放射線量等分布マップの作成等に係る検討会(第14回) 議事要旨

1.日時

平成23年11月24日(木曜日) 14時30分~17時30分

2.場所

新霞ヶ関ビル LB階 201D号室

3.議題

  1. 放射線量等分布マップの作成等に関する報告書について
  2. 今後の放射線量等分布マップの作成に向けた継続調査の方向性の検討について
  3. その他

4.配付資料

  • 資料第14-1号(1) :放射線量等分布マップの作成等に関する報告書(素案)について
  • 資料第14-1号(2) :平成23年度 科学技術戦略推進費「放射性物質の分布状況等に関する調査研究」農地土壌部分報告書の構成案について
  • 資料第14-1号(参考) :放射線量等分布マップ関連研究の報告書について査読分担(案)
  • 資料第14-2号 :2011年度第2次福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の分布状況等調査の方向性について(案)
  • 資料第14-2-1号 :横浜市が採取した堆積物及び堆積物の採取箇所の周辺土壌の核種分析の結果について
  • 参考資料1 :第13回放射線量等分布マップの作成等に係る検討会議事要旨
  • 参考資料2 :放射線量等分布マップの作成等に係る検討会委員名簿

5.出席者

委員

中村主査、池内委員、木村委員、遠藤(小山委員代理)、斎藤委員、柴田委員、下委員、長岡委員、久松委員、村松委員、吉田委員

文部科学省

渡辺次長・原子力安全監、伊藤EOC環境モニタリング班、斉藤EOC環境モニタリング班、佐々木(原子力安全委員会)、小平(農林水産省)、茶山(原子力被災者生活支援チーム)

6.議事

  1. 斎藤委員、農林水産省、事務局より、資料第14-1号(1)号、資料第14-1号(2)、及び資料第14-1号(参考)について、放射線量等分布マップの作成等に係る報告書について、説明が行われた。
  2. 事務局より、資料第14-2号、資料第14-2-1号について、放射線量等分布マップの作成に向けた継続調査の方向性の検討について、説明が行われた。

7.主要な質疑応答

○  資料第14-1号(1)、資料第14-1号(2)について

【久松委員】  航空機サーベイの結果が参照されているものの、測定手法について全く触れられていない。別な報告書として航空機サーベイがでるのであれば、それを参照文献として引用すればよいが、別な報告書としてでないとなると、測定手法についてある程度説明しておかないといけない。
【事務局】  了解した。航空機サーベイの結果について、プレス発表をしているものの、詳細にまとめたもの別途、説明を加えることとしたい。

【長岡委員】  これは誰が何処に報告する報告書になるのか確認したい。
【斎藤委員】  これは(受託研究であるため、)原子力機構が文科省へ報告するもの。
 ただ、将来的にはJAEA-Reportとしても出したい。

【吉田委員】  報告書の図表について、基本的にその図表を単独で見られた際、内容を正しく理解でき、誤解されないということが重要だと思う。そういう意味で、もう少し説明を加えた方が良い。その図表だけ切り出して、別の何かに使用したときに全く違う意図に受け取られることがあるため、注意が必要である。
 資料第14-1号(1)の表4-4が43ページにあるが、これは今回の調査で採取された土壌試料で観測された最大の濃度をピックアップして、それに係数を掛けて計算するとこうなるということかと思う。この表だけを見ると、2 Svという数値が出ており驚いてしまう。この辺は慎重に誤解のないように説明を加えた表を載せるか、ある程度代表的なところを本文に混ぜ込み、説明の流れの中で数値を出すなどした方が良い。
【事務局】  了解した。
【斎藤委員】  最大濃度地点で、平均的な濃度だとこの程度であるとか、説明をもっと詳細にした方が良い。
【事務局】  表4-2に記載されている情報も、深さ方向の条件等も記述するべきかと思う。
 そのような条件も記載し、どのような手法に基づいた結果かを含めた方が良い。

【吉田委員】  54ページの図4-17など、核種同士の相関をとって、その比を載せているところが数箇所ある。図の縦軸、横軸と比をとったときの分母、分子が逆になっており見づらい。
【斎藤委員】  修正したい。
【事務局】  そこは工夫させていただきたい。

【柴田委員】  42ページのところで、in-situ測定の結果と異なる値を示す場所は、ばらついているからか。
【斎藤委員】  ばらついている。
【柴田委員】  ばらついてないところはわりに合っているということであるから、そのような説明もほしい。

【柴田委員】  表4-4について、再浮遊もの寄与も入っているのか。
【斎藤委員】  入っている。

【長岡委員】  42ページの表4-2と表4-3にSaito1、Saito2がある。これにも説明が必要である。
【斎藤委員】  説明を入れ、条件を記載する。

【久松委員】  Googleマップというのは、著作権の問題はないのか。
【斎藤委員】  確認したい。

【事務局】  セシウムのことを、「Cs」としたり、「セシウム」としたり統一されていない。他の核種も同様である。どちらかに統一すべきである。
【柴田委員】  最初だけ括弧してセシウムなどと書いておき、あとは記号にすれば良いのではないか。
【池内委員】  記号の右上に(134、137などの数字)を書くとなると、字が小さくなる。学術論文では、そのようにするものであるが、この報告書は一般人にも見ていただく。例えば「Cs-134」と書いてあるのがほとんどなので、そっちが良いかもしれない。
【中村主査】  そうしたい。
【斎藤委員】  了解。
【下委員】  例えばセシウムだと134と137があるが、両方のことを表現する場合はどのように書くのか。セシウムと片仮名で書くか。
【中村主査】  その辺は統一していただきたい。
【斎藤委員】  統一したい。

【事務局】  報告書の中で、難しい用語が多くでてきている。Glossaryをつけないと読み取れない方々が沢山でてくるので、工夫が必要である。例えば、「収着分配係数」など、その意味が分からないものと思われる。
【斎藤委員】  それは、もう少し後でも良いかと思う。
【事務局】  我々も協力したい。
【斎藤委員】  用語集については委員の協力をいただき、作成するという形でよいか。
【中村主査】  それで結構である。

【中村主査】  次に、査読の分担について、現在の案だと報告書2のみ分担することになっている。
【事務局】  報告書1は委員全員でご確認していただきたい。

【久松委員】  報告書1の51ページの図4-13は、何をプロットしているのかもう一度ご説明いただきたい。
 同一箇所で採取した5試料間の放射能濃度の変動係数の頻度分布か。
【斎藤委員】  変動係数ではなく、変動係数の標準偏差の頻度である。
【久松委員】  それで良く分からなかった。おそらく、変動係数の頻度分布だと思う。変動係数は、要するに、標準偏差を平均値で割ったものである。
【斎藤委員】  そうなる。
【久松委員】  変動係数の頻度分布が記述されていることになる。であるから、図の説明も変動係数である。
【斎藤委員】  そうなる。

【事務局】  今回、資料を全部見直していく中で、図とか、一部間違いがあった。そういったものを修正したうえ、最終的な報告としたい。
【長岡委員】  報告書2の51ページ等で、図の文字が見にくいところが散見されるので、修正していただきたい。
【事務局】  修正する。

○ 資料第14-2号、資料第14-2-1号について

【久松委員】  資料第14-2号について、プルトニウム241、ヨウ素129など、結構分析のスキームが長くて、手間のかかるものが入っている。これを1月中に全部出すとなると大変な労力である。ポジティブコントロールとネガティブコントロール、ブランクは当然走らせるものであるが、クオリティーコントロールのために、ぜひ適切にロット毎に入れていただき、信頼性の高いデータを出していただきたい。
【池内委員】  プルトニウム241の分析は、239と239+240のアルファ線を計測後、その電着板からそれを剥して、また最初からカラン棒を通して、プルトニウム241のベータ線を計測するという非常に厄介な方法をとらざるを得ない。プルトニウム241の結果が出るまで6週間程度を要する。そのため、プルトニウム241については年度内には無理かもしれない。
【事務局】  年度内でできることを希望している。
【池内委員】  順次結果が出れくれば、プルトニウム241の測定に入る。例えば試料を計測したときに、プルトニウム241の結果と比例関係にあるのだったら止めるとかご判断をいただきたい。
【村松委員】  ヨウ素129について、年度内には東京大学と松崎氏と、技術者がつけばできそう。
 コントロールというのは確かに久松委員のご発言のとおりで、幾つか我々が既に計測したものでやってみたい。セシウムについてはIAEAで値付けして保証値を出しているが、ヨウ素129についてはそのようなものがほとんどない。
【久松委員】  私の方でもヨウ素129は海外にお願いして、多数の試料を測定している。そのときに教訓として得たことは、クオリティーコントロールとして濃度の高いものだけを入れるのは、ヨウ素の場合は駄目で、測定レベルに近い値のクオリティーコントロールも同時に入れ2点で確保しないといけない。どうもAMSによる測定というのは、メモリーを引きずる傾向にある。注意しないといけない。
 我々の経験であるが、カナダに測定をしていただいた結果が軒並み高くて、そのデータを全て捨てた経験もある。その辺はクオリティーコントロールが極めて大事である。
【村松委員】  その辺は一応考えている。初め150はできる体制にしているが、何回か繰り返して測定したり、広域コントロール用のものを入れたとしても、予定通り行けば100試料はできそう。
 一応、150で3月末までにはマシンタイムを含めて予定を立てている。
 後は試料が、色々な場所に(保管されており)、ヨウ素131を測っている試料を早めに見つけ、そこから1部分を分取して処理するのに時間がかかる。
【村松委員】  日本分析センターの方では、ヨウ素131が高い試料が多かったのか。大阪大学にある試料を探した方が良いのか。そのあたりの情報を頂きたい。
【池内委員】  20km圏内の試料は、ほとんどうちで計測しているので、そのような試料はほとんど日本分析センターに保管している。
【村松委員】  20km圏内でも放射性セシウムの放射能濃度が強く、スペクトルのバックグラウンドが上がるためヨウ素131が検出されていないのがあるかと思う。
【池内委員】  なるべくなら、今回の第1次調査で採取した5つ(採取点あたり)の試料のうち、最も濃度が高かったものを使用していただくのが良い。
【事務局】  今回の第1次調査で採取した土壌試料のうち5地点とも検出されている試料についてはヨウ素129の測定を実施してもらおうと思っている。
 また、文部科学省でとっておいて、乾かせているものであれば、同様の条件だと思う。そちらの方でヨウ素131が検出されているものについては使用していただきたいと思っている。加えて、恩田先生の方で実際に採取されて乾かせたもので非常に高い濃度のヨウ素131が検出されているものがある。これらも分析に回してもらえたらと思う。そのような試料全体で100試料程度を予定している。

【池内委員】  村松委員のところでヨウ素129の測定を実施していただき、ヨウ素131と129が明らかに比例関係にあることが分かれば、今回とってきた土壌のヨウ素129を分析することで、第一次調査で(高いバックグラウンドのために)検出されなかったヨウ素131を推測できると思われる。途中からは、あまり検出されてない第一次調査の土壌試料のヨウ素129を分析すれば、ヨウ素131のマップが詳細化される。
 途中で一遍経過をご報告いただいた方が良い。
【中村主査】  ある程度の結果が出た段階で、ご報告いただきたい。
【村松委員】  原発を中心に北側と南側の地域の線量が高い地域で、ヨウ素131と129の比が一定かどうかを中心に調査したい。

【木村委員】  in-situ測定の実施は非常に良いことである。代表的な測定値をとれるかどうかは地形の影響を受けると思うので、必ず全地点、略図をかくなり、周辺、周囲の写真撮影を徹底していただければと思う。何地点か、土壌の核種分析結果とin-situ測定結果を合わせてみて妥当性を確認し、もしそれが合わないところの傾向がつかめれば、ほかの地点についてもある程度その判断がつくかと思う。
【中村主査】  了解した。
【斎藤委員】  今回のデータの記録は第一次調査で行った手書きではなく、自動で記録できるような装置をつくって記録されるようにしたいと思っている。それと同時に、スマートフォンを使って、様々な記録をしようとしている。スマートフォンで、周囲、測定値の写真を撮り、記録を残していきたい。
【木村委員】  電子データは非常に手軽で良いが、GPSを使ってもずれることが結構ある。目的物からの距離を押さえるなどしないと、再現性がある測定地点が得られないと思う。
【斎藤委員】  GPSはどうしても誤差があるようで、それについてはある程度認識している。写真を確実に残し、場所が特定できるようなデータを残していくということを考えている。
 また、別途手書きで地図を描くことも予定している。
【斎藤委員】  第一次調査では、写真を5種類ぐらい撮っていた。それから具体的に土壌試料を採ったところ、今回の調査ではin-situ測定を実施したところの写真も撮る。また、最終的な成果物といった何種類かの写真を撮ることを義務づけるようにしている。その地点を後できっちりと特定できるような形で写真データを残しておくつもり。
 今回は携帯の回線を通してすぐに送られるような装置を開発しており、記録が後でなくなるとか、そういうこともないと思う。

【長岡委員】  空間線量率も同時に測定されるようであるが、どのような計測器を用いるのか。
【斎藤委員】  Gy表示の可能なサーベイメータを用いる。
【長岡委員】  in-situ測定については、様々な要因によって、実際の値に合うときもあるし、合わないときもある。そういうときの確認のため、空間線量率も高い精度で測定しておく必要がある。また、in-situ測定に使用するGe半導体検出器からの評価もお願いしたい。
【斎藤委員】  了解した。Gy表示の可能なサーベイメータは日本分析センターで何台お持ちであったか。
【池内委員】  8台所有している。長岡委員のご発言のように、Gy表示のサーベイメータは非常に良いものであるが、これとin-situ測定のGe半導体検出器の方でICRUのプログラムが入っていれば線量率が出る。
【長岡委員】  測定の仕方も、サーベイメータの検出部を下にぶら下げ地面に対して垂直に向けた方が望ましいかと思う。
【池内委員】  こちらで簡単なマニュアルを作成したい。

【長岡委員】  毎時0.2マイクロシーベルト以上の地域で実施するとあるが、0.2の根拠はあるのか。
【事務局】  1mSv/年以上に相当するような地域であり、これまでのいろいろな結果の中でも使っている。
【下委員】  正確に言うと、0.19である。

【吉田委員】  資料第14-2号の2ページの空間線量率のところに、「年間1mSvに相当するような地域(毎時0.2マイクロシーベルト)」と唐突に書いてある。正確に言うと屋外8時間、屋内16時間を考慮してこの線量になる。さらには、ここで述べられているのは事故による追加被ばく線量のことであるため、バックグラウンド成分は含まれてないという前提である。
【吉田委員】  この地図には、バックグラウンドが入っている。本来はバックグラウンドを引いて議論するものであるが、地図上では区別できないし、ここでは安全を見込んで、それを含めて0.2以上で議論するという理論になると思う。
【中村主査】  本来、バックグラウンドが毎時0.05マイクロシーベルトある。
【下委員】  その議論を始めると、地域によってその量は異なる。それはちょっと僕は問題だと思う。
【吉田委員】  だから、バックグラウンドを含めて0.2以上のところを対象にするという理解か。
【事務局】  そうである。
【斎藤委員】  まさに大雑把な目安ということである。

【吉田委員】  資料第14-2号の2ページの「調査範囲」について、括弧書きで、「天然核種による影響により空間線量率が高くなっている地域を除く」と記述されている。その影響を区別できないはずなのにどのように除いたのかの説明が全くない。おそらく、新潟県の黄色の部分で除外されているところはこれになると思う。これは航空機モニタリングによってセシウムが検出されなかった場所を除くとか、そういう意味であるのか。
【事務局】  そうである。
 先ほどの毎時0.2マイクロシーベルトの誘導の説明についても、しっかいりと説明して、ホームページにアップしたい。

【長岡委員】  コンプトンカメラの使用方法はどのようなものか。どのようなメリットがあるのか。
【事務局】  JAXAにおいて宇宙開発用に作成されたもので、衛星に載せるものとしては完成しており、実機になっている。それを医療用に改良したものである。検出器の中の構成はCdTeとシリコン半導体検出器になっている。コンプトンの散乱成分を読むことによって分布を画像化できる検出器である。
 現在、JAXAで今回の測定用として新しい検出器を開発中である。12月中に完成するので、それを使って1月にでも現場に持って行ければと思う。
 メリットは、イメージングであり、例えば写真みたいな形で汚染している部分が光って見える。
【斎藤委員】  コンプトン散乱の方向を検出することによって、ガンマ線の方向で、それがどの方向から侵入してきたかがわかる。
【事務局】  ガンマ線のエネルギーを計測でき、なおかつセシウムの134と137も弁別できるような分解能を持っている。一番の特徴は、汚染の状況がイメージ化できるということ。
 この検出器を用いた測定は、定点測定のような形になる。検出器を置いて、ある程度の時間で計測するものである。
 毎時30マイクロシーベルト程度のスポット汚染は1時間程度で撮れる。

【事務局】  医療用のものであり、さらに良い感度のものを試作してもらっている。
 おそらく20分程度でそのようなものが撮れる。

【下委員】  先ほどの、毎時0.2マイクロシーベルトの議論で確認したいことがある。バックグラウンドを含む値で決めるということであるが、バックグラウンドはある一定の値に決めることになる。その一定の値でいいという判断はどのようになっているのか。
【事務局】  環境省の考えでは、毎時0.04マイクロシーベルトとして、追加被ばく線量の毎時0.19マイクロシーベルトと加算して、毎時0.23マイクロシーベルトとしている。我々はそれにこだわる必要はないと考えている。
【下委員】  そこが非常に議論したいところ。
【事務局】  基本的には環境省は0.23という数字が追加被ばく線量1mSv/年に相当するという考えであるが、それ以下であれば、追加被ばく線量1mSv/年以上の部分と思うし、航空機サーベイの誤差を勘案すると、0.2程度で分ければ全体的に見えるのではないかと考えている。
【下委員】  例えば福島でも阿武隈山地というのは、花崗岩質で結構高いところがあるはず。あそこはモナザイトも産出される。例えば会津地方に行くと低い、高い場所があり、2倍ぐらいの差が出る場合もある。そこを一定にやるというのは極めて危険である。
 その辺の思想を明確にしておかないと、地元の方が、何でうちは(やってくれないのか)という議論に発展してしまう。そこのところの議論が紛れないようにしていただきたい。

【吉田委員】  根拠としては、航空機モニタリングで毎時0.2マイクロシーベルトを超えたところを中心としてということにして、年間の被被ばく線量を説明するのであれば、注釈で良いのではないか。
【下委員】  (計算によって)この程度であるということを示すしかないと思う。
【斎藤委員】  実際には航空機サーベイの結果も誤差が含まれる。走行サーベイについても、お互いに不確かさを持っている。理由付けはしっかりしておくべき。
【事務局】  了解した。統一して、認識できるようにしておきたい。
【中村主査】  表現の修正をしていただきたい。

【柴田委員】 土壌深度分布はセシウムについての記述はあるが、ストロンチウムの方がよく浸透することを考えると、どうすべきか。しかし、ストロンチウムは測定が大変であるが。
【中村主査】  もともとストロンチウムの量は非常に少ない。

【柴田委員】  in-situ測定のGe半導体検出器は、現地で設置したときに遮蔽体はあるのか。
【斎藤委員】  遮蔽体はない状態である。

【村松委員】  in-situ測定のどういった線量率の区分とするか目安はあるのか。
 別紙2では、毎時0.2~1マイクロシーベルトまでが黄色となっている。そこの間を分けるかどうか。
【中村主査】  結果は分けて表示する。この図は、あくまでも採取地点の目安となる。

【村松委員】  資料第14-2―1号の横浜市のストロンチウムの結果は、乾燥重量か。堆積物は、そのまま(生)なのか。
【池内委員】  土壌については採取物そのものである。堆積物については横浜市からいただいたものであり、目視では乾燥していたようであるが、そこは何とも言えない。

【下委員】  資料第14-2-1号の表について、例えばラジウム226、鉛214、ビスマスの214も含まれているが、ラジウム226は放射平衡を仮定して鉛214とビスマス214から算出しているのか。
【池内委員】  補正は何もしていない。ラジウムのガンマ線を測定している。

【事務局】  この資料については、最終的にホームページにアップする際は、ちゃんとした資料にしたい。

【事務局】  先ほど、空間線量率を計測する際には、Gy表示のサーベイメータを用いるという議論があったが、今は台数が十分ではないため、もし先生方でお持ちの施設等をご存じであればお教えいただきたい。
【池内委員】  in-situ測定用のGe半導体検出器が15台、日本分析センターに(Gy表示のサーベイメータが)8台ある。型式はTCS-171である。あとは、放射線計測協会が所有しているかと思う。

【事務局】  資料第14-2-1号のストロンチウムの分析に関して、事務局から出した資料にもあるように、固相抽出法だとラジウム由来の核種なども吸着され、測定される可能性があるということであるが、例えば土壌を測らないような場合というのは、こういった固相抽出法でも測定できるものか。
【池内委員】  土壌試料の場合はラジウムとか、ビスマスとか、鉛が含まれており、ストロンチウムの分析をしたいときに、ストロンチウムは二価の金属なのでラジウムとかが一緒にくっついてしまう。ラジウムがくっついてしまうと、その娘核種である鉛とかビスマスも一緒にくっついてしまう。それらのベータ線を計測してしまうことになる。試料にラジウムとかが含まれていない場合は問題ない。例えば、(多少、ラジウム等が含まれ結果が高めにでるが)そのような試料として水の分析などが考えられる。
【中村主査】  あまりやらない方が良い。
【池内委員】  正しい結果を出すのであれば、ストロンチウムだけに弁別しないといけない。文部科学書の放射能測定法シリーズにのっとっていただければと思う。

【下委員】  解説をもっと親切にすべき。今回横浜の試料を測定された手法で測定したらこうなるが、それは少し違うということを、十分条件のようなものを出すことが親切だと思う。文部科学省の手法が正しいからこれを信じるようにといってしまうと、文部科学省は本当に100%正しいのかと言われたときにどうするかという議論がでてくる。
【事務局】  池内委員のところでやっていただいた実績として、同じ固相抽出を使ったときの結果があった。
【池内委員】  それは文部科学省からの委託を受けて、平成16年に検討した結果のこと。土壌10gに相当する、このときはバリウム、鉛を4モルの硝酸で調整して、今回の固相ディスクに通してみた。そうすると、バリウムが92%、固相ディスクに残る。鉛も48%、固相ディスクに残る。
 このときに関連する文献も調べており、スミスという方の結果では、Ba-133で実験したところ、99%以上が固相ディスクに残り、Ra-226についても99%以上が固相ディスクに残るという結果を残している。
【木村委員】  横浜市が委託して分析した固相抽出ディスク自体をGe半導体検出器で計測することはできないのか。
【事務局】  そのようにしてみたらいかがですか、ということはあるかもしれない。
【木村委員】  実際に調査した方も釈然としないと思うので、測っておいた方がよい。
【下委員】  池内委員が説明されたことも含めて解説されると良いのではないか。
【木村委員】  国からのコメントに入れるというのはどうかと思うが、自主的に自分たちがやった分析法を確認する上でこういう知見もあるということをお伝えする方が良いのではないか。
【池内委員】  今回は横浜市が研究所にご依頼されたのであって、木村委員が言われたことや、私が言ったことを、横浜市から研究所に言うかどうかは横浜市に任せるべき。

【吉田委員】  表現の問題についてであるが、資料第14-2-1号の3ページに、放射能測定法シリーズを使うことが重要であると書いてあるが、これは必要か。
【事務局】  当たり前なことであるが、今後同じような方法で測定しようとする機関があれば、そこは注意喚起の意味も込めて書いておいた方が良い。
 各方面でストロンチウムとかいう話が出るかどうかということを考えたときに、ここに記載することで注意して測定してくださいと国として言っておいた方が良い。

【吉田委員】  精度よく分析するためには、この手法を使ってくださいと書いてある。逆に言えば、これを使ってないものは精度が悪いということと等価である。ここまで書き込む必要があるものかと感じている。
【長岡委員】  注意喚起は必要かと思う。何でも間でも測って、数字が出てしまえばオーケーみたいなことがある。
【中村主査】  私もそう思う。
【事務局】  精度よくということは別にして(注意喚起をしておいた方が良い)。
【長岡委員】  実施することを推奨するとした方が良い。
【事務局】  「精度よく」を削除して、「ストロンチウムを分析するためには」というふうに修正しては。
【中村主査】  「精度よく」だけを削除することで良いか。

以上

お問合せ先

文部科学省 原子力災害対策支援本部

(文部科学省 原子力災害対策支援本部)