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原子力損害賠償紛争審査会(第1回) 議事録

1.日時

平成23年4月15日(金曜日)18時20分~20時20分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 原子力損害賠償紛争審査会の運営について
  2. 福島第一・第二原子力発電所事故について
  3. 事故の影響と政府の措置の現状について
  4. 今後の審議の進め方
  5. その他

4. 出席者

委員

能見会長、大塚委員、鎌田委員、草間委員、高橋委員、田中委員、中島委員、野村委員、山下委員、米倉委員

文部科学省

髙木文部科学大臣、笹木文部科学副大臣、清水文部科学事務次官、森口文部科学審議官、藤木研究開発局長、田中原子力損害賠償対策室長、篠崎原子力損害賠償対策室次長、田口原子力損害賠償対策室次長

内閣官房

北川 原子力発電所事故による経済被害対応室長、加藤 原子力発電所事故による経済被害対応室審議官

説明者

八木原子力安全・保安院原子力防災課事故故障対策室長、覚道原子力災害対策本部室長、白井原子力災害対策本部室長、加地厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長、松本厚生労働省健康局水道課水道水質管理室長、佐々木厚生労働省災害対策本部室長、坂口厚生労働省職業安定局雇用保険課長、佐南谷農林水産省大臣官房食料安全保障課長、松尾農林水産省生産局農業環境対策課長、森水産庁漁政部企画課長、宮本中小企業庁事業環境部企画課長、丸山中小企業庁経営支援部経営支援課長、谷脇国土交通省総合政策局建設業課長、渡辺国土交通省自動車交通局安全政策課課長、堀内国土交通省海事局総務課企画室長、鈴木観光庁観光産業課長、柳瀬金融庁監督局総務課監督企画室長

5.議事要旨

 【田口原子力損害賠償対策室次長】  それでは、時間になりましたので、原子力損害賠償に関する法律に基づきまして、4月11日に設置されました原子力損害賠償紛争審査会の第1回の会合を開催したいと思います。
 本日は、委員の皆様におかれては、お忙しいところお集まりいただきありがとうございます。冒頭、事務局のほうで司会を務めさせていただきます。
 議事に入ります前に、まず髙木文部科学大臣からごあいさつをいただきたいと思います。大臣、よろしくお願いします。

【髙木文部科学大臣】  こんにちは。文部科学大臣の髙木義明です。委員の皆様方には、大変お忙しいところ出席いただきまして、また大変なお仕事をお願いすることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 開会に先立ちまして、改めて3月11日に起こりました東日本大震災で亡くなられた皆様方に心から哀悼のまことを捧げます。また、被災された皆さん方に改めてお見舞いを申し上げたいと思っております。
 さて、この原子力発電所の事故においては、現在政府をはじめ東京電力、関係機関、一丸となって事態の収束に全力を挙げているところでございます。ただ一方で、この災害が長期化の様相を呈してまいりました。とりわけ、避難生活を送っておられる方、あるいは農業、漁業、製造業、さまざまな産業への影響も出ておりまして、今後、長期化とともに、被害の拡大も想定されて、憂慮されております。一刻も早く被災者の皆さん方に適切な救援の手を差し伸べるということも今求められております。こういうときに、今回被害者への賠償が適切かつ迅速に行われるために、本委員会が大きな注目と、また関心を集めているところでございます。
 委員の皆さん方におかれましては、それぞれ豊かな経験、そしてまた見識をお持ちの皆さん方ばかりでございます。極めて重要な会議、特にできる限り早く原子力損害の範囲の判定など、指針を策定することが何よりも今求められております。
 皆様方におかれましては、限られた時間でございましょうけれども、大変恐縮でございますが、どうぞひとつ社会的な要請にこたえていけるように、皆様方の活発なご議論をお願いして、ごあいさつにかえる次第でございます。どうぞひとつよろしくお願いします。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  ありがとうございました。髙木大臣は公務のため、これでご退席をいたします。

(髙木文部科学大臣 退席)

【田口原子力損害賠償対策室次長】  それでは、報道機関の皆様、以降の写真撮影は所定の場所にてお願いいたします。移動のほうお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきます。本紛争審査会の組織運営に関することを決めてございます政令がございますが、それに基づきますと、委員の皆様方の中から会長を互選で選出するということになってございます。委員の皆様方より、どなたか会長にご推薦等あれば、お申し出をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【鎌田委員】  恐れ入ります。先ほど大臣のお話もありましたように、今回の審査会の役割としては損害賠償の範囲を確定する指針の策定がまずもって第1の任務だと思っております。損害賠償法の分野の権威でいらっしゃいますし、かつて審査会の会長のご経験もあると伺っております能見善久教授を会長に推薦したいというふうに思います。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。

【野村委員】  私も今の鎌田委員の意見に賛成したいと思います。これまで能見委員は原子力損害賠償関連についてもいろいろ研究をされてきておりますし、JCOの事故の紛争審査会にもかかわられたということで、最適ではないかと思っております。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  ほかにございませんでしょうか。
 それでは、今2名の方からご推薦がございました。ほかに推薦がないようでございますので、能見委員に本紛争審査会の会長をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

【田口原子力損害賠償対策室次長】  ありがとうございます。
 それでは、本紛争審査会の会長として、能見委員にこの会を総理していただくということでお願いしたいと思います。
 それでは、大変恐縮でございますが、以降の議事進行を能見会長のほうにお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【能見会長】  ただいま選出していただきました能見でございます。この審査会は非常に重要な会議であり、先ほども大臣からお話がございましたように、迅速に被害者を救済するということが何よりも大切でございまして、そのための損害賠償の範囲等についての指針を、これまた早急に出すということがこの審査会の非常に重要な目標でございます。そういう意味で、何とぞ委員の皆様方もぜひご協力をお願いいたしたいと存じます。
 それでは、これから私のほうで議事の進行をしていきたいと思いますが、本日の議事次第というのが用意されておりますので、この議事次第に従いまして、順次扱っていきたいと思います。
 最初に、資料等の確認をさせていただければと思いますけれども、事務局からお願いします。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  お手元の議事次第の配付資料にございますように、資料を1から6まで、それから参考資料の1、2、3がお手元に配付されてございます。1つ1つ確認することは時間が限られておりますのでいたしませんが、議事の進行の中で過不足等、お気づきがありましたら、手を挙げていただければ事務局のほうで直ちにお伺いいたしますので、どうぞよろしくお願いします。

【能見会長】  それでは、第1の議題から参りたいと思います。原子力損害賠償紛争審査会の運営についてでございます。これも、中身につきましては事務局から説明をお願いします。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  お手元にお配りさせていただいております資料2と資料3をあわせて説明をさせていただきたいと思います。本紛争審査会の組織政令、これは第13条で運営に関する事項を定めることになってございまして、それに基づきまして、資料2のほうの要領(案)というのをお手元に作成してお配りしてございます。
 基本的な内容につきましては、前回、JCOのときに開催いたしました紛争審査会と同じものになってございますが、ただしその後の法律改正におきまして、原子力損害の賠償の範囲の判定の指針等の策定ということが本審査会の任務で加わりましたので、そこが第4条に書かれてございます。
 それから、第6条に審査会の公開に関する規定がございますが、これについては詳細を資料3のほうで、手続という形でその案を提示させていただいております。運営の要領のほうは、その後、第7条以下は小委員会の設置及び運営について書いてございますが、これは今後の議事の進行に応じて適宜設置が可能という規定でございます。
 その他、第3章のところで、10条以下にはもう一つの審査会の任務でございます和解の仲介の際の紛争の当事者の意見陳述等についての規定が書かれてございます。
 それから、資料3でございますが、こちらは公開の手続についての規則の案をお示しさせていただいてございます。会議につきましては、第1条にございますように、この1号から3号の場合を除き、公開で行う。また、2条には傍聴に関する規定が書いてございます。その中で、撮影、録画等については、基本的に事務局のほうと調整をしてやっていただくということが書いてございます。
 それから、第3条、第4条は会議資料と議事録の公開でございますが、これは第1条の会議の公開と基本的に同じ考え方で、基本的には公開でございますが、和解の仲介の手続を行う場合、あるいは当事者、あるいは第三者の権利、利益等を害するおそれのある場合等は非公開とすることができるという規定になってございます。
 第5条では、今後設置される可能性がございます小委員会についても、同様に規定を今後定めていくということが書かれてございます。
 説明のほうは以上でございます。

【能見会長】  ただいまの2つの資料にありますように、紛争審査会の運営についての要領、それから公開の手続についての案、これらについてご意見がございましたら、お願いいたします。
 いずれも重要なことが書かれておりますので、また後で熟読玩味していただきたいと思いますけれども、この会議は原則として公開であるということで、例外はございますけれども、どういうことをここで議論しているかが誰にでもわかるという点で重要な手続であると思います。もし特にご意見がなければ、この2つの案どおり、この会の手続を定めまして、これに従って進めていきたいと思います。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【能見会長】  ありがとうございました。
 それから、もう1点お諮りしたいことは私に万が一何かがあったときのために、会長代理を指名することができることになっておりますので、会長代理を置くかどうかということですが、当面の間は会長代理は指名しないということで進めていきたいと思います。
 それでは、第2の議題ということで、福島第一、第二原子力発電所の事故についてでございます。これは、まさに今回の原子力損害が発生する原因となっている事故でございますが、この概要につきましては、原子力安全・保安院のほうで資料を用意していただいておりますので、事故の概要について説明をお願いしたいと思います。なお、この概要説明について、質問を希望される委員がおられるかもしれませんが、今日は審査会として初回の審議でもあって、審議しなくてはいけないことがたくさんありますので、議題4までの説明を終えたところで質疑の時間をとってご議論いただきたいと思います。
 それでは、事故の概要につきまして、原子力安全・保安院の方、ご説明をお願いできますか。

【原子力安全・保安院原子力防災課(八木室長)】  原子力安全・保安院でございます。福島第一、第二原子力発電所の状況と見通しにつきましてご説明いたします。
 3月11日14時46分の地震によりまして、当時運転中でございました福島第一の1から3号機、第二原子力発電所の1から4号機につきましては自動停止ということになってございます。以降、安定化に向けまして、関係者、最大限の努力を続けておりますけれども、依然として予断を許さない状況ということになってございます。
 福島第一原子力発電所の1から4号機の状況でございます。炉心の冷却でございます。これは1から3号機でございますけれども、冷却のための注水用の電動ポンプをこれまでの臨時の電源から安定的な外部電源に切りかえまして、注水を継続しているところでございます。さらに爆発のリスクを最大限低下させるという観点から、格納容器に窒素を封入するという作業を4月7日に行ってございます。
 使用済燃料プールについてでございますけれども、これにつきましては、コンクリートポンプ車、または配管によりまして注水を行っているという状況でございます。
 これらの作業を行うに当たりまして、外部電源の確保でございますけれども、中央操作室の照明、これにつきまして3月29日までに1から4号機の照明が回復をしてございます。この電源に接続する各種の負荷につきまして、その健全性の確認作業を継続して行っているところでございます。
 タービン建屋の中に滞留水が見つかってございます。これにつきましては、集中廃棄物処理施設または復水器へ移送するということでございまして、この作業を3月24日以降、順次行っているところでございます。これに関しまして、高濃度の放射線排水を貯蔵する場所を確保するという観点から、やむを得ない措置ということで、低濃度の放射性排水を海洋に放出してございます。
 さらに2号機の取水口付近のピット、立坑でございますけれども、こちらから高濃度の放射性排水が海に漏えいしているという事象がございました。これにつきましては、凝固剤、これは水ガラスでございますけれども、これを注入して4月6日にとめてございます。引き続き漏えい対策を行っているところでございます。
 1から4号機の今後の作業でございますけれども、冷温停止状態を実現するということ。海への放射性物質等の流出を防止するということ。大気中への放出を防止するということ。さらに作業の邪魔となります瓦れきを除去していくということを今後の作業の柱という形で鋭意進めているところでございます。
 なお、福島第一の5、6号機及び福島第二の1から4号機につきましては、冷温停止という安定な停止状態を実現してございます。
 雑駁でございますが、以上でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、質疑応答は後でお願いするといたしまして、次の第3の議題でございますが、事故の影響と政府の措置の現状についてということでございます。これも準備ができましたらお願いします。

【原子力安全・保安院原子力災害対策本部】  原子力安全・保安院の原子力災害対策本部のほうから、住民避難についてのご説明を申し上げます。
 お手元の資料でございますけれども、第一発電所と第二発電所の周辺の地図及びそこに20キロ、30キロ、あるいは第二の10キロという形で円で示した地域が示された図をごらんいただけるかと思います。現在、事故発生以降、プラントの状況に応じまして、累次の避難指示等が出されております。
 現時点では、福島第一発電所の20キロ圏内に対して避難指示、これは原子力災害特別措置法の第15条の3項に基づきまして避難指示が出されているという状況でございます。また、同じく福島第一発電所の20キロ圏から30キロ圏のドーナツ状のところに対しては、同じ条文に基づきまして、屋内待避指示というのが出されてございます。
 他方、福島第二発電所につきましては、10キロ圏内に対しまして避難指示というものが出されているという状況にございます。
 1枚おめくりいただきまして、対象地域になりますエリアのざっと出しました人口のイメージ、あるいは待避、避難をされている方の状況ということで把握をしている数字を整理してございます。
 一番左の欄が対象となる市町村名でございますけれども、その次に総人口、これは昨年行われました国勢調査の速報の数字を100でざくっとくくったものでございますけれども、このエリア全体としましては、いわき市が入ってございますけれども、市町村でくくりますと53万人ぐらいということでございまして、このうち0から20キロ圏が大体7万8,000。それから、20キロから30キロ圏の人口が6万強ということでございます。
 この屋内待避のところにつきましては、自主的な待避というのも勧めるということも言われておりますけれども、現在そのエリアに残留されている方もいらっしゃいまして、その数が大体3万2,000人ということでございます。
 他方、それぞれの市町村等で把握をしているそれぞれの市町村の避難をされている方。これは、避難所に避難されている方ですとか、それ以外のところに避難されている方、両方合わせてでございますし、また必ずしも原子力の避難だけではなくて、ほかの要因で避難されている方も含める数字でございますけれども、全体で8万3,000人ぐらいという数字が今把握をされているということでございます。
 1枚めくっていただきまして、こちらは方針が4月11日に官房長官のほうから示されたというものでございますけれども、新たに長期的な影響というのを勘案しまして、事故発生から1年の期間内に積算数量が20ミリシーベルトに達するおそれのある区域というのを計画的避難区域というのに設定するという方針を示されているということでございまして、これにつきましては、おおむね1カ月の期間をもって計画的に避難を勧める区域ということでございます。
 他方、20キロから30キロの圏について、今の計画的避難区域を除くところについては、緊急時の避難準備区域。これは、プラントの状況がなお予断を許さない状況ということもございまして、急にそういう避難が必要になった場合には、しっかりと避難ができるように準備をしておく区域という考え方を導入するという方針を示しております。こちらについては、引き続き関連の市町村と調整を進めて、実際にどのエリアを設定するのかといったことを決定していくという方針でございます。
 その後ろについております表は、一定の仮定を置いて、ざくっとそれぞれの対象の人口を整理したものでございまして、これはあくまで仮の試算でございますので、今後実際にエリアが特定されるということが出てくれば数字が確定するという前提で、ごく参考までにごらんいただければと考えております。
 私のほうからは以上です。

【原子力安全・保安院原子力災害対策本部】  続きまして、次のページでございますけれども、次のページは食品に関する出荷制限等についての表でございます。これは、原子力災害対策特別措置法に基づきまして、暫定規制値を超えた食品、品目につきまして、生産地域の広がりがあると考える場合に、地域、品目を指定して出荷制限等をかけるということをやっているものでございます。
 3月21日に最初の出荷制限がありまして、この表にありますとおり、福島県、茨城県、栃木県、群馬県におけるホウレンソウ及びカキナ、それから福島県における原乳について出荷制限を原子力災害対策本部長から各都道府県知事に対して指示を出しているという状況でございます。
 以降、この表にございますとおり、3月23日、最近の例でいきますと4月13日にもシイタケの出荷制限等が一部かかっておりますけれども、こういった形で暫定規制値を超えた品目の広がり等を勘案しながら、出荷制限等の指示を出すという状況になっています。
 他方で、次の資料についてございますが、検査結果が規制値を下回るような状況も見られてきていることから、日付は書いてございませんが、恐縮ですけれども、4月4日に原子力災害対策本部のほうから、「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」というのを示させていただきまして、簡単に申し上げれば、おおむね1週間ごとに検査を行って、3回連続検査結果が暫定規制値を下回るというような場合には解除するというルールを示させていただきまして、以降、最初のページにございます表にも書いてありますように、このルールに沿って、ルールを満たしたものについては順次解除するという動きも現在出てきているところでございます。
 最後の資料につきましては、稲の作付に関する考え方、この束の一番最後でございますけれども、これから稲の作付の時期になるということもございまして、4月8日付で原子力災害対策本部のほうから考え方を示させていただきまして、簡単に申し上げれば、生産した米、玄米が食品衛生法上の暫定規制値を超える可能性の高い地域については、稲の作付制限を行うということの方向性を示しまして、今後、具体的に土壌の検査結果等が出てきたときに、具体的な指示という形で作付制限を行うというような流れになろうかと思います。
 以上でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。
 では、次は厚労省の方ですか。

【厚生労働省医薬食品局食品安全部(加地課長)】  厚生労働省でございます。今のご説明と重複するんですけれども、厚生労働省説明資料マル1というのがお手元に配付されているかと思いますが、これでございます。
 1枚表紙をめくっていただきますと、先ほどのご説明と同じ、若干違う形式になっていますが、中身は同じでございます。ということで、この表は省略させていただきます。
 もう1枚めくっていただきますと、4月13日21時30分までの検査結果が全部集計されております。左端が県名でございます。その次が食品の分類、そして検査件数でございまして、13日現在、1,444件の検査が終わっております。
 先ほどの暫定規制値を超えたものというのが193件ございまして、その右のところに超過品目ということでそれぞれの食品の名称と件数が書かれております。下線を引いているところは、出荷制限がかかっている食品でございます。
 食品のほうは以上でございます。

【厚生労働省健康局(松本室長)】  続きまして、水道におけます状況につきましてご説明させていただきます。
 めくっていただきまして、水道水中の放射性物質に関する取り組みというところでございますが、3月11日に原子力緊急事態宣言が発令された後、原子力発電所の事故の状況が収束しないという状況の中で、19日に水道事業者に対しまして、水道中の放射性物質の濃度が飲用、飲食物の摂取制限に関する指標を超過した場合は、飲用を控えるよう広報することを依頼する通達を出しております。
 また、21日にはさらに乳児に関しましては、食品衛生法に基づく暫定指標値を用いまして、100ベクレルを超える場合には、乳児による飲用を控えるようということで、通達を出しているところでございます。
 その後、政府の方針といたしまして、水道データにつきましては、厚生労働省で取りまとめて発表するということになりました観点から、21日、25日に水道水の放射能水準の調査を行う場合に、その情報提供を水道事業者に依頼しているところでございます。
 この間、福島県及び首都圏におけます水道事業者におきまして、多くの水道事業におきまして、この値を超えるという事態が発生しております。福島県内では21日から23日にかけまして、その制限が必要になりまして、福島県内の7水道におきまして、そのような飲用制限をかけた状況になっております。
 また、23日から26日にかけましては、茨城県、栃木県、千葉県、東京都におきまして、合わせて14水道におきまして制限が必要な事態となっております。これらについて、現在はすべて値が低下いたしまして、現在は値を下回っている状況で、こういった措置につきましては、福島県の飯舘村を除きまして解除されているところでございます。
 また、その後、降雨によります高濃度の検出傾向があるということで、水道事業者側の取り組みといたしまして、そのような場合の取水、川から水をとることの制限ですとか、そういったことの対応を検討するように依頼しているところでございます。
 また、その後、4月になりまして、そういった原子力発電所の状況が収束しない状況を踏まえまして、今後、当面の間モニタリングを続けるようにということで、福島県及びその近隣及び関東地方の各県に対しまして、区域を設定いたしまして、週1回程度のモニタリングを行うというようなモニタリング方針を立てて通知しているところでございます。
 水道に関しましては、以上でございます。

【厚生労働省医薬食品局食品安全部((加地課長)】  すみません。食品のほうでちょっと追加、補足させていただきますと、先ほどの4月14日現在の区分表でございます。いわゆる出荷制限と解除でございますが、3月21日に当初出制限をかけました福島県、茨城県、栃木県、群馬県につきましては、当初でございましたのは、全県全体に制限をかけるという方法でございました。先ほどの説明の4月4日に設定と解除の考え方というのが対策本部から出まして、それ以降はここに細かい市町村の名前が出ておりますように、市町村単位で解除する、あるいは指定をする、制限をするというようなやり方に変更になっております。
 以上でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。

【農林水産省大臣官房(佐南谷課長)】  農林水産省でございます。お手元の資料に沿いまして、簡単にご説明申し上げます。
 1ページおめくりいただきます。まず、原発の事故に伴う政府の指示、それがどういった形で農林水産業に影響を与えるかということでございます。これまでのご説明にもありましたように、近隣住民の安全確保の関係で、避難指示、あるいは屋内退避指示というものが出されております。これがどういうふうに農業に影響を与えるかという点でございますけれども、避難する、あるいは屋内に入らなきゃいけないということでございますので、営農あるいは家畜の飼養といったものができなくなってしまうということでございます。
 さらに、食の安全確保という観点から、出荷制限指示が行われる、あるいは作付の制限が行われるといった場合につきましても、同様に営農の停止、あるいは風評被害、関連産業への波及といった影響がございます。
 さらに、県レベルにおきまして、自粛要請が行われて、出荷の停止あるいは漁業の操業停止といった形での措置もとられているという状況でございます。
 こういったことを通じまして、農家、農林水産業界にとりましては、収入の減少といったことも起こっているということでございます。
 こういった指示が各県にどういった形で行われているかというのが2ページの資料でございますけれども、左側の表は、原災法に基づきまして、総理の指示に基づいて出荷制限しているものの事例でございます。これまでのご説明にもございましたように、まず福島県におきましては、3月21日にホウレンソウ、カキナ、原乳といったものにつきまして、出荷制限がかけられました。その後、3月23日にはホウレンソウ、コマツナ等、あるいはキャベツなど、アブラナ科のブロッコリー、カリフラワー等、カブといった形で幅広く出荷制限がかかったということでございます。また、4月13日にはシイタケにつきまして、同様に出荷制限がかけられているという状況でございます。
 同様に茨城県におきましては、ホウレンソウ、カキナ、パセリ、原乳。
 栃木、群馬、千葉もごらんのような状況でございます。
 右側の表は、県等におきまして出荷の自粛あるいは操業の自粛の要請が行われて、自主規制が行われているという例でございます。
 福島県もごらんのとおりでございますけれども、こういったものはやがて政府の指示に基づく出荷制限措置にかなりカバーされていくということでございます。福島県漁連の操業自粛。これは、3月15日に県内漁協がすべての操業を自粛するという形で行われております。
 同様に茨城県におきましても、4月5日に県の要請に基づきまして、コウナゴの漁業が操業を自粛しております。さらに、県内漁協が沖合での操業を自粛しているというような状況もございます。
 栃木、群馬、千葉も同様の状況でございますけれども、例えばJAかとりにおきましては、農協が要請主体となってホウレンソウの出荷の自粛をしたというような例もございます。
 下のところに、ちょっと字が小さくて恐縮でございますが、こういった政府の指示によります出荷制限指示を行うに当たりましては、官房長官から出荷制限の実効性を担保し、消費者の食の安全を確保するために適切な補償が行われるよう万全を期すといった発言もなされております。
 資料をまたおめくりいただけますでしょうか。3ページでございますが、原発の事故に伴う政府の指示ということで、稲の作付制限がございます。これまでの説明は、放射性物質の降下によりましてホウレンソウ等が放射能汚染されることによって商品の価値を失うという問題でございましたが、次の問題といいますのは、放射性降下物が畑あるいは水田に落ちることによりまして、土壌が汚染されてしまうと。その結果、次の作付をすることができなくなるという問題でございます。
 基本的な考え方は、さきにご説明がございましたけれども、具体的に土壌の放射能がどういった形で米の玄米に移行するかということにつきまして、移行係数を解析いたしまして、出しております。
 右のところにございますように、水田土壌から玄米へセシウムが移行するのは大体0.1ということが算定されました。その結果、玄米のセシウム濃度の食品衛生法上の規制値は500ベクレルということでございますので、それを逆算いたしますと、土壌中の放射性セシウムは、上限5,000ベクレルというような数値が出てきたということでございます。こういった上限値をもとに、現在のところ、県と国が協議いたしまして、具体的な稲の作付制限を行うような地域を検討しているという状況でございます。
 こういった稲の作付制限が行われますと、当然のことですけれども、米を売った販売収入が失われるということでございますけれども、その右下のコラムにございますように、例えば戸別所得補償制度による交付金も受け取れなくなる。さらには、営農のために準備していた種や農薬、肥料といった資材も無駄になりますし、収入がないにもかかわらず、地代あるいは水利代、さらに土地改良の負担金といった負担を負わなければいけないという大変厳しい状況になっているという状況でございます。
 さらに、今後こういった作付地域が制限されますと、その周辺地域に対する風評被害というものも懸念される状況でございます。
 それから、次の資料でございますけれども、避難指示地域あるいは屋内退避地域の営農の状況ということでございます。左下の表にございますように、20キロ圏内、あるいは20キロ~30キロ圏内におきます米、野菜等々のデータをお示ししておりますけれども、例えば米につきましては、合計いたしますと全体で1万5,000戸の農家が1万6,000ヘクタール程度の水田耕作を行っているという状況でございます。
 野菜につきましても、同様に約3,400の農家が900ヘクタールの営農を行っております。葉たばこは1,200戸の農家が900ヘクタール、牛につきましては約600の農家が1万4,000頭ほどの飼養を行っているというような状況でございますが、右のコラムにもございますように、避難指示が出ておりますので、当然野菜等の栽培管理を行うことはできず、ホウレンソウ等がほ場、畑に放置されているという状況になっております。
 同様に、20キロ~30キロ圏内におきましても、事実上出荷は困難というような状況でございます。
 家畜の関係でも、20キロ圏内につきましては、もう飼養、えさをやったりすることもできないというような状況でございまして、多くの家畜は死亡していると私どもは考えております。20キロ~30キロ圏内の家畜につきましては、自主的避難により飼養管理が断念されております。圏内に残っている農家の多くが圏外への出荷・移動を自粛しているというような状況になっております。
 資料をまた1ページおめくりいただけますでしょうか。次の資料は出荷制限の影響を受けている品目につきまして、整理いたしております。左の表にございますように、福島等5県におきまして、野菜の生産額は合計いたしますと408億円、関係農家は延べになりますけれども、8万3,000戸になります。同様に原乳の関係では、生産額では261億円、関係農家が1,200戸、合計いたしますと、全体では671億円、8万4,000戸の農家がこういった影響を受けているというような状況になっております。申すまでもなく、こういったことによりまして、野菜の生産者は販売が不可能になりますので、現金収入の道が突然絶たれるというようなことになっております。
 それから、畜産、原乳農家につきましては、ほとんどが専業でやっております。そういった専業農家が突然収入を奪われまして、同時に生き物を飼っているということでございますので、えさをあげなければいけませんし、乳牛の生理上、毎日、毎日乳は絞らないと乳牛としての能力が落ちてしまうというような状況でございます。そういった中で、捨てることを前提としながら、農家は毎日、毎日牛乳を絞っているという大変厳しい状況にあるということでございます。
 そして、原乳の廃棄場所といたしましては、今、農家の草地等を使用しておりますけれども、その草地の利用にも限界があるということで、それを産廃処理するような状況になっております。こういった面でも、非常にコストがかかるような状況になっております。
 次のページは水産業でございますけれども、原発の事故が深刻化する中で、周辺地域の漁業者も県あるいは県漁連の要請に従いまして、操業を停止しているという状況でございます。
 福島県におきましては、まずは原発から30キロ圏内が航行危険区域ということになりまして、操業はできない状況でございます。事故が深刻化する中で、県漁連の指導あるいは漁協長会議の決定によりまして、3月15日以降は漁協がすべての操業を自粛しております。
 また、その後、4月9日にはモニタリングの結果、暫定規制値を超える放射性物質が検出、食品衛生法上の規制値を超えるようなデータが出ているというような状況でございます。
 茨城県も同様に自粛を行っておりまして、茨城の場合は県の出荷・販売の自粛要請を受けまして、関係漁協が操業を自粛しているというような状況になっております。
 1ページおめくりいただきますと、次は風評被害の関係でございます。風評被害と申しますのは、直接国による出荷制限が行われた品目ではないにもかかわらず、農産物の価格下落、あるいは取引の忌避といったことで関係農家が困っているという状況でございます。
 何例か例をご紹介いたしますと、農産物の関係では、茨城県産のレタスの価格が過去3年と比べまして半分になっているとか、あるいは栃木県産のトマトも4割価格が低下しております。千葉県産のキュウリにつきましても5割の低下、埼玉県産は3割低下。畜産物の関係では、福島県産の牛肉の枝肉でございますけれども、1頭当たり5万から20万円価格が落ちてしまったりしております。さらに、福島県産牛肉が取引先から返品されたといった例もございます。
 輸出の関係でも、相手先国の輸入禁止が発動されていないにもかかわらず、納品拒否、キャンセルといった事例が生じております。
 林産物の関係でも、福島産のシイタケの単価が3月上旬に比べて2割落ちるとか、水産物の関係でも、千葉産のキンメダイの価格が半分になったり、あるいは一部の卸売市場におきまして、福島県の近隣の水産物が小売業者から忌避されるといった状況が発生しているということでございます。
 次の8ページでございますけれども、農家の経営にどういった影響を与えるかということでございます。これも農家の声、事例をご紹介させていただきますと、左の欄の野菜農家の声でございますけれども、農家もやはり月々生産資材費の支払いをしなければいけないといった中で収入が絶たれてしまって大変苦しいということ。あるいは、風評被害によって安値になって、春レタスの原価割れをする中でも出荷を続けていて赤字であるとか、こういった声が寄せられております。
 同様に、酪農家の声ということでは、出荷にかかる乳代、対価が入ってこなくなった、他方、えさ代の負担が発生して二重苦であり、当面の資金繰りのめどが全く立たないとか、あるいは生乳の廃棄は自己所有地に埋設することにも限界がある。今後も出荷制限が続けば生乳を埋設するのも困難といった声が寄せられているという状況でございます。
 それから、肉用牛農家の声もご紹介いたしますと、やはり3月20日以降、和牛の価格が下落していると。出荷は継続しているけれども、毎日相当の損失が発生しているといった状況でございます。
 また1ページおめくりいただきますと、これは食品産業等への影響でございます。ここでは詳細なご説明は控えますけれども、避難・屋内退避地域における影響、あるいは返品・キャンセルの発生、それから相手先から放射能汚染がないことの証明を求められるとか、あるいは原産地の証明を求められるといったことで検査費用等が増えてしまう。あるいは諸外国による輸入規制、外国人労働者が帰ってしまったことに伴う損害、それから原料関係に係る損害ということで、例えば穀物の輸入船舶が日本に寄ることを避けるようになってきておりまして、そういったことも価格に影響が出てきているというような状況でございます。
 次のページ、これが各国の輸入規制の関係でございますけれども、現在29カ国・地域におきまして、我が国の食品に対しまして輸入禁止、あるいは検査の強化が実施されているという状況でございます。中でも47都道府県すべてを対象としたり、すべての食品、飼料を対象としている国が多いというような状況でございます。
 右側のチャートにもございますように、我が国の輸出は大体4,920億円ございますけれども、アジア向けが大変多いという状況でございます。香港、台湾、中国、韓国ということでございますけれども、例えば中国の場合は、東日本を中心に12都県に対しましては食品、飼料につきまして輸入停止という措置になっておりますし、それ以外につきましても、放射能基準適合証明書と産地証明書を要求というような形になりまして、大変輸出の環境が悪化しているという状況でございます。
 続きまして、11ページでございますけれども、左のほうは原子力安全委員会の緊急技術助言組織の助言を踏まえまして、私どもが農家にどういう指導をしているかという点でございます。まず、出荷停止になりました野菜につきまして、今はほ場に放置されているという状況でございます。これにつきましては、やはり放射能が土壌に入ってしまうのではないかという点から、出荷できない野菜を畑の中にすきこんでしまうとか、あるいは焼却してしまうのは望ましくないということにもなっております。そして、既に刈り取ったものは1カ所に集めて保管するというようなことになっておりますので、それが腐ってしまって悪臭を発するとか、さまざまな問題が生じているという状況でございます。
 原乳の廃棄の問題につきましても、紹介申し上げたとおりでございます。
 こういった風評被害の防止のために私ども農林水産省がどういうことを行っているかが右側の欄でございますけれども、まずは正確な知識、情報を消費者に幅広く発信するということをいたしております。
 それから、加工・流通業者に対しまして、科学的・客観的な根拠に基づいて冷静に対応していただくような要請をいたしております。
 私どもの大臣からも、消費者、小売業者に対しまして出荷制限の対象となっていない農作物につきまして、ふだんどおりに買い物、商売をしていただくようにメッセージを発信する。
 さらには被災地の復興を応援するキャンペーンといった形で、極力こういった風評被害等が起こらないような形で対応しているということでございます。
 最後の資料は、こういったこれまでにとられてきましたさまざまな措置が、どういった形で農業に影響を与えるかということを整理させていただいたものでございますが、説明は省略させていただきます。
 以上でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。

【中小企業庁 丸山経営支援課長】  中小企業庁でございます。お手元の資料、「原子力発電所の事故に係る中小企業者の方々への影響について」という資料をごらんいただければと思います。
 まず初めに、1ページ目でございますけども、右下のところに若干小さくて恐縮ですが地図がかいてございますけれども、第一原発から20キロ、第二原発から10キロ、それから計画的避難区域に入る12市町村ということで統計をとらせていただいております。
 文章のところをごらんいただきますと、今申し上げました12市町村につきまして、この中では約8,000の企業、あるいは個人事業主の方が営業しておられるということだと思っております。その中で、約6万人の方が雇用されて従事しておられるということでございます。
 この業種別の内訳というのを見てみますと、建設業で約20%、それから卸・小売で19%、それから製造業で18%、医療、福祉で10%というような雇用の状況になっておりまして、これは福島県の数字で見ますと、例えば建設業で11%ということで、このエリアの1つ特徴としては、建設業の割合が非常に高いということで、おそらく原発の関連事業なんかもあるかと思いますけれども、そういう特徴のあるエリアだということがございます。
 それから、2ポツにございますように、例えば30人未満ということで、事業所の統計を見ますと、95%がそれに該当しているということで、非常に小規模な方々の割合も高いというのがこのエリアの特徴であろうと考えてございます。
 1枚おめくりいただきまして2ページでございます。もう一つ、この区域の地域としての特性という形で整理させていただいておりますけれども、下の地図がございますが、ちょっと右側をごらんいただきますと、ここに都市雇用圏ということで少しデータを掲げさせていただいておりますが、これは人口が集中している1万人以上の中心部に向かって、その周辺から10%以上の方が通ってこられているという、要は通勤圏とお考えいただければいいかと思いますが、そうした都市雇用圏が左側の福島県の地図にございますように、赤いところが30万人以上、それから緑のところが30万人から10万人、青いところが10万人未満、白いところはそういう形で形成されていないということでございますけれども、こうした都市雇用圏、全国で251ございますが、福島の中はこういう色分けでございまして、ちょっと太い黒い線で塗られたところが、先ほど申し上げた12の市町村でございます。
 見ていただきますと、一部赤いエリアもございますけれども、大半は白かったり、あるいは薄い青であるということで、上の文章に書かせていただいておりますけれども、ここで21万人の方が居住しておられますけれども、いわば大きい都市圏には組み込まれていないというのがこのエリアの1つの特徴でございまして、いわばこれはそこに住んでおられる方が、そのエリアの中の地場で仕事に携わっておられるということだと理解をしております。
 したがいまして、2にございますように、ここから避難をして外に出ていくということになりますと、それは事業者の方、あるいはそこで働いておられます住民の方々につきましては、一から全く別のエリアに行って、事業とか生活の基盤の再構築をしなきゃいけないということになるわけでありまして、そういう状態の中で非常に困難なことが伴ってくるだろうと思っております。
 それから、3頁でございますけれども、今申し上げたような全体の雇用の状況、あるいは事業の状況という一方で、実はこのエリアにも化学の製品ですとか、あるいは自動車のための製品機械ですとか、そういったものについてかなり高いシェアを占めているという企業も一部存在をしておられまして、このエリアでの事業が難しくなるということになると、今申し上げました事業ですとか、あるいはエレクトロニクスですとか、そういうサプライチェーン全体にも影響が出てくるということもあろうかと思っておりますし、あるいは従業員を数百人規模で抱えておられる事業所もございますので、そういう面でも、当然雇用でも大変な影響があるということだと考えてございます。
 そういう全体状況の中で、4ページが、具体的にどういう影響が出ているかというのを3つに分けて書かせていただいております。
 1つ目の中小企業の影響でございますけれども、まさにこの避難指示区域等々の中に立地をしておられた中小企業の方というのは、いろいろな声をお聞きしますと、事業の継続は極めて難しくなっている、あるいは先行きがなかなか立たないということでございまして、その下に具体的な声というのを幾つかに分類して書かせていただいておりますけれども、1つ目は、事業活動はまさに行えないということで、もう収入が上がらない、あるいは既に過去に借りている既往債務もございますけれども、そうしたものが返す目当てがなかなか立たないというような声ですとか、あるいは社員の方が避難してしまっているものですから、事実上営業ができないというような声がございます。
 それから、2つ目が事業用の資産についての価値が毀損してしまっているということでございまして、例えばマル4のところですと、仕入れをたくさんしたけれども、それをそのままにして避難してしまっているという例ですとか、あるいは土地、建物等々を域内に置いてきてしまっているわけですから、そうしたものについての価値がなくなったと考えざるを得ないんじゃないかといったことが挙げられてございます。
 それから、マル6としましては、先々の話でありますけれども、やはり見通しが立たない中で、新規投資を行うという決断、判断ができないという声が上げられているということでございます。これが1つ目の避難に伴うような影響ということでございます。
 それから、5ページの(2)でございますけれども、いわゆる風評被害の話でございます。これも非常に広い形で生じていると考えてございまして、これも下の声を3つに分類して書かせていただいております。こちらをごらんいただければと思いますが、1つは福島県の産品に対して、非常に市場の中で売れなくなっているということで、ここに幾つかの実例を書かせていただいておりますけれども、返品ですとか、取引の打ち切りということが非常に広い範囲で、広い物品について起こっているというのが1つの事例でございます。
 それから、2つ目のカテゴリーが観光に係ることでございまして、ホテル、旅館等々で軒並みキャンセルが出ているということで、こういう観光に携わる方々の事業も成り立たなくなっているというのが2つ目の整理でございます。
 それから、3つ目がちょっと違う形なのでございますけれども、物流に非常に支障が出ていると。例えばマル10をごらんいただきますと、トラックがなかなかこのエリアの近いところに入ってきてくれないということで、原材料が入手できないですとか、製品の出荷ができないということが声として出ているということでございます。
 それから、6ページでございますが、影響の3つ目といたしまして、これは福島県産品だということで、風評のところにも関係するのでありますけれども、取引先から安全性についての検査、確認を求められるということがございます。
 特にこれについては非常に広がりが出ておりまして、海外からは、これは福島県産かどうかにかかわらず、日本の産品全体についても検査、確認等々が求められるということがございまして、そういう意味で風評ではありますけれども、非常に大きな広がりを持ってきてしまっているということがございます。
 実例のところに、2つに分けておりますけれども、国内取引先は、いろいろな製品、例えば木材ですとか、食品ですとか、そういうものについての取引、あるいは船への積み込みといったものが拒否されるということが事例として出ております。
 それから、海外も非常に広い、これは工業製品を含めてということでございますけれども、放射線汚染がないかどうかについての検査をしてほしいですとか、あるいは、証明書を出してほしいといったような声が非常にたくさん上がっているという状況でございます。以上が、中小企業への影響ということでございます。
 それ以降、支援策を簡単にご説明させていただきますけれども、これまでのところやっていることということで、1つは資金繰りの支援ということについて、これまでできることを一生懸命やってきているということでございますけれども、例えば、このページの2ポツにございますように、出張相談会といったことも、福島県内でも、既に数度にわたってやらせていただいているということでございますが、他方、金融の相談に来られる方というのは、いわば事業についての考え方がある方でございまして、おそらく、ここに来られない方、見通しが立たない方というのも、当然、多々おられるんだろうと考えてございます。
 それから、8ページの(2)、被災した施設の再建ということでございまして、特に、2ポツにございますように、今までの大変な状況で見通しが立たない方は多々おられるわけでありますけれども、一方で、そうは言っても、やはり事業をやらなければいけないということで、意欲のある方がおられまして、仮設でいいから始めたいという話もございまして、これは今はどういうニーズがあるのかということを、現地に我々も伺って、実態の調査を行って、仮設店舗等々が立てられるもの、あるいは、仮設工場が立てられるものについては、整備の支援をしていこうという取り組みをしているところでございます。
 それから、9ページの3つ目は、先ほど輸出のときの検査ということを申し上げましたが、これについての対応も、できることからさせていただいておりまして、これは相談窓口の設置等々は当然といたしまして、放射線量についての検査ができる機関というところをご紹介をさせていただくということですとか、あるいは、そういうところで証明書をとったということを、商工会議所などが協力をして裏書きをするといったような証明制度などもやってきているということでございます。
 それから、10ページに、地元の相談の体制として、商工会・商工会議所が機能するというのは非常に重要なことでございますけれども、こういうところも一緒に被災をしているということがございますので、そういうところに対する人的な応援ということも含めて、地元での相談体制をなるべくしっかりしようということでやってきているところでございます。
 以上でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。では、次の方、お願いします。

【国土交通省自動車交通局(渡辺課長)】 それでは、国交省でございます。国交省の資料、まず初めに自動車交通局、それから、海事局、観光庁の資料とついておりまして、その後に、本日配布のみの資料がついておりまして、それから、別紙で2枚の建設業の関係の資料というのがございます。
 まず、今の中小企業庁さんの説明とダブる面もあろうかと思いますが、自動車の関係からご説明をしたいと思います。自動車の関係、バス、タクシー、トラック、その他の事業が含まれております。
 まず、1ページのところを見ていただきまして、バスは乗合バス、いわゆる路線バスの事業と、それから、貸切のバスと、業態が2つに分かれておりますが、まず、乗合バス、路線バスのほうでございます。30キロ圏内の路線については、現在、運行休止中ということでございまして、また、20キロ圏内のバスについては、バス車両そのものが置き去りになっているということでございます。
 収入としては、この表でございますが、21年度、年間の収入で約34億円という営業収入が出ている事業でございます。さらに、30キロ圏内だけではなくて、圏外も、相当な影響が出ているということでございますが、2番、3番のところに書いてございます。
 3ページにいきまして、貸切バスでございます。貸切バスは、営業区域が原則県単位ということで定められておりまして、福島県の貸切バスの事業者は、約105事業者、年間の事業収入は、営業収入が108億円ということでございまして、この30キロ圏内においては、この業者がほとんど営業ができていない状況。さらに先ほども申し上げましたとおり、20キロ圏内の事業者については、車両そのものが置き去りになっているという状況でございます。それが、この表に書いてありますが、20キロ圏内では61台ということでございます。
 さらに、2番のところでございますが、あとで観光庁のほうからも同じような説明があろうかと思いますが、この表は東日本だけでございますけれども、原発の周辺だけではなくて、全体的に観光需要が大きく減少いたしまして、キャンセルが非常に多く発生しているという状況でございます。東北が76%キャンセルですが、関東も、73%程度がキャンセル、そのほか東日本を中心として53%のキャンセルが出ている状況ということでございます。
 それから、支援ということで、原発周辺地域からの避難民の輸送のために、貸切バスの事業者が支援として活躍をしたということを、最後に申しておきたいと思います。
 次に、5ページでございますが、タクシー事業者、30キロ圏内に営業区域を持つ業者が43業者、628両ということで、その年間の事業収入という意味では34億円程度ということでございまして、この業者については、ほとんど営業の見通しが立っていないということで、大幅に営業ができていない状況ということでございます。
 7ページでございます。レンタカーの事業でございますが、福島県内のレンタカー業者が308業者でございますが、そのうちの30キロ圏内の業者が、この2番のところでございますが、合計105ということで、営業収入、約16億円ということでございますが、30キロ圏内のみならず、圏外においても、大きく売上が減少しているというふうに見ております。
 それから、すみません、ページ数が、資料が間違っておりまして、また6ページに戻っておりますけれども、その次、トラック事業でございます。30キロ圏内に営業所を有する事業者数が99ということで、ここには書いてございませんが、車両数で言うと、1,200台弱ぐらいということでございまして、やはり20キロ圏内のトラックの車両数が500台弱ありまして、これはおそらく、置き去りになっているものと思われます。
 それから、営業の関係でございます。営業を休止している業者が、大体51社ということでございますので、これの平均売上額を掛けますと、年間で約100億円の被害、損害が出ているのではないかと推計されているところでございます。
 また7ページというところに戻りまして、自動車整備業というのがございまして、これが30キロ圏内で約90業者、年間売上高が42億円ということでございます。こちらも、ほぼ休業状態ということでございます。また、測定機器等の精密機械が汚染されているということで、損害が出ているものと思われます。
 それから、8ページと書いてございますが、自動車販売業でございますが、新車のディーラーは30キロ圏内に23社、中古車が7社ありまして、これがすべて休業中ということで、逸失利益が発生しているほか、風評被害という意味で、福島ナンバー全体の中古車の売買が敬遠されたり、納車拒否、値引き要求、それから、ただ30キロ圏内を通ったというだけで、放射能汚染されていないことの証明を求められるというような事例も発生していると聞いております。自動車の関係は、以上でございます。

【国土交通省海事局(堀内室長)】  続きまして、海運、造船の関係について、お話しさせていただきます。
 「海事局」と書いてあるペーパーでございます。まず、造船につきましては、2ポツの1にございますように、日本国内で建造する船舶、舶用機器について、まず、放射性物質による汚染がないことの証明が求められる事例が複数発生しております。
 それから、海外製品輸入に伴う技術者の来日拒否ということですが、船舶の建造のときに、据えつける機器については輸入して据えつけるものがございますけれども、これについて、欧州の技術者が日本に行きたくないというので、韓国の造船所まで回航していって据えつけなければいかんといった事態も出てきております。
 放射線量の鑑定については、財団法人日本海事協会が、今月1日より確認書を発行してございます。
 次のページでございますが、内航海運業・旅客船事業でございます。1の1にございますように、福島県沖を通過する旅客船の事業がございます。これにつきましては、2ポツの1にございますように、福島県沖の航路について、沖合30キロ以内は海上保安庁の航行警報が出ております。大幅な航路迂回を強いられているので、その分だけ、燃料の関係など、追加コストが発生しております。
 それから、2の風評被害による観光客の減少、これはいわき等で旅客船の事業、観光船がございますが、これも運行休止に追い込まれております。こういったこともございます。
 そして、外航海運でございますが、次のページでございます。この風評被害のために、いろいろと影響が出ております。3ページの2ポツの1でございますが、海外の港において、日本発の船舶、コンテナに関しては、放射線の測定を実施するということで、実際、入港拒否も事案が生じてきております。事案に書いてございます、中国のアモイ港に入港しようとして入港が認められなかった。そして、除染をして、もう一回、本港に入港しようとしても、再検査が行われ、待機もさせられたという事例もございます。
 それから、2にございますように、南相馬のほうでは、外航船が、これは1隻、二、三十億する船でありますけれども、防波堤内に座礁して、これを本来であればサルベージ事業者で座礁状態を解消しようとしているところ、サルベージ事業者が来てくれない、入りたくないということで、廃船になるような可能性も出てきております。そういった風評被害対策については、3ポツにございますように、国交省のホームページ、国際機関のほうでの安全である文書の周知といったことをしております。
 以上でございます。

【国土交通省観光庁(鈴木課長)】  続きまして、観光庁でございます。1枚めくっていただきまして、観光庁「原子力発電所事故の観光への影響について」というところでございます。
 観光の場合、広域に人が動くということもありまして、原発事故、それから、大震災と、両面で現在非常に大きな影響が出ているということで、なかなか、それをはっきり分けることができないものですから、全国的な動向ということで、本日はご説明させていただきます。
 ただ、先ほど来、各省庁から風評被害の話が出ておりましたけれども、観光業界においても、これは顕著に出ておりまして、当然、福島県だけでなくて、近隣県である北関東3県、その他の都道府県でも、通常どおり営業できているところが、インフラも問題ないですし、交通機関もちゃんと動いているというにもかかわらず、大幅なキャンセルが続くという状況になっておりまして、大変厳しい状況になっております。
 旅行業につきましては、国内旅行の3月実績が25から40%程度、落ち込んでいるということでございます。それから、4月、5月、ゴールデンウイークを挟んだ予約状況におきましても、20から45%程度の大幅な落ち込みとなっています。そのほかに、特に海外から日本へのお客様でございます。これは私ども、観光庁も、訪日外客を3,000万にしようということで、ずっと頑張ってきておりますけれども、大手旅行会社の取り扱いだけでも、外国人のお客様の9割がキャンセルしているといったような大幅なキャンセルが出てきております。3月の訪日外国人の旅行実績につきましても、そこにございますように50%減ということで、リーマンショック等の影響がありましたとき以来17カ月ぶりの大きな減となっております。ただ、3月の上旬は、順調にお客様が来ておりましたので、中、下旬だけにおいて絞りますと、7割近いキャンセルということで、外国人が非常に日本を敬遠しているということでございます。
 そのほか、宿泊業ですけれども、これも私どもの団体で聞き取ることができただけですので、全体のキャンセル量というのはさらに大きくなりますけれども、宿泊のキャンセルが、東北、関東地方で39万人分、それから、それ以外の地域でも、17万人分というのが出ております。そのほか、国際会議につきましても、被災地でも相当数、当然、キャンセルされておりますけれども、被災地以外におきましても、既に30件程度の国際会議が中止または延期となっておりまして、特に、3,000人規模の大きな国際会議についても、キャンセルしたいというような意向が示されて、鋭意、引き止めに苦慮しているというところでございます。これ以外にも、なかなかデータとしては、まだ取りきれていないんですけれども、いわゆる観光施設ですとか、いろいろな博物館、美術館、動物館、水族館といったような観光関連施設においても、大幅な入場者の減、それから、売上の減というのが起きております。
 先ほど、各省庁からもお話がありましたように、やはり旅行の魅力ということで、食事というのがありますので、農林水産品、あるいは水というものに不安を抱えた地域というのは、原発の直接の影響下にない地域においても、非常に旅行が敬遠されるということで、大変危惧しております。
 また、こういった観光につきましては、普通の産業であれば、そこに一定の住民の方がいれば、消費というか、経済活動が起きるわけですけれども、観光の場合は、地域外から人を連れて来ないと、なかなか成り立たないという意味で、非常に厳しい状況にあるというふうに考えておりますので、ぜひご配慮いただければと考えておる次第でございます。
 残りは、報道等の資料をつけさせていただいております。以上です。

【国土交通省総合政策局(谷脇課長)】  引き続きまして、建設業の関係でございます。今の資料の別冊で、その下に2枚の紙がございます。2枚紙でございます。
 建設業の概況でございますけれども、そこにございますように、企業数といたしましては、1,300余。従業員数、1万1,000人余。年間の建設投資額、これは私どもの推計でございますけれども、大体1,000億円ということでございまして、先ほど中小企業庁のほうから説明がございましたけれども、かなり大きな部分を占めているという産業でございます。
 建設業に特徴的な部分を説明させていただきます。2の(1)の1のところに書いてございますけれども、一番大きな点は、工事の継続が困難になっているということでございまして、途中まで工事を行ったけれども、現状、完成の見込みが立たない案件があるということ。あるいは、工事のやり直しが必要な案件が存在すると考えられるということでございます。そこの※のところに「建設工事は請負工事」と書いてございますけれども、請負契約で実施しておりますので、施主がおりまして、元請けがいて、下請け、一次、二次といるという中で、資金調達は、基本的に元請けが行いながら工事をしている。完成して引き渡さない限り、資金の回収ができないというのが現状でございます。途中で中止になりますと、借入金の返済にも困るという状況でございます。
 それと、万が一、仮に施主のほうが建設の継続をあきらめるということになりますと、途中までつくっておりましても、資金の回収が、民法上、なかなか難しいということがあるわけでございます。これが1点目でございます。
 2点目といたしまして、一般的に新しい工事がなくなっている。3つ目といたしまして、特に建設業の場合は、3の2つ目に書いてございますけれども、適正施工を確保するために、技術者をきちっと配置しないといけないということにしておるわけでございますが、そういう人が遠くにいるために仕事ができないという状況もございます。4といたしまして、営業拠点を移した場合につきまして書いてございますが、この対象地域の建設業は、やはり地域に密着する地場企業でございまして、そこにございますように、移転費用にとどまらず、長年蓄積されました地域の実績が評価されないとか、下請けの企業を使えないとか、資材調達が難しくなるといったようなマイナスがかなり出るのではないかということでございます。それと、公共工事につきましては、いわゆる地元企業を使うということで、地域要件などがついておりまして、なかなか難しいという部分がございます。
 次のページでございますけれども、完成工事高の減少に伴う評価の悪化による受注減少ということで、現在、受注の工事が減ることによって、毎年評価をしているわけでございますけれども、次の年の仕事が少なくなるということもございます。
 5で、従業員の継続雇用に係る費用ということで、これも、適正施工のために継続的な雇用のある技術者を配置しないといけないということになってございまして、そういう部分の取り扱いがあるということでございます。
 大きな2点目は、重機の関係でございまして、建設業をやるためには重機がどうしても必要だということでございますが、この地域に、これは私どもの推計でございますけれども、大体2,000台ぐらいの主な重機がございます。保有とリースが大体半々なのでございますけれども、例えば、ポツの3つ目に書いてございますようなリースしている重機につきましては、リース業者から買い取りの請求が来たりといったような状況が出ているというところでございます。
 以上でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。では、次の説明をお願いします。

【厚生労働省佐々木室長】  厚生労働省でございます。お手元の資料に基づきまして、ご説明申し上げます。
 まず、厚生労働省で原子力被災者の方に対して、経済的な支援としてどういう対策を現状で講じているかということについて、ご説明申し上げたいと思います。
 まず、東日本大震災と原子力被災者の方と明確に峻別することはできないという状況でございますけれども、1ページでございますけれども、各保険制度の減免措置を講じてございます。
 具体的には、避難指示区域、あるいは屋内避難指示区域に伴う各種医療保険、介護保険、障害者福祉サービスの自己負担について、当面、減額措置を講じて、患者の方々の経済的な負担の軽減を図っておるところでございます。当面、5月診療分まで、経済的負担の軽減ということを、いわゆる10割給付にするということを行っておりますけれども、阪神・淡路大震災の場合には、最長1年間、実施しておりまして、今後の被害状況を踏まえまして、今後、期間につきましても検討していくということでございます。
 あわせまして、保険料の負担という側面でございますけれども、避難指示区域の事業主の経済的な、保険料を支払う能力が減殺するということに着目いたしまして、健康保険、厚生年金保険、労働保険の保険料の納付限の延長、猶予という措置を現行法に基づきまして、運用の中で講じているという状況でございますが、さらに事業活動自体が非常に難しくなるという事業主さんも、既にいらっしゃいますので、従業員の賃金の支払いに著しい支障が生じている場合には、保険料の免除というような法的な特例措置を講じることも検討しておるところでございます。
 3番目でございますけれども、個人が負担する保険料というものもございますけれども、こちらにつきましても、国保、高齢者医療、介護保険、国民年金等の保険料を免除、見学、徴収猶予するという措置を、当該避難指示区域等の住民の方、あるいは企業の方に対しては、講じているという状況でございます。
 雇用保険の給付でございますけれども、避難指示区域にある事業所が休業、あるいは賃金を受けとることができないという場合に、雇用保険の特例給付ということで、雇用関係は継続しているけれども、実質、休業に伴うものにつきまして、失業と見なして、特例給付を実施いたしております。あるいは、事業主が経営を継続する際に、事業活動を縮小する際に、雇用調整助成金というものを給付することとしておりますけれども、こちらについても、原子力災害ということに関連して、休業損害というものが発生しておりまして、こちらのほうを、現在、雇用保険の給付という形で支給しておりますけれども、原子力災害の枠組みの中でどうとらえるのかということが、大きな論点であると考えております。
 所管の事業所の事業体の状況につきまして、簡単にご説明申し上げます。所管業界におけます被害の状況につきまして、現在も災害事故による影響は継続しておりますし、また、被災県において、災害対策ということを優先するという状況でもございますので、必ずしも、現時点で状況が確定しているという状況でもございませんし、把握しきれているというわけではございませんけれども、まず、医療業でございますけれども、事業主への影響ということでございますと、30キロ圏内に13医療機関がございます。20キロ圏内については、避難指示が出ておりますので、すべて診療が停止いたしております。20から30の屋内退避区域の医療機関についての入院は停止いたしておりまして、自主的避難の影響で、外来も停止している医療機関が存在しております。
 ちょっと毛色は違うのですが、当該屋内退避区域等に対しまして、他県を含めまして、医療チームの派遣ということを行っております。必ずしも、避難指示圏域ということに限っているわけではございませんけれども、累積196チーム、約936人の派遣元医療機関のほうから応援の諸経費というものがかかっているという状況でございます。
 患者さんへの影響でございますけれども、少し性質は違うのかもしれませんけれども、30キロ圏内における受診機関の低下に伴う症状の重症化、あるいは、入院患者さんの滞在費、帰院、帰宅の交通費の負担というものがかかっているという状況でございます。
 薬局につきましては、福島県で880薬局がございまして、30キロ圏内では59薬局ということで、売上の減少が生じているという状況でございます。
 続きまして、3ページ目でございますけれども、社会福祉施設の関係でございます。医療機関と同様に、当該圏域内に、ちょっと細かい字で恐縮でございますけれども、施設系サービスが、福島県全域で268施設ございまして、うち30キロ圏内に、特別養護老人ホーム12施設、老人保健施設5施設、養護老人ホーム2施設、軽費老人ホーム1施設、グループホーム10施設等々という状況でございます。そのほかに、ホームヘルプサービス事業等々ございますけれども、30キロ圏内の事業者数というのは、現在、私ども把握しきれておりません。
 それと、ほかに保護施設ですとか、児童養護施設、知的障害児施設等々ございまして、こちらにつきましても、事業停止、あるいは入院、入所者の滞在費の負担というものが発生しているという状況でございます。
 それと、水道につきましては、多くは自治体の地方公営企業体で行われているということから、ここでは事業体という考え方で記載しておりますけれども、放射性物質により水源、浄水場が使えなくなることによる損害ですとか、放射性物質が混入して、当該摂取制限を行うことに伴って、対策のためにイニシャルコストが、追加的な費用がかかるというようなもの、あるいは計画停電による損害等々が発生しているところでございます。
 福島県内にある水道事業等は、213事業、避難対象市町村にある水道事業は15事業、うち摂取制限を行った水道事業等は1事業で、現在は解除されているということ。あるいは、水道水の乳児に関しては厳しい摂取制限基準を設けておりまして、その関係で、摂取制限を行った水道事業等が20事業ございまして、現在は1事業で継続中という状況でございます。
 続きまして、4ページでございますが、生活衛生関係営業ということでございます。こちらにつきましても、事業停止、風評被害等による顧客の減少。あるいは、建物自体が汚染されたというような各種の経済的被害を受けておりますけれども、業態、あるいは地域の状況によっても異なりますので、現時点で、厚生労働省として把握はしきれておりません。事業所数につきましては、そちらにございますように、県内全域で、このような生業の営業所数があるという状況でございます。火葬場につきましては、避難指示区域内の施設でございます。
 と蓄業でございますが、福島県内に2施設ございます。と畜数、農林水産省のご説明にもございましたけれども、出荷自体ができないということでございますので、と畜頭数の減少によると蓄解体手数料、と蓄検査手数料等は減少しておりますし、肉の価格低下による売上減少、取引額の減少等々が発生しているという状況でございます。
 少しまた性質が異なるものでございますけれども、5ページでございます。水道事業につきましては、先ほどの事業体という考え方で考えた場合にということで、ご説明申し上げましたけれども、自治体が食品中の放射性物質の検査を行っているという事例がございます。現在のところ、これまで16都道府県、1,444件の検査を実施しておりまして、原子力対策本部から示された検査計画等の指示に基づきまして、引き続き、検査を継続するという状況になっているということでございます。
 簡単ではございますけれども、説明は以上でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。では、金融庁からの説明をお願いします。

【金融庁監督局(柳瀬室長)】 金融庁でございます。今般の原発事故に伴う金融機関への影響ということでございまして、「金融庁説明資料」とついています紙の次に1枚、いわゆる20キロ圏内での金融機関の店舗数を整理させていただいております。こちらにあるとおりでございますが、銀行でありますと、金融機関数3つで、店舗数10。信用金庫だと、金融機関数1、店舗数6。信用組合で、機関数2、店舗数4。その他預金取扱金融機関、こちらは労働金庫でございますが、これが金融機関数10、店舗数1。そのほか、保険会社が、金融機関数7、店舗数8、以上、金融機関数計で14、店舗数29でございまして、これが20キロ圏内ということで、現在、営業停止になっておるということでございます。
 簡単ですが、以上でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。それでは、最後は。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  あと、その他というか、配布資料として、国税庁、それから、警察庁から配布資料をいただいてございます。国税庁の資料につきましては、いわゆる酒類の製造販売に関するデータが資料になってございます。それから、警察庁につきましては、発電所そのものの警備業務を含む20キロ、30キロ圏内の警備業務について、これができなくなっているという話が資料で配布されてございます。

【能見会長】  以上で事故の影響の説明は終わりですか。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  はい。以上で、事故の影響の説明はすべて終了でございます。

【能見会長】  それでは、第4の議題ということで、今後の審議の進め方についてです。ここは後で委員の皆様のご意見も伺いたい重要な部分ですが、まずは説明をお願いいたします。

【北川内閣官房原子力発電所事故による経済被害対応室長】  それでは、資料6に沿ってご説明申し上げます。内閣官房原子力発電所事故による経済被害対策室が設置されまして、その事務局でございます。
 まず、資料6-1にございますのは、本部が設置されたという紙でございます。4月11日に、内閣総理大臣決裁によりまして、1にございますとおり、福島第一原子力発電所及び第二原子力発電所の事故による経済被害についての対応の枠組みの検討等を行うため、経済被害対応本部を開催するとうたってございます。
 恐れ入りますが、1ページ進めていただきますと、具体的な構成員が書いてございます。本部長は、海江田原子力経済被害担当大臣となってございまして、総理大臣以外の全閣僚が参加してございます。副本部長は、枝野官房長官、野田財務大臣、髙木文部科学大臣、海江田経済産業大臣となってございます。事務局長は、鈴木文部科学副大臣ということでございます。
 次のページにいっていただきますと、この開催についてということで、4月11日当日の大臣の記者会見の概要を示してございます。考え方を記者会見という格好で述べておるので、ご紹介いたします。
 まず、特命担当大臣に任命されたというパラグラフがございますが、その次でございます。ちょうど1カ月がたつわけでありますけれども、住民に避難、あるいは農業、企業の方にご迷惑をかけているということで、しっかりとした補償をしなければならない。第一義的な責任は東京電力でありますので、東京電力はその賠償責任から逃れることなく、しっかり向き合っていただきたいということ。
 それから、損害賠償について、関連して申し上げれば、東京電力が電力供給をしておる。この責任を果す中で、事業体として収益を上げて、その収益から賠償できるような体制をとらなければいけない。それについては、政府としても、しっかり対応していくということです。
 「それから」と書いてありますけれども、賠償、これはしっかりやらねばならないということで、それは、まず東京電力がしっかりやっていただきますが、それがほんとうに十分満足のいくものとなるように、政府としてもしっかり支援をしたいと思っておりますと、このようなご発言でございます。
 それから、本日、本部が開催されました。資料6-4をごらんになってください。ここには、「原子力災害被害者に対する緊急支援措置について」とございます。これは本日、閣議の前に本部が開催されまして、本部決定として示されたものでございます。1にございますのは、原子力損害の範囲の判定の指針が、この審査会で定められ、東京電力により被害者に対する賠償が実施されることになるということでございますけれども、事態がいまだに収束していないことから、具体的な損害の発生状況を確認しながら指針を策定するというには時間がかかるであろうということを述べてございます。
 2で述べておるのは、しかしながら、避難、屋内退避を余儀なくされている住民の方々については、速やかに支援措置を講ずることが必要な現実にあるということを述べてございまして、3に書いてございますのは、「原災法の規定に基づく指示に従い避難・屋内退避を行っている住民の方々に対しては、東京電力は、被災者生活再建支援法の規定により地震や津波により家屋が倒壊した被災者に支給金が支払われるということを踏まえつつ、避難・屋内退避による損害への充当を前提に、当面の必要な資金を可及的速やかに給付する。なお、この資金については、将来、具体的な損害が確定した段階で発生する損害賠償の仮払いと位置づけるものとし」となってございます。ちょっと途中にございました、被災者生活再建支援法につきましては、原発事故とは別の話でございますけれども、今回の大震災によりまして、生活が困難になった方々に、この法律に基づきまして支払われる支給金というものの金額を参考にしつつという趣旨でございます。
 4は、「同時に」とございます。これは避難、屋内退避を余儀なくされている住民の方々と同様に、出荷停止を余儀なくされた農林水産業者、中小企業の方々をはじめとする原子力損害被害者が適切な賠償をできるだけ速やかに受けられるよう、原賠法の規定に基づき、この指針の策定を速やかに進めていくということと、被害者の保護等を図るために必要な支援を講じることとすると、ここまで決まりまして、本日、正午前後に、東京電力が記者会見をして、具体的な仮払いの方法について説明をしたところでございます。
 今後、市町村に住民の方々の申請というものをいただきまして、東京電力から支払いがされるということでございます。具体的には、4月中をめどに始まっていくのではないかと私どもは考えてございます。この仮払いの話は、ある意味、緊急の措置ということでございます。これから、さまざまな困難な事例が多々ございますので、どのように経済的な支援を図っていくかということも、ぜひご検討いただければ幸いと考えてございます。
 以上でございます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、時間が少なくなっていますけれども、第2の議題から、今の第4の議題までを通じまして、委員の皆様のご意見を伺わせていただければと思います。この委員会では、早急に賠償の指針を立てる必要がありますけれども、全体にわたる包括的な指針は、多少時間もかかります。すぐにできること、あるいはすべきことは何なのか。今、東電が被害者に仮払いするという話が出ましたが、それとの関係なども考慮して、この審査会としては、当面どういった立場で何をしたらいいか、そんなことをご議論いただければと思います。
 どうぞ、山下委員。

【山下委員】  各担当者からの経済的損失についての説明は、非常に理解しやすかったのですけれども、本来、この原災法で救うべき対象者は人であります。その人が、どういう方であるかというと、今、ここで議論されている1つは、30キロ圏内にいらっしゃる方々、20キロ以上避難された方々というふうになっていますけれども、こういう方々の、いわゆる避難住民の現状ですね。すなわち住民登録が、実際、どのように掌握されているのかというのを、しっかりと早急に提示しないと、移住された方、あるいは、その土地からどこにいらっしゃるかわかりませんので、まず、それについて、どこが責任を持ってなされるのかというのが第1点であります。
 第2点は、当然、これは進行中の原発事故でありますから、環境のレベルも変わるでしょうし、個人の被ばく線量の評価というのは、極めて困難であろうと思います。そうすると、当然、個人の同定と同時に、きょうはあまり議論されませんでしたけれども、個人の生活背景、そういうものについての状態の把握、あるいは健康状態の掌握ということは、やはり今後、長期的な問題になるときの一つの論点、あるいは争点になろうかと思います。
 そういう中で、私たちが、今、対応している福島では、巡回健診等で、健康のモニタリングが極めて重要になってくるので、それについての長期にわたる補償についても、当然、議論していただきたいと思います。その結果、最終的には、現在、最大の問題である差別とか偏見、風評被害、そういうことに対する、おそらくケアが必要になってくるので、それも含めて、被害、救済の対象になり得るのかどうか検討頂きたい。
 なぜこれを話題にするかというと、今、話になっているのは、主に30キロ圏内の方々です。当然、30キロ圏外にも、こういう方々はいらっしゃるわけで、放射線の影響ということを考えた場合に、焦点を絞っただけでも、この点すなわち原発被災者を考慮して、早急に対応する必要がある。
 それから、最後に、ぜひお願いしたいのは、これは損害補償とは、何か起こったから補償するというだけではなくて、今後、こういう人々が精神的に、あるいは心の病を負うことも考慮頂きたい。阪神・淡路では、PTSDですけれども、こういうことをあらかじめ予知、あるいは予防するということに対する取り組みも、当然、考えられたほうがよろしいかと。その理由は、被害が出て初めて補償するというのを、今、議論するだけではなくて、人の、いわゆる生活や心まで含めて包括的に対応するということが重要ではないかと考えました。
 それで、きょうは、全く議論されませんでしたけれども、当然、この原発の事故では、ハイリスクグループがいるわけですね。ハイリスクグループというのはどういうことかというと、現場で働いている作業員、あるいは事故直後から働いている自衛隊、警察官、もっと言うと、地方自治体の方々、消防士、こういう方々のいわゆるストレスなど健康影響に対する被害の補償ということを、やはりどこかで議論していただきたいということで、提案させていただきます。

【能見会長】  どうもありがとうございました。この健康被害というのが一番重要であるというのはおっしゃるとおりでございまして、この審査会としては、そういう損害が生じたという場合に、それがきちんと、十分に賠償されるように指針を作成する。それは当然、第一の課題であると思っております。
 ただ、予防的な措置をどうするかということは、おそらく、この審査会そのものの管轄ではないので、ここでご議論していただいて、問題点を明らかにすることはかまいませんが、具体的には別のしかるべき場所で検討していただくことになるのではないかと思います。

【田中委員】  今のご指摘、非常に重要だと思いますが、放射線被ばくの被害というのは、量的な把握もできないので、それを、こういう損害賠償という形で補うのは大変難しいと思います。JCOのときもそうだったんですが、やはり、それは別途の専門的なところで、健康管理検討委員会というか、そういうことをやりましたので、ぜひそういうことのほうでやっていただいて、ここでは、ちょっとそこまで扱うと、健康とか命をどういうふうに見るかということになると、もう、ちょっと私にはよく想像つかないところもあります。そもそも、放射線障害をお金で何かするという考え方が、これは基本的に草間先生なんかにご意見をいただいたらいいと思うんですけれども、少しそこが異質なところがありますので、ちょっと分けて考えていただくのがいいかなと思います。
 それから、もう1点申し上げたいのは、明らかな実害ですね。待機とか、避難とか、いろいろなものと風評。風評って非常に大きいんですけれども、それを少し分けた議論をして、法的に、例えば首相が退避命令を下したとか、そういうことによる被害は、明らかに、もう原賠法の適用になるのかなと思いますけれども、そうじゃない風評というのは、これはどう見るかというのは非常に難しいと思いますので、そこを分けて議論するというのはいかがでしょうかというのが、私の意見です。

【能見会長】  どうもありがとうございました。
 みなさんのご意見を全て伺ってから発言したほうがいいのかもしれませんけれども、とりあえず気がついた点だけ申し上げますと、放射線で被ばくされて、健康被害等をこうむられた方がおられれば、これはもちろん原子力損害という範疇に入り、賠償の対象に入りますので、そのような被害についてどういう形で、どれだけの賠償をするかということの指針は、この審査会で扱うべき問題になります。ただ、健康被害の場合には、それに伴ってといいますか、健康が長期的に続くときにどういう救済策をとったらいいかとか、健康管理上のいろんな問題が生じますが、それはこの審査会の役割ではなく、この審査会は、あくまでどういう形でどれだけ賠償するか、その指針をつくるということになります。ただ、先ほどからのご議論は、健康被害は最重要な問題で、金銭による賠償にとどまらない問題があるので、こうしたことに注意しながら議論すべきだというご指摘として伺いたいと思います。
 それから、風評と実際の被害というのは、なかなか区別が難しいところで、これも慎重に議論しなくてはいけないと思いますけれども、この点を、まさにこの審査会では議論して、どこまでが損害賠償の対象となるのかの基準を指針として作成することになります。 中島委員どうぞ。

【中島委員】  今、山下先生や田中先生のおっしゃった観点は、人的損害についてはそうかもしれませんけれども、特に風評が異質なものであるというのは、健康被害はそうかもしれないんですが、物的な営業損害については、実損と風評被害というのは分けられない延長上の問題ですので、当然、議論の対象、判定の対象にすべきだと思います。

【能見会長】  ほかに関連してのご意見はありますか。
 はい、大塚委員どうぞ。

【大塚委員】  幾つか申し上げなきゃいけないことがございますが、健康被害との関係では、避難の途中で亡くなった方がいらっしゃいますので、この原発との関係で、避難の途中で亡くなった方については20名ほどいらっしゃるようですが、ちょっと考えなくちゃいけない問題かと思います。
 それから、今回、この指針をつくるに当たって一つ考えておいたほうがいいことは、非常に個別的な問題がかかわっていることについては、多分、若干後のほうに回るんじゃないかと思いますけれども、ある程度の量が出てきているような問題から、さらに先ほどお話がありましたように、例えば、避難民のように最もコアなところからまず指針をつくるべきではないかということはあろうかと思います。
 それから、第3点ですけれども、先ほどの風評被害についてどうするかは大問題で、前のJCOの事故のときも結構問題になったと思いますけれども、そのときの一つの考え方は、反復可能性があるかというところで切るという平成元年の名古屋高裁の判決を参照して考えたわけですけれども、今回、それについてどう考えるかというのが一つの大きな問題になってくるのではないかと思います。
 それから、若干質問としてお伺いしておきたいところは、今回、東京電力のほうが無限責任を負うことが前提になると思うんですけれども、政府の援助というのは16条の問題がございますけれども、その点については、議論の基礎として、どういうふうに考えたらいいのかなということは、関連する問題としてはあるのではないかということを指摘だけさせていただきたいと思っております。
 以上です。

【能見会長】  今いただいた、皆様からのご意見は、いずれも重要なご指摘で、風評被害につきましても、一体どこまで賠償の対象に入るのか、営業損害との区別はなかなか難しいので、どういう形でいわゆる風評損害を扱うのかということは、まさに、先ほど申し上げましたように、この審査会で議論することになります。大変ご苦労さまでございますけれども、指針の作成にあたっては皆様のお知恵をお借りしたいと思っております。
 それから、大塚委員がコアな部分という表現をされましたが、おそらくこれは、コアということにいろんな意味があるかもしれませんけど、一つは、東電が仮払いを始めることになっておりますので、その仮払いと、この審査会で損害賠償の指針として賠償すべきであると考える損害の範囲との関係がどういうものなのか明らかにしたほうがいいと思うんです。これを明らかにすることによって、東電の仮払いというものも速やかに実施されることになると思いますし、そういう意味では被災住民の賠償が迅速になされることにつながるので、この点がおそらく、大塚委員のコアというのはそういう意味だと思いますが、これはぜひご議論いただきたいと思います。
 東電の責任と国の援助との関係については、もう少し具体的に大塚委員から言っていただいたほうがいいかもしれません。

【大塚委員】  原賠法の16条の2項、あるいは1項で、政府のほうが援助することに、場合によってはなるかと思いますけれども、そこはちょっとはっきりしないところもあり、それによっては、どこまで払われるかという問題が出てくる可能性もあるものですから、その辺は、関連する問題としては、ここでの議論の基礎として、共有した情報を持っていたほうがいいのかなと思っているということでございます。

【能見会長】  それでは、藤木局長。

【藤木研究開発局長】  それでは、原賠法第16条の話のご指摘がありましたので、16条は、ご存じの方はおられると思うんですけれども、今回の場合、政府と東京電力は原子力損害賠償の補償契約を結んでおりますので、その上限が1,200億円までは、東電が支払った賠償につきまして政府が補償金を出すというシステムがまず存在した上で、その1,200億円をさらに超えた場合に、その先の東電が行う賠償についてどうなるのかという、そこの部分が16条の部分であります。そこにつきましては、まず東電が基本的に、一義的に責任を持っておられることはございますけれども、しかし、法律の目的、被害者の保護等に関しまして、それが充分に達成できないという状況になりましたときには政府が援助するという規定でございます。
 この政府の援助がどのような形態のものになるか、あるいはどこから発動されるのか、それは、法律では明定はされておりませんので、実際にこの賠償が一番円滑な形で進められるように政府の援助は行われる形でございます。現時点では、まだ事態が進行中でございますので、全貌、被害額ももちろん、先ほど各省庁からお話ありましたけれども、まだ事態が進行中でありますので、そういう意味で全体の被害額を見きわめながら、東電がしっかりと賠償できるような政府の援助を行うということをやっていきますというのが現状申し上げられることであります。しかし、政府もしっかりとその責任を果たすということは間違いなく言えると思います。

【高橋委員】  よろしいですか。

【能見会長】  どうぞ、よろしくお願いします。

【高橋委員】  行政法でございますので、その辺は関係から発言いたします。政府がそういう形で積極的に出られるというのはこの法の仕組みだと思いますが、我々の任務としては、基本的に原子力損害賠償の範囲を、きちんと客観的に、国民の皆様の理解が得られる形で、しっかり明確な形で線引きするのが第一であると考えます。その後の実際の結果としての、額がどうなって、それに対してどのような政治的な判断をされるのかというのは、これまた政府の判断だと思いますので、我々としては、我々の任務を粛々として行うべきであるというのが、私の第一の考え方でございます。
 それから、別の件についてお話ししたいと思います。我々の任務というのは、先ほど大臣も強調されましたが、原子力損害の範囲の判定をするというのが一番大きな任務でございます。しかし、最初に大臣も強調されたと思いますが、それ以外にも、当該紛争の当事者による自主的な解決に資する一般的な指針をつくることも大きな任務だと思います。
 その中には、迅速な支払い、現に困っている方に、きちんとした対応をするという形での払い方を、手順として明確に定めるということも非常に重要な意味を持っているんだろうと思います。本日、各省庁からお困りになっている事実、いろいろと、るるご説明されましたので、過払い、あまり根拠のないものについてもお払いするということは当然あってはいけないわけですが、必要なものについては、大胆に、迅速に基準を決めてお払いすることも、これは我々の任務として考えていいのではないかというのが第2に、申し上げたいということでございます。
 それから、第3点目は行政法固有の問題です。今日のご説明の中には、地方公共団体独自の損害ということについてのご説明がなかったと思います。地方公共団体というのは統治団体として、いろいろと今回の被害で障害を受けたところがあるんですが、これは多分、国、統治団体固有の問題として、例えば、交付税措置の対象等、別ルートでいろいろな措置がとられるということになるんだろうと思います。しかしながら、地方公共団体は、それとは別に、財産権の保有主体としての存在意義もあるわけです。例えば、庁舎管理とか、公の施設の管理という視点からは、当然に損害というのは考えられるはずで、現に庁舎が壊れて移動されている公共団体がたくさんあります。その財産上の損害というのは、当然観念し得る話であると私は思います。この辺、政府としてどういうふうなご仕切りをされているのか。これはもう特別交付税、その他の復興税の中で地方に対して支援するというのであれば、それはそれで結構だと思いますが、その辺は後で多分、問題になってくることだと思います。この点、少し政府部内で、次回にでもその辺の考え方についてご説明いただければありがたいなと私は思っております。
 以上です。

【能見会長】  どうもありがとうございます。
 では、先に鎌田委員、お願いします。

【鎌田委員】  ただいまのご発言とも関連しますし、先ほどの大塚委員のコアの部分というところにも関連するんですけれども、やはり現在の避難、屋内退避を行っている住民の方々の救済ということを考えますと、周辺部分まで全部、賠償されるべき損害の範囲の指針を確定しようと思うと、相当微妙な問題が多くある。そういう意味では、だれが見てもこれは賠償しなければいけないというものについて、とりあえず第一義的に指針を定めて、それに従って、この仮払いが適正に行われるようにということを、最初の早期に結論を出すべき目標とする、そういった審議の方法ができるんではないかとも思いますので、その辺を少しご考慮いただければと思います。

【能見会長】  それでは、中島委員どうぞ。

【中島委員】  この時間のない中で緊急性のあるものから基準をつくっていかなければいけないわけですから、自治体の損害などというものは後回しにして、まず、困っている人を、せっかく省庁別に資料が出て、統計もとられているわけですから、その中から緊急性のあるものをとりあえず1週間単位でつくっていくことが必要であると思います。先ほどの、今日付の緊急支援措置についてという書面によりますと、事故が続いているんだから、策定する時間が必要だなんてありますけども、最終的には時間はかかるかもしれませんけど、緊急のものについてはまずできるところからつくっていくことが必要ではないかと思います。

【能見会長】  それでは、野村委員。

【野村委員】  今ずっと話題になっている件なんですけれども、政府、国の援助のあり方と、それから損害がどういうふうに賠償されるのかというのはかなり密接に関連していると思うんです。全額、全損害が弁済されるということを前提にしてやるんならあまり問題はないのかもしれないんですけれども、そのときには、今の緊急性によるプライオリティーみたいなものが非常に重要な論点として出てくると思うんです。そのほかに、やっぱりその損害の種類によって、先に処理すべきものと、後に、緊急性だけじゃなくてあるのかなという気がちょっとしているんです。例えば、人身損害みたいなものはなるべく早いほうがいいのかなという気もしているんですけれども、いずれにしろ、損害の種類別に、ある程度、早目に決められるもの、早く決めるべきものから処理していくということでいいのではないかと思います。そのときにやや難しいのは、先ほどの各省庁の方から伺っていても、地震、津波による損害と、原発の事故の損害との切り分けというのは、これは損害の種類によって、その割合はかなり違うと思うんですけれども、なかなか切り分けが難しいなという印象を受けました。
 それから、最後に一つ、経済被害対応本部というものと、この紛争審査会との関係もある程度、スタートの時点で明確にしておいたほうがいいのではないかと。これは私がこういう関係にあると思っているということじゃなくて、国がどういう関係として位置づけているのかということだと思うんです。特に、経済被害という言葉が使われていまして、これが何を意味しているのかということで、例えば、この4月15日の決定ですと、避難、屋内退避による損害への充当を前提に、当面の必要な資金を給付するということなんですけれども、そうすると、これは避難しているということの精神的損害みたいなものは含まないという趣旨かなと思って読んでいたんですけれども、そうだとすると、いずれ最終的に損害額を確定して、確定的な損害賠償をする段階では、ここの段階で仮払いにされたものの中にはそういうものは含まれていないということになるのかなという、その辺をこれから紛争審査会のほうではある程度明確に、どういう損害の種類なのかということを、その関係を明確にしていかなくちゃいけないんじゃないかと思っています。
 以上です。

【能見会長】  今のご発言の中には、いろんな問題が指摘されておりましたけど、ちょっと気がついた点だけ申し上げますと、仮払いが一体どういう損害に対する仮払いなのかというのが実は明確ではなくて、仮払いの意味というものが問題となります。ただ、仮払いをどういうものとして支払うかというのは、賠償する東電の側の問題であって、我々審査会としては、どういう損害があるからそれを支払いなさいとか、これが賠償すべき損害ですよという指針を示すということになります。それゆえ、仮にこの仮払いというものが精神的損害を考慮しないで支払われていたというときには、この審査会でさらに精神的損害をも賠償すべきであるという指針が決まれば、東電としては仮払いをしたにもかかわらず、そこでに含まれていない精神的損害をさらに支払わなくてはいけないということが生じます。しかし、いずれにせよ、この仮払いがどういう損害の賠償のために支払われているのかというのは、今の段階でははっきりしないので、なかなか議論がしにくいところはあるんです。この問題は賠償範囲の決定という問題とは異なるので、審査会の役割の範囲ではないのかもしれませんけれども、現在わかっていることがあれば教えていただきたいと思います。

【北川内閣官房室長】  よろしいですか。

【能見会長】  どうぞ。

【北川内閣官房室長】  まず今回の仮払い金が、先生がおっしゃったような、内容に何を含んでいるのかというのは次回までに整理させていただきたいと思います。それが1点目。
 2点目は、この内閣官房の対応室と審査会との関係ということでございますけれども、基本的に賠償につきましては、原賠法の枠組みというのは明らかでございますので、それはそれで全く独立しているわけでございます。ですが、今回の事案があまりにも大きいということと、被害も相当の範囲にわたっているということで、総合的にどのようにすればいいのか、例えば、損害が確定して、事業者と被害者の話がつくまで何もできない、しないという方法も政府としてもとり得ないわけでありますから、例えば、融資ですとか、さまざまなつなぎの方法をとるといったことも考えていかなきゃならないと。そういったことを総合的に考えていく前提で、この対応室ができているとご理解いただければと思います。

【能見会長】  ほかにご意見は、ございますでしょうか。

【草間委員】  よろしいでしょうか。

【能見会長】  はい、どうぞ。

【草間委員】  先ほど、健康被害の問題がありましたけれども、避難、あるいは屋内退避等がとられているというのは、そもそも放射線による健康被害が生じないようにするために屋内退避、あるいは避難等がとられているわけです。放射線による健康被害に関しては科学的な知見というのはかなり豊富でありまして、それぞれ放射線による健康被害がどの程度の線量で起こるかというのは、はっきりしておりますので、健康被害といったときに、放射線による健康被害のみを対象にするのか、あるいは、PTSDみたいなものも入れるかどうかというようなところは大変大きな問題じゃないかと思います。
 風評被害をどう扱うかというのは一つ大きな問題だと思いますけれども、先ほどのご説明の中に計画停電に伴う問題等も出ていたと思いますけれども、この計画停電に伴う問題というのは、明らかにこれとは別に私は扱うべき問題じゃないかと思いますので、その辺をどうするかというのも大変大きな問題だと思います。
 大変細かいことになりますけれども、今日、農水省のほうからご説明いただきました、稲の作付をするときの土壌の基準が、5,000ベクレル/キログラムという形で示されているわけですけれども、この場合に、飲食物とかいったものはボリュームがはっきりしているわけですけれども、土壌中では、放射性物質は垂直に分布していきますので、どれだけの深さをとるかによって、キログラム当たりのベクレルは違ってきます。実際に基準を運用するときに、今、土壌のほうはセシウムについてキログラム当たり5,000ベクレルという数字が示されていますけど、どの深さまでをとるかというのをきっちりしていただかないと、作付面積の決定をするときに大きな問題になってまいりますので、この辺のことはきっちり、摂取する土壌の深さ等をよく検討していただいた上で適用していただかないと、場合によっては作付できない場所が増えてきますので、この辺、細かい点ですけれどもぜひお願いしたいと思います。

【能見会長】  どうもありがとうございました。
 続いては、米倉委員。

【米倉委員】  先ほどからお話がありますように、避難された方々は、基本的には健康被害を及ぼさないようにということで避難されたわけですが、実際には、その中でいろんな病気になられたり、あるいは途中で亡くなられたり、避難生活が非常に厳しい中で、いろんな病気になってくるということがありますので、そのこと自体がやはりある種の賠償の範囲に入ってくるのかなということを感じました。これと、今日いろいろお話があったような、いわゆる経済的な損失というもののバランスをどのようにとるかということは非常に難しい問題ではありますが、やはりどこかできちっと判断しなければならないということを感じました。

【能見会長】  どうもありがとうございました。多少予定の時間を越えておりますが、重要な問題ですので、皆様からなおご意見があれば伺いたいと思います。ただ、今までのご意見をお聞きしておりますと、少しレベルの違う幾つかの問題がやはりあるようです。一つは最終的な賠償義務を考えたときに、どのような損害を賠償するのかという問題、例えば風評損害はどうするかとか、健康被害等についても、どういうところまで賠償範囲に入るのかとかいう問題で、これらは最終的な指針の内容となるものです。もう1つは、被害者の被害を救済する上で当面何をすべきかという問題です。最終的な指針をつくるというのは、1週間や2週間でできるものではありませんが、しかし、その間にも避難されている住民の方々は大変な苦労をされておりますので、すぐ今、何らかの形で、仮払いという形であれ、賠償することに問題がない損害については早急にしたい。最終的な指針まで待たなくて早急にできるものは何であり、それをどのようにするかという問題です。以上の2つがあるんだろうと思うんです。先ほどからもそういうご意見があったと思います。そういう意味では、今の皆様のご意見を踏まえまして、早速次回の審査会にある程度の案が出せるように努力したいと思いますが、それでよろしゅうございますでしょうか。

【田中委員】  1点だけいいですか。

【能見会長】  はい、どうぞ。

【田中委員】  時間がなくて恐縮です。今の事故の状況を見ますと、期限を切ってとか額の確定というのはおおよそできないと思います。だから、今、できる範囲でとにかく救済措置をやっていかないと、下手すると10年先まで確定しないということが起こり得るという、非常に特殊な状況の中での指針をつくれるようにお願いしたいと思います。

【能見会長】  どうもありがとうございました。今日の皆様のご意見を伺いまして、それを参考にしながら指針づくりに早急に入りたいと思います。
 次回の審議の具体的な内容につきましては、今のご意見を参考にしながら、少し私のほうで検討させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次回の開催期日等について、事務局からお願いします。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  配付いたしました資料の一番最後に、今後の開催日程についてというのが書いてございますが、現在、4月22日、金曜日の13時50分から15時50分で皆さんの時間をいただいております。場所につきましては、まだちょっと確保できておりませんので追ってお知らせいたします。また、傍聴していらっしゃる皆様、あるいは、取材の皆様につきましても、また後日正式に、場所とともに次回の開催について発表したいと思います。
 以上です。

【能見会長】  どうも長い時間、熱心にご議論いただきましてありがとうございました。これで閉会したいと思います。

―― 了 ――

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-- 登録:平成23年06月 --