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研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)に基づく体制整備等の実施状況について(分析結果報告)4.ガイドライン第1節 機関内の責任体系の明確化【必須事項】

 競争的資金等の運営・管理を適正に行うためには、運営・管理に関わる者の責任と権限の体系を明確化し、機関内外に公表することが必要である。

(全機関に実施を要請する事項)

  • 1 機関全体を統括し、競争的資金等の運営・管理について最終責任を負う者(以下、「最高管理責任者」という。)を定め、その職名を公開する。最高管理責任者は、原則として、機関の長が当たるものとする。
  • 2 最高管理責任者を補佐し、競争的資金等の運営・管理について機関全体を統括する実質的な責任と権限を持つ者(以下、「統括管理責任者」という。)を定め、その職名を公開する。
  • 3 機関内の各部局等(例えば、大学の学部、附属の研究所等、一定の独立した事務機能を備えた組織)における競争的資金等の運営・管理について実質的な責任と権限を持つ者(以下、「部局責任者」という。)を定め、その職名を公開する。
  • 4 最高管理責任者は、統括管理責任者及び部局責任者が責任を持って競争的資金等の運営・管理が行えるよう、適切にリーダーシップを発揮しなければならない。

各研究機関の取組状況

【責任体系の明確化への取組状況】

 ガイドライン第1節はすべて「必須事項」としている。約89パーセントの研究機関で最高管理責任者、統括管理責任者等の責任体系は明確にされている。しかしながら、約11パーセントの研究機関にあっては、各責任者の責任と権限を明確に記した規程等の整備が報告書提出時に間に合わない等の理由で「検討している」と回答している機関も見られ、また、極めて少数ではあるが、責任体系について「明確にできていない」と回答している研究機関があった。これら責任体系を明確にできていない機関における平成19年9月末時点の競争的資金等の受給状況を見ると、競争的資金等の配分を受けていない、配分は受けているが5件以下かつ1,000万円以下と小規模な研究機関が約78パーセントを占めているという状況である。
 報告書提出時点では「検討中」のものもあるが、全体としては「責任体系は明確にされている」と考えられる。

<機関内の責任体系(最高管理責任者)の明確化について(取組状況整理票の項目1)>

機関内の責任体系の明確化の状況(1,559機関)

機関内の責任体系を明確にできていない研究機関の研究費受給状況(9機関)

  • (注)研究費の受給状況については、「実施状況報告書」に記載されたデータを基に整理。
    ただし、平成19年9月時点で配分額が決定していない研究費は含まれていない。
    (以下の研究費受給状況を示す資料についても同じ。)

【責任体系の公開への取組状況】

 責任体系を「明確にしている」と回答している研究機関のうち、約51パーセントの研究機関で責任体系が公開されているが、約37パーセントの研究機関は「検討中」(公開予定時期を明確にしている研究機関を含む。)、約12パーセントの研究機関は「公開できていない」と回答している。特に責任体系が明確であるにもかかわらず公開できていない機関における平成19年9月末時点の競争的資金等の受給状況を見ると、競争的資金等の配分を受けていない、配分は受けているが5件以下かつ1,000万円以下と小規模な研究機関が約68パーセントを占めているという状況である。
 報告書提出時点では、公開予定時期を明確にして検討中としている研究機関もあるが、公開している機関は約半数であり、全体としては「責任体系の公開への取組が不十分」と考えられる。

<機関内の責任体系(最高管理責任者)の明確化について(取組状況整理票の項目1)>

責任体系を明確にしている研究機関での公開状況(1,381機関)

責任体系を明確にしているが、公開できていない研究機関の研究費受給状況(158機関)

【まとめ】

 「責任体系の明確化と公開」への取組事例としては、多くの研究機関が最高管理責任者、統括管理責任者等の役職を規定した公的研究費の管理・監査に関する規則を作成し、公開しているが、既存の組織規程・規則や寄附行為等と組織図の公開をもって、責任体系を明確にし、公開していると回答している研究機関もあった。一方、組織が小さく公開の必要性に疑問があるとする研究機関や、研究費を取得した時点で公開すると回答している研究機関、あるいは当機関HPでの情報提供の趣旨・目的に馴染まないとする研究機関など、責任体系は明確にしているが公開されていない研究機関もあった。
 「責任体系の明確化と公開」は、競争的資金等の運営・管理に関わる者に、それぞれの責任と権限の範囲の正確な理解と責任ある取組を促すとともに、公的資金の原資を負担する国民に責任を持って管理の体系を明示するものであり、競争的資金等の運営・管理を適正に行う上で極めて重要であると考える。このため、組織の規模や競争的資金等の受給の規模にかかわらず、早急に責任体系を明確にし、かつ、外に向けてわかりやすく公開することが必要である。

参考となる取組の事例

  • ★ ガイドラインを契機として、研究機関全体の環境をより良いものにしようとして検討している事例
    • (国立大学)
      •  研究活動は、ガイドラインで示す競争的資金等だけでなく、学内研究費、共同研究、寄付金等により行われるものもあること、また、教育活動に関連した経費もあることから、学内において種々検討した結果、研究機関としての責任体系を明確にするに際しては、ガイドラインで示す公的研究費に限定せずに、教育研究経費の適正な管理・監査を行うという視点から検討し、公開している。このため、統括管理責任者も、研究と教育という明確な役割分担に応じて複数設置している。

改善・検討が必要な事例

  •  機関内の責任体系について検討中(又は各責任者を決められていない。)。
  •  公開方法について検討している。
  •  研究機関内の職員には周知しているが、外部への公開は考えていない。