スーパーサイエンスハイスクール(SSH)支援事業の今後の方向性等に関する有識者会議(第1回) 議事要旨

1.日時

平成30年2月8日(木曜日)10時00分~11時30分

2.場所

文部科学省15階科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 議事運営等について
  2. 検討内容について
  3. その他

4.出席者

委員

荒瀬委員、菊池委員、重松委員、末冨委員、隅田委員、竹内委員、千葉委員、細田委員

文部科学省

松尾大臣官房審議官、塩崎人材政策課長、淵上教育課程課長、鈴木教育課程課長補佐

5.議事要旨

○事務局より、資料1-1「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)支援事業の今後の方向性等に関する有識者会議の設置について」、資料1-2「運営規則(案)」に基づき、会議の運営について説明が行われ、資料1-2が案のとおり了承された。
事務局より重松委員を主査に推薦し、委員の賛同により、重松委員が主査に選任された。
重松主査より千葉委員を主査代理に推薦し、委員の賛同により、千葉委員が主査代理に選任された。

○運営規則に従い、会議の一部を非公開とすることとなった。

○事務局より、資料2-1「「秋のレビュー」(秋の年次公開検証)における指摘事項」、資料2-2「論点案」に基づき、秋の年次公開検証での議論や、本会議での検討内容について説明があり、それに関連して以下のとおり意見交換が行われた。

【主な意見】
(今後のSSH支援事業の在り方について)
・諸外国における科学技術人材の育成において、STEMに対しての教育投資はかなり膨らんでいる。エリート育成だけではなく、科学技術を支える広い人材育成に、かなり早い段階、特に後期中等教育の段階から集中投資が図られている。国によっては、初等教育段階から集中投資の対象になっている。

・我が国においては、科学技術人材の育成をどうモデリングして、そのために若い世代の育成をどう考えるのかについてのビジョンが必要であり、トップリーダーを作るのか裾野を広げていくのか、どちらか一方という議論ではなく、より層の厚い人材育成をすべき。

・アメリカで才能児教育の対象となる生徒の割合は、6~10%。SSH校での取組は、学校教育の質を変えるぐらいインパクトがある。才能教育の観点からも普及の観点からも実施規模が不足していると考える。

・国力を強めるために、日本が、理数分野でものづくりに力を入れていくためには層を厚くすることは絶対に必要。層を厚くする意味で高校レベルでのよいモデルを作る試みは継続的に行う必要がある。また、国民のサイエンスリテラシーの涵養のためにも、継続的に取り組む必要がある。

・地方の、大学にアクセスが悪い地域から見ると、SSH校が地域にあることは、地域の優秀な生徒の伸びる可能性を担保でき、また、地方再生にもつながる。

(事業の成果・効果の検証)
・成果について、自分で課題にどう取り組んでいくのか、あるいは自分だけでできないときに周りの人と一緒にどうするのか、といった高校生の学びの姿を1つの形として示せるのではないか。

・ルーブリックという名前が定着し、開発することができるようになってきた。指定校のホームページでダウンロードできるようにしたり、ワークショップを開催したりするなど、成果を波及させる指標を作ることもできるのではないか。SSH事業の取組は非常に意義がある。一方、ルーブリックを活用しきれていないという現状もある。

・探究というキーワードが定着するに当たって、重要な役割をSSH校は果たしてきた。また、SSH校は初等中等教育の最後の3年間であり、地域の初等中等教育全体に与える影響は非常に大きい。

・企業では費用対効果を非常に厳しく見るが、教育はかけた費用に対する効果が必ずしも出るものではない。あまり結果だけを求めていると取組が矮小化される可能性もある。

・成果や効果の評価について、秋のレビューを見ると生徒を単位に注目しているようだが、教員や学校単位の質の向上や地域単位での波及効果については触れられていないので、それらについてもアピールする必要がある。また、入学する生徒層の変化を見る方法もある。いろいろなやり方があるので、成果モデルはレベル分けをして、クリアにすることが必要。

・SSHが県立高校のレベルを上げてきたというこれまでの成果を踏まえ、管理機関として、SSH経験校やSSH校の周辺校を巻き込んだ支援というのも始まっている。

(SSH指定校に対する支援の在り方)
・各校は限られた支援額の中で工夫して活動をしており、生徒自身にも一定の予算の下で、実験に必要な材料をそろえるような工夫をさせている。

・学校はお金がないので、足りない予算を補足するために、企業と連携して、企業から寄付金を集めるようなことをもっと積極的にやっても良いのではないか。

・他の先進国を見ても、国の支援については、プログラムの重要性を踏まえた配分としている。


○最後に、事務局より今後の開催スケジュールについて説明があり、閉会した。

以上


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