放射線量等分布マップの作成等に係る検討会(第10回) 議事要旨

1.日時

平成23年9月30日(金曜日) 14時30分~18時30分

2.場所

文部科学省 3階 2特別会議室

3.議題

  1. 土壌濃度分布マップ作成について(稀少核種の分布状況について)
  2. マップ関連研究の進捗状況報告について
  3. その他

4.配付資料

  • 資料第10-1号 :アルファ線放出核種(Pu-238、Pu-239+240)及びベータ線放出稀少核種(Sr-89、Sr-90)のデータ処理について
  • 資料第10-1-1号 :文部科学省によるプルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果について
  • 資料第10-2号 :土壌の核種分析結果(その他の稀少核種の分析結果)について(机上配布)
  • 資料第10-3号 :マップ関連研究の進捗状況報告について(机上配布)
  • 資料第10-3号1 :放射性核種の河川等への移行状況調査の結果について(机上配布)
  • 資料第10-3号2 :放射線量等分布マップにおける土壌狭域内分布の確認調査の進捗状況報告について(机上配布)
  • 資料第10-3号3 :土壌中の深度方向における放射性物質の分布状況の確認調査の進捗状況報告について(机上配布)
  • 資料第10-3号4 :土壌に蓄積した放射性物質の包括的移行状況調査(大規模循環モデル調査)の進捗状況について(机上配布)
  • 資料第10-3号5 :測定・分析結果のデータベース化(現状報告)(机上配布)
  • 資料第10-4号 :今後のスケジュール(机上配布)
  • 参考資料1 :放射線量等分布マップの作成等に係る検討会委員名簿
  • 参考資料2 :最近の放射線量等分布マップの公表資料について

5.出席者

委員

中村主査、池内委員、斎藤委員、柴田委員、下委員、難波(髙橋(隆)委員代理)、高橋(浩)委員、高橋(知)委員、茅野委員、長谷部委員、吉田委員

文部科学省

渡辺次長・原子力安全監、板倉EOC環境モニタリング班長、石井EOC環境モニタリング班、斉藤EOC環境モニタリング班、佐々木(原子力安全委員会)、小平(農林水産省)、茶山(原子力被災者生活支援チーム)

オブザーバー

松永(日本原子力研究開発機構)、青木(日本原子力研究開発機構)、恩田(筑波大学)、武宮(日本原子力研究開発機構)

6.議事

  1. 池内委員及び事務局より、資料第10-1号及び資料第10-1-1号について、アルファ線放出核種及びベータ線放出稀少核種のデータ処理について、説明が行われた。
  2. 議題2以降について非公開で行う旨、主査から説明があり、傍聴者が退席された。

7.主要な質疑応答

○  資料第10-1号及び資料第10-1-1号について

【髙橋(知)委員】  資料第10-1-1号の「3.本調査の結果」に記載される場所の選定について、2ページ目の2つ目の丸の「1.59箇所については、 (中略) 空間線量率及び各市町村の人口の積が大きな箇所を中心に選定した。」とあり、これは各市町村から1カ所ずつ選んでいるかと思う。この各市町村の中の1カ所を選ぶに当たって、その市町村の中の人口の分布を見てということでよいか。
【事務局】  平成17年の国勢調査の結果において、各市町村において人口が多いところが掲載されている。各市町村において人口が多い箇所と、これまでの航空機モニタリングの陸上のモニタリングの結果で、空間線量率の高い場所を把握しているので、それをかけ合わせた図を作り、その中から1箇所を選定している。
【髙橋(知)委員】  了解。そうであるのならば、「各市町村の人口の積」という表現は、市町村にとっての人口の積に見えてしまうので、市町村の中の人口分布が分かるような表現が望ましい。
 次に、資料第10-1-1号の「3.本調査の結果」の一番下の丸の、「4月に実施した航空機モニタリングの結果において、 (中略) 原則として、80キロメートル圏内は2キロメートルメッシュに1箇所の地点で土壌試料を採取した。」について、先の質問のつながりというか、こういう採取をして、その中から1点を選んだという考え方でよいか。
【事務局】  そうである。
【髙橋(知)委員】  順番を変える方が望ましい。
【事務局】  了解した。

【髙橋(知)委員】  資料第10-1-1号の3ページの※2の文章について、実効線量の算出に当たっては、「放射性核種の崩壊、変換ならびにウェザリング」となっているが、この「変換」は何を指しているのか。
【斎藤委員】  別の核種に転換するということである。核変換の意味としている。
【髙橋(知)委員】  核変換であれば、分かるように修正した方が望ましい。
【斎藤委員】  了解。

【髙橋(知)委員】  資料第10-1-1号の3ページの下から5行目に、プルトニウム239+240が検出されていないという状態で、プルトニウム239+240よりも238の沈着量が大きいという形で書かれているが、これは検出下限値が0.5Bq/m2であり、それと比較すると明らかにPu-238の方が高いと推定されるという意味か。
【事務局】  そうである。
【髙橋(知)委員】  了解。

【髙橋(知)委員】  資料第10-1-1号の4ページに、放射性セシウムと挙動を比較している。セシウムについては、134、137を両方含めて「放射性」という言葉を使っているかと思うが、ストロンチウムもそれに合わせて「放射性ストロンチウム」という書き方にした方が望ましい。

【茅野委員】  ストロンチウムとセシウムの比率について、この記述が、「挙動が一様でないことが原因であると確認された」となっているが、この挙動というのは環境中挙動という意味で書かれていると思う。そうすると、ストロンチウムとセシウムは放出時点では比率一定だったが、途中で何らかの形で変化したとも読める。現実には、その地域に放射性物質が流れたときの炉内の状況がどうだったかというところまで戻らないと、この比率というのはなかなか説明がつかなくなる。炉内状況、風向等まで含めて、今後検討するというような書き方が望ましい。
【中村主査】  了解。検討させていただく。

【下委員】  髙橋委員の御発言にあった、プルトニウムの測定結果に対する考察のところの文章は、わかりづらいため、変えた方が良い。
【中村主査】  了解。

【高橋(浩)委員】  検出下限値の値は出ているが、数値の不確かさについての記述がない。
【池内委員】  数値の不確かさというのは、誤差のことか。
【高橋(浩)委員】  統計精度も入っているし、サンプリングの話もある。
【池内委員】  測定の誤差については、資料第10-1号(参考)には全データが出ているが、誤差が付いていない。

【吉田委員】  ストロンチウムとセシウムの比について、この資料で比率をとっているのは、セシウム137か。
【事務局】  そうである。
【吉田委員】  セシウム137とストロンチウム89と90と、両方比をとって議論しており、ここのところが話をわかりにくくしている。つまり、この前段でストロンチウム90と89はほぼ一定の比と述べており、次のところでは、両方についてセシウム137と比をとって、ばらついていると議論している。このセシウムとの比も、どちらか一方を示すだけで良いのではないか。
【事務局】  ストロンチウム89、90の比率が一定であれば、基本的には、今後の影響を考えてストロンチウム90だけについて述べるということもできる。ストロンチウム90についてのみ書くという方向で良いか。
【中村主査】  ストロンチウム90とセシウム137の比でよいか。
【髙橋(知)委員】  今の、ばらついているという意味であれば、ストロンチウム90については、グローバルフォールアウトの影響が入っている可能性がある。今回の沈着でのばらつきを見るということであれば、ストロンチウム89とセシウム137で見たほうがいい。
【事務局】  了解。
【渡辺次長・原子力安全監】  情報量が多いから、両方書くことにするか。
【中村主査】  情報量が多いから両方出す。それでよろしいですか。
【事務局】  この議論については、今後も検証していかないと何も言えない。100地点の結果だけで、実際の沈着でどのようにばらついたのか、どのようにに拡散したのか検証は難しい。
 最終的には、生データとしてデータベースに載せたり、報告書には記載したりしたい。ここでは、今回の結果だけを見て、色々と検討できるように書かせていただけたらと思う。

【難波委員(髙橋(隆)委員代理)】  資料第10-1-1号の4ページ目にあるストロンチウム89、90の平均のところ、9.8×10-3、2.6×10-3というのは、ストロンチウム90と89の比の平均、上側にある平均4.0で大体説明がつく。そういうことからも、実はやはり重複性がある。記述されていることが重なっているということも意味していると思う。
【事務局】  参考で、ストロンチウム90の値も同様にばらついていたと記述すべきか。
【難波委員(髙橋(隆)委員代理)】  はい。

【下委員】  資料第10-1-1号の1ページ目に、「代表的なアルファ線放出核種やベータ線放出核種であるプルトニウム及びストロンチウム」という表現について、プルトニウム及びストロンチウムがアルファ線もベータ線も放出すると誤解されるため、修文するべき。
【事務局】  了解。

【長谷部委員】  資料第10-1-1号の4ページ目の、「4.3のストロンチウムの測定結果に対する考察」の2つ目の丸の「ストロンチウム90の測定値の範囲(2.3~950Bq/m2)に入るレベルだったと。」という記述について、池内委員の御説明資料第10-1号の2ページ目では、最大濃度5700Bq/m2で、950Bq/m2を超えるものとされている。その理由は如何。
【池内委員】  ここの文章は、ストロンチウム89が検出されていなくて、ストロンチウム90だけが検出されている試料については、ということである。私が説明したのは全部の分析結果であり、その中では5700Bq/m2が最高であった。これは、ストロンチウム89が検出されていない試料のストロンチウム90についての説明である。

【池内委員】  前述の高橋(浩)委員のご質問にあった誤差は10パーセントぐらいである。検出限界ぎりぎりのものもあるし、検出されているもので見ると、ストロンチウムもプルトニウムも10パーセントである。
【中村主査】  8万秒の長時間測定を実施しているので非常に検出限界が低いということはおわかりいただけると思う。

【髙橋(知)委員】  ストロンチウム90の測定について、池内委員からの資料第10-1号では、平成11年度~20年度という記述があるが、資料第10-1-1号の本文にはそれがない。
【中村主査】  別紙3には書いてあり、本文では、「事故発生前の」となっている。
【髙橋(知)委員】  「事故発生前の」である際に、グローバルフォールアウトのかなり多かったときの60年代からのトータルであるように見えてしまう。本文のほうにも、平成11年~20年と記載すべき。
【中村主査】  了解。
【髙橋(知)委員】  資料第10-1-1号の別紙3の一番下の参考について、この範囲を0~8.0、0~220としているが、「0」ではなくて「ND」の方が良い。
【事務局】  おっしゃるとおりである。

【原子力安全委員会】  資料第10-1-1号の「1.本調査の実施目的」の部分について、プルトニウムとストロンチウムが何地点の土壌を使ったのかということが書かれていない。1カ所1地点か。
【中村主査】  1カ所1地点である。
【原子力安全委員会】  それをどこかに明記すべきである。上から4行目に、「各箇所5地点程度で表層5cmの土壌を採取し、ガンマ線核種については放射性核種分析を実施した。」と書いてあり、その先に、「100カ所を対象に代表的なアルファ線放出核種」と記載されている各箇所、5地点を測定したのかと誤解される。
【中村主査】  了解。

【中村主査】  今、委員の方からいただいた意見を反映して、それを文部科学省から公表するということにさせていただきたい。文章の修正に関しましては、主査が最終的に確認するということで一任させていただきたい。
 それでは、2つ目以降の議題に関しては、検討会の運営規定の2に該当する議題のために非公開とさせていただきたい。傍聴者の方々は、申しわけありませんが、ご退席をお願いしたいと思います。

以上

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文部科学省 原子力災害対策支援本部

(文部科学省 原子力災害対策支援本部)