科学技術週間の取組等に関する検討会(第3回) 議事要旨

1.日時

平成29年8月28日(月曜日)10時~12時

2.場所

科学技術・学術政策局会議室2

3.議題

  1. 今後新たに行う取組について
  2. その他

4.出席者

委員

熱田委員、大草委員、滝田委員、奈良委員、八田委員、船木委員、米山委員

文部科学省

塩崎人材政策課長、石橋人材政策課長補佐 他

5.議事要旨

○事務局より、資料1-1「今後新たに行う取組について(1.科学の名所100選(仮称))」の説明が行われた。

【主な意見】
・資料には協議会を設置して事業の名称を検討するとあるが、事業にふさわしい名称を決めることは重要である。
→事務局より:名称については、「100」や「名所」といった数字・言葉にこだわらず、柔軟に協議会で検討していきたいと考えている。もし良い案があれば提案していただきたい。
・科学の名所100選(仮称)(以下、科学の名所)は、自然現象や地形等に関係のある場所や、技術に関係のある場所など、様々なものが想定される。それらを広く包括できるような名称であると良いのではないか。
・事業を実施するに当たっては、各地域の科学館からの協力を仰いでアイデアを出してもらうと良いと思う。
・各地域にある科学に関する資源の活用について、科学館等で取組を行っている場合でも、自治体との連携には至っていないのが現状である。科学の名所をきっかけとして、自治体からの発信ができるようになれば良いと思う。
・科学の名所に選定された場所に行って何かを見るだけでは得るものがないと思うので、その場所についての解説が受けられるようにする必要があるだろう。
 →事務局より:自治体には科学に関係する場所にまつわる話も含めて名所として提案してもらうことを考えている。
・未来の科学者や研究者となり得る子供たちを対象とすることも必要だろう。民間企業と連携した取組ができると、事業として盛り上がるのではないか。
・科学に関する資源について伝えたいことがあったとしても、それをうまく伝えるノウハウがない場合も多いのではないか。ホームページに科学の名所を掲載する際の参考となるような、見せ方の工夫を示すようにすると登録がしやすくなるように思う。また、行ったことのある場所に投票してもらい、投票数の多い順に順位を付けるとすると、上位は都心を始め多くの人が訪れやすい場所に集中してしまう恐れがあるため、行ってみたいところにも投票ができると良いのではないか。都心から離れているなどの理由で多くの人が訪れるのは難しい場所であっても、科学の名所としての価値が高い場所は、ランキングの上位にくるような仕組みがあると良いと思う。
(事務局)科学の名所に実際に行ってみたが期待以下だったというようなことがあったとしても、ランキングがあれば次はより上位の場所に行ってみようという気になるかもしれない。ランキングを示すことは、行く場所を選ぶ際の検討材料としての役割も持っている。
・科学に関する施設がなくても、科学者にゆかりのある場所や地域に根付く技術などがあれば科学の名所になり得るということを示す必要があるのではないか。
・今まで広く一般には知られていなかったような科学に関する資源を再発見するという目的に重きを置くべきではないか。
・新たに行う取組であるため、登録希望者に対しては、具体的にどのようなものが科学の名所となり得るのかを例示する必要があるだろう。また、名称について、訪れてほしい場所という意味では、「名所」という言葉は適当であるように思う。
(事務局)科学の名所の取組における文部科学省の役割としては、地域の科学に関する資源をそれぞれの自治体が発信するための手助けをするということを考えている。また、民間企業や他省庁と連携することで、海外からの旅行客も視野に入れた、様々な方面からの発信ができると良いと思う。
・科学の名所だけを発信したときに、科学への関心が比較的低い層に実際にその場所を訪れてもらえるかは疑問である。加えて、遠方から科学の名所を訪れてもらうとなると、科学の名所を見に行くためだけに遠出するということは考えにくい。科学以外のものも含めて別の観光資源と組み合わせる必要があるように思う。推奨ルートのようなものがあると足を運んでもらいやすくなるのではないだろうか。
・別の観光資源を取り入れると、本来発信したいと考えている科学の名所の伝わり方が弱くなってしまう恐れがある。周辺の観光資源については各人で調べることもできるため、科学の名所に絞った発信の仕方を考えるべきだろう。
・少子高齢化社会であることを踏まえると、シニア層の個人旅行も視野に入れるべきだろう。
・科学の名所となり得そうなところに声をかけて、モデルケースのようなものを作るのはどうか。

○事務局より、資料1-2「今後新たに行う取組について(2.家庭における科学コミュニケーション)」の説明が行われた。

【主な意見】
・この取組は、科学技術週間に限ったものではないと考えて間違いないか。
 →事務局より:日常で行われている科学コミュニケーションを何らかの形で表現してもらい、科学技術週間でそれらを発表、あるいは表彰するというイメージである。
・学校の自由研究は、研究の結果のみが成果として求められている傾向がある。結果だけではなく、どうしてそのテーマを選んだのかや、どのようなことが大変だったのかなど、過程に焦点を当てるような取組があると良いのではないか。
・親が主体的に参加できる自由研究があると良いと思う。
 →事務局より:学校の自由研究とは別の形での自由研究を求めてしまうと、親の負担が大きくなり過ぎる恐れがある。なるべく少ない負担で親子が参加できる形を考えるべきだと考えている。
・現代の多様な家庭環境や学力格差の問題を考えると、親子での参加にこだわらず、大人だけを対象とした取組があっても良いのではないか。
→事務局より:家庭における科学コミュニケーションを促す目的は、子供たちに科学への興味を持ってもらうことである。その目的を達成するためには、親に参画してもらうことが有効な手段として考えられるため、親子で参加できる取組について検討している。したがって、大人のみを対象とするのは本来の目的を考えると、方向性が少し違うように思われる。
・親が興味のあることに子供も興味を持つということは大いにあり得る。大人による科学の活動を発表する場や表彰する場は少ないのが現状であるため、そのような場を科学技術週間の中につくると良いと思う。
・科学を防災の分野と結びつけて考えてもらうようにするなど、知識を身につけることに対して切迫感がないと、科学への関心が比較的低い層の関心を引くのは難しいと思う。
・求める科学コミュニケーションの水準について、防災や健康などの問題について最低限の知識を身につけてもらうことが目的なのか、あるいは恐竜展や深海展などに足を運んでもらうことが目的なのかで、取組の内容が変わってくると思う。今回の取組に関しては後者の目的に絞って考えることが必要ではないか。
・子供に質問されて答えることができなかったときに、答えを提示してもらえる場があることは重要だろう。学校や科学館もそのような役割を担っていると思われる。
 →事務局より:答えが正しいか間違っているかにかかわらず、子供の質問をきっかけとした科学コミュニケーションが生まれること自体が重要であると考える。
・子供には、疑問を持つことが良いことであるという気づきを与えられると良いだろう。インターネット上に質問箱のようなものを設け、解明されていないことも含めて答えとして提示できると良いのではないか。質問を集積したデータベースのようなものがあると良いと思う。
→事務局より:現代では検索窓に疑問に思ったことを入力すれば、検索結果に示されたサイトから情報を得ることができるため、総合データベースを文部科学省がつくる意義は薄いように思われる。調べることを余りしない層に向けた働きかけも検討する必要があるだろう。

○最後に事務連絡があり、閉会した。


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