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研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)に基づく体制整備等の実施状況について(分析結果報告)4.ガイドライン第5節 情報の伝達を確保する体制の確立

 ルールに関する理解を機関内の関係者に浸透させること、機関の内外からの情報が適切に伝達される体制を構築することが、競争的資金等の運営・管理を適切に行うための重要な前提条件となる。

(全機関に実施を要請する事項)

  • 1 競争的資金等の使用に関するルール等について、機関内外からの相談を受け付ける窓口を設置する。【必須事項】
  • 2 機関内外からの通報(告発)の窓口を設置する。【必須事項】
  • 3 不正に係る情報が、最高管理責任者に適切に伝わる体制を構築する。【必須事項】
  • 4 研究者及び事務職員が機関の定めている行動規範や競争的資金等のルールをどの程度理解しているか確認する。
  • 5 競争的資金等の不正への取り組みに関する機関の方針及び意思決定手続きを外部に公表する。

各研究機関の取組状況

【競争的資金等の使用ルール等の相談受付窓口】

 「必須事項」である使用ルール等の相談受付窓口の設置については、約86パーセントの研究機関で設置がなされている。しかしながら約10パーセントの機関にあっては、競争的資金が獲得できた時点で窓口として設置するなどで「検討している」と回答している。また、約4パーセントの研究機関は小規模組織であり日常的に研究者への相談に応じているなどの理由で「設置できていない」と回答している。相談窓口が設置できていない機関の平成19年9月末時点の競争的資金等の受給状況を見ると、競争的資金等の配分を受けていない、配分は受けているが5件以下かつ1,000万円以下と小規模な研究機関が約75パーセントを占めているという状況である。

 報告書提出時点では「検討している」と回答している研究機関もあるが、全体としては「使用ルール等の相談受付窓口は設置されている」と考えられる。ただし、窓口が設置されている研究機関の約16パーセントが「判断の難しい相談事項に対応できていない」と回答している。研究機関で定める手続きに関する相談に対応できていない場合には、一層の検討が必要である。

 なお、「競争的資金等の使用に関するルール等の相談受付窓口の設置」への取組事例としては、学部、研究所等の多くの部局を有する組織では、各部局の相談窓口を設置した上で競争的資金の経理関係などの所掌事務に応じた窓口を本部事務局に設置する傾向が見られ、比較的小規模な組織にあっては、担当課などによる単一窓口で対応している機関が見られた。

 相談受付窓口の設置については、窓口として人を新たに配置することを必須として求めているものではなく、既存の係、担当者が相談を受けているのであれば、当該係や担当者を窓口として研究者等に周知されていることを求めているものである。また、効率的な研究遂行を適切に支援するための仕組みの一つであり、特に複数の窓口を設置している場合には、使用ルールに関してどこに相談すれば良いのかを明確にし、研究者等に周知されていることが必要であり、窓口担当者によってルールの解釈が異なることが無いような工夫がなされていることが望まれる。また、窓口が設置できていない研究機関にあっては、早急に対応することが望まれる。

<使用ルール等に関する相談受付窓口の設置状況について(取組状況整理票の項目20)>

使用ルール等の相談受付窓口の設置状況(1,554機関)【必須事項】

相談受付窓口を設置している研究機関における窓口の設置形態(1,357機関)

  • (注)当該設問への回答に際して、部局ごとの窓口と本部事務局に総合的な窓口を設けている機関や、総合的な窓口も所掌事務に応じて設置している機関があり、複数回答している機関もあったため、「統一的に対応する窓口設置」と「部局等ごとに設置」の両者を選択している場合は、便宜上、「統一的に対応する窓口設置」として整理している。

相談受付窓口を設置できていない研究機関の研究費受給状況(69機関)

相談受付窓口を設置している研究機関における判断の難しい相談事項への対応状況(1,342機関)

【通報(告発)受付窓口の設置】

 「必須事項」である通報(告発)受付窓口の設置については、約78パーセントの研究機関で設置がなされている。しかしながら約15パーセントの機関にあっては、競争的資金が獲得できた時点で窓口として設置するなどで「検討している」と回答している。また、約7パーセントの研究機関は「設置できていない」と回答している。相談窓口が設置できていない機関の平成19年9月末時点の競争的資金等の受給状況を見ると、競争的資金等の配分を受けていない、配分は受けているが5件以下かつ1,000万円以下と小規模な研究機関が約77パーセントを占めているという状況である。

 報告書提出時点では「検討している」と回答している研究機関もあるが、全体としては「通報(告発)受付窓口は設置されている」と考えられる。通報(告発)の受付窓口については、機関内で統一的に対応する窓口を設置している機関が多くを占めている。また、一部、機関内と機関外で併設するパターンや機関外に窓口を設置する機関もみられた。

 通報(告発)受付窓口の設置については、窓口として人を新たに配置することを必須として求めているものではなく、担当課長等が通報を受けているのであれば、当該者を窓口として研究者等に周知されていることを求めているものである。また、通報の取り扱いに関し通報者の保護が必ずしもなされていない機関が一部に見られたが、通報者保護を徹底するとともに、保護の内容を通報者に周知する取組が望まれる。また、窓口が設置できていない研究機関にあっては、早急に対応することが望まれる。

<通報(告発)受付窓口の設置状況について(取組状況整理票の項目21)>

通報(告発)の受付窓口の設置状況(1,553機関)【必須事項】

通報(告発)受付窓口を設置している研究機関の設置形態(1,237機関)

通報(告発)窓口が設置できていない研究機関の研究費受給状況(112機関)

【不正への取組に関する機関の方針等の外部への公表状況】

 不正への取組に関する機関の方針と意思決定手続きの公表状況については、約25パーセントの研究機関で公表していると回答しており、公表方法等について検討していると回答している研究機関は約53パーセント、公表できていないとする研究機関は約22パーセントとなっている。

 不正への取組等に対する外部への公表は、機関の方針を明確化し、それを実行するための体制を明示することで社会的な要請に応じて社会からの信頼を得ていくための取組として有効かつ重要と考えられる。公表できていないとする研究機関にあっては、今後の対応が望まれる。

<不正への取組に関する機関の方針と意志決定手続きの外部への公表状況(取組状況整理票の項目22)>

不正への取組に関する機関の方針と意志決定手続きの外部への公表状況(1,534機関)

【行動規範や競争的資金等のルールに関する理解度の確認状況】

 行動規範や競争的資金等のルールに関する理解度の確認状況については、約29パーセントの機関が何らかの形で理解度を確認していると回答しており、確認する方法について検討していると回答している研究機関は約45パーセント、理解度を確認できていないとする研究機関は約16パーセントとなっている。

 研究機関内における行動規範や競争的資金等のルールの周知徹底については、一方的な通知や伝達では効果が限られ、十分に理解しているかどうかを測定することにより、その結果から判明した事実に基づいて対策をとることが重要と考えられる。理解度を確認できていないとする研究機関にあっては、今後の対応が望まれる。

<研究者及び事務職員の競争的資金等のルール等に対する理解度の確認について(取組状況整理票の項目23)>

行動規範や競争的資金等のルールに対する理解度の確認状況(1,536機関)

参考となる取組の事例

【窓口】

  • ★ 通報を有効に機能させるための事例
    • (国立大学)
      •  通報(告発)窓口について、学外の法律事務所に設置。また、通報者保護のため申し立て者が希望すると氏名等は法律事務所に秘匿され機関に知らされない措置をとることができる規定を置いている。
    • (公立大学)
      •  通報制度を有効に機能させるために、組織内部のみでなく、組織外部にも窓口を設置。
  • ★ 窓口担当者によってルールの解釈が異なることがないような工夫をしている事例
    • (公立大学)
      •  相談窓口は各キャンパスごとに設置している。研究費の執行は多岐に亘り複雑化しているため、規則、マニュアル等を策定しても詳細の部分ではその時々の判断をせざる得ない場合があるため、各相談窓口間でズレが生じることがあり、定期的に情報共有をする機会を設け、事務処理手続きに係るルールの統一化、情報の共有化を図っている。

【理解度】

  • ★ 理解度の確認に当たり事務や研究者の負担に考慮し効率的工夫をしている事例
    • (国立大学)
      •  研修を開催するにあたり一堂に参加を求めることが難しいため、パソコンによるWebCT(eラーニングの様な双方向のシステム)を使い一人一人に対し習熟度の把握ができ、一定の解釈がなされれば次のステップへ進むことが可能とするような、実効性のある研修が出来るシステムの構築を予定。
    • (公立大学)
      •  年度当初、全教員に交付される教育研究費についての通知を行う際に、いくつかの項目について理解度チェックを行うとともに、遵守すべき事項に対して内容の確認と、署名をもらうということを検討している。
    • (大学共同利用機関)
      •  相談窓口設置に伴い、相談内容のデータを蓄積・分析して、理解されにくい部分の傾向を探り、ルールの明確化の際に活用するとともに、理解度を探る上での参考にする予定。
    • (民間企業)
      •  研究者の理解度の確認は、定期の説明会、アンケート調査、インタビュー及び現地調査等で行っている。また、日常的な手続き書類(各種伝票)のチェックにより、理解度に疑問がある場合は、その都度指導を行い、理解度の向上に努めている。

改善・検討が必要な事例

  •  相談窓口及び通報窓口を担当課に設置したが、機関内外への周知は未だ行っていない。
  •  競争的資金等のルールの理解について、機関内において、従前から説明会等を随時行っており、質問等もないことからルールは充分理解しているものと考えている。