ここからサイトの主なメニューです

研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)に基づく体制整備等の実施状況について(分析結果報告)4.ガイドライン第6節 モニタリングの在り方

 不正の発生の可能性を最小にすることを目指し、機関全体の視点から実効性のあるモニタリング体制を整備することが重要である。

(全機関に実施を要請する事項)

  • 1 競争的資金等の適正な管理のため、機関全体の視点からモニタリング及び監査制度を整備する。【必須事項】
  • 2 内部監査部門は、会計書類の形式的要件等の財務情報に対するチェックのほか、体制の不備の検証も行う。
  • 3 内部監査部門は第3節(2)の防止計画推進部署との連携を強化し、不正発生要因に応じた内部監査を実施する。
  • 4 内部監査部門を最高管理責任者の直轄的な組織として位置付け、必要な権限を付与する。
  • 5 内部監査部門と監事及び会計監査人との連携を強化する。

各研究機関の取組状況

【機関全体の視点からのモニタリング体制の整備状況】

 「必須事項」である機関全体の視点からのモニタリング体制の整備については、約44パーセントの研究機関でモニタリング体制を見直し・整備したと回答している。また、約42パーセントがモニタリング体制の見直しを検討していると回答しており、約14パーセントの研究機関は、見直しは特に行わないとの回答であった。

<機関全体の視点からのモニタリング体制の整備状況について(取組状況整理票の項目24)>

機関全体の視点からのモニタリング体制の整備状況について【必須事項】(1,554機関)

【機関全体の視点からの内部監査体制の整備状況】

 「必須事項」である機関全体の視点からの内部監査体制の整備状況については、約50パーセントの研究機関で監査体制を整備したと回答している。また、監査体制について検討中は約27パーセント、従来どおりの監査体制としているは約21パーセント、特に監査体制は整備していない研究機関は約2パーセントとなっている。特に監査体制は整備していない研究機関の平成19年9月末時点の競争的資金等の受給状況を見ると、競争的資金等の配分を受けていない、配分は受けているが5件以下かつ1,000万円以下と小規模な研究機関が約76パーセントを占めているという状況である。
 監査体制について「検討中である」、「従来どおりの監査体制としている」と回答している研究機関を合わせると全体の半数近くとなる。

<機関全体の視点からの内部監査体制の整備状況について(取組状況整理票の項目25)>

機関全体の視点からの内部監査体制の整備状況について【必須事項】(1,555機関)

特に監査体制は整備していない研究機関の研究費受給状況(34機関)

【まとめ】

 モニタリング体制について、整備したと回答している機関は、半数以下の機関にとどまっており、全般的に体制整備に対する意識は必ずしも高いとは言えないと考えられる。ガイドラインで求められている各事項に基づき体制構築を行い、それらを継続的かつ効果的に運用させ機関全体の観点から不正防止を有効に機能させるためには適切なモニタリング体制の構築が不可欠と考えられる。見直しは特に行わないとする研究機関の中には民間企業などで既に体制が整っているとの回答もあり、一概に体制の不備を指摘することはできないものの、体制が整備されていない、あるいは体制の見直しを検討中の機関にあっては、組織的な牽制監視効果が機能発揮され、不正等が発生することを未然に防止する効果的な仕組みの構築が望まれる。
 内部監査体制については、一部の研究機関において、受給している競争的資金のうち内部監査の実施を制度のルールとして義務付けられている資金のみ監査を行っている機関があった。また、経理書類のみのチェックや会計監査を行っているとの回答で、管理・監査の体制についてのチェックがなされるのか判断できないものが見られた。監査の対象は監査実施をルール化された資金のみにとらわれず受給資金全体を考慮し、また、機関の規模や運営・管理体制等に応じ、機関内の部署がそれぞれの牽制機能や役割を果たしているかの検証も行うような内部監査体制の構築が望まれる。

参考となる取組の事例

  • ★ 各業務プロセスごとに組織的牽制機能をもたせる工夫をしている事例
    • (国立大学)
      •  モニタリング体制について以下の体制及び方針により大学の負担も踏まえ、年度計画、中期計画の評価に合わせる形で体制等を構築している。
        • 1日常的監視活動(第1次、第2次モニタリング)
          • 1)第1次モニタリング
            • 各部門による自部門を範囲とした自己点検
            • 日常的コントロール活動をモニタリング
          • 2)第2次モニタリング
            • コンプライアンス室による組織全体(第1次モニタリング実施部門)の内部統制の整備・運用状況を対象としたモニタリング
        • 2独立的評価(第3次モニタリング)
           監査室による不正防止計画進捗状況及び組織全体の内部統制の整備・運用状況のモニタリング
          • 不正防止計画の進捗状況の検証
          • 物品等の発注及び検収体制の検証
          • 非常勤雇用者の勤務状況確認体制の検証
          • 謝金の業務実施状況の確認体制の検証
          • その他、ガイドラインに基づく不正防止体制の検証
  • ★ 効果的・効率的に牽制効果を高める工夫をしている事例
    • (国立大学)
      •  監査室においては、受給している複数の競争的資金を対象に、その都度、より適正で効果的事業執行のための指導・助言等を行い改善状況を調査している。また、特別監査ににおいては納入業者に対する文書による取引内容の調査及び大型物品の実在の確認と稼働状況、研究協力者への謝金の支出・雇用状況に関するヒアリング、更には研究代表者への「法令等の遵守」、「物品等の購入状況」「旅費の支給状況」に関するヒアリングを実施し、適正な使用状況の確認を行っている。
    • (私立大学)
      •  研究者による研究内容に立ち入った監査を実施。監査を受けた研究者は質問事項に対し、書面で回答する方法をとっている。
    • (独立行政法人)
      •  研究所における全ての予算は会計システムにより一元管理を行っており、リアルタイムで予算区分ごとの執行状況を確認することができるようになっている。そのため研究職員は自分の予算について執行状況が把握でき、予算・経理担当事務職員は全ての予算について、常に執行状況が把握できる体制をとっている。事務職員がリアルタイムに予算執行状況を把握し、その執行状況及び執行内容に疑義が生じた都度、研究職員に対して指導を行うとともに、月次ごとに把握した予算執行状況を所内の運営会議及び所内グループウエアを利用した掲示等により、研究計画に基づく適正な執行に努めるよう所全体に周知している。また、内部監査部門も会計システムによる予算の執行状況及び執行内容の確認を行っており、必要に応じて書類確認を行っている。

改善・検討が必要な事例

  •  監査は従前より、事務において経理書類上のチェックを行っている。