海洋環境放射能調査検討会の開催について

資料1-1-1

1.検討会の目的

 東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)事故に係る放射線モニタリングについては、昨年7月、関係省庁、自治体及び事業者が従来から行ってきたモニタリングの調整等を行い、確実かつ計画的に実施することを目的に、「モニタリング調整会議」が開催され、同年8月には、福島第一原発周辺地域の環境回復、子供の健康や国民の安全・安心に応えるきめ細かなモニタリングの実施と、一体的で分かりやすい情報提供のため、「総合モニタリング計画」が決定され、同計画に従い、関係省庁、自治体や事業者が一体となった放射線モニタリングを実施してきている。
 海域モニタリングについても、同計画に基づく役割分担やモニタリングの方向性等に従って、モニタリングを実施してきたところであり、昨年10月には、関係省庁、自治体、事業者によって「今後の海域モニタリングの進め方」を取りまとめ、調査海域の拡大、測点の増加、分析核種の追加等を行ったところである。
 他方、現在、事故発生から約1年を経過し、海水の放射能濃度について低減傾向が見られる一方、海産生物における放射性物質の影響に関する社会的関心が高まっている状況にある。また、本年1月に開催されたモニタリング調整会議(第3回)においては、海域モニタリング強化の重要性について、再確認されたところである。
 このような状況を踏まえ、本検討会では、より合理的かつ効果的なモニタリングを実現するための基本的な調査の方向性について、専門家の技術的、専門的な知見を集約し、取りまとめることとする。本検討会で得られた結果については、関係機関と綿密な連携の下、平成24年度における海域モニタリング計画に反映させることとする。
 上記に加え、本検討会においては、福島第一原発事故の発生により、社会的関心が寄せられている海域モニタリングの実施状況や結果に関し、文部科学省が従前から実施している委託事業(「海洋環境放射能総合評価事業」)の成果について、専門家による評価及び検討を行い、その妥当性の確認を行うこととする。

2.検討内容

(1)海域モニタリングの今後の方向性

  • 海域モニタリングのこれまでの取り組み状況、社会的要請、技術動向等を踏まえた技術的課題の検証
  • 今後の海域モニタリングのあり方 等

について、各分野における専門家の立場からの意見を聴取して、取りまとめる。

(2)海洋環境放射能総合評価事業の成果に関する評価・検討

 海洋環境放射能総合評価事業※で得られた毎年度の成果及びその成果に基づく一般向け資料について、各分野における専門家の立場からの評価及び検討を実施する。
※平成22・23年度事業の委託先は、財団法人海洋生物環境研究所。

3.検討の進め方

(1)海域モニタリングの今後の方向性

  • 2月13日 検討会開催(本日の会合)
    今後の海域モニタリングの方向性(調査海域、調査対象物、採取頻度等)に関する意見聴取
    ※その後、事務局において、2月中を目途に、委員からの意見を集約し、取りまとめ。
  • 取りまとめた意見を「総合モニタリング計画」の改訂及び平成24年度の海域モニタリング実施計画へ反映。(3月中)

(2)海洋環境放射能総合評価事業の成果に関する評価・検討

  • 2月13日 検討会開催(本日の会合)
    平成22・23年度の委託事業成果に関する評価・検討
  • 評価・検討を経た成果について、文部科学省が、原子力発電所周辺海域、核燃料サイクル施設沖合海域等の関係漁業協同組合、関係自治体、関係団体等へ説明。(3月中)
    ※次年度以降についても、同様に、当該年度の委託事業成果の評価・検討を実施。

4.本検討会の位置付け

 本検討会は、科学技術・学術政策局長の私的検討会とする。

5.庶務

 本検討会の庶務は、科学技術・学術政策局原子力安全課防災環境対策室において処理する。

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課防災環境対策室

(科学技術・学術政策局原子力安全課防災環境対策室)