令和元年5月29日(水曜日)15時30分~17時30分
文部科学省15階科学技術・学術政策局第1会議室
○事務局より、資料1-1、1-2、1-3について報告が行われた。
○事務局より、資料2-1、2-2、2-3について説明ののち、原案どおり実施方針が了承された。
○資料3-1について事務局から説明の上、資料3-2、3-3、3-4について各法人から説明を行い、令和元年度の研究公正推進事業の実施方針等について意見交換を行った。
(主なやりとり等は以下のとおり。)
○公正な研究活動の推進に関する平成30年度の活動実績について
・公正な研究活動の推進に関する制度・体制等の諸外国調査
成果報告書を見ると、各国の研究公正システムは、対象とする不正の類型や制裁を含めると、かなり多様性があることがわかる。
例えば、アメリカは研究室内に所属する研究者の国籍、文化的背景が様々であることから、非常に厳しい制度とせざるを得ない代わりに、特に医学分野では捏造(ねつぞう)、改ざんを中心に対応してきた。一方、日本の場合、発生事例の半分ほどが盗用であり、アメリカより広い範囲を扱っていることから、必ずしもアメリカと同じ厳しさで取り組む必要はないのではないかという印象を受ける。また、フランスは、研究機関が行う不正の調査・認定をサポートする国の機関を最近設置しており、現実的な手法を取っているように思われる。国によってはオンブズマンなど、判断の公正性を監視する制度もあるが、雇用形態や位置づけなども国によって異なり、表面的には同じように見えても中身は別物である。
逆に、日本の制度・体制について外国が調べたレポートもあるようだが、日本の仕組みが海外から見てよく伝わっていないため、国内の各機関が適切に対応していないかのような誤解を受け、結果として研究に対する縛りが厳しくなり研究活動そのものが阻害されるのではないかと懸念している。
○公正な研究活動の推進に関する令和元年度実施方針について
・チェックリストによる状況の把握及び指導・助言
国内の研究機関の体制整備状況が指導により改善されているのであれば、その情報は積極的に発信し、改善前の情報をソースとして諸外国から日本の取組が過小評価されることを防ぐべきである。
・諸外国における研究倫理教育内容の水準に関する調査
今年度、諸外国について行うこととなっているが、将来的には日本国内の機関における状況についても行う必要があるのではないか。
○その他
・平成30年度に公表された事案8件のうち5件が、学内の紀要に掲載された論文における盗用ということで、紀要について査読を行う等の体制の整備を行うことも、発生防止の取組として有用と考えられる。
・研究活動における盗用を防ぐための方策として、研究者となる以前の、学士課程ぐらいから、研究倫理教育をきちんと行っていく必要があると思われる。学生時代にコピーアンドペーストで日常的にレポートを書いているような者が、研究者になった途端に「それは盗用として許されない」と言われても実感を持てないという問題もある。さらに、学士課程への対応を考えるに当たり、学生を教育する人材の育成についても課題となる。
以上
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