平成30年3月15日(木曜日)13時00分~15時00分
文部科学省15階科学技術・学術政策局会議室1
荒瀬委員、重松委員、菊池委員、末冨委員、隅田委員、竹内委員、千葉委員
塩崎人材政策課長、春山教育改革調整官、鈴木教育課程課長補補佐
○運営規則に従い、会議を非公開とすることとなった。
○事務局、JSTより、資料について説明が行われた。
それに関連して以下のとおり意見交換が行われた。
【主な意見】
(SSH支援事業における、国の役割について)
○追跡調査について
・国が長期的に実施する姿勢を示す必要があるのではないか。
・実際全ての対象生徒のデータを集めると膨大な量になるのではないか。
・追跡調査は学校と生徒の信頼関係のうえに成り立つものであり、JSTや業者による実施では回収が難しいのではないか。
・入口の調査が難しいのであれば、出口の調査、例えば特別研究員や卓越研究員等になっている人を対象に、SSH出身者の割合を調べれば1つの資料にはなるのではないか。
・追跡調査における個人情報の関係については、蓄積のある厚労省や東大の知見も借りれば対応可能ではないか。
・全国生徒研究発表会での発表対象生徒の追跡調査であれば、対象も限定的で現実的なのではないか。
○審査の観点について
・審査の観点の記載について、これまでの蓄積を生かして、より具体的な記述にできないか。
・審査の観点については、これまで審査に関わった先生方の意見をもとに、改善されてきている。学校の自主的な取組を促しつつ、それぞれの学校の特色を生かした取組というものが採択されるためには、あまり審査の観点を具体化すべきではない。
○成果・効果について
・成果の明確化に関しては、国の責任について言及する必要があるのではないか。
・事業運営については、効果のある取組が実施されるようにすることが重要であり、予算を減らすことが目的ではない。何が事業運営の効果を最大化するのかという観点から、合理化・効率化を図る必要がある。
○その他
・私立の指定校が、公立学校に比べて少ないが、審査は公私問わず、同じ審査基準で行っている。
・国の役割としては、SSH事業をより充実したものに発展させていくということが重要。
(SSH支援事業における、管理機関の役割について)
○継続性について
・管理機関の人事については国が指示できないということは当然のことであるが、学校の責任者である校長が2年や3年で異動していると、指定校の取組の継続性の担保、さらには、充実・発展という観点であまりよいとはいえない。
・国の予算を使ってSSHに取り組むのであれば、校内の体制の一層の整備が必要ということは言ってもいいのではないか。
・日本の場合、校長の平均年齢が高く、かつ校長としての平均在職年数が短い。このような管理職の人事がSSHの取組の継続性についてもあまりよい影響を及ぼしていないということを現場が教育委員会に伝え、教育委員会がそれを踏まえた人事をするようにならなければ、変わらない。
・担当指導主事のみならず、教育委員会全体でSSHを支援していけるような形が理想である。
○その他
・教師として博士人材を活用するなど、教師の指導力向上を図ることも重要である。
(SSH支援事業における、指定校の役割について)
・計画を効果的に遂行することが重要であるため、設定した研究開発計画を状況に応じて柔軟に見直すことも必要ではないか。
・科学技術人材の層を厚くしていくにあたり、地域拠点となる高校について、事業の戦略を考えていくためのネットワークを国も作ったほうが、一層効果的な事業展開につながるのではないか。
・外部有識者のみならず、様々なステークホルダーの方の意見を伺うのが良いのではないか。
・指定校の役割としての成果の普及や啓発については、それをすることによって国から評価される仕組みが必要ではないか。
(情報提供)
・PISA2015調査によると、上位層(PISAレベル5以上)の生徒の割合について、日本は2012年の18.2%に比べてやや下がって15.3%、これに対しシンガポールは2012年の22.7%から更にあがって24.2%となっている。シンガポールは4人で班活動による実験を行えば、そこに、OECD加盟国のトップレベルの生徒が1人は含まれるというイメージ。日本には20%の壁がある。
・世界15歳段階における科学的リテラシー・タレントプールについて、人口比をかけて比較すると、PISA調査の中ではアメリカが22%でトップになる。かなりの層の厚さ。2位は中国で13.1%だが、地域的な参加のため、全土にすると更に数値があがる。日本は3位で12.6%。
・アメリカの公立学校における才能児の割合は、アメリカ教育省のデータによれば、約6.7%。また、才能教育プログラムを提供する学校の割合は約57.5%。
・APに参加している学校数と受験生徒数について、1956年は104校だったが、1971年になると3342校と、30倍近く増加。また、今年度は22,168校、2,741,426人が参加。制度化し、継続してやっていくことで、これくらいの規模感まで増える事業だということかと思う。
・AP受講生徒の増加による効果として、国全体の教育の質向上、低所得者層の生徒への質の高い学習機会の確保があげられる。
・理数分野については、2003年は受講生徒が約16万人だったところ、2013年になると、レベル3以上の優秀者が16万人から29万人に増えており、単に受講生が拡大しているわけではなく、質の高い生徒の規模も増加しているとわかる。
○最後に、事務局より今後の開催スケジュールについて説明があり、閉会した。
以上
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