「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」の見直し・運用改善等に関する協力者会議(第1回) 議事要旨

1.日時

平成25年11月20日(水曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省東館15階 科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」の見直し・運用改善等の方向性について
  2. その他

4.出席者

委員

(委員)金澤主査、一井委員、市川委員、小林委員、中村委員、三木委員、南委員
(協力者)小原科学技術振興機構参事役、佐久間日本学術振興会研究事業部長

文部科学省

冨岡大臣政務官、土屋科学技術・学術政策局長、伊藤科学技術・学術政策局次長、松尾人材政策課長 他

5.議事要旨

○本協力者会議の主査に金澤委員が選任された。
○事務局より、資料1及び資料2について説明が行われ、資料2「『研究活動の不正行為への対応のガイドライン』の見直し・運用改善等に関する協力者会議の運営について(案)」が了承された。
○事務局より、資料3から資料9までについて説明が行われ、特に、資料6、資料7及び資料8に基づき、「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」の見直し・運用改善の方向性や倫理教育の在り方等について意見交換が行われた。

【主な意見】
(研究活動における不正行為の定義等について)
・今回の協力者会議での審議も踏まえて文部科学省のガイドラインの見直しを図った際には、他府省においても同様の検討を行うよう促すこととしてもよいのではないか。
・かつて米国では、論文等の「捏造(ねつぞう)、改ざん及び盗用」の他に、通常行われている研究慣行からの深刻な逸脱についても不正行為の定義として含めていたが、自由な研究活動を阻害し、研究者を萎縮させてしまう可能性があるとして研究者コミュニティから強い反発があり、結局「捏造(ねつぞう)、改ざん及び盗用」の3つに限定された経緯がある。見直し後のガイドラインの定義については現行ガイドラインと同様に、「捏造(ねつぞう)、改ざん及び盗用」の3点に限ることとし、その他の重複発表や不適切なオーサーシップなどのグレーなものについては、研究倫理上の不適切な行為として倫理教育の中では研究者等に理解を促すこととするなど、研究者コミュニティが主導する形で明確に区別して対応すべきである。
・捏造(ねつぞう)、改ざん及び盗用以外のグレーなものをどこまで書き込むかが重要。ガイドラインの中で定義をより明確にすることが望ましいのではないか。
・定義をきちんと定めることも大事だが、不正行為を誰がどのように認定するか、不正行為の内容や度合い等に応じてどのように対応するかを明確に示すことが必要。

(調査委員会について)
・大学内のパワハラ対策の調査体制なども、機関における不正行為への調査体制を考える上で参考になる。ある大学では、2段階で調査を行う体制としており、1段階目では専門的な観点からの調査を行い、その後、本人が弁明を希望する場合は2段階目で抗弁できるシステムをとっている。

(一定期間のデータの保存・公開について)
・各研究機関において研究者等に対してデータの保存・公開を義務付ける場合は、実効性のある形でルールをつくることが必要ではないか。
・研究の質の向上を高めるとともに、研究者自身の身を守るためにデータの保存・公開、さらには倫理教育が必要であるということを十分に理解させることが重要。

(倫理教育責任者の設置)
・各研究機関に倫理教育責任者を設置すること自体はよいが、責任者の教育が重要。例えばCITIの倫理教育プログラムの受講を義務付けることとしてはどうか。
・米国では倫理教育責任者に対して集中的な研修を行ったり、学会等において最近の不正事案及びその対応状況について情報交換を行ったり、横のつながりを生かした取組が行われている。
・倫理教育責任者の権限を高めることが重要。大学では、各研究部局長が責任者となり得るが、本人の意識・関心が低い場合も少なくない。
・倫理教育責任者の設置の話と告発窓口の設置の話は、専門的な人材の養成という観点からは併せて論じるべきである。専門性を有した人材に容易に相談しやすい体制を学内につくることが重要。

(倫理教育の在り方について)
・不正行為への対応は、まずは倫理教育が基本。教育カリキュラムの中にどう組み込んでいくかを考えていかなければならない。また、e-learning等規模の小さい大学でも取り入れられる方法を考える必要がある。
・倫理教育は、各大学や研究機関のみに委ねるのみの対応でよいのか。また、もっと早い教育段階からの対応も必要ではないか。

(その他)
・平成18年度に現行ガイドラインが策定されて以降現在に至るまで、例えば不正行為の告発件数はどうなっているのかなど、現行ガイドラインがどれだけ実効があったのかなど、実態を踏まえることから今回の見直しの検討を始めることが重要。
・各研究機関において、ガイドラインを踏まえて規程を整備する際、パブリック・オピニオンを踏まえる必要がある。


(了)

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