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人材養成計画構想・概要
○
対象業務及び対象分野
「(1)大学院修士課程相当 人社融合」
○
人材養成ユニット名
「科学技術ジャーナリスト養成プログラム」
○
代表者名
「伊東 孝之」
○
実施機関名
「早稲田大学」
計画の目標・概要
1.
目標
・
科学コミュニケーション分野における修士課程修了者を
毎年少なくとも10人
養成し、
新聞・放送・出版・宣伝産業などのジャーナリズム・マスコミ産業、
官公庁・研究所・民間企業などの科学技術関係の広報部門、
博物館・科学館・データアーカイブなどの学芸員、インタープリター、
高等学校などの理科担当教員、
マスコミ論、ジャーナリズム論を専攻する大学院博士課程などへ供給する。
・
理系・文系の
ポスドクを積極的にリクルート
し、科学コミュニケータとして再教育する。
・
理系の大学院修士課程、博士後期課程に在籍する学生の情報発信能力を向上させる。
2.
内容
・
学科目は、
ジャーナリズム論と科学コミュニケーション論に関わる
基礎部門
、
先端科学技術と生活科学の動向に関わる
イシュー領域部門
、
取材、原稿執筆、メディア制作、プレゼンテーション、国際的なコミュニケーションなどの能力開発を行う
実践部門
の3群からなる。前2群は講義を中心に、第3群は演習・実習を中心に実施する。イシュー領域部門のテーマは、社会的関心に応じて選定する。
・
学科目の履修と併行して、正副の指導教員(理系1、文系1)による
研究指導
の下でリサーチペーパーを完成する。研究指導では、理系学生と文系学生が相互の理解と認識を共有するよう指導する。
・
学生確保、現場体験、アウトリーチ活動、学外組織との提携を組織する
プロジェクトマネジャー
をおく。
・
たえず科学コミュニケータの
社会的ニーズを調査研究
し、プログラムに反映させる。
人材養成の必要性
・
科学技術立国
を目指してきたわが国の将来が危うい。子どもたちの「理科離れ」、成人の間での科学や技術の進展についての関心、知識レベルの低下が目立っている。
・
成熟した民主主義社会を維持するためには、憲法や選挙に関する知識と同様、科学と技術に関する基礎知識が不可欠である。科学コミュニケータの役割は、科学的な専門知識を一般国民に正しくわかりやすく伝え、
国民が科学技術に関して自己決定する基盤を与える
ことにある。
・
真面目な科学雑誌が次々と廃刊に追い込まれている。その理由の一つとして、国民の関心を惹起できるような有能な科学コミュニケータを育成する
教育システムの不備
が指摘できる。
計画進展・成果がもたらす利点
・
現在のような「理科離れ」が続けば、多くの国民が科学技術の発展方向に関する意思決定に参加せず、科学技術行政に無頓着となり、また、科学技術の意味を理解できる人々と、できない人々との間での不平等が生じることになる。科学コミュニケータの活動によって、
専門家と一般国民との共同作業が可能
となり、国民の科学技術に対する理解が増す。さらに、科学と技術の進展の方向、その利用の仕方に関して、適切な理解に基づいて自己の判断ができる人々も増えることになる。つまり、広い意味での政治的効果が期待できる。
・
長期的には、科学コミュニケータの活動によって
「理科離れ」が克服され、多くの優秀な人材が科学技術の諸分野に惹きつけられ、参入する
ようになるだろう。科学コミュニケータの活動から科学技術研究や産業の発展に至るまでの道は直線的ではなく、時間もかかるが、その効果は幅広く、確実である。
・
わが国では、ポスドク1万人時代といわれるように理系に有為の人材が少なくないが、活用されずにいる。これを科学コミュニケータとして再教育すれば、
ポスドク問題だけではなく科学コミュニケータ不足問題の解決にも貢献
することができる。
・
さらに将来、理系研究者となる人々に学生時代から情報発信能力、科学コミュニケーション能力を身につけさせれば、将来、
理系研究者自身が科学コミュニケータとして活動
することが期待できる。
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