん早く安全宣言が出されて、魚を消費者に食べていただけるということを望んでいるわけでございます。
次に、2の「漁業被害の状況について」、申し上げたいと思いますが、中身に入る前に、漁業の操業の特徴について申し上げますと、陸域と若干違う面がございまして、1つは、海流が流れて移動するということでございます。それから、魚が回遊して魚自体も移動する。それから、魚をとる船も沖は入会ということで広域に操業するということで、海水、魚、船が広域に移動していくという特徴がございます。これが1点でございます。
もう一つは、操業等につきまして、漁業者の場合は、漁業者の属する漁業協同組合、あるいは漁業協同組合を超えて組織されております漁業種類別、例えば巻き網ですとか、底引きですとか、そういう漁業種類の仲間が部会あるいは協議会というものをつくって、そこで昔から資源管理とか、細かいことを相談して操業しているという伝統がございます。今度も、原発の対応につきましても、操業するか、あるいはやめるか、こういったことがそういう自主的な組織で相談の上、行われているということを踏まえていただければと思います。
中身に入りますと、まず最初に、福島県でございますけれども、これは先ほど私が申し上げましたような内容を第一次指針の段階でご理解をいただいたと思っておりまして、福島県については、基本的には行政等の出荷規制と同等の内容とご判断いただいたものと思っております。福島県は今現在、1隻も操業できない、まだ操業の許される状況じゃないということで、いまだに操業を自粛しておりまして、全県的に漁業収入の道を絶たれているという状況でございます。
今日申し上げたいのは、(2)の茨城県と、その次に千葉県の事例を書いてございますけれども、福島県以外の近隣の県域でも大変な被害が出ているということをご紹介申し上げたいと思います。
まず、茨城県でございますけれども、茨城県は、ここに書いてございますように、4月5日、茨城県沖でコウナゴが暫定規制値を超えたということで、これについては操業自粛ということで公的にも皆さんご承知のことでございますが、茨城県では、このコウナゴの漁、これは船びき網という漁業種類でやっておりますけれども、それ以外の漁につきましても、実は3月22日から、ほぼ全漁業種類が操業の自粛を行っております。
これは下の事例にもございますように、3月21日に南放水口付近から限度を超える放射性物質が検出されたということで、行政庁、具体的には水産庁と県庁等がご相談された中で、やはりモニタリングの結果が出ないで操業しても不安が残るだろうということで、結果を待ってから操業してはどうかということもございまして、漁業種類ごとに自主的な操業を控えるということをやってございます。
ここに書いています事例は4月の例でございます。具体的に日にちが書いてございますけれども、底引き網漁業という例で書いてございますが、4月1日から14日まで下の枠に書いてますように自主的に休漁いたしました。こういう休漁に伴う被害が出ております。
それからもう一つ、同じ月の中で4月15日から30日まで実際に操業いたしました。操業いたしました結果が、例年に比べて極端に低い値段しかとれていないということでございます。上のほうに状況が文章で書いてございますけれども、底引き網漁船が3月22日からずっと操業を自粛しておりました。それでも漁業者は一日も早く操業したいという気持ちが強うございまして、少しでも魚の値段がよかったり、風評被害がないということであると出たいわけですけれども、4月5日にコウナゴから出たということで、それ以外の底引き網、漁種は全く違うわけでございますけれども、キンキ、ヒラメ、ボタンエビ、こういったものの値が全く出ないということでございました。この下のポツで4月6日、実際にこの日、水揚げして4隻だけ試しに出たのでございますけれども、やはり値段は震災前の35%、60%、76%安ということで値が出ない。しかも、消費地市場で引き取りが拒否されるということで操業をやめざるを得ないということでございました。
それから、その後の県庁等のモニタリングによりまして、やはりこれらの漁種は安全だということで操業に出ているわけでございますけれども、ここに書いてございますように、例年、過去5年のうち最大、最小を除く3年平均をとったものでございますけれども、半値ぐらいしか出ていないということで、こういう被害が出ているわけでございます。
次のページを見ていただきたいのでございますけれども、千葉県でございます。千葉県は、ご存じのとおり、福島からは茨城県を挟んだ、さらに南のほうの県ではございますけれども、ここに書いてございますように、コウナゴ以外の例えば底引き網のキンメダイも半値近い。また、巻き網でイワシ等をとるわけでございますけれども、これも4月6日の値段では、例えば震災前は51円のカタクチイワシが16円であるとか、震災前は45円の値段だったものが23円であるとかということで、ほぼ半値から半値以下ということでございます。
ここに書いていますように、茨城と同じように3月22日から休漁する。しかし、どうしても漁に出たいので、モニタリングの結果、この漁業種類の漁種はシロだとなりますと、漁師はやっぱり操業いたします。操業いたしますけれども、4月5日にまたコウナゴから出たということで風評被害があるということで休漁を実施する。そして、4月11日から実施するけれども、やはり常磐物というものは買い控えということで、巻き網のイワシなんかも南のほうのハマチ等のえさにする業者は常磐物は買わないということでありますとか、食料も同じでございますけれども、値段が出ないということで、4月11日以降、業界が相談をして週3日の操業ということで自粛をいたしておりまして、相当の収入の減となっております。
その下に書いてございますように、その他の都道府県でも枚挙にいとまもないほど事例が出ております。ここにいろいろ書いてございますけれども、例えば近隣の東京では、基準値以下でありますけれども、NGではない放射性物質が検出されておりますし、それから、輸出が、3カ所ぐらい例が出ておりますけれども、いろいろな意味でとまっております。それから、関西や中京圏でも、イカナゴ、コウナゴという規制の対象になった名前のついた同種の魚であるということでもって価格が下落する、こういった現象も起きております。
(5)の諸外国の規制の動きについては、ご承知のとおりでございますので省略をいたします。
次のページでございますけれども、ここでまとめのようなものをしてございますけれども、「二次指針で取り上げていただきたい損害について」ということで、今るる申し上げましたような内容でございます。(1)出荷制限等に伴う実害と考えられるもの。これは出荷制限等が行われた県の水産物、また周辺の水産物、輸出水産物ということでございまして、理由は下に書いてございますけれども、繰り返しになるので省略をさせていただきます。
最後に、下に「その他」と書いてございますけれども、やはり私どもが心配しておりますのは、今後また主要漁場の沖合等に北上してきますさまざまな魚種等、あるいは南下してまいります魚種等に被害が及ばないようにしていきたいと思っておりますが、残念なことに、また13日、コウナゴにかわる主力の漁業でございますシラスで福島で規制値以上のものが出た。また、内水面の関係でもアユやワカサギにも出ているということで、また、こうしたことに関連した風評被害、魚種は違っても出てくる可能性もございます。
ぜひこうしたことをご配慮の上、先生方におかれましては二次指針では幅広い対応をお願いしたいと、こういうふうにお願いを申し上げます。
以上でございます。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 続きまして、きのこ種菌協会さん、お願いします。
【全国食用きのこ種菌協会(郡山会長)】 全国食用きのこ種菌協会の郡山と申します。座って説明させていただきます。
急なことであって、なかなか資料がうまくまとまりませんで、私ども全国食用きのこ種菌協会と申しますのは、日本全国のきのこの生産をするための種菌のほぼ90%以上を取り扱っている協会でございます。このたび福島の第一原子力発電所事故に伴うということで取りまとめをさせていただきましたけれども、1番目の「国による出荷制限の現状」というものについては新聞報道で既になされておりますので、一応ごらんになっていただきます。
2番目の「風評被害の現状」でございます。これにつきましては、しいたけのみならず、そのほかのきのこについても、福島県産、施設で栽培しているものについても、そういう被害がございまして、年間通じて出荷していた方々が卸業者というところから拒否をされたり、それから、市場からよこさないでくれと拒否をされたりということで全く物が売れないという状況になってございます。
2ページにありますけれども、県内全域を一応取りまとめてみたんですが、出荷制限指示品目、制限地域に関係なく、県内全域において原発事故を理由に福島県産というだけで取引を拒否され、取引が行われたとしても通常価格よりもかなり安く、半分から3分の1ということなんですが、取引されてしまった商品も買い手がつかず返品されているという非常に大変な事態になってございます。
これは先ほど全中さんのほうもおっしゃっておりましたけれども、とにかく、きのこが、しいたけにかかわらず、なめこにしろ、ひらたけにしろ、そのほかのエリンギにしろ、すべてのきのこにおいて、そういう状況があるということでございます。
我々は各協会のメーカーの営業マンたちが全国津々浦々まで、きのこ生産者のところを訪問しているわけですが、わりと山間部が多いものですから、山菜の動向、それから、たけのこが今回はほとんど返品されてしまって、たけのこご飯が食べられないという状態にもなってございまして、おそらく放射能による雨が降ったためのセシウムの検出ということにはなるんだろうと思いますけれども、山菜をなりわいにしている方々もかなり被害をこうむっているという状況でございます。
3ページに当協会として二次指針にぜひ入れていただきたいということを考えてみたわけでございますけれども、東北・関東地方は我が国のきのこ、山菜の宝庫であり、これまで豊かな地域文化や食生活に多大な貢献をしてきたところでございます。
このたびの東日本大震災による壊滅的な被害に加えまして、原子力発電所事故による出荷制限はもとより、いわゆる風評被害により、多大な損害が発生しております。その上、長く厳しい冬が終わり、春の訪れを待ちわびる時期に、原発事故の影響で、きのこ、たけのこ、山菜が食べられない、食べられるかどうかわからないことへの県民の怒り、苦しみは計り知れないと考えております。
こうした状況下におきまして、山村において豊かな森林を支えてきた生産者の苦痛を国を挙げて緩和していただきまして、必要な賠償が行われることを望んでおります。
今般の原子力被害の救済に当たりましては、出荷制限が行われた地域・品目のみならず、野菜と流通形態を同じくする、きのこ、たけのこ、山菜等につきましても、他の野菜と同様に風評被害の賠償を確実に行っていただきたいと考えている次第でございます。
以上です。ありがとうございました。
【能見会長】 どうもありがとうございました。以上、農水産業関係についてのご説明をいただきました。委員の皆様方、ただ今の農水産関係につきましてご質問等ございましたら、お願いいたします。
はい、どうぞ、田中委員。
【田中委員】 今、最後の資料の中に、1Bq/㎏を証明するということが出ていますが、全体的にそうなんですが、風評被害というのは、損害賠償すればいいかということではなくて、生活ができるかどうかということが大切ですが、こういった値について私が感じているのは、あまりきめ細かく国のほうの基準ができてないということがあるように思いまう。副大臣もおられるのでお願いしておきたいのですが、こういうことを、今日も非常にたくさんのことがご指摘になられていますけれども、魚もそうですし、やっぱりきちっとこれを、ほとんど問題にならないようなレベルだと私は個人的には思うんですけれども、そういったことも含めて、きちっと国のしかるべきところで決めていただかないと、損害賠償とかこういう皆さんの苦しみは際限がないんじゃないかという気がするんです。だから、ぜひそういうことをお願いしたいなということをよろしくお願いします。
【笹木文部科学副大臣】 基本的には基準値を決めて、それで問題になっているものを出荷制限しているという原則なんですが、おっしゃるとおり、要は、安全だけど問題ないんだよということの発信をかなりしていても、まだまだ届いてなくて、風評被害になっているということですよね。そこは確かに問題としてあると思います。
【能見会長】 大塚委員、どうぞ。
【大塚委員】 今の田中委員のご発言、私もそのとおりだと思っているんですけれども、副大臣にお話しするので申しわけないんですが、作付をしないという話が出てきているんですけれども、確かに出荷の停止の指示が出ればそういうことになると思うんですが、場合によっては、土壌の改良をすれば対応できる場合であっても、どんどん作付をしないということになっていく可能性があるわけですよね。これは、もう賠償の話だけでは全然なくて、そういう損害が拡大する状況をほうっておくわけにはいかないと思いますので、ぜひご対応いただきたいと思います。そういう指針をつくっていただきたいと思いますし、土壌改良の賠償はもちろんしなくちゃいけないと思うんですけれども、それは作付をしないということに比べれば、多分、損害は減るわけですよね。政府がいろいろ一生懸命やっておられることはよくわかっているんですけれども、政府がどう行動されるかが、風評損害を広げるかどうかにかかわっておりますので、ぜひよろしくお願いします。
【能見会長】 ほかにいかがでしょうか。
今日は、農水産業に関連しましては、非常に具体的な形で、どういう形の損害が発生しているかということのご説明をいただきました。この委員会でも、この後、いわゆる風評損害について、どういう範囲で賠償がされるべきかということの審議をこれから進めるわけですが、その議論にとって非常に参考になるものと思います。我々としては、また後でご議論いただきますけれども、「風評損害」という言葉で言われておりますものは、根も葉もない損害というように考えているのではなく、れっきとした営業損害の一部であると考えています。ただ、どこまでが賠償の対象にはいるべきかが問題で、生じた減収のすべてかどうかは議論をする必要があります。例えば、これまた後で議論していただきますけれども、外国において、全然放射能と関係ない物品なのに、日本各地の産品が輸入を拒否されて、日本の生産者等に損害が生じるという事態が生じていると言われています。こういうものについては、この審査会でどういう議論をしたらいいのか苦慮するところでございますけれども、それはともかくとして、多くの風評損害というのは、それなりに市場が放射能の影響を心配して、買わないことから生じている損害で、通常の営業損害と連続的なものであると考えておりますので、今日のお話は、この後の審議の際に参考にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
【全国漁業共同組合連合会(吉田代表理事専務)】 よろしくお願いします。
【能見会長】 それでは、次の議題でございますが、「専門委員による調査体制について」ということです。事務局から説明をお願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 お手元、資料2、両面コピーの1枚紙でございますが、資料2を用意していただきたいと思います。
「専門委員による被害状況の調査・分析について」ということで、案になってございます。これまで審査会として、関係省庁、あるいは、本日も関係団体からの被害状況の説明を聞いたわけでございますが、今後、風評被害等を類型化していくに当たって、より定量的に調査をきちんとやる必要があるということで、紛争審査会の組織令第4条に基づきまして、専門委員を任命して調査を行っていきたいと考えてございます。
専門委員による調査事項でございますが、(1)に書いてあるとおりでございます。それから、(2)でございますが、7月までに指針を取りまとめようといたしますと、相当短期間で調査をするということになると思いますので、専門委員に対して、関係各省からさまざまなデータが出されるように協力をお願いしたいと考えてございます。
分野でございますが、裏面に、今、全部で17分野、農林漁業、建設、製造、食品、その他含めまして17分野を考えてございますが、それぞれ三、四名ずつ、50名以上の非常に多くの専門委員を、損保等の実務経験者であるとか弁護士さん、あるいは研究者等の学識経験者、そういった方から選任をさせていただき、調査を進めて、最終的にはこの審査会の場で報告をしていただくという手はずをとりたいと思ってございますので、このようなやり方について、審査会としてのご承認をいただければと思っております。
資料の説明は以上です。
【能見会長】 それでは、今説明がありましたような体制をつくるということについて、ご意見、お願いいたします。よろしゅうございますか。今日の福島県から来ていただいた方、あるいは農商工団体の方のお話を伺いましても、損害というものが非常に多様であって、それをやはり正確にこちらで把握するということが重要だと思いますので、こういった専門委員を設けて、ぜひ充実した調査、資料を出していただきたいと思います。
どうぞ、野村委員。
【野村委員】 1つだけ申し上げたいと思います。17の分野で、損害の実態は、それぞれかなり違うと思うのですね。ですけれども、やっぱり基本的には、相当因果関係の範囲内で損害賠償するということなので、事務局にお願いしたいことがあります。すなわち、各分野の横の連絡みたいなものをある程度意識してやっていただければよいのではないかと思います。各専門委員のところで、あまりばらばらになるというのもまずいと思いますので、そういうことをお願いできればと思います。
【能見会長】 事務局、何かありますか。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 承知いたしました。注意いたします。
【能見会長】 ほかに何かご意見ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、この体制を承認するということで、早速、専門委員の体制構築を進めさせていただきたいと思います。
それでは、次の議題、第3番目の議題といたしまして、「第二次指針作成に向けた主な論点について」でございます。前回、決定していただきました第一次指針におきまして、それなりにいろんなことを検討はしたわけですけれども、何分いろんな問題がたくさんあり、第一次指針で決められたことは非常に限られたものでございました。また、そこで一応、抽象的な方針は決めてありましても、それを具体化する必要もあったりいたしまして、そういう意味で、早急に第二次指針というものが必要になっているという状況でございます。
そこで、これも私から事務局に、論点となる問題を整理するということを依頼いたしました。ということで、今日、その議論のための論点ペーパーというのが出ておりますので、これにつきましてまず事務局から説明をお願いします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 それでは、お手元の資料3-1でございます。「第二次指針作成に向けた主な論点」ということで、能見先生のご指示を受けまして、論点整理をした内容が書いてございます。
まず、検討範囲でございますが、そこにございますように3種類ございます。1つは、政府による避難等の指示に関連する損害、これの一次指針で出せなかった部分で、本日説明のありました一時立入、それから、既に区域が解除になって、帰宅の問題が出てきてございます。それから、精神的損害、避難費用についてということでございます。それから、これも一次指針の出荷制限に関連する損害で、一次指針に入っていなかったもの。1つは、出荷制限指示品目に係る作付断念、指示の解除後の損害、それから、これは政府等による作付制限指示に伴う損害でございます。
それから、いわゆる風評被害といたしましては、ここのペーパーの中では、基本的な考え方を示した上で、農林漁業、観光、その他に分けて論点だけまとめてございます。
それでは、順次、時間もないので簡単に説明させていただきますが、1ページの下から始まっておりますが、一時立入の費用でございますが、本日説明のあったような一時立入にかかる費用でございますが、必要かつ合理的な範囲で認めることができるのではないかということでございます。
それから、(2)でございますが、精神的損害については、一次指針の中で、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたケースについて損害と認められる余地があると記述されてございますが、そこの真ん中の段落にございますように、「避難等を余儀なくされたことに伴い、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたために生じた精神的損害については、相当因果関係のある損害と認めることができるのではないか」ということでございます。具体的なことは、後ろの(5)で記述してございます。
それから、帰宅費用につきましても、4月22日で指定の解除がされた地域が発生してございます。これについても、帰宅費用について相当因果関係のある損害と認めることができるのではないかということでございます。
それから、(4)の「避難費用の算定方法」でございますが、これにつきましては、資料3-2という、これも表裏の1枚紙でございますが、別途、参考資料を用意させていただいてございます。「避難状況等について」ということで、避難者の数が9万8,536人というふうに、今、推計されてございます。このうち、参考のところに書いてございますが、県内に2万4,394人、県外に3万4,055人、一次避難所、二次避難所、それぞれそのような数字になってございます。
また、一番下のところは、他県への避難者数の内訳ということでございますが、県外、かなり全国さまざまなところに避難をされているということでございます。
それから、裏面を見ていただきますと、これは青森県の例でございますが、親戚・知人宅に避難されている方が大変多いということでございます。それから、事故発生直後は、ホテル等に自己負担で宿泊している避難者が、かなり照会が多数寄せられたということでございますが、その下に、災害救助法に基づく支援措置、宿泊施設の場合は、1泊3食で5,000円を上限として、県が支弁している。あるいは、県が借り上げたアパート、こういったところに避難者が移行しているということでございます。それから、避難の際の交通手段でございますが、近場は大体乗用車で避難をしてございますが、最終的には、先ほどお示ししましたように、全国に及んでいるということで、飛行機とか列車とかいろんなものを使っているということでございます。
それから、家財道具の移転に関しては、計画的避難区域の場合はございましたが、それ以外は着の身着のままで避難された方が多いと伺ってございます。
そこで、先ほどの資料の(4)に戻っていただきたいのですが、避難費用の算定方法につきましては、一次指針で算定方法について、3ページのマル1の一番上に書いてございますが、一次指針においては、一定額を平均的損害額として算定して、対象者全員に一律に支払う方法も考えられるとされたところでございますが、ただいま説明いたしましたように、まず交通費についてでございますが、全国に及んで、交通手段も多様化してございますので、なかなか平均化は難しいのではないか。したがって、実費ベースで、実費ベースというか、領収証等の実費で、実際に負担した費用を支払うとしてはどうかということでございます。
ただし、領収書等による立証が困難な場合は、推計方法を別途考えるということではいかがかということでございます。
それから、マル2のところは宿泊費でございますが、これにつきましては、第一次指針で、宿泊費を負担しない体育館などに宿泊した場合、これ、避難所でございますが、宿泊した場合であっても、平均的な宿泊費等を一律に賠償するか、精神的苦痛が大きいとして慰謝料の金額を増額するなど一定の調整をする方法が考えられるとされたところでございますが、これは別途、資料3-3を見ていただきたいんですが、一次指針の中では、実際、避難所で宿泊費がかかってない方は、精神的負担が多かろうということ。あるいは、そうじゃない、ホテル等に泊まった場合はその逆であるというようなことで、うまく、そこに書いてございますように、一定の調整ができるのではないかと考えられていたわけでございますが、実際は、先ほどご説明いたしましたように、県が借り上げているアパート、あるいは、1泊5,000円を上限とする旅館・ホテル等への宿泊者が多いので、これはあくまでも縦軸はアバウトな金額でございますが、自己負担額と精神的苦痛というのが必ずしも補完関係にないということでございます。実際、自己負担をしない場合でも、体育館に泊まられている方から、二次避難所としての旅館に泊まられている方までさまざまいらっしゃるということで、これで、先ほどの3ページのマル2に戻っていただきたいんですが、そこに書いてございますように、(イ)で自己負担でホテル等に宿泊している人の数、相当数いらっしゃいますが、相対的には思ったより少ない。それから、避難所の宿泊費は地方自治体が負担していることから、合理的な範囲で避難者が実際に負担した費用を支払うこととしてはどうかということでございます。これも基本的には、ホテル、あるいはアパートの契約でございますので、領収証等が用意できるとは思いますが、それが困難な場合は、交通費と同様に一定の推計を認めることとしてはどうかということでございます。
それから、もう一つ、生活費の増加分、これは食費とか日用品購入費の増加分でございますが、これについては、かなり少額のものが多数ということで、かつ金額は比較的僅少かつ個人差もあまり大きくないと考えられますので、個々の実費の確認・立証というよりは、この後に来ます精神的損害とあわせて算定することとしてはどうかということでございます。
3ページの下から、精神的損害等の算定方法ということで、避難等に伴う精神的損害の具体的な算定につきましては、宿泊場所の状況により、避難等に伴う精神的苦痛の大小が異なると考えられることを踏まえ、以下の4つの類型に分けて算定してはどうかということでございます。
マル1は、これは体育館などの避難所への滞在を余儀なくされている者でございます。これが、精神的苦痛は類型的に最も大きいと思われるということでございます。
次の4ページでございますが、マル2は、いわゆる住宅でございまして、仮設住宅、賃貸マンション、アパート、あるいは親類、知人宅ということで、マル1の類型よりは精神的苦痛の程度は小さいと思われるということでございます。
マル3は、旅館、ホテル等の宿泊施設への滞在ということで、これは類型的に上記マル2よりは小さいと思われるということでございます。
マル4は、屋内退避。4月22日に屋内退避区域はなくなってございますが、その間でございますが、自宅において生活をしているという点で、マル1からマル3のように、自宅を離れて生活せざるを得ないということに伴う精神的苦痛には該当しない反面、外出等行動の自由も制限されていること等から、マル3を超えない範囲内で精神的損害の発生を認めることとしてはいかがかということでございます。
先ほど、前のところで出てきましたように、生活費増加分については、それぞれの精神的苦痛による損害額の加算要因として考慮する。また、マル4についても同様に考えるかどうかというところが論点になるかと思ってございます。
それから、4ページの下半分からは、政府等による出荷制限等に関連する損害ということで、先ほど説明の中でも出てきましたが、出荷制限指示がかかった品目について、作付断念をすることによる損害。それから、(2)でございますが、出荷制限指示の解除後の損害。先ほど、ナシの例とかがございますが、例えば、牛乳であっても、新しくまた種付けをし直さなければいけないという経費がかかってまいります。
(3)は、稲のように、政府による作付制限指示が実際出ていることによる損害。それから、これも先ほどご説明がありましたが、たばこのように、県と県の関与のもとで自粛をした損害でございます。
以上が出荷制限関連でございまして、5ページの下半分から、いわゆる風評被害についての記述になってございます。基本的考え方を、まず最初のところで示してございます。ここは読ませていただきます。
報道等により広く知らされた事実によって、消費者や取引先が特定の商品・サービスの買い控え、取引停止等を行ったために生じた被害(いわゆる風評被害)についても、本件事故と相当因果関係が認められるものであれば賠償の対象となると考えられる。ただし、このような被害は、非常に広範囲の業種及び地域で発生しており、その損害発生の態様も様々であるため、その外延が必ずしも明確でなく、最終的には個々の事案毎に判断するほかない。
しかしながら、このような被害についても、相当因果関係が認められる蓋然性が特に高い類型や、相当因果関係を判断するに当たって考慮すべき事項を示すことは、本件事故に係る紛争解決に当たっての有効な指針となるのではないか。
なお、「風評被害」という表現は、あたかも放射性物質による汚染の危険性が全くないのに消費者・取引先などが危険性を心配して購入・取引を回避する不安心理に起因する損害であるかのような意味で使われることもあるが、むしろ科学的には明確でない放射能の影響を回避するための市場の拒絶反応であると考えるべきである。それ故、このような回避行動が合理的といえる場合には、原子力損害として賠償の対象となる。このように考えた場合には、「風評被害」という表現を避けることが望ましいのであるが、現時点でこれに代わる適切な表現は裁判実務上まだ提示されていないので、上記のような注意をしつつ、いわゆる「風評被害」という表現をここでは用いることにする。
このような考え方によれば、本件事故におけるいわゆる風評被害については、次のような基本的枠組みによって検討することが考えられるのではないか。
ということで、アからエまでの4つの項目を示させていただいてございます。
まず、アのところでございますが、一般的基準としては、前段飛ばしますが、「放射性物質による汚染の危険性を懸念し、敬遠したくなる心理を一般に是認できる場合を、相当因果関係のある損害と認める」ということがどうかということでございます。
イといたしましては、具体的にどのような場合が該当するかは、業種ごとの特徴等を踏まえ、営業・品目の内容や地域等により類型化した上で、マル1、「一定の範囲の類型については、事故以降に生じた損害は、原則として事故との相当因果関係が認められるとし」、マル2でございますが、マル1以外の類型については個別に検証をせざるを得ないということでございます。したがって、指針の中では、このマル1の部分を、これから調査等も踏まえて、どこまで指針に盛り込めるかということになると考えます。
ウでございますが、本件事故以外の他の原因、例えば、震災による消費マインドの落ち込みの影響等については、双方の影響が認められる場合には、本件事故と相当因果関係のある範囲で損害を認めることとするということでございます。そこについては、注書きで、実態について調査が必要な業態も多数存在していると考えられます。
エでございますが、これは損害項目でございまして、一次指針でもございましたが、営業損害、就労不能等に伴う損害、検査費用ということでございます。
ここまでが一般論でございまして、その後、農林漁業について、そこに特徴がございますが、やはり放射性物質による汚染の危険性への懸念が大きい、あるいは、現に暫定規制値を超える放射性物質が検出されていると。さらには、食品は日常生活に不可欠であり、震災による一般的な消費の落ち込みもあまり影響してないと考えられるということで、1つ、まず考えられる類型ではないかということで、農林漁業について示しました。
具体的な類型化の選択肢でございますが、実際、地域の範囲として、事故発生県から周辺都県まで、幾つか考慮する範囲がある。さらには、品目も、出荷制限品目から非食用も含む農林水産物全体にわたるまで、どこで先ほどのマル1に当たる部分を決められるのかということになるかと考えられます。
ウとしては、さらにこれで、先ほどの作付制限と同じように、風評被害を懸念して、事前に出荷、操業、作付等の断念、この場合についてどうするかという問題もあるかと考えられます。
7ページの下からは、ホテル・旅館業等の観光業ということでございますが、観光につきましても、実際に観光者の1つの目的としては、その地のものを食べる、あるいは土地に行くということで、放射性物質の放出の影響を受けやすい業種であるということが言えるかと思いますが、先ほどの農業と同じように、地域の範囲といたしまして、事故発生県、あるいはその周辺都県というのが考えられる。それから、先ほどの農業の品目にかわるものといたしましては、観光に関する産業ということで、レジャー施設から飲食、小売、あるいは交通機関まで、さまざまな業種が考えられるということでございます。
ウのところでは、ただし、観光業の場合は、本件原発の事故以外にも、地震、津波による、交通機関も含めた関連施設の破壊の影響とか消費マインドの落ち込みというのがございまして、これらをどう評価するかというのが難しいのではないかということでございます。
それから、その他の業種として、食品に関係する業種、これは、先ほど農産物がございましたが、それに続きまして、食べ物ということで、ただし、食品加工でも、生に近いものを取り扱うところから、最後、できたものを運ぶところまでさまざまな業態があると考えられます。また、それ以外の業種、9ページでございますが、これについても、地域の範囲の考え方は、そこに書いてあるように、事故発生県、あるいは発生県の周辺ということが考えられますが、これらについては、そこに品目・業態と書いてございますが、これから検討していく事項が大変多いのではないかということでございます。
資料の説明は以上でございます。
【能見会長】 それでは、早速、このたたき台についての議論を進めたいと思いますが、何分多岐にわたっておりますので、3つぐらいに分けて議論したいと思います。
1つは、1ページ目にあります、1「政府による避難等の指示に関連する損害について」。これが大きな一まとめで、次が、4ページにあります、「政府等による出荷制限等に関連する損害について」。そして、3番目に、「いわゆる風評被害について」、こういうふうに分けて議論したらどうかと思いますが、よろしいでしょうか。
あるいは、全体にわたって、先に何かご発言がございましたら、それをお聞きしたいと思います。もしなければ、今のような順序で議論したいと思います。
それでは、早速、最初の1、「政府による避難等の指示に関連する損害について」、この部分についていかがでしょうか。
この部分は、できれば大体の方向性を議論していただければ、この後の作業としては、具体的な金額の案とか、そういうのに進めますので、私としては、ぜひ今日、方向性を決めたいと思うんですが。
ちょっと補足説明いたしますと、前回までの議論と多少違うところは、違うというほどでもないんですけれども、先ほど説明ありましたように、避難等にかかる費用、例えば、交通費とか宿泊費について、平均的な損害というのを検討して、それをとりあえず仮払いといいますか、早く賠償してもらうというのはどうかという案が出ておりました。しかし、先ほど説明にありましたように、宿泊費も交通費も、交通費といっても、被災者の皆さんはいろんな場所に避難されておりますので、金額が相当違うのではないかということで、個別性が高いので、ここは一応、実損を賠償する。ただし、賠償の方法としての証明は緩和するという方針をとり、むしろ精神的な損害のほうで、これでカバーするという意味では必ずしもありませんが、精神的な損害のほうで、避難している間のストレス等による損害については一定の類型化をして、ある意味で類型化された賠償をする。そういう組み合わせで考えるのはどうかというのが原案でございます。いかがでしょうか。
大塚委員。
【大塚委員】 大筋これで私も賛成です。先ほど会長がおっしゃった平均的損害という話は私もさせていただいたのですが、今まさに会長がおっしゃっていただいたように、自己負担をしていない方でも、生活との関係での精神的苦痛というのはさまざまにわたるということですので、実費を基本としていくのがいいのではないかと思いました。
さらに精神的損害に関しても、4ランクに分けているということになると思いますけれども、それなりにですけれども、きめの細かい議論をしていることになるのではないかと思いますので、大筋賛成をさせていただきたいと思います。
【能見会長】 野村委員。
【野村委員】 基本的に、これで大体いいのではないかと思っています。第一次指針のときは、早く払うということと、しょせん早く払う以上、仮払いにならざるを得ないということで、後で精算するというようなことが念頭にあって、ああいう議論になったと思いますけれども、ある程度実損が計算可能で、それほど時間がかからずにやれるということであれば、そのほうがもともと望ましいと思いますので、こういう考え方でやれるとすれば、いいのではないかと思います。
【能見会長】 山下委員。
【山下委員】 私も、原則、平均化から、不公平がないように、ある程度実質化する、実費弁償も賛成ですし、生活費の増加分ということを議論するのは非常にいいかと思います。
1つ心配は、最悪のケースは、避難に伴って死亡した人、あるいは災害弱者という、高齢者とか病人、そういう方々に対する賠償というのは非常に大きい。かなり差をつけていいのではないかと思いますので、それがこれでは欠けているのかなという気がします。
【能見会長】 これ、これまでの議論でも……。
【大塚委員】 第一次指針に入っている。
【能見会長】 ええ。これまでの議論でも、それは賠償するという方針でしたので、ここには、前回、十分議論されなかった問題を特に取り上げているという趣旨でございます。
そうしますと、この1につきましては大体よろしいでしょうか。先ほど、福島県から来ていただいたお二方のご説明の中で、精神的な損害というものが非常に重要であるという認識を持っておられて、私どもも同じ認識を持っておりますが、ここで一応、精神的損害について、ある程度の賠償はするわけですが、ただ、誤解されるといけないのでつけ加えておきますと、ここで賠償する精神的損害というのは、あくまで避難をしていることで非常に不便な生活を強いられている。そういう状態に対する慰謝料であって、先ほど議論がありましたように、これ以外にも、特別なといいますか、違ったタイプの精神的苦痛というのは当然あり得る。それは、もうちょっと議論を詰めなくてはいけないので、今ここには書いてございませんけれども、今後、引き続き検討するということになるということだけつけ加えておきたいと思います。
【田中委員】 基本的には、実損で払うというのは私も大賛成なんですけれども、迅速性という意味でかなり遅れるのではないかというのが、今、非常に気になりまして、実は避難している方たちは、月々の生活にかなり困っている方もかなり大勢いると聞いていますので、内金、仮払いというのか、どういう言葉が適当なのかわからないですけれども、最低限のところの線ぐらいは一律に払って、その上で実損を、私はこれだけですよというのを受け付けていくというか、それに対応するというようなことをするのも、1つ、ご検討いただければと思うんですね。とにかく数が多いから、実損というと、事務的に相当扱いが大変なんじゃないかという気がするので、よろしくお願いします。
【能見会長】 この案を検討する過程では、今ご指摘の点も当然検討はいたしました。私も、今のような考え方、十分あり得ると考えております。ただ、交通費と宿泊費については、例えば、交通費であれば、自分がどこに避難したということだけで、大体計算の根拠はすぐ出せますので、具体的な金額を証明する必要は全くない。それから、宿泊費については、これはほんとに個人差があって、ホテル等に泊まって費用がかかったのであれば、それを言っていただければ、ホテルは、先ほど説明があったように、おそらくどれだけかかったかというのはすぐ証明してくれますので、これもそんなに時間はかからずに証明ができるんだろうと思います。ということで、避難のための交通費と宿泊費については、一応実費ベースでということを考えました。
それからまた、交通費、宿泊費については、あまりかかっていないという方もおられて、こういう方についても、一律というか、最低限幾ら払うかということになりますと、あんまり少ない額では仮払いの意味がないし、全然払ってない方のことを考慮して低くしては、あまり払うということの意味がないし、かといって、あまり高いと、今度、全然かかってない人について、仮払いといえ相当な額を払うということになり、これも問題があります。そこで、できれば実費ベースで証明を緩和することで迅速化を図れればと思っておりますけれども、今のご意見はご意見として、また検討したいと思います。
それから、もう一つ、迅速に払うということでは、慰謝料の金額を早く決めて、これは証明も要らないので、すぐ賠償できますので、これが実際上、緊急に必要な生活費のかわりになるということもあるかと思います。ただ、理論的には、これはあくまで避難していることによるストレス等についての精神的損害である。そんなふうに考えております。
米倉委員。
【米倉委員】 基本的には先ほどの考えでよろしいと思いますし、それから、実費部分と一定部分という部分に関して、私も同じことを考えていまして、一定部分をできるだけ仮払い、あるいは迅速に払うというところで出したらどうかなということを感じたのですが、1つ、生活費の増加分というのは、一定部分という形にされていますが、一方、交通費、宿泊費は実費ということですが、例えば、避難所に移ったことによって、通勤、あるいは通学のための新たな交通費の出費が必要になった、こういうのはどういう形でここでは考えるのか。以前に話がありましたでしょうか。
【能見会長】 そこからの通勤の話は、具体的にはなされてないと思いますが。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 これ、論点をつくるときに、ちょっと相談させていただいたときに、あえて簡単にするために、ここに出してなかったんですけれども、例えば、お子さんが今までの高校とかに通うために、別途、すごく交通費がかかるとか、あるいは寮に入らなきゃいけないとか、そういう大きな生活増加費については、別途、1に類するような形で実費として見なきゃいけないねという話はしてございまして、最終的にはそういう形に整理をさせていただこうと思っています。
【能見会長】 よろしいですか。それでは、この1については、基本的にこういう方針、ご承認いただいたとして、なお、仮払いですぐ賠償できるようなものが考えられるかどうかについて、さらに検討させていただきたいと思います。
それでは、2の「政府等による出荷制限等に関連する損害について」というところにつきましてはいかがでしょうか。
大塚委員、どうぞ。
【大塚委員】 私、意見がまとまっていなくて、一応、コメントだけさせていただきたいんですが、(1)の「政府等による出荷制限指示等に係る品目の作付断念等に伴う被害」に関して、「その判断が不合理である場合を除き」と書いてありますので、これは証明責任を転換しているということだと思うんですけれども、その前提で幾つかのことを申し上げさせていただきたいと思います。
出荷制限指示があったので、これはもうだめだと思って、作付断念された例が既にあって、今までそういうことがあるものについては、もうこれでいいと思うんですけれども、ここは事務局にお伺いしたいところなんですが、今後もこれでずっと続けていっていいのかという、証明責任の転換を続けていっていいかというだけの意味なんですけれども、よくわからないところもあるものですからお伺いしたいのです。この点は、今まで出荷制限指示をして、その後、解除になったものがそれなりに多いのかどうかというあたりが判断の分かれ目になると思うんです。証明責任を転換しているのは、それなりに理由があるから転換していると思うので、そういう例がどのぐらいあるのかというのは、お伺いしたいところです。
それからもう一つは、先ほどから言っていることとも関係しますけれども、むしろ農家の方には、土壌を改良して作付をしていただきたいということも一方では多分あると思いますので、こういうふうにどんどん作付断念が進んでいってしまうようなことを、損害賠償の指針をつくることによって進めるとすると、ちょっとどうかなということも他方では多少考えておいたほうがいいという気もしないわけではありません。しかし、土壌改良の基準を、指針とかつくるのは時間がかかるかもしれないので、これも政府にはぜひ頑張って早くつくっていただきたいと思いますけれども、そういういろんな問題があるのではないかということです。内容はとしては「不合理の場合を除き」というのを、「合理的な場合には」というふうに、一定の場合には変えるかどうかというだけの問題があることを指摘しておきます。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 それでは、出荷制限の指示、解除の実績につきましては、別途、参考資料で2枚紙をつけてございまして、そこに、制限の時期と解除の時期が出てございます。横長の2枚紙でございます。これ、現実の問題として、野菜などは、相当数解除になっているものがございます。それから、もう一つの点でございますが、農水省さんとかからヒアリングをさせていただいた感じだと、農家の方はむしろ作付をしたがっているということで、具体例はまた調査をさせていただきますが、あまりそこの心配はないのではないのかという感触を得ております。
【能見会長】 よろしいですか。
【大塚委員】 はい。
【田中委員】 ちょっとよろしいですか。
【能見会長】 はい、どうぞ。
【田中委員】 土壌の改良ということですけれども、今、土壌については、米、穀類は5,000Bq/㎏、大体セシウムがほとんどメインになってきていますので、そういう制限になっているので、農家の方のいわゆる土壌改良ではなくて、今、これに関係するのは、そういったものがきちっとクリアできているかということと、そこでつくったものがちゃんと食物摂取制限値というものをクリアできているかというところがポイントになると思います。
ですから、土壌改良というのは農家の方の努力だけではできないわけで、きちっとそういうことを測定してあげないといけないということが関わってくるんだと思います。ちょっと解説みたいなことになって、恐縮です。
【大塚委員】 私もそのとおりだと思っていまして、測定をすることを、政府か東電かわかりませんけれども、していただく必要があると思いますし、先ほど来申し上げているように、土壌改良については、農家の方の費用でやるのではなくて、損害賠償の対象にまさになると思いますので、それも早急に検討すべきではないかということを申し上げておきたいと思います。
【能見会長】 それでは、今、2のところについては大方のご賛同を得られたという感じがいたしますので、むしろ風評損害のほうが、議論が分かれる大きな問題かもしれません。そちらに移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、5ページ以下の3、いわゆる風評被害についてですが、ここについていかがでございましょうか。
大塚委員。
【大塚委員】 ここに書いてあることに関しては基本的に賛成なんですけれども、お伺いしておきたいことが1つあって、意見が2つほどございます。
1つは、6ページの上のイのマル2に書いてある点は、先ほどの事務局のご説明ですと、マル1は指針で対応する、しかしマル2は必ずしもそうではないという、あるいは実際の申請とか、場合によっては訴訟を起こされる方もいらっしゃると思いますけれども、というふうに聞こえたんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうかというのが、1つ質問でございます。
それから、7ページについてですけれども、地域の範囲についてとか品目の範囲について幾つか分けていらっしゃって、こういうことを考えていかなくてはいけないと思いますけれども、この間にまたもう少し細かいのがあるのかなという気はしていまして、品目の範囲で言えば、マル3とマル4の間に、食用プラスたばこと飼料作物というのがあると思っていまして、つまり、飼料作物というのは最終的には食用になるものですから、食用のみと言っても、ちょっと意味が違うんですね。食用に準ずるようなところがあると思いますし、たばこも別に食用ではないですけれども、口に入るものなので、準ずるような扱いであると思うので、マル3とマル4の間にもう一つカテゴリーがあるのではないかということを申し上げておきたいと思います。
それから、地域の範囲についてですけれども、マル2とマル3の間にもう一つあるかなと思っていまして、ある県に関して、ごく一部の地域しか出荷制限がなされていない場合に、それが例外的だと仮に考えるとすると、そういうところに関しては、その市町村だけと考えるという案がもしあるとすると、それはおそらく2と3の間になるのかなということを申し上げておきたいと思います。
それから、品目の範囲のマル2については、カテゴリーで分けるというのは1つの考え方だと思いますけれども、カテゴリーを考えるときの視点というのは、おそらく土の中に野菜とか果物とかがあるのか、それとも外にあるのかというところのあたりがおそらく重要な分かれ目になるかなと思いますので、もしカテゴリーで分けるとしたら、そういう視点が重要ではないかと思いました。
それから、やはり地域の範囲とか品目の範囲を考えるときには、当然、終期をどうするかというのは考えなくてはいけないことで、これはひょっとしたら先延ばしになるのかもしれませんけれども、第一次指針のときも先に送られていますが、終期の話はどこかで考えないといけないのかなということも申し上げておきたいと思います。
あと、(2)のウの、7ページの下から六、七行目のところは、これは先ほどの話と少し関係するのではないかと思っていて、それが合理的な行動と考えられればということなのかなと私自身は考えております。
一応、以上です。
【能見会長】 幾つかは、全部じゃなくてもいいけど。
最初の6ページ目のイのマル2の意味ですね。これはある意味で大きな問題で、事務局に答えてもらうよりは、ここで議論していただいて方針を決めたほうがいいと思いますけれども、マル1のほうは、もちろん指針でもって明確に定めることができる。マル2のほうは、こういうことが証明されるのであれば、相当因果関係があるので、賠償してくださいという内容にすることもできるし、これについてももうちょっと指針で扱える余地があるのであれば、それはそうしたらどうかと私なんかは思いますけれども。もし大塚委員のほうで、ここの部分も多少指針で扱えるんだということであれば、積極的なご意見をいただきたいと思いますが。
【大塚委員】 ちょっとこの辺は、私はまだ迷っているところですけれども、非常に個別的なものだと指針では挙げにくいのかなと考えていて、ある程度個別的であっても類型化できるものを指針で扱わせていただくのかなと私自身は考えております。
【能見会長】 マル1については、指針で扱うことが比較的簡単で、これも早急に作業は進められると思いますけれども、マル2についても、なお指針で取り上げることができるようなものがあれば、これは扱うということでいかがでしょうか。今の段階で、マル2については指針では一切扱わないということまで明確にする必要はないんだろうと思うんですね。扱えるものがあれば扱う。
それはそういうことでよろしいとすれば、具体的な地域と品目の問題で、ここに分けてあるような地域については、7ページですか。地域については、今、マル1からマル4で分けているといいますか、品目についても、やはりマル1からマル4までで分けて、両者の組み合わせで範囲を考えていこうということです。ただ、大塚委員からは、そもそも地域についても品目についても、もうちょっと細かい区分けができるのではないかということですが、これももし何か……。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 そこは、大塚先生のおっしゃるとおりだと思います。ここでは、あえて少し単純化するために、間のものを省いているところがございます。
【能見会長】 ではこれは大塚委員のご意見も参考にしながら、もうちょっと適切な区分けができれば、それを検討したいと思いますが、ほかにいかがでしょうか。
野村委員。
【野村委員】 具体的に結論を持ち合わせているわけではないのですけれども、いわゆる風評被害についてどう考えるかというときに、幾つかの要素を考えなければいけないということで、基本的な考え方について述べたいと思います。いろいろとここにも書かれています。私自身は少し考えがまとまらないのですけれども、考えなければならない論点をあげたいと思います。1つは、客観的な汚染があるのかないのかということで、これは損害の種類によって異なるのかなと思っています。農産物みたいに、直接目の前にあって、そのものが汚染されているのかどうかということと、観光みたいな分野ですと、短期間であっても、将来予測みたいなところがあって、そこへ行くのがいいのか悪いのかというような判断なので、同じには考えられないのではないかということですね。それから、もう一つ、市場に与えられている情報の正確性とか、あるいはその情報が持っている意味ですね。特に放射能の汚染があったときに、それを摂取したときに、将来的にどうなるのかというのが全くわからない状況なので、そういうときに、市場に複数の選択肢があるとすれば、市場が福島に近いものを選ばないというのは、別に何ら不合理だということにはならないわけですけれども、ただ、そういうことも考慮要素に入れなくてはいけないのかなということですね。
最後の一つは、こういう状況、すなわち風評被害が出ることについて第三者が関与しているということです。もちろん、誤った情報を流布しているということもありますけれども、他方で、出荷制限されていることが必ずしも守られていないということになると、市場では、市場に出ているから安心だとは思わないのが当たり前だということになるわけですよね。ですから、その辺も、損害をこうむっている側からすれば、第三者の関与の有無というのは無関係な場合(第三者の関与があっても、加害者が賠償責任を負うという意味です)も多いと思うのですけれども、他方、加害者の側からすると、多少評価しなければいけないのかなとかと思います。その辺、自分自身の考えがまとまってないんですけれども、問題提起ということで聞いていただければと思います。
【能見会長】 今のご意見も非常に重要だと思います。今、地域と品目の組み合わせで、どういうものについては風評損害としてといいますか、損害賠償の対象として認めていくことが問題がないというものを決めようとする発想ですけれども、ただ、そもそも、その際に、どういう視点でもってその組み合わせを選ぶのかということについてのご意見だったと思うんですね。確かにおっしゃるように、農水産物のようなものと観光、あるいはその他の業種では違うかもしれないので、そういうことは当然考慮しなくちゃいけないし、それから、情報の正確性と市場の反応との関係などについても、どういうものが市場の反応として、それなりに合理性があるのかとかいうことも考えなくてはいけない。
第三者の関与する部分については、今、野村委員が挙げられた例については理解できますけれども、もうちょっといろんなものがほかにもあるかもしれないので、今、私自身のコメントは控えますけれども、今のようないろんな視点があるということです。
【大塚委員】 発言が多くて申しわけないんですけれども、風評損害に関する基本的な考え方について、今、野村委員が言われたこととも関連して、幾つか申し上げさせていただいたほうがいいかと思います。
純粋に法的な議論を議事録に残したほうがいいかなという気もしないでもないものですから、ニュートラルに法的な議論をしておいたほうがいいかなと思った次第です。
第1点として、風評損害の特色について申し上げます。風評損害の特色にはおそらく2つあって、1つは、既にここに書かれているように、消費者というか、取引先とかが損害の発生に関与しているというところが風評損害の大きな特色だと思います。つまり、第三者の意思が関与しているということですね。加害者でも被害者でもない第三者の意思が関与しているというところが1つの特色です。
ただ、相当因果関係を考えていかなければいけないので、ここに書いてあるように、敬遠したくなる心理が一般的に是認できるかどうかで基本的に判断していけばいいと思いますけれども、もう一つ、おそらく風評損害には特色があって、今、野村委員が言われたように、別の主体も原因行為者として関連する可能性があるということですね。
1つは、政府がいらっしゃる前で言うのは申しわけないんですけれども、例えば、JAS法だと思いますけれども、農産物について、県単位の表示しか法的には決めていないということになると、市町村単位で決めるのと比べると、損害が拡大する可能性はあるわけですよね。だから、ぜひそこは早く法律を改正していただきたいと個人的には思います。あと、これもなかなか言いにくい話ですけれども、この間のように出荷停止の指示をしても、それを故意にきかれなかったような農家の方がいらっしゃる場合に、それで何もおとがめなしということに現在なっているわけですけれども、それは法律上そうなっているんですけれども、そのままにしておくことが、これまた風評を広げる可能性があって、そういう意味では、政府は今、随分一生懸命やっていらっしゃると私も認識しているんですけれども、まだやっていただくことはあるのかなというところはございます。
さらにマスコミに関しても、例えば、今回、外国のマスコミがかなりセンセーショナルな報道をされましたけれども、それがまた風評を生むということが実際にはあるので、さらに検査機関が間違えたという例もあるようですけれども、別の主体が何らか関与するということはあるものですから、原因競合ということに結局なるわけですけれども、そういう観点があるということは、相当因果関係を考える上でどこかで念頭には置いていただいたほうがいいのかなと思います。
だからといって、最初に原因者であるもとの原子力事業者が、損害を発生させている、あるいは風評損害を誘発しているということは事実なので、そこはちゃんと重く見なければいけないと思いますけれども、同時に原因競合ということもあるわけです。例えば、某テレビ局の報道で、ダイオキシンの報道で野菜の価格が暴落した事件があって、最高裁判決も出ていますけれども、あの事件は、ダイオキシンを出した人が損害賠償責任を負ったんじゃなくて、マスコミのテレビ局のほうが負ったことになってしまっていて、風評損害というのはそういうケースもあるので、いろんなことを考えなければいけない点はあるかなと思います。
さらに、前のO-157の事件とかだと、政府の公表の仕方によっては国が損害賠償責任を負うことになってしまうというケースもあるものですから、そういう原因競合があるということはどこかで念頭に置いておいたほうがいいかなと思いました。
ただ、ここで書いてあることがどうかということに関しては、私は基本的に賛成です。ただ、今のようなことは議論としては申し上げておいたほうよいと思いました。
第2点として、これは風評損害に限りませんけれども、被害者のほうに損害拡大防止義務があるという問題もないわけではないので、これは社会通念上合理的な範囲としておられれば全然問題ないと思いますけれども、抽象的な問題としてはそういう問題もあるということも指摘させていただきます。
第3点ですけれども、これは会長が一番お詳しいんですけれども、風評損害等の経済的損害に関して、いわゆる純粋経済損失ということで、賠償を制限する考え方がイギリスとかにはあります。日本民法はそういうものはございませんので、基本的に考えなくていいと私は思っていますけれども、外国にはそういう考え方もあることはあるということは、これも一応、議事録には入れておいたほうがよいと思いました。
いずれにしても、農業とか漁業、あるいは中小企業とか、生業に直結しているところに関しては、憲法の生存権を持ち出すまでもなく、特に配慮する必要があると私自身は考えていますが、今のような種々の問題が関連していることが私が申し上げたかったことです。話が広がってしまって恐縮です。
【能見会長】 今のような原因競合といいますか、第三者の行為も加わって損害が生じているという事例は確かにあるわけですけれども、先ほど、私、コメントを控えたんですが、そういう原因競合はあるけれども、その場合の賠償はどうするのかというところの結論が非常に重要で、議事録としてはもちろんとどめますけれども、この指針を考える際には、それにもかかわらず賠償させるのかさせないのかということについての議論を詰めていただければと思います。もっとも、今の段階でそこまで詰めた議論をする必要はないと思います。もうちょっと先に議論すればいいことだと思いますけれども、そのときになりましたら、集中的に議論したいと思います。
それから、先ほど、大塚委員が終期とおっしゃいましたか?
【大塚委員】 ええ、そうです。
【能見会長】 いつまでという期間の問題ですね。
【大塚委員】 終わりですね。出荷停止の指示であれば、終わりが解除のときになるんですけれども、今回の風評損害について考えるときは、終期がいつになるかというのはどこかで考えておいたほうがいいかなと思いまして。
【能見会長】 おそらく終期の問題は、風評損害とそれ以外とはまた違うかもしれませんけれども、先ほどの避難費用だとか精神的損害も含めて、どういう終期といいますか、どこまでの期間を想定して、今、この指針がつくられるのかということは1つの大きな問題で、どのぐらいという期間は、今なかなか決められないんですけれども、やっぱり一定の期間があるんだろうと思います。一定の期間が来るとゼロになるのかというと、そうじゃなくて、一定の期間がたったときに、あるいは、その時点を想定して、もう一回、この指針というのは見直す必要が出てくるんだろうと思います。
【田中委員】 一言だけ。今回の特徴は、風評の関係で言うと、汚染の検出というのは、今後も、言い方は適当じゃないですけれども、あちこちで出没すると思います。あるときはよくなって、またあるとき見つかるということが起こるんですね。今までも起こっていますが。だから、それが起こっている間は風評というのが出ますので、逆に言うと、この前も静岡のお茶で出ましたけれども、そういう検出されたものがほんとうにどれぐらい普遍的に、そのデータが正しいのか。1個、2個とか10個とかは、サンプリングの仕方とかその辺もきちっとしないと、永久にと言っちゃ極端ですけれども、何十年続くかわからないですね、今の汚染の状況というのは。ですから、そこの辺はぜひ検査というものをきちっとする。そのことをきちっと出すということをしていただかないと、今、終期の問題が出ましたけれども、いつ終われるかわからないという状況になるんじゃないかと思います。
【能見会長】 今のことも大変重要だと思いますけれども、私が別に誤解しているわけではないと思いますが、放射能が漏れて、どっかで、小さい値かもしれないけれども、放射能汚染があるということが、おそらくこれからも繰り返し繰り返し出てきて、そのたびごとに風評損害といいますか、いわゆる風評損害みたいのが生じる可能性があるわけですが、それはそれで、やはり原子力事故によって発生した放射能が原因であるとすると、検査の数値が正しいことが前提だと思いますけれども、それはここの考え方が基本的には当てはまるんじゃないかと思います。それとまた別に、終期といいますか、やっぱり今、事故が起きて、まだ2カ月程度の期間で、その段階における各地の損害についての基準と、もうちょっと時間がたったときの、例えば、6カ月後とか1年後の基準というのは、そのときにもう一回見直して、適切な基準を考える必要がある。ただ、当面の基準として、今、この第二次指針で考える場合に、この案はどうかというふうにご理解いただければと思います。
風評損害のところはまだまだ検討しなくてはいけない点もあり、いろんな実態、その一部は本日ある程度伺いましたけれども、もっともっと実態は調べないと、どこで切ったらいいか、相当因果関係があることについて問題がないという範囲をどこまでとするかの判断がつきかねると思いますので、これは専門委員の調査なども踏まえまして、さらに議論を続けたいと思います。ただ、時間的に、いつごろそれができるかというのは大きな課題かと思います。
ほかにご議論がもしなければ、時間も超過しておりますが、今日の議論を踏まえて、さっきの第1、第2の点については具体的な金額が出るように、それから、風評損害については、さらにもうちょっと明確な基準が出せるように原案をつくりたいと思います。
それでは本日の会議はこれで終了したいと思います。次回の日程につきまして、事務局からお願いいたします。
【田口原子力損害賠償対策室次長】 次回、次々回でございますが、次回は23日の月曜日、次々回は31日、火曜日を予定してございます。まだ時間、場所等、調整中のところがございますので、なるべく早く、公表とともに正式なお知らせをさせていただきたいと思います。
以上です。
【能見会長】 では、これで終わります。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
Copyright (C) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology